11月29日、今国会初となる憲法審査会が開会されましたが、一部野党の出席を得られず誠に残念な状況となってしまいました。静かな環境で国民のための憲法論議を深めることを基本に、国会の諸会派の皆さんと活発な議論ができるよう心がけてまいります。(2018年11月29日)

 

46916778_976810402504181_4705419797012152320_n

 

11月29日、今国会初となる憲法審査会が開会されました。ところが一部野党の出席を得られず誠に残念な状況となってしまいました。

 審査会終了後には自民党本部において今回の開催についての記者会見を行いました。
会見冒頭で私はこうした状況は不本意であり真に残念に思うと述べ、これまで開催に努力いただいた与・野党関係者の方々に、自分の力不足をお詫びいたしました。
 
 すでに国会が開会され5週間が経過、様々な常任委員会や特別委員会が活発な活動を行なっている中、憲法審は幹事の辞任・補欠選任という審査会の立ち上げすら行われないという異常な事態に陥っておりました。
 
 私は与党の筆頭幹事候補となり、国会開会後約1ヶ月にわたり審査会の活動開始に向け野党側の筆頭幹事との協議を様々行い、円滑な開催に向け努力してまいりました。
 
 憲法審のモットーは「政局から離れ、静かな環境で国民のための憲法論議を深めていく。」ことです。
 
その方針の元となったのは、国会に憲法を論議する機関がなかった平成9年(21年前)、中山太郎先生を会長に設立した超党派の「憲法調査委員会設置推進議員連盟」であり、私は設立メンバーとして参加しておりました。
 
その運動が母体となって、3年後の平成12年1月20日、国会に憲法調査会が設置されたのです。私は平成12年7月に委員に就任し、平成13年2月からは幹事として活動いたしました。
しかしこの機関は調査するだけで、議案提出権を持たないものでした。
 
その後の平成17年9月、「日本国憲法に関する調査特別委員会」が設置され、憲法改正国民投票制度にかかる議案の審査及び、日本国憲法の広範かつ総合的な調査を行う機関として活動しました。
 
その中で平成19年4月、衆議院において憲法改正国民投票法案が可決、翌5月、参議院においても可決、成立します。
そして平成19年8月、衆参両院に現在の「憲法審査会」が設置されました。
 
ところが、設置されたものの審査会の委員の人数などを定める憲法審査会規程が制定されず、設置されても開会できない状態が続きます。
 
 衆議院では平成21年6月になって衆議院憲法審査会規程が議決、参議院では平成23年5月になって審査会規程が議決、同年の10月になってついに衆議院、参議院それぞれで憲法審査会委員及び会長、幹事が選任され、憲法審査会は4年3ヶ月の空白を経てようやく稼働したのです。
その後は様々なテーマについて活発な議論が行われました。
 
ところが、前通常国会からは再び審議が行われなくなり、182日間の国会で憲法審査会が開催されたのは、衆議院3回、参議院2回という状態になってしまい、本日に至っています。
このように昭和30年代の内閣の憲法調査会から始まる日本国憲法についての検討は、長く困難な状況の中で続けてこられたのです。
 
 
 
IMG_9469
 私は、憲法改正に関わった素晴らしい先達の方々の想いを受け止め、静かな環境で丁寧な議論を深め、そして最終的には国民の皆様にご判断いただく憲法改正原案を作り上げることが、私たち国会議員の役割であることを肝に銘じ、国会の諸会派の皆さんと活発な議論ができるよう心がげてまいりたいと存じます。