エネルギーの使用合理化に関する法律案(副大臣答弁) 衆議院経済産業委員会-9号 2008年04月23日
エネルギーの使用合理化に関する法律案(副大臣答弁)
169-衆-経済産業委員会-9号 平成20年04月23日
○東委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案及び揮発油等の品質の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
両案審査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長木下康司君、経済産業省大臣官房審議官鈴木英夫君、経済産業省大臣官房審議官羽藤秀雄君、経済産業省産業技術環境局長石田徹君、経済産業省製造産業局次長照井恵光君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長上田隆之君、資源エネルギー庁資源・燃料部長北川慎介君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長西山英彦君、国土交通省住宅局長和泉洋人君、環境省地球環境局長南川秀樹君、防衛省防衛参事官小川秀樹君及び防衛省大臣官房長中江公人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○東委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木美智代さん。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日のこの省エネ法につきましては、地球温暖化防止につきまして、これは人類の生存にかかわる最重要課題であるということが、やっと今日本じゅうに認識され始めたところと思っております。先週は、経団連によりますG8ビジネスサミットが開催されまして、七月に行われるG8洞爺湖サミットに向けまして国内の論議が高まっているところでございます。
そういう中で、総理が低炭素革命とおっしゃったことは大変重要なポイントであると私は思っておりまして、こうした地球温暖化防止、そしてまた京都議定書目標達成に向けまして、これは、国民のまた日本のパラダイムを大きく変えていく、日本のライフスタイルであるとか産業スタイルであるとかを変革していくチャンスであるととらえております。
どこまで展望するかという大きな論議がございますが、まず、二〇一二年までの我が国の京都議定書目標達成計画の実施、そしてまた達成は重要な命題でございます。ポスト京都議定書に向けましても、二〇五〇年までのクールアース50を我が国は提案いたしましたし、世界に向けてそのように提案をしたものの、では、我が国における削減目標をどのようにするのか、こういう二〇五〇年までの展望の数値目標についてはまだ発表されていないというふうに承知しております。これがいつどのように行われていくのか、今注目されているところでございます。
そうした中で、日本版排出量取引制度、そしてまた環境税、さらには深夜化するライフスタイルやワークスタイルをどのように見直しをしていくか、こうした国内の法整備であるとかさまざまなシステムについて早急に整備すべきだ、このような声も高まっております。
一方、環境関係の識者の方たちからは、産業界の努力はもう少しできるのではないか、こういう声も承知をしているところでございますが、かつてのように経済と環境という大きな対立はないものの、やはり、中長期の展望を立てながら、そのもとに地球益と国益というこの両方を踏まえて国際枠組みの構築に日本がリーダーシップを発揮していく、このことが今求められていると思っております。
これは質疑通告はしておらないのですが、今、甘利大臣がどのような御決意でこの課題に取り組んでおられるのか、また洞爺湖サミットに臨まれるのか、お伺いしたいと思うのです。
やはり地球温暖化対策につきましては、貧困であるとか、また人口増加、そしてまた環境悪化、これは密接にリンクをしている課題でございます。かねてより大臣がおっしゃっているとおり、先進国だけが削減の大きな責任を負う、そしてまた途上国は放置しておいてよいのか、それも違うと思いますし、また、やはり先進国も途上国も双方にとってウイン・ウインの関係になれる、こういう方式をどのようにつくり出していくかが大事であると思います。
我が国は、そういう中で、途上国に対して百億ドルの支援を五年間にわたりということで表明をしておりますけれども、ともすれば、洞爺湖サミット、今までの流れを見ますと、自国の負担をいかに少なくするか、こういうところに多くの論議が費やされてきたという嫌いもございます。
今回につきましては、同じ地球で暮らす人類の一員としての自覚、そしてまた未来への責任感、この両面に基づいた国際社会の一致した行動をどのようにこれからつくっていくことができるかどうか、それなくして現状を打開することはできないと考えております。
途上国も先進国も含めまして、協力と連帯という、この姿勢で臨むことが大事であると私は考えておりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 国際交渉はすべからくそうなりやすいのでありますけれども、国益をかけた戦いでゼロサムゲームになりがちなんですね。つまり、こっちがうまくやった分だけどこかが割を食うということになりがちで、もちろん、国益をかけた交渉ですから、そういう視点は当然あると思います。
ただし、地球温暖化の問題というのは、自分が負担をそう強いられないでちゃんと枠組みはできた、よその負担が大きくなった、しかし、結局、空はつながっているわけでありますから、地球全体としては何の解決にもならないわけであります。
ですから、全員が覚悟をするということで臨む、殊に地球温暖化問題に関してはそういう姿勢が大事だと私は思うんです。だからこそ、いろいろな思惑で主張されるのが、国際的にリードされるということに対して、私自身は、いろいろな会合に出てきまして憤りを感じる場面が多かったんです。全体のことを本当に考えているのかと。ですから、主要排出国が全員参加をするということは絶対に譲れないことだと私は思うんです。好き勝手やっているところが多く残ってしまったら、どんなにまじめにやっていても、それが結果に結びつかないということになります。ですから、全員参加は私は何としても譲れません。
それから、全員参加がしやすいような努力は、資金的な余力とか技術的な余力を持っているところは最大限協力すべきだと思います。途上国の主張、私はいろいろな途上国と話をしました。今、CO2がこれだけふえたのは先進国が今日までの過程でCO2を思い切り出したからじゃないか、自分たちは出しておいて我々にはそうさせないのかという主張も、これは一蹴することはできないんだと思います。
でありますから、あなた方にも発展する権利はありますし、認めます、だけれども、我々の反省に基づいて、我々の技術を、もちろん知財を守り、民間企業が行う場合にはそのコストをどう負担してあげるかというスキームは必要ですけれども、それらを前提に、極力遠回りをしないような発展のアプローチを提供しますから、それに参加をしてくれという説得が私は必要なんだと思います。
そこで、セクトラルアプローチ、ボトムアップ型というのは、私は、世界に冠たる仕組みだ、いずれわかるはずだと信じてやってきました。それぞれの国に思惑がありますから、自分たちが得をするやり方をみんな主張します。しかし、我々の主張は、みんなが得をしつつ地球にとっていいと思うやり方だと信じてやっておりますから、それが少しずつ浸透してきていると思います。
もちろん、途上国が受け入れやすいような資金スキームを先進国はつくってあげて、技術移転がスムーズにいくようにする、そして、いきなり過大な義務を課さないで、参加したらよかったねと、地球環境にも自分たちも貢献できたという喜びを感じられるように、成長と地球環境が両立をする、参加することによって参加した者が貢献できたという充実感を感じられる、そういう国際的なスキームをつくるために努力をすべきだと思っております。
○高木(美)委員 大変明快な、強いメッセージをちょうだいいたしまして、感謝いたします。
大臣、もう一つ私は今懸念がございます。
かねてより大臣は、食料問題とバイオ燃料とを競合すべきではない、そのようなバイオの取り組みではなくてむしろセルロース系といったような開発をすべきだ、たしかそのようにおっしゃっていたと思います。私もそのように考えておりました。
ところが今、懸念しましたとおり食料問題が勃発をしております。価格が高騰しまして、先般も世銀のゼーリック総裁が、各地で飢饉や暴動などを引き起こしている、各国政府は直ちに対応すべきだ、このままいけば恐らく貧しい国に住む一億人がさらなる貧困に追いやられる可能性があると。さらなる貧困といいますのは私は飢餓というふうに承知をしておりますけれども、確かに過去三年間で二倍以上、米、トウモロコシ、また小麦など、主要食糧の価格が上がってしまっている。こうした事態を何としても食いとめなければいけない。
先般ローマで行われました国際エネルギーフォーラムでもそのことが大きな話題になったと聞いておりますけれども、私はぜひとも、こうしたことも含めて、洞爺湖サミットの環境にまつわる、また地球温暖化対策にまつわる大事なテーマといたしまして何らかの先進主要国のメッセージを発するべきではないかと思っておりますが、大臣の御所見を重ねてお伺いいたします。
○甘利国務大臣 昨夜帰国しましたエネルギーフォーラムでも、上がっているのは石油や天然ガス、石炭の資源だけではない、食料も上がっているという議論も確かにあったわけであります。それが燃料価格の高騰と、それから地球環境問題にある部分起因して上がっていることも事実です。途上国は、食料をつくるよりも食料系の燃料をつくった方がもうかるという視点を見逃していないということも事実だと思います。
理屈の上からは、バイオエタノールというのは、消費するときには別にCO2が出ないわけじゃなくて、石油と同じようにCO2が出るのであります。ただ、そのCO2はまた新たにバイオ燃料を取り出す植物を植えることによって吸収するから、出したものをまた吸収しているからCO2がぐるぐる回っているだけだという観点なんですね。
ただ、環境学者からも当初から指摘をされていました。やはり、途上国にしてみればよりコストパフォーマンスがいい方に移転するに決まっている、その懸念は私は当たっているんだと思います。でありますから、我々は、コストの面とか技術的な面でまだ課題はありますけれども、食料と競合しないバイオ燃料にしようじゃないかという提案をしています。
ただ、どうしても取っつきやすいのは食料系なんです。それによって、森林伐採が行われたり、環境に資するためにやっていることが環境を害するという指摘を環境関係者は随分前から指摘をしています。でありますから、そうならないように、我々ができる技術の開発と提供をきちっとしていくべきだと思っておりまして、農水省と連携をしまして、バイオ燃料技術革新計画というのを取りまとめました。セルロース系をバイオ燃料として技術開発していこうということであります。
○高木(美)委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案の方に移らせていただきたいと思います。
まず、今回のこの法改正につきましては、製造業が中心になっておりましたエネルギー管理が、その規模がオフィスに拡大されまして、民生業務部門における省エネ対策の進展が期待されるものと承知しております。ただ、その中身を拝見いたしますと、詳細につきましては政令で定めるとされているものが大変多いもので、順次その確認をさせていただきたいと思います。
まず、経済産業省にお伺いいたしますが、工場等を設置しているすべての事業者等におけるエネルギーの使用量の合計量が政令で定める数値以上であるものを特定事業者として指定するとありますが、その数値と規模、また指定要件とはどのようなものか、また、現行の省エネ法でのカバー率は業務部門におきまして約一割と承知しております。本改正によりましてどのように拡大することを試算されているのか、答弁を求めます。
○望月政府参考人 お答えいたします。
御指摘の規制対象事業者の基準値は政令で定める事項としておりますけれども、現行の第二種エネルギー管理指定工場の基準値でございますところの、原油換算値で年間千五百キロリットルというものを基準として設定するというふうに考えておりますけれども、その場合には、特にエネルギーの使用量の伸びが著しい業務部門におきましては、エネルギー使用量ベースではカバー率が現行の一割から約五割へ拡大をするというふうに試算をしておるところでございます。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
続きまして、国交省にお伺いいたします。
住宅等の建築物につきまして、届け出対象を拡大するとしております。第一種特定建築物における現在の適合率がどのくらいなのか、またそれを今後どのように上げていかれるおつもりなのか、また、第二種特定建築物の対象といたしましてどの程度カバーされるのか、その省エネ基準に適合しない場合どのような措置をとられる予定なのか、お伺いをいたします。
○和泉政府参考人 まず、現行の二千平米以上の特定建築物の適合率でございますが、これは年々歳々上がっておりまして、現在、住宅、非住宅合わせまして全体で八割ぐらいでございます。今回の改正で、二千平米以上につきましてはいわゆる命令を導入しまして、罰則も設けるというようなことで、この八割を大胆に引き上げてまいりたい、こう考えております。
次に、第二種でございますが、これはおおむね三百平米以上と考えておりまして、このことによって、住宅、非住宅問わずトータルで、現行のカバー率が三五%程度でございますが、これが五五%程度へ大幅に拡大します。
中小規模につきましては、今回初めて導入するものでございますので、その措置としましては勧告、こういったことを考えておりますが、あわせて、今回の改正で、設計、施工者に対する指導助言とか、あるいは建物の販売、賃貸の事業者に対する情報提供の努力義務、こういったものを課しますので、こういったこととあわせましてしっかりと対応してまいりたい、こう考えております。
○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。
あと、フランチャイズチェーンにつきましてお伺いをいたします。
これは、法律名称は特定連鎖化事業者という、私初めてこうした言葉を承知いたしました。恐らくこれは、さまざま法制上やりとりをされての結論であると思いますが、フランチャイズでもまたチェーンでもいいのではないかという率直な思いがございます。
このフランチャイズチェーンにおきましては、個々の加盟店を見ましたら確かに小規模ですが、加盟店は二十三・四万店という大規模でございまして、また、コンビニでは、二十四時間営業ということで、合計すれば相当大量のエネルギー消費主体となっております。
省エネという観点から見ればこれは無視できないということから今回の改正になったと承知しておりますが、いかんせん、チェーン本部がエネルギーの消費状況についてコントロールできる、そういう関係を想定されての法改正であると思います。しかし、今このフランチャイズチェーンの状況を見ますと、過去数年間、売上高また店舗数とも伸びは鈍化していると思います。特にコンビニにつきましては、地方の景気低迷であるとか、また消費者のマインドの冷え込みなどから、売上高は減益傾向にございます。
チェーン本部がそういう中で省エネコストを負担するならばそれでよいのですが、懸念されますのは、各小さな店舗で、設備の使用等につきまして設備の転換を強制することなどのないように、これが下請いじめになりませんように手だてを講ずる必要があると思っております。温暖化対策という名のもとのこうした下請いじめがいささかも行われませんように監視をしていくべきだと思っております。
どのような対策をお考えなのか、お伺いをさせていただきます。
○甘利国務大臣 今までの省エネ法で、大どころは把握をしてきました。しかし、地球環境を考えますと、それだけではカバーしきれないわけです。中小というか、中どころが枠組みに入っていただかなければいけないんですが、中どころをいっぱい持っている本部に何がしかの努力をしていただかなければいけないわけでありまして、例えば、工場規模でいけば一定規模以下だけれども、それが幾つもあるというのは、寄せ集めれば相当規模になるんではないか、そういう視点から改正に臨んだ、そういう視点もその一つなんでありますが、フランチャイズチェーンもその対象にされる。
ただし、あくまでも対象は本部事業者であります。ただ、本部事業者は、その加盟店に対していろいろああしろこうしろと、省エネ法でそういうお達しなんだからという要請をするでしょう。そのときに大事なことは、優越的地位の濫用をして、強制的にこういう設備を購入せよというような過度な負担を強いて、本部に課せられたのをツケ回しするだけというようなことがあってはならないと思います。
この辺は、優越的な地位の濫用があったのかないのか、その点を注視、監視しながら、極力自発的な取り組みが連鎖していくようにしっかりと見ていきたいというふうに思っておりますし、必要な指導をしていきたいと思っております。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
その際に、では本部に対してその店舗が何か物申せるかといいますと、なかなかそこが言えない、また、言ってしまうと後でまたさらに追い打ちをかけられてしまう等、そうしたことも懸念されます。ぜひとも、そういうときの駆け込み寺的な、通報しやすいシステムもあわせて周知徹底をお願いするものでございます。
済みません、ちょっと時間が迫りましたので次の大きな質問に移らせていただきたいのですが、自主行動計画につきましてお伺いをさせていただきます。
きょうは紙を用意させていただきました。これは総合エネルギー調査会での資料でございますが、この二〇〇七年度の評価、検証によりますと、これは全部で三十九業種でございますが、そのうち十四業種が目標を達成していないという報告でございました。
この表を見ますと、これは中心軸から右側が目標達成した、左側が目標未達成のチームでございます。その中でも、上の矢印が排出量を削減している、下の方の矢印に行きますと基準年度に比べまして排出量をふやしているというところで、ここにあります囲みが、電事連であるとか、また石油鉱業連盟であるとか、こういう部類に入るわけでございます。
私は、実は昨日、京都市の前都市計画局長の話を伺いました。京都市は、御存じのとおり京都議定書スタートの一番の本拠地でございますので、実に模範的な、積極的な取り組みをしていらっしゃいまして、NPOとか識者二百七十名から成るフォーラムを立ち上げまして、中小企業版ISO14001、KESというのを策定しまして、今それは全国の約二千の中小企業の事業所で採用されております。また、再生可能エネルギー普及のためのエコロジーセンターを開設したり、また、四年前には京都市地球温暖化対策条例を公布しております。
この前計画局長いわく、私たちは微々たる取り組みを一生懸命やっています、しかし、そういう数値も、大企業が少し頑張ってくだされば、あっという間に実現できるんです、地域の取り組み、そして国を挙げての取り組み、そしてまた企業の取り組み、この総合的な取り組みが今求められているのではないでしょうかという率直な実感を語っておられました。
この十四業種を含めまして、この自主行動計画の目標達成に向けまして、今後どのように対応されるのか、経産省にお伺いいたします。
○石田政府参考人 ただいまお尋ねの自主行動計画でございますが、これは先般改定いたしました政府の目標達成計画の中でも主要な柱として位置づけられているものでございます。そういう観点から、政府としてこの自主行動計画の進捗状況について、産構審、中環審の合同会合で、毎年かなり厳格な評価、検証を行ってきているわけでございます。
今御指摘いただきましたように、二〇〇七年度の評価、検証におきまして、二〇〇六年度実績で見ますと、その三十九業種のうち十四業種がなお目標未達であるということになっております。
ただ、目標年次までには若干時間があるわけでございまして、これらの業種に対しまして、京都メカニズムの活用を含め、今後の対策内容とその効果を定量的、具体的に示すことを求めてきております。
この合同会合におきましても、そうしたことで、二〇一〇年までの目標達成について可能な範囲にあるという評価が出されているわけでございます。今後とも、この十四の業種も含めまして、自主行動計画のさらなる強化、深掘りに向けまして努力をしてまいりたいと考えております。
○高木(美)委員 石田局長は、ごらんになっていらっしゃいまして、果たしてこの計画が順調に進捗をしているという実感なのかどうか、それも重ねてお伺いいたします。
○石田政府参考人 産業界といたしましては、先生も御案内のように、この目標達成、国内的に仮に実現できない場合には、電力あるいは鉄鋼のように、CDMを含めた京都メカニズムの活用も含めて、最終的にはこの目標を実現するということを公に公表いたしておりますし、そのための政府へのクレジットの無償の移転というものも、これは経団連で機関決定までしているということでございます。そうした補完的努力もあわせまして、この目標達成については、私どもとして十分可能な範囲にあるというふうに考えております。
○高木(美)委員 今の答弁を伺っておりまして、今回この省エネ法におきましてセクター別ベンチマークが導入されると伺っておりますけれども、いずれにしても、国内排出量取引制度を適正な形で早く取りまとめていただくことが重要でもあるかな、そのような実感を受けました。
改めまして、今、大変重要な局面でございますので、大臣初め経済産業省の皆様のさらなる積極的な取り組みまた御奮闘を心よりお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○東委員長 これにて高木美智代さんの質疑は終わりました。
次に、吉野正芳君。
○吉野委員 おはようございます。自由民主党の吉野正芳でございます。
気候変動、これは私たち人類にとって一番大きな敵、私たち人類が生きていけるか生きていけないか、このくらい大きな問題だと思います。この解決のためには、全世界の人々、特に我が国国民の一人一人がきちんと意識をして、自分の生活の中でCO2削減、温暖化に対する対策を一人一人が意識をすることによって解決がされる、こう信じております。そういう意味で、今度の省エネ法改正は、国民の意識改革をしていくという意味では大変大きな役割を持つ法案だな、このように感じております。
それでは、質問をさせていただきたいと思います。
温暖化の中で、業務、家庭部門、これが約一・四倍に伸びているわけでありますので、ここの分野にきちんとメスを入れる、これが今度の省エネ法の改正だと思います。
それで、工場、事業所の規制がふえるわけですけれども、どのくらいのカバー率、そしてCO2削減にはどのくらいの効果があるのか、お答え願いたいと思います。
○新藤副大臣 今回、今先生が御指摘いただきましたように、特に業務部門のカバー率がふえる、こういうことになるわけなんです。
どういう規制になるかと申しますと、現行第二種でいえば、年間千五百キロリットル以上の原油を使用する、こういう工場が、今度は、企業単位で年間千五百キロリットル以上の原油を使う、そういったものを規制対象にしたらどうか、こういうことになっております。
その場合には、既に産業部門では、エネルギー使用量ベースでは約九割、現行も既に九割弱なんですけれども、産業部門での規制対象はわずかにふえる。一方で、業務部門につきましては、ホテルですとかスーパー、それから外食チェーン、コンビニ、こういったものが、企業単位で総合すると千五百キロリットルを超えるということになってまいりまして、結果として、エネルギー使用量ベースでのカバー率は、現行の約一割から五割まで拡大される、こういうふうになるんです。
また、それに加えて、省エネ法改正におきまして、追加的に省エネ対策、排出削減対策、こういったものを産業、業務部門でかけます。そうすると、そこで約三百万トンのCO2が削減される。
さらに、現行やっております省エネ対策の強化をするという中で、トップランナー基準の対象機器の拡大等を行いまして、これによって約一千万トンのCO2が削減できるのではないか、このように見込んでおります。
○吉野委員 同じく、住宅・建築物分野ではいかがでしょうか。
○和泉政府参考人 従来の特定建築物は二千平米以上でございましたが、今回、三百平米まで引き下げる予定でございます。これによって、床面積ベースで現在のカバー率は三五%程度でございますが、これが五五%程度と大幅に増加します。
その結果としまして、住宅、非住宅合わせまして、合計二百万トン程度のCO2の削減が追加的に期待されております。
○吉野委員 住宅で、いわゆる個人がつくる注文住宅、ここは規制の対象外になっていると思うんですね。ここの部分も、きちんと国民の意識を高めるという意味では大事な部分になってこようかと思います。どんな対策をとっているのか。
また、注文住宅についても、省エネ住宅をつくった方がいいんだ、そういうインセンティブを与えれば、かなり省エネ住宅をつくってくれるというところに働くと思うんですけれども、どんなインセンティブがあるのか。
