第176号 スポーツ大臣をつくろう!~スポーツ立国ニッポンを目指して~


「埼玉県キッズサッカー連盟会長」として、毎年こども達のサッカー大会を開催しております。この中から将来の日本代表が生まれるかもしれません。


 オリンピックやワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本代表選手の活躍に国民が一体となって声援を送り、勝利に感動したように、スポーツは国の元気の源泉です。


◆ 今こそスポーツ立国を目指すとき

 トップアスリートの活躍は国民に夢と希望を与えます。地域のスポーツ活動は、生活の張りや仲間作りに絶大な効果があり、まちづくりに欠かせません。長寿社会においては、国民が生涯を通し心身ともに健康で文化的な生活を営む上でも不可欠です。スポーツを通じて子どもの体力を養い、フェアプレイの精神、困難に耐える力を育成するなど、スポーツがもつ教育効果は私が言うまでもなく絶対に必要なものです。
 現在の我が国は、厳しい経済情勢、政治不信、個人主義の横行など、国の一体性が大きく損なわれていると私は危惧しています。
 こんな時だからこそ、将来に向けた新しいスポーツ政策を強力に推進し、国民と日本経済を元気づけたいと考えています。


◆ 我が国スポーツ行政の現状

 しかし、国のスポーツ関係予算は、総予算額の0.05%にも満たない状況で、文化予算1020億円に対し、約半額の520億円ほどしかありません。都道府県と市町村のスポーツ経費も平成 7 年度をピークに半減しています。
 スポーツ行政のよりどころは「スポーツ振興法」です。制定されたのは、東京オリンピックの 3 年前になる昭和36年です。
 以来、50年近くの年月が経ち社会状況や国民のニーズが変化する中で、この法律はプロスポーツが対象外であり、競技力の向上に関する規定がほとんどありません。
 そもそもスポーツ施策を実施する国や地方公共団体の責務規定がなく、障害者スポーツや高齢者スポーツ、リハビリ・介護やレクリエーション活動に対する取り扱いの規定もないのです。
  さらに、スポーツ担当官庁は複数の省庁にまたがっています。選手の育成や学校体育は文部科学省、障害者スポーツは厚生労働省、スポーツ器具や水着などは経済産業省、といった具合にまさに縦割り行政そのものが行われているのです。


◆ スポーツ基本法の制定に向けて

 自民党ではこうした現状を改めるべく、スポーツ立国調査会において検討を進め、国会内の超党派によるスポーツ議員連盟と連携し、新しい法律の制定作業を行ってきました。
 その内容は以下の通りです。
1.「スポーツ振興法」を全面改正 した新しい「スポーツ基本法」を 制定する。
2.国家戦略としてスポーツを位置 づけ、国の責務の明記と予算の拡 充、所轄組織としての「スポーツ庁」を設置する。


◆ スポーツ担当大臣の任命

 特にスポーツ庁の設置はこれまでの日本のスポーツのあり方を大きく変えることになるでしょう。選手の育成や生涯スポーツ、学校開放など、複数の省庁にまたがっている行政機能を、観光庁や消費者庁のように一元化し、横断的かつ総合的な取り組みを行えるようにするのです。
 そして、その責任者として「スポーツ担当大臣」を任命します。
 英国やフランス、ロシア、中国、カナダなど多くの国がスポーツ担当大臣をおいています。
 これまでの国際会議では、各国は大臣が出席しますが、日本は副大臣ということが多く、日本の姿勢を疑われないよう便宜的にスポーツ大臣を名乗って会議に臨んできました。このような肩身の狭い状態を解消できることになります。


◆ 政局と切り離すべき問題

 この新「スポーツ基本法」は議員立法で今の国会に提出され、自民・公明・民主の共同提案として審議・成立するはずでした。立法作業は超党派で進められてきたのです。
 ところが、ここにきて急に民主党の方針が変わり、「中身に異存はないが審議は急がなくても良いのでは」と言い出しているようです。
 今国会での審議がどのようになるのか、みなさまにもぜひご注目いただきたいと思います。


◆ 川口発の新交通安全対策!

 過日、芝地区の交通安全協議会の総会で、素晴らしいアイデアに出会いました。考案者である川口警察署の安藤廣志・交通課長から話を聞きましたので、ご紹介します。
 その名も「光現時(ひかるげんじ)」です。点滅型反射タックルバンドのことで、お年寄りの夜間の交通事故を減らすために考案したとのこと。
 手足に軽く当てると巻きつく反射材で、スイッチを入れるとLEDライトが点滅し、暗闇でも遠くから自分の存在を車のドライバーに知らせることが出来、交通事故の防止に役立つのでは、と製作されました。
 うれしかったのは、このバンドが本邦初のアイデアで、川口発の試みだと言うことです。
 値段も当初は 1 個3000円だったものを中国で製作することで、なんと300円まで下げています。
 今年 1 月から 4 月までの同署管内の交通死亡事故 3 件のうち、夜間発生が 2 件、亡くなった 4 人のうち 3 人が65歳以上でした。
 私も装着してみましたが、デザイン的にも違和感がなく、価格も安価でとても気に入りました。
 お年寄りだけでなく小さな子供にも効果があると思います。みなさまもどうぞ試してみてください。

国川口警察 交通安全課
電話 253-0110
今後、社会福祉協議会などに窓口を拡げるよう私から提案しました。

新 藤 義 孝