第173号 「新藤義孝と平和を語ろう!」開催~各地からの応募者と共に靖国神社へ~



全国からインターネットで応募いただいた皆さんと平和を語り、
靖国神社に参拝させていただきました。
この日の模様は自民党のホームページのLDPラボというサイトや
You・Tube(ユー・チューブ)で公開しますので是非ご覧になってください。


◆ 自民党マルチメディア局長

 私は経済産業副大臣を終えた後、昨年 8
月より自民党のマルチメディア局長を務めております。この役職に就任するに当たってはうれしい因縁があります。かつて橋本内閣時代に自民党にインターネッ
ト委員会という組織があり、平成 9 年 4 月に第 1 回のマルチメディアコンテストが開催されました。
 この我が党初の賞を受賞したのは、なんと私だったのです。私の机には、以来その時のトロフィーがひっそりと置いてありますが、11年経ってこういうお役が廻ってくるとは、世の中はわからないものです。
 マルチメディア局ではネットユーザーとの交流を図るため「国会へ行こう!」という企画を行っています。

 今回は局長の私が案内人となり、特別企画として「新藤義孝と平和を語ろう!」と題し、靖国神社において講演と昇殿参拝を行うことにしました。
 自民党のホームページで動画を使い募集した結果、 4 月18日の当日には102名の方が全国から靖国神社に集合してくれました。
 北は青森県から南は広島県まで、高齢の方から親に連れられた4歳の子どもまでおりましたが、大半は若い方でしかも単独参加者でした。いまさらながらインターネットの力を実感いたしました。
 靖国神社に隣接する靖国会館の部屋を借りて講演と質疑応答を行いました。みなさんとても熱心に聴いて下さり私も話し甲斐がありました。
 私がお話ししたことの概要は以下のとうりです。



◆ 戦没者の遺骨収集状況

 太平洋戦争戦没者は、軍人に加え一般邦人も含め約310万人、そのうち海外戦没者は240万人です。遺骨収集は昭和27年より始め125万柱に上りま
す。しかしながら未収集のご遺骨がまだ115万柱残っており、海没が約30万、その他は相手国の事情などで収集作業が進んでいません。中国や北朝鮮では遺
骨収集そのものを認めていないのです。
 戦後処理は終わっておらず、日本国としてやるべきことがまだ残っているということを是非皆さんに知ってもらいたい、と申し上げました。



◆ 硫黄島の戦闘と遺骨収集

 硫黄島は東京から1200キロの洋上にあり、戦争当時、2400キロ離れたサイパン島から日本本土に爆撃を行おうとする米軍のB29爆撃機の中継基地と
して、また米軍護衛戦闘機の航続距離内となることから、日米双方にとって極めて重要な戦略拠点となりました。
 昭和20年 2 月、米軍は当初 5 日間で硫黄島を陥落させる計画で、上陸軍 6 万 1 千人、海上兵力11万人で攻撃しました。
 守る日本軍は 2 万 3 千人の兵力で迎え撃ち、それまでの日本軍の伝統だった水際作戦から地下壕作戦に変更、玉砕を許さず最後の一人まで戦い、この島を 1 日でも長く守ることが本土の損害を減らすことになるという作戦を断行しました。
 結果、戦闘は36日間にもおよび食料・水・弾薬が尽きた中でも日本軍は必死に戦い 2 万 2
千人が戦死、生還者は1033名でした。しかし米軍の死傷者は 2 万 8
千人にものぼり、負けた軍隊が勝った軍隊により多くの損害を与えるという歴史に残る戦いが行われました。
 この日本軍守備隊の最高司令官を務めたのが私の母方の祖父・栗林忠道陸軍大将だったのです。
 硫黄島の遺骨収集は8664柱、戦没者の 4 割であり、未だ 1 万 3 千柱、 6
割ものご遺骨が国内でありながら未収集となっています。もちろん国による遺骨収集は続いており、戦友や遺族で作る硫黄島協会を先頭に、与党の国会議員44
名による硫黄島懇話会(私が幹事長を務めています)が支援しております。
 私たちは全員のご遺骨が故郷にお還りになるまで、戦後は終わらないと考えています。



◆ 映画でわかったこと

 硫黄島の戦いは、クリント・イーストウッド監督により 2 本の映画、日本側からみた「硫黄島からの手紙」と、米側からの視点でつくられた「父親たちの星条旗」が製作され、世界中で公開されました。
 家族を想う気持ち、大切なものを守りたいという気持ち、日米双方の兵士の気持ちはまったく同じだったのです。どうして同じ気持ちを持つ者たちが戦わなくてはならなかったのでしょう。戦争がどんなに愚かで悲惨なものか、遺族の気持ちも世界中みな同じだと思います。



◆ 靖国神社へ参拝

 講演の後に質疑応答を行い、参加者全員で靖国神社の昇殿参拝を行いました。昇殿とは神社の本殿に上ってお参りすることで、お賽銭箱の置いてある拝殿の奥にあり、参拝には申し込みが必要となります。
 靖国神社の存在は知っていても昇殿参拝までしたことがある方は意外に少なく、貴重な体験だったと参加者には喜んでもらいました。
 私は神社というものは神様に会う場所であり、個人の心の拠りどころだと考えています。ましてや、国のために尊い犠牲となった方々の眠る場所を政争の具と
することはもっての他であり、誰がいつ行ったかなどと騒ぐことには賛成できません。気持ちのある人がお参りし、護っていけばよいのでは、ということを講演
でもお話ししました。



◆ 平和にかける想い

 私は祖母や母から聞いた当時のことや、硫黄島から届いた手紙に見える栗林のやさしい人間性について紹介し、「どんなことがあっても二度と同じ過ちを犯し
てはいけない。そのためにはあらゆる外交的手段と安全保障の実行力を持って日本の平和を守り、世界の平和を作っていかなくてはならない。」という自分の気
持ちを参加者にお伝えしました。
 これからも国際平和構築に向けた活動を自らのライフワークとして取り組んでまいります。

新 藤 義 孝