4月1日、竹島(島根県隠岐の島町)の地名表記について、国土地理院は、主な2島である西島と東島を「男島(おじま)」「女島(めじま)」と名称を変更するとともに、岩や湾など9つの名称「沖の島(沖の平島)」「平島」「五徳島(洞岩)」「南西岩」「洞湾」「錐岩(観音岩)」「象岩」「白岩」「石原」を新たに追加表記しました。
私は、我が国の固有の領土でありながら韓国に不法占拠されている竹島について、地元自治体の申請に基づき政府が行政事務を執行したことは、国の主権行使という意味合いからとても意義のあることだと考えています。
また、今回の竹島地名表記の追加については私も大いに関わっており、隠岐の島町の前・松田町長、現・池田町長を始め地元の皆さん、竹島領土問題に関わる多くの研究者や関係者と力を合わせて取り組んでまいりました。
平成19年12月、国土地理院は竹島の地形図を更新し、二つの島を「西島」と「東島」と初めて表記しました。
ところが平成24年10月28日、韓国は竹島の山に「大韓峰」「于山峰」という地名を独自に名付け自国領であることをアピールしようとしたのです。
私は、直後の11月13日、衆議院予算委員会でこの問題を取り上げ、「我が国が発行する竹島地図に、地名や山、岩などの名称をきちんと表記してはどうか?」と提案しました。
その際の議事録をご紹介しますので是非ご覧になってください。自民党が野党時代の質問で、言葉が少し荒いですが、日本の政治が混乱する隙をついて、韓国が竹島不法占拠をどのように強化しようとしたか、当時の緊迫した情勢がお分かりいただけると思います。
江戸時代から続く竹島漁の間に、竹島には洞窟や湾まで様々な名称がつけられており、子孫の人々に愛着を持って伝わっています。
隠岐の島町では、研究者による聞き取り調査や戦前の実測図調査などを実施し、平成25年5月には国土地理院に表記変更申請の準備を完了しました。
予算委員会での私の提案に当時の羽田国土交通大臣からは「地元自治体から申請があれば対応したい」旨の答弁を得ましたが、実現するまでには結果として4年かかりました。
領土問題の取り組みは、確固たる信念を持ちつつ、地道な取り組みを一つ一つ積み重ねながら進めていかなければならないのです。
韓国側では、1904年のわが国の資料のなかに、「独島」なる表記が初めて出てくるものの、それ以上の地名は確認されていません(現在韓国側では、東島、西島と呼んでいます)。
韓国側には、1950年代以前に現在の竹島を表記した地図が一枚もない以上、地理的に認識すらしていなかったことが確実です。わが国では、韓国側よりも古く、男島、女島と呼んでいたことを内外に示せば、わが国の方が古くから竹島を支配していた歴史の事実がさらに明らかになると考えています。
◎ 第百八十一回国会 (平成24年11月13日) 衆議院 予算委員会議事録(新藤義孝の質問部分をご覧下さい。)
■ 地名が語る往時の竹島 地図改訂<読売新聞 2017年04月05日>
■【竹島を考える】韓国不法占拠の竹島、主要2島を地元呼称の「男島」「女島」に国土地理院が記載 小島など9カ所も命名<産経新聞 2017年04月04日>