経済・産業・貿易及び公正取引に関する調査等(副大臣答弁)                  参議院経済産業委員会-8号 2008年05月13日

2009年7月28日 21:13

        経済・産業・貿易及び公正取引に関する調査等(副大臣答弁)

         169--経済産業委員会-8 平成200513

 

 

 

○委員長(山根隆治君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。

 委員の異動について御報告いたします。

 去る九日、加賀谷健君及び山本博司君が委員を辞任され、その補欠として直嶋正行君及び松あきら君が選任されました。

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○委員長(山根隆治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に経済産業大臣官房地域経済産業審議官勝野龍平君、経済産業大臣官房審議官鈴木英夫君、経済産業省通商政策局長石毛博行君、経済産業省貿易経済協力局長安達健祐君、経済産業省産業技術環境局長石田徹君、経済産業省製造産業局長細野哲弘君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長上田隆之君、資源エネルギー庁資源・燃料部長北川慎介君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長西山英彦君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長薦田康久君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官佐藤均君及び国土交通省自動車交通局次長神谷俊広君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(山根隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(山根隆治君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

 

○増子輝彦君 おはようございます。民主党の増子輝彦でございます。

 今日の経済産業委員会の一般質疑に当たりまして、まず冒頭に、昨日、中国四川省で大変な地震がございました。今のところまだ詳細は不明でございますけれども、一万人を超える死者が出たと、多くの被災者がまた出ていると。今後どれだけこの地震の被害が拡大するか分かりませんけれども、心からお見舞いを申し上げ、一日も早い復興のために我が国もできるだけ協力していければなと。胡錦濤国家主席が訪日されてお帰りになったばかりのことでございますので、多分心を痛められているんだろうなと、そんな思いをしながらこの地震の深刻さを憂慮しているところでございます。

 また、ミャンマーのサイクロンも大変な被害が出ておりまして、十万人を超えるやはり犠牲者が出ている等も言われていますし、二百万人を超える被災者と、想像を絶するような大変な災害でございまして、改めてミャンマーの皆さんにも心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 さて、大臣、何度かこの委員会で大臣にも日本の経済の今の現状、大変厳しい状況にあるということで質問をさせていただいてまいりました。また、ここ最近、更に深刻な状況になりつつあるのかなと今憂慮しているところでございます。

 原油高、これは本当に速いスピードで、私が今年の正月に予測したよりもむしろ速いスピードでどんどんどんどん原油高が進んでおります。十二日のニューヨーク商業取引所の原油市場においても、ニューヨークの原油、米国産のWTIの原油の先物価格が一時百二十六・二七ドルを記録したと。更にこれが上昇するというようなことでございます。

 先般、我が国においても暫定税率が実は廃止になりまして、国民の皆さんにとっても、わずか二十九日間といえどもガソリン等の価格が下がったということで大変皆さん喜んでおられた。特にゴールデンウイークを前にして、これからの大事な行楽シーズンの前にこのまま続いてくれたらなあという率直な国民の皆さんの願いがあったと思います。

 各種世論調査を見てもやはりこの再議決については反対であるという方が七割を超えるというような現状の中で、残念ながら結果としてこれが再議決になり、また消費者の皆さんはもちろんのこと、業界団体にも大きな混乱といいますか、様々な問題も出ているということを考えていくと、やはり諸物価があらゆる資材、鋼材が上がっているという中でせめて一つぐらいは、このガソリン等の価格が下がったということで皆さん喜び、またこれを期待していたにもかかわらず、こういう結果になってしまったということ、大変残念であります。

 また、今日は、衆議院本会議場でこの十年にわたって五十九兆円の道路特定財源の特例法がまたまた三分の二の再議決が行われる予定だということを考えると、本当にこの国の現状を今私ども深刻に考えていかなければならないというふうに私は思っているわけであります。

 そこで、各企業も、今期までは何とかそれぞれ優良な企業は業績も確保できるようでありますけれども、来期は、あのトヨタですら、トヨタ自動車さんですら三割の減益だというような報道もなされておりますし、各業界とも、もう来年は、来期は本当に厳しい状況に追い込まれているというような報道もなされております。国民生活、産業界、あらゆる分野において日本の経済の現状は厳しい状況にございます。私ども民主党としても、緊急経済対策を先般打ち出させていただきました。

 大臣、現在の日本の経済の状況についてどのような御認識をお持ちになっているか、お伺いをいたしたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 現下の経済、景気状況に対する状況認識でありますけれども、政府の公式見解は、民間中心の景気回復が続いているけれども、足下では足踏み状態にあるということであります。ただ、恐らく与野党の委員の皆さん方の地元に帰られるなりでの肌感覚はもっと厳しいということではないかというふうに思っております。米国経済の先行きが不透明さを増す、生産が横ばいになっている、原油・原材料価格の高騰等を背景に企業収益が減少に転じていると、懸念材料が増えているという認識でございます。

 こうした中、なかなかつらいことは、旧来型の需要追加、財政出動型の景気対策ではない知恵を絞れというのが総理からの御下命であります。景気対策に万全を期してほしいと、しかし、なかなか予算的な措置はできないので知恵を出せという御指示をいただいているところでありまして、そういうこともありまして、連休中の報道にありますように、民間資金をどう活用するかという、海外に、法人子会社の内部留保の還元、そしてその還元が更なる競争力の強化へのイノベーション投資に国内で行われるという提案をさせていただいたところであります。

 

○増子輝彦君 大臣、もう少し具体的に経済対策をお聞かせ願えれば大変有り難いと思うんです。

 例えば、原油高対策についてはどのような具体的な対策を取られるのか。これだけ速いスピードで原油高になっていっている中で、もう本当に各業界団体、先ほども申し上げたとおり、国民の皆さんの生活もそろそろ限界だと、もう何とかここまでの間はそれぞれの企業努力なり個人的な節約等もしながら踏ん張ってきたけれども、もうそろそろ限界だという悲痛な声が聞こえてくるわけでございます。

 総理の方から、今までとは違った様々な知恵を出しながらということでございますが、総論的には、抽象的には全くそのとおりなんでしょうけれども、具体的にどのような経済対策をお取りになるのか、そのお考えをお聞かせ願えれば有り難いと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 原油・原材料価格の高騰に対する経済への影響に対してどういう処方せんを書くかということであります。一つは、対症療法として何ができるかということと、もう一つは、抜本対策として何ができるかということだと思います。

 対症療法的に言いますと、昨年の十二月にまとめた緊急対策というものがございます。これに基づいて、まずは下請適正取引の推進、これ、原油・原材料価格の上昇を元請企業に適正に評価をしてもらうことが必要であります。それから、信用保証協会のセーフティーネット保証の対象事業の追加指定等の措置を講じたわけでありますが、これに関しましては、経営状況の悪化している業種を累次追加をしてきているところであります。また、内閣府を中心に関係省庁で構成をします物価担当官会議というのを随時開催をしておりまして、物価動向の調査、監視、情報提供等に努めるということにいたしているわけであります。

 抜本対策としては、原油・原材料価格の安定化を図るということであります。原油でいいますと、いろいろな国際会議で私は度々、基調講演あるいは出席委員としての発言等を通じまして、これはもう異常な価格付けであって看過できないと。産油国を始めとする資源国は、自分だけ繁栄するということはあり得ないんだと、世界経済が順調に伸展していく中で資源国の発展もあるということを強く認識してほしいと。つまり、資源国も消費国も同じ船に乗っているということを認識せよということを相当強く発言をしました。

 先般のIEFという国際エネルギーフォーラムにおきましては、私の、資源国も消費国も同じ船という言葉が随分引用をされました。

 産油国とのバイ会談におきましても、きちんと生産増強に対するコミットをしてもらいたいということをサウジアラビアを始めとする資源国に相当強く迫ったわけでありまして、彼らは、現状が供給ショートはしていないと、今後ともそういうような状況にならないようにそれは責任を持つというコミットはしてくれたわけであります。

 ただ、これを市場がまともに受け止めてまだないということですね。石油先物市場が将来はタイトになるということを想定をして価格付けをしていくわけでありますから、まだメッセージが石油先物市場に届いていないんだと私は思っております。

 世界各国が、主要各国が、常にタイトな状況にはきちんと対処をするというメッセージを出し続けるということが重要なんだというふうに思っております。上流、下流の投資をしっかり確保していくと、需要に足る供給をしていく、それから省エネを徹底的に推進をして、全体消費量を通常の伸びよりもはるかに落としていくということに取り組むと、このメッセージを出し続け、そして省エネ等の技術開発を徹底的に行っていくことだというふうに考えております。

 

○増子輝彦君 過去に何度かこの委員会の席でも大臣から今のようなお話はお伺いをいたしました。先ほどの大臣の、福田首相からの今までとは違った知恵のある具体的なものを打ち出すようにということからすれば、ちょっと違うんではないかなと、そんな今感じを持っております。

 市場ですから、それはもちろん産油国や様々な思惑を含めた市場のこともあるでしょうけれども、少なくとも我が国のこの経済産業界やあるいは国民生活の中では、厳しい原油高にもう本当にどうしたらいいんだろうという悲痛な声が大臣の耳には届いているのかどうか、ちょっと今のお話を聞くと、私自身としてはいかがなものかなというように思わざるを得ません。

 この一年間で倍以上のやはり原油高になって、もう企業努力や個人の努力ではなかなか追い付かないところまで実は追い込まれていると。やはり、もう少し具体的にこの原油高に対して国民生活や産業経済界の中に何かできないだろうか。もちろん、保証協会や様々な手当てはするにしても、それはあくまでも直接原油高に、あるいはガソリンや様々な燃料の価格に直結はしていないわけであります。やはり、前にも申し上げましたけれども、農林水産業やあるいはほかのあらゆる産業界、みんなこの価格上昇には耐え切れないという本当に悲痛な声なんです。

 大臣は御自分でガソリンを例えばマイカーに入れたことがあるかどうか分かりませんけれども、実際にガソリンスタンドに行ってガソリンを入れると、暫定税率が復活した後の更に大幅な上昇ということになると、えっ、こんなにガソリンが上がったのかと。あるいは、漁業関係者もどんどんどんどんA重油の価格が上がって、前にも申し上げましたけれども、もう組合の出資金を取り崩さなければこの油が買えない、そこまで追い込まれて操業も中止しなければいけない、そういう状況。農業関係者も、やはりハウスに対する様々なこの油代についての価格がどんどんどんどん上がって、残念ながらこれ、農産物の価格に転嫁できないんです。魚価にも転嫁できないんですね。あらゆるものが転嫁できない。

 そういう中で、やはり何か具体的な価格に反映するものが私はこの際思い切ってやっていくべきことではないのだろうかと。その中でやはり、これは大臣、利子補給だとかあるいは融資の問題だけでは解決できないほど追い込まれているのが今の私は日本の現状だと思うんです。

 昨年、実は民主党としてこの原油高緊急対策を出しましたけれども、そのときに一つ出したものは、もちろん暫定税率の凍結によってその価格をきちっと抑えるということと同時に、また、さかのぼってこの油代に対する還元をするということも私たちは打ち出しました。何かそういう具体的なものが私は今必要な時期に来ているんではないだろうかと。あらゆる商品、製品、上がっています。スーパーに行けば何千品目のこの物価、価格が上がっているんですね。これ最大のやっぱり要因は原油高がそこにあり、日本経済が今深刻な状況になっているということの認識を是非お持ちになって、もう少し具体的なものを政府の立場として、経済産業の立場として私は出していただくことを強く望んでいきたいと思います。

