週刊新藤第234号 竹島領土侵害、攻勢強める韓国!!~「日本が関与する問題ではない」とまで言われ~

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野田首相の韓国訪問以来、韓国による竹島の領土侵害活動が止まらなくなってしまいました。私のホームページで動画や資料を公開しておりますので、是非ご覧下さい。



◆ 首相の訪韓以降、竹島活動が再開

 10月31日発行の週刊新藤231号では野田首相の韓国訪問について
①引渡し期限前の朝鮮王朝儀軌を手土産に持参したにも関わらず、李明博大統領より感謝の言葉なし。
②竹島問題について何も主張せず、逆に韓国側から歴史問題の解決を要求される。
という、現政権による不手際と稚拙さを指摘しました。
 そして今後の日本外交への負の影響を懸念しましたが、真に口惜しく且つ残念ながら首相の訪韓以降、韓国は竹島について領土侵害の攻勢を強め、もはや歯止めがきかない状態になりつつあります。


◆ 8月以降閣僚、国会議員の上陸なし

 実は 8 月 1 日の私を含む日本国会議員 3 名への韓国入国拒否騒動があって以降、韓国側の竹島に対する動きは止まっていたのです。
● 8 月10日 竹島でのファッションショー開催
● 8 月12日 韓国国会・特別委員会の竹島開催
● 8 月14日 ハンナラ党代表による竹島訪問
● 8 月15日 韓国民主党代表による竹島訪問
● 9 月 3 日 竹島でのコンサート
 10月15日 開催
など、予定されていた竹島での行事は、全て天候不良を理由に中止されていました。
 ところが10月19日の首相訪韓以降、まるで堰をきったように韓国の活動が再開してしまったのです。


◆ 10月 新・管理事務所の設置許可

●10月27日 竹島の船着き場付近に観光客を収容できる「新たな管理事務所」の設置が、韓国文化財庁により許可されました。
 過去 3 回の審議では認められなかった計画が、野田首相の訪韓一週間後に韓国政府が許可を出し、設計が始まります。2013年より工事が始まり、2014年に完成予定とのことです。


◆ 10月 ファッションショーの開催

●10月28日 竹島でファッションショーが行われました。 8 月に中止されたものが、首相訪韓を待っていたかのように開催されたのです。
 主催したデザイナーのイ・ヨンヒ氏は「独島は三国時代から韓国の領土だったという事実を知らせるため、三国時代の衣装を再現した」と話しています。


◆ 11月コンサート開催と国会議員上陸

●11月11日 竹島で初めてとなるコンサートが開催されました。これも過去 2 回、9 月と10月に計画されその都度中止されていましたが、ついに開催されてしまったのです。
 主催者として韓国の国会議員 5 人が竹島に上陸しました。これは 8 月1 日以降、韓国の国会議員による初めての竹島上陸です。


◆ 「日本の申入れは対応する価値ない」!?

 コンサート開催と韓国国会議員の竹島上陸は、韓国国内でも事前に報道されませんでした。
 11月 7 日、主催する国会議員のホームページ記事から計画をつかんだ私が連絡するまで、外務省も知らなかった程で、韓国側がいかに神経を使っていたかが推測されます。
 私は 9 日、自民党・領土特命委員会を開催し、外務大臣に対しコンサート開催中止を韓国側へ申し入れするよう求める決議を決め、ハイレベルでの強い対応を要請しました。
 また、韓国に対しても自民党として直接抗議を行うことを決め、韓国大使館へコンサート中止を求める抗議文を渡しました。
 外務省は 3 度にわたり高いレベルでの抗議を行いましたが、コンサートは11日、500人の聴衆と共に計画どおり開催されたのです。
 さらに韓国内の報道を調べると、驚くべきことが解りました。
 外務省は我々に報告しませんでしたが、度重なる日本の抗議に対し、韓国・外交通商部は「日本の申し入れは対応する価値がない」という、これまで竹島問題の抗議に対する日韓間の応酬で聞いたことのないコメントを出し、日本側の抗議を一蹴しているのです。


◆ 5000トンの旅客船が接岸できる施設

●11月25日 韓国国会議員の竹島上陸の怒りが冷めやらぬ内、今度は竹島での新たな防波堤計画の基本設計が完了し、実施設計を行うための入札を締め切ったという報道が韓国内で出ました。
 竹島の新防波堤は長さ約400mで、水中展望台や竹島の東島と西島をつなぐ連結路等が建設されます。
 現在は300t以下の小型船しか接岸できませんが、完成後は5000t級の大型旅客船の接岸が可能になる計画です。予算は約4000億ウォン(約270億円)で2013年に着工、2015年に完成予定とされています。
 この計画については駐韓日本大使が韓国・外交部第 1 事務次官に面会し抗議、中止の申し入れをしました。


◆ 「日本が関与する問題ではない」!?

 外務省の報道用資料では、
[日本は抗議し、計画の中止を申し入れた。対する返答は「韓国側の竹島問題に関する立場の説明があり、その上で本件建設計画については、現時点で韓国政府においては何ら決定していない」(原文ママ)]
ということでした。
 ところが、私が韓国側の韓国語による報道記事を調べると、日本大使から抗議を受けた韓国外交通商部の第 1 次官は、まず「独島は歴史的、地理的、国際法的に私たちの領土で、日本政府の関与する問題ではない」と述べ、続いて観光施設設置の可否に関連して「最終的に決定したことはない」と言ったとなっています。
 つまり、日本国大使からの正式な抗議に対し、韓国政府は対応を検討するどころか全く相手にせず、文句を言われる筋合いのものではない、と門前払いをしているのです。
 ここまで日本が軽く扱われるようになってしまった原因は、10月の日韓首脳会談で李明博大統領から「韓日間の懸案はこれまで以上に、野田首相が誠意をもって積極的に臨むことを期待する」という発言に反論していない野田首相の外交対応にある、としか私には思えないのです。


◆ 主張せず、譲歩させられる日本政府

 日本政府は12月 6 日、首相が持参した朝鮮王朝儀軌 5 冊以外の朝鮮半島由来の図書1200冊を成田空港から仁川空港に空輸し韓国側に引き渡しました。
 しかし、韓国側は「儀軌を取り戻した」と報道し、前述の韓国第 1 外務次官は「日本が反省を言葉ではなく行動で示したものと評価できる」とコメントしています。
 その同じ 6 日、国会は韓国に対し最新の原子力技術・資機材を提供する日韓原子力協定を賛成多数で承認しました。私は自民党外交部会で反対の意見を述べましたが、残念ながら大きな声にはなりませんでした。
 我が国は自国の領土が一方的に蹂躙され侵害されているのに、その当事者から要求されたものを粛々と差し出すことを続けているのです。
 11月29日の参院外交防衛委員会では玄葉外務大臣が「竹島領土問題は重層的な日韓関係の中では局地的問題」との趣旨の答弁をしました。


◆ 一刻も早い国家の出直しを!!

 現政権の国家意識、領土や国家主権に対する認識の低さは眼を覆うばかりです。そもそも交渉しなくてはならない問題の存在も、知識すら持ち合わせていない閣僚が存在し、そのような人を平然と任命する指導者が選任されていることが、この国の不幸の元凶ではないでしょうか。
 このまま日本が瓦解して行くのを見過ごすわけにはいきません。自分の力は微々たるものですが、危機感持って必死に活動しております。



 新 藤 義 孝