◆新たな党役員・人事体制
この度の自民党役員人事により、政調会長代理に就任いたしました。
自民党の政務調査会は、政策の調査研究と立案を担当し、審議決定を行う重要な機関です。
稲田朋美政調会長、塩谷 立政調会長代行のもとで、会長代理は衆議院から田村憲久元厚生労働大臣、小野寺五典元防衛大臣、松本純元官房副長官と私を含めた4名が務めます。
自民党が採用する政策、国会に提出する法案は、政務調査会の審査を経なければならず、政調審議会で決定された政策が最終決定機関である党・総務会に諮られ正式な機関決定となります。
私は全部で13に分かれている政調部会のうち、主に総務・地方創生・経済好循環の分野を担当し、そのほかに一億総活躍社会推進やTPP総合対策、国土強靱化など多くの総裁直属機関の役員として政策立案に関わります。
自民党では、内閣改造とともに新たな役員人事体制が固まりつつあります。
私は、政調会長代理に加え、経済好循環実現委員長、地方創生実行統合本部・筆頭本部長代理、G空間情報活用推進特別委員長として引き続き政策の推進にあたります。
衆議院では、地方創生特別委員会・筆頭理事、安全保障委員会・理事、総務委員となっております。
また、超党派の「日本の領土を守るために行動する議員連盟」会長や、北極議連・副会長、資源確保戦略議連・幹事長、鋳物議連・幹事長、硫黄島問題懇話会・幹事長など、これまで続けてきた活動もさらに充実させてまいります。
◆尖閣諸島、東シナ海ガス田 上空視察
10月13日、衆議院・安全保障委員会の委員長と自民党理事により、東シナ海ガス田と沖縄県尖閣諸島を上空から視察しました。
両地域とも最近は国会議員による視察を行っておらず、特に尖閣諸島については国有化して以来、初めての調査です。緊迫する島と周辺海域を自分の眼で確認する貴重かつ有意義な機会となりました。
私はこれまで、東シナ海ガス田には航空機で2度、尖閣諸島にも2度上空から視察を行っております。さらに尖閣諸島魚釣島には、石垣港から9トンの小さな漁船で2度にわたり洋上視察いたしました。
※こちらの資料を併せてご覧ください。
○東シナ海ガス田
今回は航空自衛隊那覇基地から自衛隊機U-4を使用し、始めに向かったのは東シナ海の日中・中間線付近にあるガス田群です。
近年、中国は東シナ海において資源開発を活発化させており、日中の地理的中間線の中国側でこれまでに確認されていた4基に加え、新たに12箇所の海洋プラットホームの建設作業が進み、計16基の構造物が建設。そのうち樫ガス田など8基からはガス開発を示す炎が確認されています。
また、政府はこれらのプラットホームにレーダーを配備し軍事拠点化される可能性があるとの認識を示し、その場合には我が国の安全保障上の懸念にもなりかねません。
今回私は、全施設を低空まで降りて自分の眼で確認してまいりました。どの施設の周りにも中国の作業船が活発に動き、周辺海域には中国漁船が頻繁に見られました。
さらに中国が東シナ海の「日中中間線」付近で開発を進めている白樺ガス田などは、そのガス層が中間線を越えて日本側に達することが確認されているため、中国が一方的にガス田開発を進めることは我が国の国益を損なうものであり、我が国は中国に対し単独開発の中止や共同開発の実施等を求めています。現状、日中間の外交協議が中断・難航する中、こうした中国側の開発強行を見逃してはならず、今回の視察でその状況を目の当たりにすると、この問題に対する我が国の対応を、一刻も早くさらに強化しなければならないと強く感じた次第です。
リグ先端の炎がガス開発の証
施設の周りには作業船が
ガス層が日本側に達する白樺ガス田
○尖閣諸島
その次に向かった尖閣諸島では、最大の魚釣島をはじめ久場島や大正島など全ての島々を回り、飛行機の高度を下げ気流に揺られながら確認してまいりました。
久しぶりに見た尖閣諸島最大の島、魚釣島はかつて明治の頃、鰹節の工場やアホウドリの羽毛を採ることで250人もが暮らした我が国・固有の領土です。夕日に映し出されたシルエットは何とも神々しく、わずかな平地に残る手掘りの水路や住居跡、灯台などが人々の営みの跡を物語っていました。
しかし、現実は、中国漁船による海保衝突事案やその後の国有化以降、中国公船が周辺海域に接近することが常態化し、海保による中国漁船への退去警告隻数は平成23年の26倍まで増加しています。
この日も私たちの飛行機からは、島に近づこうとする中国の海警と思われる中国公船3隻に対し、海上保安庁巡視船3隻がこれを阻止すべく隊列を組んで併走しているところを視認いたしました。
しかも、ガス田から尖閣諸島へ向かう飛行中には、私たちが搭乗する自衛隊機に対し、中国側に接近しないよう警告する無線が飛び込んでくることもありました。
今回の視察は、東シナ海と尖閣諸島周辺の海や空が、国民の皆さまに伝わっている以上に緊迫しており、我が国領土と主権を守るための切れ目のない対処と不断の備えが必要急務であることを、再認識する貴重かつ有意義な機会となりました。
明治時代の灯台・水路
中国海警と併走する海上保安庁巡視船
航空自衛隊那覇基地の皆さんと
(後ろに見えるのが自衛隊機U-4)
新 藤 義 孝 |