 もし私ども民主党が政権を取れば、直ちにそういった具体的なものは、もう既に緊急経済対策の中でも打ち出しておりますので、すぐにでも実行できますけれども、残念ながら今その立場にはございませんが、今はこういった問題については与野党乗り越えて、やはりしっかりと国民生活や経済産業界やあらゆる分野に私どもは対処していかなければならないんではないだろうかというふうに思っておりますので、是非大臣、その御認識をお持ちになっていただいて、本当に知恵を出していただいて、より具体的なものを出していただきたいと思うんです。

 そういう中で、大臣、暫定税率の復活ということが大きな、今申し上げたとおり、影響が出ているんですが、大臣としてはこの暫定税率の復活についての御認識をどのようにお持ちになっているか、お聞かせ願いたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) それは、国民にガソリンは高い方がいいですか安い方がいいですかといって、高い方がいいと言う人はまずいないと思います。ただ、その暫定税率分がどういう機能と使命を果たしているのかということをしっかり説明する必要があろうかと思います。

 私も地方出張することが多いんでありますけれども、地方の道路工事が中止のままほとんど人もいないという状況がかなり地方で見られました。全部仕事が止まっているわけであります。暫定税率分の歳入欠陥を起こしているわけでありますから、それにまつわる事業執行ができないと。暫定税率が回復するということは、その事業執行ができるわけであります。都心に関しては、開かずの踏切対策というのは、これはその予算付けをして早くやるべきですか、あるいは待ってもいいですかというアンケートを取るとするならば、即刻やれと。じゃ、その財源はどうしますかという議論をすれば、また違った結果が出てくるんだと思います。

 歳入欠陥については、それに見合う事業執行ができないということとやはり政府としてはしっかり向き合わなきゃならないという責任がありますから、あるいは経済対策としても減税の効果が一方であると。一方で歳入を確保できれば、事業執行の経済効果、景気効果があるということでありますから、一概に税が戻った分だけで経済指標を判断することは難しいかというふうに思っております。

 それから、具体的な原油高対策について実は農林事業者から、ハウス栽培をしている事業者からの陳情に対して、NEDOの資金を活用して、A重油で行っていた温室ビニールハウスの事業を電気で行う、ヒートポンプを推進をするということに取り組んだわけでありまして、この結果、十九件、一億四千万円を交付をしました。

 先般、関係者がお礼に来られましたけれども、原油価格よりも電力料金は極めて安定していると。これは原子力の推進に思い切って日本が踏み切ったために、電力に占める一次エネルギーの割合は、オイルショック前は原油が大宗を占めていましたけれども、オイルショック後はたかだか一割であります。原子力を伸ばすことによって電力価格が安定をしたと。その電力を使うことによって経営安定をするというその方策も一つ事例が出たわけでありますから、この種の安定的なエネルギーを推進していくということを省エネと併せて行っていくことが処方せんの一つにもなろうかと考えております。

 

○増子輝彦君 農林漁業者等については、十五日の農商工連携のときに、私、若干時間ちょうだいしておりますので、またやりたいと思っております。

 いずれにしても、暫定税率廃止によって二・六兆円の歳入不足が生ずるということで、それは地方に迷惑を掛けられないというようなお話で政府・与党は言っているわけでありますけれども、私はこの件については、やはり地方の場合は九千億あれば間に合うわけですから、このぐらいのお金は結構実は地方分には出てくるんですね。それから、地方の自治体の首長さんたちから聞けば、国の直轄事業をやはりすべて国で裏負担なくやってもらえば大変有り難いんだと。五年でできるものが場合によっては七年、八年掛かるかもしれないけれども、裏負担のための財源はもう限界に来ているんだというようなこともあるんですね。

 ですから、私は、これは埋蔵金と称される特会の問題や様々なことがあります。これはこの委員会とはまた別なところでいろいろ議論をしていきたいと思っておりますが、いずれにしても、暫定税率の復活ということは私は大変国民にとっては残念なことであるというような形であえて申し上げさせていただきたいと思います。

 そこで、今大臣の方から実は原発の問題が出ましたので、質問を変えて、大間原発について質問をさせていただきたいと思います。

 電源開発が先月設置許可を認められました青森県の大間原子力発電所、日本でというよりも世界で初のフルMOXでの実は原発ということで、大変注目もされておりますし期待もされていると思います。私も、基本的には原発がクリーンで大変温暖化防止にも貢献するという認識も持っております。

 ただ、安全性という問題について、どうしても原発というものに対しての、国民の皆さんの多くが安全性についての疑問を依然として強く持っていると。特に私の福島県の原発等については、改ざんや隠ぺいや様々なことが多々ありまして非常に多くの不信感を募らせているということもあって、やはり何としても安全性がより求められていると。この安全性の確保や担保ということをしっかりとやっていかなければならないわけであります。

 特に今回のこの大間原発の問題については、資源の乏しい日本がウラン資源を有効利用するプルサーマル計画の一角を成しているという意味では大変重要な施設になるんだと思うんです。是非、これが成功することが私は重要だという認識を持っております。先ほど申し上げたとおり期待もいたしているわけであります。

 ただ問題は、ここで本当に安全性というものが、当然原子力委員会や安全委員会の方でも確認はされたんだと思うんですが、そこのところをあえてもう一度お伺いをさせていただきたいと思いますが、この安全性の確保というものをどのような形の中で今回得ることができてゴーサインが出たのか、お聞かせ願いたいと思います。

 

○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。

 大間原子力発電所につきましては、電源開発より平成十六年三月に設置許可申請が出されたわけでございます。経済産業省におきましては、専門家の意見を聞きつつ、原子力安全委員会が策定をしております各種審査指針というのがございまして、これに基づきまして厳正に安全審査を行い、平成十七年六月にまず原子力安全委員会に諮問をいたしました。

 ただ、御存じのように、その後平成十八年九月に耐震設計審査指針が原子力安全委員会によって改訂をされたところでございまして、これを受けまして、電源開発株式会社より新耐震指針に基づきます申請書の補正が提出をされました。経済産業省におきましては、この耐震設計に関しまして改めて安全審査を行いまして、安全審査書を一部修正をいたしまして、平成十九年四月に原子力安全委員会に提出をしたというところでございます。

 そして、原子力安全委員会におきましては、経済産業省の一次審査につきましてダブルチェックが行われまして、本年四月十四日に原子力安全委員会より、経済産業省によりますその安全審査の結果が妥当である旨答申がなされ、これを受けまして、本年四月二十三日に経済産業大臣より原子炉の設置許可を行ったところでございます。

 

○増子輝彦君 原子力委員会及び原子力安全委員会のこの安全性の問題についてこの審査は、もう少し踏み込んで、具体的にはどのような形で行われたんでしょうか。

 

○政府参考人(薦田康久君) まず、当方の方の審査の体制を申し上げますと、申請が出されますと、当方の中に専門家のグループ、こういうものをつくります。この大間の場合でございますと、一つは設備に関するグループ、それから放射線安全に関する、そして地震に関するこういうグループ、全部で先生方約六十名でございますが、こういうグループがございまして、そこに我々の判断、こういうものをお諮りをしながら申請書の一つ一つについて妥当であるかどうかというものを、先ほど申し上げましたような安全委員会が設置しております各種審査指針との対比において大丈夫かということを確認し、私どもとして最終的に審査書を出していくと、こういう形になります。

 また、その審査の過程におきましては、これまで実際にどういうような例えば実験結果があるのかとか、あるいは地震でありますとどういうような地質、地盤の調査がなされたかと、こういうものもすべて調査いたしまして、先ほどのような結論に至ったということでございます。

 

○増子輝彦君 今回のこの件については事前相談ということは行われたのでしょうか。

 

○政府参考人(薦田康久君) 私どもといたしまして、電気事業者がいかなる専門家からどのような指導を受けているかということについてはまず承知をしていないというところでございます。

 ただし、一般的に申し上げますと、電気事業者は実はこの新しい耐震設計審査指針にも求められておりますように、常に最新の知見をやはり把握していないといけないということもございまして、そういうような観点から、まさに研究の第一線におられます専門家の方々から電気事業者が意見を直接聞くということは否定されるものではないというふうに考えているところでございます。

 ただ、経済産業省におきましては、この様々な、先ほど申し上げましたように、専門家の意見を聞きながら、この原子炉施設の設備等が災害防止上支障がないか等につきまして、中立的な審査を行っているところでございます。また、安全委員会におきましても、我々の審査に対しまして、更に我々とは異なります専門家によるダブルチェックを受けておるということから、結果的に厳正かつ厳格な審査がなされているということで承知をしておるところでございます。

 

○増子輝彦君 そうすると、保安院としては、事前相談があったかどうかということ自体認識をしていないということでよろしいんですか。

 

○政府参考人(薦田康久君) そういうことであるというふうに思っております。

 

○増子輝彦君 この件についてはもう少し後で私も確認をさせていただきたいと思うんです。

 実は、事前相談ということが今までの原子力発電所の申請においては行われてきたということが多々あるということを実は以前に直接電力会社や関係者からお聞きしたこともございます。原発を建設しようとする電力会社は、敷地や周辺に活断層がないかどうかや、原子炉配管仕様などを盛り込んだ原子炉設置許可申請書を国に提出をする、その過程で特定の専門家に相談し、指導を受けるケースがあると。彼らは専門家ですから、安全委員会や保安院と、あるいは原子力安全委員会に行う意見聴取会や安全専門審査会に所属していることは結構ありますよね。かなり多いんだと思うんです。しかし、専門家が意外と少ないということから、割とメンバーが固定をされているということにもなっていくんだと思うんです。その際に、事前に相談を受けながらこういったことをやっていけば、やはりどうしても安全性を複数の目でチェックする制度が弱くなってくるんではないだろうかということを少し私は憂慮しているんです。この件についても、今後しっかりとした体制の中でやっていただかなければならないわけであります。

 事前指導について、これは是か非か、当然行われているケースもあったはずですが、保安院としてはこの事前指導については端的に是か非かという点についてはどのような見解をお持ちになっておられますか。

 

○政府参考人(薦田康久君) まず、今の点にお答えする前に、まず前提があるというふうに思っております。

 どういうことかといいますと、今回私どもがお諮りをしている先生方というのは、基本的には大学であるとか、あるいは国の研究所であるとかというところに所属をされているわけでございまして、現在こういうような専門家が所属されておりますまず大学等におきましては、その利害関係が想定される企業等とのかかわり等、いわゆる利益相反行為に関する規定を策定するなどの対策が取られ、先生方もこういうものを遵守されているというふうにまず我々承知をしているところでございます。

 それから、この事前相談あるいは一般的な指導について是か非かということでございますけれども、やはり一概にすべていい、あるいはすべて悪いということはなかなか言うのは難しいのではないかと思っております。先ほど申し上げましたように、今の一番新しい技術について聞くということについては、先ほど申し上げましたように、決して否定されるものではないし、あるいは安全設計審査指針が求めております最新の知見を十分に反映しろということからすればむしろ認められるものではないかと思っておりますが、他方、ただ、その特定の先生がある指導的な役割を果たして、例えば当該事業の安全に係る全部の、何といいますか、考え方みたいなものを取りまとめていくということになるとやはりそれはやり過ぎだろうと思っておりまして、やはりその辺りにつきましては当然おのずとした節度というものがあると思いますし、先ほど申し上げましたような、まさに利益相反等の規定、あるいはそのほかの国家公務員でいえば倫理法等に関するものもございますので、そういう中で遵守をすることによってその辺りは適切になされてきているものというふうに認識しているところでございます。

 

○増子輝彦君 私はネガティブな立場から申し上げているんではなくて、冒頭に申し上げましたとおり、原発の重要性というものを非常に私自身は認識をいたしておりますし、今後当然、日本のエネルギー政策からいえば必要なものだという考えにも立っております。がゆえに、大事なことは安全性ということを何度も申し上げております。