また、注文住宅の分野で、もしこれが省エネ対策をとればどのくらいのCO2削減になるのか、お尋ねしたいと思います。
○和泉政府参考人 おっしゃるとおりでございまして、今回の規制措置は三百平米でございますが、個人住宅もやっていただきたいと思っています。
ただ、個人が建築主である場合には、個人の情報が不十分でございますので、特に、設計、施工者に対する指導助言というのは大事でございますので、今回新たにそういった規定を設けさせていただきました。そういったことを通じまして、しっかりと指導してまいりたいと思っています。
また、インセンティブでございますが、委員御案内の住宅金融支援機構の証券化ローン、ここにおきまして、省エネ性能のすぐれた住宅については、当初五年間、〇・三%に金利を落とす、こういった措置を設けておりまして、そのための予算としまして、二十年度も五百億円の出資金を準備してございます。
加えて、地域住宅交付金という、住宅政策の分野で、ある意味では何でも支援できるような制度がございまして、こういった地域住宅交付金を使いまして、各公共団体独自にいろいろな形で省エネ住宅に対する支援をしてございます。こういったものも進めてまいりたい。
この結果、先ほどトータルで二百万トンと御説明しましたが、住宅分野で百万トンの追加措置、こういったことを期待してございます。
○吉野委員 住宅の省エネというのは、基本的に断熱を中心に考えていると思うんです。
でも、住宅を建てる場合に、まず、つくる場合、どんな材料が一番環境に優しいのか、エネルギーを使わないのか。
例えば、鉄という素材がありますね。木材という素材と比べてみます。鉄鉱石、山を崩して鉄鉱石をとってきます。そして、溶鉱炉に入れます。炭酸ガスをたくさん出します。そして、やっとできたのが鉄という素材です。どれだけエネルギーを使ってできた素材か。
一方、木材というのは、山に植林をするわけでありまして、植林をすると、炭酸ガスを吸収する、水を蓄えてくれる、そしてまた水をきれいにしてくれる。我々人間にとってプラスの面しか出さない形で育ってまいります。でも、残念ながら、命があるんですね。命があると、枯れてしまいます。枯れる前に収穫をして利用していく。
こんな、いわゆる住宅をつくる素材一つをとってみても、その総エネルギーという形で考えていくところも必要じゃないのかと思うんですね。
また、住んでいる、つくった後、いわゆる設計ですね。今、渋谷の地下鉄の駅がかなりオープンになって、いわゆる自然換気があって、エネルギーがかなり使われない、そういう設計段階での省エネ対策というところもあろうかと思います。
また、建物を壊したとき、いかに廃棄物を少なくして、それのエネルギーを少なくしていくか。
つくる、そして長期間住んでいる、そして廃棄、トータルで物事を考えていくような、そんな研究というものを今現在しているのか、お尋ねしたいと思います。
○和泉政府参考人 委員御指摘のとおり、つくる、住む、廃棄、こういったライフサイクルでの削減が大事でございます。
また、委員御指摘のように、木造住宅の方が建設段階でのエネルギーはちっちゃいといういろいろな研究がございます。ただし、住宅の場合は、トータルで見ると、使用段階でのエネルギーが大きいものですから、今回の省エネ法の改正を含めまして、そういった使用段階でのエネルギー性能の高い住宅についての工夫をしている、こういったところでございます。
また、これは大変委員にも御指導賜りましたが、いわゆる長く使って廃棄物を減らすという観点から、二百年住宅、こういった構想を実現すべく、この国会に長期優良住宅の普及の促進に関する法律、こういった法律も出しておりまして、こういったことを通じて、ライフサイクルでの住宅分野のエネルギー削減に努めてまいりたいと考えております。
また、技術開発でございますが、これにつきましても、大変長い名前なんですが、住宅・建築関連先導技術開発助成事業、これは十億円でございますけれども、民間の創意工夫を生かした技術開発を支援するような事業をやっておりまして、こういったものも進めてまいりたい、こう考えております。
特に、木造住宅につきましては全く委員御指摘のとおりでございまして、加えて、国民の八割が、できれば木造住宅を希望する、こういったことがございます。
住生活基本法、十八年にできましたが、この中でも、国の責務として、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術の継承、向上を図るために必要な措置を講ずる、こういった規定もございまして、同法を受けた住生活基本計画におきましても、住宅への地域材の利用促進、こういった計画も盛り込まれております。
こういったことを踏まえまして、具体的には、地域材を活用した住宅促進に関する地域住宅交付金を使った支援、これが一点ございます。
二番目に、特にことしから、地域の木造住宅市場の活性化という観点から、さまざまな技術を踏まえて、なるべく国民のニーズに対応した、地域材を使った住宅を供給するための体制整備、こういった予算も、三億円でございますが、準備してございます。
全体としまして、長期優良住宅や省CO2住宅を進めていくためのモデルプロジェクト、こういったものを平成二十年度から進めるために、いわゆる長期優良住宅については百三十億円、省CO2モデル住宅については五十億の予算を準備しまして、この四月から民間に対する公募を開始した、こういった状況でございまして、これらの措置を総合的に工夫しまして、委員御指摘のような、トータルのライフサイクルでの削減に努めてまいりたい、こう考えております。
○吉野委員 今の答弁は本当にいろいろやっているなという印象です。特に、環境に一番優しい材料である木材という、ここのところをもっと我が国でも、地球温暖化対策という観点からも木材の使用を進めていってほしいと思います。
次に、今回はやはり断熱中心なんですけれども、住宅の場合は、例えばふろがま、おふろのない住宅はあり得ません、トイレのない住宅もあり得ません、でも、いわゆるふろがま等々の高性能の給湯設備というのは、今回これには入っていないんですね。どうして切り離してしまったのか。
一体的に切り離すことのできない、住宅そのものという形でのふろがま等の給湯設備をこれは断熱中心ということで切り離してあるので、この辺もやはり一体的な運用を図っていくべきと思うんですけれども、どういう形でやっているのか、お尋ねしたいと思います。
○和泉政府参考人 戸建て住宅などの場合は、今委員御指摘のさまざまな機器が、必ずしも建築する段階、設計段階ではすべて決まっていなかったり、あるいは、途中で変更できたりするというようなことがあって、現在の基準では、特に住宅については断熱を中心にと。ただし、十八年度から届け出対象に加えた大規模な共同住宅、こういったものについては、少なくとも共用部分の設備等は設計段階ではっきりしていますし、個別にチェンジできるわけじゃございませんので、これは入っているわけでございます。
この役割分担は、片方で、そういった家電製品とか給湯機器等については、経産省の分野におけるトップランナー、こういったもので対応していただいて、両者相まって、全体として効率性を上げる、こういった思想で今組み立てられております。
ただし、戸建て住宅についても、当初からわかっておるのであれば、全体として評価するようなことの方が望ましいのではないかという御指摘は正しいわけでございまして、そういったトータルの評価手法に関する研究もしてございまして、特に、今回の改正で、いわゆる建て売り分譲業者、こういった方々に対しては、通例の規制措置とは別に、ある一定の、家電製品のトップランナーに準じた仕組みを導入します。
こういったものにつきましては、当然、当初の設計段階で、これは分譲業者ですから、どういった設備機器を使っておるか明らかでございますので、この建て売り住宅におけるトップランナー方式においては、委員御指摘のような、設備も含めたトータルな評価基準をつくることができないか、こういったことについては前向きに検討させていただきたいと思います。
○吉野委員 ぜひ、法律には書いてありませんけれども、運用面で、そういうトップランナーの設備を入れねばならない形でお願いしたいと思います。
次に、バイオ燃料の方でありますけれども、先日、私はブラジルへ訪問をしてまいりました。大変遠かったんですけれども、でも、そこでの向こうの環境大臣のお話を聞きますと、ブラジルでは、ガソリンだけでも走れる、一〇〇%エタノールでも走れる、混合率がどんな混合率でも走れるような自動車を開発している、もう現実に、すべてじゃないんですけれども、開発が終わって実用化されてもう既に何割かは走っているというお話を伺いました。
我が国も、自動車産業、世界一の技術を持っていると私は思っています。その我が国で、なぜエタノールだけで走れるような車が開発できないのか。その辺の、何がネックになっているのか、お尋ねしたいと思います。
○羽藤政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘がございました、ブラジルでいわゆるフレックス自動車というふうに呼ばれております、ガソリンとバイオエタノールのいずれも燃料として使える自動車がかなり普及をしておる、これはブラジルの自動車販売台数が昨年の実績ですと約二百四十万台に及ぶということですけれども、そのうちの八割がこうしたフレックス自動車であるというふうに承知をしております。
これは、我が国の代表的な自動車メーカーも現地で生産をして販売をしているということでありますので、我が国の自動車産業としても、技術的には、そういった制約についてはこれはもう超えておるということだと思っております。
その上で、こうした自動車が我が国で普及をしていくということを考えていきます際に非常に大事なことは、バイオ燃料の大宗を輸入ということに頼らざるを得ない、そういった現状がございますし、また、供給の安定性そして経済性といったことを十分確保するということが、何といっても、消費者、国民生活上、非常に重要な課題ではないかというふうに考えております。
このため、経済産業省といたしましては、まず、現在進めておりますバイオ燃料混合ガソリン、この着実な普及を図りまして、一方、バイオ燃料の供給の安定性、経済性等、先ほど申しましたような点を十分に踏まえながら、御指摘のような自動車の普及についても検討してまいりたいというふうに考えております。
○吉野委員 日本のメーカーもブラジルでつくっているというお話を聞いて本当に安心しました。やはりエタノールが日本で普及していけば、それに基づいて自動車も供給されるというふうに思います。
今回の改正で、いわゆる油槽所、ガソリンとエタノールを混合する、ここのところの品質確認義務が課されたわけでありますけれども、日本でいわゆるエタノールをつくる能力は現在どれだけあるのか、この辺のお尋ねをしたいと思います。
○上田政府参考人 バイオエタノールの生産能力のお尋ねかと思いますが、現在、実証実験等々におきまして、建設中も含め、全国で約十カ所におきまして、バイオエタノールの製造設備というのが存在あるいは建設中でございます。
その生産量でございますけれども、二〇〇五年度末ではわずか三十キロリットルでございましたけれども、昨年以来、大阪府の堺市で年間生産規模が千四百キロリットル、最大でございますが、そのプロジェクトが立ち上がりつつあり、また、農水省関係のさまざまなプロジェクトが立ち上がります等で、二〇一一年度には約五万キロリットル程度のエタノールの生産が見込まれている、こんな状況でございます。
○吉野委員 京都議定書の目達計画で、二〇一〇年、これからあと三年後には五十万キロリットルのエタノールを走らせるんだ、そういう目達計画であります。今、お話になると五万キロということで、あと三年でこれが実行できるのかどうか、そのあたりはいかがなものなんでしょうか。
○望月政府参考人 委員御指摘の二〇一〇年に五十万キロリットルの導入目標というのは、京都議定書目達計画で掲げているわけでございます。
この目標の達成を目指しまして、大規模な実証実験や技術開発を進めたり、あるいは、今この委員会にお諮りしておりますバイオ燃料を混合したガソリンの品質を確保するための揮発油等の品質確保法の改正をお諮りしているわけでございます。また、今年度から、バイオ燃料を混合してガソリンを製造した場合に当該混合分に係る揮発油税などを免除する制度も創設をすることといたしております。
これまで石油連盟におきましては、二〇一〇年に原油換算二十一万キロリットルのバイオ燃料の導入というものを目標として掲げております。五十万キロを達成していく上でも、経済産業省といたしましては、この目標の拡大、延長というものを石油連盟に要請してきたところでございますけれども、先月、石油連盟では、将来的な五十万キロの導入に向けてその実現に努力する旨の発表があったと承知しております。
引き続き、関係府省あるいは関係業界と連携しながらこうした環境整備を進めまして、目標達成に向けまして全力で取り組んでいくという状況にございます。
○吉野委員 バイオ燃料は、例えばトウモロコシからまたサトウキビからつくって、そこでの総エネルギーを、例えば遠い外国でつくられたとしますと、そこから今度は運ばなきゃならないんですね。運ぶためにもこれはエネルギーが要るわけなんですよ。そして、日本に来るわけなんで、そのトータルエネルギー、トータルのCO2量を比べて、価格が単に安いから、五十万キロ足りないから、では、安易に輸入に頼るんだというだけで、結果的に地球全体の総炭酸ガス排出量を多くしてしまうところもあろうかと思うんです。
ですから、トータルなエネルギー、いわゆるCO2排出量で、このエタノールは買うか買わないか、輸入をするかしないかというそういう判断をするルールをつくるべきと私は思うんです。いわゆる地産地消がバイオエネルギーの大前提になるべきだと私は思うんですけれども、いかがなものなんでしょうか。
○望月政府参考人 御指摘のとおり、バイオエタノールの導入を進めるに当たっては、製造、輸送、消費を含めたライフスタイルで考えていく、その中においての二酸化炭素の排出量などを総合的に考慮するということは、地球環境のためにやるわけでございますから、大切なことだと思います。したがいまして、国産のバイオエタノールの場合には、輸送の際の二酸化炭素排出量は相対的に少ないということも重要な視点だろうと思います。
現段階では、このバイオエタノールの導入については大変初期段階でございますので、CO2が相対的に少ないということを最大限発揮していくためには、国産バイオエタノールの製造コストが高くて、そしてまた供給量も、先ほど御答弁申し上げましたように、現実問題としてまだ少ない、こういう課題の克服も同時に達成しないといけないということになっているわけでございます。
先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、関係府省と連携してバイオ燃料の技術革新計画というものを取りまとめて、国産のバイオエタノールのコスト低減や、それから廃木材の利用に向けた技術開発とか、そういった実証事業を進めるというようなことを進めることによって国産バイオエタノールの導入促進に積極的に取り組んでいくということも大変必要だろうと思います。
他方、国全体としてのバイオエタノールの利用量の目標の当面の達成に向けては、やはり一定程度の輸入バイオエタノールというものを活用しないとその数値に到達しないということも現実的な問題でもございますので、あわせまして、両方の視点を見ながら総力を挙げて取り組んでいくということが必要ではないかと思っております。
○吉野委員 次に、産業界ではいわゆる自主行動計画というものをつくり、本当に厳しい厳しい目標といいますか、ノルマを課して取り組んでいるわけであります。そして、最大限努力をして、それでもだめならばCDM等々の京都議定書のメカニズムを利用するという形に自主行動計画はなっているわけでありますけれども、日本の場合、もう、いわゆる乾いたぞうきんを本当に絞るぐらい絞っているのが日本の現状だと思うんです。
私は、努力はするんですけれども、やはり安易な、いわゆるお金で買えるという、そこのところに、汗はかくんだけれども、もうこれ以上かけない、もっとかいてほしいというふうに思うんですが、安易な形でCDMを利用するようなことがあってはいけないと思います。その辺のところをどう政府としては理解をし、指導していくのか、お尋ねしたいと思います。
○石田政府参考人 ただいまの御指摘の点でございますけれども、政府の京都議定書目標達成計画におきまして、民間事業者が自主行動計画を初めとしたみずからの目標を達成するために、みずからの負担において自主的にCDMを含む京都メカニズムを活用することについては積極的な評価がなされているところでございます。
御指摘のように、もとより、政府といたしまして、こういった京都メカニズムの活用というのは補完的なものというふうに位置づけてございます。そういう意味で、先般改定いたしました目達計画の中でも、御指摘の国内の排出削減対策、これをしっかりやるということで施策の抜本的な強化を打ち出しているところでございます。
具体的には、当省関係では、自主行動計画の推進、強化に加えまして、ただいま御審議いただいております省エネ法改正による省エネ対策の強化でありますとか、新エネの導入促進でありますとか、さらには原子力発電の着実な推進といったような対策を盛り込んでおりまして、こうした国内における対策の強化、早期実施を図ってまいりたいというふうに考えております。
○吉野委員 温暖化対策では、CO2削減の最大のものが原子力発電所だと私は思います。いかに原子力がパワーがあるかというお話を少しさせていただきます。
今、森林吸収源、京都議定書で千三百万炭素トンです。これをCO2トンに換算すれば四千七百万CO2トン。お金を、昨年は七百六十五億円の間伐対策、ことしは五百三十億の間伐対策等々、二〇一二年までかけてやっと四千七百万CO2トン削減するわけです。京都議定書で三・八%、認められております。
一方、柏崎。これは今とまっています。百十万キロ、原発一基で約五百万トンのCO2。これは全部原油換算でやった場合。そうすると、今、柏崎、約九百万弱、運転していませんので、年間四千万トンのCO2が出てくるんです。そして、何ぼ早くても二年間はこれはとまったままだと思います。八千万トンのCO2が出るんです、たった二年で。
我々、森林吸収源対策、政府を挙げて一生懸命やっても四千七百万CO2トンなんです。いかに原発というものがCO2を排出しない、削減するに当たっては物すごいパワーを持っているかという例になろうかと思います。
ポスト京都議定書で安倍総理はクールアース50を言っています。こういう中で、これから、一電気事業者に原子力発電所をつくれという形で政府が後押しするのではなく、政府が前に出て原子力発電所をどんどんつくっていく。ある意味では公設民営というところへ、なかなかいかないと思いますけれども、気持ちの上で、公設民営もするくらいの意気込みで政府がきちんと前に出て原子力発電所を推進せねばならないと思うんですけれども、大臣の見解はいかがでしょうか。
○甘利国務大臣 おっしゃいますように、最新の原発二基を標準型の火力発電所に置きかえますと、一%のCO2が削減をされるわけであります。でありますから、いかに原発のCO2削減貢献効果が高いかということは周知の事実でありますし、名立たる環境学者が、今までは原発に反対していた、しかし、地球環境を考えれば、自分としては今までの自説を転換せざるを得ない、たとえ変節者と呼ばれようともこの主張は推し進めていくという人がかなり出てきたわけであります。
原発の場合には、要するに放射能管理、放射線管理ということに最大の努力を払うということが当然前提でありますけれども、そうすればCO2は運転時はゼロでありますから、これはしっかりと推進していかなければならない。これを地球温暖化防止の国際的枠組みの中にどう位置づけていくかということが課題だというふうに思っております。
少しずつ各方面の努力が実っていって、いろいろな場面で原発の有効性というものが公式に発言をされてきています。私は、地球温暖化防止の国際的枠組みの中にきちんと位置づけていくべく政府を挙げて努力をすべきだと思いますし、いろいろ、GNEP構想その他の中で国際的な枠組みもできつつありますから、これをしっかりと推進していくということが大事だというふうに考えております。
○吉野委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○東委員長 これにて吉野正芳君の質疑は終わりました。
次に、太田和美さん。
○太田(和)委員 民主党の太田和美でございます。
本日は、私が補欠選挙で当選をさせていただいてからちょうど二年目の日となります。経済産業委員会では、本日を合わせて合計十二回の質疑の機会をいただきました。大臣を初め委員長、そして理事、委員の皆様方には深く御礼を申し上げたいと思います。
それでは、質疑に入らせていただきます。省エネ法改正案並びに揮発油等の品質確保法改正案に関しまして質問をいたします。
まず、省エネ法の改正案ですが、最初にお伺いをしたいのは、本改正案は、京都議定書の目標達成計画の中にどのように位置づけられているのでしょうか。そして、本改正案による温室効果ガスの排出削減効果をどのように見られているのでしょうか。大臣、お願いいたします。
○甘利国務大臣 日本は、目標達成計画をもとに、そしてその目標達成計画の中に経済界の自主行動計画というのが織り込まれています。私の見る限り、かなりまじめに取り組んでいる国だと思います。
さはさりながら、CO2の九〇年比、この基準年の設定の仕方が問題だということは世界じゅうで指摘されていますが、京都議定書の基準年がそうであることは今さら動かしようがないわけでありますから、そこから六%削減をするという目標に向かって、現状は、かなり厳しいのは事実であります。
日本という国はまじめな国でありますから、ギブアップをしないで何としても達成しようということに官民挙げて今取り組んでいる。その際に、現状を分析しますと、工場、事業場というのは目標に向けて相当効果が上がっている、自主行動計画の目標の達成もかなり効果は上がっていて、工場、事業所に関して言えば、九〇年比でいえばマイナスになっているわけであります。問題は、家庭、オフィス部門と言われる区分のところが三〇%、四〇%ふえてしまっている。
これを放置したまま達成することはできないということで、大きく分けて二つの取り組み。一つは、工場、事業所は頑張っているけれども、もっと頑張ってもらえないかということです。自主行動計画も、目標を達成している部門もあるんですけれども、達成していない部門もあります。ですから、達成していない部門はそれを必ず達成してもらう、京都議定書に含まれるあらゆる手段を使ってやってもらいたい。それから、達成しているところは、余力があるんでしょうから、さらに目標を積み増してくれないかということが基本です。
日本の産業界、結構、しっかりやっていないんじゃないかというような指摘もありますけれども、これは私、世界じゅうの人と当たって、日本の産業界ぐらいまじめに取り組んでいるところはないという評価なんです。よその国では、日本みたいなことはできない、産業界の自主的取り組みでこんなことはできないというのが本音なんです。それでももっと頑張ってくれというのを私は言わざるを得ないわけであります。
そこで、今まで、原油換算で一定規模以上のところに制約をかけていました。でも、小さいところが集まって、全部集めるとある程度になりますねというところは、細かく分散するとその対象にならないけれども、本部にまとめるとなるじゃないかということで、そこには、新たな努力をしてもらうということを要請するわけであります。
それから、あわせて、もう一つの部門、オフィス部門等で三割、四割ふえている、これを放置するということはできません。そこで、住宅建築物について、床面積二千平米以上ということで対象にしておりましたけれども、これを政令で、先ほどの答弁からすると、当初、私五百ぐらいかと思いましたが、三百ぐらいまで相当下げていく。ここについて、この二千平米以上という枠組みに、若干の、縛りの緩い、強いはありますけれども、参加をしてもらうということを決めたわけであります。
一般の住宅については、いわゆるトップランナー基準で、一定規模以上のものについて、断熱性能のいい、省エネ性能のいい住宅を示して、購入者もそれを買ってもらうということを進めていく。
そういう、従来から頑張っているところにもっと頑張ってもらうという仕組みを導入しまして、工場、事業所、それから住宅建築物ということの省エネを進めていくということ、ほかにも細かいところはありますけれども、それが大きな柱だというふうに承知しております。
○太田(和)委員 ありがとうございました。
二〇〇八年から一二年までの五年間の平均で、九〇年に比べ温室効果ガスの排出量を六%削減するという目標を実現するには、これまでの対策のみでは、一・七から二・八%分、量にして二千二百万トンから三千六百万トン足りない、そこで、この三月に、三千七百万トンを余分に削減する追加対策を閣議決定したということだと思います。
本改正案による削減効果は、業務部門にかかわる省エネルギー対策の強化として三百万トン、住宅建造物にかかわる省エネルギー対策の強化ということで二百万トン、合計五百万トンですから、削減効果としては、追加対策の中では、千九百万トンを見込んでいる自主行動計画の推進という項目に次ぐ大きな対策とも言えると思います。
