中小企業の経営承継の円滑化に関する法律案等(副大臣答弁) 参議院経済産業委員会-6号 2008年04月24日
中小企業の経営承継の円滑化に関する法律案等(副大臣答弁)
169-参-経済産業委員会-6号 平成20年04月24日
○委員長(山根隆治君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
議事に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
去る十六日の本会議におきまして経済産業委員長に選任されました山根隆治でございます。
理事及び委員の皆様方の御支援、御協力を賜りまして、公正円満な委員会運営に努めてまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
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○委員長(山根隆治君) 委員の異動について御報告をいたします。
昨日までに、西田昌司君及び川合孝典君が委員を辞任され、その補欠として丸川珠代君及び私、山根隆治が選任されました。
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○委員長(山根隆治君) 理事の辞任についてお諮りをいたします。
藤原正司君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山根隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたしました。
この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山根隆治君) 異議ないと認めます。
それでは、理事に藤末健三君を指名いたします。
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○委員長(山根隆治君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、第十一回国際エネルギーフォーラム等に関する件を議題といたします。
政府から報告を聴取いたします。甘利経済産業大臣。
○国務大臣(甘利明君) 私は、四月十九日から二十二日までイタリア共和国に出張し、ローマで開催をされた第十一回国際エネルギーフォーラム、IEFに出席をいたしました。
今回の国際エネルギーフォーラムでは、私は、最初のセッションの冒頭で基調スピーチを行い、以下の点を強調しました。
第一に、現在の原油価格は異常な水準であり、この状況を放置すれば世界経済の後退につながり、これは、産油国、消費国双方にとって望ましいものではなく、とりわけ資源に乏しい途上国の状況は切実であること。
第二に、石油市場の安定のため、産油国が需要動向に機敏に反応していつでも増産するなど、必要なメッセージを市場に発することや、原油先物市場や投機資金の透明性を高めて、投機資金の行動に冷静さを促すことが大事であること。
さらに、日本がイニシアチブを取って、エネルギー投資の拡大のための情報提供、透明性を高める観点からの統計整備、省エネ推進に関する産油国との協力などを進めることを表明しました。
その後のセッションにおきましても、私が申し上げた、産油国も消費国も同じ船の上に乗っているという認識が議論の土台になりました。その結果、参加閣僚から現行の油価の水準に対する懸念が表明されるとともに、途上国も含め、世界経済の成長を確保するという観点から、原油価格は、産油国、消費国双方にとって受入れ可能なレベルでなければならないこと、石油・ガス分野への適時かつ十分な投資を確保する必要があること、石油市場の透明性向上に向けた統計データの整備が重要であることといった点について意見が一致しました。また、省エネルギーは産油国にとっても有益であり、行動計画の作成、セクター別アプローチの採用、ベストプラクティスの共有化などの有効性についても共通の理解を得られました。さらに、CCS、二酸化炭素回収・地中貯留の重要性などについても合意され、これらの点を盛り込んだ議長総括が取りまとめられました。
さらに、私は、会議の合間を縫って、サウジアラビアのナイミ大臣、イラクのシャハリスターニ大臣、ロシアのフリステンコ大臣、リビアのガーネム石油公社総裁と会談を行いました。
ナイミ大臣とは、会談の中で、今後も供給ショートは決してさせず、また、そのための必要な投資を行っていくという力強いメッセージをいただきました。それ以外にも、太陽光発電などサウジアラビアとの二国間協力について意見交換をいたしました。
また、シャハリスターニ大臣からは、市場の期待にこたえるべく増産をしっかり行っていくとの決意を伺うとともに、石油分野での協力を進めていくことを確認しました。フリステンコ大臣とは、国営石油会社ロスネフチや国営ガス会社ガスプロムとの協力の進展について議論を行い、ガーネム総裁とは、リビアの上流開発に参画している我が国開発企業を両国が支援していくことを確認しました。
今回のIEFや二国間の会談を通じ、産油国においても現在の油価水準や価格の変動について危機意識が高まっており、産油国、消費国の双方が世界経済の安定に貢献すべきこと、また、資源に乏しい途上国を見捨ててはいけないことなどについて幅広い共感を得られたことは重要な成果であると考えます。今後、こうした共通の認識を基にしつつ、産油国、消費国の双方が石油市場の安定に向けて必要な投資の確保などに取り組んでいく必要があります。
