3月24日、本日は硫黄島において第19回「日米硫黄島戦没者・合同慰霊追悼顕彰式」を開催し遺族代表として挨拶させていただきました。幸いにも晴天に恵まれ、厳かに式典を挙行することができました。
かつて戦った者同士が合同で慰霊祭を続けているのは、世界でただ一ヶ所硫黄島だけと言われ、これまでの活動は、日米両国の戦後の「平和と和解の象徴」とされております。
日本側は戦友及び戦没者遺族による「硫黄島協会」関係者90名、国会超党派による議連「硫黄島問題懇話会」の国会議員9名、政府より小野寺防衛大臣、加藤厚労大臣などの参加を得て、約130名が参列しました。
米国側は、かつての硫黄島戦生還者8名、退役軍人や戦没者遺族による「米国硫黄島協会」関係者、政府関係者など約100名が参列しました。
日米合同式典の後は、天山慰霊碑において日本の追悼式典を行い、地下壕や戦跡など島内を巡拝いたしました。
特に今回は現在探索中の遺骨収集現場を見ることができました。米軍によって埋められたり、73年にわたる土砂の堆積したジャングル化した地表を大規模に崩しながら調査を進め、ようやく地下豪が発見できるのです。この場所からは14柱が収容されておりますが、その先は崩落しているため次回以降に作業が再開されます。
地下壕の中は整備済みの所でも暑く、先が見えない程深い竪穴など危険だらけです。
これまでに収容されたご遺骨は10、410柱であり、未だ11、490人(52.5%)の方々が島で眠られたままなのです。お一人残らず故郷にお還りいただくまで、硫黄島の戦いは終わってはおりません。
現在でも火山活動による隆起が続き、至る所から水蒸気と硫黄が吹き出しています。自衛隊員と基地関係者しか滞在しておらず、一般の方は一人もおられません。
硫黄島は73年間、時間が止まった島なのです。
私たち硫黄島問題懇話会は硫黄島協会と連携し、この島に眠る英霊の追悼顕彰とご遺骨の収容帰還事業を支援しております。
時間が経ち世代が変わっても、現在の平和が英霊の皆様の尊い犠牲の上に成り立っていることを心に刻み、決して風化させることなく次の世代に伝えていかなければならない、と私は考えています。
そして二度と悲しい戦争が起こらないよう、平和の誓いを持ち続けることが英霊に報いることだと存じております。
今は穏やかな小さな南の島で、家族や祖国の為に命を燃やした英霊の皆さまに尊崇の念を込め、哀悼の誠を捧げてまいりました。