そこでお伺いしたいのは、この三百万トン、二百万トンという削減効果をはじき出した算定根拠と申しますか考え方について、それぞれお答えください。
○望月政府参考人 お答えいたします。
省エネ法改正による工場、事業所対策としては、現行の省エネ法の工場単位による規制から企業単位に変えることによって、総合的なエネルギー管理への法体系の改正と、それから、コンビニ等の一定規模以上のフランチャイズチェーンについて、チェーン全体を一つの単位としたエネルギー管理の導入というのが柱になると思います。
新たに、こういった規制対象がエネルギー使用量ベースで現行の一割から、先ほど来御答弁申し上げております五割へ拡大すること、あるいは、省エネ法の規制対象になることで事業者のエネルギー管理が進むことなどを見込むことによりまして、追加的なCO2削減については三百万トンという試算を申し上げました。
もう少し詳しく申し上げますと、一割から五割へ拡大をし新しく指定事業者になった事業者について、これまでの第二種指定工場並みに原単位が改善する、規制に入り込むことによって新たに原単位が改善するということを見込むことによって、これまで、規制がなかったころに年平均〇・九%ずつ悪化をしていた部分が、逆転をして年平均で一・二%改善するというような積算をいたしまして、その三百万トンを算出したわけでございます。
○和泉政府参考人 引き続きまして、住宅・建築物関係でございますが、基本的な発想は同じでございます。
今回、省エネ法の改正で講じようとする措置を勘案しまして、具体的には、新築の住宅・建築物の平成十一年の新基準、最新の基準に対する適合率を推計します、その上で二〇一〇年度における基準別のストックの分布を推計する、その上でおのおのの基準に該当した住宅ごとの冷暖房エネルギーの消費を掛け合わせましてトータルを出す、こういった作業の経過でございます。その結果、特段の対策を講じない場合の数値に対して、住宅で約三百三十万キロリットル、非住宅で八百六十万キロリットル削減される。
もっと細かいことを言いますと、それをさらに冷房用と暖房用に分けまして、おのおのの熱源を電力、ガス、灯油等の燃料別に区分しまして、それの二酸化炭素の排出係数を掛け合わせると、最終的に二百万トンという数字が出てくる、こういったプロセスでこの推計をしております。
○太田(和)委員 関連してお尋ねしますが、追加対策の中の項目で、本改正案にかかわらないところも、経済産業省が所管する項目で結構ですので、削減効果とその算定根拠についてお答えください。
トップランナー機器等の対策、自動車の燃費の改善、中小企業の排出削減対策の推進、新エネルギー対策の推進の四項目についてお願いいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。
トップランナー機器などの対策としては、これまでに実施している地デジ対応DVDレコーダーの対象機器への追加とか、あるいは、電気便座、自動販売機の基準の見直しなどに加えまして、今後予定している蛍光灯器具など、業務用エアコンの目標基準の強化によりまして、約二百万トンの追加的なCO2対策、削減を見込んでおります。
また、自動車の燃費の改善としては、乗用車などについては二〇一五年度を目標とする新しい燃費基準を導入いたしまして、それからトラック、バスなどの重量車については二〇一五年度を目標とする燃費基準を世界で初めて導入したというようなことをあわせまして三百五十万トンの追加的なCO2削減を見込んでおります。
さらに、中小企業の排出削減対策の推進といたしまして、大企業の資金、技術によりまして中小企業が排出を削減した場合に、当該大企業はその削減量をみずからの削減分として自主行動計画などに反映させる仕組みというものを始めますが、国内クレジット制度の導入をいたしますが、二〇一〇年度において、これによって百八十万トンの追加的なCO2削減を見込んでおります。
それから、新エネルギー対策につきましては、バイオ燃料の導入促進税制あるいは今回の揮発油品質確保に関する法律の一部改正法案などの制度整備による支援強化、それからRPS法の着実な実施、地域における新エネルギー導入の取り組み支援の強化などによりまして、新エネルギー対策分につきまして約百三十万トンのCO2の削減効果を見込んでおるということでございます。
○太田(和)委員 今の御説明を聞いていても、それぞれの施策と削減効果の因果関係について余り納得はできません。
中小企業の排出削減対策といっても、夏をめどに制度を詰めるという話を伺っているんですが、もう既に百七十万トンをカウントしております。私はこれは、腰だめの数字ではないのか、つじつま合わせの数字ではないか、あるいは期待値にすぎないのではないかといった懸念をどうしてもぬぐうことができません。
もう一度国交省にお尋ねをいたします。
役所の御説明ですと、二百万トンを削減できる根拠としていろいろ難しい計算式を言われまして、正直余りよくわからなかったのですが、一つわかりましたのは、新築において平成十一年の省エネ基準に適合している率、これは大体三〇%程度と聞いていますが、二〇一〇年、つまり再来年にはこの適合率を三〇%から六六%に上げる、そういう前提で二百万トン削減できるのだという計算をしていると聞いております。
しかし、国交省が規制できるのは二千平米以上の大規模住宅・建築物、それに加えて今回の改正案で三百平米以上のアパートなども届け出の対象になります。そして、大手のハウスメーカーなどが建てる住宅についても、事業者に省エネ性能の向上を促す措置を導入することになります。しかし、個人の注文住宅や地場の小規模な工務店の建てる住宅については、現行法と同じ努力義務にとどまっています。ここのボリュームが実はかなり重いのではないかというふうに私は思っております。
適合率を三〇%から六六%に上げたいという気持ちはよく理解できますが、これだけの政策ツールしかなくて果たして実現可能な数字なのでしょうか、お答えください。
○和泉政府参考人 委員御指摘のように、確かに推計のプロセスの式が難しくて、なかなかよく説明しにくいんですが、まず一点言えることは、今回、特定住宅、従来の特定建築物ですね、二千平米以上、これについては、指示、公表に加えて命令を導入しますので、これは多分一〇〇%いくんじゃないか。
先ほどの答弁で、全体として現行の特定建築物は八〇%の達成率と話をしたんですが、内訳を見ますると、住宅については平成十八年度から届け出義務が課されたんです。そのプロセスの中で、非住宅については十五年度から届け出義務が課されておりまして、非住宅の経緯を見ると、平成十五年度、達成率は七三%だったのが、十八年度は九六まで上がっているんですね。一方、十八年度から届け出義務が課された住宅の成績を見ると、まだ四六%と極めて低いんです。
これは、非住宅の経緯を見れば、こういった届け出義務を課すこと自体が極めて大きな効果がありますので、まずは勧告レベルの三百平米以上についても、この非住宅の経緯を見れば、届け出義務を課すことによって大幅な適合率引き上げがあるでしょうし、二千平米以上については罰則まで入りますので、ほぼ一〇〇%いくんじゃないか、こう思っているのが一点でございます。
もう一点は、先ほど大臣も触れられましたが、住宅版トップランナー方式、こういったものを導入しまして、特に、年間、相当数供給する事業者については、さらに超えた基準を努力してもらう。よく見ると、建て売り分譲業者というのは、その中に多くのハウスメーカーを含みますので、そういったトップランナー方式に仮にかからなくても、そのトップランナー方式の中で該当する建て売り分譲を行うハウスメーカー等は、その余の住宅供給においてもそういった最新レベルの住宅を供給していくことが期待できる、これが二点目でございます。
三点目は、今回の改正の中で、住宅の設計、施工を行う方、個々の施主さんが工務店に頼む、こういったケースもございますので、そういったものに対することを考えまして、設計、施工者に対する指導、助言というようなことも考えてございますし、また、住宅金融支援機構の証券化支援業務の中で、いわゆる最新基準をクリアしておれば当初五年間〇・三%金利を下げる、こんな仕組みを導入してございます。
いろいろ申し上げましたが、そういった仕組みの中で、何とか、今委員御指摘の、住宅で百万トンでございますが、この目標を着実に達成するように最善の努力をしてまいりたい、こう考えております。
○太田(和)委員 なぜ私がこの根拠にこだわっているかといいますと、今回の改正案によって、これまで規制の対象になっていなかった多くの事業者が新たに対象になってきます。その中には当然経営が苦しい中小企業も含まれるわけですし、京都議定書の約束は当然達成されなければいけない。そのために中小企業の方々にも努力してもらうわけです。
中小を含めて、産業界や国民としては法律に従ってやるべきことをやった、しかし、もし結果として日本が約束した削減量には達しませんでしたというようなことになったら、せっかく頑張ってもらった中小企業、国民に対して申し開きが立たないのではないかと思っているからです。政府は、決めたとおりにやったのに、目標は達成できず、海外から批判されてばかりじゃないかということになったらだめだというふうに申し上げているわけです。政府としてこの数字に責任を持っていただきたいと思っています。
省エネ法の改正によって、確実に合計五百万トンは削減できる。これは誤差が出るのは仕方がないとしても、そこまでは私も申しませんが、限りなく五百万トンに近いCO2が削減できる、そして、ほかの対策もここに書いてあるような削減効果が出る、それぞれがやることをやれば必ず日本の約束は達成できる、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。大臣からお願いいたします。
○甘利国務大臣 ISOの9000とかISOの14000というのがあります。ISOの9000というのは技術基準で、14000というのは環境基準ですが、実は、企業側がこれを負担として当初はとらえていたのかもしれませんが、セールストーク、売りなんですね。うちの企業はこれだけのことができていますということが、消費者に対する購買の選定基準になりつつある世の中だと思うんです。
住宅のトップランナーも、実利として暖房費がこれだけ削減できますよというのと一緒に、あなたも地球環境改善に貢献してみませんかというような、そういうアピールもどんどんすべきだと思うんです。だれしも、ほんの少しの努力で自分も地球環境をよくしているんだということに参加しているというのは、これは喜びというか充実感につながっていくし、また、そういう国民運動を起こさなきゃいけないと思うんですね。ですから、ほんの少しでいいですから、みんな参加しましょうよという環境にしていく必要があるかと私は思うんです。
質問に戻りますけれども、追加対策が必要です。このままでは、京都議定書、マイナス六パーが、ほっておけば達成できません。大体、九〇年から比べてふえているわけですから、ふえている分を削って、さらに削っていくわけです。
ですから、自主的な取り組みもやってもらうし、法的な制約もやるし、つまり、誘導策も規制も、あるいは国民運動も全部あわせて取り組んでいかなきゃならないというふうに思っております。
先ほど来の説明によりまして、的確な法の執行等によって、工場、事業所対策、それから住宅・建築物対策、これについて二〇一〇年において約五百万トン、これは追加削減の実現に努めるということであります。
先月、平成二十年三月でありますけれども、この時点で改定をされました京都議定書目標達成計画では、こういう省エネ法に加えて、申し上げましたような自主行動計画の推進、強化、中小企業の排出削減対策の推進等々、すべての運動と政策を投入しまして、京都議定書の九〇年比六%削減目標は達成し得るという見通しを示しているわけであります。
進捗状況については、適宜適切、点検をしながら、日本がきちんと約束を果たしたということを世界に宣言できるようにしたいと思っております。
○太田(和)委員 ありがとうございました。
国民運動も大切だという大臣のお話のように、中小企業の人たちもみんなで一緒に頑張っていきますので、ぜひとも、この算定根拠に基づいてやっていけばしっかりと日本はその目標に達成できるというふうにしていっていただきたいなというふうに思っております。
次に、省エネ法の実施体制、実施状況についてお尋ねをいたします。
これまでは、経産省の方では、第一種エネルギー管理指定工場、第二種エネルギー管理指定工場を対象に、エネルギー管理者、エネルギー管理員の選任届や定期報告書を提出させてチェックをしてきました。
第一種指定工場については、中長期計画も提出することになっています。定期報告書では、年間一%のエネルギー原単位の向上を求め、数値が悪化している場合は合理化計画をつくってくださいという指示を出して、指示に従わない場合は公表したり措置命令を出す、また命令に従わない場合は罰金となるわけですが、これまで、第一種、第二種の指定工場は合わせて幾つあったのか、何件の定期報告書をチェックし、何件の指導や指示をしたのか、また公表や命令、立入調査の件数もお答えしていただきたいと思います。そして、これらの執行にかかわる人員の体制はどのぐらいで当たっているのでしょうか。
そして、国土交通省が所管する大規模住宅の省エネについても、届け出の件数、指導や指示の件数、公表の件数について同様にお答えください。執行体制については、これは県庁や市役所の職員さんということになりますが、わかる範囲でお答えしていただければと思います。
○上田政府参考人 お答えを申し上げます。
私ども、省エネ法に基づいて指定されていますエネルギーの管理指定工場、事業場の件数でございますが、平成二十年三月末現在の数字で、第一種が七千六百四十、第二種が六千四百七十六、合計で一万四千百十六工場となっております。
定期報告の件数でございますが、省エネ法に基づきましてその提出が義務づけられておりますので、これらすべてのエネルギーの管理指定工場から提出を受けているということになっております。
それから、執行面でございますけれども、判断基準の遵守状況を確認するということのために、私ども、工場の総点検、これはアンケートを行ったり現地に立ち入ったり、そういうことでございますが、これを大体年間五百件ぐらい、過去三年間で一千六百五十の総点検というのを行いました。さらに、そういったものを通じまして、判断基準の遵守状況が不十分である工場に対しましては、過去三年間で二千六百五十八件の指導をいたしました。そのうち、さらに六十四件の立入検査を実施してきたところでございます。
委員御指摘のとおり、こういった対策でもなお不十分であると認められる場合には、合理化計画の作成等の指示、公表、さらには命令ということをできることとなっておりますが、事業者に対する改善指導を随時行っているということから、これまでのところ、こういった指示、公表、命令、この実績はございません。
それから、人員、体制でございますけれども、私ども本省に省エネルギー対策課というのがございます。それから、地方経済産業局の担当職員と合わせて約百名の体制で、この省エネ法の執行に努めておりますが、さらに、この執行面に着目した体制の強化のために、平成十七年七月に、省エネルギー対策課の中に新たに省エネルギー対策業務室というのを設けさせていただきました。こういう執行体制で現在運用を行っているところでございます。
○和泉政府参考人 住宅、建築合わせました届け出件数でございますが、十八年度に八千四百八十二件でございました。このうち指示件数が百八十四件、公表まで至った件数はゼロでございます。
執行体制でございますが、省エネだけという選別はできないものですから、建築基準行政等を含めたトータルの建築行政職員でお答えさせていただきますが、十八年度末の段階で、所管行政庁、これは都道府県と建築行政を行った市町村、合計四百三十一行政庁で、その建築行政職員は七千八百十人となっております。
○太田(和)委員 同様に、資源エネルギー庁と国交省にお尋ねをしたいんですが、今回の改正案によって規制の対象が大幅にふえるわけですが、どのぐらいの事務量がふえると見込んでいるのでしょうか。執行体制は、エネルギー庁ですと、十七年の七月に新たに執行体制を組んだという話もございましたが、そういった現状の体制で、国交省も含めて十分と考えているのでしょうか。お答えをください。
○新藤副大臣 今回の改正で、指定対象になる事業者がふえるわけですね。一方で、今度、工場単位から事業者単位になりますので逆に集約される部分もあるわけです。そうなりますと、指定件数が結果的には現行法のエネルギー管理指定工場と大体同数程度になるだろうということで、約一万四千事業者になる、こういうふうに我々は考えております。
そういう中で、これまで規制対象でなかった業務部門の事業者が多く対象になりますから、当然そこで新しい事務が発生する、ふなれな方がいるということで、ここの部分で事務量がふえるというふうに思っております。
それから、今までは工場ごとに届け出をしていたわけですね。それが今度は本社単位で届け出をすることになります。したがって、本社の事務部門にそういう新たな業務がふえるということ、それから、そういう意味での執行体制を各事業者ごとに見直さなければいけないだろう、このように思っています。
それから、私どもの事務といたしましても、今までは工場のある地方経産局に提出していた。しかし、今度は本社のある経産局に報告が提出されることになりますから、そうすると、例えば本社機能の多く集まっている地域の経産局の仕事はふえていく。そうすると、そういうところの体制も見直さなければいけないんじゃないか、こういうふうに思っています。
そういう中で、この省エネ法の執行業務を補完する指定工場の現地調査、工場総点検、それから、十七年度から登録調査機関による、民間委託による確認調査、こういったものができるようになっておりまして、民間機関の一層の活用を図りつつ全体の事務を、体制を必要なものに整備していきたい、このように思っております。
○和泉政府参考人 委員御指摘のとおり、三百平米に下げることによって、現行、先ほどカバー率、達成率で御説明した八千五百件が、大体五万五千件から六万件ぐらいにふえるんじゃないか、こう踏んでおります。
では、こういったものに対して対応できるのかということでございますが、まず一点目は、今回新たに導入する二千平米以下から三百平米まで、こういったものについては中小事業者の負担も考えまして届け出内容はかなり簡素化したい、一々個別に計算するんじゃなくて、ポイント法と言っていますが、かなり簡便に評価できるような形にしたい、これが一点目でございます。
あと、二点目は、今もありましたが、現在は維持保全状況の定期報告、これはすべて所管行政庁に報告されております。それを今回新たに法改正で登録建築物調査機関、ある意味でアウトソーシングでございますが、そういった制度をつくっていただきまして、こういった調査機関でのチェックを可能にする、このことによって所轄行政庁の負担を減らしたい、こう考えております。
三点目でございますが、先ほど七千八百十人という話をしました。これは、建築基準行政を含むすべての建築関係行政でございますが、ちょっと古い話になりますけれども、平成十一年に建築基準法の改正があって、民間の確認検査機関、こういった制度ができまして、現在、建築確認に係るいわゆる特定行政庁の種々の負担というのは、当初、そのころに比べまして三分の一ぐらいに落ちております。そのころはそういった建築基準行政について民間の確認検査機関に負担をしてもらうかわりに、今ここで議論になっておりますような省エネ対策とかバリアフリー対策、そういった本来公共団体でないとできない、こういった行政に重点を移していく、そういった公共団体における行政の重点の移動、こういったことも含めましてきちんと対応してまいりたい、こう考えております。
○太田(和)委員 副大臣、御答弁ありがとうございました。
今の御答弁ですが、私はまだ少し不安に思うところがあります。確かに届け出が工場単位から企業単位に変わることによりこの部分は事務量が減るんでしょうが、業務部門で規制対象のカバー率が一割から五割にふえるわけですから、本当に大丈夫なのかなという疑問がまだあります。
また、住宅の方も、現在年間八千件の届け出が五万件から六万件にふえるという御答弁でしたが、現状より確実に仕事はふえます。受理してチェックして指導するのは自治体ですから、自治体も不安なのではないかというふうに思っております。建築基準法改正の混乱と同じような混乱が生じなければいいなというふうに思っております。
制度を改正しただけでよしとするのではなく、それを担保するしっかりとした実施体制を構築しないと、ざる法になってしまうのではないか。その懸念だけ御指摘させていただき、次の質問に移ります。
中小企業の省エネ対策についてお尋ねをいたします。
省エネ法は、企業規模の大きさではなくエネルギーの使用量において規制しているので、中小企業でどのぐらいの省エネが進んでいるのかについてはなかなか判断しにくい面がありますが、私は、中小企業の省エネの取り組みがまだまだかなりおくれているのではないかと思っております。
製造業はまだいい方なのかもしれませんが、特に業務部門と申しますかサービス産業、この分野での取り組みが進んでいないと思うのです。きちんとした統計がないため難しいのですが、製造業、卸売業、小売業という最もエネルギー消費が多い三業種に限っても、日本全体の排出量の一五%を占める。ほかの業種も含めると中小企業で日本のCO2排出量の二〇%以上となり、家庭部門の二一%とほぼ同等であるという指摘もございます。
私は、この中小企業分野はまだまだ削減余地が大きいと思いますし、これからの省エネのフロンティアにもなり得るのではないかなと考えております。
なぜ中小企業で省エネが進んでいないのか、大臣は、中小企業の省エネの取り組みの現状についてどのような認識をお持ちでしょうか。そして、そうした現状に対してどのような施策を行っているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○甘利国務大臣 中小企業は省エネのフロンティアという御指摘、まさにそのとおりだと思います。ぎりぎり省エネを進めていくところについては余力がそう多くないですけれども、これから本格的に取り組むというところは余力がある、ポテンシャルがあるということで、その対象として有望だと思います。
まず、なぜ中小企業の省エネの努力が、比較論でありますけれども、大企業に比べて進んでいないかということについては、中小企業における省エネ診断がきちんと徹底的にはなされていないということがまずあるかと思っております。
そこで、この中小企業、個々の機器を省エネ性能のいいものに努力をしていく、あわせて丸ごと省エネといいますか、最近ESCO事業というのがはやりになっていますけれども、ビルマネジメントを含めて全体の省エネポテンシャルをしっかりはかって、この処方せんを描いていくということですね。これも積極的に支援を開始するということになっております。
もちろん、冒頭申し上げました個々の機器、高効率工業炉等の省エネ設備導入、これに対する補助を中小企業に重点化をしていく等々、削減ポテンシャルの高い中小企業分野にしっかりと施策を投入していこうというふうに思っております。
それから、今般の省エネ法改正案においては、共同省エネ事業というのも取り込みました。例えば、大企業が技術それから資金を提供しまして中小企業の省エネを支援するという取り組み、これが使いやすくなるということを考えております。こういう取り組みについては、国内クレジット制度として自主行動計画の目標達成への活用等も含めまして、今後速やかに制度の構築を図っていきたいと思っております。
よその国のCDMで減らすのもいいけれども、国内CDMというか、中小企業のCO2削減努力に大企業が協力をして、それを削減カウントしていくということは、より日本の目標達成に資するではないかという御指摘もいただいておりますので、そういう点もあわせて中小企業の省エネにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○太田(和)委員 ありがとうございました。
省エネについては、中小企業の意識が薄いというふうに思います。知らないというようなこと、これは本当に大きいと思います。省エネの大切さが言われ始めたのはオイルショックのときからですから、もう四十年近くがたつのに、意識がまだまだ低い。一体、中小企業に対してどのような広報、啓発を行っているのでしょうか、商工会議所また商工会に対してどのように働きかけているのか、お願いいたします。
○望月政府参考人 お答えいたします。
省エネ分野というのは、エネルギー政策上も非常に重要な分野でございますけれども、これからの中小企業政策におきましても、新たな中小企業政策の分野としては大変大きいものがあると思います。
先ほど来御答弁を申し上げている中でも、省エネルギー政策というものは、今回の国全体の大目標である地球環境問題への貢献ということはもちろんございますけれども、個々の事業者にとって、これだけエネルギー価格が高くなってまいりますと、本来の競争力のもとでもあるわけでございます。したがって、中小企業施策の中で、経営診断等々するときに、エネルギー利用についての内容を含めて、新しい経営診断としては抜きには考えられないということだと思います。
