再生資源の利用促進に関する法律の一部改正法律案(質疑)衆議院商工委員会-12号 2000年4月19日

再生資源の利用促進に関する法律の一部改正法律案

147-衆-商工委員会-12号 2000年04月19日

○新藤委員 おはようございます。自由民主党の新藤義孝でございます。与えられた時間が十分でございますので、非常に難しい質問でございますが、ポイントだけ御質問させていただきたいというふうに存じます。
 私どもは、自由民主党の立場として、政府とともにこの独占禁止法の改正についてさまざまな作業をやってまいりました。私も個人的な信念の中で行わせていただいたわけでございます。
 この総括で申し上げることは、とにかく日本の商業環境、そして産業構造、これを直さざるを得ない、そういう時代の背景を受けて、その代表たるものが規制緩和である。これは、委員の先生方皆さんが共通認識のことだと思っております。
 ただ、私どもは、この何年間かの規制緩和というものを見ておりながら、やはりそこにはある前提が必要だ。すべての規制を緩和してしまってなくなるということは、究極論は法律も要らない、何にも要らないということになりますから、規制緩和を行うについても、最低限の社会的な規制だとか、それから公正取引環境の整備、こういうものを前提とした規制緩和をやっていかなきゃならぬ、こういうふうに私は思っております。そして、そういう活動をやる大勢の仲間とともにこの作業にタッチさせていただいたわけでございます。
 この中で、今回は我々の考えが盛り込まれた法律の改正案になっております。そして、基本的にこれを進めさせていただきたいという賛成の立場でやっておるわけなのでございますが、あえてここで確認という意味で、また公取の方でどういうお考えを持っているかということのために質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 特に、私どもは、規制緩和が進み過ぎた結果として大変な問題が起きているものとして、ガソリンスタンド、それからいわゆる小売の町の酒屋さん、こういった皆さん方に今いろいろ不安が出ているということを確認しております。
 そういう中から出てきたものとして、今までは、公正取引委員会に申告をして、そして不正な取引が行われているかどうか、それから不当廉売だとか差別待遇、さらにはメーカーによる優越的地位の濫用、こういうものが行われていると個人的に思っていても、なかなかそれが仕事の面で立証できなかったり、業界として対応できない、こういううらみがございました。そのために、今回は、公取に申し入れをするだけではなくて、個人の立場で裁判所に訴える、差しとめ請求をするんだ、この導入をしたことが今回一番大きな成果ではないかな、我々はこういうふうに思っているのでございます。
 この場合に問題になってくるのは、差しとめ請求をするのですけれども、その場合に、不正の目的の提訴の場合は原告に担保を提供させる。これは当然、差しとめ請求制度を濫用され、悪用されては困るということで歯どめが必要だと思うのだけれども、この原告に担保を提供させるということが逆に差しとめ請求をしづらくなってしまう、こういううらみがあるのではないかな、そういう心配をしている者があるのだけれども、濫用防止の精神、原告に担保を提供させるということを導入した目的というか、その部分を確認をしていきたいと思うのです。

○根來政府特別補佐人 今回提出いたしました法案には、私人の差しとめ請求の制度を入れているわけでございますが、こういう制度は光と影の部分がございまして、光の部分は非常に結構だという評価を受けるわけでございますが、やはり影の部分として、濫用といいますか、特に商売の話でございますから、商売の目的のために濫用するということもあり得るわけでございます。
 そういうことをおもんぱかりまして、特に、これは被告の抗弁といいますか、被告の申し立てによりまして、かつその被告が疎明した場合に限りまして裁判所が担保の提供を求めるということになりますので、その光と影の部分がうまく調整できるのではないかというふうに思っております。

○新藤委員 もう少しわかりやすく確認させていただきたいと思うのです。要するに、言葉のとおり、不正の目的の提訴の場合は原告に担保を提供させる、だから、逆に言えば、不正の目的ではない正常な目的の提訴の場合は担保は必要ない、こういうふうに私は判断できるんだし、また、それをしていただかなければこの請求制度をつくった意味がないわけでございまして、これは大変な誤解を生じるおそれがあります。だから、当然これは正当な提訴なんだという場合には担保は必要ないんだよということをきちっとPRする必要があると思うのだけれども、どうですか。

○根來政府特別補佐人 おっしゃるとおりでございまして、正当な場合は何ら担保なしに請求ができる、こういうことでございます。法案が成立した場合に、私どもも、その点誤解のないように十分PRといいますか宣伝したい、こういうふうに思っております。

○新藤委員 ありがとうございました。そこが大切なところでございまして、これは要するに、一般の素人というか、個人的な請求、この制度を使おうと思っている人にはそこをきちんと言わないとだめなんで、法律にはそこまで書く必要はありませんから、やはり私は、ここではっきりさせていただきたいということでございます。
 それで、時間がありませんので、あと、大切なことは、独禁法を緩めてさらに取引を活性化させるわけですから、いろいろな市場を開放して、新しい方々が入ってくる。当然取引がふえる。ということは、またこれに対して、取引がふえたことによって、独禁法の適用を検討しなければいけない作業がふえてくると思うのですね。
 だから、その場合に、窓口を開放してどんどん市場を活性化しなさい、その結果、今度は独禁法に抵触するおそれのあるものが、ハードルが低くなったんだから、数がふえる。では、そのふえた案件を迅速に処理できなかったならば、結局またこれは意味がないということになる。ということは、この公正取引委員会の機能を強化する、それから体制を充実させる、このことが大変必要になってくるというふうに思うのです。
 そういうことについて、きょう公取の委員長おいででございますから、これは決意のほどと、それから、私どもとしては、こういうものを推進させるんだから、やはり体制を充実させるための人員だとかそういうものを我々も考えていかなきゃいけないのじゃないか、こういうふうに思っておりますが、公取側の立場として、この決意というか、また要望、こういったものがあれば聞いておきたいと思います。

○根來政府特別補佐人 まず、体制の強化でございますけれども、これは国会でも、また政府部内でも大変な応援をいただきまして、小さい政府を目指しているときに、やはり年々、私どもとしては少ないと思っておりますが、増員をいただき、体制の強化を図っていただいておるところでございます。
 それからもう一つは、私どもは、やはりこういう自由経済、自由競争の時代になりますと、今までの独禁法でとらえ切れない点がたくさんあると思うわけでございます。そういうことについては常々検討を怠らないという態度で、また国会等の御議論を踏まえまして、法律の改正等をお願いしているわけでございます。私が就任してからも、先ほども言っていたのですけれども、毎年この独禁法の改正をお願いしているわけでございますので、引き続きよろしくお願いしたいと思っております。
 それから、最近の風潮にかんがみまして、親切な行政と言うとまたおしかりを受けるかもわかりませんけれども、やはり国民にわかりやすい独禁法の執行ということが必要であろうかと思うわけでございます。そこで、民間の方々の御協力も得、また私どももいろいろ考え方等を公表しまして、できるだけわかりやすく、かみ砕いて、理解していただくような努力を積み重ねているわけでございますので、各般にわたり御指導をお願いしたい、こういうふうに思っております。

○新藤委員 ありがとうございました。
 とにかく、これはきっちり運用しないと、別に犯罪ではないんだ、犯罪行為ではないから取り締まれないんだ。ただ、要するに、日本の商環境というのは町のいわゆるコミュニティーの中で成り立っている部分がある。人間と人間のことなんだから。だから、これを壊してしまったら日本の地域コミュニティーも壊れるんだ、商業を保護するだけではないんだということから、これは厳正に執行してもらいたいというふうに思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。