第168号 JR川口駅へ湘南新宿ラインの停車を! ~朝の混雑解消は長年の懸案~



去る1月20日、自民党川口市議団の仲間たちと一緒に国土交通省、JR東日本・
本社を訪問し、参加した各議員と共に地元の熱い期待を伝えて参りました。
(国土交通省・加納副大臣室にて)


 去る 1 月20日(火)、自民党の川口市議会議員の仲間12名と共に国土交通省と東日本旅客鉄道(株)を訪問し、「JR川口駅の湘南新宿ライン停車に係る要望」を行ってまいりました。


◆ 川口駅の混雑解消を

 JR川口駅周辺は長年の再開発事業の実施や大規模商業施設の開設、マンション建設ラッシュにより、街が活況を呈しております。
 その中心となるJR川口駅は、1日の乗降客数が16万人を突破し、大宮駅に次いで県内で2番目に人が多い駅となっています。
 しかし、JR川口駅の鉄道輸送能力は京浜東北線一本という極めて脆弱な状態であり、朝のラッシュ時の混雑率は首都圏JR各駅の中で最悪、ホームの混雑や
積み残しが最近さらに顕著になっております。
 事故や故障が起きた時などは代替路線がないため、入場改札制限を余儀なくされ、駅舎内からデッキまでお客があふれてしまいます。
 これまで川口市側から旧国鉄・JRに対し、20年以上にわたり京浜東北線の川口駅始発電車の実現や東北・高崎線の停車など、行政や議会を通じ様々な要望
を行ってきました。残念ながらいずれの提案も実現せず、全国50万都市の中で中距離・急行電車が停まらない街は川口のみ、などといわれております。



◆ 24年前からの準備

 この長年の懸案を解消できるチャンスが到来してきております。JRが川口駅の改修と駅ビルの建設を求めて市側に都市計画の変更等の打診をしてきているの
です。JR側の要望を市が検討するのなら、地元側の要望もJRに検討してもらわなければなりません。
 それが今回要望した「湘南新宿ラインの川口駅停車」です。この中距離電車は前橋や宇都宮など大宮以北のお客を、貨物線と埼京線の線路を使い池袋・新宿・
渋谷方面に運び、逗子や小田原と結ぶ路線です。川口駅利用客を上野・東京方面に向う京浜東北線と湘南・新宿ラインに分けることが出来れば、朝の混雑は飛躍
的に改善されることになります。
 この路線は川口駅を通過する際、最も西側の貨物線路を走行しております。川口駅へ停車させる為の工事は、線の切り替えとホームの新設を他の路線に影響す
ることなく施工することが出来るのです。
 しかも、必要な用地は西口側の公園・緑地帯を活用することで確保出来ます。この措置は24年前のリリアや西口公園を都市計画決定するときに、将来に備え
て考えられたことなのです。実は私も市のプロジェクトチームの一員として当時係わっておりました。



◆ 国交省・JRへ要望

 まず始めに国土交通省を訪れ、運輸担当の加納時男副大臣を訪ね、事業化の際の国庫補助採択等について要望しました。 
 次にJR東日本・本社を訪れ、川野邊取締役・運輸車両部長と西野投資計画部長というJR側の実務責任者とお会いし、我々の要望を率直に伝えました。
 質疑応答は以下の通りです。
①川口駅舎の改良計画に合わせて、地元の悲願である中距離電車の川口駅停車を検討してもらいたい。
 湘南新宿ラインは現在でも非常に混雑している。2012年からは浦和駅へ停車が始まるのでさらに混むことが予想される。赤羽駅に隣接していることから川口駅への停車は、路線の速達性(スピードと時間)を確保する意味で早期実現は難しい。
②ホーム新設の技術的可能性は?
 ホームの新設は、物理的・技術的には可能。路線用地の確保など川口市側の熱意は理解している。
③現在の湘南新宿ラインの本数を増やすことは可能か。
 現在、大崎―池袋間は朝の一時間に埼京線が20本、湘南新宿ラインが 6 本運行している。26本が信号処理の限界で、湘南新宿ラインを増やせばその分埼京線が減ることになる。埼京線の乗客も増えており、混雑率を考慮すると、これ以上本数を減らすことは出来ない。
④湘南新宿ラインの現ダイヤの 1 本でも川口駅に停車できないか。
  1 本にお客さんが集中することが考えられるので、実施するなら全部停車させなければならない。
⑤川口駅の混雑解消方策はあるのか
 京浜東北線の朝の増便や、横幅の広い新型車両の導入による輸送量のアップを図り、一年後に現状200%の混雑率を10%改善する予定。



◆ 実現に向け引続き活動

 今回の要望ではJR側の良い答えは得られませんでした。しかし事業用地まで用意した川口市側の熱意は伝わっておりますし、JR側との交渉はこれからが始まりです。何より市民の強い要望の声を出していくことが重要ではないでしょうか。
 私は市議会・県議会の同志議員や、岡村市長を始め市当局や商工会議所などと密接に連絡を取りながらしっかり取り組んで参ります。

新 藤 義 孝