皆さまには健やかにお正月をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年中は大変お世話になりました。
本年が干支ではどんな年にあたるのか。私は毎年、懇意にしていただいている青木氷川神社の鈴木邦房宮司さんから教えていただいております。
『酉(とり)』は時刻でいうと午後6時、いよいよ「子歳」の「種子」から始まった植物の成長も結実し収穫の時を迎える事となります。『酉』はその収穫物を貯蔵する「壺(つぼ)」を表す象形文字なのです。そして、その「壺」の中の収穫物が発酵して出来るのが「酒」です。また、「配」という字は「壺」の中にある収穫物を人々に公平に「配る」という事を表します。
つまり、今日までの努力が結実し、それを自分の手柄とするのではなく、世の為人の為に「分け与え」、人々の役に立つよう「配る」ということを教えてくれています。もちろん、物だけではなく「目配り」「気配り」「心配り」も年頭の心構えとすることも、豊かな1年を過ごせる事につながるでしょう。
動物でいうと「鳥」になりますが、それは「鶏(にわとり)」を指します。うぐいすでも鷹でもありません。これは古く古事記まで遡ります。日本の最高神である天照皇大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸にお隠れになった時、八百萬(やおよろず)の神々が相談した結果、「太陽を呼ぶ事が出来て神を招く事の出来る「鶏」に鳴いてもらって岩戸から出てきてもらおう」ということになり、沢山の「鶏」を集め鳴かせた…という、いわれから日本では「鳥」といえば大いなる力を持った「鶏」となるのです。
めでたく天照皇大神がお出ましになり、そのことから「鶏」は太陽を迎え、神を招く「刻(とき)告げ鳥」として尊ばれてきました。現在でも天照皇大神をお祀りする「伊勢神宮」境内には「神鶏」として放し飼いになっています。
『酉歳』は「収穫」「結実」「刻(とき)」がキーワードとなる年になるでしょう。本年が皆さまにとってより良い年になりますよう心よりお祈り申し上げます。
安倍総理に経済構造改革と新年度予算編成の考え方を提言
安倍内閣が発足して4年、私たちは「強い経済と優しい社会の実現」を目指し、アベノミクス「三本の矢」を推進してまいりました。
これにより、GDPは増加し、有効求人倍率は史上初めて全都道府県で1倍を超え、実質賃金もプラスに転じ8ヶ月連続で上昇しています。
地域の温度差はあるものの所得と雇用環境は改善し、確実に「経済の好循環」が生まれつつあります。
一方で個人消費や設備投資は地方を中心に未だ力強さを欠く状況にあるほか、新興国経済に陰りが見え、英国のEU離脱など世界経済には下振れリスクがあることも留意しなければなりません。
こうした情勢をふまえ、年末の平成29年度・政府予算案の閣議決定に先立ち、私たちは政府に対する与党としての経済構造改革の推進方策と、新年度予算編成大綱に関する提言を行いました。
私は自民党の政調会長代理であり、経済構造改革に関する特命委員会事務局長として、その取りまとめにあた りました。安倍総理に提言した経済の成長と構造改革についての概要をご報告します。
まずは「経済再生なくして財政健全化なし」を基本に、経済・財政再生計画に沿って歳出改革を進めてまいります。
同時に、経済構造改革によるGDP600兆円の実現、一億総活躍のための子育て・介護や成長戦略の鍵となる研究開発に加えて、働き方改革の実現、国民の命を守る防災・減災、国土強靱化、未来を拓き創造する教育再生、国民生活の安心の実現などを最重要政策課題としてメリハリを効かせたメッセージ性のある予算となるよう、様々な提言を盛り込みました。
特にGDP600兆円を実現する経済構造改革では、地域経済の底上げ、ローカル・アベノミクスを強化し、全国各地域の「稼ぐ力」の向上や地域経済の好循環を拡大させることを最重点としました。
最重点施策1. 地域中核企業支援政策の新展開
地域ごとに、域外への販売が大きく、そのために多くを域内から調達する企業を「地域未来牽引企業」と位置づけ、年間300社程度を選定します。この企業群を対象とした新たな税制・補助制度を創設すると共に、金融などあらゆる支援を重点投入し、今後3年程度で投資拡大1兆円、GDP5兆円の押し上げを目指すこととします。
最重点施策2. 第4次産業革命の社会実装による暮らしの向上
我が国の世界最先端の技術である「自動走行システム」の社会実装、「IoT、人工知能(AI)、ロボットなどを活かした医療・介護革命」を強力に推進します。
特にこうした新技術の実用化と地域活性化を同時に実現するため、自治体と地域の産学官金等が一体となって取り組む革新的な施策については、提案募集・コンテストを行い最も優れたものに総合的な支援を行う「地域活性化パイオニアプラン」と名付けた新しい取り組みを盛り込みました。
また、これら新技術の開発・実用化をあえて地方から始めてみることで、高齢者の交通事故の激減、過疎や中山間地など地域における「高齢者の生活の足」確保、疲弊した地域経済を蘇らせる「新たな生活産業」の実現など、経済再生と併せ日本の社会的課題の解決につなげられないか、という想いを込めて提案いたしました。もちろん、このような新しい取組みを、川口市のような都市部の地方創生戦略に活用できないか、とも考えております。
今回ご紹介した経済構造改革についての提言と与党・予算編成大綱2017は、私のフェイスブックとホームページに公開しておりますので、ぜひご覧になってください。本年もどうぞよろしくお願いいたします!