第82号 わが街の地酒 第二弾 健酎 「たたら」


◆ わが街に名産を

 「この街の風土に適した、街の特産と呼べるお酒を自分たちでつくってみたい」-そう思い立った川口食文化研究会の皆さんは、騎西町にある蔵元さんの協力の下、この春に「初扇(はつおおぎ)」という地酒をつくりました。おかげ様でこの「初扇」は、気軽に家庭で楽しめるお酒として、また贈答用としても、川口市内はもとより各方面でご好評をいただいているようです。
 「初扇」に使う米までも自らの手でつくりたいと、食文化研究会の皆さんは実際に川口市木曽呂の水田で田植えや稲刈りも行いました。
 

 川口ブランドの創出による地域産業の活性化。そして、それをつくりだす過程の多くの人たちの暖かい交流。川口の活力をつくりだすの食文化研究会の皆さんのチャレンジを応援していきたいと、私は以前、「週刊新藤55・56合併号-新たな名産品
生まれる!わが街の地酒」で「初扇」をご紹介させていただきました。
「初扇」の成功に引き続き、「食文化を通じて広く川口を理解してもらう」ために、研究会の皆さんは、川口ならではの作物を使った、第二弾となる名産品を生み出す企画を立てたのです。


◆ 川口の特産物「ぼうふう」

 刺身や和え物、吸い物などに彩りを添える「つまもの野菜」。その中でも高級食材として用いられている「ぼうふう」の9割以上が私たちの街でつくられています。全国でも、川口市の神根地区だけが本格的な生産を続けており、我が街の誇る特産物です。
 「週刊新藤47号-全国シェア95%の農産物が川口に!」では、川口市東内野で「ぼうふう」を栽培している守谷賢一さん(武州軟化蔬菜出荷組合・前組合長)を取材させていただきました。


◆ 「ぼうふう」との融合

 つまものとして珍重されている「ぼうふう」ですが、守谷さんは、ぼうふうの新たな使い道、新たな可能性を探していました。それが縁で誕生したのが「健酎 たたら」です。守谷さんと、食文化研究会の皆さんと、野菜焼酎をつくっている宮崎県の酒造会社との連携により、新しいお酒が生まれたのです。
 ぼうふうの個性的な香りと焼酎が融合した独特な味わい。ぼうふうの茎と葉は抗酸化の働きが強く、解熱・鎮痛・強壮・の作用があり、風邪・頭痛・関節痛な
どに有効とされ、漢方薬としても用いられています。薬効のあるこの「たたら」には”健酎”という名も付けられました。500ml、1,575円。淡い緑色
のしゃれた瓶や、パッケージのこだわりに、手がけた皆さんの自信の程が伺えます。

 先日行われた農協主催の即売会でもこの「たたら」は大人気を博しました。
 街のやる気と元気を促す「川口ブランド創出」への挑戦を、多くの方に応援していただけたらと思います。「初扇」と「たたら」-ぜひ皆様も試してみて下さい。

新 藤 義 孝