第9号 北朝鮮拉致問題 -2- 拉致問題解決に向けた経済制裁を


◆ 再開された6カ国協議

 昨年6月以来中断されていた、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議が今月末に再開されることとなりました。4度目となる同協議において、今度こそ北朝鮮の核廃棄と拉致問題の解決に向けて実質的かつ速やかな進展がなければなりません。
 北朝鮮は協議が中断していた間に核開発を進めてきました。核保有宣言をするとともに、寧辺にある実験用黒鉛減速炉を停止して使用済み核燃料棒を取り出
し、2基の原子炉の建設再開も発表するなど、核カードを次々と切って瀬戸際外交を展開しています。IAEA(国際原子力機関)は、北朝鮮が既に5~6個の
核を保有している可能性があると見なしています。協議が長引けば、北朝鮮が核開発を推進する時間を与えてしまうことになります。
 さらに、日本にとって対北朝鮮外交の最重要課題である拉致問題についても、この協議の場においてしっかりと追求していかなければなりません。拉致という
国家的犯罪に対し被害者とその家族がどれ程苦しみ、そして日本国民がどれ程憤慨しているか。そしてこの問題の解決なしには、日朝関係の改善はあり得ないの
だということを、日本は協議の場で強く明確に主張していかなければならないのです。


◆ 問題解決に向け、経済制裁を

 先月末、拉致被害者家族連絡会と支援団体「救う会」の方たちおよそ100人が、国会前で北朝鮮への経済制裁実行を求めた座り込みを行いました。6カ国協
議をめぐる議論は核問題が中心となっており、被害者の家族のやり切れない思いを考えれば、経済制裁を望むその訴えは真に切実なものだと思います。
 北朝鮮から提供された、横田めぐみさんだとされる遺骨や死亡診断書等すべての「物証」が捏造と判明したことを受け、政府が経済制裁を示唆する談話をだし
たのは昨年12月。ところが北朝鮮側は、日本が遺骨鑑定を捏造しているなどと開き直り、日本との交渉を拒絶し続けてきました。その後、政府は今年3月に改
正油濁法を施行して入港条件を厳しくしたほか、神戸出身の田中実さんを新たに拉致被害者と認定しましが、その後の進展はありません。
 北朝鮮に「対話」が通じないことはもはや明白であり、「こちらの言い分を聞けばそれなりの恩恵が受けられるが、それをしなければ重大なダメージを受け
る」といった、アメとムチを見せるべき段階になっているのです。「善意を信じて話し合う」といったやり方が通用しない相手には、制裁法による送金・貿易停
止、船舶入港禁止、北朝鮮・総連への不公正な優遇措置の適正化を始めとする経済制裁を発動し、目に見える行動を通じて強い意思を示す必要があるのです。


◆ 拉致被害者救出署名を展開中

 
今月10日、浦和駅西口にて、川口市出身の拉致被害者・田口八重子さんのお兄さんである飯塚繁雄さんや、救う会埼玉のメンバー、上田知事、県議会拉致議連
の深井明会長ら約50人とともに署名を呼び掛けました。おかげ様で当日は1万1千件の署名をいただき、拉致問題に対する皆様の想いの強さを改めて実感いた
しました。
 川口市には田口さんの他にも、拉致の疑いが濃厚であると認定された5人の特定失踪者の方がいます。私はこれまでも、特定失踪者の一人である藤田進さんの
弟さんの隆司さんらとともに「拉致被害者・特定失踪者救出に向けての署名」を幾度も呼びかけてまいりました。北朝鮮との交渉が成功するためには、皆様の拉
致問題解決に対する関心と政府に対する支持が不可欠なのです。
 8月6日・7日に実施される川口市たたら祭りにおいても、昨年に引き続き署名活動を行います。また私のホームページ上でも電子署名を受け付けております。ぜひ皆様のご理解とご協力を賜り、1人でも多くの皆さまのご署名をお待ちしております。


■◇ 5歳児のチャレンジ

 私が園長を務める川口ふたば幼稚園では、年長児(5歳児)全員参加によるマーチングバンド(鼓笛隊)を結成しています。おかげ様でその指導方法と園児た
ちの努力する姿は市内外からも高い評価をいただいており、「我が子をぜひふたばの鼓笛隊に入れて欲しい」という想いで入園を希望される親御さんもいらっ
しゃるほどです。
 日々の保育活動でのリズム遊びやリトミックを通じて創造表現に対する興味を培いながら、年長になり自分でどのパートを受け持つかを選択し、一人ひとりが主役となって目標を持って取り組みます。
 園児も先生も一緒になって、みんなで汗を流して頑張って達成感を共有すること。これは何にもまして得難い喜びであり、成し遂げたときの子どもたちの表情にも喜びと自身が満ちあふれ、私も胸が熱くなる思いです。

 今夏、このふたばのマーチングバンドが、幼稚園では初となる「川口国際文化交流フェスティバル」に参加します。7/30(土) 11:45~
川口駅西口・リリアパーク(西公園)にて、園児192人によるマーチングバンドが出演します。皆様もお時間がありましたら、どうか子どもたちの元気に活躍
する姿をご覧いただきたいと思います。
 どうかこの子たちが、目標に向かって努力した思いとその時に得た達成感をいつまでも覚えていてくれるように。そして成長してからも、また新たな目標を見いだし意欲的に挑戦する気持ちを持ち続けてくれるように、願ってやみません。

新 藤 義 孝