第184号 自民党・総裁選挙と党再生提言~中堅・若手議員の動き~


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 9 月23日 午後一時 川口駅東口キュポラ広場にて
自民党・総裁選立候補者 3 名による街頭演説会を開催させていただきました。
連休最終日、1500名もの聴衆が集まっていただき、私が司会進行を努めました。


 歴史的大敗を喫した私たち自由民主党は、選挙結果を謙虚に受け入れ大いに反省しなければなりません。
 そしてこのような厳しい状況でも国政に議席を得られた者は、この苦境の中から這い上がり、党勢復活に向けた自民党の改革を断行しなければなりません。
 その第一の手始めが、自民党の総裁選挙と党再生会議です。


◆ 自民党・総裁選挙

 9 月28日に投票が行われ新総裁が選任されます。衆議院議員の西村康稔(やすとし)、河野太郎、谷垣禎一(さだかず)、の三氏が立候補し、候補者は全国12カ所を遊説しました。
 北関東ブロックでは唯一川口で街頭演説会が開かれ、1500人の聴衆が集まりました。
 この原稿は24日に書いておりますので、誰が新総裁に選任されたかは判明しておりません。しかし、どなたに決まっても、自民党の取るべき道は決まっています。
①党の体質転換を断行する。
 今回の総選挙で党の支持者からも拒否された自民党の古い体質、
・派閥の長老による密室談合政治。
・麻生総裁おろしに代表される党内抗争の繰り返し。
・天下りに厳しく対処できず、官僚依存の無駄遣い政策。
これらの自民党の悪癖を思い切って根絶し、抜本的に党の体制と運営方法を改めること。
②魅力ある政策の提示
 総選挙では民主党が掲げた子ども手当や、高速道路無料化などの個別利益政策に対し、自民党の政策が民主マニフェストの追随と受け止められ、投票行動に大きな影響を受けた。自民党は立党の原点に立ち返り、保守政党である自民党らしい魅力ある政策を提示する。
 さらに、景気後退、リストラ、給与カットなど日本を取り巻く閉塞感と現状への不満を打ち払い、新しく希望に満ちた国家像・将来ビジョンをわかりやすく打ち出すこと。


◆ 中堅・若手議員の動き

 私は今回の総裁選挙に際し、党の体質転換のためには中堅・若手議員(小選挙区制になってからの議員である当選 5 回以下)から総裁を選出し、しがらみ一掃の上、新しい運営体制をつくるべきと考え、党内で運動しました。
 同じ考えを持つ仲間の議員達と何度も昼夜分かたず会合を持ち、議論しました。始めから意中の候補者がいた訳ではありませんが、懇談を重ねていく内に、この懇談会の呼びかけ人の一人である小野寺 五典代議士が立候補の意志を固め、私たちは支援することにしたのです。
 立候補のためには推薦人を20人集めなければなりません。みんなで声をかけ合い、候補者届け出の前日、17日までに16人まで集めました。
 ところが他にも数グループで若手議員を擁立する動きがあり、それぞれが声をかけ合った結果、いずれの陣営も推薦人を20人集められない状態になっていたのです。
 私は、各グループの呼びかけ人の中心人物と連絡を取り合い、事態の打開を図ることにしました。それぞれ支援する候補者は違っても、中堅・若手から候補者を出そう、という点と、派閥からの支援を受けずに推薦人を集める、という点で一致していました。
 こうした話し合いを続けた結果として、私が擁立しようとした小野寺さんや他の人が立候補を断念し、その支援していた人が河野さんと西村さんの支援に回り、中堅・若手から2 人が立候補したのです。
 私はこれまでも総裁選に派閥とは無関係に、若手から立候補させようと何度か運動してきました。自民党を変えなければならない、という仲間達との活動は、パフォーマンスではなくマスコミにアピールするものでもありません。
 今後は新総裁の下で、いよいよ中堅・若手議員が先頭に立って本格的に自民党を変えるために汗をかき、行動してまいります。


◆ 自民党再生会議の提言

 前号でご紹介しましたが、私たちの提案により設置された「自民党再生会議」は、私を含む衆議院当選 7 回までと、参議院の各期から合計24人のメンバーが選任され、 9 月 9 日から17日まで計 8 回の会議を開き、総選挙の総括と今後の党に対する提言をとりまとめました。


◆ 自民党再生への八策

 再生会議の提言全文は、コチラに掲載しますのでぜひご覧になって下さい。
 明治維新の際の坂本龍馬の「船中八策」にならった訳ではありませんが、新しい自民党をつくるための提案を「自民党再生への八策」としました。
 以下にその概要をご報告します。
一.立党精神の原点に立ち返り、保守政党としてイチから出直す。
二.党の体質を転換する。
 派閥を解消し、派閥の党運営への影響力を一切排除する
三.党本部体制を抜本的に立て直す。
・総裁室を設置、若手議員を補佐官に。新総裁はシャドーキャビネット
 (影の内閣)メンバーと共に全国に出向き、国民対話を行う。
・総裁の名称を「党首」等に改める。
・役員人事は派閥単位の選任をせず。
四.政策立案、国会機能を強化する。
・党の政務調査会と国会対策委員会を融合、広報本部との一体化を行
 い、政府与党の政策を追求する。
・法案は省庁毎の内閣法承認形式から問題解決方式へ。
・マニフェストは常時レベルアップ
・党シンクタンクの立て直し。
五.地方組織の抜本的立て直し。
・都道府県連、地域・職域支部及び選挙区支部との意思疎通を常時密に
 する仕組みを再構築する。
六.候補者選定プロセスを見直す。
・公認は現職優先を見直し、勝てる人材を確保するため、公募を基本に
 予備選を導入する。
七.総裁選挙を見直す。
・総裁選の推薦人数の見直し、投票資格の見直し、党費のあり方などを
 見直し、新たな総裁選の仕組みを早急に考える。
八.参院戦候補と衆院戦候補の選定作業を加速化する。
・参院選の勝利に向け、候補者の差し替えを含め、候補擁立を急ぐ。
・衆議院の小選挙区支部長は選挙区の実態を見極め早期に決定する。
 私はこの提言の実行・具体化に全力を尽くします。どうぞ皆さまには、今後の展開をお見守り下さい。



 新 藤 義 孝