【資料】中国漁業監視船による尖閣諸島周辺領海への侵入について(2011年8月25日)

8月24日、尖閣諸島周辺の日本の領海にはじめて中国の漁業監視船が侵入しました。海上保安庁は再三警告をし、一旦は領海外に退去しましたが、再び領海内に入り、その後接続水域内を航行しました。

しかもこの漁業監視船は海上保安庁の巡視船に対し、無線で尖閣に対する中国の領有権を主張し、その旨を電光掲示板で掲げています。確信的で、極めて悪質な行為だということが分かります。

私が委員長を務める決算行政監視委員会が尖閣諸島の上陸視察を検討中、との報道が出た翌日に事態が発生していることをどう理解すべきでしょうか?(下の産経新聞・時事通信記事を参照ください)。
いずれにしても中国側の行動がエスカレートしていることは間違いありません。

今回の経過について説明した海上保安庁の資料と写真を下に掲載しますので、ぜひご覧ください。

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衆院決算委、尖閣諸島に上陸視察を検討

2011.8.23  22:50 (産経新聞ネット版)

 衆院決算行政監視委員会(新藤義孝委員長、自民)は23日、わが国固有の領土でありながら中国などが領有権を主張している尖閣諸島(沖縄県石垣市)に上陸視察する検討に入った。同日の理事懇談会で、政府から尖閣諸島の警備実態など聴取した。与党側は慎重姿勢を示しているが、実現すれば日本が尖閣諸島を有効に支配している実態を国際的にアピールする効果もある。

理事懇では、野党側が尖閣諸島の有人利用について審議を行う上で、生態系や環境などの情報が不足しているとして上陸視察を提案。与党側は「新内閣の外交方針を見極める必要がある」と即答を避けたが、新藤氏は「ぜひ上陸視察すべきだ」と主張した。与野党が合意すれば、実施は9月以降になる見通し。

尖閣諸島のうち、最大の魚釣島など4島は私有地で政府が平成14年から貸借管理している。政府は「何人も上陸を認めない」との方針で、海上保安庁の船舶による移動支援を拒否することも予想される。

ただ、新藤氏は産経新聞の取材に対し「国会は立法府として正に国の機関の一部だ。国会の要請を政府が拒否することは難しいはずだ」と指摘した。

尖閣諸島の調査については、大平正芳内閣時の昭和54年、沖縄開発庁(当時)の調査団約30人が魚釣島に上陸。仮設へリポートを建設した上でボーリング調査を行うなど利用開発の可能性調査を実施。国会議員では平成9年に西村真悟衆院議員が魚釣島を上陸視察した例がある。

尖閣諸島の有人利用をめぐっては地元石垣市と市議会が荒天時の漁船の避難港整備などを求めている。昨年10月、市と市議会が固定資産税課税のための実地調査を求め上陸許可を要請したが政府は許可しなかった。

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尖閣の上陸調査検討=衆院決算委

2011.8.23  15:44 (時事通信)

 衆院決算行政監視委員会は23日、理事懇談会を開き、沖縄県の尖閣諸島の現状を把握するため、同委による現地視察を行うべきかどうかについて意見交換した。民主党が「新内閣の外交方針を見極めるべきだ」と慎重な立場を示したが、新藤義孝委員長は「ぜひ上陸して実地調査を行うべきだ」と主張。同日は結論が出ず、協議を継続することになった。
 尖閣諸島は日本が実効支配する固有の領土だが、中国も領有権を主張している。日本政府は原則として政府関係者以外の上陸を認めていない。理事懇後、新藤氏は記者団に「地元から尖閣諸島を漁業、地域産業に役立てたいという要望がある。実務的な調査を行うべきだ」と語った。

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中国漁業監視船の尖閣諸島への接近について(第1報)

1.本日8月24日午前6時16分頃、尖閣諸島久場島北北東約30キロメー
トル(16.3海里)を南南東向け航行中の中国漁業監視船「漁政3100
1」を、尖閣諸島久場島北北東約33キロメートル(17.6海里)を南南
東向け航行中の「漁政201」を当庁巡視船が確認しました。
「漁政201」にあっては午前6時36分に、「漁政31001」にあって
は同6時44分に、尖閣諸島久場島北北東の我が国領海内に入域し、午前7
時9分と同7時13分にそれぞれ尖閣諸島久場島北東の我が国領海を出域し
ました。
また、「漁政201」にあっては、午前7時41分に尖閣諸島久場島東北東
の我が国領海内に再入域し、同7時48分に出域しました。
午前8時15分現在、両船は、尖閣諸島久場島東約27キロメートル(1
4.6海里)の我が国接続水域内を領海線に沿って南向け航行しています。

2.当庁では、巡視船、航空機により、我が国領海に侵入しないよう無線等で
警告するとともに、監視警戒を行っています。

3.尖閣諸島周辺海域の気象海象状況
天気:晴れ、風:南の風4m/s、風浪:0.5m、うねり:0.5m、
視程15キロメートル

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中国漁業監視船の尖閣諸島への接近について(第2報)

1.午後零時30分現在、「漁政201」及び「漁政31001」は、尖閣諸島
魚釣島南西約26キロメートル(14.0海里)の我が国接続水域内を領海
線に沿って北西向け航行しています。
引き続き、当庁巡視船により、領海内に侵入しないよう警告を実施してい
ます。
本日午前7時48分、「漁政201」が我が国領海を出域して以降、両船の
領海内入域はありません。

2.その他
接続水域内を航行中の「漁政201」及び「漁政31001」並びに「漁
政201」を監視警戒中の巡視船「りゅうきゅう」の画像3枚(午前6時3
0分頃、久場島北北東約30キロメートル(約16.3海里)で撮影)を添
付します。

 

○中国巡視船「漁政201」

「漁政201」の状況.jpg

 

2つの船の艦橋横側の電光掲示板はこれまでは無く、今回初めて設置されたものです。中国側の用意が計算されたものであることを物語っています。

 

○中国巡視船「漁政31001
「漁政31001」の状況.jpg

○中国巡視船「漁政201」を監視警戒中の巡視船「りゅうきゅう」(手前が「りゅうきゅう」、奥が「漁政201」)
「漁政201」を監視警戒中の巡視船「りゅうきゅう」の状況.jpg