週刊新藤第215号 第177通常国会の開幕によせて~自民党の覚悟と、党改革のきざし~

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この度、衆議院の決算・行政監視委員長に就任いたしました。与えられた職責の重さを受け止め、身を引き締めながら全力で職務に務めます。


◆ 覚悟を持って解散に追い込む

 1 月24日、第177通常国会が召集されました。自民党は今国会で政府・与党を徹底追求し、解散・総選挙を求めることを表明しています。
 私は召集日の朝に行われた党の全議員・選挙区支部長懇談会において次のような発言をしました。
 「これまでの自民党政権時代は、野党が予算や関連法案に反対しても成立が遅れるだけで、結局は成立させてきた。しかし今回は違う。経済、社会保障、外交・安全保障をはじめ、国政が方向を見失い、著しい国力の低下を招いている現状を立て直すため、民主党政権を一刻も早く倒さなければならない。解散・総選挙に追い込むということは、予算に反対し、予算関連法案を本当に成立させない、ということだ。
 これは国民生活に大きな影響を与えることになる。自民党は本当にそこまでの覚悟があるのか。それが、今問われている。」
 谷垣総裁は懇談会の締めくくり発言で次のように答えました。
 「ポイントは新藤さんの言ったことだ。我々は言葉だけの空鉄砲では済まない。自民党は国家のため絶対に解散に追い込む、という覚悟を持ってこの国会に臨もう。」
 谷垣総裁の気迫が伝わりました。予算は衆議院の優越規定により我々が反対しても成立しますが、予算関連法案は成立を阻止することが可能です。そうなると赤字国債が発行できず、予算の財源が確保できません。
 政府の予算を否定するのであれば、その対案を示す必要があります。子ども手当を支給しない代わりに、それに変わる子育て支援策を提示しなければなりません。責任政党として堂々と政権を奪還するため、覚悟と気概を持って政策立案と国会審議に臨んでまいります。


◆ J-NSCが谷垣総裁から感謝状

 通常国会召集日前日の 1 月23日、自民党の定期党大会が行われました。この日は私にとってとても嬉しいことが二つありました。
 一つは、自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)へ総裁感謝状が贈られたことです。
 J-NSCは私がネットメディア局長時代に立ち上げた党公認の組織で、自民党を応援したい方にボランティアで参加してもらうという、これまでの自民党にはなかった全く新しい試みです。昨年 6 月 9 日に設立され、現在まで約 8 ヶ月の間に、登録者は実に約 9 千人に達しました。
 インターネットにより普段は連絡を取り合いますが、谷垣総裁や麻生前総裁など党幹部と国会議員が各都市を訪れ、会員と交流集会を行うオフ会も実施しています。司会進行を私が務め、これまで札幌、大阪で開催し、 2 月には福岡で行います。
 私は設立時の代表であり、 9 月の党役員人事で報道局長に就任後は、J-NSC事務局長として関わりを続けています。
 ネット愛好者は自分をハンドルネームという愛称で名乗ります。谷垣総裁は「ガッキー」、大島副総裁は「リモリン」、私は「シンディ」と名前をつけていただいており、ネットの世界ではもしかしたら本名より有名かもしれません。
 昨年の参院選では、全国各地の会員が自主的に街頭でのビラ配り、ポスティング、自転車活動などに参加してくれ、あまり表面には出ておりませんが自民党勝利の大きな原動力になってくれたと確信しています。
 全国から抽選で招待されたJ-NSC会員の代表へ、党大会開会前に谷垣総裁より感謝状が贈られました。
 この場を借りて私からも、会員の皆様に改めて御礼申し上げます。

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◆ 埼玉版マニフェストに特別賞

 もう一つの嬉しいことは、埼玉県版ローカルマニフェストが党大会表彰を受けたことです。
 ローカルマニフェストとは47都道府県の自民党県連ごとに選挙公約をまとめたもので、我が国の政党史上初めての試みとなりました。
 これは昨年の参院選挙を準備するに当たり、私が党の政権構想会議で発案し作ることになったものです。
 提案者が見本を作れと言うことになり、私が会長を務める埼玉県連でまず作成し、その様式が全国統一スタイルとして採用されました。
 このローカルマニフェストの試みは結果として大成功でした。有権者の生活に身近な課題が多いため街頭演説等での冊子の受け取り具合は良く、非常に好評を博しました。参院選での自民党の躍進に、大いに貢献出来たのではと考えております。
 この度はローカルマニフェストのコンテストが行われ、優秀賞は徳島県連に、そして特別賞に我が埼玉県連が選ばれ、私は党大会壇上で表彰状を受けました。


◆ 自民党の変化のきざし

 J-NSCとローカルマニフェストという自民党の二つの新しい試みを主導できたことは、私の大いなる喜びです。加えて皆様には、自民党の変化のきざしを感じていただきたいのです。
 そもそも従来の自民党では、新しい組織の設立や全党を巻き込んだ試みが、私のような者に権限を与え短期間に実行されることなどあり得ませんでした。ましてや自民党総裁がガッキーなどと呼ばれ、気軽に直接ふれあいを持つこともまれだったと思います。
 民主党に政権交代を迫り、国家の運営責任を再び担おうとするならば、まず自民党が変わらなければなりません。それは掲げる政策の見直しと、党の体質転換によって成し遂げられると私は考えています。
 離れてしまった国民との距離を近づけ、国にとって本当に必要な政策を提案し実行出来る政党となるよう、さらに努力を続けます。


◆ 決算・行政監視委員長に就任

 この通常国会より、私は衆議院の決算・行政監視委員長に就任いたしました。この委員会は、過去の予算が適切に執行されたか、行政が効率的・効果的に行われているかを審議するための委員会です。
 現在、衆議院に17ある常任委員会のうち自民党が持つ委員長ポストは 2 つしかありません。そのうちの 1 つである決算・行政監視委員長が前任の大村秀章衆議院議員の辞任により空席となり、党から私に指名をいただいたものです。
 私は国対から委員長を打診された際、迷いました。国権の最高機関たる国会の役員となるのは大変名誉なことですが、反面、他の委員会で質問ができなくなるからです。
 しかし、これも政治家としての巡り合わせと受け止め、お受けいたしました。拝命した以上、全力で職責を果たしてまいります。
 国会召集日、私は昼の本会議で委員長に選任された後、モーニングに着替え、国会開会式においでになる天皇陛下のお出迎えをしました。
 国会の品位と良識を汚さぬよう心がけると共に、国家行政制度の改善と向上に向け精一杯努力します。



 新 藤 義 孝