週刊新藤第212号 失われる国力。どうするのか菅政権!~第176臨時国会を終えて~

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民主党政権の迷走が深まり、国力が下がるばかりです。日本を建て直すためには内政・外交ともに明確な国家ビジョンを打ち立て、それを実現できる高度な実務能力が必要です。今こそ国のために働く時と心得、全力でがんばります。


◆ 法案を成立させられない政府

 政府は今臨時国会に37本の法案を提出しましたが、そのうち成立したのは14本であり、成立率は過去10年で最低の37.8%でした。
 法案を提出しても、実行はおろか成立させることも出来ない政府は、もはや政府とはいえません。
 今国会では従来の野党が戦術として活用した審議拒否を我々は一度も行っておりません。「野党が審議の足を引っ張ったから」ではなく、政府・与党の国会運営の未熟さによって、自ら招いた結果なのです。
 しかも、菅内閣が発足以来これまで一度も党首討論が開かれておりません。いかに国会運営に余裕がないかという証でもあります。


◆ バラマキへの固執と財源不足

 4.8兆円の補正予算は成立しましたが、そのうち1.3兆円は経済対策の有無にかかわらず計上される地方交付税であり、実質規模は3.5兆円です。「今の経済情勢に適切に対応していない」という人は83%にも上り、とても経済立て直しに資するものではありません。
 自民党は、民主党政権の「バラマキ4K施策(子ども手当、高速道路無償化、戸別所得補償、高校無償化)」の執行停止を主張し、ここから出てくる財源を補正予算に充てるよう要求しました。
 しかし民主党は事業仕分けによる財源捻出を断念したにもかかわらず、実現不可能なマニフェストによるバラマキをやめることが出来ないのです。


◆ 腰の定まらない政府

 政府の迷走はさらに拍車がかかっています。来年度の予算編成では、基礎年金の国庫負担50%を決めたものの、肝心の2.5兆円に上る財源をどこから調達するのか説明が出来ません。
 子ども手当では 3 歳未満に限って現行から 7 千円増やす方針でしたが、財源不足のため 4 千円増とするかどうかで調整が続いています。
 しかも今年度に続き、来年度も子ども手当は 1 年間の時限立法となる予定です。子育てという恒常的な施策が将来の約束なく、毎年変更するという不安定な状態に置くことを政府はどう思っているのでしょうか。
 法人税の減税もいまだに何パーセント下げるのか、実質減税となるのか規模が定まりません。基幹税制が定まらず、国の歳入見込みが確定しないままで、予算編成が出来るわけがありません。
 高校授業料無償化の朝鮮学校への適用は、尖閣ビデオ流出の日、政治的問題を考慮せず、教育内容は問わないという基準を発表しました。
 しかし、北朝鮮による延坪島砲撃事件の翌日、菅内閣は政治的情勢を理由に執行手続きを停止したのです。政治的要因は考慮しないと言いながら、19日間でそれを撤回する姿勢に、呆れてものも言えません。


◆ 社民党と危険な復縁か?

 そして菅政権はねじれ国会を乗り切るために、再び社民党と手を握ろうとしています。社民党の議席が加われば、たとえ参議院で法案が否決されたとしても、衆議院で2/3以上の賛成で再議決できるからです。
 しかし、これはただでさえ国益を損ねている政権を更に誤った方向に向かわせる、とんでもない判断です。
 その影響は既に出ています。防衛大綱について、政府は武器輸出三原則の緩和方針を一旦は決めましたが、社民党への配慮からそれを撤回。
 我が国の防衛政策が、政権維持のための数あわせにより歪められてよいはずがありません。


◆ 一刻も早い政権交代を!

 菅政権は外交・内政のいずれもまともな処理ができず、まさに政権末期状態となり、支持率も20%台に急降下しています。
 一方、私たち自民党の支持率が民主党と並び、時には上回るような世論調査結果もありますが、私はとても手放しで喜ぶことは出来ません。
 自分の国が経済の力を弱め、国力が失われていく事態を目の前で見せられていることは、一国民として耐え難いものがあります。
 この四面楚歌の国難とも言うべき状態の我が国をどうやって立て直すのか。将来の夢や希望を示しつつ、実行可能な具体策を一刻も早く提示することが私たち国会議員に求められています。
 私はこのことを肝に銘じ、自らの役を果たすべく精一杯行動していこうと思っています。
 そして、国の基本方針すら定まらない民主党にこれ以上国家運営を任せていては、本当に取り返しのつかないことになってしまいます。一刻も早い政権再交代を求め、全力で活動して参ります。


◆ 市民の提案から雨よけ屋根が実現!

 川口駅東口の歩行者デッキ上、エスカレーターと駅舎の間に雨よけ屋根が設置されました。
 この工事のきっかけは、私が朝の駅頭運動を行っていた昨年の秋に、通りがかりのご婦人から「どうしてここに屋根をかけないの?」と声をかけられたことがきっかけです。
 この場所はわずか数メートルの距離ですが、雨が降ると傘を差さずにはいられない距離であり、またすぐに傘を閉じなければならないという不便なスペースでした。
 今回工事に活用した予算は、麻生内閣の景気対策として市に内示されながら、鳩山内閣の執行停止指示で凍結されていた地域活性化臨時交付金です。全額国が支出するため、川口市の負担はありません。
 ただ21年の 6 月に用意した国の景気対策補正予算が、執行停止措置によって一度止められ、その後名称を変えて現政権からの予算として翌22年の 9 月になってようやく使れたという、政府によるおかしな操作の実態がこれでおわかりいただけると思います。
 この工事は、大手ゼネコンではなく、市内の土木業者が受注しております。直接地域経済を刺激する、こういう仕事を増やさなければ、景気回復は実感されないと自民党は考えているのです。
 提案してくれたご婦人が先日の日曜日、私の街頭演説に顔を出していただき一年ぶりに再会しました。 「自分の提案がまさか実現するとは思わなかった。」と、とても喜んでいただきました。
 私もこのような市民からの提案が、実現したことをとても嬉しく思うと共に、まさに「政治は街から。」の実践ができた、と喜んでおります。


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 新 藤 義 孝