さらに、投機資金の行動に冷静さを促すため、石油市場の実態分析や各種データの精度の向上など、日本のイニシアチブで引き続き様々な取組を進めてまいります。
また、六月のG8プラス中・印・韓エネルギー大臣会合や五か国エネルギー大臣会合などの場におきましても、今回の議論の成果を是非反映させていきたいと考えております。
なお、IEFに先立ち、世界最高峰の国際家具見本市ミラノ・サローネで初めて開催をされました日本展に参加をし、出展企業を激励するとともに、日本の感性価値を私自らアピールをしてまいりました。加えて、ミラノ市長など関係者とお会いをし、感性価値の発信に日伊両国が協力して取り組んでいくことで意見の一致を見ました。
今回の出張の成果を踏まえ、引き続き石油市場安定に向けた国際的な働きかけやエネルギー安全保障の強化等に向けて我が国として積極的に取り組む所存であります。
以上です。
○委員長(山根隆治君) 以上で報告の聴取は終わりました。
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○委員長(山根隆治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局審議官岳野万里夫君、法務大臣官房審議官始関正光君、財務大臣官房審議官川北力君、国税庁課税部長荒井英夫君、経済産業省貿易経済協力局長安達健祐君、資源エネルギー庁次長平工奉文君、中小企業庁長官福水健文君及び中小企業庁事業環境部長高原一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山根隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(山根隆治君) 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。甘利経済産業大臣。
○国務大臣(甘利明君) 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
中小企業は、多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提供する等、我が国の経済の基盤を形成しており、雇用の確保や地域経済の活性化等重要な役割を担う存在であります。
このため、中小企業がその活力を維持しつつ事業活動を継続し、その経営が次の世代へと円滑に承継されていくことは、我が国の経済の持続的な発展を図る上で極めて重要であります。
しかしながら、中小企業においては、その代表者の死亡や退任によって次の代表者に経営が承継される際に、相続に伴う株式等の分散や、多額の資金需要の発生といった課題に直面し、その後の事業活動の継続に支障が生じる場合があります。
このような課題に対応するため、中小企業における経営の承継を円滑化するための措置を講じ、中小企業が雇用等の事業規模を縮小することなく事業活動を継続していくことを可能とする必要があります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、後継者が旧代表者から贈与を受けた株式等について、当該旧代表者の相続開始後の遺留分減殺請求によって分散することを防止するため、当該旧代表者の推定相続人全員の合意により、当該株式等の価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しないこと等を可能とする民法の特例を定めることとしております。
第二に、事業の実施に不可欠な資産の取得等に必要な資金の供給を円滑化するため、経営の承継に伴い事業活動の継続に何らかの支障が生じていると認められる中小企業者を経済産業大臣が認定をし、中小企業信用保険法の特例、株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例等の支援措置を講ずることとしております。
第三に、中小企業におけるその代表者の死亡等に起因する経営の承継を円滑化するために、平成二十年度中に相続税の課税について政府が必要な措置を講ずることとしております。
以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
以上です。
○委員長(山根隆治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。
本日は中小企業の経営の継承に関する法律、本当にいい法律を作っていただいたと思います。この中小企業の事業の継承につきましては、今、中小企業、データを調べますと、中小企業の廃業が約年間二十九万社ございます。その中で約七万社が後継者がいないということで廃業しているという状況でございます。この七万社の雇用がどれだけあるかということを推定しますと、約二十から三十万あると推定されておりまして、後継者がいないことをもって、事業が継承できないことをもって、年間二十から三十万人の雇用が失われているという状況でございます。
一方、中小企業者の高齢化という問題がございます。法人全体の経営者の平均年齢を見ますと、二〇〇六年で五十九歳というデータがございます。これは十年前を比べますと、一九九六年には五十六歳ということでございまして、何と十年間で経営者の年齢は三歳増えていると。そしてまた、中小企業のトップが何歳ぐらいで辞めたいかというアンケート調査がございまして、これを見ますと、平均で見ますと六十四・五歳、約六十五歳で経営者を引退したいということでございます。
したがいまして、だんだんだんだんと中小企業の経営者が高齢化していく中、そしてまた、六十五歳でもう辞めたいという中、この事業継承をきちんと行わなければ中小企業が廃業し、そしてまた雇用も失われている中、この法律を至急早く運用していただきたいと思います。
