週刊新藤第258号 総務大臣に就任いたしました。〜「地域の元気」を「日本の元気」に!〜

最近の私の考えをまとめた「先送りのない日本へ〜私が領土・主権問題に取り組む理由」が昨年12月よりワニブックスより出版されています。全国の書店におかれておりますので、よろしければぜひお読みになってください。


◆ 安倍内閣の総務大臣を拝命

 私は年末12月26日に発足した安倍内閣において総務大臣を拝命いたしました。
決定するまで事前の連絡はなく、ごく一部の報道を除いて入閣予想記事に名前が挙げられていた訳でもありません。突然のことに皆さんもさぞかし驚かれたと思います。
この度の大臣就任は、38歳で国会に送っていただいてから16年、陰に陽に、良い時も苦しい時も変わらずに私をご支援いただいた本当に多くの皆様のおかげ様であり、心より感謝を申し上げます。
私の生まれ育った地元、川口市からの大臣誕生は56年ぶり二人目であり、厚生労働大臣を務められた小林英三参議院議員以来のことになります。
そもそも川口では地元出身の衆議院議員を輩出することが難しく、小選挙制度が導入され私が立候補したときが、自民党の候補者としては29年振りのことだったのです。
人口流動の激しい都市部の難しい選挙区で、五度の議席を得ることができ、閣僚をさせていただけるのは、まさに川口という町のおかげであると、重ねて感謝を申し上げます。


◆ 浮かれることなく、重責を果たす

 大臣就任の報道がTVで流れた直後から私と事務所の電話は鳴りやまず、お祝いと喜びと確認の電話で大騒ぎとなりました。
しかし自分自身としては、感謝の気持ちこそあれ、とても浮かれた気持ちにはなれず、大役をいただいた責任の重さに、まさに身も心も引き締まる想いを感じるのみでした。
私達自民党は、「日本を取り戻す」ことを合言葉に、長期低迷する景気を回復させ、この国を建てなおす、と皆さまに訴えました。
その実現に大きな期待をいただいて、安倍晋三政権が誕生したのです。
昔の自民党に戻ることはだれも期待していませんし、私自身が考えておりません。
もし、私達の選挙戦での訴えが単に言葉のみに終わってしまったら、国民は政治に対する期待と信頼を完全に失ってしまうことでしょう。
私達は確実に経済再生の成果を上げなければならないのです。しかも時間がありません。これまでの政治的不手際や混乱により、現状の経済はリーマンショック以来最悪の状態まで落ち込んでいます。
日本の国力は大きく減退し、わが国が崖っぷちにいることは間違いがありません。
こうした厳しい状況のなかで、国政を担う内閣の閣僚に就任したのです。私はその重みを十二分に受け止め、与えられた役務を全力で果たすと心に決めております。


◆ 初代大臣は、大久保利通翁

 私が大臣となった総務省は、省庁再編によって旧の自治省と郵政省、総務庁(かつての行政管理庁)が合併してできた巨大官庁です。
もとをたどれば内務省といい、初代大臣は明治の元勲、大久保利通翁となります。
私の大臣室には、「為政清明」と書かれた額があります。
「政治に参与するものは、自ら心も態度も清く明るくなければならない」という意味であり、明治11年 5月14日の朝、大久保利通翁が暗殺される直前に書かれたものと言われている書です。まさに我が意を得た言葉であり、私の職務指針にさせていただくことにしました。


◆ 総務省は内政の総括官庁

 我が国の内政を総括する総務省の仕事は多岐にわたり、県や市町村など全国の地方自治体を所管し、消防や防災事業なども所掌します。
TV局など放送事業や電話会社など通信事業も総務省の仕事です。
さらにICT成長戦略、映像などのコンテンツ産業分野に加え、公務員制度や定数管理、政策評価や行政相談、統計や恩給も所掌し、郵政民営化も私が担当いたします。


◆ 地域活性化など4大臣を兼務

 また、内閣府特命担当大臣として、地方分権改革・地域活性化・道州制担当大臣も拝命し、総務大臣と合わせて 4 つの大臣を兼務しております。
安倍総理からは「一緒に日本の歴史を作ろう」と激励を受けました。


◆ 目の回るような日程の中で・・・

 12月26日の午後、総理大臣官邸からかかってきた一本の電話で、私の時計は変わってしまいました。
大臣就任直後より公務が始まり、川口の自宅に帰ったのは 1 月 1 日元日の午後、朝の年賀状配達式と宮中の新年祝賀の儀に参加した後のことでした。
4 日には安倍総理の伊勢神宮参拝に同行しましたが、東京に戻ってからそのまま役所に行き、遅くまで補正予算の打ち合わせを行いました。
目が回るような忙しい日程の中ですが、自分なりの工夫をしながら必死で仕事を進めています。


◆ 「地域の元気」を「日本の元気」に!

 今、私達、安倍内閣が最初に取り組まなければならないのは、なんといっても経済再生です。
これまでと次元の違う景気対策を行うために、緊急かつ大型の補正予算を編成いたします。
その内訳は国の直轄事業を除けば、地方への補助事業であり、総務省は国庫補助金を除く地方自治体の負担分を国からの交付金で財政支援する役割を担います。
私は交付金の名称を、「地域の元気交付金」とすることにしました。
地域が集まって国家になるのであり、元気な地域をたくさん作って国全体の元気をつくろう、との思いを込めて名付けたのです。
補正予算とそれに続く25年度の当初予算を編成し、15か月予算として切れ目なく執行します。
被災地の復興を加速化し、被災地に寄り添う予算としつつ、地域の実体経済を刺激し、自立性を持った個性ある街づくりが全国で進むよう、総務省としてしっかり応援します。


◆ 日曜日の「街頭演説」について

 大臣に就任したことで、これまでの政治活動を変更せざるを得ないことがいくつかあります。
毎週日曜日の川口駅デッキ上での「街頭からの国政報告」は、公務により地元にほとんど居れないことと、警備の都合上から「不定期実施」とさせていただきます。
国会開会中はしばらく出来ないかもしれませんが、仲間である川口選出の県議・市議さんたちによる自民党演説会を検討しています。


◆ 「タウンミーティング゙」について

 毎月一回開催してきた川口駅前フレンディアでの「オープンタウンミーティング」は、同じく公務と警備の都合から「大臣在任中は休止」とさせていただきます。
真に残念なのですが、どうぞご理解をお願いいたします。


◆ 「週刊新藤」の発行について

 「政治は街から」を信条とする私の政治活動の原点である「週刊新藤」は今号で258回を重ねることができました。
大臣在任中は、これまでとペースと内容を変え「総務大臣の活動報告」として続けさせていただこうと考えています。


◆ 「与えられた役に、全力を尽くす」

 国務大臣といえども衆議院議員であり、公務に加え政治活動(政務)も可能ですが、かなりの制約があることを、どうかご理解賜りますようお願い申し上げます。
「君子はその位に素(もと)して行い、その外(ほか)を願わず。」
私が座右の銘にしている儒教の経書のうち「中庸」にある言葉です。
「人はどんな境遇においてもその場を受け止め、おごることなく不満を覚えず、与えられた役に全力を尽くすべきである。」という意味になります。
国政の重要な任にあたる今こそ、この言葉の発するところを心に留め、全力で精進してまいります。


新 藤 義 孝