沖縄振興特別措置法の一部改正法律案(外務政務官答弁) 衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会-2号  2003年03月19日

衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会-2号

156-衆-沖縄及び北方問題に関す…-3号 2003年03月19日

○谷津委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行います。
 お諮りいたします。
 委員長仲村正治君より、委員長辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷津委員長代理 御異議なしと認めます。よって、委員長の辞任を許可することに決しました。
 これより委員長の互選を行います。

○川内委員 動議を提出いたします。
 委員長の互選は、投票によらず、平林鴻三君を委員長に推薦いたします。

○谷津委員長代理 ただいまの川内博史君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷津委員長代理 御異議なしと認めます。よって、平林鴻三君が委員長に御当選になりました。
    〔拍手〕
 委員長平林鴻三君に本席を譲ります。
    〔平林委員長、委員長席に着く〕

○平林委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま委員各位の御推挙によりまして、委員長の重責を担うことになりました。
 沖縄問題に関しましては、沖縄が本土に復帰して以来三十年を経過し、この間、各般の施策が推進され、現在、新たな沖縄振興計画を着実に推進していく状況にございますが、なお解決を要する多くの課題を抱えております。中でも、米軍基地の問題は重要な課題の一つであります。
 また、北方問題に関しましては、長年にわたる全国民の悲願である北方領土返還の実現という大きな問題がございます。その解決のためには、これまで以上に国民世論を広げていくことが重要と存じます。
 このような状況のもと、当委員会に課せられた使命はまことに重大でございます。
 何分微力ではございますが、委員各位の御支援と御協力を賜りまして、円満なる委員会運営に努めてまいる所存でございます。
 何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――

○平林委員長 内閣提出、沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。沖縄及び北方対策担当大臣細田博之君。
    ―――――――――――――
 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

○細田国務大臣 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 沖縄振興については、自立型経済の構築等を目指し、沖縄振興特別措置法及び沖縄振興計画に沿って、観光、情報通信、製造業、農林水産業等の各種の産業の一層の振興、それを支える人材の育成や科学技術の振興などを図ることが重要な課題となっております。こうした中で、沖縄振興の観点から、沖縄の電力用途の石炭に係る石油石炭税を免除することとするとともに、羽田―沖縄離島三路線に係る航空機燃料税の軽減措置を延長するため、ここに本法律案を提出申し上げる次第であります。
 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
 第一は、沖縄の電力用途の石炭に係る石油石炭税の免除措置の新設であります。
 石油石炭税の課税対象に新たに石炭が追加される中で、沖縄にある事業場において発電の用に供する石炭に係る石油石炭税を免除することといたします。
 第二は、羽田―沖縄離島三路線に係る航空機燃料税の軽減措置の延長であります。
 宮古島、石垣島及び久米島と東京国際空港との間の路線を航行する航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の軽減措置の適用期限を一年延長することといたします。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いいたします。

○平林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

○平林委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、警察庁長官官房審議官芦刈勝治君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君及び国土交通省航空局次長星野茂夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○平林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――

○平林委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下地幹郎君。

○下地委員 今、私たちの上を明るく照らしている電気でありますけれども、電力業界の置かれている環境はもう真っ暗な状況であります。
 とにかく新エネを買い込みなさいといって、これをやるとコストが上がってまいります。今度はまた、省エネをやってできるだけ電力を使わないようにしなさいというと、量が出ない分だけ経営は厳しくなります。今度はまた、税の負担によってなかなか厳しい状態にもなってくる。そして、自由化をしなさいというふうなことになってきますから、小さい発電をやるところがいっぱい出てきて、経営がなかなか難しくなってきているというふうな状況。そしてまた、今度は原子力がなかなか順調にいっていない。東京電力なんかにおいても、多くの原子力発電所がストップをしているという状況からすると、電力業界が置かれている状況というのは、自分たちが照らしているような明るさではなくて、非常に真っ暗になっているというふうに思っているんです。
 今度、新しい税制を、電力、石炭、石油に関する税金をかける、そういうふうな趣旨はどんな意味があるのか。将来の電力業界というのをどういう方向に引っ張っていこうと経済産業省、エネ庁は考えているのか。それを少しお話を聞きたいと思います。
 三十分しか時間がないので、答弁は短く、簡素にひとつお願いを申し上げます。

○迎政府参考人 今般のエネルギー政策の見直しでございますけれども、京都議定書を批准し、地球温暖化推進大綱をより確実に実施していくためには、エネルギー分野における地球環境対策の充実強化に早急に取り組む必要があるということ、それから、流動的な中東情勢等を勘案し、燃料源の天然ガスへのシフトなど、エネルギーセキュリティー対策を強化する必要があること、こういったことを踏まえましてエネルギー政策や歳出歳入構造の見直しを行ったところでございます。
 具体的には、ただいま申し上げました天然ガスシフトの加速化、あるいは新エネルギー、省エネルギー対策の拡充、あるいは環境省との連携による炭素排出抑制対策の実施といったことを実施していく所存であります。
 それから、歳出の見直しに伴いまして、歳入につきましても、負担の公平の観点から、石炭への新規課税あるいは石油税の見直しを行うとともに、電源特会の歳出を長期固定電源に重点化することとあわせて、電源開発促進税の所要の減税を行うこととしておるものでございます。
 それから、電力業界を今後どう持っていくかという点でございますけれども、電気の供給におきましては、まずは安定的な供給というふうなことが求められております。それから、ただいま申し上げましたように、電源についても、環境に配慮をした電源と。
 安定供給、環境配慮、それからさらに自由化ですとか競争を通じた効率化、この三つの目的を十分に果たして、電力の供給が行われていくよう考えていきたいというふうに考えております。