 そういう中で、やはりこの事前指導、是か非かという点からすれば、電力会社の調査と保安院、安全委の審査に同じ専門家がかかわっているということでいけば、やはりどうしてもそこで安全性を複数の目でチェックするということについては少し問題があるんではないだろうかと。できれば、その専門家、電力会社の相談を受ける専門家と安全委員会やこの原子力委員会での専門家というものはできるだけ違う方が複眼的な目で安全性がチェックできるんだろうというふうに認識をしているわけです。これ何か起きたら大変なことだと。当然そういう問題について今まで以上に注意をしていかなければなりません。特に大間については何としてもこれは成功してもらいたいという考え方を、私は先ほど申し上げたとおり強く申し上げているわけであります。

 大臣、この件について所見をお伺いしたいと思いますが、どのようにお考えをお持ちですか。

 

○国務大臣(甘利明君) 安全に関して最新の知見を持っている人からアドバイスを受けるということは大事なことだと思います。常に安全に関しては直近の知見を吸収するということが大事なことでありますから、それは私はむしろどんどんやってほしいと思います。電力会社の関係者が自分の殻にこもった知識だけで安全を推進するよりは、外部の安全に関する知識をどんどん取り入れる、あるいはその指摘を実践するということは前向きに評価すべきだと思います。ただ、問題は、その審査の際にそこがきちっと行われているかいないか等で癒着が生じたらけしからぬことでありますから、そこは先ほど保安院長が申し上げましたように、利益相反についてのきちんとした倫理規程があるかどうかについて我々がしっかり目配りをしていること等は併せて重要なことであります。

 最高の知見を有している人というのはそうたくさんはないでしょうから、全員が重ならないということにはなかなか難しいかとも思いますが、その距離感をちゃんと取っておくということに配慮するということが大事だと思っております。

 

○増子輝彦君 まさに大臣のおっしゃったような点が非常に私も重要だと思っているんです。ですから、どうぞその点を今まで以上に十分考えながら、また運用しながらこの原発の在り方について進めていただきたいなということを強く要望させていただきたいと思います。

 ところで、今回、この電源開発がこの大間原発を実は始動していくことになっていくわけでございます。

 そこで、電源開発、Jパワーについてはいろいろとまたこの大間原発の件のほかにも、大変今の日本の経済市場の在り方について、対日投資の問題についていろいろと起きているわけであります。

 大臣、対日投資と国益の関係についてちょっとお伺いをしたいと思うんですが、今回Jパワーの株式をTCIが二〇%取得したいということの話が出てまいりまして、今いろいろ手続が行われているわけでありますが、基本的に対日投資に対する大臣のお考え方をお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 政府が対日投資を飛躍的に拡大するという目標も掲げておりますし、外資の対内投資というのは極めて重要なことであります。

 私の基本的な考え方を述べよというお話でありますが、その際に望ましい投資とは何かといいますと、それによって日本の雇用が拡大をし、生産が増強されるということが望ましい形だと思います。単に日本企業の体力を失わせるという結果に終わらない、設備投資の増強、生産の増強、雇用の拡大につながるような対内投資をどんどんと促進をしていくべきだと思っております。

 

○増子輝彦君 大臣、Jパワーとはまた別に、昨年の七月、オーストラリアの投資ファンドであるマッコーリーグループは羽田空港ターミナルの運営会社である日本空港ビルデングの株式の五・九%を保有したとして大量保有報告書を関東財務局に提出しました。この関連で実は与党内にも今様々な意見が出ております。

 こういった形の中で、国土交通省は空港会社と羽田空港のターミナル等を運営する会社に対して外資規制を行う案を検討していたようでありますけれども、様々な意見の中で空港整備法の改正案を作成したにもかかわらず、閣内では何人かの大臣がこれに反対する意見を表明をしたという形であります。このような状況の中で、政府は空港関連会社への外資規制の導入に向けた法改正を今国会では見送ることを正式に決めたと、これは二月二十九日のようでありますが、今国会に提出された改正案からはいわゆる外資規制に関する項目が除かれたということを私も承知しておりますが、この問題について政府が年内にその方策について結論を出すということのようであります。

 大臣、この件については大臣の所管外だとは思いますが、Jパワーとまた若干その基盤は違いますが、空港会社のこの羽田空港のターミナルの外資規制について大臣としてはどのような見解をお持ちになっておられますか、お聞かせをいただきたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 所管外でありますから余り踏み込んだ答弁を正式な委員会でするのはいかがかと思っておりますが、基本的に私が申し上げましたのは、投資する投資側にとってもそれを受ける側にとってもやっぱりウイン・ウインの関係を築いていくということが大事だと思うんです。他のステークホルダーの犠牲の上にしか成り立たないようなものは本当の投資とは言えないんだろうと思いまして、投資する側にとってもそれを受ける側にとってもプラスになるということであるならば大いにやってもらいたいというふうに思っております。

 

○増子輝彦君 空港という、これを管理するビルディング会社、まさにある意味では国益にも合致していくわけであります。しかし、現時点ではここについては何ら規制がないという観点、一方、電力についてはやはり外為法等でも規制があるわけでありますから、今回のJパワーの件についてのTCIの二〇%の株式取得ということについては、当然法に基づいてこれは行われるべきだというふうに私も考えてはおります。

 ただ、若干私が懸念するのは、Jパワーは民営化になり、株式上場がなされて様々な重要な事業をこの国の中で行っているわけであります。完全民営化ですから、この中で更に民営化としての一層の努力も必要であることは言うまでもありません。

 しかし一方、今回も社外監査役として財務元官僚がここに就任をするということ、あるいは経済産業省、以前の通産省からも既にここに取締役として就任されていると。私どものエネルギー調査会の中でもこういった問題について、やはり天下りのポストがそこにもう既に用意されているということについてはいかがなものかというような意見も多々あります。やはり天下りということについては、私どもは基本的には全くこれについては認めるわけにはまいりません。そういう観点からすれば、Jパワーのこの天下り、よく言うんです、ほかの団体を経てきたから直接的な天下りではないというふうにおっしゃる方も多々おることも承知しておりますが、いずれにしても、私はやはり天下りだということには変わりはないというふうに思っているわけであります。

 今回の元財務官僚の社外監査役、あるいは既に元通産省の取締役の方がおられるんですが、今後、この天下り等についてのJパワーがあるべき姿は、やはりできるだけそういうものを排除しながら、私は民営化の趣旨に基づいてしっかりとした国策的な、国益に合致した民間会社として頑張っていく必要があると思いますが、この件についての御見解を、大臣、お聞かせ願います。

 

○国務大臣(甘利明君) 独法とか特殊法人、政府持ち株会社について、つまり政府が影響力を発揮し得る直接的な因果関係が成り立っているところについての人の受入れについては、きちんとしたルールに基づいてやっていくべきだと思っております。

 ただ、Jパワーはもう政府の持ち株は全部放出しているわけでありますから、純粋一〇〇%民間会社であります。その一〇〇%民間会社であることと外為法の関係というのは、別に政府がそれによってその会社自体の経営に関与するということでは全くありませんから、純粋民間会社がどういう人材を登用するかはやっぱり民間会社の経営判断でありますから、そこには政府として、こういう人を使うのがいいとか悪いとかいう経営介入はすべきではないというふうに思っておりますから、純粋に彼らが経営戦略上必要な人材を、有能な人材を調達をしてくるという判断は尊重をすべきだと思っております。

 

○増子輝彦君 私は、先ほど申し上げたとおり、有為な人材、必要な人材であるということを民営化をしたJパワーが求めるということは承知しておりますが、やはりできるだけ天下りと思われる方は避けるべきではないかということを申し上げさせていただきたいと思います。

 いずれにしても、対日投資、しっかりと行われて、どんどんどんどんこの市場が開放されて日本がより経済的に強い国になっていくことが必要だと思っておりますので、今後、経済産業省としては積極的に対日投資を促進するようにお願いを申し上げておきたいと思います。

 さて、大臣、胡錦濤国家主席が訪日をされました。大変友好ムードの中で、マスコミの評価も多々ありますが、結果的には、日中関係を良くしていくということについては私も良かったのであろうというふうに認識をしております。

 大臣、今回の胡錦濤国家主席の訪日に合わせて、大臣がいわゆる国家発展改革委員会の張平主任と会談をされたということもお聞きいたしております。胡錦濤主席が訪日をされて、また大臣が張平主任との会談をしたということを含めて、今回の訪日の評価といいますか、胡錦濤国家主席の訪日の評価なり成果というものをどのようにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 胡錦濤国家主席の訪日、それから同行した閣僚陣との、それぞれのカウンターパートによる会談というのはかなりの成果を得たというふうに評価をいたしております。両国首脳の今回の会談を一言で説明する言葉に、戦略的互恵関係の構築の具体化ということが進んだという表現をしておられるわけであります。

 私どもに関することでいいますと、例えば気候変動に関する日中共同声明におきましては、中国側が、これは初めて正式になのでありますけれども、セクター別アプローチについて積極的な評価というものを表明をしたわけであります。

 今まで、アメリカはもとより評価をしておりました。批判的なEUの中でも、ツールとして評価をしよう、有効な手段だという声も相当出てきました。途上国の代表の一角である南アも、G20で私は予定時間をはるかにオーバーしてバイ会談を行いましたけれども、そのG20では、日本は多大な貢献をしたという、セクトラルアプローチのワークショップでそういう表明をしたと。最後までどうしたものかという疑念を表明していた中国が今回正式にこれを評価するということになって、ある意味、そろい踏みになってきたわけであります。これは大きな成果だと思います。

 それから、レアアースに関しましていいますと、中国はレアアースの供給の九割を握っている国であります。日本にとってレアアースは最新技術の命綱にもなっているわけでありますから、中国との間で交流会議というのを持っておりました。ところが、ここのところ中国側が、中国側の事情を盾にこれを開催をしないということが続いておりまして、私からは、極めて強く、バイ会談はこれを再開するということが前提であるということを申し入れました。

 その結果、このレアアース交流会議の年内開催について合意をしたわけでありますし、それから、ビジネス環境の整備、行政が極めて不透明でビジネスの予見性がなかなか成り立たないという苦情が来ておりまして、そこで、日本と中国と韓国のビジネス環境改善アクション・アジェンダについても日中間で合意をして、韓国とも水面下で連絡を取って、そういう方向でということになったわけであります。あるいは、東シナ海の資源開発問題につきましても、総理の言を借りますと、長年の懸案に解決のめどが立ったということが確認できたということであります。

 今後、細目を詰めてできる限り早期に合意するということで一致したわけでありますが、それら懸案事項が幾つも解決ないし解決のめどが立ったということは大きな成果であったというふうに評価をいたしております。

 

○増子輝彦君 今の大臣の御答弁の中の二つ、一つは東シナ海のガス田開発の問題、それからレアアースの件、実は二つこれからお聞きしたいと思います。時間が大分迫ってまいりましたので、大変恐縮ですが、簡潔にお答えいただければ有り難いと思います。

 まず、最初の東シナ海のガス田開発については、福田総理も胡錦濤国家主席もお互い、大きな進展があった、問題解決の展望が見えてきたと、双方は協議を加速してできるだけ早く合意できるように一致したと、お互いその成果を誇示しているわけであります。しかし、よくこれを読み解けば、何となくお互いが評価し合いながらも、具体的な内容に行くとやはりまだまだ問題があるのではないだろうかというふうに私は思っているわけです。

 大臣、この大臣の今のお話の中にもありましたとおり、今後より具体的に詰めていかなければいけないと思っておりますが、今回のこの東シナ海のガス田開発については、具体的にどのようなことが話し合われて、どのようなものであったのか、お聞かせ願えれば有り難いと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 東シナ海の資源開発問題につきましては、福田総理と胡錦濤国家主席との首脳会談において、有益な協議が積み重ねられて、長年の懸案に解決のめどが立ったことを確認をするとともに、今後細目を詰めてできるだけ早期に合意するということで一致したわけであります。

