週刊新藤第216号 緊急報告!竹島での韓国の暴挙~海洋科学基地と住民宿泊所の工事計画~

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竹島での韓国の暴挙が止まりません。私のホームページには関係資料や動画がたくさんありますので、是非ご覧になってください。


 竹島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土ですが、韓国によって不法占拠が続いています。
 特に昨年の政権交代以降、外交に不慣れで軸足の定まらない民主党政権の足下を見透かしたかのように、韓国は竹島の不法占拠をさらに強化する動きを強めているのです。
 その竹島で、韓国による新たな動きが起こっています。我が国にとって、とても見逃すことのできない重大問題なのですが、政府が事態を明らかにしないため、マスコミもほとんど報道いたしません。
 今号では私から皆様に緊急報告させていただきます。


◆ 海洋科学基地の工事発注の動き

 昨年、韓国海洋研究院が竹島北西1 キロの沖合に「海洋科学基地」なるものの建設を計画していることが明らかになりました。
 基地は地上15階建て相当のヘリポートを備えた構築物であり、総工事費は373億ウォン(約26億円)、竹島近海の海洋観測を行うと共に、韓国実行支配の強化を目論んだものです。
 当初この基地は、昨年 6 月に設計を完了して 9 月に着工、2013年に完成という予定でした。
 しかし、この情報を韓国側の国内報道から手に入れ、それを元に追求した私の国会質問等、日本国内の反発が功を奏したのか、昨年半ば以降、工事契約の発注がストップしていました。
 ところが、本年 1 月24日の建設経済新聞、及び 1 月28日の毎日新聞(いずれも韓国紙電子版・韓国語)の報道によると、韓国海洋研究院は1 月24日、海洋科学基地の建設工事の契約締結を調達庁に依頼。調達庁はこれを受けて工事の設計図を作成し、入札参加資格を決めた上で、間もなく入札を行う予定であるというのです。
 これが事実であれば、我が国の領海に他国の構築物が新たに建設されることになり、重大な主権侵害となることは明らかです。

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◆ 住民宿泊所の拡張工事完成

 ほかにも竹島では、より多くの韓国人を居住可能とするため、既設の宿泊所の拡張工事が昨年より行われております。 1 月19日のソウル新聞(韓国紙電子版・韓国語)によると、この工事が本年 4 月までに完成、5月に竣工式が開かれる予定という記事が掲載されました。
 現在の宿泊所は地上 2 階、全体面積118.92㎡ですが、この拡張工事によって地上 4 階、全体面積373.14㎡と約 3 倍の規模となり、最大で40人が同時に居住できるようになるとのことです。
 今現在、竹島に韓国の宿泊所が存在すること自体も大問題ですが、竹島の韓国既存施設がノーチェックで改築されることは、政権交代前の日韓関係ではあり得なかったことなのです。
 我々自民党が政権を担っていた最近の10年間では、竹島で新たな動きがあればどんな小さな事でも見逃さず抗議し、阻止してきました。
 韓国が竹島周辺海域で海流調査を強行した平成18年 7 月には、小泉政権が実際に海上保安庁の巡視船を派遣し、韓国調査船を追尾の上、調査をやめさせたこともあるのです。

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◆ 公表せず、抗議しない民主党政権

 政権交代した一昨年の 9 月、その年が開けた昨年の 2 月頃から動き始めた竹島の様々な韓国側計画について、私は委員会や本会議場で何度も政府に対して「韓国に抗議をしたのか、国民にこの事実を公表すべきではないか」と質問を繰り返してきました。民主党政権の答弁は、
○「外交上の個別のやりとり及び事実確認の詳細について明らかにすることは差し控えたい」
○「政府は累次にわたり竹島の領有権の問題に関する我が国の立場を明確に申し入れてきている」
と云うだけで、国会にも国民にも何ら状況を説明していません。
 そして、日韓の総理と大統領、外務大臣同士は年に何度も会談したり国際会議などで接触しておりますが、民主党政権になって以来、首脳間では、日本側から韓国に対し抗議するどころか、竹島問題そのものを話題にしたという会談結果が報道されたことはないのです。


◆ 韓国への誤ったメッセージ

 東シナ海上の「離於礁」は中国と韓国がその領有権を巡って争っていますが、韓国は1995年から2001年にかけて、中国の抗議を無視し、今回竹島で建設予定と同様の海洋科学基地建設を強行しています。
 日本政府がこのまま何も対応しなければ、離於礁と同様に基地を建設されてしまうことは目に見えています。(表紙写真を参照)
 日本国と日本国民は、日本の領土である竹島に韓国による新たな大規模施設建設を容認することが出来るのでしょうか?
 現在の日本と韓国両政府が提唱する、「新たな日韓の未来関係」とは、日本側の領土や国家主権をないがしろにした中で構築しようとしているのでしょうか?
 日韓のこれまで築いてきた信頼関係を粉々にしてしまう韓国側の動きに対し、事実を確認しているにもかかわらず、何も抗議しないばかりか、主権者である日本国民に公表すらしない日本政府の対応は、竹島問題に関し暗黙の了解を与えている、という韓国への誤ったメッセージになってしまっています。


◆ 日本のとるべき対応策

 私は政府にこれまで求めていた、
① 事実を日本国民に早急に公表すること
② 韓国政府に対し強く抗議し、計画の即時中止を求めること
③ 竹島の施設建設に関する両国間の外交協議の場を設けること
の各事項を再度、申し入れます。
・ 2 月 8 日には政府に対する質問主意書を提出いたしました。
・ 2 月10日には自民党の領土に関する特命委員会を開催し、私から状況報告を行いました。
 私だけではありません。竹島問題に関わっている学者や研究者、さらには関係団体の皆さんも強い危機感を訴えています。
 島根県の竹島領土確立隠岐期成同盟会からは、会長である隠岐の島町長が緊急要望を直接届けに国会の私の部屋までお出でになりました。
  2 月22日に行われる島根県主催の「竹島の日」記念式典と「竹島教育フォーラム」には自民党より私が参加し、情勢を訴えて参ります。
 あらゆる機会を捉え、この度の韓国による竹島開発の暴挙を阻止しなければなりません。まずは多くの国民に竹島で何が起きているのかを知ってもらう必要があります。
 週刊新藤を読んでいただいている皆様にもご理解とご協力を切にお願い申し上げます。



 新 藤 義 孝