しかしながら、今回の法律をいろいろ見させていただきますと、子供に対する、また親族に対する事業継承がメーンでございます。東京商工リサーチの調査を見ますと、二十年前、一九八五年には中小企業の事業の承継、後継者は約九割が親族になっています。ところが、二〇〇六年のデータを見ますとそれが六割に落ちている。そして、子供に承継している率を見ますと約八割だったものが二〇〇六年には四一・六%という形でこれも半減しております。
何を申し上げたいかと申しますと、今回の法律、基本的に親族内の事業継承をメーンにされているわけでございますけれども、今の状況を見ますと、親族に事業継承しているのはどんどんどんどん低下していまして、六割しかいないという状況でございます。
私が実際に中小企業の方々とお話をして感じることは、いろんな税金の負担が大きいこととかありますけれども、実際に事業をやりたい人がいないということをよく聞くわけでございます。実際に自分の事業をこれからどんどんどんどん発展させたいけれども、社内にも人がいない、自分の子供もやりたがらないと。そういう中、本当に企業の経営をできる人材を中小企業等に提供する仕組み、人材バンクみたいなものが必要と考えるわけでございますが、その点につきまして経済産業省のお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(新藤義孝君) 議員御指摘いただきましたように、この中小企業の後継者問題、そして円滑な事業承継、これがもう極めて重要な課題だと思っておりまして、まずこの法案の早期成立、これを是非果たしてまいりたいと、このように思っておりますし、またお願いを申し上げたいと思います。
その上で、ただいまお話しいただきましたように、いわゆる人材バンクといいますか、中小企業の承継のいろんな情報がうまく、必要な人とまた求めている人に対して伝わるようにと、こういう体制を整備すること、これは非常に重要だというふうに思っております。そして、それは親族内、親族外を問わず、事業継承に係る情報をやはりいろいろと提供していくことが大事だと、このように思っています。
そういった観点で、これから全国百か所程度設置予定をしておりますが、この事業承継支援センター、こういったものを設置することにしております。その中で、小規模企業を始めとして、この後継者不在による廃業の危険性のある企業とそれから開業の希望がある方々、そういう方々との交流会のようなこの開廃業のマッチング、こういうものもやりたいと思っています。
それから、自分が企業の後継となりたいとか、企業を打ち立てたいと、こういうふうに思っている方々の、そういう方々の後継者の育成セミナー、こういうものもやっていきたいと思っておるわけでございます。それからまた、そういういろいろ悩みや、それから希望を持っている方々に専門家を派遣しようと。こういういろんなことを取り組みながら、全体的に事業承継センターがまさに事業の承継の人材バンクとなるような、こういう機能を果たしていけるように取り組んでいきたいと、このように思っております。
○藤末健三君 質問の順番がちょっと変わりますけれども。事業承継支援センターについては、実際に長野県がもう既にやられている、実績を上げているというデータを私もいただいております。
これを百か所に設置されるということでございますが、恐らく今の構想を拝見してみますと、百か所がこれ独立して動くんじゃないかなという危険性があると思うんですよ。これ、多分そうなると思います。ですから、県とか地域に閉じて人材マッチングを恐らく図るんではないかと。
何を申し上げたいかというと、私は、もう大きな人材バンクみたいなものをつくって、東京の人が例えば熊本の中小企業の経営を引き継ぐとか、そういう大規模な仕組みをつくっていただかなければ、恐らく機能しないと思います。
実際に長野県のこのマッチング、経営者を見付けて事業を継承されたという実績を見ますと、年間三十件ぐらいなんですよ。ですから、もし各地域が閉じて支援センターが百か所動きましたとすると、三十掛ける百で三千件しかない。実際に後継者がいなくて廃業しているところが七万件とかいう数字じゃないですか。そうするとすごく、やっていただくのはすごく重要だとは思うんですけれども、その効果はどうなるんだろうというのが非常に気になっているわけでございますが、この全体としての、統合された人材バンクみたいなものをつくっていただきたいと思うんですけれども、その点いかがでございますか。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
事業承継センター、今長野県の商工会議所が先行的におやりになっておりますが、これをモデルにして今年度から全国に、先ほど副大臣が御答弁申し上げましたように、百か所つくりたいというふうに思っております。
これにつきまして、現在、選定作業を進めておるところでございますけれども、ここには新現役、OBを全国から派遣して、地域連携拠点の一つとしてこの事業承継事業というのをやっていきたいというふうに考えてございます。
これは、従来のように商工会とか商工会議所がぽつんと一つでやっていくというのに加えまして、もっと地域のパートナー、例えば金融機関でありますとか、例えば公設試でありますとか、例えば大学でありますとか、例えば農協でありますとか、そういうところも、それぞれの拠点が連携して広域的なマッチングというのを進めていきたいというふうに考えておりますので、先ほど先生から御指摘ありましたように、長野県は今閉じた格好でやっておりますけれども、より広い形でこの事業承継センター百か所については運営していきたいというふうに考えてございます。