 大きな進展であるとか解決のめどが立ったということの趣旨でありますが、これは、具体的な共同開発の在り方について詰めの作業に入れる段階に至ったということであります。それから先の細目については、これはもう首脳会談、私、全体の会談は立ち会いましたけれども、その後の二、三十分はまさにさし、いわゆるさしの会談でありましたので、そこに立ち会ったわけではありませんので、どこまで具体的な話になったかは承知しておりませんし、これは、その細目についてこれから詰めていくと、両首脳によって事務的なゴー、詰めの作業を進めよという号令が掛かったということだと理解をいたしております。

 中身については、細目はこれからできるだけ短時間に集中的に詰めていく話だと思っております。

 

○増子輝彦君 まさにそこのところが大変重要であるかと思います。どうぞ大臣、この問題、細目、具体的にこれからやっぱり精力的にやっていかなきゃいけないと思うんです。お互い、胡錦濤国家主席については訪日の成果を、福田総理にとっては何とか今の状況を挽回したい、日中関係を前進させたいというお互いの思惑が当然そこに出てきているわけであります。政治的な要素があるわけであります。しかし、政治的なものにだけ使われるのではなくて、やはりこれは非常に重要な資源の問題等も含め、漁業問題等いろいろな問題が含まれているわけですから、ここはどうぞ、これから多分大臣の下で行われていくんでしょうから、しっかりと詰めていただくように、決して、譲るべきことは譲っても、譲らないところは譲らない、この点をお願いを申し上げておきたいと思います。

 それから、鉱物資源、レアアースの件が出てまいりました。私はかねてより甘利大臣の資源外交は大いに評価をしているわけであります。昨年もレアメタル関係を含めて南アフリカ、ボツワナに行かれて積極的に、遅きに失した感と言ってはちょっと失礼かもしれませんが、中国のあの実は資源外交からすればもう何周も遅れているという今の日本の現状を見れば、ようやく甘利大臣の下でこれを一歩も二歩も踏み出したなというふうに本当に評価しているんです。

 同時に、できればこの連休、たしか南米の方にも行かれる予定があった。是非行ってほしいというふうに私は実は勧めていたんですよ。ところが、諸般の事情でこれが行けなくなったということで残念だなと経済産業省の方にも私、申し上げておったんです。

 実は私も、四月中旬、南アフリカ・ケープタウンにIPUの会議で行ってまいりました。それは、やはりこの資源というものについて、レアメタルについて、大臣の後を追うわけではありませんが、やはり現地で生の声を聞いてこの問題の認識をより深めたいということで実は行ってまいったことも理由の一つでございます。

 そこで、実は中国とのこの持続可能な経済発展に資する互恵関係構築を推進していくと、そのための包括的な協力文書もまとめられて、先ほどのような話であります。しかし、一方で、経済産業省が八日に公表した二〇〇八年版不公正貿易報告書では、中国の貿易政策牽制とのマスコミの見出しの中で、希少金属のうちレアアースと呼ばれる鉱石の中国側の輸出許可は〇一年の五・七万トンから〇七年は四・四万トンに減ったと。先ほどの大臣のお話のとおり、日本のレアアースの需要の九割は中国ということで、大変これ中国というのは大きな影響力を持っているわけであります。アフリカにもどんどんどんどん、胡錦濤国家主席と温家宝首相が毎年二人で手分けして五十三か国を回りながら、自分の国だけのものでは当然足りないということで囲い込みをやっているわけですね。

 そういう中で、今回のこの大臣とのカウンターパートの間の中での話の中で、この今般出された経済産業省からの不公正貿易報告書の中にあるとおり、せっかくお互いが良好な関係が築き上げられるとするならば、この問題、今申し上げたように逆に減っているわけですね。この減ってきたということをどのような形の中で回復するかということがまたより重要な今回の両国の話合いの先の成果になってくると思うんです。

 合意文書はお互い署名したけれども、結果的にやはり先送りのような形になって、九割頼っている日本のレアアースがより減らされていくということでは何の意味もありませんので、是非ここのところを大臣、しっかりとしていただきたいと思います。

 そういう意味で、今回のこの話合いの協定の中でもう少し何か具体的な進展があったのか、あるいは今後、中国との関係の、レアアースを含めた資源等の関係についてどのような決意で進んでいかれるのか、そのお考えをお聞かせ願えれば有り難いと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) この日中レアアース交流会議というのは定期的に開かれてきたのですが、この場でレアアースの安定供給についての交渉をしてきたわけであります。それが、向こう側が先延ばしにして会議の開催に応じませんでした。それと同時に、それと並行して、レアアースについての輸出数量制限だとかあるいは輸出税等の、向こう側の規制措置を掛けてきたわけであります、これは世界に向けてでありますけれども。

 当初は、張平主任との会談の中にレアアースの話は入っておりませんでした。私からは事務方に強く、レアアース交流会議を開くということを約束をできないんであるならば会談に臨む必要はないということを伝えろということを申し入れました。うちの大臣はこう言っているということをそっくりそのまま伝えろということで、それで最終的に、じゃその項目を入れると、年内開催をするということを約束するという回答が返ってきたものでありますから、バイ会談を設定したわけであります。

 その中では、できるだけ早い時期を特定をしてほしいという話をいたしました。ただ、中国は今行政組織の改編中でございまして、そういう向こうの事情もあるものでありますから、なかなか何月何日ということまでは勘弁してくれと、ともかく年内に開催するということはバイ会談で了解をするからということでありました。その中で、数量制限、輸出制限とか輸出税についても、私から、こういうものは撤廃すべきだと、それが世界経済の安定的な発展、ひいては中国経済の発展に資するんだからという強く申入れもしたところであります。

 

○増子輝彦君 時間が参りましたのでこれで終わりにしたいと思いますが、最後にもう一点だけ。

 チベット問題、実はこれ人権問題等もございますが、もう私が言うまでもなく、大臣は御承知のとおり、チベットには多大なる実は資源があるんですね。ですから、チベット問題は人権問題だけではなくて、中国としてはこのチベットにある資源というものをどうしても確保していかなければならないという事情も間違いなくあるわけであります。そういう意味で、このチベットの資源、まさに中国にとっては本当に大変重要なものであります。

 この認識、大臣がどのようにお持ちになっているか分かりませんが、最後に、ちょっと時間を超過して申し訳ございませんが、このチベットの問題について、資源等を含めた大臣の考えをお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) それが国際案件であれ国内案件であれ、民主国家の中で平和裏に事が解決されるということが大事であります。このチベット問題に関しましては、日本だけではなくて世界中が、多くの国が懸念を持っているわけであります。首脳会談、陪席をしましたが、総理はかなり食い下がってこの問題を発言をされておられました。聞くところによりますと、本当のバイ会談、その後の二、三十分のバイ会談でも、更にこの問題で発言をしたということを仄聞をしております。

 対話が大事で、対話を始めたということは評価をすると。これをこれで終わらせないで、引き続きちゃんと成果が上がるようにつなげてほしいという要請を総理から、あるいはそれ以前に外務大臣から申し入れたわけでありまして、私はそうした政府の姿勢を強く支持したいというふうに思っております。

 

○増子輝彦君 ありがとうございました。これで終わります。

 

○中谷智司君 おはようございます。民主党の中谷智司です。

 増子理事も冒頭触れられましたけれども、昨日、中国四川省でマグニチュード七・八という大地震が発生をいたしました。地震に遭われた地域の皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。そして、被害が最小限にとどまるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 また、ミャンマーにおける災害におきましても、心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。

 中国の胡錦濤国家主席が今月六日から十日まで来日をされました。先ほど増子理事からも御質問がございましたけれども、私からも違った点について御質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、甘利大臣も福田総理とともに日中首脳会談に出席をされていましたが、特に経済分野についてどのように評価されていますでしょうか。甘利大臣の御見解を伺いたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 先ほども一部答弁をさせていただきました戦略的互恵関係の具体化が進んだという意味で、今回の会談は大きな成果があったというふうに考えております。この首脳会談におきましては、気候変動に関する日中共同声明において、中国側が、言わば公式の席では初めてでありますけれども、セクター別アプローチにつきまして積極的な評価というものを表明をしたわけであります。

 それから、先ほども答弁を若干させていただきましたが、東シナ海の資源開発問題でも長年のこの懸案事項に解決のめどが立ったということを確認をする、それから今後は細目を詰めてできる限り早期に全体を合意するということで一致をしたわけであります。

 そのほか、一昨年来開催が延期に延期を重ねられてきちゃったんですが、このレアアース交流会議、これを年内開催をするということについても合意ができたわけでありますし、日本、中国、韓国のビジネス環境改善アクション・アジェンダ、これはそれぞれ行政の透明性を上げて投資をする企業が予見性をしっかり持てるようにしていこうということでありますが、それについての具体的なアクション・アジェンダでありますが、これについて日中間で合意の成果が上がったということであります。

 今後は、これらの成果を更にかみ砕くといいますか、具体化して実効が上がるというものにしたいというふうに思っておりますし、その点に関して中国側と具体的な議論を今後継続をしていくという所存であります。

 

○中谷智司君 ありがとうございます。

 今回の胡錦濤国家主席の来日は本当にすばらしいことだと思います。このことをきっかけに日中の友好関係はもちろん、東アジア全体の友好関係、協力関係に広げていかなければならないと思っております。

 私もこの日中首脳会談について新聞各紙でも情報を取らせていただきましたし、そしてこの外務省発表の資料についても隅から隅まで読ませていただきました。そして、この中で、胡錦濤国家主席が日中首脳会談において、互恵協力を発展させ、経済、貿易両分野で量から質への転換を図りたいと言っておられましたけれども、日本としては具体的にどのようなことをお考えでしょうか、甘利大臣にお伺いいたしたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 首脳会談におきまして胡錦濤主席から一般論として御指摘のような発言があったわけであります。また、中国が二〇〇六年に発表しました外資利用第十一次五か年計画の中では、経済成長の量から質への転換、それから環境保護と資源節約の精神に基づき、外資利用もこの方針を適用するというふうに述べられているわけであります。

 経済産業省といたしましては、日中間の互恵協力の優先課題の一つというのは、省エネルギー、それから環境保護であり、我が国産業の言わば新たなチャンスというふうにとらえまして、ビジネスベース、これはビジネスベースということが大事なんでありますが、ビジネスベースの省エネ・環境協力を促進したいというふうに考えております。

 今般の機会におきましても、日中の省エネ・環境ビジネス推進モデルプロジェクトというものを中国の中央政府それから地方政府と連携して推進していくということで合意をいたしたわけであります。また、中国におけるビジネス環境の改善も非常に重要であると考えております。先ほど若干お話をさせていただきました日本、中国、韓国のビジネス環境改善アクション・アジェンダでありますけれども、今般日中間で合意をしたわけであります。

 さらに、私と、私とは同行の二人の大臣と会談をしましたけれども、もうお一方が陳徳銘商務部長でありますが、この商務部長との間で貿易・投資関連法律制度の研究に関する覚書、これを始めとしてビジネス環境改善を目的とした三つの協力事項について文書に署名をしました。あとの二つというのは、中小企業の中国への進出に関して、進出時から、それから進出後まで一貫した支援協力が必要だということに関して、それから技術貿易で知財の保護、技術対価の評価を適正にするということ等であります。

 今後、省エネ・環境ビジネスの推進と、日中間の、日中間というのは日本と中国の間のビジネス環境の改善に更に一層取り組んでまいる所存であります。

 

