◆ なぜ今、視察を計画したのか
竹島は日本固有の領土ですが、韓国が不法占拠しています。 2 年前の政権交代以降、韓国はこれまで自民党政権時代には手がけられなかった竹島実効支配を強化するための新たな開発をここぞとばかりに推進しています。
30年振りとなるヘリポート拡張工事と、島の沖合 1 キロ先の我が国領海に建設する地上15階建て相当の海洋科学基地の工事が新たに着工されてしまいました。
私はこれら工事の中止要請を、自民党・領土特命委員会や国会の委員会質疑などで強く政府に働きかけてきましたが、いずれも東日本大震災発生後に入札着工されました。
また最近の 4 ヶ月で 5 人の韓国閣僚と 7 人の国会議員が竹島を訪問し、 6 月16日には大韓航空機による竹島上空のデモフライトが行われ、民間企業までが傍若無人な振る舞いをするようになりました。
さらに 8 月 5 日には拡張工事がなされた竹島の住民宿泊所の完成式典が、そして 8 月12日には韓国国会の特別委員会が、それぞれ竹島で行われる予定となっているのです。
なぜ韓国はこれまで積み上げてきた日韓の信頼を打ち壊し、日本が受け入れられないことを平然と実行するようになったのでしょうか?
事態の打開策を再構築するために、韓国側の竹島領有権主張をより明確に確かめなければならず、その基礎資料を得るために私は韓国視察を考えたのです。
◆ 鬱陵島に行ってわかること
韓国の竹島活用拠点となっているのは鬱陵島(ウツリョウトウ)です。竹島領有の主張を表した展示物がある博物館や、 1 年に数十日程度竹島が見えるという高台もあります。
昨年 6 月からは 1 日に 2 便、竹島への定期旅客船も就航し、一般国民も竹島観光が出来るようになっています。(昨年 6 月、当時の岡田外務大臣が訪韓し、外相会談を行った直後から始まっているのです。)
鬱陵島は韓国側の竹島に関する情報や竹島領有に関する主張が最も集約された島なのです。
◆ 視察計画の段取りと発表
鬱陵島視察の提案は 6 月24日の自民党領土に関する特命委員会で私から提案しました。その後も特命委員長でもある石破政調会長と相談し、谷垣総裁、石原幹事長にも度々相談・報告を重ねながら具体的日程を詰めてきました。
ところが準備を進めている内に、外務省が大韓航空機デモフライトに抗議する意味で職員の大韓航空機搭乗を 7 月18日から自粛すると発表しました。案の定、韓国国内では反発が広まり、私たちの純然たる現地視察が日本側の対抗策と見なされるのは不本意とする私は、搭乗自粛措置が始まる前の 7 月15日に視察計画の記者会見を行ったのです。
◆ 韓国側の反応
このように配慮を重ね、計画が純粋に視察目的であるにも関わらず、韓国国内では私たちへの反発が広まりました。在韓日本大使館前には連日デモ隊が押し寄せ、私や他の議員の写真を燃やしたり、サッカーボールに見立てて蹴り込んだり、ということが行われました。
韓国で日本の議員の顔写真が焼かれるという過激な抗議活動は小泉総理の靖国参拝以来のことで、約 2 週間にわたりソウルの日本大使館前では抗議デモが行われ、どんどん加熱してしまったのです。
◆ 8月1日の出来事
当初は領土に関する特命委員会として党から派遣される予定でしたが、韓国の反応を受けて党側にも心配が広がり、最終的には議員の海外視察ということで了承されました。
当日は朝 8 時55分の飛行機で羽田を出発し、11時過ぎに金浦空港に到着しました。空港に着くと韓国の入国管理事務所の担当者が私たちを別室に案内しました。
私たちはパスポート提出を要求され、そのチェックが行われました。約30分後、韓国側は唐突に「身体の安全が確保できないこと、及び、日韓関係に悪い影響を与えること、を理由にあなたたちの入国は認められない」と宣言したのです。
◆ 入国審査手続きが為されない
私たちはこの宣告を全く納得できませんでした。そもそも入国の目的や視察の内容等について何も尋ねられていなかったのです。このような一方的な措置が、適正な入国審査手続きすらなく行われることは、法治国家のすることではありません。
◆ 根拠となる法令が不明
さらに、入国禁止の根拠となる法令を尋ねると、韓国出入国管理法第11条 1 項第 3 号であると返答がありました。しかし、この条文は「『韓国の利益や公共の安全を害する行為をする恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある者』の入国を禁止することができる」というものです。