○藤末健三君 長官、私が申し上げているのは東京、東京に人材がいるものを地方に持っていかなきゃいけないということなんですよ。恐らく、長官がお答えいただいたのは、私が推測しているとおりなんですよ。各地元の金融機関、地元の商工会、地元のいろんな団体が集まって連携してやるのは結構だと思いますけれども、それじゃ広がらないんじゃないかということなんですよ。地域だけで閉じるんじゃなくて、例えば東京や大阪、人が、若い者がいっぱいいるところから登録して、じゃ地域に行っていただきましょうということをやっていただきたいということを申し上げているんですけれども、いかがですか、その点について。
○政府参考人(福水健文君) 答弁舌足らずで申し訳ございませんでした。
全国的にも統一的な本部のようなものをつくりまして、それに新現役チャレンジプログラム一緒にして、全国的な規模でももちろん対応させていただきますし、各地域でも従来に比べて広がりを持った取組を進めていきたいというふうに考えてございます。
○藤末健三君 是非、これ独立して動くようなことがないようにしていただきたいと思います。全国的な連携がなければ、恐らくこの人材のマッチングの効率は上がらないと思いますし、また研修をやられるということなんですけれども、研修についても、その地域地域が独自になさるというよりも、ある程度中央からこういうことをやってくれということを指導していただきたいと思うんですけれども、その点いかがですか。予算は計上されてませんでしょう、だけどその分は。お願いします。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
百の地域でそれぞれいろんなことをやっていくわけですが、予算的には中小企業基盤整備機構の方でいろんなセミナーをやるような、そういう仕組みも整えておりまして、各ブロック、私どもの場合十か所ございますけれども、広域的なブロックでのセミナーとかマッチングとか、そういうのも進めていけるような体制を整えておりますので、全国規模あるいはブロックあるいはエリア別、いろんなケースでこのマッチングを進めていきたいというふうに考えてございます。
○藤末健三君 今回、事業の承継を進める法律を作っていただいたわけですけれども、私は自分なりにいろいろ調べて思ったことは、今回の事業の承継は、基本的に親族承継がメーンになっているんじゃないかという気がしています。
実際に経営者の子供に対するアンケート調査がございまして、ニッセイ基礎研究所というところが経営者の子供に親の事業を継承したいかどうか、引き継ぎたいかどうかというアンケートをしますと、何と半分以上がしたくないというんですよ。したくないと答えた中で、なぜしたくないかということを聞いてみますと、四五・八%、約半分が親の事業に将来性がないからということを答えている。それはどういうことかというと、自分が引き継いでも将来は発展しないんじゃないかということを答えております。
大事なことは今後のことだと思うんですけれども、事業を引き継いでもっと新規事業を展開できるようにやらなきゃいけないというのがまず一つの課題として残っているんじゃないかということを一つ申し上げたいと思います。
そしてもう一つ、根本的な事業を承継しない理由は、もう一つ次にあるのは、収入が低いからというのがあるんですね。収入が低いから。
実際に事業者、経営者の収入がどれだけ落ちたかというデータをみますと、これ私は調べてびっくりしたんですけれども、一九八五年に事業者と雇われている方々の収入を比較すると、製造業では約経営者が雇用者の一・五倍ぐらいあります、収入が。ところが、二〇〇五年のデータを見ると〇・六倍なんですよ。経営者の方が雇われている方より収入が少ないんですよ。いや、本当に、これはもう。これは中小企業庁のデータですよ。自分が今サラリーマンで働いていて、経営者になったら給料が落ちるから事業を継承しないということをおっしゃっている。ですから、本当にこの問題をもっと深めていくためには、中小企業の新規展開をどんどんすること、そしてまた中小企業の経営者がきちんとした収入を上げられるようにしなきゃいけない、これは質問ではございません、ということを是非やっていただきたいです。
ちょっと長官にお聞きするというか、大臣、いかがですか、これ。そこが大きいんですよ。中小企業の経営者が夢を持って新規事業を展開できる、将来性がありますということと、もう一つは収入、今こんな勢いで落ちています、経営者の収入は。だからだれも継がない。その根本的な問題に対して対応していただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(甘利明君) 親の事業を継ぐためには、もちろん物質的な欲求以外の志は当然あると思いますが、しかし現実問題として、勤めている状態から親の事業を継いだと、給料は下がるし苦労は増えるということになると、なかなかそういう思い切った転身ということができないのは事実であります。
中小企業が独自に自社製品をメーカーとして開発している場合は別として、多くが大企業の協力企業としてやっているわけでありますから、その適正な下請取引の関係を樹立をしていって、大企業と支える中小企業がウイン・ウインの関係を構築していかなければならないというのが私どもにとっての最大の課題であると思います。