○下地委員 今申し上げたように、地球環境に負荷が余りかからない電力行政にこれから変えていくというふうなことだと思うんです。そのことは京都議定書の問題から非常に大事だと思うんですけれども、しかし、それは、ある意味では、一部の地域、一部の企業にとっては負担が多くなるケースというのが出ているわけです。
 そこで、沖縄電力のことを考えてみますと、先ほど私が申し上げました新エネの話だとか、環境に係る税金の問題だとか、そして原子力が順調ではないということだとか、自由化によってコストダウンを図らなければいけないとかというのに加えて、沖縄の場合には離島が多いんですね。その離島電力はどうするのか。私が聞いている範囲では、今でも五十億近くの赤字が出ている、やってもやっても赤字だというふうなことが一点あるでしょう。
 そして、先ほど申し上げましたが、今、石炭が八〇%を超えている。原子力はできません。天然ガスはありません。水力もつくることができません。そういうふうなことになったら、限られたものでしかできないという状況になっている。
 そしてもう一つは、やはり、電力が収益を上げるというか、コストを下げるための市場が小さ過ぎる。百三十万人の規模の人しかいなくて、そして企業がなかなか育ってない、そういうふうな状況からすると、沖縄電力の将来という意味でも、なかなか厳しいのかなというふうに私は思っているんです。
 沖縄電力が上場しましたけれども、国の制度で支えられながら市場原理のところで上場した会社というのは、沖縄電力が初めてではないでしょうか。本来ならば、そのまま市場に投げて競争しなさいというふうなことでありますけれども、しかし、上場しなければいけないけれども国が支えなければいけないというふうなことをやっているような状況というのは、まさに特殊であるとして私どもは認めていかなければいけないと思うんです。
 私は、今この状況の中で、大臣に一つだけ将来についてお話を聞きたいんですけれども、今は石油石炭税の問題を沖縄振興策に移しかえて、そして沖縄電力がきちっとした経営ができるような状況にやるというふうな方向で審議をするわけでありますけれども、これからこの京都議定書をきちっとやっていく、進めていくという中ではいろいろな状況が生まれてくる。税金をかけなければいけない、そういうふうな話になってきたときに、この沖縄の産業、そして沖縄の振興をやる大臣として、これからも環境問題において、沖縄電力に負荷がかかったものに関しては、しっかりと、これから内閣府としても、その特殊性をよく吟味しながら沖縄電力のこれからについてサポートしていく、そういうお気持ちがあるかどうか、お聞きをしたいと思います。

○細田国務大臣 沖縄電力は、全国の電力のありようから見ても非常に特別なものでございます。基本的には石油火力が中心でございましたが、第二次オイルショックのときに石油価格の高騰により債務超過に陥るという事態が起こりまして、そして石炭火力の建設を促進しようということで今日があるわけでございます。したがって、原子力の発電を設置するほどの規模のない沖縄、そして離島を抱える沖縄としては、この沖縄電力を、あらゆる産業の基盤として、また消費者に対する低廉安定供給を確保するための重要な企業として、これからも、守っていくと申しますか、支えていかなければならないと私は思っております。
 政府といたしましても、これまでも税制措置その他を講じておりますけれども、このたびの石油石炭税の導入も、先ほど申しましたような過去の経緯から申しましても、政府としても責任のある今の経営状況に対して、責任を持って非課税措置を講ずるということにしているものでございますので、今後とも、この姿勢を堅持してまいりたいと思います。

○下地委員 大臣、今の姿勢でぜひお願いしたいなと思っています。
 極論から言えば、ホテル業界なんかでも二十四時間電気を使うわけですね。一部のホテルだと一億円ぐらい電力料金がかかる。利益はなかなか出ないけれども、一億円ぐらい。それはもう、電力料金は間違いなくキャッシュで払うわけでありますから、電力料金が安くなるということは、経営のマネジメントをするとき物すごく楽になるということもある。という意味では、電力をしっかりと支えるということは振興策の大きなポイントにもなるというふうに私は思っておりますから、そのことをぜひ、今のお話を、これからもずっと続けてもらいたいなと思います。
 それで、経済産業省にもう一個。
 しかし、されどとて、石炭で八〇%でこれからもずっとというわけにはいかないでしょう。沖縄ができるのは原子力ですかといったら、それは無理ですね。水力も無理じゃないですか。そうなってくると、天然ガス、LNG、そういうふうなものに代替をしていかなければいけない時期が来る。いつまでも化石燃料を燃やして、いや、沖縄は特別だからずっとこれでというわけにもいかないというふうになってくる。
 LNGに関して、これから沖縄電力がこの事業に対して進もうとしている。国はどういうふうにサポートするつもりなのか、その辺を部長からひとつお願いしたいと思います。

○迎政府参考人 沖縄における電源開発につきましては、ただいま先生御指摘のように、原子力発電というものについては、需要の規模というのでなかなか難しい点がある。それから、水力につきましては、これは地形とかそういうものの制約というのがあるわけでございます。
 したがいまして、沖縄の電源開発の促進については、私ども、電源開発支援策の中で、他の地域につきましては原子力、水力、地熱といったような長期固定の電源に重点化をしていくというふうな中で、沖縄地域につきましては、火力発電所についても引き続き支援をしてまいるというふうに考えております。
 ただ、御指摘のとおり、火力発電の中でも、より環境負荷の低いものにしていくというふうなことが求められている。今後の沖縄におきます発電所の設置の計画を拝見いたしますと、今後、LNGを燃料とした高効率のコンバインドサイクルによる火力発電所の建設が予定されているというふうに承知をしております。
 当省といたしましては、沖縄県の特殊な事情というのを踏まえて、地域の実情に合った、環境への負荷の低い、こういったLNG火力といったものの電源開発を支援してまいりたい、こういうふうに考えております。

