第77号 子どもに「元気」を!    -第2回キッズサッカージャンボリー開催に寄せて



◆ 子どもに元気を!

 子どもの体力低下が叫ばれて久しいですが、その状況は年々深刻化しています。スポーツをしない、運動が苦手というレベルではもはやなく、心の成長や知的発育を阻害する程にまで悪化していると言われています。
 10月10日、体育の日。文部科学省が発表した体力・運動能力調査結果を受けて、この日の新聞各紙には子どもの体力・運動能力の低下を危惧する記事が多
く掲載されました。実際、健康に配慮する人が増えて体力が向上している中高年層に比べ、子どもの体力は昭和60年頃をピークに低下し続けています。
 椅子に長時間座っていることが難しく、机にうつぶせになってしまう子。朝礼のときに直立することができず、ゆらゆらとゆれてしまう子。極端なケースです
が、授業中につらくなって床に寝転がってしまう子もいるそうです。20年前に比べ身長や体重など体格は向上しているにもかかわらず、自分の体を支えること
ができないほどに極度に筋力が不足してしまっている子どももいるのです。
 遊び場の不足、体を動かす必要が少なくなった生活習慣の影響、テレビやゲーム・パソコンなどのディスプレイ依存、食生活の乱れ、夜更かしによる睡眠不足など体力低下の原因は様々にあげられますが、これはもはや学校だけで解決できる問題ではありません。


◆ 体力=気力=学力=意欲

 現代の教育が抱える問題では学力低下が大きくクローズアップされていますが、私は教育の現場に身を置く者として、学力の低下そのものよりも、そして学習内容それ自体よりも、もっと問題視すべきなのは「学ぶ意欲の低下」についてだと思っています。
 体力・運動能力の低下は、子どもの精神面に大きな影響を与えると考えらています。文部科学省の調査によると、体力のある子どもほど意欲や気力、集中力やねばり強さなどに優れているという報告もあります。


◆ 子どもの体力向上基本法制定を目指して

 私はこの度「子どもの体力向上の実現を目指す議員連盟」に参加させていただきました。
 言うまでもないことですが、体力は、子どもの発達・成長を支え、創造的な活動をするために必要不可欠なものです。この議員連盟で私たちは「子どもの体力
向上基本法」の議員立法を目指しています。現状の学校教育の枠組みにおける体育指導に加えて、さらに子どもの体力向上の機会を増やしていくために。それに
は私が今取り組んでいる地域スポーツクラブを始めとする、新たな地域コミュニティ活動が重要な意味を持ってきます。法律・国の施策・学校・地域・家庭が一
体となって、体力・気力・学力にわたる子どもの生きる力全体の向上を目指していきたいと思います。


◆ キッズサッカージャンボリー開催

 県南各市の幼稚園、埼玉県クラブユース連盟のご協力をいただき、川口市・鳩ヶ谷市の両教育委員会から後援を得て昨年11月に開催し、多くの皆様からご好
評をいただいた「キッズ(U-6)サッカージャンボリー・県南大会」。その第2回大会を、この11月27日(日)に川口市青木町公園総合運動場(陸上競技
場)にて実施いたします。
 子どもたちに夢と希望と健康を与えられる環境をつくりたい。それは私の政治家として、また教育者としての最大のテーマのひとつです。
 子どもの体力低下を取り巻く問題では、日常的にスポーツをする子とほとんどしない子の2極化ということも指摘されています。私はこの大会を広く門戸を開き、多くの子どもたちにサッカーという素晴らしいスポーツに触れる機会を持ってもらいたいと願っています。
 神経系の発達が盛んな幼児期には遊びや運動を通じて多くの動作を体験させることが重要ですが、基本的な身体動作を多数含み、集団内でのチームワークを学べるサッカーは幼児の心身の発達にも適しています。
 当日は、大宮アルディージャのプロ選手がサッカーを教えてくれるサッカークリニックも開催します。
 多くの皆様からのご協力をいただき、末永く続けたいと願っているこの大会。読者の皆様方にはぜひグランドにお越しいただき、子どもたちを応援していただければ幸いです。

新 藤 義 孝