それからもう一点は、この連綿とした事業の継続、未来永劫続けていくということは大事なんですが、ただ、親の事業を同じように続けていくだけではなくて、自身がアントレプレナーシップを持ってそこから脱するというやっぱり意欲も大事だと思います。成功している人は、単に親の仕事をそっくり継いでいるだけではなくて、そこから一段飛躍している姿があります。そのための連携が必要だと思うんです。
このつながり力拠点というのは、自分がおやじの跡を継いだら、おやじはできなかったけれどもこんなことに挑戦してみたいという、夢をかなえるような人材をそろえたいというふうに思っておりますので、単にそっくりそのまま継ぐんではなくて、可能性を自分が持てるという意味を理解してもらいたいと思いますし、その夢をかなえるためのサポート体制をしっかりしていきたいというふうに思っております。
○藤末健三君 是非、中小企業の政策、もっと強化していただきたいなと。今回の法律は本当にすごい一歩だと思うんですが、やはり中小企業の事業の承継ということを深く考えたときには、もっと全体的な中小企業が夢を持って経営できる、そしてある程度見返りもあるという、収入もあるというようなやっぱり環境をきちんとつくっていくことが一番重要じゃないかと思っております。
是非もっと踏み込んだ中小企業政策、やはり中小企業の政策を申し上げますと、今中小企業は会社数でいくともう九九%を超え、雇用でいくと大体七四%の雇用を支えていただいていると。一方で、予算を見ると、今年度予算は大体千七百億ですよね。全体の国の予算が八十兆ある中、その〇・二%しか使われていないという状況は私は非常におかしいんじゃないかなと思って今政治をさせていただいていますんで、是非お役所の方々も抜本的なやっぱり中小企業政策を転換していただきたいと。どんどんどんどん、私はこのまま行くと、この法律もすごく意義がある法律で大きな一歩だと思うんですけれども、根本的に事業の承継というものを進めるために、やっぱり中小企業がもっとみんなが夢を持って経営できるような環境をつくっていただくことが最も重要だということを申し上げさせていただきたいと思います。
法律の中身に移らさせていただきますと、今回、法案におきましては、民法の特例ということで、合意の対象が、生前贈与された株式等については八〇%の納税猶予ができるというふうにしていただいたと思います。これ、すごい大きな一歩だと思います。しかしながら、将来的には、これは生前の株式譲渡に限定されているわけでございまして、将来的には遺言によって後継者に相続させるものもこの合意の対象というふうにしなければいけないんではないかと思っております。
実際にこれ、こういう中小企業の遺言なんかを書かれている方に話を聞いたことがございまして、何かというと、多くの経営者の方々は、俺は元気だと、遺言なんか書かないよという方も非常に多くございまして、突然何らかの事故があったときに事業が継承できなくなるということを聞いております。ですから、将来的にこの遺言による後継者の相続も合意の対象とすべきではないかと思うんですが、その点についてはいかがでございましょうか。お願いします。
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
この法案の中にございます民法特例に関する御質問だと思います。
いわゆる先代経営者から後継者の方に株式を移転する手段といたしましては、いわゆる生前贈与だけではなくて、委員御指摘のとおり遺言によって相続させる方法というのもございます。ただ、遺言につきましては、遺言者の最終的な意思を尊重するということから、遺言者がいつでも自由に撤回ができるということになってございます。したがいまして、遺言によって後継者が取得する予定の株式につきまして民法特例に係る合意の対象とできるといたしましても、その後、当該遺言が撤回をされていたりすれば、当該合意は事業承継の円滑化に資さないということになるわけでございます。
民法特例でございますけれども、基本法たる民法の根幹をなす遺留分制度の特例でございますので、その適用対象は事業承継の円滑化につきまして真に必要なものに、範囲に限定をする必要があると考えておりまして、遺言によって相続する株式につきましてもこの合意の対象とすることで事業承継の円滑化を実現するためには、遺言の撤回というようなことを制限するという必要がございますので、遺言者の最終的な意思の尊重という現在の遺言制度の趣旨を踏まえますと、そこは慎重に検討する必要があるんではないかというふうに考えております。このため、本法律案につきましては、民法特例に係る合意の対象にすることができる株式につきましては、後継者が先代の経営者からの贈与によって既に取得したというものに限定をさせていただいたということでございます。
以上でございます。
○藤末健三君 私が今お聞きしている範囲で申し上げてはいけないと思うんですけれども、やっぱり経営者の方々はもう自分で現役でどんどんどんどんやろうという意欲が高い方が多いとお聞きしておりまして、そういう方が何らかの事故なんかに備えたことをやっぱり法的にも準備していただくことが将来的には必要だと思いますし、また、もう一つお願いがございますのは、この制度をやっぱりきちんと徹底して広めていただきたいと思っております。
恐らく中小企業の方々はもう皆さんお忙しいんでなかなか、商工会等にも入っていない方もおられるんですよ、正直に申し上げて。皆様、商工会中心になさいますけれども、そういう方々にもきちんとこの制度を普及していただき、そして生前にやっておかなきゃいけないんですよということをやはり徹底していただきたいと思っております。