○下地委員 LNGは、沖縄にとって代替としてはこれしか残っていないということでありますから、今御答弁いただいたように御支援いただきたいなと思います。
 それで、大臣、大臣が自民党の航空小委員会の委員長のときに、私どもも下でやらせていただきましたけれども、離島の航空運賃についてやりましたですよね。競争力が全くない地域にはその交付金から補助を入れる。しかし、競争ができるところには、一社じゃなくて、ダブルでもあるし、トリプルでもあるしと。
 一つ言えば、那覇から宮古、那覇から石垣に関しては、前はJTAがやっていたけれども、それにもANKが入ってきて競争の原理を入れた。しかし、宮古から多良間だとか、石垣から与那国だとか、幾らやっても競争原理のないところには、補助金を入れてしっかりとサポートしていくという制度。競争のできるところには競争をつくって、競争のできないところはきちっとやる。
 あの制度は大臣がおつくりになったわけですけれども、あれが今この電力業界にも必要だと僕は思うんですね。この離島の電力が五十億あるために、やはり競争原理の必要なところ、沖縄本島の企業だとかそういうところにどうも安い電力が供給できない。だから、幾らやったって、五万とか六万のところに、離島に電気を引っ張って利益が出ないということがはっきりしているならば、その部分をきちっと制度化して、そのかわり、左の方では競争原理をやって、沖縄の失業率の対策だとかその他の、企業の活性化のためにやるというふうな仕組みをおつくりになるということは振興策にしても非常にいいと思うんですが、いかがですか。

○細田国務大臣 このたびの新しい石炭課税の免除も一種の補助金であるわけでございますが、やはり沖縄の物価水準、電力料金というものが生活に及ぼす影響がどのぐらいであるかということも非常に大きな要素であると思います。それから、全国的な電力料金の比較というものも大事でございます。
 そういった中で、従来、先ほどもちょっと申しました、もう二十年以上にわたりまして、沖縄の電力料金については、企業の経営の問題と、それから沖縄県民の皆様方に対して、本土との、他の大電力企業とのバランスのとれた電力料金というものを絶えず念頭に置きつつやってきておるわけですから、それが自由化された中で大きな格差が出れば、当然、沖縄対策として何らかの措置を講ずるべきであろうと思っております。
 こういう減税その他の様子ももうちょっと見ていかなければならないとは思いますけれども、しかも今デフレ時代になっておりますが、今後、いろいろな経済状況、エネルギー価格状況も変化してまいるでしょうから、臨機応変に対応してまいらなければならないのではないかと思っております。

○下地委員 この電力の減税で、沖縄電力が得る減税規模といいますか、そういうのが出ますけれども、私たちは、こういうふうなものは決して沖縄電力にやるというものではなくて、沖縄電力を通して県民に貢献していく、そういうふうな法律だろうというふうに思っておりますから、そういう趣旨をしっかりと踏まえながら、沖縄には一社しかない電力会社でありますし、他に共通するようなものもないわけでありますから、沖縄電力がしっかりとするということは非常に大事なことだというふうに思っておりますので、ぜひ内閣府として、電力行政には目をきちっと置きながらやっていただきたいなというふうに思っております。
 ぜひ経済産業省も、そのことをしっかりと踏まえながら、他の九電力と一緒にはしないように、絶えず別枠で考えながら、沖縄電力をやることは県民のためになる、そういうふうなことを念頭に置きながら経済産業省はやると、イエスとだけ言って、すぐ終わってください。

○迎政府参考人 御指摘のとおり、沖縄の電力の区域というのは離島が多い。それから、他の九電力の区域と異なりまして、ほかの地域は連系線というようなものでつながっておるわけですけれども、独立しているというふうな特徴があるわけでございます。
 したがいまして、私ども、今般、電気事業の制度改革等を考える場合でも、他の九地域と異なった扱いというのをしておりますし、そういった特殊な事情というのをきちっと検証しながら、今後ともその判断をしていきたいというふうに思っております。

○下地委員 米田副大臣、今度、もう一個の税制でありますけれども、離島の着陸料の減免措置が盛り込まれておりますけれども、これは一年やって効果が出ているんですよね。物すごく東京からの直行便だとか関西からの直行便が多くなっています。全部沖縄本島を経由して離島に来るというのではなくて、そのままダイレクトに、逆回りといいますか、宮古を回って那覇に行って帰る、石垣に行って那覇に行って帰る、まあ一番いいのは、石垣に来て宮古に行って那覇に行って三つお金を落として帰れば、もう最高に一番いいわけでありますから、そういうふうなものが特徴として出ればいいなと思うんですけれども。
 副大臣、これは一年ごとなんですよ。また来年も切れる可能性があるんです。副大臣にぜひ御答弁いただきたいのは、この法律を通して、来年また審議をするときまで、内閣府はやはり真剣に、もう年度年度これをやっていこうというふうなことをぜひ副大臣のパワーでお答えをいただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

○米田副大臣 お答えいたします。
 下地委員御承知のとおり、離島三路線の航空機燃料税軽減措置が、平成十三年の九月の米国の同時多発テロ事件の影響等を考慮して実施されました。また、加えて、沖縄全体を対象とした大規模観光キャンペーン等も行われたわけでありますが、この結果、平成十四年の観光客数、離島三島、石垣、宮古、久米島、この観光客数でありますが、平成十三年に比べまして約六%増加しているわけであります。やはり大変大きな効果があったんだろうと思います。
 しかしながら、ホテル料金の低価格化など、観光産業のいわゆる収益面においてはまだ回復過程にあるんだろう、こういう判断のもとに本措置の一年の延長を御提案申し上げているところであります。
 そこで、今のお尋ねの趣旨に沿いましてさらにお答えを申し上げますならば、基本的には、離島三路線への軽減措置というものは、テロの影響等を考慮した暫定措置ということで始まった考え方でありまして、それをもう一年延長させていただくということでありますので、やはりその段階になりまして、状況を見ながら、委員のお説のとおり、沖縄の振興のために、必要とあるならば、さらなるその措置の継続というものも真剣に考慮する必要が出てくるだろうというふうに思います。

