週刊新藤 第301号WEB版<日本の新しい未来をつくる!1.経済再生を実現します。2.すべての世代が幸せを実感できる社会へ!>です。ぜひご覧になってください。

 9月27日、自民党総裁選が行われ、石破 茂総裁が誕生しました。そして、10月1日には臨時国会が召集され、首班指名選挙において新しい内閣総理大臣として 選出される予定です。


 私たちは、石破 茂総理大臣と共に「日本の、新しい未来をつくる」ため、政府・与党一丸となって全力で国政運営にあたる覚悟です。
 今、日本は大きな転換点にあります。少子高齢化・人口減少を克服し、全ての方々が日本中で幸せを実感できる社会をつくれるかどうか、今こそ政治が最大限の力を発揮しなければなりません。
 私はこれまで、経済再生担当大臣や新しい資本主義担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣など6つの大臣を拝命し、経済財政諮問会議を運営しながら、デフレから脱却し新しい成長型の経済ステージを作るために、様々な政策を立案し、実行してまいりました。


 今号では日本の新しい未来に向けてどのような戦略が打ち立てられているのか、私の考えや取り組んでいることをご報告します。

▶新しい経済ステージの実現へ➡経済再生担当大臣として◀
 日本経済は大きなチャンスを迎えています。
賃上げは33年ぶりの高水準、株価も3 4年ぶりに最高額を更新、実質賃金はプラスに転換、設備投資は3 3年ぶり過去最高の106兆円、名目GDPも史上初めて600兆円を超えました。
 企業の経常利益・営業利益は過去最高を更新、家計においても実質個人消費に持ち直しの動きがみられるなど、日本経済は本格的な力強さを取り戻しつつあります。
 しかし600兆円は一つの到達点でありゴールではありません。
 この30年間で、米国の一人当たり賃金は2.6倍、名目GDPが3.8倍、株価は15.0倍と、諸外国は大幅に成長しています。
 また、ドイツは、日本の3分の2の人口、約6割の就業者数、約8割の労働時間で、日本と同程度のGDPを生み出す高い労働生産性を実現しています。
 日本が目指すのは、少子高齢化・人口減少であっても持続的に成長する民需主導の自律型成長経済です。
 6月に私が責任者としてまとめた「骨太の方針2024(経済財政運営と改革の基本方針)」では、2040年GDP1,000兆円の実現を新たな目標とし、賃上げと投資がけん引する新しい「経済財政新生計画」を決定しました。(前ページ「図‐1経済新生への道行き」をご覧下さい。)
 日本経済を世界の潮流に負けない一段高い成長経路に乗せるため、大胆な構造改革を強力に推進し、これまでとは全く違う経済のステージを実現する戦略はすでに組み立てられているのです。

▶物価上昇を上回る構造的賃上げの持続➡新しい資本主義担当大臣として◀
 まず初めに実現すべきは、物価上昇を上回る持続的・構造的賃上げです。2024年の春季労使交渉は33年ぶりに5%を超え、現在、実質賃金も物価の上昇率を上回りプラスに転じています。この流れを来年以降も定着させることが極めて重要であり、引き続き強力に展開していきます。
 大企業の賃上げの動きを、全従業員数の7割が働く中小企業や下請先まで全国に波及させなければなりません。
 特に、賃上げの原資を確保する労務費の価格転嫁を進めるため、内閣官房と公正取引委員会による「労務費の転嫁のための価格交渉に関する指針」に沿った行動の徹底を産業界に強く要請し、独占禁止法、下請法に基づく厳正な対処を行います。
 賃上げ税制の拡充や、医療・福祉分野などエッセンシャルワーカーの賃上げ、公共工事設計労務単価の引き上げや建設労働者の処遇改善、トラックドライバーの賃上げにも取り組んでいきます。