また、先ほど私の方から、今この中小企業の事業の承継につきまして、東京商工リサーチの統計を申し上げましたけれども、二十年前までは親族への承継が九割あったものが今は六割に減り、親族外の承継が四割になっているということを申し上げましたが、その親族外の事業承継、非常に大きな問題がございます。それは何かと申しますと、多くの中小企業が、社長が、経営者が個人資産を担保にしていると。社長が保証人となって企業の、会社の借金を借りているという場合が、何と調べますと、小規模企業ですと三七・六%、中規模で三分の一ある三三%が社長が個人担保をしているという状況でございます。
何が問題かと申しますと、私の実際にお付き合いさせていただいている会社ですと、今は大体年商が百億ぐらいありまして、利益が十億円ぐらい出ていると。借金が幾らあるかというと二十億なんですよ。二十億は全部社長が個人担保で借りているという状況でございまして、これをだれか他人に承継しようとすると、その二十億の担保もその人に持ってもらわなきゃいけないという形になっています。それがあるからなかなか事業が引き継げないということで、七十超してもまだ事業をされているという状況もございます。
私が申し上げたいのは、既に経済産業省の方が事業承継ファンドというものをつくっておられます。実際にこの問題の解決策は何かというと、個人担保をもう一回外さなきゃいけない。個人、社長が、経営者が担保をしている、保証しているものを一回外して自由な、一回担保を外した上で新たに人に来ていただき事業承継する、きれいにするという必要がございますが、方法としては、ファンドがお金を出し一回個人保証を外して、それからきれいにした上で事業承継するということで、もう既にファンドをつくっていただいているわけでございます。
非常に私はこのファンドは意味があるなと思っておるわけでございますが、一方で実績を見てみますと、ほとんどございませんで、たしか四社ですよね。今までの実績が、今から約二年前につくっていただいたわけでございますけれども、四社しかないという状況でございまして、これは、この四社、四件しかないという状況をどう見られるかということと、今後このファンドをもっと使うべきじゃないかと思うんですけれども、その機能拡充についてどのように考えておられるかということをちょっと教えていただけないでしょうか。お願いします。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
委員御指摘のように、中小企業に対するリスクマネーの供給という観点から、民間の金融機関の補完でありますとかあるいは資金供給の呼び水といった観点から、中小機構によりましてファンド出資事業というのを取り組んできております。ベンチャーファンドとか再生ファンドとかいろいろありますが、御指摘の事業承継ファンドにつきましては現在四件ファンドを組成しております。その間の投資実績は六社でございます。
具体的な例で申しますと、例えば親会社の意向で閉鎖を迫られたと、そういう工場の従業員が、いわゆるEBOという格好で親会社から買い取る資金につきましてこのファンドが資金供給をして、従業員が今度は新たな経営者として運営されているというふうな例もございます。
それから、本法案の中におきまして、従来は個人には政府系金融機関から資金が出せませんでしたが、そういう事業承継の場合については、その代表者個人に、これは親族とは限っておりませんで、親族外の方ももちろん結構でございますが、そういう方にも資金供給ができるような、そういう仕組みもこの法案の中に準備いたしておるところでございます。
いずれにいたしましても、私どもこのファンド、これを通じまして、先ほど委員御指摘のようなケースに円滑にあるいは柔軟に対応できるような仕組みを、充実に努めていきたいというふうに考えてございます。
○藤末健三君 是非やっていただきたいと思います。やっぱり今回の政投銀の個人に対する融資ができるようになったというのはもう本当に大きな一歩だと思いますが、一方でやっぱりファンドの方が自由度が高いと思いますので、融資とこの投資的なファンドの組合せをうまくもっとやっていただければと思います。
また、これは金融庁にお聞きしたいんですけれども、これはファンドの話でございますが、同時に、事業承継をこれを円滑にするためには、先ほど申し上げましたように経営者の個人負債を一回消さなきゃいけないというお話を申し上げましたが、その手法として非常に有力なのが株式の上場でございます。株式を上場することによって株式を流通化させることができますので、それによって経営権を容易に移すことができるようになります。
実際に、私は、我が国のこの中小企業の株式上場の状況を見ますと、アメリカや他国に比較しますと非常に数が少ない状況になっておりまして、何らかの形で中小企業に資金を提供する、そして事業承継を行うという意味の株式市場が必要だと思うんですが、金融庁の方にお聞きしたいんですけれども、中小企業に向けた株式市場などを考えることをやっておられるかどうかということを教えていただけませんでしょうか。お願いします。
○副大臣(山本明彦君) 取引所開設ということにつきましては、市場に上場するということは基本的には企業の資金調達を容易にするということでありまして大変いいことでありますけれども、逆に、国民の皆様からの大事な財産を扱うわけでありますので、取引所の責任として、しっかりとやはり、それは中小企業用のものをつくるということよりも、やはりまず投資家保護ということも考えなければいけない。企業のためだけではなくて投資家保護を考えなければならぬ。
こういったことでありますので、今いろんな市場を見てみますと新興企業向けの市場も用意されておりますので、例えば、必ずしも黒字でなくてもいいところもありますし、総資産額が五億円ぐらいでいいというところもありますし、そういったものを見ていただきまして、まずは今の取引所を是非御利用いただきたいと、こういうふうに考えているところであります。