○下地委員 米田副大臣、安全保障に関して見識が深いわけでありますから、今度、あと二十四時間以内と言われておりますけれども、どうなるかわかりませんけれども、このことは沖縄の観光にも大きな影響を及ぼすというふうなことでありますから、これを一年延長した趣旨以上の厳しい状況が沖縄にも来るのではないかという心配を私はするわけであります。逆に言えば、もっと深掘りしてやらざるを得ないような時期が来るかもしれない、それが早い時期に来るかもしれないということもつけ加えさせていただきたいなと思っております。
 それでもう一つ、大村政務官に、オニヒトデの対策で沖縄に行かれて、船は出なかったようでありますけれども、オニヒトデを初めて見てきたらしいんですけれども、沖縄はサンゴ礁が大事でありますから、サンゴ礁を守らなければいけない。しかし、笑い事じゃなくて、オニヒトデ、厳しいんですよ、今。相当に食いつぶしていますよ。潜ってみたらわかりますけれども、そういう意味でも、今沖縄のサンゴ礁というのは厳しい状態にあるので、この対策だけはしっかりとおやりをいただくことが非常に大事かなというふうに思っておりますので、内閣府としてどういうことをするのかということを、お願いしたいと思います。

○大村大臣政務官 お答えを申し上げます。
 下地委員言われますように、サンゴ礁というのは、まさに沖縄の青い海を象徴する財産だと思っております。豊かな自然環境の基盤をなすということだと思っております。
 先般、私も沖縄に出張した際に、船は一応出たのでありますけれども、残念ながら、海が荒れてそこの駆除現場までは行けなかったということでありますが、実際、オニヒトデ、実物を拝見し、そして処理方法等いろいろなことを現地のダイビング協会の皆さんにお聞きしてまいりました。特にことしは異常発生ということも伝えられておりますので、その対策には万全を期していきたいというふうに思っております。
 また、内閣府では、この平成十四年度に、沖縄特別振興対策調整費ということで、昨年の秋からこの駆除事業をやっておりまして、またさらに、この三月でありますけれども、年度末に、八重山地域でもこの駆除事業を追加してやっていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、実際にオニヒトデをとる、そして処分するということ、そういったことに対して総合的な対策が必要だと思っておりますので、私ども内閣府、そしてまた環境省、それからまた沖縄県、また各省全体で、私どもの方からお呼びかけをして、総合的な対策を組んで、また下地委員の御指導をいただきながら、しっかり頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○下地委員 オニヒトデをとる。それで、陸に揚げるとにおいが出る。しかし、すぐ焼却炉へやると、水分が八〇%だから焼却炉がだめになってしまう。だから、乾かしてから焼却炉で焼かなきゃいけない。これはなかなかの難物なんですね。これはもう処理になかなか困っているので、ぜひ、今言ったように、各省庁にお願いをしながら、研究開発もしながら、オニヒトデの問題はしっかりと取り組んでいただきたいなと思っております。
 海が荒れて行けなかったということでありますけれども、これは、行いが悪いからそうなっている、沖縄に対する愛情も少ないからこうなっている。よく考えてやってもらいたいなと思います。
 新藤外務政務官いらっしゃっていますけれども、この前も外務大臣にも御質問させていただきましたけれども、一九九六年の四月の十二日に橋本・モンデール会談で普天間基地の返還の問題が合意をされた。そして、五年から七年で返還をしますという約束をしましたけれども、この四月十二日が来ましたら七年目を迎える。しかし、返還は今はできない。返還のスケジュールはどうなのかといったら、そのアセスをとるのに四年かかるでしょう、それから一年かかるでしょう、工事をするのに十五年くらいかかるでしょう、また普天間基地の土地改良だとか環境問題をやるのに三年から五年かかるでしょうと。私が試算すると、あと二十三年後。返還をしますと国が約束してから三十年後に結論がなるというふうに思うんですよ。
 そのことはもう現実的になっているからいたし方ないとして、私は、一つだけその当時の話を聞きたいんだけれども。
 あの四百七十ヘクタールの移設を七年から五年で完成をしますと合意をした内容、返還をしますということは移設をやるということだけれども、あの移設の内容は、どんなやり方をすれば五年から七年でその移設ができるというもくろみでそういうふうな発言を、七年から五年をしたのか。
 海を埋め立ててつくるから七年から五年と言ったのか、どこかの陸上に滑走路をつくって物をつくるから七年から五年と言ったのか、嘉手納の中につくるから、滑走路をつくらなくてもいいから七年から五年と言ったのか、どんな方法をイメージしながらこの年月というのを国は決めたのかということをお話しいただきたいと思っているんです。

○新藤大臣政務官 この沖縄の基地問題、これは下地委員がライフワークとして取り組まれていることです。一方でまた、我が国政府として、この今日の繁栄は第二次世界大戦の貴重な犠牲の上に成り立っている、そして、その中で沖縄の痛みというものを政府として大きく取り上げていかなければいけない、一日も早く解消しなくてはいけない、こういう思いのもとでございます。
 そういう中で、今のお尋ねでございますが、私も、前のことでございますから、当時の記者会見の資料を見てお答えをさせていただきたいと思います。
 あのとき、平成八年の四月十二日、橋本総理とモンデール駐日米国大使、いずれも当時でございますが、会談を行いまして、その中で、もろもろの合意の中で、五年から七年で普天間飛行場の全面返還をすると合意をしたということなんでございます。
 ただ、この合意につきましては、モンデール大使は、五年ないし七年以内に返還することに同意いたしました、今からこの実現に向けての努力が開始されます、このように大使はおっしゃったんです。それから、橋本総理は、五年から七年にと達成した合意は、これからそれを実現する責任が私たち日本政府の上に課せられたということだ、そして、五年から七年という期間は、期間内に完了することができるか、あるいはもっと早めることができるかは、これからの我々自身の作業にかかっていますと。総理に就任した直後の沖縄の皆さんとの、ぜひ普天間の少なくとも将来の目標だけは示してほしい、この約束におこたえをしたい、こういう思いであるというふうに申し上げているんです。
 そして最後に、具体的に、それでは五年から七年という期限はどういう視点で出てきたんですか、こういう質問に対して、これはいろいろなプロセスがありますね、基地を移転するためにはどこかの基地、もしくは沖縄の別の基地の中につくるとか、いろいろなことがあります、適地をまず探すんですと。それから、その地域の環境アセスメントを行うんだ、そして工事をやるんだと。こういうプロセスを短ければこの五年以内にできるかもしれない、しかし、それには跡地利用の計画を県と国で一緒につくっていかなくちゃならない、地元の協力が大前提だと。こういうもとで始まったわけなんです。
 そして、もう御不満だとは思いますが、しかし、適地は、いろいろなことを経て、平成十一年に辺野古につくるということで、これは知事が表明をし、市長も受け入れをした。そして、十四年、昨年の七月に、その間の二年間、九回の協議を重ねた上で、代替施設協議会が基本計画をつくった。これは決まっているわけですね。そして今度は、それを受けて今アセスメントがもう始まっているということでございます。
 五年から七年は不幸にして守られなかった、しかし、着実にこれは、できる限りの努力を続けているということは御理解をいただきたい、このように思います。