したがいまして、これまでの、委員御指摘の商工会とか商工会議所等々の中小企業関連の経営指導手法も十二分に活用しながら、例えば国の関与している中小企業大学校の中小企業向けの支援策などなど、ありとあらゆる中小企業施策の中で、省エネルギー分野も含めた経営指導というものをやっていくということが、これがまたエネルギー政策上の啓蒙、普及啓発につながっていくものというふうに考えておりますので、今年度以降、大いに強化されていくものと考えております。
〔委員長退席、梶山委員長代理着席〕
○太田(和)委員 私は、省エネはもうかりますよという線でアピールするのが中小企業には一番いいと思っております。それが一番訴求力があると思っています。
その意味で言えば、先ほど取り組みの一例として挙げられましたESCO事業は一番わかりやすいのではないかと思っています。いろいろな形のESCOビジネスがあるようですが、省エネで浮いた経費の一部を利益にするESCO事業者はまだ二十数社しかないと聞いています。もっともっとふえていいビジネスだろうと思います。中小企業のニーズが大きくなっていけば発展するのだろうと思っています。
二十年度予算で中小企業のESCO導入支援制度が創設されたのは少し遅いという気はしますが、これはこれで非常にいいことだというふうに思っております。
問題は予算規模だと思います。省エネ診断事業と合わせて十一億円ですから、省エネ事業支援補助金の二百九十六億円と比べてもいかに少ないかと思います。もちろん、補助金の方も少ないと思っています。予算が足りないから、実際には申し込みの半分ぐらいしか補助金がおりないという状態、さらに、これまでやってきた省エネ診断も、お金がないので、枠がいっぱいになったら広告宣伝活動を抑えてきたというふうに聞いております。
私は、中小企業における省エネの普及というものは、政府がお金を惜しんだことによってかなり芽を摘まれた面もあるのではないかというふうに考えてしまう面もあります。ESCOもこんな扱いになったのでは、せっかくの芽をつぶしかねません。道路財源が一般財源化されるなら、大臣にはぜひ、そこからESCO事業や省エネの方に予算をとってきていただきたいというふうに思っています。
省エネ関連予算について、これはぜひ大臣の決意を伺わせてください。これは、今後どんとふやしていくのでしょうか。
○甘利国務大臣 何年か前に、私は、企業の経営改善を提案する事業者の話を聞いたことがあります。その事業者は、事業対象として最もおもしろくないのはトヨタだと言っていました。なぜかというと、完璧にいろいろな努力がなされているから、改善提案をする余地がほとんどないと。一番おいしい事業は何ですかと言ったら、赤字企業ですと言われました。つまり、赤字というのは、いろいろな無駄があるから赤字なんで、我々が提案をすればその余地がうんとあるんですということを言われました。
この省エネ、トータル省エネを提案する事業というかESCO事業も取り組んでいないところほどうまみがあるんだと思います。これは、事業者としてもうまみがあるし、受ける方としてもその分だけエネルギー料金を払わなくて済むわけであります。もちろん、その結果、ESCO事業者に何%かのフィーを払うのでしょうけれども、それを払ったってうんともうかるわけでありますから、これは、中小企業はまだ未開の地といったら怒られてしまいますけれども、余地がある地に取り組むというのは大いにやるべきだというふうに思っております。
それを誘導していくために、予算措置はどうあるのかという御質問だと思います。
もともと、省エネは、規制措置以外に支援措置というのが大事であるということは言うまでもありません。経産省は、従来から、支援でいいますと、例えば高性能工業炉とか高効率給湯器、いわゆるヒートポンプ、この種の先進的な省エネ技術を利用した設備の導入促進のための補助金というのは支援を講じています。
ヒートポンプでいいますと、石油価格の高騰で、他省所管ですけれども、農水省の事業者で、温室を使っていろいろな花卉栽培等をしているところが、もう重油をたくのにとても耐えられませんと。いっそのこと、ヒートポンプをやられたらどうですかという提案をしました。つまり、電力というのは価格がそんなにフラクチュエートしませんから。そうしましたら、一挙にこれが進んだという経験がありました。
これは、CO2削減効果も相当あると思うんですけれども、そういったヒートポンプに関する導入、それから、今年度から、先ほど来話題になっておりますESCO事業、つまり事業者に対する省エネ診断事業を活用して、中小企業のESCO活用を支援する、このための補助制度というのを創設いたしました。
それで、平成二十年度の省エネルギー対策予算につきましては、金額は千三百二十一億円であります。こんな程度かという御指摘を受けるかもしれませんが、これは財政状況が厳しい中で増額をしました。増額するというのも本当は結構大変なのでございまして、もっともっと次代を担う政策に予算をシフトしていかなきゃいけない、役割を終わった予算は絞り込むという作業はもっと必要だと思います。我が省としてはそういう対策に取り組んでおりますし、ぜひ御支援もいただきたいと思います。
○太田(和)委員 ありがとうございました。
増額するのは本当に大変だと思いますが、ぜひとも中小企業の皆様のためにも、大臣にも頑張っていただきたいなというふうに思っております。
時間が少なくなってきましたので、品確法についても幾つか質問をさせていただきたいと思います。
政府は、バイオマス由来の燃料の利用について、三月に決定された京都議定書の目標達成計画において、「食料との競合、安定供給上の課題、経済性等への対応を図る」という留保をつけた上で、普及を促進するとしています。その上で、二〇一〇年度において、原油換算五十万キロリットルの燃料用のバイオマスの利用を見込んでいます。
私は、バイオ燃料はカーボンニュートラルですから、積極的に取り組むべきだとは思いますが、それは、例えば、休耕地を利用した国産農産物が原料の地産地消の取り組みだとか、てんぷら油の廃油を利用した取り組みだとか、今のところ地域活性化とリンクするものを中心に考えるべきではないか。例えば、ブラジルの森林を切り開いてサトウキビの畑を大量につくり、そこでできたバイオエタノールをタンカーで大量に輸入するようなあり方は、幾らカーボンニュートラルとはいっても、私は非常に疑問を感じています。
そこでお尋ねしたいのは、第一に、政府はバイオ燃料をどのように位置づけているのか、まず政府の考え方。
そして第二に、バイオエタノールの生産、これは海外で森を切り開いて食料をつくり、その過程で水や肥料を大量に使うわけですから、さらにそこからエタノールをつくり、タンカーで日本に運んでくるこのライフサイクルの中でCO2がどれだけ出るのか。同じ量の原油を運んできて燃やすよりかはましと言えるのかもしれませんが、ライフサイクルの中でトータルにどの程度のCO2を出すのか、この評価は進んでいるのでしょうか。
そして第三に、目標達成計画では、食料と競合しない稲わら等のセルロースを原料とした技術の確立が課題に挙げられていますが、この技術は現段階でどこまで進んで、いつごろ実用化される見込みなのか、そうなった場合の国産バイオ燃料の供給量とコストの見込み。
以上、三点についてお答えください。
〔梶山委員長代理退席、委員長着席〕
○望月政府参考人 なかなか幅広いお尋ねで、十分カバーしているかどうかあれでございますけれども、バイオ燃料の導入については、御指摘のように、さまざまなメリット、デメリットがあると私どもも思っております。
メリットはもちろん、京都議定書上の我が国の約束を果たす上での効果が期待されるということのみならず、エネルギー源の多様化というエネルギー政策上の観点からも意義のあるものだと思っております。また、特にそれを国産バイオ燃料でやるということになれば、地域活性化にも資するということから期待をされているわけでございます。
他方、バイオ燃料については、正直申し上げて、現時点では、供給安定性とかあるいは経済性などの課題というものも十分考えなきゃいけない段階にあると思っておりまして、加えて、昨今、特に強く指摘されている食料との競合や、御指摘の環境、生態系への影響などについても十分配慮していく必要があるというような、さまざまな観点からの検討がまだまだ必要であるということは正直なところではないかと思っておりますので、その点につきまして、輸入、国産、それぞれについて幅広く検討をしながら、段階的な導入を図っていくということが基本姿勢としては必要ではないかと思っております。
それから、特に、御指摘の中で、カーボンニュートラルというものについて、その導入に当たって、実際は輸送などについても深く考えれば、ライフサイクル全体で評価をしていく必要があるだろうということもおっしゃるとおりでございます。
私どもの総合資源エネルギー調査会における試算におきましても、そういった点について、なかなかこれは計算は簡単ではないんですけれども、考慮しながら検討をしてまいりました。例えば、今最も供給余力のあると言われているブラジル産のエタノールにつきましても、そういった計算の結果では、サトウキビの生産に要するエネルギーというのが逆に非常に少ないものでございますので、相当程度のCO2の削減効果が輸入によって我が国にもたらされたとしてもあるというふうに計算をしております。
一例だけちょっと申し上げますと、E3の場合、直接混入の三%でやった場合には、通常のガソリンと比べて一・五%のCO2の削減効果がある。あるいはETBE七%、これは七%ですから、少し大きい数字を計算しているわけでございますけれども、一・九%のCO2の削減効果があるということで、いずれにしても、まぜる分がまだ三%、あるいは全体としてバイオ換算三%内外の計算でやっておりますから、数値としては、非常に小さい数値ではございますけれどもプラスの数値であるということは間違いがないということでございます。
それから、食料と競合しないセルロース系のバイオエタノールの製造についての検討状況でございますけれども、先ほど来ちょっと申し上げております、農林水産省と連携して、産官学の専門家によってつくりましたバイオ燃料技術革新計画という取りまとめの中で試算を幾つかしております。
一つは、林地残材や稲わらなど国内に多く存在するもので、かつその多くが未利用である既存のバイオマスを原料とするケースの場合と、さらなるコスト低下が期待される資源作物を新たに生産するケースの場合と、二つのケースについて検討を行いまして、それぞれ一リットル当たり、先ほどの既存バイオマスでいえば百円、あるいは新たな資源作物を活用してやる場合には四十円というものを目標として開発をしようという、現時点ではもちろんそんな価格ではありませんけれども、そういうものをターゲットとして開発をするということをねらった計画をつくっているところでございます。
○太田(和)委員 もう一度お尋ねしたいんですが、結局、二〇一〇年にバイオエタノールを五十万キロリットル、海外から輸入することになるんでしょうか。
○望月政府参考人 国産のバイオエタノールの二〇一〇年における生産状況にももちろんよりますけれども、現時点で、五十万キロに比べればはるかに小さい量の計画しか、実現予想が少ないわけでございますので、その多くは輸入バイオエタノールによるというのが現実的な問題ではないかと思います。ただ、それは個々のこれから各地域ごとに行われているさまざまな努力がどれぐらい実現してくるかによるわけでございますので、そういった輸入、国産で分けて幾らというような試算を必ずしも正確にしているわけではございませんが、主力は輸入ではないかと思っております。
○太田(和)委員 海外からの大量輸入については、やはり疑問を感じております。
きょうは、もう時間もございませんので、この後の同僚議員の質問に期待することといたしまして、時間でありますので、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○東委員長 これにて太田和美さんの質疑は終了いたしました。
次に、近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。
本日は、省エネ法の改正案について質問をいたします。質問の機会をいただきまして、委員長、理事の皆様、ありがとうございます。
法案の質疑に入る前に、エネルギー価格、特に最近の、ここ二年来の原油価格の高騰についてお伺いしたいと思います。
委員長のお許しを得て資料を配付させていただいておりますけれども、資料の二枚目をごらんいただければと思います。
WTIの原油先物価格の推移をグラフで示したものでありますが、ごらんいただきますとおり、この約二年間でほぼ倍に先物価格が上昇、まさに急騰しておるわけであります。四月十七日には、一バレル百十七ドルを超える水準になっておるわけであります。
大臣、昨日まで国際エネルギーフォーラムに御出席をされ、御帰国をされたと伺っております。大変御苦労さまでございました。この会議で大臣は演説をされて、報道によりますと、産油国に対して、価格安定の即効薬を見つけるのは難しいが、産油国は需要動向に機敏に反応して増産する用意がある姿勢を明確にすべきだ、こういった趣旨の御発言をされ、産油国に対して求めた、こういうことが報道されております。
まさに、こういったトレンドを見ると、原油価格の安定、適正化に対しての即効薬がないということは私も承知をしておりますけれども、大臣、この会議に出席をされて、産油国とのいわゆる協調路線がしっかりとしかれたとお考えかどうか。また、産油国と消費国、この会議は大変多くの国々が参加しておるわけですけれども、国際的な問題にもなっている原油価格の安定について、国際協調の枠組みがしかれたという何らかの手がかりは得られたとお思いですか。
○甘利国務大臣 私は、この原油価格の異常高騰、直近では百十九ドルぐらいになっていると思います。百ドルを超えたら大変だと言われたのがついこの間だったはずですけれども、もう百二十ドルにも届こうとしているわけであります。このことに物すごく危機感を持ちまして、サウジとまずバイ会談を行いました。実は、IEFが行われる前にサウジと会談したのは私だけだったものでありますから、IEFが始まりましたら、各国のカメラがずっと私のところに来たわけであります。
そこで、実需価格を超えている、私は少なくとも四十ドルは超えているんじゃないかと、それが世界経済にダメージを与える、特に考えてもらいたいのは、我々はともかく、資源のない途上国はもうついていけないぞ、結局ゼロサムゲームでひとり勝ちをするなんということはいずれできなくなりますよ、産油国の繁栄というのは世界経済が堅調に推移するということが前提なんだから、それをよく認識してほしいということを相当強く言いました。これは石油大臣、石油副大臣それからサウジアラムコの社長、全員そろって、初めてでありますけれども、私と全員そろって対談をしました。
そのときに彼らは、現状の需給を見てくれ、ショートしているか、していないじゃないか、しかも、アメリカのリファイナリーがちょっともたついている、つまり、ガソリンの製品化がおくれている分だけ原油は逆に積み増しちゃっているじゃないか、これは自分たちというよりも、ファンド、金融の行動の責任だ、我々はやるべきことはやっているという話を彼らがしました。
そこで、なぜファンドがそういう行動をとるかということも分析してほしい、それは、今はともかく、将来タイトになるということを見越して先物に走っているのではないか、その先物の価格が現物取引を誘導しているということをしっかり考えてくれという話をしましたら、彼らは、今も供給には我々は責任を持っている、将来も、本当にショートするならちゃんと増産をして、やるという回答を私にしました。そのために、幾ら幾ら、上流、下流にもちゃんと投資計画が五年間であるんだ、五年間で九百億ドル投資する計画もあるということを発表しました。だったら、あなた方は、この会議を通じてそれを市場に向けて発表せよ、それが金融の、ファンドの冷静な行動を促すんじゃないかという話を私はしたわけであります。
その話は、例えばイラク、余り具体的に国名を挙げて何を言ったかというのは言っちゃいけないんだと思いますけれども、ほかの産油国にも同じ話をしました。そうしたら、彼らも、投資計画はこうあって、増産計画はこうありますという話を私にしてきました。だから、それを私にだけするんじゃなくて、会議としてマーケットに発信せよということを言ったわけであります。
そこで、議長総括の中に、利用可能な資源を市場に供給するため、石油とガス分野への適切かつ時宜を得た投資を早急にふやすことが必要であるということは盛り込まれました。
それから、私が申し上げたのは、その前提として、幾ら足りないのか、幾ら必要で伸びていくのか、明確な統計がないということが先物に資金を駆り立てる。明確に、これくらいの需給見通しがあって、正確な数字ですね、それに対して供給はこれだけの増産計画があるという両方の数字がぴしっと出ていれば、投機的な動きというのはクールダウンするはずなんですね。
そこで私が申し上げたことが、議長総括にも載っているんですが、供給面では、エネルギー市場の透明性の向上、より安定的な法規制の枠組み、より予測可能なエネルギー政策が、エネルギー投資とその収益性に悪影響を及ぼす不確実性と不当な政治的影響を減少させることである。ここは、エネルギー市場の透明性の向上という中に、需給見通しを正確に把握して公表できるようにするという項目も、意味合いとして全部入っているわけであります。
一番いいのは、すぐ増産をしますというメッセージが出ればベストだったと私は思います。ただ、彼らも、市場に対するメッセージの発信が、暴落をするということに対する恐怖感が産油国に共通してあります。だから、少しずつ適正なレベルに下がってくるということについて反対するものではないと思うんですけれども、メッセージの発し方によってはいきなり油価が暴落をしてひどい目に遭う。そういう経験を彼らは持っているということを言うんですね。九七年の金融危機のときがそうだったということをよく引き合いに出すんですけれども。
ですから、同じ意識はある程度共有していると思うんです。この油価で世界がもつかもたないかといったら、もたないに決まっているのでありますから。ただ、リーズナブルなところに少しずつ落ちついていくという方法は何かということについて、もっと詰める必要があるんだと思います。
○近藤(洋)委員 大臣、バイの話し合い、二国間の話し合いも大変積極的に行われて、御答弁を伺いますと、消費国側を代表して大臣もさまざま動かれて、産油国と一定の認識は共有できたんだろうという御成果でありました。
大臣が御答弁されたとおり、この原油の市場というのは、供給側と需要側、この二つのプレーヤーだけじゃなくて、もう一つここにファンドというか国際資金がある。これが大変複雑にしておるわけですね。私も、実勢価格、この先物価格が、どう見てもやはり実需の三十ドル、四十ドル程度高いのではないかという感覚を持つわけですけれども、そこは明らかにファンドなり世界の資金の流れということがあろうかと思います。
その意味で、メッセージを出されるということは大変意味のあることだ、こう認めさせていただいた上で、この委員会でも何度か、ここは指摘だけにさせていただきますけれども、一方で、国際的な金融市場、原油先物も広い意味で金融市場と化してしまっているわけですから、これに対して何らかの規制をかける手だてというのは本当にないものなのかどうか。これは穀物も同様であります。こういったものに対して真剣にやはりそろそろ、こういった増産のメッセージ等も、これはこれで立派なことだと思いますけれども、非常に効果があると思いますが、合わせわざで、検討するということも、検討し始めるというメッセージだけでも資金は逃げていくんじゃないか、こうも思いますので、御検討いただきたいということだけ申し上げたいと思います。
そういう流れの中で、やはり中期の見通しとなると、原油価格が大幅にどんと二十ドル、三十ドル下がるということはなかなか、例えば一年なり二年の中でいくとちょっと見通しにくいなというのが、そうはいってもあるのではないか、こう思うわけであります。
例えば、先物価格ベースで百ドルないしは九十ドルで推移した場合、かつてに比べれば値上がりしているわけであります、二年前と比べれば高いわけですが、その値上がり幅に応じて例えば国内の需要が一気に減るかというと、私はそうではないと思うんですね。原油価格がどんどん値上がりしているから国内のガソリン消費が一気に冷え込むかというと、決してそんなことはないんだろうと思うんです。だから、今回の急騰は経済に深刻な影響を与える、ある意味で深刻だと思うわけであります。
そこで伺いたいんですけれども、いわゆる炭素課税、石油、石炭などへの課税をして価格を上げることについて、政府、特に経済産業省はこれまで、課税しても、すなわち価格を上げても温室効果ガスの排出量削減には直結しませんよ、すなわち、そんなに需要は減らないんですよという基本的な立場を、少なくとも経済産業省はとられていた。政府の基本的な立場もそうだったと私は認識しておりますし、そういった御説明を聞いておりますが、炭素課税と消費にそんなにパラレルの相関関係はないという基本認識は、今もお変わりないということでよろしいんでしょうか。
○甘利国務大臣 通常、価格が上がれば消費は減る、価格が上がれば購入は手控えるというのが市場原則なんであると思います。ただ、生活必需品、なくてもいいというものと、なければならないというものの消費行動は若干違ってくる。
環境税論議がありましたときに、その環境税は一円二円、二円三円の単位だったと思います。我々が政府部内で、その程度の税を上乗せしても、それによって消費が抑制される効果はほとんどないと思うと。事実、ないんだと思います。二円、三円上下して、急激にふえる減ったというのはないと思います。
ただ、これも量の問題だと思います。例えば、五十円、百円上がったといったら、やはり急激に車の使用は抑制されるでありましょうし、省エネ型の自動車に一気に、今以上にシフトしていくでありましょうから、価格に与えるインパクトによって抑制効果というのは左右されるのであろうと思います。
従来から言われていた二円、三円の環境税効果、抑制効果は、私は、その程度ではほとんどないんじゃないかと思います。
○近藤(洋)委員 そうすると、ある程度どんと上げれば抑制効果はあるんだろうなということと、今まで経済産業省が言っていた、数円程度であれば余り意味がないんでしょう、その上がり幅によって違いますよ、こういう御答弁なわけですね。
なるほど、そうだとすると、ちょっと大臣、これも関連なんでお答えいただけると思うんですけれども、町村官房長官が、ガソリン税の暫定税率が切れて、増税することについて、記者会見また国会の答弁等でも、温暖化対策上も、増税してガソリン価格を上げるということも必要だという趣旨の発言をされていますが、これは要するにそういう位置づけで、今回これだけ原油価格が上がっている中で、さらに上乗せして、温暖化対策としての位置づけでやるというので、やはり私は、何か政府の考え方がこれまでとは変わったなと思うんですね。
やはり変わったというふうに認識していいんでしょうか。大臣の今の御答弁でも、若干何かちょっと、かつての経済産業省であれば、いやいや関係ないとおっしゃっていたのが、どうも両にらみのような御答弁なんですが、官房長官がそういうふうにおっしゃっているわけなんで、やはり明らかに変わったのかな、こう思うんですが、そういうことなんでしょうか。もう一度確認させてください。
○甘利国務大臣 我が省は、税額の幅と抑制効果について、そういう視点から発言をしてきたんだと思います。私の前任者、前々任者、いろいろ発言があったと思いますが。
官房長官は、その上げ幅のインパクトが、二円、三円から二十五円という、かなりのインパクトがあるという意味と、それから、これからサミットを控えて、このサミットのテーマは環境がテーマになる、そのときに、日本が議長国で、環境をメーンテーマの一つとして取り上げて議長役を進めていく際に、CO2の排出源に対して負荷を下げたということが、どういう政府の姿勢になるのかということを心配したんだと思います。
タイミングがタイミングであるだけに、CO2の排出に対してどういう負荷をかけるかとか、どういう義務をかけるかとか、どういう努力を要請するかという議論をこれからしようとするさなかに、その負荷を下げるというメッセージは、議長役の日本として、本当に取りまとめる気があるのかという間違ったメッセージを与えないかという心配をされたんだと思っております。
○近藤(洋)委員 私は、町村官房長官は、これはためにする議論だと思うんですよね。というのは、これまで政府の中で暫定税率について、温暖化対策のために課税するなどという議論は、少なくとも国土交通省の議論の中で一つも出ていないわけですね。少なくとも経済産業省も、そういった議論を内部でしていないわけですね。
もし本気でメッセージを出すのならば、暫定税率を廃止して、その次にもっと増税をするというのがメッセージだと思うんですよ、メッセージであるなら。改定して三十円とか四十円にするというならメッセージ性があるけれども、現状維持をして、今まで議論されていないのにいきなりこれを持ち出したというのは、どうも解せないなというのが正直なところです。
むしろ、資料一をごらんいただきたいんですけれども、報道によると政府・与党は、もうけさの新聞でも、与党だけじゃなくて、各紙「政府・与党は」と。これは日経新聞の一面ですけれども、三十日に再議決、ガソリン税増税の再議決をするということが各紙の新聞に政府・与党で出ております。
このことが実現されるとどういうことが起きるかということに関して、石油連盟の会長が四月十七日の記者会見で、大体二十八円以上値上がりします、こういうことをおっしゃっていますね。二十五円プラス、いわゆる高騰分もかかるということです。二十八・八円とか何円とか、要するに三十円近く上がる、こういうことであります。