▶日本経済の根本的課題の解決➡潜在成長率の引き上げ◀
 30年来のコストカット型経済の下での低成長により、日本の潜在成長率は、米国2.0%、仏1.4%、英国1.2%に比べ、0.5%と低い状況にあります。
 潜在成長率引き上げのためには、1労働 2資本 3全要素生産性 各分野の増強が必要であり、私は日本経済の新たな構造改革を進めるため、こうした観点を盛り込んだ経済対策を打ち出しました。
1 労働投入=人への投資
 人口減少の制約が大きな課題となる中、女性や高齢者の労働参加や労働時間拡大の余地があります。ジョブ型人事の導入、年収の壁への対応、非正規雇用の正規化、働き方改革を進めるのはここに理由があります。
 2012年から2023年の11年間で、生産年齢人口が660万人減少する中、就業者数は467万人増加し、うち女性が393万人、高齢者は318万人それぞれ増加しました。今後は女性の正規職員雇用比率をさらに上げていきます。
2 資本投入=投資拡大
 コストカット型経済の下で長い間抑制されてきた日本企業の設備使用年数(ビンテージ)は、G7の中でイタリアに次ぐ長さになっています。一方、経常利益が過去最高を更新し、保有する現金・預金水準が他国より高い日本企業は、国内投資を拡大する絶好の機会を迎えており、33年ぶりに過去最高を更新する投資拡大が起きています。
3 全要素生産性=研究開発による技術革新
 フロンティアの開拓、デジタル等最新技術の社会実装、研究開発投資やソフトウェア投資、新たな価値を創造するスタートアップの育成を強力に推進していきます。


▶「総合経済対策」を実行➡大胆な規制改革と税制改正、供給力強化◀
・賃上げ促進税制の拡充(赤字でも賃上げを実施した中小企業に、将来収益が出たときに税額控除が受けられる仕組みを創設。)
・中小企業の省力化投資支援
 カタログ形式でロボット、IoT、AIを活用した人手不足に効果のある省力化機器の導入補助を新設。
 A4用紙1枚で簡単・迅速な申請を可能に。
・本格的な設備投資のためのオーダーメイド形式で機械やシステムを構築する支援制度を拡充。
・地方における中堅、中小企業の大規模成長投資補助金を大幅拡充。
・雇用者のスキルアップと賃上げを促進するリスキリングの拡充。教育訓練給付や在職中の非正規雇用者支援を強化。
・世界競争に打ち勝つ先端半導体の国内生産拠点整備を応援し、大型投資への集中支援の実施。

▶未来への投資を強化➡フロンティアの開拓、新技術の社会実装◀
●教育DXフロンティア戦略の推進
 タブレットを活用した質の高い公教育の推進。デジタル人材育成、教育データと生成AIを活用したネットワークの構築。一人一人に最適な学びをサポートする仕組みを実現。
●医療DXの本格導入
 すべての診療機関に電子カルテシステムを導入し、医療情報の共有、連携を図る全国医療情報
 プラットフォームを構築。生成AIを活用し、一人一人に最適な医療・介護が受けられる体制を国が責任を持って整備。
●DX(デジタルを活用した社会づくり)、GX(脱炭素社会を目指すグリーン戦略)の推進
 社会課題を解決し、新たなサービス・産業をつくるための、自動運転、ドローン物流、ロボット、センサー、バイオ、水素、人工知能(AI)など、新技術の徹底した社会実装。
●宇宙・海洋の産業化➡世界市場の獲得
 世界規模で市場拡大する宇宙、海洋資源開発分野は、将来の日本をけん引する「フロンティア」。
 技術開発から商業化・産業化までを見据えた大きな取り組みを推進。
 併せて、経済安全保障上の観点も含めた国家戦略として強力に展開。

▶世界を取り込む新しい経済の流れ➡スタートアップ担当大臣として◀
日本経済の競争力を高めるために、スタートアップ政策を大幅拡充します。
私はスタートアップ担当大臣として、成長する世界経済を日本に取り込み、日本が世界に打って出るための「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」の基本方針を取りまとめ、8月に決定しました。