○藤末健三君 山本副大臣に私は申し上げたいことが一点ございまして、アメリカがすべていいとは限りませんけれども、アメリカの状況を見ますとピンクシート市場というのがあるんですよ。それは何かというと、小規模中小企業でも株式を流通させ、株を渡すことによって出資でお金を調達できるんです。融資じゃなくて、借りるわけじゃないです。そういう市場があるがゆえにいろんな起業が起きてきていると。
今、中小企業の開業率、廃業率を見ますと、廃業率はもうどんどんどんどん上がっているんですよ。開業率はどんどんどんどん落ち込んでいる。もうそれが明確になっています。
なぜそうなるかというと、お金が回っていないからですよ、簡単に申し上げて。金融庁はやはり、投資家保護、投資家保護とおっしゃっていますけれども、投資家保護も重要ですけれども、お金を使うところにお金を回さなければ僕はどうしようもないと思うんですよ。いや本当に、金融庁の設置法を是非金融庁の方は読んでいただきたいですよ。金融庁の仕事には産業の育成とかそういうのも入っているんですよ、本当に。投資家保護だけじゃありません、これは。
私は、後でも御質問申し上げますけれども、投資家保護、投資家保護といって、例えばライブドアの後にどれだけの企業が上場できなくなったか。今、マザーズとかヘラクレスという新興市場に上場している企業はもう悲鳴を上げていますよ、今。後で申し上げますけれども。
考えていただきたいんですよ。中小企業が銀行からしかお金を借りるしかお金を調達していく道がないんです、今。アメリカは、株を発行して、大きな何万社という、本当に、大したチェックもされませんよ、それでも株を出して個人のリスクでお金を出しているんですよ、アメリカでは。なぜ日本でできないんですか、それが。お願いします、それは。是非検討してください。
○副大臣(山本明彦君) 金融庁といたしましては、そういった点も含めまして、中小企業ということではありませんけれども、プロ向け市場を開設するということを今考えておりますので、そういった点では、ある程度は、プロ向けでありますからディスクローズもある程度限定されますし、規制も厳しくなくなるという形のものは考えております。
○藤末健三君 プロ向け市場のことはもう重々勉強させていただいていまして、私はこの委員会でも申し上げました。
ロンドンのストック・エクスチェンジへの株式市場のAIMという、オールターネイティブ・インベストメント・マーケットというAIM市場というのを私実際見てきたんです、ロンドンで。そういうものをつくるべきだというのはこのところでも申し上げましたけれども、そのプロ向け市場、今金融庁が想定されているプロ向け市場は、今マザーズとか上場している企業にしか対応できていません。本当に地方で地場で一生懸命頑張って、下請とかで頑張っている企業は対象にならないんですよ、プロ向け市場は。本当に今必要なのは、一生懸命頑張っておられる、ある程度規模が小さい、成長力もそんなにないですよ、数%しか成長しないけれども、お金が必要な企業はいっぱいある。そういうところに資金を提供する手段を私は検討していただかなければいけないと思います。いかがですか、副大臣。
○副大臣(山本明彦君) 先ほど申し上げましたように、今全国各地に取引所もありますので、よく見てみますと非常に融通性のある上場をしておりますから、是非そういったところを御利用いただければというふうに考えております。
○藤末健三君 私はずっとしつこく言い続けますけれども、本当にこういう日本の産業を支えてくださっている中小企業に対して銀行融資以外の資金提供の手段を金融庁はつくらなきゃまずいと思います、私はこれは。経済産業省の責任じゃないですよ。
今金融庁の方がおっしゃっているのは何かというと、投資家保護、投資家保護。投資家保護というのは、人間でいうと腸みたいなものですよね、栄養を吸い上げて流すところ。そして、市場が心臓に当たります。ポンプです。血を流す。何をおっしゃっているかというと、内臓ばっかり大事にしましょうといって、本当に血が必要な、お金が必要な企業のことを考えておられないんですよ。
今本当に資金が必要なのはどこか。大企業はある程度お金があります、利益が上がっているから。中小企業はお金がなくて困っているわけじゃないですか。そして、政府金融機関は民営化されますよと。じゃ、だれが中小企業に資金を提供するのか。私は、やはりある程度リスクを取れる、一般人の方々がリスクを取って中小企業に資金を提供するような場を絶対つくるべきだと思いますが、いかがですか。
○副大臣(山本明彦君) 資金調達、いろんな方法があります。今、銀行のほかにという話がありましたけれども、そういったことも踏まえまして、地域密着型金融機関という形で、金融庁としては一番地域に密着した金融機関に地元の中小企業の皆さん方が困らないような形で融資できるような指導をしておるところであります。
○藤末健三君 山本副大臣、今から申し上げますけれど、先ほどAIMみたいなプロ向け市場をつくりますという話をおっしゃいました。そして、新興のいろんな市場、マザーズとかヘラクレスのことをおっしゃいましたけど、今ヘラクレスとマザーズは機能していると思われますか。これちょっと質問が変わりますけれど。いかがですか。機能してるかどうかですよ。