○下地委員 記者会見のメモなんか、おれも全部読んでいるからわかりますよ、これは。僕が言っているのは、七年から五年という意味は、どこに入れて何をつくるということをイメージして七年から五年と言ったのかと言っている。基地内基地とおっしゃるなら、どこの基地に入れようと思ってそういうことを言ったのか、そこを言っているんですよ、僕は。

○新藤大臣政務官 これはもう繰り返しにならざるを得ないわけです。大使も総理も、これからの努力だ、そして、それはいろいろな過程がありますねと。しかも、その作業のプロセスをできるだけ短くしましょう、こういうことしか記録には残っていないわけでございます。

○下地委員 このことは、人が何かをやろうとするといって日付を言うということは、必ず根拠がなければそんなことを言えないんです、海だったら二十年ぐらいかかりますねと。新しい滑走路をつくるんだったら、橋本・モンデール会談は五年とか七年という表現をしないんですよ。だから、その発言をする裏には必ずデータがあって、根拠があって、今から探しますなんということを言うんじゃなくて、あるはずなんです。それを、何があるのかということを言ってくれと僕は言っているだけの話であって。
 それで、今までのものはどんどん変わっているんだから、今のものが、橋本・モンデール会談のものが積み上げでここまで来ているということは、前から違うと僕は言っている。そのことをお話しをして、もう時間がなくなりましたから、後でやります。
 ありがとうございました。

○平林委員長 次に、白保台一君。

○白保委員 イラク情勢が大変厳しい状況の中でありますが、今審議をされております本法案は、県民生活にとっても極めて重要でございますし、県の経済におきましても非常に重要な法案でございますから、さまざまな、あしたあたりちょっと厳しいかな、こんなようなこともありますが、それはともかくとして、早期に成立を、日切れでありますからしていかなきゃならない、こういうふうに思います。
 さて、新大学院大学についてお伺いしたいと思いますが、先般、その建設予定地をどうするかということで会議が開かれたようであります。先ほども申し上げましたように、イラク情勢が大変厳しい、そういった中で、沖縄は米軍基地を抱えている、非常に不安な要因がいっぱいあるという中で、新大学院大学というのは大きな意味があるな、こういうふうに思います。
 やはり、国際社会の中にあって研究機関を設ける、しかも国際交流の場になり得る、一方で基地があるけれども、一方では学問という、探求という平和的なものが行われる、大変大きな意味を持つものだ、こういうふうに考えます。同時に、新しい振興法の中では、国際交流の基幹であるし、また学術交流の場であるということも位置づけておるわけでございますから、そういう意味では大きな意味があるな、こういうふうに高く私は評価をいたしております。
 そこで、建設予定地の選考の問題はともかくとして、この大学院大学のキャンパスそのものをどういうような形のキャンパスにしようと考えられておるのか、その件についてまずお伺いをしたいと思います。

○細田国務大臣 沖縄の大学院大学につきましては、ただいま白保委員からお話がございましたように、世界第一級の大学院大学にしようと。いわゆる四年制大学ではなくて、そこを卒業した後、修士課程、博士課程、研究課程ですね、世界一流の学者を集め、また少壮の学生を集めて、しかも、学生も国際的に募集をする、教授も募集をする、学長も外国からという、これは外国に限りませんけれども、第一級の方にお願いするということで、今のところの規模としては、教員二百人、技術スタッフ及び職員三百人、学生五百人という、千人規模のものを考えております。したがって、通常の大学、何千人も何万人もいるような大学は国内にたくさんございますけれども、そういうものではございません。
 しかし、ゆったりとした研究スペースがあって、そして、さまざまなユーティリティー施設等もある、研究環境のいい施設をつくりたいということで、今三カ所候補が挙がっておりますので、間もなく一カ所に絞らなければなりませんけれども、それぞれ地形とか態様が違いますので、そのどこに決まるかによって多少違うと思いますけれども、非常に広いキャンパスの中に、研究所あるいは学生が勉強する場所を自然の中に融合できるような、そういうことを考えたいと思っております。
 ただ、もちろん、そういう国際的な大学院大学をつくるためには、環境の社会資本整備もしなければなりません。道路とか空港へのアクセスの問題もあるし、空港自体もよくしなきゃいけません。アジアの各国とも近いというメリットもございますので、やはり国際的な拠点になり得るようなさまざまな改善をしていかなければならない、こういうふうに考えております。

○白保委員 そういうキャンパスの大体の構想の中から考えていったら、どれぐらいの予算を必要といたしますか。

○武田政府参考人 この大学院大学の具体的な構想でございますけれども、現時点で一応のアウトラインということで想定をいたしておりますのは、資金規模で、建設費八百億、運営費二百億というものを念頭には置いております。
 ただ、何分この構想につきましては、今後、フリードマンMIT教授をヘッドにいたします評議会というものが今度発足をいたしますので、そのリーダーシップのもとでさらに具体化に向けた議論が行われるというふうになろうと思います。そういった評議会の議論も踏まえまして、具体的な基本計画を策定していく中で、そういった経費の見積もり等についても具体化していくというふうに考えておるところでございます。