このインパクトの方が甚大だと私は思うんですね。生活をしている立場で見ると、これは大変な負担増、負担感だと思います。私の地元も本当に車の社会でありますが、これは生活にとっては大変な痛手である。二十五円じゃなくてさらに大きくなる、こういうことであります。
先般の一般質疑でも大臣とは、現在の日本経済の環境、景況感について議論させていただきました。少なくとも、今の日本経済の現状は、政府が昨年末に見通した二%名目成長を達成できるような状況ではないな、難しいなという認識は一致させていただいたかと思います。既に、日銀の展望レポートでも成長率を下げるということが報道されていますし、さまざまな最近の報道でも、政府も、地方は厳しいということを、統計というか見通しをどんどん下方修正しておる中であります。
そういう中で、生活者を直撃するガソリン税の大幅増税というのが本当にいいのか、こういうことだと思うんですね。景気後退局面では減税するというのが、洋の東西を問わず、一つの確立された経済政策だと思うんですよ。よく、地方財政に穴があく論をしますけれども、穴があくのはもう前からわかっているわけですから、切れるということ自体は。それに対処をしていないのは政府の怠慢、こういうことであって、現在の経済状況にかんがみて、生活を直撃するようなこの大増税を、原油がこれだけ上がっている状況で、大臣が海外に行かれて、もう大丈夫だ、原油価格がどんどんどんどん下がるという確約でも得られてそれをやるならばいざ知らず、今の状況で本当に大丈夫なのか。
経済閣僚として、ここは経済政策として、この三十円増税が本当に国民生活を直撃し、消費を減退させることにならないか。まさに、地方財政に穴があくんじゃなくて、生活に大きな穴をあけることにならないか。そのことを経済閣僚としてどうお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。
○甘利国務大臣 経済政策、景気対策の一般的な手法として、減税をし、一方で歳出削減をするという手法がある、かなり主流の手法としてあるということは私も承知をいたしております。
一方で、日本の現状を見ますと、歳出削減努力、これはさらに徹底的にやっていかなきゃならないのは事実でありますけれども、歳入が二兆六千億見込まれない中で、いきなりこれを直ちに、予算の張りついている中でできるかというと非常に厳しい面があろうかと思います。そうしますと、勢いこの状態を一年続けるとすると、もう既に歳出予算を組んであるわけでありますから、赤字公債に頼らざるを得ない。
日本の財政状況が先進国中最悪であるということは共通認識であるし、今は支払い利息が低く抑えられていますから何とかつじつまを合わせていますけれども、長期債務残高がこれだけの規模になってくると、ほんの少しの利率の変化で歳出予算に与える影響というのは物すごく甚大になるし、我々の子や孫の世代からは、今に生きる我々は、おじいちゃん、おばあちゃんたちが好き勝手な生活をしてくれたおかげで私たちがこんな思いをしているというそしりを免れないわけでありますから、我々がつくった世代の借金は、極力我々の時代に解決をしていくという努力は失ってはいけないと思います。
さりとて、おっしゃるように、では景気はどうするんだということでありますので、今知恵を絞るべきは、需要を追加するというような従来の手法でない景気対策のとり方について全知全能を結集するということが必要だと思っております。
なかなかいい知恵はないのでありますけれども、いい意味での規制改革等々あらゆるツールを使って、財政に極力悪影響を与えない中で景気を回復していくということが使命だと思っております。
○近藤(洋)委員 これは経済政策の論争として質問させていただいているわけですが、私どもとはちょっと考え方がこの点については違うな、こう思うわけであります。
やはり、なかなか追加需要を生まない形でいい手がない、金融政策もとれない。そうだとすると、マクロ的に大きな手だて、例えば減税というのはやはり大きな一つの手法だと私どもは思いますし、加えて申し上げると、これはある意味で国交省さんの話かもしれませんが、予算の執行をとめているということについては、歳入が決まっていないから執行できないという理屈は、地方の現状なり生活を考えると一種おどしのような世界でありまして、非常にこれは、だれを大事にしている政治なのか、行政なのかということだと言わざるを得ない部分もあろうかと思います。そういったことはいかがかということも申し上げたいと思います。
具体的な法案の内容についてお伺いをしたいと思います。
今回の法案では、一定規模の建築物についていわゆる省エネに関する規制が課されたわけですが、この方向性、全体としては私どももよいことだろう、こう思うわけであります、同僚議員からも幾つか同様の指摘がありましたけれども。三百平米以上の建物についても、いわゆる勧告、規制を課すことになった、こういうことであります。また、一定の量の住宅を販売する事業者に対しても省エネ向上措置を求めることになっておるわけであります。
そこで伺いたいのですが、やはり気になるのは、方向はいいけれども、実際施行したときの現場は大丈夫か、こういうことであります。
建築基準法の施行で学んだ学習効果をきっちり発揮していただかなきゃ困る、こうも思っておりますし、もう一点加えて、国交省はきちっとやっても、受け手の地方自治体が果たしてきちんと対応できるのかというのは、いまだに建築基準法の施行においても見られるところでありまして、そういった地方自治体の体制整備も含めて対策をきちんととるべきかと思いますが、住宅局長、いかがでしょうか。
○和泉政府参考人 まず初めに、改正建築基準法は、構造計算書の偽装事件を受けて必要不可欠な改正ではございましたが、私どもの周知不足で、結果として現場が混乱して経済にも大きな影響を与えたと大変深く反省しておりますし、関係者に大変申しわけなく思っています。
そこで、そういったことが二度と起こらないように、今回の、今委員御指摘の三百平米以上に拡大すると、結果として八千四百件が五万五千件ぐらいにふえる。こういった問題でまた現場が混乱しては困るわけでございまして、最善に十全の準備をしなくちゃならない、こう思っています。
そこで、まず一点目でございますが、こういった中小企業の範囲まで拡充しますので、そもそも、先ほどの答弁でもお話ししましたが、届け出内容につきまして、そういった中小工務店でも対応できるような簡素な方法、当然省エネ効果がなくては困りますけれども、簡素な方法でやれるように届け出内容の簡素化を図っていきたい、これが一点目でございます。
二点目は、省エネという観点からはなるべく早くやった方がいいわけでございますが、さきの建築基準法の状況を見ますると、特に今回は、ターゲットが中小のビルあるいは中小の工務店でございますので、十分な準備期間が必要だ、そういった観点から、省エネ法全体は二十一年四月一日からの施行でございますけれども、この部分につきましては二十二年四月一日、こういったことで二年間の準備期間をとらせていただきたい、こう思っております。
加えて、今御指摘の公共団体の施行体制、先ほど、建築行政職員は全国で七千八百人という話をしましたが、そういった方々に対する十全の研修あるいは中小企業に対する研修、こういったことを、まさに反省を踏まえてしっかりと対処したい。そのために、二十年度予算におきまして、研修費用として三億円の国費をいただいておりますので、そういったものを使いまして、全国津々浦々、本当に現場にまでこういった趣旨の中身が到達するようにしっかりと準備をしていきたい、こういうふうに考えています。
○近藤(洋)委員 ぜひ、各地方にきちっと浸透するように進めていただきたい、こう思います。
続いて、今回の法案では、いわゆるバイオエタノール混合ガソリンについての規定もされておるわけですが、安全性を確保するための措置が盛り込まれております。この改正自体はよいことだろう、こう思いますが、バイオエタノールガソリンの普及について、私もお伺いしたいと思います。
資料の三番目に、バイオエタノールガソリンの、現在国内には二種類のいわゆるバイオガソリンが存在するわけであります。一つは、直接混合、いわゆるE3と通称呼ばれているものでありまして、もう一つは、ETBEというもの。要するに、混合剤をまぜたETBE、そして直接混合のE3という二種類のものがございます。
それぞれの違いはこの表のとおりでありますが、私が聞く限りにおいては、経済産業省はETBEを積極的に旗を振っている。なぜなら、ガソリンスタンドの補助事業を今年度も五十カ所、昨年も五十カ所ということで、普及に力を注いでいる。その一方、環境省はE3の方に補助事業を出しているということでありますから、二つの基準に対してそれぞれ省庁が、別々の応援団がついているような形に一見見受けられますし、新聞でも、ガソリンで直接対決ではありませんが、E3とETBEがそれぞれスタンドが向かい合う、どちらが勝つんだみたいなことを書かれておったのを記憶しておるところであります。
そこでお伺いしたいのですが、一つの政府でばらばらに異なった種類のバイオエタノールを推進しているという印象を受けるのですけれども、実際どっちを基軸とするのか、経済産業省はどちらに軸足を置いているのか、これについてお答えいただけますでしょうか。
○新藤副大臣 私どもは、バイオエタノール燃料の活用は地球温暖化の対策としては非常に有効であるということで、これを開発していこう、これはもう先生御案内のとおりでございます。
そういう中で、いずれにしても、E3においてもETBEにおいても、これが有効であることはわかっているわけですね。しかし、これをどうやって実用化していくかということにおいて、今さまざまな実証実験が行われているという意味において、私どもとしては、まずは石油連盟が行うETBEの混合ガソリンへの流通実証事業への支援を行っています。
あわせて、昨年から、環境省も含めて関係の府省で連携をして、宮古島においてE3方式のバイオエタノール直接混合ガソリンの実証実験をやっているわけでございまして、どこの省が何をやるではなくて、私どもとしては両方やらせていただいているつもりでございます。
また、先ほどから、他の委員の方からも質問が出ていますように、セルロース系のエタノール技術ですとか、そういったものもやはりこれから検討していかなきゃいけないだろうという中で、どの方式が我が国において有効であるのか、こういったものをこれからも追求していかなければいけないんじゃないか、このように思っています。
○近藤(洋)委員 要するに、両方大事で、それぞれ状況に応じてすぐれたものを、例えば地方においてはE3の方がいい場合もあるだろうしというような御趣旨だと思うわけですね。それを経済産業省は考えていると。そういうことだとすると、やはり経済産業省と環境省が似たような補助事業を行うから誤解を招くのだと思うんですね。
また、小泉前首相が環境に関心のある先生方と宮古島に行かれて、何かお得意のパフォーマンスで、随分おまえらいじめられているから頑張れなんということをテレビでやられている。ああいうことをやるから、何かいかにも石油業界とともに経済産業省がE3をやらなくて、小泉総理が環境系からてこ入れをしているかのような、少なくとも報道ぶりはそうだったですね。
こういうことは余りよくないわけで、私申し上げたいのは、副大臣がおっしゃるとおりだとすると、やはり環境省と経済産業省が似たような事業をやらないで、ここはエネルギーの現場を預かる経済産業省がきちんと補助事業を仕切られて、環境省は環境省なりに総合調整をきちんとおやりになられたらいいんじゃないか、こう思うわけであります。そうすることが、より効率的なバイオ燃料の開発普及に資すると思います。
お忙しいところ来ていただいておりますが、環境省、お答えいただけますでしょうか。
○桜井副大臣 今お話しのようなことは、やはり両方で積極的に推進をしていくというのがまず第一だろうと思います。
環境省の一つの大きな役割としては、政府全体としての地球温暖化対策の取り組み、これを推進されるということだろうと思いますし、高い見地からの環境政策の企画立案、こういうことがあるわけでございます。例えば、京都議定書目標達成計画のフォローアップなどを通じて、各省に働きかけていくということだろうと思っております。
その中で、バイオエタノールの導入については、先ほど副大臣がお話ししたように、両方推進していくということだろうと思っております。
E3については、目標達成に向けてみずからその導入を加速するため、環境省が先進的な取り組み事例を関係業界及び各省庁に示すことが重要であると認識しておるわけであります。
具体的には、世界初の廃木材由来のバイオエタノール製造の事業化、あるいは大阪府域におけるE3実証事業とともに、E10の実用化に向けた技術を開発する、こういうことを行っているわけでございます。
平成二十年度においては、こうした事業の拡大に向けて、さらなる努力を行っていきたいと思っております。
○近藤(洋)委員 副大臣、御答弁の趣旨は理解できるんですが、私申し上げたいのは、環境省というのは、先ほど副大臣が御答弁いただいたように政府内の総合調整、環境というのは大変幅広いわけでありますから、まさに各省に出向いていって、時にはたたかれながらも、しかし必要だということで調整をする、そして政府全体の政策シンクタンクなんだろう、こう思うわけですね。それが、何か事業官庁のようなことをどんどんどんどんやってしまうと、環境省のよさもなくなるのではないか、こういうことを申し上げたいわけであります。
残念ながら、経済産業省と環境省の人事交流がそんなに頻繁に行われているかというと、そうでもないようでありますし、その観点から、やはり役所というのは領空侵犯には敏感な体質を持っているわけでありましょうから、余り二重投資のようなことをそれぞれやるのはいかがかなということだけ申し上げたいと思います。
それは、環境省が全部仕切るというのでもいいんですよ。どちらでもいいんですけれども、一本で、企画部隊と実行部隊、企画部隊は環境省、実行部隊は経産省、こういうことで仕切られるか、企画も実行も環境省でやるなら、それは一つの政府の判断でしょうが、ただ、現場を持っているのは経済産業省だとすると、経済産業省が実行部隊の方がよりいいんではないかという考えであります。
この法案は、京都議定書で交わした目的を達成するための改正案でありますが、そこでお伺いしたいんですけれども、先ほど来議論が出ています京都議定書の目標達成計画は本当に達成できるのか、こういうことであります。
甘利大臣は先ほど御答弁で、なかなか厳しい状況にはありますという認識をお示しされましたが、特に私も、東電の柏崎刈羽原発が地震で停止している、こういう中でこの目達計画は本当に可能なのかと非常に懸念する、心配するわけですが、環境副大臣、いかがですか。
○桜井副大臣 六%削減目標を確実に達成するために、あらゆる分野においての対策を強化すべく、三月に京都議定書目標達成計画を改正したところでございます。
このような計画に位置づけられた電気事業連合会の自主行動計画は、電力の二酸化炭素排出原単位で目標が設定されております。具体的な取り組みとしては、安全確保、信頼回復を前提とした原子力発電の推進、あるいは石炭火力の高効率化やLNGコンバインドサイクル発電の導入などによる火力発電の熱効率のさらなる向上、こういうような国内における排出削減に加え、京都メカニズムの活用によってその目標を達成することとしておるわけでございます。
こうした対策を初めとして、国、地方、事業者、国民などすべての主体が全力で取り組んでいくことにより、六%削減目標を達成することとしております。
また今後、適宜適切に計画の進捗状況の厳格な点検と機動的な見直しを実施し、必要な対策の追加、強化を行うことにより六%削減目標を確実に達成していきたいというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 副大臣、私は、もし電力にこの目達自主行動計画を本気で実行させるのであれば、先ほど御答弁された必要な対策が不可欠だと思います、結論から申し上げますと。
お伺いしたいんですが、これは経済産業省に御答弁いただきたいんですが、各業界が示されている自主行動計画、これは閣議決定の中に盛り込まれているわけでありますが、さて、ではこの目標達成計画の法的な拘束力というのはどんなものなのか、お伺いしたいと思うんです。
すなわち、民間企業がこの計画にどこまで縛られるのかということです。要するに、損を出してまで目標を達成した場合、株主代表訴訟にたえられるのかということであります。これはいかがなものなのか、お答えをいただけますか。
○石田政府参考人 ただいま御指摘の点でございますけれども、確かに自主行動計画には、民間企業に対するいわゆる罰則等の直接的な法的拘束力はございません。ただ、先生も御案内のように、まさに削減効果も含めまして、京都議定書目標達成計画上明記された政府の施策、制度として私ども考えております。
今の御質問の点でございますけれども、直接的な法的拘束力はないわけですけれども、現在、産業界側におきましても、電力、鉄鋼などの業種においては、京都メカニズムの活用を含めて目標の確実な達成を目指すということを公に公表いたしているわけでございます。加えまして、日本経団連は、取得したクレジットを無償で政府に移転するというようなことで、この目標達成に向けて最大限努力することを約束しているわけでございます。
政府の目達計画上明記された施策に沿って一定の負担を産業界が負うことについて、最終的に、今御質問の株主代表訴訟との関係については、これは企業がもちろん判断する点ではございますけれども、私どもとして、今地球環境問題という、企業にとっても、社会的責任を担う立場のものとして非常に重要な要素でございますので、そこについて大きな問題はないというふうに考えております。
○近藤(洋)委員 局長、問題ないというのはどういうことですか。
問題ないというのは、要するに政府見解として、裁判になったときに裁判所が、これは企業が判断するんじゃないんですよ、裁判所が判断するんですよ。裁判所が、政府としてこれは保証していると。要するに、東京電力、どこの会社でもいいですけれども、損を出してまでCDMを購入して、そして訴訟を受けたときに、東京電力がそれをしなければ、ほかのところで例えば不利益をこうむるからそれはせざるを得なかったんだというふうに政府が立証してくれるということですか。そういう形で政府がお墨つきを与えてくれるだけの性格なんですか。お答えいただけますか。
○甘利国務大臣 政府の目標達成計画の内数として、自主行動計画が位置づけられております。そして、それは閣議決定という形で国家の、政府の意思として内外に発出をされているわけであります。そのことについて、仮に株主代表訴訟が起こったとします。おっしゃるとおり、最終判断は裁判所がするわけであります。裁判所は、判断をする際に、それがどういう公的位置づけであるかどうかを当然加味すると思います。閣議決定は、極めて公的な性格としての位置づけであります。それに基づいた判断がなされるものと承知をいたしております。
○近藤(洋)委員 それはやはり大臣の、公的な性格だから最終的な判断、裁判所といえども政府としては期待をしたい、こういうお言葉、意思なんでしょうけれども、それはそれで、政府としての意思としてはそうなんだろうとは思うんです。
これは事務当局にも聞いておるので、今回の柏崎刈羽の影響といいますか、約三千万トンCO2がふえると。このインパクトは大変大きいですね。CO2の全体の二%以上。二千四百万トンですか、二千四百万トンで全体の二%以上。これを、CDMを買うとすると、コストが六百億円かかるわけですね。東京電力は、経営が今大変悪化をしております。悪化をして、赤字のような状況の中で六百億円の負担をしなきゃいけない。しかも、これは経営陣の問題ではないわけですね。まさに、天変地異でこのような状況に陥っておるわけです。
では、株主代表訴訟にたえられるとするならば、政府がそこまでの意思を持つのであれば、東京電力がCDMを購入するときに、経営としてそれを料金に転嫁できるような仕組みになっているのか、これを伺いたいと思うんです。要は、料金にカウントできるような、今の料金体系ではCDM購入料というのはなっていないはずですね。ですから、もしCDM購入料を入れるとしたら、料金改定をしなければなりません。
さらに言えば、料金改定をしても、全体の六割を占める大口は自由化されていますから関係ありません。わずか、全体の四割のところの改定しかできないというわけです。そうすると、この新たな負担分をどうやって吸収するんだということについて、政府の制度が設計されていないんじゃないか、こう思うわけですね。
ですから、大臣がそこまで公的なものなんだとおっしゃるんなら、料金なり経営が今赤字になって、こういう状況でどうするんだという措置を、しかもこれは天変地異ですよ。こういう状況でどうするんだということを考えなければ、何もなくてただ願望だけでは非常に無責任ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○望月政府参考人 現行の電気事業規制の中での制度的な対応からこの点を見るということも大事じゃないかと私は思います。
そういう面で申し上げれば、今まさに先生がおっしゃいましたように、六割の需要家について言えば、料金は自由化されているわけでございます。一方で、電気事業法で電力事業はさまざまな公的な使命も負っているということも、これも先生よく御存じのとおりでございます。したがって、その中で電気事業は、さまざまな効率性を追求しながら民間企業としてやるというのが今の制度になっているわけでございます。
したがってまず、六割の自由化されている部分について申し上げれば、CDMといえども、あるいは原子力発電所がとまっていることに伴うコストというものについて、どういうふうに経営の中で吸収していくかということは、電力事業者、まずは第一義的には会社自身が考えることだろうと思います。それで、自由化されている部分と、それから小売の電力料金の規制のある部分を含めてどういうふうに吸収するかというのは、一義的には電力会社の経営判断がまずあろうかと思います。
そういった中で、これが、現行規制下における公の使命を果たす部分と事業経営の部分との間で成り立つのか成り立たないのかということについての疑義があるとすれば、そこは電力会社から我々に問題提起があったら、我々としては全面的に受けとめる必要があろうかと思います。
現時点で申し上げれば、この点、今御指摘の東京電力から見れば、そういった面での御相談はまだないということでございます。
○近藤(洋)委員 長官、事業者から相談がないからいいんだという話じゃないと思うんですね。政府がそれだけ力を入れてやる京都議定書目達計画でしょう。しかも、全体の二%を占める大変なマグニチュードのあるものがとまっているわけですよ。それについて、公的拘束力はないけれども、ぜひ頑張ってもらいたいということを大臣も御発言されているわけですよ。
そうだとするなら、それを吸収するような、何も私は、経営が失敗したとか、通常だったらこんなことは言いません。天変地異でまさにとまっているんですよ。それについて、政府は旗だけ振って、あれは民間企業の御努力ですよなんという、天変地異に対して、まさにそれは度を超えている事態になっているんじゃないかということを申し上げているので、ぜひ大臣、ちょっと勉強されたらどうでしょうか。
私が経営者だったら、それは真剣に考えますね、どうしたらいいものかと。具体的には、料金の値上げができないと思うんです。かつ、料金を値上げしたところで、昨年払ったものはもう回収できませんから。払ったものについては回収できないということだとすると、天変地異について何らかの措置を勉強することも、本当に京都議定書目達計画を実現する気があるのなら検討すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 資源エネルギー庁長官が申し上げましたとおり、企業としての経営努力を最大化して、いかにこのコストを吸収するかをまず考えていただくというのが原則でありますが、我々といたしましては、柏崎刈羽が、安全が大前提でありますから、新指針に基づく耐震安全性評価を、さらに余力を持たせるための補強工事も含めて、一刻も早く地元の皆さん方にこれならば安心だということを認識してもらうための努力は、国家として、政府として最大限行っていく。いつまでもずるずる延ばしにしないための努力をしてまいります。
企業努力と、それから我々が再開に向けて安心、安全を培う努力を最大限投入する、あわせて行っていきたいと思います。その上で、どうにもならない事態が経営上予測されるのであるならば、状況に応じて何ができるかを検討しなければならないと思っております。
○近藤(洋)委員 ぜひ御検討いただければな、こう思います。
いずれにしろ、CDMを使うということとか国際間で排出権を取引する手法というのは、結局のところ国内のだれかがお金を負担する、こういうことなわけですね。ですから、魔法のつえでも何でもなくて、CDMとか国際取引に対して私が否定的なのは、結局のところ、料金値上げにするのかどうするのか、だれかが負担するものなんだろう、こう思いますし、そういった覚悟を、いずれにしろどこまで持てるのかという議論であろうかと思います。
