3月25日、自民党大会の後はこれまた桜が満開の学習院大学の講堂で行われた「アナトリア考古学研究所」によるトルコの古代遺跡調査報告会に行きました。
2014年7月、私は総務大臣としてトルコ出張した際に、アナトリア高原にあるカマン・カレホユック遺跡とビュクリュカレ遺跡に立ち寄り、長年にわたり調査活動を続けている考古学者の大村幸弘先生・松村公仁先生にご案内をいただきました。
ヨーロッパとアジアを結ぶ交通の要衝にあるこの地では、遺跡の下にその前の遺跡が重なって発見され、それが何千年にわたって積み重なっているということです。
カマン遺跡ではオスマン帝国時代から新石器時代までの文化層が堆積しており、現在はBC:4.000年前、メソポタミア文明より古い時代の遺跡の調査まで辿り着いたとのことです。
その下にもっと古い時代の遺跡があるとのことで、以前大村先生より伺った際にはBC:8.000年位まで遡れる可能性がある、と言われておりました。
もし一万年前の文明の跡が発見できれば、人類の歴史を変えることになる可能性があります。
こうした「人類の年表」を作る作業と言われる発掘調査を行っているのは、世界で大村先生のチームだけなのです。
これだけ価値ある発掘ですが、残念ながら一般に知られることは少なく、カマン遺跡・考古学博物館は、トルコ観光に訪れた日本人の八割が訪れるというカッパドキアに行く途中にありますが、これまで日本人が立ち寄ることはほとんどありませんでした。
私はこの素晴らしい遺跡調査をより多くの日本人に知ってもらうため、在トルコ日本大使館にPRを依頼したり、JTBなど旅行会社に対しツアールートに組み込んではどうか、と働きかけたたこともあります。
本日の報告会冒頭では、昨年6月よりより週に2〜3台の日本人観光客を乗せたツアーバスが訪ね、2千人を超える方が訪ねているとの報告がありました。
またアナトリア考古学研究所と博物館建設にご尽力されたのは故・三笠宮寬仁親王殿下であり、現在は彬子女王殿下が総裁を引き継がれ、本日の会にもお出ましいただき、お言葉を頂戴しました。
現代版インディ・ジョーンズのような大村先生は、奥様と共に考古学に一生を捧げたような方で、厳しい環境をものともしない、ほとばしる情熱と献身・お人柄に私は深く感銘を受けました。
人類の長い文化の歴史を紡いでいく壮大なロマンを少しでもお手伝い出来れば、と応援団の一人となりお付き合いを続けております。
この機会にカマンとビュクリュカレ遺跡について、お触れになられては如何でしょうか?