○白保委員 先ほどの予算額については大体これまでも出てきたようなことですが、キャンパスの構想そのものによってはまた大きく変わり得るだろうと。私は大学をつくったことはありませんからよくわかりませんが、大学というのは非常に金のかかるものですから、県立芸大をかつてやったことがありますけれども、次から次から研究機関というものは金がかかるものですから、予算についてもしっかりと押さえておかなきゃならないな、私はこういうふうに思います。
 さて、冒頭に申し上げましたように、イラクの問題が非常に厳しい情勢になってきています。これから勘定すると、四十八時間の中でもう二十時間を切ったかなというふうな感じを持っております。
 そういう中で、先般、私ども地元紙でアンケートがありましたが、九〇%以上の県民は戦争に反対ということが明確にアンケート調査の中で出てきております。そういう意味では、大きな米軍基地を抱えて、非常な不安、これは、九・一一のテロ以来、大きな打撃を受けたという経験もありますし、また基地周辺の状況というものを見てきた県民にとってみれば当然の回答だろうな、こういうふうに私自身も思いますし、私も反対です。
 そういう面で、若干外務省の方にお聞きしたいと思いますが、開戦という形になったときに、在日米軍基地の果たす役割というのはどういうものなんですか。

○海老原政府参考人 お答え申し上げます。
 今、もし米国が武力行使を行うという場合の在日米軍の役割というお尋ねがありましたけれども、これはまさに、もし武力行使を行った場合の軍事態勢ということだと思いますので、その問題については、我々は承知をいたしておりません。

○白保委員 まじめに、これがまじめだというふうにおっしゃるのかもしれませんけれども、冒頭に申し上げましたように、九・一一のテロで、米軍基地周辺を警備したり、さまざまなことがありました。また、その一方で、修学旅行のキャンセルが相次ぎ、観光客が物すごく落ち込んだ。やっとここで盛り返してきている、こういう状況の中で、私は、今、在日米軍基地ということを大きく聞きました。しかし、その次に聞こうと思ったのは、それでは在沖米軍基地はどうなんですかということも聞こうと思いましたけれども、全く関係ない、こういうふうにおっしゃるわけですか。

○海老原政府参考人 私が申し上げたかったことは、もちろん、在日米軍基地、それから、当然のことながら、沖縄におきます米軍の基地、そして米軍そのものが日米安保条約に基づいて行動しなければならないということは当然でございますけれども、その範囲内におきまして個々の軍の運用がどのように行われるかということにつきましては、これは我々は承知する立場にないということになっておりまして、特にイラクに対する武力行使ということにつきましては、まだこれからあるかどうかもわからないという面もございますし、当然非常に機微な問題でございますので、我々は、米軍の軍事態勢あるいは運用、その関連で沖縄の施設・区域というものあるいは米軍というものがどういうふうにかかわるのかということについては承知しておりませんということを申し上げた次第でございます。

○白保委員 突然大臣にお伺いしたいと思いますが、振興特別措置法をつくりまして、自立、そういった方向で、政府も、また県も、全力で取り組んで今頑張っているところです。
 そういった中で、一生懸命システムをつくって、制度をつくって頑張っても、突発的な問題で全部水の泡にしてしまうような状況になりかねない、そういう心配もありますし、既にもう四校、修学旅行のキャンセルが出ている。せっかく昨年の大臣就任直後に、私ども県本部として、イラク情勢のいかんによっては、それによっては沖縄経済に与える影響というものは物すごい大きい、したがって、それに対するセーフティーネットをしっかりと持っておかなければいけないということで昨年の十一月に申し入れを行いました。そして、早速政府の方においては、これは十二月でしょうかに対応策を考えていただいて、今、修学旅行に対してもいろいろなことを手を打っていただいていることは確かです。
 しかし、安全であるという、あるいは安心であるという、不安はないですよという、そういったメッセージが政府から発せられなかったならば、どうなるかわかりませんというような状況であるならば、せっかく進めている施策というものも、これは余り効果が出てこない。こういうことがあるものですから、安心、あるいは不安はないよというメッセージを政府がどう発信するか。
 きょうの昼間のニュースで見ていますと、官房長官も、さまざまな対応策ということを考えていると会見の中で言っておられます。ですから、そういう面では、セーフティーネットと同時に、不安のない、心配のないというメッセージを発信しなきゃいけないんじゃないか、こう思います。担当大臣としてどのようにお考えでしょうか。

○細田国務大臣 これからの展開いかんによると思いますけれども、いわゆるテロのおそれについてどう考えるかということが基本だと思います。それは、沖縄に限らず、日本全体についても、アメリカの方針を支持しておりますから、これがどうかということであると思います。したがいまして、今後の動向を注視しまして、絶対にテロは発生させないというのが政府としての基本方針でございます。
 ありとあらゆる知恵と努力、政府関係の、警察も、あるいは自衛隊も動員しての対策を講じていることになっておりますので、その一環といたしまして、特に、単なる風評によって観光客が減るとか修学旅行をキャンセルするとかいうことは避けなければならない。既に県の方で随分、旅行代理業の方やあるいは四十六都道府県そして政令指定都市に要請を出しておられますが、政府としてもできるだけ早期に対応してまいりたいと思っております。

○白保委員 前回は、修学旅行のキャンセルが相次いだのは、文科省のちょっとした通達が曲解されたという部分もあったことがありますし、文科省も含めて対応をお願いしたいと思います。
 最後の質問になろうかと思いますが、第三回の太平洋島嶼国サミット、これについて伺いたいと思います。
 先般、三月六日、七日でしたでしょうか、関係諸国のシェルパ準備会合が行われたように聞いております。その際は、県の方からも、あるいはNGOの皆さん方も参加をされて会議を開かれた、そういうふうに伺っておりますが、その概要についてまずお答えをいただきたいと思います。