やはり、そこをブレークスルーするためには技術開発なんだということであろうかと思います。その技術開発で、これはエネ庁の上田部長が命名したようでありますが、だんご三兄弟ならぬ電池三兄弟ですか、太陽電池、燃料電池、蓄電池、この三つが大事だ、全くそのとおりだと思います。この三つは、非常に波及効果も大きいし、日本の省エネに対してバイオ燃料よりもはるかに、はるかにと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、ある意味でこれからのかぎだろうと思うわけです。
簡潔にお答えをいただければと思いますが、太陽電池の普及促進策ですね、遅くとも来年度ぐらいから導入すべきだろうと考えますがいかがかという点と、太陽電池と燃料電池、これの開発のスピードアップ化について、とりわけ太陽電池の導入促進策、また燃料電池についても導入促進策、新たな手法も含めて御検討されるべきかと思いますが、簡潔に御答弁いただけますか。
○新藤副大臣 まず、家庭用燃料電池は、現在、一キロワット級の燃料電池を一般家庭に設置して実証実験を行っている。これは、昨年度末で設置が二千二百台に達しました。今年度は大規模な実証実験をやって、そして二十一年度からは実用化しようじゃないか、こういうような目標を持って今動いているところでございます。
それから、燃料電池自動車は、二〇〇二年から公道を走る実証実験が行われております。現在、五十台参加しています。そして、この普及のための水素ステーション、こういったものの整備も、今首都圏に十一カ所の水素ステーションを実施しているわけでございます。
一生懸命やっているんですけれども、最終的にこれを実用化させるには、燃料電池の効率をさらに上げなきゃいけない。それには、これまでの技術を超えた能力を持たせるためには、結局基礎研究が大事だということになっております。そういう中で、国内に研究開発拠点をやろう、それから、国外の力を持った研究拠点とも交流しよう、こういうようなことも始めております。
その中で、九州大学、NEDO、さらには山梨大学、こういったところの研究をそれぞれ支援いたしまして、国を挙げてこの分野を開発していこう、こういうふうになっております。
○近藤(洋)委員 ぜひ、太陽電池、燃料電池ともに、そういうことで頑張っていただきたいと思います。
最後に、住宅局長。
太陽光パネルの普及は、経産省の長期需給見通しでいうと、二〇二〇年には新築住宅の七割に導入する、こういう計画を立てているわけですね。これは大変なことですよ。太陽光パネルを七割、日本の住宅産業の姿を変えてしまうわけです。これは経済産業省だけの力では到底できない、こう思います。建築基準法も含めて、国土交通省のあらゆる政策ツールを投入して、そして経済産業省と連携してやらない限りはとてもできないと思うわけでありますが、これは局長、いかがでしょうか。ぜひ頑張ってやるべきだと思いますが、最後にそれだけ伺って終えたいと思います。
○和泉政府参考人 現況でございますが、経産省の補助金がありまして、いわゆる太陽光発電の値段がすごく下がったわけでございます。今はそういった補助金は消えておりますが、私どもの世界で二〇〇五年度から地域住宅交付金という制度ができまして、環境対策に熱心な首長さんがこの制度を使って太陽光パネルの設置に対して補助を行っています。
現在、十八年度ベースでございますが、二十五公共団体でそういった補助が見られますので、先生が先ほどお示しの数字にいくかどうかは別としまして、私どもとしましても、そういった公共団体の取り組みをこの交付金制度を使ってしっかりと応援してまいりたい、こう考えております。
○近藤(洋)委員 時間ですので、終わります。
○東委員長 これにて近藤洋介君の質疑は終了しました。
午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時一分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○東委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
午前に引き続き、内閣提出、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律案及び揮発油等の品質の確保等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
本日は、参考人として、株式会社住環境計画研究所代表取締役所長中上英俊君、独立行政法人建築研究所理事長村上周三君、東京大学大学院教授松橋隆治君、特定非営利活動法人気候ネットワーク常任運営委員畑直之君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず中上参考人にお願いいたします。
○中上参考人 住環境計画研究所の中上でございます。
私は、現在、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の省エネルギー部会において省エネ法の改正に係る作業にかかわってまいりましたので、その観点から、今回の省エネ法改正にかかわる私自身の意見と、それから我が国の今後の省エネルギー政策のアジアに向けての展開に関しての個人的な考え方を陳述させていただきたいと存じます。
先生方に改めて申すまでもございませんけれども、省エネルギーという言葉は、二度の石油危機を経て市民権を得た言葉でございまして、当時、私どもいろいろ調査をしたりして意見を聞いておりますと、省エネルギーという言葉は、どちらかというと節約、我慢といったニュアンスでありまして、昔の古い言葉で言うとダサいとか、非常に後ろ向きなイメージでございましたけれども、最近、若い方に調査をいたしますと、そうではなくて、全く逆でございまして、地球温暖化を防止する非常にポジティブなイメージで理解されているようでございまして、大変うれしく思っております。
したがいまして、省エネルギーは、もともとの出自が我が国のエネルギー安全保障にかかわる最も重要な施策の一つ、そのほかに新エネルギーであるとか原子力もございますけれども、常に省エネルギーが前面に立って論じられてきたわけでございますし、また、昨今は、温暖化対策において最大の排出源である化石燃料の使用の削減ということで、やはりこれも新エネルギー、原子力とともに三本柱の一つとして大変大きな注目を得ているところでございます。当然、省エネルギーをするということは、家計におきましても、あるいは産業界におきましてもコストが削減されるわけでありますから、経済的なベネフィットもあるわけであります。
我が国の省エネの水準は、これも先生方御承知のとおり、私、掛け値なしに世界の最高水準を行っていると思っております。私どもがよく海外でこういった省エネの国際会議に出ることがあるわけでございますけれども、特に、家電製品であるとか車のトップランナー制度という省エネ法は非常に高い評価を得ておりまして、海外でそういったことを議論する場に行き合いますと、大変鼻が高い思いをするような機会が多うございます。
ただ、我が国の省エネ政策は、これまで数次にわたって改定されてきたわけでございまして、私も平成十七年に参考人として意見を陳述させていただいたのが最近でございます。今回の省エネ法改正に当たりまして、省エネ部会の最後の報告書に「省エネに終わりなし」という言葉が記載されております。まさにそのとおりでありまして、いつまでもこの省エネルギーというのは、常に我々が考えていかなきゃいけないことではないかと思っております。
さて、今回の省エネ法の改正のポイントであります。支援と規制というふうないろいろな側面から改正がなされたわけでありますが、京都議定書の目標年がスタートしたということもありまして、社会の関心も大変深まっております。ただ、私、個人的に言えば、もう何年か早くこの意識の高まりがあれば、もう少し京都議定書に対しても楽に迎えたんじゃないかと思います。いささか遅過ぎた気はいたしますが、そうしましても、とにかく意識が高まっていることはいいわけであります。
特に今回の改定で着目すべきは、経営トップに対してかなり強い意識を持っていただくという意味において、そういった点に着目しまして改正した点じゃないかと思います。特に、最近の経営者の方々、それは大企業は言うに及ばず、中小の商店の方々におかれましても、企業の社会的責任ということの観点からも、省エネルギーあるいは温暖化ガスの排出の削減といったことはかなり高い評価ポイントになっているのでございまして、そういった意味でも、今回の省エネ法改正は時宜を得たものじゃないかと思います。
申すまでもございませんが、これまで事業所単位、いわゆる工場であるとか大口の需要場所を特定して規制がかけられていたわけでございますが、これが事業所から事業者に変わったわけでございます。
一字変わっただけで大したことがないように思われますかもしれませんが、事業者単位ということになりますと、当然、これまでの現場管理主体の対応から全社単位で対応しなきゃいけない。まさに、何度も申し上げますが、経営判断に基づいて高効率設備の導入決定あるいは企業内の最適を図る取り組みについて判断が下されることになるわけであります。
さらに、この改正では、従来は、事業所ですと工場が主なターゲットでございましたけれども、事業者単位にしたことによりまして、業務部門で、特に、フランチャイズチェーンとか、いろいろなビルをたくさん持っていらして、ビル一つ一つは大きくないんだけれども、合わせてみると相当な量になるというところに拡大されたことに大きな意味があると思います。こういった事業所におきましては、大体類似の設備であるとか類似の社会活動でありますから、同じような省エネ手法で大きく網がかけられるという意味においては効果もまた高いんじゃないかと思われます。
こういったことで、経営全体を統括する本社から事業場に対してエネルギー管理を指示する、あるいは徹底するということによりまして、今までの事業所ごとに個別にやっていたものに比べれば、はるかにカバー率が広がるんじゃないかと思います。
経済産業省の試算によれば、例えば業務部門ですと、これまでは一割程度しかエネルギー消費量の面でカバーができなかったわけでありますが、事業者単位ということにしますと、五割程度までエネルギー消費量ではカバレッジが上がるんじゃないかと言われておりますから、非常に効果が大きくなったというわけでございます。
そのほかにつきましては、幾つかございます建築にかかわりますことは、後ほど村上先生からのお話があると思いますので、私からは割愛させていただきます。
共同省エネ事業あるいはセクター別ベンチマーク制度、お聞きになったことがおありになると思いますけれども、例えば、共同省エネ事業というのは、企業間で省エネの取り組みをする。
大体、中小企業ですと、なかなかインハウス、すなわち抱えの、自前の技術者も少のうございますし、資金的余裕もどうしても限られるものですから、省エネ活動が滞りがちである。
それに対しまして大企業は、いろいろなノウハウもございますし、資金的な余裕も中小企業に比べればあるようでございますから、例えば、大企業が中小企業の省エネ活動、省エネ行動を支援するといった場合に、大企業が地球温暖化ガスを減らしたというふうに認めようといった制度でございまして、これも、今まで手がつかなかったところに広げられたという意味では、大変意義があると思います。
次に、セクター別ベンチマーク制度でございます。これは、国際的にもいろいろ問題になっておりますので御承知かと思いますが、国内でも、こういったきめの細かい指標を見つけて、双方がわかりやすいような指標で省エネに取り組もうということでございます。
現在、例えばビルなんかですと、床面積当たり幾ら消費しているというようなことを出しますと、ビル相互で比較ができる。あるいは、製造業ですと、生産物当たりのエネルギー消費量を提示することによって、多いか少ないか、どういうふうなターゲットがとれるかということがわかりやすくなるわけでありまして、非常にこれも有効な方策だと思います。
ただ、業種や企業によっては非常に多種多様なものをつくっておったり、同じ飲食店と申しましても、おすし屋さんと中華料理屋さんでは全然エネルギー消費が違うわけでありますから、これは、各論に行きますと相当細かい検討が必要だと思いますので、時間をかけて、ことしじっくりここを検討することになっておりますから、余り拙速であいまいな数値をしてしまったのではせっかくの指標も役に立ちませんわけですから、ぜひきちんとやっていただきたいと思っております。
最後になりますけれども、省エネルギーというのは、先ほど申し上げましたように、エネルギーの安全保障という意味では非常に重要な施策でございます。
私、最近、ベトナムの省エネルギーのお手伝いを経済産業省の委託でやっておりますけれども、アジアのそういった国々に行きますと、年々すさまじい勢いで経済成長、すなわちエネルギーの需要の増加が起きているわけであります。供給が追いつかないほどでございます。こういった国々に対して、やはり世界で最も進んだと言われる我が国の省エネ技術を一刻も早く移転してあげるような、そういう仕組みができないだろうか。
京都以降の、ポスト京都の議論では、温暖化にかなり絞ったような議論が続いているわけでございますが、やはり省エネルギーは、基本的に我々の生活、暮らし、あるいはその国の産業活動、社会活動を支える非常に重要な資源でございますから、こういった地域に対して、我が国の省エネ技術がスムーズに移転できるような仕掛け、私はよく、EUがEUバブルというのをつくっているんだから、アジアバブル構想をやったらどうだというふうに言っておるわけでございます。
そういった意味で、ぜひ今後、省エネルギーを我が国のみならずアジアに対しても積極的な展開を図るという意味において、先生方の御協力をお願いしたいと思います。
以上で陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○東委員長 どうもありがとうございました。
次に、村上参考人にお願いいたします。
○村上参考人 御紹介いただきました村上でございます。独立行政法人建築研究所の理事長をしております。
私、国土交通省の社会資本整備審議会の建築分科会会長として、省エネ法改正の審議に参加いたしました。この辺の経緯を踏まえてお話しさせていただきます。私、建築を専門としておりますので、そういう観点から御意見を申し述べます。
まず、御存じのように、いわゆる民生分野、これは建築関係でございますけれども、ほかの産業部門、運輸部門に比べて増加が非常に著しいというのが一九九〇年からの傾向でございます。でございますから、対策の緊急性が非常に強いというわけでございます。
今まで住宅や建築、新基準とか次世代基準とかいろいろな施策を講じて、それなりに成果は上がってきております。しかし、それでもまだ十分じゃないから、やはり省エネ法の改正が必要だということで、今回の改正は大変必要でもございますし、それから適切な内容であろうと思います。また、洞爺湖サミットにおきまして、温暖化防止に対する日本政府の姿勢を明確に示す、そういう意味でもタイムリーだと思います。
こういう省エネ法の改正などを行う場合に、方策が三つあるかと思います。一つがいわゆる規制でございます。二つ目が支援と誘導、三つ目が情報発信とその啓発でございます。
例えば、規制の具体例としましては省エネ措置の届け出を義務づける、支援とか誘導の具体策としては税制優遇とかモデル事業、それから情報発信とその啓発の具体例としては省エネ性能の表示などが挙げられます。大事なことは、これら三つの方策を連携させて進めることでございます。そのシナジー効果によって一層の大きな効果が期待できるわけでございます。
それから、住宅や一般建築は、我々の日常生活に直結するものでございます。ですから、これに関する法令に関しましては、建て主としての市民とかあるいはユーザーとしての市民とか、彼らのライフスタイルとか省エネ意識に対する配慮、これを十分に持ちませんと法律の執行はうまくいかないのではないか、そう思っております。
これから、順番に三つの方策について御説明します。
まず、規制でございます。これは、御存じのように、法令で縛って省エネに協力してもらうというわけでございます。昨今の温暖化対策の緊急性を考えますと、ある程度規制強化の方向は避けられない、そう考えております。
今回の改正で最も高く評価される点は、省エネ基準の適合率ですね。これは、大幅に向上するであろうと予想できる点でございます。
最初に、届け出の義務づけの建物についてお話しします。
現在、省エネ設計、この省エネ法で規定されている内容でございますけれども、省エネ設計を届け出なきゃいけない義務づけをしていますのは二千平米以上の建物でございます。二千平米以下の中小建物は、これは単なる努力義務で、頑張ってくださいというだけで、特に届け出の義務づけはない。ですから、現在、多くの中小建物の省エネ性能は余り高くないというのが実態でございます。
現在、二千平米以上の建物の面積のカバー率が大体三〇%そこそこでございまして、今回、いろいろな審議の中で三百平米とか五百平米とか、いろいろな案が言われておりますけれども、これを下げますと相当カバー率が上がるだろう。特に、中小のアパートなど、こういうものの省エネ性能が非常に悪い。そういうものが今回の改正で改善されるだろうというふうに強く期待しております。
次に、二千平米以上の建物、今まで届け出の義務がございまして、これが、届け出しても省エネの設計の内容が悪いと、もっと直しなさい、直さない場合には名前を公表する、そういう比較的温和な方法でございましたけれども、今回、命令、罰則に変えるという方向になっております。これも、省エネ法の遵守率を向上させることになるものと期待しております。
いずれにしましても、規制というものは費用負担を伴うわけでございます。最終的に費用負担は消費者のところに行くわけでございます。ですから、なるべくその仕組みは簡便にして、消費者の負担が少なくなるように御配慮いただければありがたいと思います。
次に、二つ目の方策でございます支援、誘導と三つ目の情報発信、啓発、これについてお話し申し上げます。
こういうものは、もちろん役所がリーダーシップを持ってやるわけでございますけれども、オーナーとかユーザー、彼らの自主的な努力でございます自助努力で省エネを進めよう、そういうことでございます。
まず最初に指摘したいのが、今回、建物性能を表示して、一般消費者に知らせる努力義務を課す、そういう内容になっております。これは僕は大変高く評価していいんじゃないかと思っております。この建物の省エネ性能は、従来、自動車などに比べますと、例えば自動車ですと燃費とかいろいろ表示されておりますけれども、建物はそれほど提供されていなかったという感じを私は持っております。
例えばミシュランでございます。これは、星の数でレストランの性能とかホテルの性能を表示して、我々は海外旅行をするときに非常に便利にしているわけでございます。これは、性能の可視化あるいは見える化といいます。今回、こういう性能を表示して、ミシュランのように格付まではいっていませんけれども、性能を表示するということは消費者にとって大変便利であるということで、私、大変高く評価しているわけでございます。
それで、建物性能が一般社会に知らせられますと、建物のオーナーとかあるいは設計者はいいものをつくろうと非常に頑張るわけでございます。なぜかと申しますと、やはり自分の建物の性能が悪いというのは格好悪いし、この次いいものをつくろう、そういうインセンティブを刺激するという意味でも、性能表示は大変いいことだと思います。
次に評価すべきは、建て売り住宅に対する働きかけでございまして、いわゆるディベロッパーさんの建て売り住宅は必ずしも性能がよくないことが多かった、それに対して経産省がやっております電気製品に対するようなトップランナー的な制度を導入しようという案が出ております。これも、今までなかなか手がつかなった建て売り住宅の省エネ性能を向上させるという意味では、大変大きな効果があると思います。
それからもう一つ、今回の内容には、建設業者や設計業者に、省エネに関してうんと勉強してください、そういう内容が入っております。さらに建物オーナーに対して設計業者はうんと指導して、オーナーの省エネ意識を高めてください、そういうことも入っております。結局、建物の建設というのは、デシジョンメーカーは発注者としてのオーナーでございます。ですから、オーナーの意識が高くならなければ省エネは進まない。そういう意味で、オーナーに対してそういう指導をしなさい、勉強してもらいなさいということが入っているということも高く評価していいと思います。
今、三つの方策についてお話し申し上げました。いずれにしましても、これは我々の日常生活に直結していますから、市民やオーナーの協力が得られるように、十分なそういう法令制度の仕組みに協力が得られるような配慮が必要でございます。
繰り返しますけれども、デシジョンメーカーはオーナーである。これは、オフィスビルのオーナーとかあるいは注文住宅の注文主とかあるいは建て売り住宅のディベロッパーとか、いろいろございますけれども、彼らは今まで、省エネを進めなさいと言われても、具体的にどうすればいいか、よくわからないことが多かったわけです。今回の省エネ法改正がうまくいけば、そういうところが、デシジョンメーカーのオーナーの方にも大変わかりやすい内容がいろいろ入っていると思います。
いずれにしましても、日本政府としての温暖化対策を促進するため、国会の皆様の御尽力で、今回の改正案が早期に改正されて実行に移されることを期待する次第でございます。
最後に、今回の法律改正には含まれていない問題について、二点申し上げたいと思います。
一つが、より一層先端的な技術開発をしてほしい。例えば、代表例の一つがゼロエネルギー住宅でございます。これは、住宅の性能を向上させて、それから、例えば太陽エネルギー等の自然エネルギーを活用すれば、住宅で一切エネルギーを使わなくても済む、場合によっては、創エネルギー住宅と申しまして、その住宅でエネルギーを生産することができる、そういう技術開発に政府としてもぜひ取り組んでもらいたいと思います。
二つ目が、先ほど申しましたミシュランの格付でございまして、今回、省エネ性能の表示ということがうたわれておりますけれども、まだ格付まではいっていない。現在、国交省の主導で、例えばCASBEEというような格付の制度が普及しつつございます。これを政府としてもぜひ一層支援していただいて、市民の省エネ意識が一層向上するように、いろいろな施策の中で取り組んでいただきたい。
この二点でございます。
どうもありがとうございました。(拍手)
○東委員長 どうもありがとうございました。
次に、松橋参考人にお願いいたします。
○松橋参考人 ただいま御紹介をいただきました東京大学の松橋と申します。
私自身は、省エネ法に関しましては、輸送事業の、特に荷主側からの輸送の効率化という委員会を担当しておりました。しかし恐らく、ここに私がお招きいただきましたのは、ここ二十年来、エネルギーと地球温暖化の対策の研究をしてまいりました、そのことが一つのきっかけではないかと思います。
私が博士課程において温暖化の対策の研究を始めました一九八八年、今から二十年前でございますが、その一九八八年という年が、IPCCという、昨年ノーベル平和賞を受賞しました組織、気候変動に関する政府間会合という組織が設立された年でございました。また、そのときにトロントのサミットというのがありまして、そのサミットの場で初めて、二酸化炭素の二〇%削減ということが実は盛り込まれたわけでございます。
当時、私はウィーンに三カ月だけ夏期学生として勉強しておりましたが、そこから戻りましたところ、私の恩師が私に対して、君がいない間に世界の流れが変わったんだということを言われたことを今でも鮮明に記憶しております。そこから、温暖化の問題というのは国際政治の舞台を少しずつ上がっていったのかなと思っております。
それから二十年たちまして二〇〇八年になりまして、当時は一部の専門家と政府の一部がこの問題を非常に深刻にとらえておられたかと思いますが、今は世の中全体というものがこの問題を非常に深刻にとらえている。その中で、今回の省エネ法の改正案というものが上程されたというふうに認識をしております。
それで、既に中上先生、村上先生から非常に具体的に改正案のポイントについて説明がありましたので、私の方からは、ごくポイントを絞りましてお話をさせていただきたいと思います。
一つの重要なポイントとしまして私が挙げたいのは、セクター別ベンチマークの導入という、白黒のコピーで恐縮ですが、今お手元にお配りしてある資料の二ページ目でございます。セクター別ベンチマークの導入は、ここに書いておりますように、産業の部門ごとの効率を評価する上で非常に重要であるというふうに考えております。
実は、IPCCの第四次評価報告書におきましても、私は第三ワーキンググループで産業部門を担当して、著者の一人として参加をしておりました。その中で、こうした産業の効率というものをベンチマークとして評価していきたい、日本にはそういったベンチマークがあるのではないかという御案内をいただきました。
そこで、省エネ法で今でもございます努力目標として、今回事業者ということになりましたが、年一%ずつの事業所の原単位の改善というお話をいたしました。ところが、産業のリーダーからは、そういった相対的な改善というよりは絶対的な指標で、どの部門のエネルギー効率がどの程度であるかということを明示したものが望ましいということを言われまして、結局そのときには、日本の省エネ法のお話は、IPCCの報告書の中にはその部分では盛り込まれなかったわけでございます。
