定額給付金の受取りは、個人の意思により確定します。
ぜひ皆さんで受取って消費することにより、経済を活性化させましょう。
参議院では平成20年度の第 2 次補正予算案が審議されております。与野党激突の最大テーマが、総額
2 兆円の定額給付金です。あるマスコミの世論調査ではこの政策への反対は78%、しかし、「給付されたら受け取るか」、との質問には84%の方が受け取ると答えています。
定額給付金は無駄で役に立たないものなのでしょうか?今号では私なりにこの問題について皆様にご説明させていただきます。
◆ 目的は生活支援と消費への刺激
昨年来の世界的な景気悪化は百年に一度とも言われ、暮らしは厳しさを増しています。日常生活に必要な食料品など商品価格も高止まったままです。こうした
生活者の不安に対処するため、家計への緊急支援を行うのが定額給付金の第一の目的です。当初検討した減税措置では、納税していない低所得者に支援すること
が出来ません。
また第二に、冷え込んだ需要を喚起し不況から脱却するために、余裕のある世帯には思い切って消費してもらう必要があります。定額給付金を地元で消費して
もらえば地域経済も潤い、一石二鳥の効果となります。
総額 2
兆円が全て消費拡大に使われたとすると、国内総生産の0.4%に相当します。平成21年度の国内総生産は、0.1%の伸び(名目)にしか達しないというの
が政府の経済見通しですから、このタイミングでの定額給付金の役割が大きいことをご理解いただけると思います。
ちなみに、家計への直接給付という方法はすでにアメリカ、オーストラリアや台湾など世界各国でも行われており、日本だけが実施する特殊な政策ではありま
せん。
◆ 75兆円の総合的景気対策の一部
政府・与党は麻生総理を先頭に昨年10月より景気対策を実施しています。現在の総額は、 3
月末までに40兆円、21年度予算が成立すると総額は75兆円となり世界最大級の景気対策が準備されているのです。第 2
次補正予算と関連法案では、中小企業への融資の強化に加え、雇用創出のための1500億円や、子育て応援のための特別手当(第 2
子以降の幼児がいる世帯に一人あたり年 3 万 6
千円を支給)、普通乗用車の高速道路の土・日料金を1000円にするための5000億円、などの各種対策が盛り込まれています。
今回の不景気の大波は一つの施策で乗り切れるものではなく、幅広い分野の施策を総合的に実行することが重要です。野党や一部の評論家が行っているような
定額給付金のみをやり玉に挙げ、反対のためにする議論をいくら続けても景気は良くなりません。今必要なことは、一刻も早く予算を通し、定額給付金を含む景
気対策の実行により、世の中にお金を回すことではないでしょうか。
◆ 給付手続きー市議会の議決が必要
参議院の審議が終わり補正予算が成立すると、国から市町村に定額給付金の財源(国庫補助金)が支出されます。定額給付金事業は市町村の事業として実施さ
れます。受け入れの自治体は議会を開き、各市町村毎の補正予算を可決しなければなりません。その後、各自治体毎に 2 月 1
日時点の住民票に基づき給付対象者の名簿を作成し、申請書と共に各世帯主宛に郵送します。
各世帯では、申請書に振込先の口座番号など必要事項を記入し、免許証などの本人確認書類を同封して返送していただきます。役所が内容を確認出来しだい給
付金が支給されるという流れになります。銀行口座を持たない方のために、役所の窓口で受け取る方法も用意します。申請期限は受付開始から 6
ヶ月です。
金額は 1 人当たり一万二千円です。基準日である 2 月 1 日で65歳以上の方(昭和19年 2 月 2
日以前に生まれた方)と、18歳以下の方(平成 2 年 2 月 2 日以降に生まれた方)は 1 人当たり二万円です。
◆ 住民票を移していない人には・・
2 月 1
日時点で住民基本台帳に記録されている人と、外国人登録原票に登録されている人が交付対象です。(不法滞在者、短期滞在者は除かれます。)なお、実際に居
住しながらその市に住民票を移していない人には現在地での申請書が届きません。早急に手続きを完了してください。
◆ 受け取るかどうかは、個人の意志
各世帯に郵送される申請書のイメージを下に記します。ご覧いただけばわかりますように、給付金額の欄の右に「希望されない方は×印をご記入下さい。」と
なっています。政府はすべての国民に定額給付金を用意しますが、最終的に受け取るかどうかは、個人の意志によることになるのです。
例えば家族の中で、お父さんは受け取らないが、お母さんは受け取る、お兄ちゃんはいらないが、お姉ちゃんはいる、というようなことも可能です。受け取ら
ないという方の分の予算は、定額交付金事業の終了時に自治体と国との間で精算し、国に戻ります。結果としてその分は、景気対策など他の必要な分野に予算が
まわることになります。
定額給付金申請書のイメージ(正式には各自治体で作成されます。) |
◆ 一刻も早い実施に向けて
第 2 次補正予算は参院が可決しなくても 2 月12日に自然成立しますが、財源を裏付ける予算関連法案は民主党が採決に応じなければ、 3
月14日以降でないと衆院の再可決が出来ず、その後でないと給付金は支給出来ません。年度末に向かい景気はさらに悪化する心配があり、いたずらに国会審議
を引き延ばす余裕は我が国にはないはずです。世論の動向が採決時期を決めるともいわれており、皆様には是非とも早期の予算成立に向けてご理解とご協力を切
にお願い申し上げます。
また、川口・鳩ヶ谷両市に対しては、早急に市議会開催と支給準備を進めるように働きかけて参ります。
新 藤 義 孝 |