○中谷智司君 今回の日中首脳会談ですけれども、日中首脳声明を声明で終わらせることなく、先ほど甘利大臣もおっしゃられていましたけれども、内容を具体化しながら確実に実行に移していただきたいと思います。

 今、日本と中国の関係は、世界の中でも、もちろん地理的にも近いこと、そして昨年まで二十九年間の平均成長率が約九・八%という高度成長を続ける中国はマーケットとしても大きな可能性と魅力があると思います。この日中の経済関係の構築は、今後日本があらゆる分野で協力していくにおいて重要な基盤になると思います。そして、甘利大臣もおっしゃられていましたけれども、お互いが相手を取引先として信頼できて、何よりもお互いが利益を得られるような、そういうふうな関係をつくっていかなければならない、そして関係を改善していかなければならない、そういうふうに思っています。

 そうした中で、日中間が経済協力を進めていく上で首脳同士の対話、ハイレベル経済対話は非常に重要だと思いますけれども、今後の取組及び予定についてお聞かせをください。

 

○国務大臣(甘利明君) 中国では、今行革で省庁統廃合というのを中国もやっているわけでありますが、それにしても行政事務が多くの官庁に細分化されておりまして、関係官庁のリーダーというものが一堂に会して重要な課題を解決するという仕組みは極めて重要でありますが、それがこのハイレベル経済対話によって実現をしたわけであります。この日中ハイレベル経済対話に関しましては、私自身もこの設立から大きく関与しているわけでありますが、分野横断的な議題について複数の両国の関係閣僚が議論するという非常に重要な協議ができたわけでございます。昨年の十二月にその第一回目の会合、会議というのを北京で行いました。その際には、マクロ経済政策、気候変動問題、省エネ、環境、貿易、投資及び国際的な経済問題等に関して幅広い議論、協議が行われたわけであります。

 今般の首脳会談におきまして、次回の対話を今年の秋を目途に、交互にやりますから、今度は東京で開催をするということが検討されることになったわけであります。具体的な日程、それから具体的なテーマについて、今後中国側と調整していくことになっていくわけであります。

 経済産業省といたしましても、関係省庁、幾つかの役所が一緒に出るわけでありますが、協力しつつ、我が国と中国との間に存在をする諸課題の解決、互恵分野における協力につきまして、次回対話においても大きな成果を得ることができるよう努力をしていく所存であります。

 

○中谷智司君 ハイレベル経済対話では、日中首脳会談よりもより具体的な踏み込んだ成果を上げられるようにしていただきたいと思います。

 そして、先ほど私は中国は経済成長を続けているというお話をさせていただきましたけれども、日本から中国への投資は、実行額そして契約件数から見ても、数年前にピークを迎えて減少傾向にあります。件数は二〇〇四年の三千四百五十四件をピークに、二〇〇七年には千九百七十四件まで減少しました。実行額は二〇〇五年の六十五億ドルをピークに、二〇〇七年には三十六億ドルまで減少しています。

 今後、中国への投資はどのようにお考えでしょうか。

 

○副大臣(新藤義孝君) 中谷委員が御指摘のように、数字でいうとそういう傾向にあるわけです。この投資の減少の原因、それは幾つかございますが、まず中国国内の人件費が上昇してきていると、さらには外資優遇施策の見直しの動きというのが中国国内で起こっているということがございます。それから、日本企業のリストラによる生産拠点の再配置、これが一巡いたしまして、いわゆるチャイナ・プラスワンと、こういう動きが原因と考えられております。

 しかし、最大の原因と言われておりますのは、これは進出している企業へのアンケート調査を取りますと、中国国内の法令の運用が不透明であると。例えば、法令どおりに事務が執行されなかったり、それからパブリックコメントなしに法令が変わってしまう場合もございます。ですから、そういう中国国内の法令の運用、まさに安全なビジネス環境を確保する、このことが今中国への投資に対して一番重要な部分だと思っております。

 その意味におきまして、投資先のその国に対する判断というのは進出企業の経営判断でございます、それぞれの企業が考えていくことなのでございますが、我が国といたしましては、どこの国に対してもどんどんと企業が進出できるように、そういうビジネスや貿易環境の改善というものを図っていかなくてはいけないと思っておりますし、ましてや中国はとても大切な隣の国なのでございますから、そういった意味で、引き続き中国へのビジネス環境改善というものを図ってまいりたいと思っております。

 そして、先ほどから大臣が申し上げておりますように、貿易やそれから投資の問題について、さらには中小企業の進出、また技術貿易の発展と拡大、こういったものを今般の胡錦濤さんの来日の際に各大臣が覚書を締結したということでございまして、是非、今度の成果を基に更に中国のビジネス環境が改善されるように図ってまいりたいと、このように思っております。

 

○中谷智司君 御説明ありがとうございました。

 今のお話からすると、中国への投資意欲が減ってきたわけではない、そういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。──ありがとうございます。

 それでは、次の質問をさせていただきたいと思います。

 中国は今世界で二番目のエネルギー消費国です。エネルギー需要は二〇三〇年までに二〇〇五年と比較して約二倍に増加すると言われています。また、中国のエネルギー効率は低く、GDP単位当たり一次エネルギー消費量は日本の約九倍であって、改善が急務です。成長する中国市場には省エネ分野で大きなビジネスチャンスが存在します。先ほど甘利大臣もビジネスベースで考えていかなければならない、私も全く同じように思っていますけれども、この中国市場の省エネ分野への参入はどのようにお考えでしょうか。甘利大臣にお伺いいたします。

 

○国務大臣(甘利明君) ただいま御指摘のとおり、中国においては省エネ推進が急務でありまして、我が国は、中国に省エネを根付かせるというために、中国の中央政府それから地方政府や省エネの監督機関の職員を対象にした省エネ施策に係る受入れ研修を実施をしまして、中国の省エネ制度の構築を支援をしたわけであります。

 日本の省エネ法というものを極めて高く中国も評価をしておりまして、あっ、こういう仕組みでやっていくんですかと。それから、それに沿って人材育成も同時進行でしていくということで、これは大変に評価をされている支援であります。

 また、中国には省エネ分野で大きな市場も存在をすることから、ビジネスベースでの省エネ協力を進めるために日中省エネルギー・環境ビジネスフォーラムというものを開催をするとともに、日中省エネルギー・環境ビジネス推進モデルプロジェクト、この仕組みを創設をいたしました。このモデルプロジェクトは、日中の局長級の委員会で指定を行いまして、知的財産等の問題の未然防止、解決を図りつつ、省エネ・環境分野のモデルとなるビジネス案件を推進していくものでありまして、既に五件を実施をいたしております。

 やっぱり企業がビジネスベースで取り組む際には、技術の移転がありますから、知財の保護をしっかりやらなきゃならないと。それには、中央政府、地方政府がちゃんと後ろ盾でそれを守るということを確認できないとなかなか怖くて出られないというところがありますから、ですから、双方の企業間、この企業を特定して省エネ事業を行っていくという、特定するのとをだれがやるのかと。企業、企業の特定がもちろんまず最初にありまして、それから、企業間で起こるトラブルを未然に防止あるいは解決するための政府間の後ろ盾が必要でありますから、中央・地方政府の、そういう枠組みでモデル事業を作っていくと。それを横展開をしていくということになるわけであります。既に五件を今実施をしているところであります。

 中国側も、このモデルプロジェクトというのを重視をいたしておりまして、先日会談を行いましたが、国家発展改革委員会というのはエネルギー担当省でもありますが、その張主任との間でも引き続きモデルプロジェクトを推進していくということで一致をしております。

 今後も、こうしたモデルプロジェクトのような取組が中国全土へ拡大していくことを促すということによりまして、日本の企業の中国における省エネ分野へのビジネス参入というのを促進をさせていくという所存であります。

 

○中谷智司君 まだまだ本格的な参入はこれからというところだと思いますけれども、今おっしゃられたような成功モデル、ビジネスモデルというのをその五つの案件から是非とも作っていただいて、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 中国ではCO2の排出量も急激に増加をしています。中国はアメリカを抜いて本年度中にも最大のCO2排出国になると言われています。さらに、今後途上国からの排出量の半分が中国となる見通しです。世界全体での気候変動対策の実効性を確保するには中国の責任ある形の参加が必要であると思いますが、この件について甘利大臣のお考えを伺わせてください。

 

○国務大臣(甘利明君) まさにおっしゃるとおりだと思います。

 中国も、もう既に最大排出国になっているんではないかという報告もありますけれども、いずれにしても、ごく近い将来アメリカを抜いて最大排出国になることは明確であります。その中国がより責任ある形で参加をするということが、この気候変動問題に関する枠組みについて参加するということが重要であります。その際に、中国に限らずどこの国も、要するに公平な目標設定を可能にするということについて、どういう基準なり指標なり手法なりがまさに公平さを担保できるんだということに今極めて関心が高くなっているところであります。

 このセクター別アプローチというのは、途上国にとっても導入すべき技術が明らかになりますし、削減に向けた道筋が見えやすいという点で効率的な技術移転を促進をしていくというアプローチでありますから、このセクター別アプローチというものが次第に評価されつつあるんだというふうに思っております。

 日中首脳会談で気候変動問題に関する共同声明が発出をされましたけれども、その中でも排出削減指標又は行動を実施する重要な手段というふうにセクター別アプローチを評価をしているわけでありまして、日中両国はその役割について検討を進めることに合意をしたわけであります。

 今後とも、最大排出国になっている、あるいは近い将来なると言われている中国を含めた主要排出国すべてが参加した、新しい公平公正な枠組みができることに日本も最大限貢献をしていきたいというふうに思っております。

 

○中谷智司君 是非ともよろしくお願いします。

 中国の大気汚染というのは一般的に知られていると思います。最近では北京オリンピックに出場するマラソンの選手なんかが空気が悪いと言うのがテレビのニュースやあるいは新聞で報道されていて御存じの方も多いと思いますけれども、中国では水質汚染や水不足も深刻です。

 水資源が少なく、中国における一人当たりの水資源量は世界平均の三分の一以下です。人口・産業集中地域で水不足が深刻化しています。水利用効率も低く、経済成長のために先進国の四倍の水を浪費しています。また、水質汚染も深刻で、河川の三割は触れることもできないというふうに言われています。水資源の分野において、日本にとっては、これも先ほどの省エネの件と同じく、大きなビジネスチャンスとなって、中国にとっても日本の技術を導入でき、お互いにメリットのある関係を構築することができると思いますけれども、この件についてお聞かせください。

 

○国務大臣(甘利明君) 公害被害で深刻な基本となるものは、空気の汚染と土壌の汚染と水質の汚濁ですね。それぞれ中国では相当深刻だというふうに思っております。

 御指摘の水に関しましても、もうこれ、中国国民が生活をしていく上でもう待ったなしの状況になっておりますし、汚染河川の下流で捕れる、海で捕れる、湾で捕れる魚は食べない方がいいというふうに国連が警告をしたりしているぐらいでありますから、これはもう待ったなしだと思います。

 そこで、技術立国日本ではこの水の浄化をするための膜技術、これが世界最高水準にあるわけであります。ですから、水を浄化するということも日本の技術に中国は期待をしているところだと思います。そうした強みを生かして水資源に関する貢献をしていくことができるし、必要だというふうに考えておりますが、ビジネスという面でも、御指摘のとおり、省エネビジネスと併せて水を浄化をするビジネスについても極めて有効なフロンティアになろうかというふうに思っております。部品の供給だけではなく、プラントの建設から、それから運用、それから補修まで、これは中国に限らずだと思うのでありますけれども、世界的に大きな市場になるということが予想されています。

 でありますので、経済産業省といたしましても更に能力のアップした膜技術の開発に向けて、環境整備をしていくべく積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 