今回、このようなベンチマークを導入するという試みによって、日本の、特にエネルギー多消費産業のすぐれたエネルギー効率ということをできるだけ客観的に評価して、それがきちんと指標化をされて公表されていく、そしてこれが世界に対して情報発信されることによって、日本のエネルギー効率がすぐれているということを具体的、定量的に、世の中に対して、世界に対して示すことができるのではないかというふうに期待をしております。
さらに言いますならば、現在、日本政府及び福田総理が提唱されておりますセクター別アプローチというポスト京都の概念がございます。このセクター別ベンチマークの導入は、ある意味では、セクター別アプローチ、セクトラルアプローチということを進めていく上での基礎的な客観的な指標にもなると考えておりますので、ぜひこれを進めていっていただきたいという期待をしております。
その次には、IPCCの組織図と、それから我々が産業部門で鉄鋼部門のCO2削減ポテンシャルを地域別に評価した例を御紹介しております。これも、セクター別のアプローチの一つというふうにお考えいただきたいと思います。
次に、パワーポイントでいいますと「改正案のポイント三」という五ページ目でございますが、これにつきましては、住宅・建築物関係ということで、今村上先生から非常に詳しい御紹介がありましたので、特に詳しくお話しすることは省略をさせていただきたいと思います。
ただ、トップランナー制度というものは、特に家電とか車では非常に大きな成果を上げていると思います。また、それに伴いまして、いわゆる情報提供ということで統一省エネラベルというものがあって、例えば家電製品であれば四つ星とか五つ星という形で省エネ性能のすぐれた製品に星の数をつけていく、そういったものをいろいろな家電のお店で消費者が目にすることによって、四つ星、五つ星の省エネのすぐれた製品が非常に売れ行きが伸びている、こういう事実もあります。
したがって今後、住宅・建築物においても、そういったトップランナー制度、そして性能表示が進められていくということは、大変、住宅・建築物の省エネに効果が大であるというふうに期待ができるかと思います。
その次のページには、私どもが、住宅とか家電製品のマーケット分析を絡めまして、省エネの方策の効果を分析したときの研究の例の模式図を示しておりますが、なかなか日本全体の効果というものを定量化するのは大変難しいことなんですが、こういった形で政策の効果というものが定量化できます。
最後に、「改正案のポイント四」ということで、先ほど来中上先生からもお話がありました共同省エネ事業について端的にお話しさせていただきます。
これは既に御案内のとおりですが、私自身、これが制度化されるところの研究、それから審議に参加をいたしました。省エネ事業によって生み出されたいわゆるCO2の削減量、これを、先ごろ閣議決定された目標達成計画の改正案の中では国内クレジットというふうに称しております。
したがいまして、ある意味では、日本国内におきますCO2の削減プロジェクトといいますか、温室効果ガスの削減プロジェクトが付加価値を持つような国内の一種のクレジットを創成する制度ということでもございます。
こうした制度が今後拡充していきますと、国内におきます温室効果ガス削減のためのいろいろな事業、プロジェクトが活性化していくということが大いに期待されると思っておりますので、このような制度の創設、そして今後の発展ということを大いに期待をしておる次第でございます。
以上で、簡単でございますが説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○東委員長 ありがとうございました。
最後に、畑参考人にお願いいたします。
○畑参考人 気候ネットワークの畑と申します。
本日は、こういった機会をお与えいただきまして、ありがとうございます。気候ネットワークは、地球温暖化問題に取り組んでいる環境NGOでございます。きょうはお手元に、こういったニュースレターですとか冊子をお配りしておりますので、御参考までにごらんいただければというふうに思います。
本日は、今研究者の方々から御意見がございましたが、私の方では、また少し異なった環境NGOの立場から私の意見をお話しさせていただきます。お手元に、こういった三ページのレジュメを配らせていただいておりますので、私の意見はそれに沿ってお話をさせていただきたいと思います。
では、まず一点目、地球温暖化防止の観点から、大きな背景について申し上げたいというふうに思います。
IPCC、気候変動に関する政府間パネルの最新の第四次評価報告書が昨年公表をされました。皆様御存じのとおりでございます。地球温暖化がますます進行しているという状況が科学的に一層明らかになっております。
二〇五〇年までに世界全体で温室効果ガス排出を半減するという流れの中で、日本を含む先進国は、二〇五〇年で一九九〇年比八割以上の排出削減が求められております。このレジュメの右側の図一のところに示しております。この日本というところは、日本を含む先進国ということで御理解をいただければと思います。そして、日本は、中長期削減目標を明示するとともに、国際的なリーダーシップを発揮するためにも、現在の京都議定書の第一約束期間の目標を国内削減中心に達成することがますます重要になっているというふうに考えております。
そのためには、先ほども少し出ましたが、今般、三月ですね、京都議定書目標達成計画が改定、閣議決定されたわけですが、残念ながら、この中身では目標達成に不十分であるというふうに考えております。この点につきましては、お手元に配らせていただいた、クリーム色といいますかベージュの冊子に詳しく書いてございますので、また別途ごらんいただければと思います。
したがって、やはり政策強化が必須である、急務であるということであります。その一つ、重要なものとして、抜本的な経済的手法である炭素税、環境税ですとか、国内排出量取引制度といったものの導入が急がれるというふうに考えます。省エネ法の改正も政策強化の一環として評価いたしますが、十分とは言えない部分もあり課題が多いと考えますので、以下、その点を申し述べたいと思います。
まず、今回の省エネ法の改正では、法案の概要で、大幅にエネルギー消費量が増加している業務・家庭部門における対策を強化すると書かれておりますが、私としては、民生の業務・家庭部門だけではなく、やはり産業・エネルギー転換部門の対策の強化が重要であるというふうに考えております。
そこの図二をごらんいただければと思いますが、確かに業務・家庭部門はエネルギー消費量が大きくふえているんですが、活動量、各部門の活動の大きさをあらわす指標ですね、業務部門では延べ床面積、家庭部門では世帯数等ですが、そうした活動量も同程度にふえております。一方、産業部門、製造業は、活動量もエネルギー消費量も横ばいであって、必ずしも産業部門だけ省エネが進んだというわけではありません。
さらに、次の図三をごらんいただければと思いますが、主な製造業のエネルギー効率の推移を見ますと、一九九〇年以降は、横ばいないしやや悪化しているという傾向があります。つまり、残念ながら、日本の産業のエネルギー効率は停滞をしているという状況にあるということであります。
また、一ページ目の一番最後のところですが、次のページの図四に関して、ほかの先進国と比較して日本のエネルギー消費量が少ない部門は運輸部門や家庭部門であって、産業部門は必ずしも少なくはないという実態がございます。
さらに、これは図表はございませんが、日本についてCO2の直接排出量で見ると、産業・エネルギー転換部門が三分の二を占めておりますし、部門別のCO2排出増加量では、エネルギー転換部門が圧倒的に多いということもあります。対策強化の重点は、むしろ産業・エネルギー転換部門にあるのではないかというふうに考えます。
では、続きまして、省エネ法改正の工場、オフィス等に係る省エネルギー対策の強化の部分について、四点ほど意見を述べたいと思います。
まず一点目、事業所単位の規制の堅持を求めたいということです。
今回の事業者、企業単位のエネルギー管理義務ですとかフランチャイズチェーンへの規制の導入は結構なことだというふうに考えますが、同時に、現在の事業所、工場単位の規制も必須であって、これを堅持していただきたいということです。
現在の事業所単位の規制は、大規模事業所の省エネ、温暖化対策のベースになるものだというふうに考えます。定期報告制度による燃料別のエネルギー使用量の数字は、日本のエネルギー転換部門、産業部門、業務部門の大規模事業所において省エネ、CO2削減を進めるための必須の基礎データです。これらの活用が対策の推進のために必要不可欠であることは言うまでもありません。
万一、今回の事業者単位の規制体系の導入によって事業所単位のデータ等がおろそかになることがあれば、今後の省エネ推進の重大な障害になってしまうと考えますので、現在の事業所単位の措置、つまりエネルギー管理ですとか定期報告制度などを堅持、継続していただきたいというふうに思います。
次に、事業所単位の情報の開示です。
今の点と関連いたしますが、省エネ法の事業所の定期報告のデータは、現在では経済産業省が保有されていて、公開はされておりません。十分に活用されていないというふうに考えます。
定期報告書には燃料の種類ごとの使用量などが記載されており、省エネと燃料転換の対策を行うための基礎データということが言えます。これに関して私ども気候ネットワークでは、情報公開法に基づき情報開示請求を行いまして、得られた定期報告書のデータの分析を行って公開しております。政府は、これらのデータをぜひ公開していただいて、幅広く共有し、対策を進める一助としていただきたいというふうに考えます。
次に、セクター別ベンチマークについてです。
法改正に伴って、セクター別ベンチマークを導入すると聞いております。産業分野別のエネルギー効率指標の設定自体は一定の意味があるものと考えますが、どのような指標を設けてどのように運用しようとしているのか、政府は明らかにしていただきたいと考えます。
これに関連して、国際的な場でセクター別アプローチについての議論が行われております。これについては、現在、科学が要請する世界全体での大幅な総量削減のために、各国が総量削減目標を持つことは必須だという状況の中で、セクター別アプローチ、産業分野別のエネルギー効率指標に基づく目標設定は、あくまでも補完するものであって、それにかわるものではないというふうに考えます。
続いて、共同省エネルギー事業についてです。
これについては、コンビナート地域での連携と、大企業が中小企業の省エネに技術等で支援する取り組みが想定されていると聞いております。後者については、経済産業省が中小企業等CO2排出量削減制度、いわゆる国内CDM制度として検討されてきたものと重なっています。これについては、現在の自主行動計画に参加している大企業が、中小企業での削減事業から生じたクレジットをみずからの目標達成に充当できるとすれば、大企業のみずからの削減を実質的に緩めることになってしまう可能性があり、問題だと考えます。大企業の目標を実質的に緩めるものとならないようにしていただきたいと考えます。
最後に、省エネ法の改正のもう一点大きなポイントであります住宅・建築物の措置について、その省エネ基準の規制化という観点で申し述べたいと思います。
今回の、規制の対象範囲の拡大、それから担保措置の強化は一歩前進であると思いますが、それだけでは不十分であるというふうに考えます。下の方に、図五として審議会の資料を提示しておりますが、現在、住宅ではわずかに三〇%、建築物、ビル等でも八五%が省エネ基準に適合しているにとどまっております。そもそも、欧米主要国では新築の建物の省エネ断熱基準は、規制すなわち強制基準となっているのに対して、届け出義務という形の省エネ法の規定は弱いと言わざるを得ないというふうに考えます。原則として、住宅、建築物ともに一〇〇%の規制を目指すべきであるというふうに考えます。
また、対象を拡大される範囲は三百平米以上と報道等でお聞きしますが、政府はその範囲についても明らかにすべきというふうに考えます。
最後に、現在のこの省エネ基準は、平成十一年基準と呼ばれるように、策定から既に十年近くが経過しております。基準自体の強化の検討も早急に開始すべきでないかというふうに考えております。
以上、私の意見ですが、より一層の省エネ、より一層のCO2削減が大きく進むように、政治のイニシアチブを期待したいと思います。
ありがとうございます。(拍手)
○東委員長 どうもありがとうございました。
以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
―――――――――――――
○東委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橋本岳君。
○橋本委員 参考人の皆様、きょうはお忙しいところお運びをいただきまして、また貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。まず御礼を申し上げます。
それでは、早速、幾つか質問させていただきたいと思っております。
ちょっとその前に余談がありますが、先日、ネパールに行きまして、ヒマラヤの山が見えるかなと思ったら曇っていて見えなかったんです。あの辺も温暖化が進んでどんどん氷河が解けていっているとか、そういうような話があるというふうに聞いております。そういうことを守らなきゃいけないのかななんということを思いながら、きょうのお話を伺わせていただいておりました。そのために役に立てば幸いであります。
さて、この法律自体については、皆さんそれぞれに意義のあることだというお話をしていただいたと思います。畑参考人は、もっと、まだ十分じゃないという御指摘もあったと思いますけれども。
その中で、一つ、住宅・建築物の話について、村上参考人と畑参考人にお伺いをしたい点がございます。
まず、畑参考人、基準を設けたのはいいんだけれども、規制化をするべきであるというお話をいただきました。確かに理想からいうと、一〇〇%に近づけるためそうすべきだということは一つの考え方かと存じますが、同時に、やはりコストがかかってくるといったこともあろうかと思います。この点についてどうお考えか、教えてください。村上参考人ももしお考えがあれば、同じことをお伺いします。
もう一点、今回の規制などについて、要するにこれから着工していく住宅についてはそういう基準で見ていくということになるわけですけれども、それとは別に、今回の法律で多分ケアできていないんだと思いますが、既存の建築物をどうするのかということも実はとても大きな問題ではないかと思っております。
この点について、政府としてこう取り組んだ方がいいのではないかというような御指摘があれば、両参考人からいただきたいと思います。
○畑参考人 御質問どうもありがとうございます。
一点目のコストの問題、確かにおっしゃるとおりだと思います。
そのコスト負担についてなんですけれども、ただ、一つは、長期に見ましたら、住宅を、きちんと基準を達成した、適合したものにすることによって、そうでない住宅と比べた場合に光熱費は当然少なくて済むということで、時間は、年数はかかりますけれども、コスト回収は可能だということはあると思います。
先ほど村上参考人のお話にあったようなゼロエネルギー住宅のような形に近づいていけば、回収できるコストの差というのも非常に大きくなってきて、早くコスト回収ができるという方向に行くと思いますので、そういう点に関する情報提供ですとか、そういうことで消費者への理解を図るということが必要かなと思います。
ただ、当初、初期コスト、イニシャルコストは確かにプラスになりますので、それについては、例えば政策的な何らかの支援みたいなものも必要かなというふうに思います。
それから、二点目の既存の建物について、確かに非常に重要で、むしろそちらの方が数は多いわけですから、ストックを何とかしていかなければいけない、おっしゃるとおりだと思います。これについても、コストがかかりますから、何らかの形での政策的な支援というのがやはり必要なのかなというふうに一つは思います。
もう一つは、個人が住宅を改修する場合に、どういう改修が省エネ性能をアップするのに効果的か。よく言われますのは、二重窓とか、いろいろな方法があるわけですけれども、そういうことに対して情報が不十分で、何をやっていいのかわからない。あるいは、どのぐらい値段がかかって、どのぐらいそれによって省エネ効果があるのかというところの情報がよくわからないということがありますので、私どもは、例えば、市町村等に省エネとか温暖化に関する相談の窓口みたいなものを設けて、例えば自然エネルギーなんかも一緒でもいいかもしれないんですが、気軽に相談できて、そういった既存の住宅等の改修に気軽に取り組める、そういう情報提供の窓口みたいなものも必要かなというふうに考えております。
○村上参考人 お答えします。
最初の住宅などの断熱規制の話でございますが、ヨーロッパには確かに規制している国がございます。それは大体日本よりも寒いところで、暖房するのが非常に高くて、例えば、ヨーロッパ、アメリカ、住宅の中の運用エネルギーの暖房の占める割合が五五%ぐらいです、五十数パー。日本は、それが二七%ぐらいでございます、冷房を入れても三〇%未満でございます。
ですから、今先生おっしゃったコストの点、コスト・ベネフィットという点で、どれだけ断熱にお金をかけてベネフィットがあるかという点で十分精査が必要だと思います。
最終的に、これは全部消費者がかぶるわけでございます。消費者にどれだけそういうコストがかかる点を強制できるかというのは、幅広い合意が得られなければそう簡単には進められないというふうに私は理解しておりまして、現在の断熱水準は、もう少し強化の余地があるかと思いますけれども、日本の消費水準から考えますと、ある程度妥当なところを踏まえているんじゃないかというふうに理解しております。
それから、後の既存のお話でございます。
これはまことに重要でございまして、例えば住宅でございますと、新築が百二十万戸に対して既存が四千五百万戸もございますから、オフィスビルを含めて既存がよくならなければ建築分野の省エネはなかなか進まない点がございます。実は、これは世界じゅうで問題になっていまして、日本に限らず、施策の打ちようがないという手詰まり感が非常にございます。
それはなぜかと申しますと、既存住宅というのは私有財産でございますから、勝手に法律でどうこうせいとは言いにくいところがあるわけでございます。新築ならば、こうしなければ建てちゃいけませんよということを基準法で縛れますけれども。
ですから、結局期待できるのは、建物オーナーとかユーザーに自律的、自主的に省エネに協力してもらう、彼らの省エネ意識を向上させる、そういうことが一番大事でございまして、そのために最も有効なのが、いわゆる住宅性能とか建物性能の可視化とか見える化でございまして、あなたのうちはこの程度ですよ、こんなに悪いんですよということが一般に開示されれば、皆さん、省エネに努力しましょうという自主的な努力がかなり働くんじゃないかということで、私は、既存建築に対してはそういう方法が一番効果的であると考えております。
以上でございます。
○橋本委員 ありがとうございます。
旧来型の古い住宅の日本家屋に住んでいたりすると、可視化されるとどうなるんだろうとかちょっと想像しちゃいますけれども、でも、まさに省エネということを考えれば、本当はそういうことは大事なんだろうなというふうに伺いました。ありがとうございます。
続いて、松橋参考人にお伺いしたいのですが、セクター別アプローチについて、これはどの参考人もそれなりの評価をいただきましたけれども、特にこのセクター別アプローチというのは大変重要なものだというお話をされました。私も相当同感をするところがございます。
これは対立概念ではないのかもしれませんけれども、キャップ・アンド・トレードによる排出権取引という削減手法というのも議論されている中で、セクター別アプローチというものと今申し上げた排出権取引というものをどのように考えておられるか。これは国内における場合、あるいは地球規模で考える場合と、それぞれ分かれるかもしれませんけれども、セクター別アプローチというものと排出権取引について、それぞれのお考えと、これからどう関係をつくって日本として進んでいくべきか、お考えを教えていただけませんでしょうか。
○松橋参考人 御質問いただきましてありがとうございます。
大変難しいといいますか、お答えしにくい課題でございます。
まず、先生からお話のありましたセクター別アプローチでございますが、日本政府及び先ほど申しましたように首相が、総理が提唱して、世界に対して国際交渉のイニシアチブを持ってされていることだと思っております。私も大変期待しております。
ただ、セクター別アプローチというものと排出権取引というものを二元的にとらえるというのがやはりちょっとおかしな比較であるかなと考えております。以前には、さらにメディアの方では、キャップ・アンド・トレード対自主行動計画、こういう図式でとらえておりまして、あなたはどちらがいいと思いますか、こんなような質問を受けたこともございます。これも少しおかしな比較であると思っております。
セクター別アプローチというのは、あくまで日本がポスト京都の枠組みとして提唱しているものでございまして、これは一つには、国の総量目標をつくるときに部門別に効率等を客観的に評価していって、そしてそれを積み上げていくことによって合理的な目標をつくりたい、そのための指標となるものでございます。
その基礎には、日本のようにこういった省エネ法が発達しているところは、いろいろな製品等におきましても微に入り細にわたってその測定モードが規定をされ、そしてその結果が公表されているわけでございますので、これをもって国の合理的な目標をつくるということに関して大いに貢献できるというふうに考えております。
さらに、政府がおっしゃっておられるいわゆる協力的セクトラルアプローチ、コオペラティブ・セクトラル・アプローチ、これはむしろ諸外国に対して、なかんずく途上国に対して、特に日本の得意な産業の省エネ技術を移転していくことで世界全体の温室効果ガスの削減を進めていこう、こういった概念でございまして、さっきの、国の総量目標をつくるための基礎的な手法とは意味合いがちょっと違うわけです。
確かにこれは非常に大きな効果がありますし、エネルギー多消費産業の効率というのは、確かに日本は世界に対して誇れるものがあります。世界のトップを進んでいることは事実ですので、これを鉄やセメントとかその他のエネルギー多消費産業の割合が非常に大きくて急速に発展している発展途上国に移転していくことは、世界全体の温暖化を緩和する上で大変大きな効果があるというふうに思っております。
総量目標のための積み上げ型のセクトラルアプローチと、横ぐしと言っておりますが、協力的なセクトラルアプローチ、これをうまく組み合わせて、今後国際交渉も進んでいくと思いますが、ぜひ建設的な形で温暖化緩和のための有意な枠組みとして構築されていってほしいというふうに期待しております。
排出権取引というのは、国内でやる場合と、それから世界的に京都議定書で提示されているものもございますが、これは削減を進めていくための一つの経済的な手法ということでございまして、次期枠組みというものとはまた別のものというふうに考えております。
さらに言うならば、排出権取引あるいは排出量取引と言っておりますが、これも多種多様な形がございまして、いろいろ検討されている中で、EU―ETSのように、ヨーロッパで行われておりますように事業所にいわゆるキャップ、排出の枠をかぶせて、その枠を満たすようにトレードをするというキャップ・アンド・トレード、こういう手法もございます。
また、先ほど御説明をした共同省エネ事業、その中で生み出されていく国内のクレジット、これが適宜自主行動計画の補てんに使われるとか、いろいろな形で進んでいくことで排出削減が付加価値を持っていく、これも、物の見方によりますれば、一つの排出権取引、排出量取引なんですね。
私は、この排出権取引に関する見解としましては、キャップを入れるべきである、入れるべきでないという議論はここではあえて避けさせていただきますが、本質は何かというと、排出削減のプロジェクトが活性化していく、それが日本の中で、あるいは世界の中で活性化していくようないろいろな仕組みを創生していくことが大事である、こういうふうに考えておりまして、それにつきましては、まさしくさっき申しました共同省エネ事業はその一つであるというふうに考えております。
お答えになっているかどうかわかりませんが、ひとまずこれで終わらせていただきます。
○橋本委員 ありがとうございました。
これまで、いろいろな方からいろいろなお話を伺うときに、その辺の整理というのがそれこそ対立的に語られるようなことも少なくなかったものですから、ちょっとそのあたりの整理をさせていただきたいと思いまして質問させていただいた次第でございます。
日本の産業界について、畑参考人はもっと頑張れというお話もありました。それはそうかもしれないとも思いながら、海外と比べると結構頑張っているというのもおそらくは事実であって、そういうところをいかにして海外に移転していくかということが大事という松橋参考人のまさにお話のとおりなんだろうなと思って聞いておりました。
さて、恐らく最後の質問になりますけれども、もう一点、中上参考人にお伺いをしたいのですが、お話の最後で、やはり技術移転という話につながってくるんだと思いますけれども、アジアの支援を積極的にしていくべきだというお話がありました。
