6月2日から8日にかけて、新藤外務大臣政務官はウラジオストク他極東ロシアを訪問した。
昨年11月ウラジオストク視察以来、ロシア退役原潜解体事業推進に向け日露双方に体制見直しを働きかけてきた新藤代議士。
その結果、日露非核化協力委員会設立後10年間手付かずだった原潜解体の第1号(ヴィクターⅢ級原潜解体プロジェクト)実施の目処がつき、今回、解体現場
となるウラジオストク近郊のズヴェズダ造船所で式典が開催された。新藤政務官は、「希望の星」プロジェクトが日露の友情と協調の証となるようこれからも積
極的に取り組んでいく旨のスピーチをロシア語で行い、また、更なる協力関係発展を誓い桜の記念植樹を行った。
ハバロフスクにおいてはロシア外国貿易銀行主催のセミナーに出席し開会挨拶を行い、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーではマシュコフツェフ同州知事他と
会談した。ウラジオストクにおいては、ダリキン沿海州知事、フョードロフ太平洋艦隊司令官、コプィロフ・ウラジオストク市長等と会談。ハバロフスク、ウラ
ジオストクにおいては日本センターを視察した。
また、仙台で開催されていた「川口大臣と語る外務省タウンミーティング」にウラジオストクよりテレビ電話で参加。ハバロフスク、ウラジオストクでは日本人抑留者墓地へ墓参した。
○今回の訪問の成果
(1)日本との対露非核化協力の一環である退役原潜解体事業「希望の星」事業推進
原潜解体事業は長らく頓挫していたが、2002年11月、新藤政務官が現地を訪問し、直接ロシア側関係者と協議したことが契機となって、その後半年で、最
初の解体事業開始の目処がつくに至った。この度、新藤政務官がウラジオストクを再訪し、上記式典に参加すると共に、現地関係者と本件事業に向けての決意を
再確認したことは、政治的モメンタムを維持・強化する上で、又、広報的な観点から極めて有意義であった。
(2)日本とロシア極東との協力関係強化
現地知事等との会談においては、同地域と我が国の全般的関係強化のために幅広い意見交換を行った。右機会に、極東ロシアの日本重視姿勢が明確に看取され
た。尚、我が国から政治レベルの要人がカムチャツカ州を訪問するのは戦後初めてであるが、同州側からは我が国との協力への高い期待が示された。