国内各地の産学官によるスタートアップ支援を有機的に連携させると共に、ボストン、シリコンバレー、ロンドン、パリ、チューリッヒ、ミラノ、シンガポール、ドバイなどにある最先端の大学・研究所、投資機関とのグローバルネットワークを構築し、世界最高のイノベーション・エコシステムのハブを日本に創設します。

▶少子高齢化・人口減少でも成長する経済➡全世代・生涯活躍社会に向けて◀
日本は2030年以降、15~64歳人口が劇的に減少します。一方で、25~74歳人口は2040年代前半まで横ばいです。そして、日本の高齢者の就労意欲は高く、過去20年で5歳分若返っています。
人口構成が大きく変化する日本社会では、これまでの画一的な働き方、一括採用、年功序列、終身雇用という慣行を見直す必要があります。ジョブ型人事の導入は、能力や技術に見合う職場と賃金体系を提供します。自らの能力を磨くリスキリングの充実、成長分野への円滑な労働移動を合わせた
「三位一体の労働市場改革」を推進するのは、日本の新しい経済ステージ実現のためなのです。
私は、日本から本人の意思に反した非正規雇用という働き方を無くし、短時間就労や変形労働であっても希望する全ての方が正規雇用になれる制度に変えられないか、と考えています。年収の壁対策をさらに強化し、3号被保険者制度、在職老齢年金制度などの見直しを進めていきます。

▶「川口の未来を拓く新しいまちづくり」の総合的推進◀
私たちのまち川口においても、未来を拓く新しいまちづくりが強力に展開されています。
「上野・東京ライン」の川口駅停車が実現へ!
まちの悲願「川口駅への中距離電車停車」は、本年末頃にJR 東日本と川口市で基本協定を取り交わす予定です。(週刊新藤 第298 号をご覧下さい。)
朝の通勤混雑と不安定が解消されるとともに、上野東京ラインは、2031 年度予定の新ルートにより、羽田空港と直結するなど、川口の交通利便性が飛躍的に向上します。
私がJR 東日本と交渉を始めたのは2005 年からであり、長年活動を共にしてくれた奥ノ木市長、同志県議・市議はもとより、ご協力いただいた市民の皆さまに厚く感謝申し上げます。
駅のホーム増設、駅舎改築やデッキ拡幅に加え、美術館建設、周辺街区の再開発も大きく進みます。
旧そごうビルはリニューアル工事が始まり、2025 年春には約100 店舗の新商業施設が開業されます。

上青木SKIP シティの「NHK スタジオ」
第1期工事が2026 年の完成に向け着々と進められています。
渋谷放送センターのドラマ部門が移転され、朝ドラや大河ドラマ、音楽番組の制作拠点になります。
大勢の人が働き、番組制作関連企業が周辺に集積されるなど、経済活性化も期待できます。

クルド人問題の解決➡ルールを守って、共に生きるまち「川口」へ
市民の不安と不満が高まっている、いわゆるクルド人問題については、本年6月の改正入管法の施行により、難民申請中の強制送還など対応が強化されました。(週刊新藤 第300号をご覧下さい。)厳正な在留管理を行うとともに、国籍を問わず地域の発展のため、ルールを守り互いを尊重しながら理解・協力しあう「共生のまち」を目指します。

▶日本の、新しい未来をつくる!◀
今号では、少子高齢化・人口減少問題を克服し、誰もが豊かさと幸せを実感できる社会を構築するための課題と対策をご紹介しました。
生産性向上、労働参加拡大、出生率の改善により潜在成長率を高め、持続的に所得が増加する経済をつくらなければなりません。
性別や年齢にかかわらず意欲のある人が生涯活躍できる社会、若者が安心して結婚・出産・子育てできる社会、世代を超えて健康を維持し
希望に応じて働くことによる生涯所得の増大など、従来の延長線上にはない大胆で横断的な戦略が必要です。
私は、日本の新しい未来をつくるため、我が国経済のポテンシャルを最大限発揮できるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。