鳩山内閣の支持率低下が止まりません。鳩山首相のリーダーシップの無さや政権としての一体性の欠如を考えれば、これは当然のことです。
その一方で、自民党の支持率もさほど上がりません。今こそ自民党は国民の皆さんから期待を取り戻せるよう、大きく変革させなければなりません。
◆ 機能不全、末期状態の鳩山内閣
鳩山内閣は完全に機能不全に陥っており、もはや末期状態とも云えます。政権発足からわずか7ヶ月余りで、いくつもの政策的なブレや矛盾が明らかになりました。
○無駄削減と埋蔵金で20兆円捻出と言っていたが、事業仕分けによる削減はわずか6900億。埋蔵金も見つからず、財源は赤字国債の大量発行に頼るのみ。
○「高速道路無料化」に反し、一般休日ドライバーに実質値上げの新料金体系を提案。
○「休日1000円」割引を廃止し、浮いた財源を高速道路建設に回すことを決定。麻生内閣の景気対策だった外環道の練馬?渋谷間整備を執行停止しながら、今回の浮かせた財源で予算復活。
○麻生内閣の景気対策だった小中学校の耐震工事予算を子ども手当て捻出のために半分に削減。それを22年度予算の予備費を使って復活。
*いずれも自作自演の茶番劇?
○郵貯限度額は野党時代、限度額を500万に引き下げると提案しておきながら、政権をとったら2000万に引き上げ。郵政民営化の流れは「民から官」へ大逆走。
○後期高齢者医療制度は直ちに廃止のはずが、当面は存続に方針転換。
◆ 党改革① 自民党らしい政策を
自民党は、野党になった今こそ、旧来の垢やしがらみを排し、自民党らしい政策を打ち立てるチャンスだと思います。
自民党は保守政党の旗をしっかり立てるべきです。
その基本は、国家と地域を守り、家族の絆を大切にしながら、経済を成長させ、その成果をお年寄りの福祉に、子供の教育に、働く人の支援に還元するというものです。
そして「がんばる人が報われる社会」を実現させなければなりません。
努力の有無にかかわらず、所得の多寡にかかわり無く、万人にバラマキを行うのではなく、機会の平等のもとで、助け合い競い合う健全な社会を目指すことが自民党本来の姿だと考えています。
さらに国の領土、国家主権を守ることも大切です。私がいま国会で追及している竹島・北方領土・東シナ海のガス田問題という領土や資源問題、加えて外国人参政権付与法案や選択的夫婦別姓制度などの問題は、いずれも国家主権や国の一体性に深く関わるものです。自民党はこういった諸課題について明確な姿勢を示す必要があるのです。
そして、これに基づく具体的政策を打ち出し、国民の皆様に、政権を担う覚悟と能力があることを再び認めてもらわねばなりません。
◆ 「子ども手当て」への対案
例えば子ども手当について、自民党は既に対案を提示しています。
バラマキではなく、子供の成長に合わせた切れ目のない政策を基本理念に、12歳までの医療費無料化や子供の多い家庭に手厚く傾斜配分する児童手当の拡充、幼児教育無償化、小学校給食の無償化、高校?大学対象の給付型奨学金の創設など、きめ細かに子育てをする家庭を支援していく施策です。
これらを全て実施したとしても、予算は子ども手当の半額程度で済むのです。
この夏の参院選では、「自民党はこうする」という責任ある具体策を示すことが必要です。有権者の信頼を取り戻し、政権復帰の足がかりをつかむため、現在、党をあげてマニフェスト作成に取り組んでいるところです。
◆ 党改革② 党組織の変革
野党になった自民党の、組織上の最大変化は党総裁の位置づけです。
与党時代の総裁は総理大臣となり、首相官邸に入ります。党運営の実務は留守を預かる幹事長のもとで行われてきたのです。
しかし、野党の総裁は党本部にいるのですから、党運営の実務は総裁が先頭に立って全てを掌握し、指揮を振るわなければなりません。
現状では未だに幹事長が采配をふるい、総裁は奥にいるような雰囲気が残っており、その結果がベテランが前面に出た党運営による「従来から代わり映えのしない自民党」というイメージになっているのです。
昨年秋の総裁選において選挙により選出した谷垣総裁を皆で支えるのは当然のことです。そして党人事や組織は谷垣総裁の判断と権限でどのようにも変えられるのです。
私が今月初めの全議員懇談会で谷垣総裁に詰め寄ったのは、このことを申し上げたのです。もっと思い切った人事や党運営の刷新があっても良いのではないか、それは総裁なら出来ることで、総裁にしか出来ないことなのです。
総選挙の後、自民党は組織のスリム化など改革を重ねてきました。しかし、まだまだ不十分です。谷垣総裁は自民党の更なる改革の気概を見せるべきです。私は引き続きそれを強く求めてまいります。
◆ 自民党を立て直す
最近、ベテラン議員を中心に自民党を離党し新党を作る動きが活発になっています。
舛添議員など、新党に意欲を持つとされる議員の動きも目立つようになりました。私は与謝野氏が主催する勉強会に参加していましたし、舛添氏が会長の勉強会の設立メンバーです。また安倍元首相が会長を務める新しい保守政策勉強会「創生日本」の副幹事長でもあります。
私がこのような活動に参加しているのは、自民党を建て直し、自民党らしい政策を打ち立てるためです。
今、再建途中の組織を見捨て、他に居心地の良い場所をつくろうとは毛頭思っておりません。
離党していく方たちの、「今の政治を何とかしなければいけない」という危機意識は大いに共感いたしますが、私は自分の今いる場所に留まり、そこを良くすることが、自分の努めだと思っています。
国政に参加させていただき14年目となります。小選挙区制度になって初めての議員でもあります。
立候補の時より、「自民党を内側から改革し、日本の政治を時代に合わせて変革させる」という志を曲げたことはありません。今こそがんばり時です。与えられた役の中で、精一杯の努力をしてまいります。
新 藤 義 孝 |