○中谷智司君 空気やあるいは水に対しては我々も十年、二十年前からの感覚は非常に変わってきていて、水や空気に対しては非常に敏感になってきて、例えばミネラルウオーターがたくさん売れたり空気清浄機が家庭にたくさん導入されたりということで、この分野に関しては日本も非常に技術に関しても進んでいると思います。そして、この中国における大気汚染やあるいは水の汚染については、これは健康被害になる可能性もありますので、是非とも前向きに取り組んでいただきたいと思います。

 それでは、中国のことはこれぐらいにいたしまして、日本のことについて御質問をさせていただきたいと思います。新産業の育成について質問をさせていただきます。

 今、地方においては人口減少、高齢化が大きな問題になっています。地方においても新しい産業を育成し、働く場所を確保し、若い人が都市部へ流出していくのを止めなければなりません。

 以前、私もこの委員会で、徳島県上勝町のおじいちゃんやおばあちゃんが葉っぱを販売する「いろどり」事業についてお話をさせていただきました。地域の特徴を生かした事業、地域の課題を解決するコミュニティービジネスが全国的にも徐々に増えつつありますけれども、このように地域に根付いて地域に貢献する企業や産業を育成したり、全国に宣伝していくべきだと考えておりますが、甘利大臣のお考えを伺わせてください。

 

○国務大臣(甘利明君) 料亭や旅館で料理のいわゆるつま物として使われる葉っぱですね、「いろどり」というのは。高齢者がこの葉っぱのビジネスに取り組んで成功している例でありますが。

 それ以外にも、病児保育といいますか、健康な子供を預かる施設はいっぱいありますけれども、病気の子供、医者にかかるというところまで、入院しなければならないという状況じゃない子ですね、それを一時的に預かる施設というのがないと。だけれども、子育てのノウハウを持っている子育てが終わった母親が保育スタッフとして加わっていると、そういうビジネスが、そういう保育ができるということ等々、コミュニティービジネスというのは新たな地域における雇用を生み出す担い手として注目をされているわけであります。

 しかし、まだ認知度が低いとか事業運営ノウハウが確立されていないということ等の課題があるわけでありまして、こうした課題解決のために認知度を向上するための普及広報事業を進めるとか、あるいは人材の発掘、育成であるとか、コミュニティービジネスの成功モデルの他地域への展開等、取組を我が省としては積極的に支援をしているところであります。

 地域の活性化にも大変に重要な手だてだというふうに思っておりますので、今後とも積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 

○中谷智司君 ありがとうございます。

 今回、このコミュニティービジネスに予算を出していただいた、このことは非常にすばらしいことだと思います。しかし、まだまだこれ五・七億円しか予算が取られていません。私は、地域の雇用を創出したり、あるいは地域の課題を解決したり、こういうふうなことにはもっともっと予算を出していくべきだと思いますが、この件についてお伺いさせてください。

 

○政府参考人(勝野龍平君) お答え申し上げます。

 コミュニティービジネス振興するためには、その認知度を向上させること、あるいはその担い手を発掘、育成すること、こういったことが非常に重要だというふうに考えてございます。このために、経済産業省では、御指摘のように二十年度の予算として五・七億円の予算を計上して種々の施策を展開しているところでございます。

 具体的には、コミュニティービジネスを全国的に普及するための全国規模でのフォーラムの開催、優れた事例を選出するコミュニティービジネス百選の作成、各地方ブロックごとにコミュニティービジネスの事業者と自治体や企業あるいは金融機関との交流を促進するための協議会の設置、コミュニティービジネスの起業や経営を支援している中間支援機関の担い手の育成、成功したビジネスモデルの他地域への展開、村おこしを担う若者等の人材育成等、支援してまいる予定でございます。

 確かに、予算が少ないとの御指摘でございますけれども、限られた予算の範囲内でありますが、これらの多くが本年度から新たに取組を開始するというものでございますので、まずはこれらの施策を効果的かつ的確に実施して、きちっと成果を上げていくことに全力投球をしてまいりたいと思います。それを踏まえて必要な対応を検討してまいりたいという、こういう考え方でございます。

 

○中谷智司君 このコミュニティービジネスはほとんどが小規模、零細です。人材や情報などの経営資源も限られていますし、立ち上げ時の資金面での支援を何とかしてほしいというようなお話もよく伺います。もちろん、まずは今年この予算の中で成功させて、是非とも前向きに進めていっていただきたいと思います。

 時間がありませんので、最後の質問をさせていただきたいと思います。

 エネルギー問題について伺いたいと思います。

 

○委員長(山根隆治君) 時間がもうなくなっておりますので、簡潔に願います。

 

○中谷智司君 はい、分かりました。

 それでは、一点だけ質問をいたします。

 個人住宅において税制上の優遇措置や助成を含んで太陽光発電などの新エネルギー設備の導入を積極的に推進することが重要だと思いますけれども、この件について甘利大臣のお考えを伺わせてください。

 

○国務大臣(甘利明君) 住宅用の太陽光発電は家庭部門における新エネルギーの導入推進に当たって最も有力な選択肢であります。いかに個人住宅への普及を効果的に進めていくかということが大事なのでありますけれども、補助制度は電力料金で償却できるということになって次第に補助率が下がり、低額になり、それがなくなってしまったと。今後普及にどうするんだという御指摘をよくいただくわけであります。最初から住宅の中に組み込まれているものを住宅販売用のパンフレットで宣伝するとか、住宅建設会社が最初から組み込み方式のものをPRしていくということが大事だと思いまして、国交省と連携をしまして、関係事業者が参画する懇談会を設けまして、デザイン段階から協力していくと。

 今申し上げたように、住宅販売用のパンフレットに......

 

○委員長(山根隆治君) 答弁の途中ですが、簡潔に願います。

 

○国務大臣(甘利明君) 載せていくということを今指示したわけであります。

 総合資源エネルギー調査会に関して抜本的強化について御審議をいただいているところであります。

 

○中谷智司君 是非前向きに御検討ください。

 ありがとうございました。

 

○加納時男君 加納時男でございます。

 質問に先立ちまして、大変なサイクロン被害を受けましたミャンマーの方々、そして地震被害を受けられた中国の方々に心からお見舞いを申し上げ、一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。

 質問に入ります。ちょっと時間を短くして質問させていただこうと思っています。そのように努力いたします。

 さて、原油の価格の高騰が続いております。先週、ニューヨークの先物市場、NYMEXと申しておりますが、そこのWTI、ウエスト・テキサス・インターミディエートの原油価格が一バレル当たり百二十六ドルを記録いたしました。日本が付き合っているのはドバイが多いんですけれども、そのドバイの原油も、昨日の外電によりますと、初めてバレル当たり百二十ドルの大台を突破したと伝えられております。

 この石油の価格の高騰は一体何によるのでしょうか。実物が果たして不足している、あるいは実物の原油の需給がタイトなんでしょうか、この辺りをまず伺いたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 供給ショーテージを起こしているということではありませんで、現状でいえば需要に足る供給はなされているわけであります。そこまででいいですか。

 

○加納時男君 ちょっと具体的に伺いたいと思います。

 今大臣が大事なことを言われて、実物の需給では決して逼迫はしていないと。昔あった第一次石油危機とか第二次石油危機とはやや違うんだということだろうと思います。私もそう思います。

 数字でちょっと教えていただきたいと思いますが、例えば最近十五年間、一九九一年から二〇〇六年までの統計が出ていると思いますけれども、世界の石油の需要は何バレル増え、そして供給は何バレル増えたんでしょうか。これをまず伺いたいと思います。

 

○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。

 需要の方は、九一年の世界の石油需要というのは日量で六千七百十万バレルでしたが、十五年後の二〇〇六年には一・三倍の約八千四百九十万バレルと、約千七百八十万バレルの増加を示しております。

 それに対しまして、ほぼ供給もそれに見合った量でございますけれども、一九九一年の世界の日量の供給量は六千七百万バレルでございますし、二〇〇六年の石油供給は日量で八千五百四十万バレルということでございますので、ほぼ同じように千八百万バレル強の増加というふうに需給上はそれぞれなってございます。

 

○加納時男君 分かりました。

 今の御説明で需要も供給も約千八百万バレル・パー・デー増えているということでありますから、需給の差としては変化はないというふうに理解いたします。だとすると、実物では特にショートはしていないけれども、何らかの先行きに対する不安要因があるからではないかという仮定が成り立つかと思います。それを裏付けるためによく言われております中国とインドの大変なインパクトについて伺いたいと思っています。

 昨年、世界エネルギー会議がローマで十一月に開かれ、私それに招待討論者として呼ばれて出席しているときに、ちょうどその前の日にIEAが需給見通しを発表しました。それをずっと報告があったので聞いていてはっと思ったことがありましたのは、中国とインドをエイシアンジャイアント、アジアの巨人、新しい巨人というふうに名付けているんですが、GDPで見て、最近の世界の五年間の伸びのうちGDPではこの二か国が四割を占めるという話なんですね。私はもう面白がってすぐにほかの統計を見て計算したら、一次エネルギーではこの二か国は五割を占めます、CO2では増分の六割がこの二か国であります、石炭消費に至っては何と八割であります。というようなことでございます。

 そこで、世界の経済とか資源とか、それからエネルギーとか環境にこの二つの国の今後の影響も非常に大きいのではないかというふうに見られるわけでありますけれども、そういったところから見まして、これからの先行きですね、二〇三〇年ぐらいまでを見越して、この二か国がどのようなエネルギーの面、特に石油の面では動きになるだろうか、分かれば教えてもらいたいと思います。

 

○政府参考人(望月晴文君) 今御指摘のように、IEAのデータで先行き見通しが出ておりますけれども、世界の石油需要は二〇三〇年に日量で約一億一千六百三十万バレルということになりまして、二〇〇六年の日量の八千四百九十万バレルに比べて約四割、量にして三千百四十万バレルほど世界全体で増加すると予測されておりますけれども、このうち中国及びインドの世界需要に占める割合についていいますと、二〇〇六年には、中国が八・五%、それからインドが三・一%、つまり足下では合計で約一割世界の需要をその二か国で占めておりましたが、二〇三〇年にはそれぞれ、中国が一四・二%、それからインドが五・六%と、そのウエートを大幅に増加いたしまして世界全体の二割になるというふうに予想されております。

 

○加納時男君 ありがとうございました。

 もう一つ、仮説としてOPECであります。OPECは世界でも最も原油の埋まっているところでありますし、供給面でも輸出面でも大変に大きな力を持っています。このOPECの生産が下方に向かっている、減っているのではないか、そしてOPECの生産余力が減ってきているのではないかと、こういう仮説を立ててみたいと思うんですけど、これは事実かどうか、非常に大事な点なので、数字を教えてもらえたらと思います。

 

○政府参考人(望月晴文君) 先ほどと同様に十五年前と現在と比較してみますと、世界全体の石油供給量は一・二倍、千八百万バレル強の増加ということを先ほど申し上げましたけれども、このうちOPECは二千五百六十万バレルから三千四百三十万バレルへと一・三倍、約八百八十万バレルの増加を占めております。また、非OPEC諸国は四千百四十万バレルから五千百十万バレルへと一・二倍、約九百七十万バレルの増加となってございます。したがって、OPEC自身は全体よりは少し多く増加をしているということでございます。

 それから、供給余力という観点から、能力から見た供給余力という観点から申し上げますと、OPECの供給余力と言われているものは、九〇年以降、大変、最大値では九九年に日量の八百二十万バレルの供給余力を持っていた、余裕を持っていたということを言われて、これが最大値でございますが、それ以降少し減ってまいりまして、一番近いところで統計上可能なところは二〇〇四年の百七十万バレルというところまで一番最小で減ってきたわけでございますが、最近では少し回復をして三百万バレル・パー・デーぐらいの前後で推移していると。いずれにいたしましても、供給余力が最大限あった八百二十万バレル・パー・デーの時代から比べますと供給余力はかなり少ない状態に今現在推移しているということでございます。

