4月1日、アフリカのボツワナ共和国のマシシ大統領就任式典が開催され、安倍総理の特使として私が日本国を代表して参列いたしました。
〇外務省HP《新藤衆議院議員(総理特使)のボツワナ訪問(結果)》
午前8時の開始を前に、首都ハボローネは早朝よりまさかの豪雨となり、会場の国会議事堂前広場での式典は急遽議会内に変更されました。
せっかくのお祝いが…と心配しましたが、雨の少ないボツワナではむしろ恵みの雨と喜ばれたようです。
今回大統領に就任したマシシさんは、ボツワナ公共政策担当大臣として2013年7月に来日した際に総務大臣室で会談して以来意気投合し、私が進めていた地デジ日本方式の世界展開を受け、アフリカ大陸で唯一となる日本方式の採用に強力なリーダーシップを発揮してくれた方です。
2014年1月の私のボツワナ訪問、2017年1月のマシシ副大統領来日時の面談と、わずか5年の間で4回の交流を重ね、その間に手紙のやり取りも続けてきた、互いに親愛と信頼を寄せる特別な友人です。
就任演説の中では若者の雇用や教育、医療、ICTの活用など新しい国づくりの希望を高らかに唱い上げると共に、自分を含むこれまでの5代大統領の中で、母親存命中に就任した初の大統領であると宣言し、56歳の大統領への期待と共に会場から盛んな拍手が送られました。
今回の両国間の外交対応は極めて異例かつ特別なものでした。ボツワナは近年の大統領就任式に海外から賓客を招待しておらず、今回もボツワナ側からは招待の予定は無いとの事務的返事が来ておりました。
しかし私は一年ほど前より外務省に対し、もしマシシ大統領が誕生するなら日本は特別な対応をするべきと主張し、日本側は緻密な外交アプローチを行なっていたのです。
その日本側の想いは式典直前になってマシシ大統領本人の耳に入り、ボツワナ政府は日本政府に対し「新藤義孝氏を招待する」という特使を指名した極めて異例な招待状を日本に送ってまいりました。
国会中であり外務委員会・筆頭理事である私の海外渡航は、衆議院の議会運営委員会の同意がないと許可されません。ありがたいことに国会の手続きは極めて短期間に各党・各会派の理解
を得ることが出来ました。私も四月初めの週末は入園式を始め沢山の大事な予定がありましたが、全てキャンセルしてマシシ大統領の想いを受け止めさせていただきました。
結果として今回の大統領就任式での他国の特使参加は無かった様で、各国は現地の外交団が出席する中で、特使が参列したのは日本のみという外交的成果を挙げることが出来ました。
さらに当日は超多忙の大統領との個別会談を行いましたが、事前には日程をセットする余裕が無く、就任式後のレセプション会場内で私を見つけた大統領がその場で秘書官に指示して決まるという、現場対応だったのです。
マシシ大統領は、「新藤特使が就任式に出席する意向を示されていると知った時には、深く感動した。短時間の就任式への出席のために、決して近くはない日本からわざわざ訪ねてくれて本当に嬉しい。」と喜んでくれました。
私からはマシシさんのこれまでの日本への貢献に改めて感謝し、「親愛なる友人が大統領に就任されたことを誇りに思い、心から祝福する。」と祝意を伝えました。
そしてボツワナの明るい未来のために重責を担う政治家としての覚悟を讃え、体調に留意の上大活躍してほしいとの期待を込めて堅い抱擁を交わしました。
世界の国々との外交は複雑かつ専門・複合的であって、互いが国益をかけ総合的な戦略のもとで日々しのぎを削る冷徹な場です。一方で個人的な信頼と友情により個別の成功体験を積み重ねていくことが、国同士の良好な関係を産み出す原動力になることもあります。
ボツワナは決して大きな国ではありませんが、政治が安定し、テロや地域紛争などの脅威も小さく、ICT始め技術や科学的分野への関心が高い将来有望な国です。
マシシ新大統領ならではの新たな飛躍を祈りつつ、日本としても様々な貢献をしていきたいと考えています。