これについて、例えばどんな技術というのが求められているのかとか、あるいは、例えば日本はもっと技術開発をしていくべきであるというようなことなのか、ちょっとそのあたり、もう少し詳しく具体的にお話しいただけますでしょうか。
○中上参考人 御質問ありがとうございました。
私が、時間が足りなくなったのではしょってしまいましたけれども、先進国ではDSMという、お聞きになったことがあるかもしれませんが、ディマンド・サイド・マネジメントというビジネスモデルがあるんですね。これは、発電所をつくる方がいいか、省エネルギーをした方がいいか、どっちが得になるかという話で出てきたビジネスモデルなんです。
要するに、発電所というのはピーク対応でつくりますから、つくっても一年じゅう動いているわけじゃないわけですね。そうすると、そんな多大な投資をするよりは、省エネした方がずっと社会的に得になるという話なんです。
途上国はまさに、違った意味でそういう状況にありまして、どんどんどんどん需要が伸びる、したがって発電所を毎年つくり続けなきゃいけないという状況になっているわけですが、効率の悪い機器の普及が進んでエネルギー需要が伸びるわけですから、要らない発電所をつくっていることにもなりかねないわけですね。だから、発電所に対するODAを集中的にかけるよりは、むしろ省エネ側にODAのような援助をしてあげれば、国全体にとってもプラスになる。
しかも、そういった場合に、携帯電話に代表されますように、既存の我々の電話は電電公社からの電話で、今は携帯になっておりますが、今はもう、ああいう国は全部最初から携帯電話ですね。だから、我々はトップランナーのすごい効率のいい機器を持っているわけですから、例えばそういったものをいきなりああいう国々に移転する。
端的な例が、今日本でも話題になっております電球ですね。白熱灯から蛍光灯型電球へ。これは十倍もするものですから、途上国じゃなかなか買えないんですが、しかし、その方が、トータル、国富としては圧倒的に有利になるわけですから、多少初期コストがかかっても、そちらに対して普及を最初から進めていく。
あるいは、これから冷蔵庫、エアコン、これまた爆発的な普及が予想されるわけですが、これも我々がたどってきたような、安くて効率の悪い機器から順に入れるということをやっている余裕は、恐らく世界全体でないだろう。であるなら余計、アジアに対して、途上国に対して我が国のすぐれた省エネ技術を初期の段階からビルトインできるような仕掛け、それをつくることが重要じゃないかという意味で申し上げたところでございます。
ありがとうございました。
○橋本委員 ありがとうございました。
ちょうど持ち時間も来たようでございますので、大変参考になりました。改めて感謝を申し上げます。
では、以上で終わります。
○東委員長 これにて橋本岳君の質疑は終わりました。
次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 民主党の大島です。
きょうは、貴重なお時間をいただきまして、参考人の皆さんには、当委員会に御出席していただきましてまことにありがとうございます。
なかなか忙しい中、いろいろな日程をキャンセルされた方もあるかと思うので、その点については、御好意に対して本当に厚く御礼申し上げます。
まず一点、今回の省エネ法の中で、ベンチマークについての話があると思います。ベンチマークついては、私は必要だと思っておりまして、特に、今回の京都議定書の中で、産業界での自主行動計画というのは相当厳しい計画になっていて、電力あるいは電気については、外から排出権を買わなければいけないという事態ですから、企業内においての合理化も、省エネあるいはその対策を物すごくやっていくと思うんですけれども、足りない部分を外国から、自分の利潤の中から手当てするよりも、国内の関連産業あるいは関連会社から、合理化に協力した分評価していただくという制度は、私はなかなかいい制度かなと思っております。
その点について、まずは松橋参考人から御意見を伺いたいんですけれども、いかがでしょうか。
○松橋参考人 わかりました。ありがとうございます。
まさに今、大島先生がおっしゃられたとおりだと私も思っておりまして、御指摘のように、電気事業は、自主行動計画を守るために、約一億二千万トンという大量の排出権を買うことで自主行動計画を守るということを表明しておられます。さらに、鉄鋼業界に関しましては、やはり自主行動計画を守るために四千四百万トン、こういった大量の排出権を買うということをしております。
我々、共同省エネ事業、これにまつわる審議、検討している中で、まさに大島先生が御指摘されたような論点というのは出てまいりまして、諸外国から、クリーン開発メカニズムといいますが、排出権削減のプロジェクトで、その排出権を買ってくるよりも、国内の中小企業等の省エネ努力、これを大企業が技術、資金面から支援をしてやっていくことがよいのではないか。そのときに出た議論は、まさしくそのとおりであると。ただし、一般的に言うと、海外の方が排出権の値段としては安いのではないか、すなわち、排出削減のコストというものが国内より海外の方が安いのではないかという議論はありました。
しかし同時に、海外で事業を行う際のリスク、いろいろな為替リスクとかカントリーリスクとかございます。それに対して、国内でよく事情を知っているところで事業を行う場合のリスク、これはかなり質が違うものでして、勝手がわかっている分、多少高いものであってもローリスクということで実行できるという面もあるかと思います。また、やはり我々、国全体の利益ということ、国の発展ということを考えていく必要がありますから、その中では、もし同じ条件であれば、海外よりも国内の削減を進め、活性化していくという観点も非常に重要であるかと思っております。
そんなことで、先生の御指摘のとおりかと思っております。どうもありがとうございます。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
中上参考人と村上参考人に、松橋参考人の御意見を踏まえまして、引き続き伺いたいんです。
松橋参考人の方から、海外から買った方が安いんだけれども、国内の方が安定しているじゃないかということと、あと、国全体の利益を考えれば、国の富というのが海外に移転するわけではなくて、日本の国内で回るわけですから、国内で循環した方が、景気あるいは雇用の観点からもいいかなと私は思っております。
もう一点が、特にここ十年ぐらい、会社の購買の方法が変わりまして、各社から競争的に、系列を無視して、系列がもうほとんど崩壊してしまったわけですよ。そうすると、これまでの日本の産業は、大手さんがいらっしゃって、そして、系列があって技術移転とか、あるいは工場の操業についても、系列の中でいろいろな伝承が行われたり、新しい技術が系列を通じて日本全体に広まるということがあったわけなんです。
ですから、今回の共同省エネになるのかな、そちらの方につきましては、もう一度、日本の産業の中での技術移転が、省エネあるいは環境対策という最先端の視点から進んでいくのかなと。もちろん、この省エネというのは、最先端でもあるし、あるいは工場内の操業を見直すだけでも相当効果が出てきますから、その点につきましては、再度、共同省エネについてどう評価すればいいのか、お考えを聞かせていただければ幸いです。
○中上参考人 大変難しいお答えになるかもしれませんけれども、先生おっしゃいましたように、大企業が中小企業にといったときには、やはり系列的なイメージがございまして、同じグループでないと、技術のいろいろな移転を含めると、ノウハウがありますから難しいんではないかというのがありました。
ですから、まず最初は、そういった系列の移転を考えておりますけれども、もう少し拡大してまいりますと、地域といった中で、熱の利用であるとか電力の需要というのも、共同でやるという形式も、これは、必ずしも系列ではないケースでもあり得るわけですね。そうすると、必ずしも大企業が中小企業ではなくて、大企業同士でもそういうことはあり得るわけでして、この辺はもう少し前広に拡大して解釈していっていいんではないかと思っております。
ただ、細部が決まっておりませんので、それにつきましては、また、ことし、少し細部についての議論があると思いますので、当初は、やはり企業系列でなきゃ無理かななんという議論があったことは確かでございます。ただ、それだけにはとどまらない方向で、もう少し議論を進めていきたいと思っております。
○村上参考人 お答えします。
最初に、海外でやるか日本でやるかという御質問でございます。
これは、松橋参考人が言ったとおり、いわゆる経済合理性の安い方でいくか、あるいはリスクヘッジを考えた安定性でいくかという両方の側面がございまして、私の考えは、二元論じゃなくて両方を進めるべきである。それで、その情勢を見ながら、決してこれは二者択一じゃないと思います、いわゆるカーボンのプライスを見ながら、最適なところに落ちつかせればいいかと思います。
それから、後の方の、いわゆる国内での共同省エネ、これは私は、系列にこだわらないで、国民運動として、中小の業者さんがメリットが得られるような幅広い仕組みを国として、政府としてつくるべきだと思います。
例えば、福田総理の主導で、環境モデル都市を全国で十選ぶというのが、ちょうど今募集しているところでございます。十を選んで、そういうところへ特区を設けて、大企業から中小企業、大から小への共同省エネを動かす、そんなモデル都市を全国でつくってそれを全国に波及させる、そんな仕組みも考えられるのではないかというふうに思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
系列から離れて産業全体としての技術移転、あるいは、中小零細企業に対して産業全体として、大きいところ、技術を持っているところがその合理化あるいは省エネ化を援助していく方が日本全体としては利益になるというお話はよくわかりました。
続きまして、セクター別ベンチマークなんですけれども、今回、参考人の皆さんの御意見を聞いてから、これから私の質疑の中でも質問をさせていただこうかなと思っているのがセクター別ベンチマークでして、この考え方は大切だなと思っているんです。できれば国際標準にしたいなと思っているんです。
今回の、先ほど松橋参考人からお話があったEU―ETSですか、EUの戦略としては、自分のところの二十七カ国でいろいろと試してみて、大体スタンダードができると今度は国際標準だという一連の流れがあるものですから、仲間づくりが同じ言語体系の中で非常にスムーズに行われていまして、まだトルコも加盟しておりませんから、やはりまだEUというのはヨーロッパ人の社会かなと思っています。
そうすると、日本の中でのセクター別のベンチマークがしっかり標準化できるまで、産業の中でまずは積み上げて、それを海外の諸外国の皆さんの協力を得ながら、一つの標準化のプロセスが必要かなと思っているんです。そのためには、現時点で日本だけでやるというよりも、先ほどお話も出ました、アジアの皆さんと協力をしながらとか、あるいはヨーロッパの皆さん、米国もあるかもしれない。
ですから、その点について、このセクター別ベンチマークにこれから国として取り組むとして、どちらの方向で取り組んだらいいかなというところにつきまして、申しわけないんだけれども、まず畑参考人から御意見を伺わせていただいて、次に松橋参考人から再度御意見をいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○畑参考人 御質問、ありがとうございます。
まず、国内でのベンチマークと国際的なセクター別アプローチ、おっしゃるように、非常につながっている部分もありますし、また、ちょっと分けて考えなければいけないのかなというような部分もあって、なかなか難しいかなというふうに考えております。
先ほどちょっと申し上げたように、セクター別ベンチマークについては、今回、省エネ法でそういうのが書かれることになるわけですけれども、繰り返しになりますが、じゃ、それは実際どのような指標になって、それをどのように用いていくのか、それが、例えば経済産業省が何か基準を設けて、それより下回っているところには何か指導をするとか、どういうような形になっているのか今の時点ではちょっとわかりませんので、そこはなかなか難しいかなとは思います。
ただ、それを、主に産業部門だと思うんですが、そこでの省エネを進める、CO2削減を進めるための一つの指標としてうまく使えれば、それはいいんだろうというふうに思っております。
それで、国際的な方については、やはり、私ども環境NGOとしては、大幅にCO2を削減していく必要があるという中長期の大きな流れの中で、それに沿った形で、それもうまく組み合わせていけるという形なら結構だと思うんですが、残念ながらというか、一つの議論として、今、国際的な場で、総量での大幅削減にどちらかといえば後ろ向きな、そういう立場の方々から、こういうセクター別のアプローチという形で、言葉はあれですが、比較的緩い目標で済むような形にならないかというような、そういった議論があるように見受けられますので、そこのところは、やはり地球規模のCO2、温室効果ガスの総量削減と整合するような形でやっていければいいのではないか。
それで、もちろん、国際的な、各産業の、先進国、途上国のいろいろな技術的な違いとかがありますし、誤解のないように申し上げると、私は別に、日本の産業が技術力が非常に高いということを否定するつもりは全くありませんし、それはそのとおりだと思っています。それが国際的にも、日本だけでなくて全体のCO2削減、省エネにつながっていくような形にうまく生かせればいいかなというふうに思います。
ちょっと、何か条件つきみたいな感じで、済みません、明確な答えになっていないかもしれませんが、とりあえず、私の考えは以上でございます。
○松橋参考人 御質問、ありがとうございます。
先生御指摘の、セクター別ベンチマークを国際標準化していくというようなお話ですが、確かに、それは非常に適切なお考えだと思っておりまして、実は既にそういう試みがあります。
それは、御承知かと思いますが、グレンイーグルズ・サミットのときに小泉元総理が提唱をして、産業のエネルギー効率を評価していくということで、いわゆる国際エネルギー機関といいますが、IEAというところに資金を投じてこの効率の評価を進めていこうということを言われました。それ以降、IEAの中で、産業の部門ごとのエネルギー効率の評価、それから、産業だけでなく、自動車ですとか家庭部門も含めたエネルギー効率の評価が進んでおります。
他方において、アジアというところに目を向けますと、アジア太平洋パートナーシップというのがございまして、APPと称しておりますが、このAPPの中でも、特に、エネルギー多消費産業を中心とした産業のエネルギー効率の評価ということが進んでおります。特に、鉄、セメント等々でございます。
ですから、この試みは、今回の国内のセクター別ベンチマークの導入と相まって、いずれ国際標準化という方向に進んでいくということは期待できるかと思います。
また、日本のこのセクター別ベンチマークの各産業界の担当者も、APPやIEAに出ている担当者とかなり重複しているということもございますので、そこのノウハウというものは共有化されていくだろうというふうに考えております。
このセクター別ベンチマークということで、先ほど畑参考人の方から、これを入れることが緩い目標になってしまわないかという御心配が提起されました。
これは確かに、畑先生御指摘のとおり、心配な面もないことはないわけでございます。ただし、目的はそういうことではなくて、つまり、鉄を鉄鉱石から還元していくとかセメントを石灰石からつくっていくときの理論的な、物理的な必要な最小のエネルギーというものがあるわけでございまして、そこの最大効率と比べて、ベンチマークで見たところどこまでいっているのかということが明示できますれば、あとどのぐらい省エネができるのかということがはっきりわかるわけでございますので、その物理法則を超えた省エネは無理でございますが、まだこれだけできるとかそういったことがわかっていくわけなので、まさにセクター別ベンチマークの精神はそこにあるのではないかというふうに私は考えております。
以上でございます。
○大島(敦)委員 松橋参考人そして畑参考人、まことにありがとうございます。
日本の産業というのは、両参考人御指摘されたとおり、現場も含めて物すごい努力の塊かと考えておりまして、やはり世界の中でも一番熱効率がいいのが日本の産業、特に多くのCO2を出される日本の産業は意外としっかりとやっていたりもするかなと考えております。
最後になんですけれども、中上参考人と村上参考人に一言伺いたいんですが、京都議定書は、私も批准に賛成したものですからなかなか反対とは言えない立場でして、ただ、この十年間の流れを見ながら京都議定書の位置づけがあると思うんですよ。ロシアが二〇〇四年にある程度動向を見てから批准したり、最初に批准した日本よりも大分状況を見て批准されたのかなとか、カナダは批准したんだけれどもやはりやめたと言ったり、アメリカは進めた割には入らなかったり。
ですから、翻ってみて、今の京都議定書の我が国における位置づけというのを、一言でいいんですけれども、両参考人からいただければ幸いです。
○中上参考人 これは全く個人的な意見でございますけれども、御案内のように、京都議定書の我が国の目標を達成するためには、省エネルギー量として、おおむね六千万キロリッター相当の省エネプラス新エネ、原子力というのがないと達成できないという、この数値自体が持っている意味は極めて深刻だと思います。
今般、長期需給見通しが出ました。この長期需給見通しでも、二〇二〇年で約六千万キロリッター弱の省エネを総力を挙げて取り組むという話でございますが、その前に、京都議定書段階で五千万キロリッター、六千万キロリッターの省エネが本当に達成可能かというと、もっと早い時期からこの盛り上がりがあるべきであった。昨今の盛り上がりが十年早ければ恐らくうまくいったんではないか。私、それが最初に申し上げたかったことでございます。
さはさりとて、盛り上がりがあることは大切でございますから、だめだからといってくじけることなく、努力さえ進めればいいんではないか。決して日本の努力が劣っているとは私は思っておりません。
○村上参考人 非常にこれも私の個人の意見というか独立行政法人の理事長という立場でなく、まず短期と長期で分けまして、短期的には、京都議定書、やはり日本がさんざん汗をかいた、そのかいた汗の努力を認めてもらっていない、例えば基準年のとり方とか。それに関して私は非常に不満はございます。
ただ、一遍言った以上は、やはり何としてもこれを守らないと、先々の日本の環境行政が国際的に非常に弱い立場になるから、これは非常につらいけれども、何としても頑張りましょう、それは官民が、産官学全部頑張ってやらなければ、やり通さなければならないんだろうと思います。
それから、長期的には、人類の生存にかかわる問題ですから、やはりこういう大きな方向は大いに進めなければ我々の未来はあり得ない、そう思っております。
○大島(敦)委員 どうもありがとうございました。
○東委員長 以上で大島敦君の質疑は終了いたしました。
次に、高木美智代さん。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
本日は、大変お忙しいところ、各分野を代表して活躍される皆様に貴重な御意見を賜りまして、心より感謝申し上げます。
また、松橋参考人はIPCCの報告書の取りまとめに携わられたと伺いまして、先ほど来四人の皆様のお話を伺いながら、改めて、何としても今、喫緊の課題の京都議定書の目標達成もさることながら、やはり地球温暖化の防止に向けまして、さまざまな国内法の整備そしてまたシステムの整備、これを急がなければいけないという感を強くしております。
時間も大変限られておりますので早速お伺いをさせていただきたいのですが、先ほど共同省エネ事業につきまして、中上参考人そして松橋参考人お二方からお話がございました。私は、この共同省エネ事業を実施する大企業にとりまして、当然中小企業を応援した方が、それが例えば国内クレジットになる、こうした国内クレジット制度の整備もここに全部またかかわってくるわけでございます。そのことと、もう一点、例えばCO2削減量の審査、また認証をだれが行うのか。やはりそうした適正に行われるための人材も必要であると思っております。
こうした共同省エネ事業を円滑に進めて、また効果あるものにしていくために何が必要と考えていらっしゃるのか、中上参考人、松橋参考人、お二人にお伺いをさせていただきます。
○中上参考人 これもまたなかなか大変難しい御質問だと思いますが、ベースラインをどこに置いて議論するかにかかってくるんだと思います。
中小企業のエネルギーのデータというのは一般には余り公になっていないわけでございますけれども、大企業のエネルギー消費にかかわるデータというのはそれなりにそろっております。そういった意味で、まずベースラインをどう評価するかということと、それから、まさに先生がおっしゃいましたように、達成された省エネあるいはそれに伴うCO2の削減をどう審査し評価するのかというあたりにつきましても、これは大変重要なポイントでございます。
さらにこれを広げて、家庭の省エネも含めて共同事業にならないかとか、あるいは今はもう進んでおるグリーン電力証書のようなものを取り込めないかというふうに非常に前広に今議論が始まっているところでございまして、先生御指摘になったことを含めた議論が、今年度中にはそれをしっかり議論した上で実行に至る来年以降の目標に結びつけていきたいということがございますから、むしろ私どもが、今先生がおっしゃったようなことをもう一度持ち帰って検討させていただくということで御勘弁願いたいと思います。
○松橋参考人 それでは、お答えさせていただきます。
高木先生御指摘のポイントはまさに非常に重要なポイントだということで、共同省エネ事業において、例えば削減されるCO2をどのように認証していくかという問題でございます。
同じような例としては、まさに京都議定書で定義をされたクリーン開発メカニズムという、海外、特に途上国において省エネとかCO2、温室効果ガス削減のプロジェクトをした場合に、それを認証する組織といいますか制度がございます。これは指定認証機関ということで指定された機関が行っておりまして、それによって認証を受けたものが既に国連の方に、十億トンを超える排出権というものが登録をされているわけでございます。
我々、この共同省エネ事業の制度を構築していく中では、そうした先陣というべきクリーン開発メカニズムの認証の仕組みが大変参考になりまして、これのいいところ、悪いところというのがかなりわかってまいりました。すなわち、非常に厳しく認証をやり過ぎますと、プロジェクトが死んでしまって全く活性化しないという状況がございます。他方、これを非常に緩い認証にしてしまいますと、余り削減になっていないのに削減したかのように見えてしまう。これも都合が悪い。
そこで、適切な認証のルールというものが、このぐらいかなというのがだんだんわかってまいっておる次第でございますので、そして、その認証の人材育成のための仕組みというものも今政府はいろいろと模索しているようでございますので、今年度ですか、またそういったことがかなり具体化してできてくるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
今積極的に論議をしてくださって、そしてまたさまざまな、CDMの反省であるとかを踏まえて、ぜひとも適正な案の作成をお願いしたいと思っております。
もう一つ、今大島委員からも御質問ございましたが、このセクター別ベンチマーク、私も、これは国内排出量取引制度の準備となる大事なポイントであると思っております。必要であると認識をしております。
ただ、先ほど来論議もございましたが、これだけでは果たして、例えば、総量といいますか、我が国におきます削減の一つのめどにはなりますし、ここからどこまで切り込むことができるか計算はできますけれども、それではどこまで減らしていくか。どこまで国として減らしていくか、京都議定書目標達成計画をどのように達成していくかということになりますと、やはりそこには、きょう朝コンビニのことも質問させていただいたのですが、例えばコンビニであれば、相当ベンチマークも大変切り込んで、エネルギー原単位であるとか、またCO2排出原単位、これも本当に低く今抑えているという状況でございます。
ここをもう一つ、では総量として、目標達成計画からという大きな視点から見ますと、やはりそこには国民の意識であるとか、果たして二十四時間営業を望むのか、そしてまたそういう国の制度のあり方等も、また消費者のマインドといいますか消費者の意識、これをどのようにこれから変えていくか、やはり両方の検討がなければ計画は達成できないのではないか、そのことを先ほど来お話を伺いながら考えておりました。
このことにつきまして、今回は、畑参考人から順次四人の皆様にお答えをいただければと思います。
○畑参考人 御質問ありがとうございます。
大変、セクター別ベンチマークの議論になっておりまして、今、高木委員御指摘のように、国内排出量取引制度のことをおっしゃいましたけれども、やはりそれとどういうふうにかかわってくるのかというようなことも実際あるかと思います。これについては、やはり総量で国内でもきちんと削減するというこ