 

○加納時男君 今日はちょっと数字をいろいろ伺って恐縮でしたけど、以上をまとめて見ると一つの結論が出せると思います。つまり、いろんな仮説を立ててみて、例えば世界の原油の需要がどんどん伸びていった、供給が落ちてきたからギャップができているんじゃないかと。これは、そんなことはないと、需要と供給は一致をして増えているというのが第一。

 それから第二の仮説であったOPECの生産が落ちているんじゃないかと。これは今のお話があったように、ざっくり申し上げて約十五年間で今の端数を四捨五入すると九百万バレル・パー・デーになると思いますが、現実に増加をしている。確かに非OPECも九・幾つか増加しているんですけど、九MBD増加しているというのは、これは大変OPECとしては生産が増えているんだというので、OPECの生産が減ったからというのも違っていると。

 もう一つは、OPECの供給余力が、ひところはOPECが原油が下がったためにこれに懲りて生産を減らして生産余力を絞っているんじゃないかという仮説がないではないんですけど、これ、二〇〇四年が今底だと言われましたけど、実はそこから増えているんですね、OPECの生産余力は。今約三百万バレルぐらいあると思います、一日当たり。

 こういうように考えていきますと、どうも現実にショートしているというよりも、先行き中国、インドを始めとする新興国の経済成長によってモータリゼーションも進み、そしてまた灯油の使用も増えるだろう、生産用の油も増えるだろうというので、油が増えるだろうという見込みで、そして、しかも一方、供給のピークオイル論があるということがあって、先行きを見通した動きではないかということにどうもなりそうであります。

 そこで伺いたいんですけれども、我々は、専門家は、今日は片仮名が多くて済みませんが、今までのような実物の需給による解析をファンダメンタルズ、基礎的条件と、こう言っているんですが、もう一つはプレミアムという言葉、よく業界の方々使っていますが、それに追加した要因というような意味でございます。

 それで、私は、分類すると、地政学的なリスクというのが一つあって、もう一つは投機マネーが流入しているんじゃないかと、こんな仮説を持つわけですけれども、これについての見解を伺いたいと思います。

 

○政府参考人(望月晴文君) 地政学的な要因ということで石油の場合最も考えられますのは、今御指摘になりましたように、主力の生産地域がOPECを中心とした中東地域にあるということだろうと思います。中東地域は、もちろん御高承のとおり、イランもイラクも等々、地政学的には大変リスクの高い状態にここ数年ずっとあるわけでございまして、過去の歴史を見てもそういうところにあると。それからもう一つ申し上げますと、実は埋蔵量自身も中東地域に相当偏って存在をしていますので、それもあって将来的にもこの地域にある程度依存せざるを得ないというのが物理的な状況であって、そのことが地政学的な要因、リスクと言われているものの中身であろうかと思っております。

 もう一つ、プレミアム要因で言われておりますのは投機マネーの話でございます。これはもう先生御高承のとおり、これまで株式市場等々にありましたマネーのうちのかなりの部分が先行き見通しがどうかということで流入してきているということでございます。

 

○加納時男君 大変明快に分かりました。確かに、石油の埋蔵量の大宗を占めるというか、非常に一番多いのが中東でありますし、そこにおける地政学リスク、今イラン、イラクというお話がございましたけれども、加えてイスラエル、ヒズボラの紛争でありますとか、それからシリアに核施設があるということ、しかもそれが北朝鮮の支援でできたということを明らかにした上で、これへのイスラエルの攻撃、これがまたアメリカが公表したと、いろんな状況がございます。ナイジェリアの問題、そのほかテロのリスク、シーレーンのリスク、様々なことがある。それが一つあって、もう一つは投機マネーの動きだろうと思います。

 特にこれは、さっき二〇〇四年という言葉が出ました。これ以降私非常に気にしているんですけれども、これ以降動きが非常に活発になってきたのがオイルマネーであり、年金資産であり、それからSWF、ソブリン・ウエルス・ファンドと言っていますけれども、新興国の外貨準備多くなりましたので、こういったものがマネーとして動き始めている。加えてヘッジファンド、サブプライムで行き場を失ったマネーの流入、様々な要因があると思いますが、この辺の分析はまた引き続きやっていただいて、国会ででもまた報告をしていただければと思っています。

 現状はそんなことの理解でいいかと思うんですが、それではじゃどう対策していくのか。先ほど同僚委員から国内対策についていろいろ質問があり、回答がありましたので、私は、国際対策といいますか、世界全体の原油高対策について甘利大臣の御見解を伺いたいと思っています。

 私どもの見解といいますか、自民党の見解は既に政府にもお伝えしてありますけれども、私どもは、やはりこれは需要面と供給面と両面で対策を取らなきゃならない、世界的にですね。その手法としては二つあって、一つはエネルギー利用、生産、利用の効率化という切り口、もう一つは燃料転換だと思うんです。こういったことで考えていったときにどんなことが考えられるのか。こういったメッセージを発し、これを実現していくことによって二つのねらいを私ども持っているんですが、一つはファンダメンタルズを改善したいということ、それからもう一つはマネーのプレーヤーに対して警告を発する。そして、何としてもこのような高い異常とも言える原油の高価格が続くならば我々は一致協力して石油から石油以外への転換を図ると、具体的にはこういう手段でやるんだということをメッセージとして発信してほしいということを自民党としては、私座長をやっているんですけれども、プロジェクトチームでまとめ上げ、官邸にも政府にも申し入れたところでありますが、甘利大臣、これもちろん十分御承知の上だと思いますけれども、外遊などいろいろしていらっしゃいますけれども、どのように大臣はこれに取り組んでいらっしゃるか、またお考えを伺えたらと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) おっしゃるとおり、需給両面からの対応が重要だと思います。

 そして、私は石油担当大臣ですから私の発言自身が与える影響を考えて、産油国に対してどこまで言えるかというその限界があるんでありますが、本当にこんな状態が続くと世界は脱石油に動くぞと、そういったときにあなた方の国には何が残るんだということを、間接メッセージが伝わるようにいずれしていかなきゃならないんだと思います。未来永劫、石油に依存する世界が広がっていくのかというと、それを前提にしていったら危険ですよということを間接的に伝わっていくようにしなければいけない。私自身が余り刺激的なことを言うのには限界があります。

 現状が石油が世界の一次エネルギーの大宗を占めている中で、産油国のことも考えてソフトランディングしていくような資源供給、消費体制をつくっていかなきゃならないというふうには考えておるわけであります。我々が需要面側でなすべきことは、徹底的に省エネを図るということと、それから代替エネルギーに大胆にシフトしていくということだというふうに思っております。

 プラグインハイブリッド電気自動車、あるいは燃料電池の開発、あるいはヒートポンプですね、これは有効な手段になると思いますし、製造分野では、製鉄の分野でコークスに代わる還元剤として水素を利用するという研究が進められています。鉄鉱石というのは、あれは酸化鉄ですから、それから酸素を取る必要があるわけでありますが、コークスを使って取りますとCO2ということで炭酸ガスで出ると。水素を使いますとH2Oで水になるわけでありますから、これは環境面にもいいということになります。極めて高度な技術でありますけれども、これは有効な研究対象たる技術だというふうに思っております。この供給面の多様化で、新エネの導入、石炭ガス化複合発電、トリプルコンバインドサイクル等々、クリーンコールテクノロジーの実用化に取り組むと。

 それから、何といっても、もちろんその安全を大前提にするということは当然でありますが、更なる原子力の進化をしていくということは、これは極めて有力なツールだというふうに思っております。技術がブレークスルーするというふうに、この温暖化問題は、あるいは石油危機問題は技術がブレークスルーするというふうに考えておりますが、この点、日本の強みでありますから、これを加速させていきたいというふうに思っております。

 

○加納時男君 ありがとうございました。

 甘利大臣は平素から、この環境問題とエネルギーのセキュリティー問題、今日の話題に即して言えば石油対策、いずれも共通しているのは、三つのことをやっていけばいいんじゃないかと、特に重点的に。一つは省エネルギーであり、二つ目は再生可能エネルギーであり、そして欠かせないのが三つ目に原子力だとよくおっしゃっているのを雑誌等で拝見していますけど、今のお話もその路線に沿ったお話だったと思います。

 今お話の中で出てきたもので一つだけちょっと大臣の思いを伺いたいんですが、ヒートポンプについてはどのような期待を持っていらっしゃるでしょうか。

 

○国務大臣(甘利明君) 私は、原子力とヒートポンプの組合せって最強の組合せだと思うんです、現在既にある技術でですね。原子力発電というのは、その発電時にCO2ゼロです。ヒートポンプというのは稼働時にCO2排出ゼロです。ゼロ・ゼロの組合せであります。しかも、ヒートポンプというのは投入するエネルギーの何倍もの効果が得られるわけでありますから、このヒートポンプというのは極めて有効なツールだと思います。さきの総合科学技術会議の席上もヒートポンプが取り上げられまして、日本中の給湯をこれに入れ替えると一億三千万トンのCO2が削減されると、これは日本が排出している総量の一〇%に匹敵するというような発表がありました。

 もう既に実用化されて普及している技術でありますから、これは大いに活用していくべきだと思います。

 

○加納時男君 ありがとうございました。

 今はどちらかというと需要側の対策を伺いました。では、供給側の代表的なものを一つお伺いしてみたいと思います。それはオイルサンドであります。

 日本ではなかなかオイルサンドというのはなじみがないんですけど、アスファルトに砂が混ざったようなものでございます。これはカナダのアルバータなんかに多いわけでございますけれども、幾つか事実を伺いたいと思います。

 どのくらいの埋蔵量があり、どんなふうに採取していくんでしょうか。

 

○副大臣(新藤義孝君) オイルサンドはいわゆる石油の砂でございますが、粘性が極めて高くて常温では流動性が著しく低いと、これはタールの塊のようなものだと、このように聞いております。それで、地表の近いところにあるものは露天掘り、それから深いところは、蒸気パイプを入れまして温めて流動化させて、それを採取すると、こういうことでございます。

 これはほとんどがカナダ西部にあると言われておりまして、これは埋蔵量千七百三十二億バレルが予測されております。これは、例えば世界最大の原油埋蔵量を誇るサウジアラビアの埋蔵量の約七割、それから第二位のイランの埋蔵量よりも多いと、こういう状態だということでございます。

 そして、既にカナダ国内で商業生産が開始されておりまして、日産で百十八万バレル、これは、日本の一日の原油輸入が四百万バレルぐらいですから、一日に日本が必要とするものの四分の一ぐらいは日量で生産されていると、こういう状態でございます。これをさらに二〇二〇年までに現在の四倍程度に広げていこうと、これがカナダの計画であると、このように伺っております。

 

○加納時男君 今お話があって、生産ができているというんですけど、その生産はあれですか、ビチューメンの話ですか、それとも合成原油の話ですか。

 

○副大臣(新藤義孝君) 今のはビチューメンの話でございます。

 

○加納時男君 ビチューメンでは余り、正直言って使い物にならないんですよね。これ、どろんどろんした、もう本当に固いような、極めて重質油でありますから、これを改質していかなきゃいけないと思うんです。高温高圧の下で分解して脱硫して、そうすると合成原油ができるので、そこまで行って初めて使えるのかなと思いますけど。