○薮中政府参考人 お答え申し上げます。
 本年の五月十六、十七日に行われます第三回の島サミットでございます。これは、十六カ国・地域の首脳が日本においでになる、そして沖縄においでになるということでございまして、先般の準備会合におきましても、その議題、その中での主要課題についての取り組み方、これは環境問題等々いろいろと今やっておりますけれども、そしてまた、実際に沖縄で行われる重要な会議でございまして、サミットでございまして、沖縄、地元との交流計画その他についてさまざまな工夫を現在行っている、そういう状況でございます。

○白保委員 安全保障、それとか環境問題、そういったものが大体中心テーマになるかな、こういうふうに伺っております。
 そこで、日本がこうやって主催国になって第三回目を迎えるわけですが、太平洋島嶼国に果たす日本の役割というのは何ですか。

○薮中政府参考人 まさにこの太平洋地域、日本にとっては大変重要な地域でございます。このアジア大洋州という全体の地域を考えて、日本の安全保障あるいは日本の平和と安定、この地域の平和と安定ということでいえば、この地域との協力関係というのは非常に重要だということだと思います。
 したがって、まさにこの十六カ国の地域の首脳が日本においでになるというのは、そうした日本とこの地域との協力関係、これは今委員御指摘のとおり、安全保障もあれば、そしてまた経済協力もあれば、環境問題もございます、それについて日本として主体的にこれらの地域と協力をしていこう。その中にはいろいろなことがございます、ODAのこともございますけれども、その地域、ともに繁栄するための道を探っていきたい、そういうことで考えております。

○白保委員 時間がありませんからお伺いしますけれども、前回のG8サミット、これは非常に大きな行事でありました。そして、各県民が非常に歓迎ムードで、非常にいいサミットがあったんですが、今回は、県民の方としては、沖縄県民というものは非常に人々を歓迎する県民性を持っておりますから、歓迎したいと思っているんだけれども、何がどこでどういうふうに行われるのかということがよくわからぬ。同時にまた、日程も非常に短過ぎる。交流したい、歓迎をしたい、また今後の観光の振興だとかあるいは交流だとか、しかも振興法にも交流という問題が規定されていますから、こういったことをやりたいと思っていながらも、東京に皆さん集まって、それから沖縄へ行って一泊ぐらいされて帰っていかれる。どこでどうすればいいんでしょうかとみんな困っています。
 この日程等も含めて、交流の問題等も含めて、少し工夫が必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○薮中政府参考人 首脳会談でございまして、まさに二日間という全体の日程は決まっておりますけれども、その中で、地元沖縄の皆様との交流、これについては大いに工夫をしていく必要があるというふうに思っております。
 現在でも、沖縄県それから会場の所在します名護市等の協力を得まして、歓迎行事、沖縄伝統文化の紹介、県内の史跡の紹介、あるいは沖縄の環境問題への取り組みについてのお互いの交流といったことについては、現在地元と御相談しながら進めておりますけれども、さらに、今委員御指摘のとおり、より工夫をして充実した交流ができるように努めてまいりたいというふうに思っております。

○白保委員 最後に、大臣、この太平洋・島サミット、大臣にも大変御努力をいただきました。先ほども申し上げましたように、今後、引き続き交流やそういったものが続けていけるような、そしてまた観光振興等も含めてやっていけるような方向でいくべきだ、こう思いますが、大臣の御決意を伺って終わりたいと思います。

○細田国務大臣 今までは東京や宮崎でやってきたわけでございますが、やはり沖縄で開催していただくということは、また意味が違うところがあると思うんですね。
 一行の人たちもたくさん見えますし、沖縄県としての観光開発とか産業開発とか、いろいろな工夫をしておられ、また御苦労もあるわけでございますけれども、そういったところを多くの島国の人たちに見ていただいて、また今後の協調、協力関係、友好関係のスタートにしていただけるような工夫をすべきではないかと思っております。私どもも努力させていただきます。

○白保委員 終わります。

○平林委員長 次に、金子善次郎君。

○金子(善)委員 保守新党の金子善次郎でございます。
 質問時間が十分でございますので、明快な短い答弁、よろしくお願いいたします。
 まず、今白保委員の方からも質疑の中でありました、一昨年のアメリカの同時多発テロで沖縄県の観光事業に大変な影響があったということが言われているわけでございますが、現在の雇用あるいは県民総生産におけるいわゆる観光関連の割合と申しますか、そういうものはどの程度の比重を占めているのか、それについてまずお聞かせ願いたいと思います。

○細田国務大臣 実は、おっしゃいます数値をはじき出すのはいろいろな前提を置かなければならないんですが、大胆に、平成十二年度の県民所得統計から出しまして、また、県外からの収入のどのぐらいになるのかということを申しますと、観光リゾート産業の収入の比重は約一七%と非常に高くなっております。実は、県外からの収入の中には財政収入とか防衛関係の収入も入っているようでございますから、そういったことを考えると、実際上の民間活動としては非常に大きいものがあるということが言えます。
 それから、県内生産額に対する生産波及効果でございますけれども、これは、平成十二年の旅行観光消費額から沖縄県が推計しておるものでございますが、約一四%の生産波及効果があるというふうに言われております。
 また、県内就業者数の約一五%の雇用波及効果、八万一千人と言っておりますが、それだけの効果があるという計算値がございます。

