3月12日、私が委員長を務める党の「経済好循環実現委員会」を開催しました。
政府の「成長戦略」改訂に向けて有識者ヒアリングを進めているところ、その第2回目は、東京工大の柏木孝夫名誉教授と東京大学の坂村健教授にお越しいただきました。
柏木名誉教授からは、ディマンドリスポンスの意義についてお話をうかがいました。ディマンドリスポンスとは、電力需給状況に応じてスマートに需要を抑制することです。年間のわずかな時間のピーク時間帯の電力需要を抑制することで、電源開発投資を効率化することができるのです。
例えば、2013年・東京電力の電力需要のうち、1年間(8760時間)の1%にあたる上位88時間のピーク需要が電気料金型ディマンドリスポンスによって抑制された場合、機械的計算では、最高ピーク5093万KWの7.5%に当たる384万KWの電力供給設備の稼働・維持管理・更新が不要になる可能性があるそうです。(資源エネルギー庁資料)
すでに電力供給会社が大口の電力需要家と契約し、要請に応えて節電したらコスト削減の対価としてリベートを提供するというプログラムを実施している新電力供給会社があるのです。
坂村教授からは、経済好循環に向けて、ICT・インターネットの持つ意味について伺いました。
① 情報の流通コストがインターネットにより果てしなく安くなったため、経済の前提が変わってしまった。
② 経済好循環に入るにはICTを活かすしかない。社会インフラは技術と制度で成立しているのでこの両輪で社会を「2.0化」(=バージョンアップ)する必要がある。
③ グローバル競争の世界で制度の開発レースで勝ち残ることが求められる。
④ 行政のオープンデータ化、オープンガバメントが求められる。
⑤ 地方はコンパクトシティ化とネットワーク連結を求められる。
一方的に行政に求めるのでなく皆で参加し会える社会に変えて、それが「地方の元気」につながる可能性にかけるべき。という提案をいただきました。
本日の講師お二方とも私が総務大臣時代に設置した、地域の元気創造本部有識者会議の中心メンバーです。柏木先生には、総務省の地域分散型エネルギーシステムプロジェクトを強力に推進していただいております。坂村先生はコンピューターのTRONプロジェクトの生みの親として世界の第一人者であり、私の相談役として国家戦略特区のコンセブトワークから法制化に至るまでお付き合いいただきました。
私は、経済好循環をどのように、何をもって実現させるかは、アベノミクスを仕上げるための死活的重要事項だと考えています。その為の具体的方策を提案できるよう、さらに作業を進めてまいります。
-配付資料-
○【資料】東京大学・坂村 健 教授 講演資料
○【資料】東京工大・柏木 孝夫 名誉教授 講演資料(1)
○【資料】東京工大・柏木 孝夫 名誉教授 講演資料(2)