 今お話があったように、これは私が大変魅力を感じていますのは、まず、三つあるんですね、魅力あるのは。

 一つは、どこにあるのか。カナダにあるというところであります。つまり、非常に地政学的にも安定したところであります。中東ではない、カナダである。

 二つ目に、リザーブが大きい。先ほど、千七百億バレルですかというお話がありましたけど、まさにおっしゃるように、これはサウジアラビアの原油の八割に当たるような大きなものであって、これとオリノコタールですね、ベネズエラの、これと合わせると中東の原油にほぼ匹敵するんじゃないかと思うぐらいポテンシャルがある。よく上がるのは、ポテンシャルはあるけど現実に役に立たない、なかなか実現できないというのがこの手の話には多いんですけど。

 三点目の魅力は、既に今、新藤副大臣が言われたように、実用化というか商業化が百万バレルを超える、一日当たりですね、規模で始まっているというところであります。

 最後の質問になりますけれども、これに対する日本の参加具合はどうでしょうか、そして日本では何が課題でしょうかを伺って、この質問を終わりたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) カナダにおけるオイルサンド開発に係る数件のプロジェクトに対しましては、JAPEX、INPEX、新日本石油開発が参画をしているところであります。

 加えまして、経済産業省では、超重質油、タールみたいなものでありますから、この分解技術の開発など、オイルサンドを含む非在来型石油の有効活用のための技術開発への支援も積極的に行っているところであります。

 オイルサンド資源、期待をされるところでありますから、今後とも我が国企業の活動に対する支援を積極的に進めてまいりたいと思っております。

 

○加納時男君 大臣から今、御決意も含めてよく伺いました。

 こういった問題を実は取り上げていくのは意味があると思うのは、原油の高騰が続くならば、ただ脅かすだけじゃない、現実にこういう行動を取るぞと、石油に代わるものをつくっていくぞと。石炭の液化もそうでありますし、石炭のガス化複合発電、プラスCCSもそうでありますし、石油に代わることをやっていくよ。それから、さっき大臣がおっしゃったプラグインハイブリッドから電気自動車といった系列、その電気は原子力から取るというようなことで、石油依存を減らしていくということもやっていく。その中で、石油に最も近いもの、言わば石油の親戚だと私は思っていますけど、このオイルサンドもしっかりやっていくぞということを言うこと自体がこのふらふらさまよっているマネーを自重させる道になるんじゃないかと、そんなことで質問をさせていただきました。

 今の大臣の御回答、すばらしいと思いますので、それを是非実現していただくよう期待をして、若干時間を縮めまして、これで追い付いたと思いますけど、私の質問は終わらせていただきます。

 

○松下新平君 お疲れさまです。無所属の松下新平です。

 私からも、今般の中国での大地震、そしてミャンマーでのサイクロンの被災、被災された皆様にお悔やみと、そしてお見舞いを申し上げますとともに、自然災害を共有する我が国として、あるいは、七月に環境をテーマとしたサミット議長国としての役割がある日本政府の最大の支援を要求いたします。

 それでは、私からは道路特定財源に関しまして二問質問を用意しておりますので、それぞれ御答弁をお願いしたいと思っております。

 まず一問目ですが、三月のこの委員会のときに質問をいたしました揮発油税などの暫定税率。期限を切れた場合、そして復活した場合、市場が大混乱に陥ると。その場合の経済産業省としての取組をお伺いしたところ、甘利大臣からは、最大限市場の混乱を招かないように取り組むという御答弁をいただいておりますが、実際、この一か月の状況を教えていただきたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 暫定税率の変動に伴う混乱というものをできる限り軽減すべく、まず、その安定供給面の対策、二点目としては、消費者向けの取組、消費者向けの相談、広報対応、それから三点目としては、販売事業者に対する経営安定対策、この三点を中心に全力で取り組んできたところであります。

 具体的に申し上げますと、まず一点目として、石油業界に対する最大限の供給量の確保の要請であるとか、経済産業省の本省、それから全国の地方経済産業局に設置をしました緊急対策本部におけるこの実態の把握、二点目といたしまして、相談窓口における、この連休中も含めた消費者へのきめ細かな対応、三点目といたしまして、ガソリンスタンドの経営安定化に向けた特別信用保証の拡充や特別利子補給の新設等の対策を講じてきたわけであります。

 こうした対策に加えまして、元売、それからスタンドを始めとする関係者による懸命の努力が行われた結果、給油待ちの列であるとかあるいは在庫切れ等が発生したスタンドは幾つかありました、ありましたが、ガソリンの供給そのものに多大な支障が生じるという事態には至りませんでして、何とか乗り切ることができたというふうに承知をしているところであります。

 経済産業省といたしましては、引き続きこの市場の実態把握に努めつつ、安定供給の確保や販売事業者の経営安定対策に万全を期してまいりたいと考えております。

 

○松下新平君 ありがとうございました。政治は結果責任でありまして、この税制関連、こういった法案が期限内に結論が出ない、周知期間なしにこういった事態になることは初めてのことだと思いますけれども、こういったことがないようにしっかり政治の責任を果たしていくべきだと思っております。

 続きまして、原油高騰の問題は今日御答弁いただきましたので御回答は結構でございますけれども、やはりこの根底には十六年春以降の高騰、そして高止まりが影響しているわけであります。この委員会を開くたびにニューヨークの先物取引の高値がどんどん上がっていくという状況もございますので、甘利大臣におかれましては、これから外交日程、資源外交も予定されているようですので、引き続き取り組んでいただくように要望いたします。

 続きまして、二問目ですけれども、これは個別具体的ですけれども、トラック運送業界から要望が参っております。

 トラック運送業は私たちの生活の足として大きな役割が担っていただいているわけでございますけれども、トラック運送関係ですと、道路特定財源では軽油引取税がございます。リッター当たり三十二円十銭の徴収をいただいているところでありますけれども、そのうち本則税率が十五円、暫定分が十七円十銭、暫定の方が大きいわけであります。

 さらに、この暫定分は段階的に引き上げられていまして、平成五年に七円八十銭引き上げられた経緯がございます。業界の方は大変な反発があったそうなんですけれども、当時、その分は荷主に転嫁するという決議もなされたということで、渋々業界ものんだということもお伺いしておりますが、実際、今日、国土交通省お越しいただいていますけれども、こういった荷主の転嫁がなされているのかどうか、御答弁をお願いしたいと思います。

 

○政府参考人(神谷俊広君) お答え申し上げます。

 先生御指摘の軽油引取税の暫定税率の運賃転嫁でございますが、おっしゃいますとおり、平成五年の暫定税率七円八十銭の引上げの際に、当時の運輸大臣の方から閣議の場におきまして、関係府省庁の大臣に直接その引上げ分の転嫁が適正かつ円滑に行われるように要請をさせていただいたという経緯がございます。また、これを踏まえまして、当時の運輸省でございますけれども、具体的に三点、大きな点でございますが、転嫁対策を講じさせていただきました。

 一つは、荷主を所管される省庁に対しまして、円滑な転嫁が行われるように所管の荷主団体等への周知徹底方の徹底について御要請をさせていただいたというのが一つ。それから、業界団体でございます社団法人の全日本トラック協会というのがございますが、こちらに対しまして当時の運輸省の方から、今回の引上げの趣旨、内容に関する周知活動に対する留意事項につきまして指示をいたしまして、これに基づいてきちっと転嫁を図るようにという指導をさせていただきました。それから、地方におきましては、運輸局、それから地方のトラック協会、地域の大手荷主の方々をメンバーといたしました荷主懇談会、こういったものを通じまして、地方レベルでの転嫁に対する理解も促進をさせていただいたという経緯がございます。

 御質問の転嫁状況でございますが、これ定量的に七円八十銭の転嫁状況について把握することはなかなか困難でございましたけれども、平成二年にトラック事業に関しましては規制緩和をやりまして、運賃が認可制から届出制になったということ、それから当時、景気の低迷の影響等もございまして、暫定税率七円八十銭の引上げ、この分についての運賃への転嫁、なかなか厳しい状況にあったということを業界サイドから私どもは聞いておるわけでございます。

 先生まさにおっしゃいましたように、トラック運送事業、非常に中小企業という脆弱な体質の中でございますけれども、昨今の軽油価格高騰、非常にトラック業界、窮状にございまして、私ども、この七円八十銭の分だけではなく、運賃全体の、軽油高騰の分も含めました運賃全体の円滑な転嫁についての環境整備がこれが一番今必要であるというふうに認識をしておりまして、平成十七年から平成十九年にかけまして、国土交通大臣あるいは国土交通審議官、さらには地方の運輸局長、こういった人たちが中央、地方で駆けずり回ったという経緯もございます。

 それから、ここへ来まして、本当に軽油が平成十九年の十二月にはリッター当たり百八円ということで、十五年当時に比べますともう一・七倍という大変な状況が続いておりますが、私ども国土交通省といたしましては、これ公正取引委員会とも十分に協議をいたしまして、平成二十年、今年の三月にトラック運送業における燃料サーチャージの緊急ガイドラインを策定いたしました。今日、このガイドラインの普及を徹底しようということで頑張っておる次第でございます。

 

○松下新平君 お話がありましたけれども、荷主の転嫁はなかなかなされていないと、そしてまた、規制緩和後の引上げでありましたので、思うようにいかなく、経営悪化しているという状況がございますので、経済産業省としてもこういった状況を踏まえてまた後押しをしていただきたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。

 

○委員長(山根隆治君) 本日の調査はこの程度にとどめます。

    ─────────────

 

○委員長(山根隆治君) 中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律案及び企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 政府から趣旨説明を聴取いたします。甘利経済産業大臣。

 

○国務大臣(甘利明君) まず、中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 近年、企業規模や業種、地域により景況に格差が見られる中、我が国が地方を中心として元気を取り戻し、活力ある経済社会を構築するためには、地域経済の中核を成す中小企業者や農林漁業者の活性化を図ることが重要であります。

 このためには、中小企業者や農林漁業者が一次、二次、三次の産業の壁を超えて有機的に連携し、互いの有するノウハウ、技術等を活用することで、両者の有する強みを発揮した新商品の開発や販路開拓等を促進することが重要であります。この点を踏まえ、政府としても、農林水産省と経済産業省が一体となって、中小企業者と農林漁業者のつながりを応援し、それぞれの強みを十二分に発揮した事業活動を促進するための措置を講ずる必要があることから、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、中小企業の経営の向上及び農林漁業経営の改善を図るため、中小企業者と農林漁業者が有機的に連携して実施する事業活動の促進及びその基本的な方向に関する事項等を示した方針を農林水産大臣、経済産業大臣等が策定いたします。

 第二に、この方針に基づいて、中小企業者と農林漁業者が共同で作成した新商品の開発や販路開拓等の事業計画に対し、農林水産大臣、経済産業大臣等が認定を行い、中小企業信用保険法の特例、小規模企業者への事業資金の無利子貸付けに係る特例、食品流通構造改善促進法の特例、農業改良資金助成法の特例等の支援措置を講じます。

 第三に、中小企業者と農林漁業者との連携の機会の提供など、両者のつながりの形成を側面的に支援をするNPO法人等の事業活動について、中小企業信用保険法の特例によって資金調達を支援します。

 続きまして、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 我が国の多くの地域においては、農林漁業は主力産業として位置付けられており、農林漁業を中心に据えた地域経済の活性化に向けた取組が行われております。

 こうした取組を更に強化、加速することにより、多くの地域がその自律的な発展の基盤を形成することができるよう、農林漁業を中核とした産業集積の形成及び活性化を促進する必要があることから、本法律案を提出した次第です。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 本法律案は、農林漁業との関連性が高い産業の集積の形成及び活性化を促進するために、これらの産業が行う企業立地や事業高度化の取組に対して、食品流通構造改善促進法の特例の創設、設備投資に関する課税の特例の拡充等の支援措置を追加するものであります。

 以上が両法律案の提案理由及びその要旨であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

 

○委員長(山根隆治君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。

 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。

 次回は来る十五日木曜日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。

   午後零時二十六分散会