○金子(善)委員 今大臣の方からお話がありましたように、この程度で甘んじてはならない、恐らくこれからも沖縄の観光事業の振興というものは日本の国にとっても大切な分野ではないかというふうに思います。
 そこで、昨年より航空燃料税が引き下げられておりまして、これをまた延長していこうというようなことでございますけれども、聞くところによりますと、どうも航空運賃は下がっていないのではないかというようなことも言われているわけでございます。航空運賃の自由化が進んでいる中で、政府として余り強いことは言えないという点はあろうかと思いますが、せっかく航空燃料税を引き下げている、その効果が実際に航空運賃の中に反映されていないということであれば意味がないわけでございまして、その点、どう対応していかれるのか。
 また、航空燃料税が下げられているということを恐らく一般の国民はほとんど知らない、利用者は知らないというような状況になっているのではないかと思います。政府としても何らかのPRが必要なのではないかというふうに思いますが、大臣の所見をお聞かせ願いたいと思います。

○細田国務大臣 昨年四月から実施されました羽田―沖縄離島三路線にかかわります航空機燃料税の軽減分につきましては、委員御指摘のように、航空運賃に反映させなければならないではないかということで、国土交通省を通じまして航空会社に対して協力要請を行ったわけでございまして、航空会社においては自主的にこの措置による費用軽減分を運賃に適切に反映する措置をしていただきまして、平成十四年四月一日から、路線によっては異なりますが、大体千百円から千三百円引き下げていただいたわけでございます。
 ただ、別途、羽田―那覇便あるいは関空―那覇便というふうに大量の大手による航空便もございまして、日本じゅう激しい競争が行われるという状況もございますので、すべてがそれらに比べてそれだけ有利になっているかどうかという点はございますが、中小の企業にとって非常にありがたい引き下げであるということで、現実に、先ほど申しましたような引き下げを実現したところでございます。

○金子(善)委員 より利用者に対するPRについても心がけていただきたいと要望をいたしておきます。
 次に、イラク関連につきまして、外務省の方にお伺いしたいと思います。
 報道等によりますと、ブッシュ大統領の最後通告というのは二つの点があったわけであります。一つは武装の解除、それとフセイン大統領の四十八時間以内の亡命と申しますか、そういうようなことで、報道等によりますと、まだ時間がある、この中で戦争回避のためのいろいろな努力がなされているというようなことも報道されているわけでございますが、日本政府として何らかのかかわり合いをそうした動きの中で持っておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。

○新藤大臣政務官 同郷の金子議員の質問にお答えをさせていただきます。
 御案内のように、お話しのようでございまして、最後通告がなされたということでございます。そして、この重大な決断はまことに苦渋に満ちたものである、こういうふうに総理は理解をし、しかしこの決断を支持する、こういう状態になっているわけでございます。
 そして、この平和解決の道は、きのうの総理のインタビューの中でも明確に申し上げておりますが、極めて限られておりますけれども、残されている。そしてそれは、イラク政府、フセイン大統領の決断いかんにかかっているということでございまして、もうこの一点に絞られるわけですよ。とにかく、国際社会がかたずをのんで見守る中で、フセインとイラク政府が決断しなくてはいけないことが最後の残された手段である、こういうことでございます。
 そして一方で、私どもとしては、とにかく必要な対応を直ちに求めることが重要だということで、きのう外務大臣から直接、在京のイラク大使館の臨時代理大使、シャーキル臨時大使を呼びまして、このことを強く申し入れを行ったというところでございます。

○金子(善)委員 その点については了解いたしました。
 そこで、今、日本のこれまでの外交が、国連中心主義、これが基本である、そうした中で日米同盟が中心になっていくというようなことで、ブッシュ大統領の最後通告から、いろいろな報道でいろいろなことが言われているわけでございますが、やはり私は、必ずしもこの一件だけで国連中心主義が挫折をしたというようなことではないというふうにも考えているわけでございます。ただ、国連のあり方というものについては、日本政府としてもこれからよく考えていかなければならないのではないかというふうにも思います。
 そうした中で、この時点で直ちに外交姿勢の基本中の基本についてお伺いするのもあれでございますが、今の状況を踏まえて、感想を聞かせていただければと思います。

○新藤大臣政務官 これは、まさに我が国がとっておりましたのは、国際協調の中で平和的に問題を解決するんだ、そしてそれは、イラクの大量破壊兵器の廃棄と、そして国際社会に対する脅威をいかに削除するか、このことにかかってきたわけでございます。そういう意味で、最後の安保理決議案の採決が見送られたということはまことに残念だ、この一言に尽きます。
 しかし一方で、十二年にわたるイラクの大量破壊兵器の存在が露呈をして、これを、査察を行って平和裏に解決しようと。これを受けて、しかも、最後の最後までこれだけの努力が続けられたのは、ひとえに国連の活動の中で行われてきたことであって、いろいろな国が、査察を延長しろと言う国もありましたし、いや、もう待てないということもありましたが、しかしそれは、国連の中でもって議論がなされてきたことだ。
 ですから、最後の最後で今回採決ができなかったことは非常に残念だと思いますが、一方で、ブッシュ大統領もやはり、アメリカは平和的解決を求めて国連と協力をしてきた。しかし、一部安保理常任理事国が拒否権行使を公にして、安保理はその責任を果たしていない。こういう状況の中で、あえて採決をせずに、その前の、新決議ではなくて、九〇年から始まるイラクの武装解除に係る六七八、六八七、そして昨年十一月の一四四一の決議にのっとってやる。これは国連の協調行動なんです。これを選択したというところに最後の国連の意義というものが残っているし、これは我々は評価しなくてはいけない。我が国は、国連の中にアメリカと各国を引き込んで、そして何とか外交的な努力によって解決したいということをやってきた。これは国連協調のあかしであるというふうに思っております。
 一方で、この中で、やはり安保理の問題というのも露呈されました。これは、一九九〇年から我が国は安保理改革をしようじゃないかということで強く訴えてきたところでございまして、やはりこういうことも踏まえて、今後さらに強力に、いろいろな問題解決のための安保理改革に我が国も発言をしていかなくてはいけない、こういうことだと思っております。

○金子(善)委員 警備につきまして警察の方にも質問通告させていただいていたのですけれども、申しわけございません、時間が終了いたしましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○平林委員長 次回は、明二十日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十分散会