第172号 みんなで取り組もう、景気回復 ~動き出した新しい経済対策~



毎週日曜日の午後3時過ぎから、川口駅東口デッキ上で国政報告を行っています。
この日はかわいいお客さんも来てくれました。
私のホームページや動画サイトYou・Tube(ユー・チューブ)に
公開しておりますので、ぜひご覧になってください。


◆ 国民の望んでいること

 景気の悪化が厳しさを増す中で、仕事や生活に対する不安がますますつのっています。政治はまず目の前の危機に対処しなければいけません。しかしそれに併
せて現在の日本社会の持つ根幹的な問題の解決に取り組まなければ、本当の意味での国民の安心は取り戻せません。
 毎年内閣府が行っている「国民生活に関する世論調査」の結果は、今の日本に何が望まれているかを知ることができます。
 直近の調査では、日常の生活で悩みや不安を抱えている人の割合が初めて7割を超えました。不安の中身は「老後の生活設計」(57%)、次に「自分の健康」(49%)、「今後の収入」(42%)と続きます。
 老後に不安を抱えていては、高齢者は消費よりも貯蓄に資産を回すことになり、所得の世代間格差が拡大すると共に消費の手控えが景気の減退を招くことになります。年金・医療・介護を中心に社会保障制度を練り直すことは根本的な経済対策なのです。
 同じことは少子化対策にも当てはまります。子供を産み育てることが若い夫婦の重い負担になっている限り消費は伸びず、何より子供が増えません。将来の労
働力を確保できなければ、国の未来は暗たんたるものになってしまいます。少子化対策・子育て支援を充実強化することは、もっとも重要な国家戦略であると私
は考えています。



◆ 国家ビジョンを創る

 麻生総理は去る 7 日、「安心社会実現会議」の設置を表明しました。この会議において雇用、医療、年金、介護、子育て支援の政策目標と優先順位が提示されることになります。
 今の日本が最優先に取り組むべきは、我が国の経済社会の長期ビジョンを策定し、その実現のための政策と手順を明らかにすることです。
 この週刊新藤では「日本の国家戦略の策定」について何度となく重要性を訴えてきましたが、いよいよ国を挙げての動きが始まっています。
 私が参加している「そばの会」や「 1 2 3 の会」、「力強く日本を再生する会」などの活動を通じて、実効性ある提案を行ってまいります。
 今こそ国民が共感でき、目標を共有でき得る国家ビジョンを創れるかどうかの瀬戸際です。その成否はそのまま我が国の浮沈につながるものであり、「明治維
新」、「富国強兵」、「戦後復興」、「高度経済成長」といったかつての国家目標に匹敵するものを作り上げなくてはいけません。
 今度の衆議院解散・総選挙の争点は、自民党か民主党か、というような政局がらみではなく、「この国の未来をどうするのか」というテーマについて国民に信を問うものにすべきではないでしょうか?
 みなさまのご意見やご提言を是非とも承りたいと存じます。



◆ 動き出した経済対策

 厳しい景気情勢ですが、20年度の 1 次・ 2 次補正予算、21年度本予算が成立し用意された政策が実行され始めるなかで、良いニュースも聞かれるようになりました。
 まず定額給付金については、全国の864自治体でプレミアム付き商品券が発行され消費拡大セールも計画されるなど、地域ぐるみの景気対策が始まっています。
 ちなみに地元の川口市・鳩ヶ谷市へは、1
月末より私のほうから市長や市議会に対し早期の支給準備を要請し、両市ともそれによく応えて準備をしてくれました。特に川口市では23万世帯に及ぶ通知書
の発送準備を業者への外注とせず市職員によるプログラム開発などを行った結果、 3 月19日、人口20万以上の都市の中で全国 1
番に給付金の支払い通知が発送されるなど大きな成果を挙げています。鳩ヶ谷市も 3 月30日に発送が開始されました。
 川口市で76億円、鳩ヶ谷市では 9 億 2 千万円の給付、支給期間は 6 ヶ月間です。その間にみなさんが消費してくれれば、当面の地域経済の下支えになると期待しております。もちろん私も受け取って家族で地元のために使おうと思っています。
 また、休日の高速道路料金を1000円で、という政策は皆さんに喜ばれているのではないでしょうか。各地でわが街誘致キャンペーンが始まり観光振興や地域活性化に刺激が与えられています。
 ETCの製造メーカーは思わぬ特需で大忙しですし、ETCの部品を作っている中小企業(川口市内にもあります)にも、それを運ぶ運送業者にも仕事が回っています。
 ETCの普及率は全登録車の 3 割程度なのですが、今回のことをきっかけに普及が進めば、高速道路料金所の料金徴収員を大幅減員できることになり、道路運営事業のコストカットが可能となります。
 みなさんに政策の意図と波及効果を理解してもらい、納得してお金を使ってもらえるようにすることで経済が動くと私は考えております。



◆ 未来につなげる新経済対策

 さて、新年度の予算が成立したばかりなのに、私たち自民党の国会議員は新しい景気対策の策定と補正予算の編成準備に追われています。
 現下の経済情勢では、国の経済成長を維持するために必要なGDP(国内総生産)と実際の仕事量との間に大きなギャップ(不足)が生じており、その差を埋めるための新経済対策が必要なのです。
 私も日本の未来を拓く成長戦略分野の中で、いくつかの政策を担当し提案させていただきました。
 この原稿を書いている時点はまさに対策案の最終調整段階であり、その内容は次号以降の週刊新藤で適宜ご報告させていただきます。
 このたびの予算編成で私たちが心がけたのは、①バラマキ予算にしない、②将来の成長を促すための新社会基盤を創造するもの、③スピード感とボリューム感のあるものとする、ということでした。
 技術や人材など日本の底力や強みを活かし、国民のみなさんが「これなら国の政策に協力しよう、景気回復に希望が持てる。」といわれるように工夫をしメリ
ハリを利かせた対策を作りました。日本経済はもう後がありません。みんなが前向きに仕事に取り組めるよう、知恵を絞ってまいります。

新 藤 義 孝