昨年は自然災害の多い年でした。連続上陸した大型台風が国内各地に甚大な被害をもたらし、新潟県中越地震は今なお深刻な爪痕を残しています。さらに年末に発生したインド洋大津波の死者・不明者数は29万人を超えてしまいました。
震災から10年を数えた神戸ではこの1月に国連防災会議が開かれ、地球規模の減災を推進していく決議が採択されました。
自然災害は私たちにとって大きな脅威であり、国際規模、国家規模、また県や市町村など様々なレベルで対処すべき問題です。そしてそれは政治や行政の役割でもあります。
しかし何よりも、住民一人ひとりが防災に対する意識を高め、正しい知識に基づく適切な行動をとり、そして平時から備えをしておくことは大切なことです。今回の週刊新藤では、個人でできる災害への備えについてご提案させていただきます。
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[わが家の防災をチェックしよう]
まず、上記のチェックリストを試してみて下さい。あなたはいくつの項目にチェックができましたか?
[家族防災会議をしてみましょう]
「地震が起きたときどうすればいいか?」「家族が別々になった時の連絡は?」など、いざという時に冷静な対応がとれるよう、普段から話し合っておきましょう。
家族の役割分担について
火を消す人、ドアを開ける人、お年よりを守る人、非常持ち出し品を管理する人を決めておきましょう。
非常持ち出し品や備蓄品は?
地震によって物資輸送ルートが寸断する場合に備え、最低3日分の飲料水と食料、衣類、その他の日用品を用意しておき、その置き場所を全員で確認しましょ
う。期限切れの物がないか定期的なチェックも必要です。(最後の頁に非常持ち出し品のチェックリストをつけました。どうぞ切り取って家の中の目立つところ
に貼り、役立たせていただければ幸いです)
これら非常用持ち出し品は、いざというときに持ち出せるようリュックサック等に詰めておきましょう。
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家族との連絡は?
災害伝言ダイヤル「171」など、家族が離ればなれになったときの連絡方法を考えておきましょう。
家の危険なところを確認
家の中で危険なところはないか確認しましょう。階段や廊下・入り口に物を置かないようにしましょう。家具は地震で倒れないように固定したり置き方を工夫しましょう。阪神大震災での犠牲者の8割以上が家具や家屋の倒壊で亡くなっています。
食器棚等の開き戸から中身が勢いよく飛び出してくる場合もあります。「開き戸ストッパー」という製品も市販されていますが、開き戸の取っ手に輪ゴムをかけておくと簡易的なストッパーになります。
避難場所・避難方法の確認
家の近くの避難場所はどこか、また実際にそこまで歩いてみて途中に危険なところはないか確認しましょう。会社や学校にいるときなどいろんなケースで考えてみましょう。
なお、災害発生時には自家用車は使用しないようにして下さい。阪神大震災の初期段階では、道路中にあふれた一般車両により緊急自動車の活動に支障が生じています。
天災の発生は防げませんが、様々な工夫で被害を小さく抑えることは可能です。皆さんも周囲の防災対策を見直してみてはどうでしょうか。
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新 藤 義 孝 |