第158号 経済産業副大臣を終えて  ~11ヶ月間を振り返る~



私を支えてくれた西村秘書官(後列右)を始め秘書官室のスタッフと、片付けを
終えた最後に記念撮影しました。この方達には本当にお世話になりました。


 皆様には猛暑の中、いかがお過ごしでしょうか。お体をご自愛の程お願い申し上げます。
 この度の内閣改造により私は去る8月5日付けをもって、経済産業副大臣を退任いたしました。昨年8月末の就任以来、約11ヶ月間の在任でした。昨年6月
の参議院選挙での自民党敗北、安倍政権の突然の交替、自民党総裁選挙、福田新内閣の誕生と目まぐるしく政局が動く中で副大臣に就任し、以来、ねじれ国会の
下での極めて厳しい国会運営が続きました。小泉政権時代とは打って変わった低支持率の中で、私も閣僚チームの一員として、甘利大臣のもとで微力ではござい
ましたが、精一杯の活動をさせていただきました。副大臣としての活動や公務の記録は私のホームページにまとめてありますので、皆様には是非ご覧いただけれ
ば幸いです。
 交替にあたっては後任となります高市早苗新副大臣に引き継ぎを行い、その後に経済産業省の幹部職員が交替式を行ってくれました。
 式の冒頭、望月晴文事務次官が私にとてもあたたかい歓送の辞を贈ってくれました。少しほめ過ぎの部分は差し引いていただくとして、私の副大臣としての活
動の雰囲気が伝えられればと思い、今号ではその抜粋をご紹介させていただきます。


◆ 事務次官の歓送の辞

 新藤義孝経済産業副大臣が経済産業省を去られるに当たり、職員を代表いたしまして、御礼の御挨拶を申し上げます。
 新藤副大臣は、川口市議、外務大臣政務官などの御経歴から得られた幅広い御経験から、地域中小企業支援、資源・エネルギー外交、環境問題などの政策課題
に対して、自ら先頭に立って精力的に取り組んでいただきました。ここでは特に2つほど例をあげたいと思います。
 第1は「ソーシャルビジネス」支援施策です。イラクやアフガンで難民支援を行っているNGO活動への支援などを積極的に行ってこられた御経験から、ソー
シャルビジネス支援に関する研究会に第2回以降毎回御出席され、報告書取りまとめをリードしていただきました。
 第2は「地理空間情報」活用施策です。新藤副大臣の強力なイニシアチブの下、外部有識者に加えて10省庁が参加して立ち上がった「地理空間情報活用推進
研究会」では、6回全てに御出席いただき、地理空間情報サービス産業の将来ビジョン策定の先頭に立っていただきました。このビジョンの実現を目指し、新藤
副大臣に命名いただいた地理空間情報に関する政策パッケージ「G空間プロジェクト」を強力に推進していきます。
 また、両研究会の最後には委員との懇親会を自ら企画され、酒杯を交わしながら熱い思いを語られました。



◆ 国会への対応

 自民党の部会が、特商法の改正条文を巡って揉めた際には、部会関係者との議論の場に副大臣自ら御出馬いただき、当省提案の条文に反対する議員を論理的説
明で説得していただいたことは、我々の記憶に新しいところであります。
 また在任中、国会での御答弁、様々な会議や式典での御挨拶、海外からの要人への御対応など数々の場面で御活躍をいただきました。新藤副大臣は、事前のレ
クの際に担当課からの説明を納得されるまでとことんお聞きになられました。そして、事務方が用意した発言原稿に自ら修正を加えられ、自分の言葉でわかりや
すくお話になられました。的確にポイントを押さえて熱くお話をされるお姿は、多くの聞き手の記憶に残ったに相違ないと確信しております。


◆ 外交における役割

 東シナ海の油田開発に関しては、「中国側の譲歩を引き出すためには、日本側も東シナ海で試掘を始めるなど強硬な姿勢を打ち出すべきだ」と終始主張してい
ただきました。こうした新藤副大臣の一貫した強い態度は、交渉の前面に立つ我々にとって、どれほど心強かったことでしょうか。
 新藤副大臣の支えがあればこそ、今回の妥結を勝ち取ることができたものと考えております。
 新藤副大臣には合計6回の海外出張にお出掛けいただきましたが、特に昨年12月、「第1回石炭・鉱物資源政策対話」のためにベトナムに行かれた際の新藤
副大臣の御対応ぶりは、大変示唆に富んだものとして長く語り継がれていくことと思います。新藤副大臣は会議の場では真剣な議論をする一方で、会議の合間に
は、水着一枚になって一緒に温泉に浸かり、夜の会食時には、ベトナム石炭鉱物公団の会長・総裁、ベトナム政府の代表らと肩を組んでの大歌合戦をされまし
た。このエピソードが、両国間の鉱物資源に関する協力関係の強化のみならず、両国間の絆の増進に大きな役割を果たしたことは疑いの余地がありません。「主
張すべき時にはしっかりと主張する、交流する時にはとことん交流する。」という外交の基本姿勢を、新藤副大臣には身をもってお示しいただいたものと感謝し
ております。


◆ 副大臣の執務室

 新藤副大臣室に伺いますと、机の周りに数多く置かれている御家族の写真、とりわけ1歳4ヶ月になる、かわいらしい”悠生(ゆうき)君”の写真を目にした
ことがある職員も多いことと思います。また、お花についても、そのお手入れの方法について具体的にスタッフに指示を出されるほど大事にしておられました。
仕事に対しては一切の妥協を許さず全力投球をされる一方で、このように御家族やお花をとても大切にされるような情愛溢れるお人柄に惹かれる職員が多かった
と思います。
 新藤副大臣には、国の未来に対する熱き思い、力強い行動力、そして優しいお人柄で私どもを御指導いただきましたことを、心より感謝申し上げます。
                             経済産業事務次官 望月 晴文


◆ 職務を終えて

 11ヶ月間の副大臣在任中は、私にとって大変充実した日々でした。責任は重く緊張の連続でしたが、内閣の一員として、いろいろな経験を積ませていただき、政治家としての幅を拡げられたと思っています。
 一方、在任中は地元に帰る回数が激減しておりましたが、今後は地域での活動も再開し、皆様の暮らしと国の未来のため、精一杯働かせていただきたいと考えております。


新 藤 義 孝