私たちはデモも集会も行わず、ただ視察に行くだけです。公共の安全を害する行為を行う恐れがあるのは、私たちに抗議する韓国人デモ隊の方です。
そしてデモを鎮圧し、治安を維持するのは韓国政府の役割です。暴力犯罪者やテロリストに適用する法律を、法解釈をねじ曲げて私たちに適用するのは道理が通りません。
◆ 入国禁止措置の影響
また、仮に入国禁止措置がとられた場合、今後例えば国際会議への出席等のため韓国を訪問したり、家族旅行など韓国へのプライベートな訪問も制限されるのか、と質問しました。韓国側担当者はこうした基本的な質問に「分からない、答える権限もない」という回答を繰り返し、遂には退席してしまいました。
私は在韓日本大使館を通じて私たちの質問を韓国政府に問い合わせ、説明を求めたのです。
◆ 部屋の中で起こったこと
別室に移された当初は自由に電話もでき、トイレにも行け、飲み物も出されました。しかし、私たちが韓国政府からの回答を得るまで帰らない意思を伝えると、韓国側は我々を「ディテンションルーム」という、入国拒否者を仮留置する部屋に移そうとしました。そこは窓もない留置所のような所で、仮に移送されれば、まさに犯罪者の扱いです。
合法的・平和的に入国しようとした私たちがこのような扱いを受けることは絶対に受け入れられません。
私は、部屋に内側から鍵をかけて封鎖するよう日本大使館の職員に言い、移送しようとする韓国の執行官が部屋に入るのを阻止しました。
その上で部屋の外にいる大使館職員が韓国側と交渉し、夕方金浦空港に来ることになった武藤韓国大使が到着するまでは移送を見合わせることになりました。体を張って守ってくれた大使館の職員の方には、非常に感謝しています。
◆ 大使との話し合い
私たちが待つ部屋で武藤大使は、「議員の要求は大使が引き取り、日本政府が責任もって韓国政府と交渉にあたりたい」と提案しました。
私たちは協議の上、大使の提案を受け入れ、交渉を政府に委ねて帰国することにしたのです。
◆ 真の友人になるために
そして夜 8 時10分発の全日空機最終便で金浦空港を発ち、10時過ぎに羽田空港に到着しました。
今回の結果は私にとって非常に不本意であり、このような騒動になってしまったことは残念というしかありません。しかし、日韓友好と言いながら、竹島問題に少しでも触れただけでこのような大問題になってしまうという日韓の現状を両国で再認識する事になったのは、重要です。
大切な隣国である日韓の真の友人関係樹立に向けて、竹島問題を放置してはなりません。互いの主張の違いを認識した上で、共同の協議機関を作り、問題を避けるのではなく乗り越えるための努力が必要です。
なお、金浦空港で私たちを応対した韓国の人々は、礼を失わず接してくれたことを報告しておきます。
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鬱陵島視察に関して、当日の写真を集めましたので、ご覧ください。
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■◇ お知らせ ◇■
【 オープンタウンミーティングのご案内 】
どなたでも参加していただけるオープンタウンミーティングを行います。
街の話題から国政に関する諸問題まで、どんなことでも結構ですので、皆様と
意見交換したいと思います。あなた様のご参加をお待ちしております。
◎ 日 時:9/14(水)
◎ 時 間:午後7時~
◎ 場 所:川口駅東口前フレンディア(キュポ・ラ4階)
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■◇ 新藤義孝PROFILE ◇■
昭和33年川口生まれ。当選4回。
衆院決算・行政監視委員長、経済産業副大臣、外務・総務大臣政務官、
等を歴任。
自民党・領土特命委員長代理、報道局長、J-NSC事務局長、埼玉県連会長、
川口ふたば幼稚園園長。
◆ 後援会事務所
〒332-0034 川口市並木1-10-22
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