第 2 号
2004.04.12
発 行


スキンシップ − 子供たちの未来のために

 3月から4月にかけては、「卒業式」と「入学式」のシーズン。新しい世界へと旅立っていく青少年の姿を見ると、「おめでとう。これからも自分の力を信じて、がんばれよ!」と思わず、我を忘れて声をかけてしまいます。

 今年、青少年の人たちの間で定番となった卒業ソングは、街頭でのミニコンサートから頭角を現わし、一昨年、デビューを果した森山直太朗が歌う『サクラ』だそうです。私の学生時代といえば、武田鉄也の『贈る言葉』でした。『仰げば尊し』や柏原芳恵の『春なのに』等々、メロディーを聞いただけで、胸がキュッとなるような思い出をお持ちの方も、たくさんいることでしょう。

 先日、青少年に関するある統計資料を見た時、思わず自分の目を疑い、しばらく声が出ませんでした。

 皆さん、日本で大体どのくらいの数の子どもたちが、両親の虐待によって亡くなっているかご存知ですか?なんと3.5日に1人の割合で、尊い小さな「いのち」が失われているのです。死には至らないまでも、児童相談所に届け出があっただけで、約2万4千件にものぼっています。(この数字は氷山の一角でしょう)

 さらには、10代、20代で自殺をした青少年が年間3,500名以上にのぼり、自殺願望を持つ青少年まで広げれば、その10倍にのぼるだろうと予測されています。また、特筆すべきは、インターネット上で知り合った複数の自殺志願者が、一緒に自殺をするという「ネット心中」が、2003年から若者の問で急増しています。

 目に入れても痛くないはずの我が子を虐待してしまう親たち。また最も大切なものである自分の「いのち」さえも、自らの手で捨ててしまう若者たち。これらの現象が同じ時代に存在する理由は何かと自らに問いかけた時、私は、その人自身の幼年期における両親からの愛情不足、しいて言えば「スキンシップの欠如」が原因であるといっても過言ではないと思っています。

 乳幼児期に両親が十分に抱っこし、時にはぎゅっと抱きしめてあげる。また成長したら一緒に鬼ごっこや相撲、プロレスもする、そうしたスキンシップによって、人間本来の持つ優しさや愛情といったものが豊かに育まれていくことが、児童心理学のみならず、大脳生理学の分野でも証明されているのです。

 私が副園長を務める幼稚園でも、私の顔を見ただけで園児たちは私に飛びつき、しがみつき、一緒に相撲でもとるものなら男女間わず大喜びです。

 現代社会はどんどん複雑に多様化していきます。しかし、子供を抱きしめた気持ち、親から抱きしめられた心地良さを各々が心の中に留めておけたなら、人はどんなにやさしく豊かでいられることでしょう。新藤義孝はそんな想いを胸に教育問題に取り組んでいきたいと思っています。

新 藤 義 孝


新藤義孝プロフィール

 昭和33年川口生まれ。明治大学卒業。
 川口市役所で地方自治を経験し、市議を経て、
 平成8年38歳で衆議院議員に。当選2回。

 小泉内閣では総務大臣政務官(43歳)、
 続いて国会対策副委員長、
 外務大臣政務官(44歳)を歴任。
 昨年11月の総選挙で惜敗。次をめざす46歳。


INFORMATION

● 新藤くらしの相談室 ●

川口市役所で地方自治を11年間経験し、川口市議会議員を1期4年。続いて衆議院議員を2期8年。これが私の略歴です。

地方自治と地方政治の両方を経験した代議士は、自民党でも始めての異色のキャリア。小泉内閣では総務大臣政務官としてこの経験を活かし、地方分権の枠組みづくりに取り組みました。

政治の足元を見つめ、できることをていねいにコツコツとやり遂げる。それが今の私の使命です。そこで「新藤くらしの相談室」を開設しました。

教育・福祉・介護などお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。政治と行政の両方を知る者として、皆様のお役に立ちたいと思います。電話かメールでお気軽に。

     Tel  048-254-6000
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