第19・20号 ドッグラン走り出す!都市型政策の実践


内の愛犬家の方たちで結成されたボランティア団体「DogSkip」の集会に参加し、その趣旨に賛同し会員となった私は、ドッグラン設置に向けて早速行動
を開始しました。まず、設置希望地であるスキップシティとその周辺の整備状況がどうなっているか、担当する役所の方と連絡をとり、話し合いをしました。


「DogSkip」のメンバーの皆さん。ただいま、会員募集中です。
 ホームページ  http://dogskip.hp.infoseek.co.jp/

昭和33年に東京タワーが建設されるまで、高さ日本一(312m)を誇るNHKのラジオ放送塔が川口市上青木の住宅街にあったのを皆様はご存知でしょう
か。老朽化等により昭和57年に移転し、その跡地約15haを有効活用するため、県と市によって新しい街づくりが計画されました。それがスキップシティで
す。スキップシティ(SKIP City)とは、SaitamaKawaguchi Intelligent Park City
の頭文字をとった愛称であり、中小企業の振興と映像・情報産業を核とした次世代産業の集積を目指す川口市が誇る複合施設です。


れまで私もこの街づくりには少なからず関わって参りました。川口市議時代にはNHK周辺整備特別委員会で基本計画の策定に携わり、衆議院議員として建設事
業に係る国の補助金獲得や財源の確保に努めました。総務大臣政務官を拝命していたときには、NHKアーカイブスを所管しておりました。「スキップシティを
将来の周辺市との広域合併後の中心として、産業と行政の一大センター街とする」というのが私の基本的戦略です。

[A街区・約5ha]平成15年2月1日にオープンし、県立の産業技術総合センター、NHKアーカイブス(公開ライブラリ3,200本)、川口市立科学館(プラネタリウム)等があります。特に映像シアター(325席)では、大人600円・子ども300円の割安料金で名作映画が公開されており、隠れた新名所になっています。
(ホームページ http://www.skipcity.jp/
[B街区・約3.5ha]私たち「DogSkip」がドッグランの設置を望んでいる場所です。A街区の補助機能としてスタジオや人材育成機関などを建設する構想がありますが、現状では市の防災訓練などに使用されるくらいで、通常は遊休地となっています。
[C街区・約3ha]衆議院議員として地域の皆さんから運動広場として利用したいとの要請を受け、私はNHKと川口市に働きかけました。
までにNHKが所有する土地が市民団体に貸し出された例はなかったため、事務手続き上の工夫を行い、NHKの土地を市が借り受け、川口市から地元の連合町
会に運営を委託するという方法をとりました。平成13年12月より市民スポーツ広場として、ソフトボール場と、川口が発祥と言われるターゲットバードゴル
フのグランド等に活用されています。
[D街区・約3ha]NHKのB-SAT放送衛星管制センターがあり、またNHK宿舎の跡地が遊休地になっています。

【都市型政策の実践としてのドッグラン】
私は、川口・鳩ヶ谷のように都市化が進んだ地域では、都市型政策の充実が重要かつ必要と考えています。たくさんの人々が密集して居住する都市には様々な
ニーズがあり、今回のドッグランはそうした市民ニーズの多様性に応え、街の活性化と魅力を高める都市型政策として位置づけています。その基本となる観点
は、
① 巨額の予算をかけた公共事業から、できるだけ予算をかけず、既存施設や遊休地を活用し、少ない経費で大きな効果を生み出すソフト政策が効果的です。
② 社会ニーズが高いものを時間をかけずに実施することが重要です。「タイムリー」と「スピーディ」がキーワードになります。
③ 公務員の定数削減や予算縮減を進めつつ、行政サービスの質を落とさないためには、市民ボランティア団体やNPOなどの協力が必要です。国から地方へ、官から民への流れの中で、市民参加型の政策が求められています。

私は単に愛犬家の施設にとどまらず、都市型政策の実践という意味で、ドッグランが有効と考えているのです。

【ドッグラン設置に向けて】
ドッ
グランの設置は様々な波及効果が見込まれます。A街区の中央プロムナードの正面に広がるB街区にドッグランを開設することで、駐車場や飲食施設等が一体的
に活用できます。県内・東京北部も含め最大規模のものとなり、利用客は市外・県外から多数見込まれるのではないでしょうか。スキップシティの来街者を増や
し、街の知名度が上がり、ビジネスチャンスも増大されます。施設の利用率も向上し、消費活動も活性化されます。

これまでスキップシティの建設には多額の予算が投下されており、この投資に対する応分の成果を市や市民にできるだけ効果的に還元していくことが、政治家としての私の役割です。

私は市役所の担当の方々にこのドッグラン設置の戦略性を説明しつつ、さらに、
① ドッグランを常設とせず、期間を限定して試行的に設置してみる。
② 施設の整備は、ネットフェンス、水飲み場、休憩ベンチ等簡便にし、運営は「DogSkip」のボランティアの皆さんに委ねる。
③ 当面は週末のみの利用とし、利用ルールやマナーを守れるかを試験してみる。
④ 将来、B街区の事業化が決定した際には、速やかに全面的に市に協力する。

という前提で検討してはどうか、と打診をしました。

一方で、私はこの問題を仲間の市議会議員の皆さんに相談しました。市民の代表である市議会議員から行政への政策提案にしたらと持ちかけたのです。今後9月
市議会で提案できるよう、自民党市議団で協議が開始されました。さらに、この問題に以前より関心をもっていた他の議員さんたちにも声をかけていきます。

もちろんこの問題は、私たち自身が市民運動として草の根の活動を続けていくことが最も重要です。8月1日に行われた「DogSkip」の集会では、設置に
向けての署名活動を会員各々が行う申し合わせをしました。私のホームページでも電子署名欄をつくりましたので、皆様のご協力をぜひお願い申し上げます。

市民の皆さんが自らの願いを達成するために起こしたこの行動を、私はこれからも全力で支援していくとともに、この活動がスキップシティに息を吹き込み、川口市の新たな活力を生むきっかけとなればと願っています。

新 藤 義 孝