キューバのカストロ国家評議会議長が8年ぶりに訪日し、3月2日衆議院内にて、綿貫衆議院議長や新藤外務大臣政務官らと会談をおこなった。カストロ国家評
議会議長、ペレス外務大臣、ソベロン中央銀行総裁、ゴンサレス情報通信大臣ら一行を迎えた綿貫議長は、「日本とキューバは政府間の外交も、文化・経済の交
流も良好であり、今後も両国の友好と発展を期待します」と歓迎のことばを述べた。
2時間にわたる同会談では、両国間の交流についてや国際平和に向けての様々な問題が話し合われたが、日朝関係について話が及ぶと、外務大臣政務官就任以来、日朝国交正常化問題に力を注ぎ、拉致問題をはじめ、核開発問題、不審船事案、ミ
サイル問題など安全保障上の諸問題に対して一貫して断固とした態度を明らかにしている新藤代議士が、拉致についての詳細な経緯などをカストロ議長に説明し
た。カストロ議長は、「拉致問題については初めて知った。(この話が聞けただけでも)本日は非常にいい機会をもったと思う。北朝鮮に何らかのメッセージを
送りたいということであれば協力します。必ず解決の道が開かれると期待します」と語った。
新藤政務官の発言をきっかけに、この北朝鮮問題については、同日午後に外務省飯倉公館で行われたカストロ議長と小泉首相との会談においてもさらなる言及がなされ、カストロ議長は「できることがあれば、できる範囲でやる用意がある」ことを強調した。
新藤代議士は、平成13年1月に綿貫議長に随行しキューバを公式訪問しており、カストロ議長をはじめアラルコン全国議会議長やペレス外務大臣ら政府要人と会談している。
新藤政務官とカストロ議長との2度目の会談となるこの度の会合は、綿貫衆議院議長より同席するようにとの指示を受け出席したもの。会談の席上、カストロ議
長から「現在、日本の北朝鮮に対する最大の懸案事項は何か」との質問が出、「それは拉致問題である。詳しくは新藤外務政務官に説明させる」と綿貫議長が応
じたことから話が始まった。
カストロ議長は、今まで拉致問題の存在を知らされておらず、キューバから案内のために同行しておる馬渕在キューバ大使は、会談後新藤政務官に歩み寄り「拉
致問題については、今までなかなか言う機会がなくて、非常に気になっていた。今回新藤政務官から話をしてもらえて、本当に良かった。人道主義者であるカス
トロ議長は、きっと北朝鮮に何らかのメッセージを送ってくれると期待できる」と語った。