2001.09.03 政策評価の実情調査のためアメリカへ

新藤総務大臣政務官は、去る8月27日から9月3日までの8日間、政策評価制度の実情などを調査するため、アメリカを訪問した。今回の訪問は、主に、総務省所管の「行政評価法」が来
年4月1日に施行されるのを控え、8年前から類似の制度を実施しているアメリカの実情を詳し
く調査することを目的に行われたものである。
今回の訪問では、実務的な調査を望む新藤政務官の希望により、実務担当者との懇談に多くの時間が割かれた。27日と28日の2
日間は、サンフランシスコにおいて、IT事情を調査するため、シリコンバレーへ赴き、NTTドコ
モUSAや、オラクル、サン・マイクロシステムズといったIT関連企業を訪問した。これらの企業
においては、シリコンバレーの現況のほか、日本のIT政策についての方向性などについて、幅広くかつ活発な意見交換が行われた。

29日にワシントンDCに移動した後、30日と31日には、連邦政府の機関へ赴
き、今回の訪問の主な目的である政策評価についての調査を行った。初日の30日には、アメ
リカの政策評価法である「政府業績成果法(略称:GPRA)」の制度を所管している行政管理
予算庁(OMB)を訪問し、担当者から話を聞いた。OMBでは政策評価の統括権限のほかに
予算査定権限を有することから、予算査定の一手段として、政策評価を連携させている実情
が明らかになった。
午後には、会計検査院(GAO)を訪問した。GAOは、日本の会計検査院とは異なり、立法府
に属しており、ここではGPRAとは別に連邦政府の諸施策について評価する「プログラム評価
」を実施している。GAOでの意見交換により、GAOにおけるプログラム評価は、経費の節減
や適切な執行の監督に活用することを主な目的とされていることが明らかになった。また、GA
Oにおいては、会計検査院院長のウォーカー氏とも会談を行った。新藤政務官は、この会談
において、総務省行政評価局との職員交流を進めることについての提案を行った。この結果
、交流実現に向け実務的な詰めを進めることとなるなど、これまでの事務的な調整では進まな
かった懸案が、新藤政務官と院長との会談により大きく一歩前進する結果となった。

翌31日には、政策評価制度の実施官庁の中で運用が適切になされているとされる運輸省(
DOT)を訪問した。運輸省での話により、アメリカにおいても実績の数値化が困難な事務も多
くあり、そのような事務について目標を数値化することにはあまり努力が払われていないことが
判明した。
最後に、9月1日(土)には、ニューヨークにおいて、(財)自治体国際化協会ニューヨーク事務
所長と懇談し、アメリカの自治体における行政評価制度の概況について話を聞いた。