週刊新藤 第284号WEB版<総理特使となり、ボツワナ共和国・大統領就任式に参加!マシシ大統領 と積み上げてきた友情と連帯>です。ぜひご覧ください。

 

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週刊新藤 第284号WEB版を発行しています。

総理特使となり、ボツワナ共和国・大統領就任式に参加!
マシシ大統領と積み上げてきた友情と連帯

3月30日、深夜便でアフリカのボツワナ共和国に出張しました。かねてより親交のあったマシシ氏が大統領に就任され、4月1日に大統領就任式を行うにあたり、嬉しいことに私を指名して招待状が日本に届いたのです。

 日本政府は安倍総理の特使として、私を派遣することを決定し、総理からマシシ大統領宛の親書を託されました。マシシ氏とは2013年7月、私が総務大臣在任中、公共政策担当大臣として訪日された際に初めてお会いしています。翌2014年1月、総務大臣として私がボツワナ訪問をした際にもお会いし、さらに親交を深めました。

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 私は総務大臣当時、地デジの日本方式を世界展開させる方針を打ち出し、アフリカ、中南米、東南アジア、南アジアなど世界各国に働きかけを行っておりました。ボツワナとは度重なる交渉を行い、結果としてアフリカ大陸唯一の地デジ日本方式の採用国になってくれたのです。その際の交渉相手がマシシ氏でした。

この度、大統領に就任したマシシ氏と再会できることは、私にとっても大きな喜びであり、成田からドバイを経由し、南アフリカのヨハネスブルグでも飛行機を乗り継ぎ、首都ハボローネまで28時間35分という長旅に出かけてまいりました。

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▶大統領就任式に続いて会談◀

 4月1日、アフリカのボツワナ共和国のマシシ大統領就任式典が開催され、安倍総理の特使として私が日本国を代表して参列いたしました。午前8時の開始を前に、首都ハボローネは早朝よりまさかの豪雨となり、会場の国会議事堂前広場での式典は急遽議会内に変更されました。せっかくのお祝いが…と心配しましたが、雨の少ないボツワナではむしろ恵みの雨と喜ばれたようです。
 今回大統領に就任したマシシさんは、ボツワナ公共政策担当大臣として2013年7月に来日した際に総務大臣室で会談して以来意気投合し、私が進めていた地デジ日本方式の世界展開を受け、アフリカ大陸で唯一となる日本方式の採用に強力なリーダーシップ発揮してくれた方です。2014年1月の私のボツワナ訪問、2017年1月のマシシ副大統領来日時の面談と、わずか5年の間で4回の交流を重ね、その間に手紙のやり取りも続けてきた、互いに親愛と信頼を寄せる特別な友人です。就任演説の中では若者の雇用や教育、医療、ICTの活用など新しい国づくりの希望を高らかに唱い上げると共に、自分を含むこれまでの5代大統領の中で、母親存命中に就任した初の大統領であると宣言し、56歳の大統領への期待と共に会場から盛んな拍手が送られました。
 今回の両国間の外交対応は極めて異例かつ特別なものでした。ボツワナは近年の大統領就任式に海外から賓客を招待しておらず、今回もボツワナ側からは招待の予定は無いとの事務的返事が来ておりました。
 しかし私は一年ほど前より外務省に対し、もしマシシ大統領が誕生するなら日本は特別な対応をするべきと主張し、日本側は緻密な外交アプローチを行なっていたのです。その日本側の想いは式典直前になってマシシ大統領本人の耳に入り、ボツワナ政府は日本政府に対し「新藤義孝氏を招待する」という特使を指名した極めて異例な招待状を日本に送ってまいりました。
 国会中であり外務委員会・筆頭理事である私の海外渡航は、衆議院の議会運営委員会の同意がないと許可されません。ありがたいことに国会の手続きは極めて短期間に各党・各会派の理解を得ることが出来ました。私も四月初めの週末は入園式を始め沢山の大事な予定がありましたが、全てキャンセルしてマシシ大統領の想いを受け止めさせていただきました。結果として今回の大統領就任式での他国の特使参加は無かった様で、各国は現地の外交団が出席する中で、特使が参列したのは日本のみという外交的成果を挙げることが出来ました。
 マシシ大統領は、「新藤特使が就任式に出席する意向を示されていると知った時には、深く感動した。短時間の就任式への出席のために、決して近くはない日本からわざわざ訪ねてくれて本当に嬉しい。」と喜んでくれました。
 私からはマシシさんのこれまでの日本への貢献に改めて感謝し、「親愛なる友人が大統領に就任されたことを誇りに思い、心から祝福する。」と祝意を伝えました。

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▶主要閣僚との面談や日本人農業プロジェクトを現地視察◀

 4月1・2日、アフリカのボツワナ共和国訪問では、大統領との交流に加え様々な外交機会を持つことが出来ました。
 1日は大統領就任式典の機会を利用して、ケディキルウェ元副大統領やプソハボロネ族長会議議長、モイトイ外務大臣(4月4日付で地方自治地域開発大臣に閣内異動)、ケネウェンド外交・国防委員長(4月4日で投資・通商産業大臣として初入閣)、など政府要人との外交交流を行いました。
 また、マシシ現大統領と共に地デジやICTのもう一人の担当大臣であったモレフィ・インフラ住宅開発大臣(4月4日付で大統領府公共政策担当大臣に閣内異動)を日本大使公邸にお招きし、5年ぶりの会談を行いました。
 2日は帰国便が出るまでの間を利用して、朝は首都を離れ日本人が開発を始めた農場を視察し、ボツワナに日本式の新しい技術を使った農業を導入しようとするただ一人の日本人の方からお話しを伺いました。
 昼にはボツワナで活躍する4人の日本人の方にお集まりいただき、食事会を開催し現地事情を聞かせていただきました。石田・JICAボツワナ支所長からは地デジのアナログ停波に関する技術専門家派遣や、男女のソフトボールを指導する青年海外協力隊派遣に関すること。長江・JOGMEC所長からは、ボツワナに開設した人工衛星を活用した資源探査技術であるリモートセンシングの技術者研修の成果に関すること。内田・シャフトディープ代表(女性)はボツワナ唯一の観光案内事業を行っている方で、観光以外の様々な日本人向け関連事業に関する話を聞かせていただきました。
朝に視察した農場の経営者である河部・ミビ・カワベ・グリーニー代表からは、ボツワナで始めた農園開発に関する極めて興味深いお話をいただきました。
そもそもボツワナに在留する日本人は80人ほどで、企業や国の関係機関を除く純粋な民間人は今回来ていただいた2人ということで、皆さんから密度の濃いボツワナ人の特性など、仕事を進める上で貴重なお話を伺いました。
 今回の主張は短い滞在の中、極めて充実した日程をこなすことが出来ました。
マシシ大統領には、来年に横浜で開催予定のTICADⅦの参加を要請し、来日できれば是非再会しようと約束を交わしました。
 世界の国々との外交は複雑かつ専門・複合的であって、互いが国益をかけ総合的な戦略のもとで日々しのぎを削る冷徹な場です。一方で個人的な信頼と友情により個別の成功体験を積み重ねていくことが、国同士の良好な関係を産み出す原動力になることを、私はこれまでの経験の中で学んでまいりました。
 一人の力は微々たるものですが、信義の心を持って外交に携わってまいります。