○副大臣(山本明彦君) 実際に売買高は減少しておるというふうには思っておりますけれども、これ、選択するのはそれぞれやはり投資家でありますし、実際に上場にふさわしいかどうかというのを審査するのは、これは取引所、責任がありますんでしっかりと審査をするということの結果、取引が減ってくれば当然、機能していないということではなくて、これは投資家と企業主のこれはそれぞれの考え方だというふうに思います。
○藤末健三君 それは非常に無責任ですよ。
今マザーズ、ヘラクレスというのは、二〇〇五年のピーク時の三分の一以下、今四分の一ですよ、取引高。どういうことかというと、今マザーズやヘラクレスからは資金が調達できないんですよ、上場している企業が。一方、何が起きているかというと、ライブドア以降どんどんどんどん日本版SOX法ができ、会計検査はどんどん厳しくなっている、監査が。社長は何のために働いているかって、会計監査のために、報告書を書くために必死こいて働いている感じになっていますよ、今、新興企業は。そういう現状を是非見てください。
投資家保護は大事です、確かに。しかし、一方で、そのお金を流す先のことも考えなければ、今どんどんどんどん筋肉に縛りを入れて、もう体が動かなくなっていますよ、みんな。血が流れてませんもの、企業に。その状況を変えなきゃいけないし、金融庁は私は変える責任があると思う。投資家保護、投資家保護とおっしゃる、それは大事かもしれない。しかし、お金を必要としているところにお金を流さずして何の金融マーケットですか、何のためにあるんだって、金融は。ということを是非考えていただきたいと思います。少なくとも、今私の思いは、新興市場、ピークの四分の一程度しかもうお金が流れなくなっていると。その大きな原因は、一つは厳し過ぎる規制に私はあると思います。やはりそのところを変えていただきたい。
実際に、私がお付き合いさせていただいているベンチャー企業がどうなっているかというと、今決算を迎えています。日本版SOX法が出されて何が起きているか。どんどんどんどん会計の公開基準が変わるんですよ。監査会社がどんどんどんどんきつくするものだから。そして、監査基準が変わるものですから、売上げの予定を下げなきゃいけない。そうすると、売上げの予定を下げると何が起きるかというと、公開基準を満たさなくなって公開禁止になっちゃうと、そういう事例がもう生まれています。
じゃ何のために、投資家のために公開基準をきつくし、どんどんどんどん公開させる。そして、監査の基準をきつくし、ちょっとでも問題があるものは売上げに上げちゃいけないよって言われる。そして企業は、上場していたものが上場できなくなりましたと、そういう事例がもう生まれています。それで本当にいいかどうかですよ。
それ、副大臣いかがですか、考え方の問題なんですよ。投資家保護、投資家保護と言いながら、どんどんどんどんきつくなっていく。企業は情報公開しなきゃいけない。そうすると、企業はお金が必要なのにお金を取れなくなってしまう。それじゃ何のために市場があるのかという話ですよ。その点いかがですか。副大臣のお考えをちょっと教えてください。
○副大臣(山本明彦君) 市場というのは信頼を受けなければやはり駄目でありますんで、そういった意味で一般の、また投資家保護と言われるかも分かりませんけれども、投資家から見まして情報の非対称性がありますので、やはり情報公開はしっかりとしてもらわなけりゃいけない、そのためにはある程度規制を掛けていかなければ、これは市場として成り立たなくなってくる、そんなふうに判断をしておりますので、厳し過ぎることはいけないかも分かりませんけれども、やはり厳しくすることが投資家に安心感を与える。投資家に安心感を与えなかったら投資家からお金集まりませんので、幾ら企業が資金調達しようと思っても、そこでどうしてもそごが起きてくる、こういうふうに思っております。
○藤末健三君 私は、投資家のためとおっしゃいますけれど、実際に海外では投資家が情報が足りない分もリスクを取って投資しているわけじゃないですか。投資家に必要なものは何かというと、リターンですよ。ですから、情報開示、情報開示、それは必要かもしれないけれど、リスクを取っても、情報が足りなくてもリスクを取って投資をする人がいるわけじゃないですか。そういう人たちに対して、例えば、中小企業、情報開示能力ないかもしれない、しかし、中小企業に対して、じゃ私はリスクを取ってお金を出しましょうという人たちのために僕は市場をつくっていくべきだと思います。もう水掛け論になるからこれ以上は申し上げません。
ですから、本当にどんどんどんどん企業に対して情報開示の義務を課していくということだけで本当にいいのかどうかというのは、是非とも、政策の大きな考え方、哲学の問題でございますので、議論していただきたいと思います。
私は、上場審査において細かいところをチェックするよりも、ガバナンス、企業がきちんと会社を法律にのっとり、制度にのっとり統治しているかどうかということを、仕組みの方をきちんと見るべきだと思いますが、その点いかがですか。
○副大臣(山本明彦君) 今の金商法の改正、四月から施行されておるところでありますけれども、そこで内部統制等も、先ほどからお話ございますけれども、内部統制等もしっかりしていただくというような形で厳しくなっているところはあるというふうには考えております。
ガバナンスの審査につきましては、これは最も基本的な話でありますので、上場審査としてガバナンスをしっかりする。例えば、東証におきましては、企業のコーポレートガバナンス及び内部管理体制の有効性、こういったものを審査するということで審査基準になっております。
○藤末健三君 是非ガバナンスの審査をきちんとやっていただきたいと思います。
私は、どちらかというと、いろんな細かい情報の開示よりも、どういう仕組み、会社が統治仕組みになっているかという方が大事だと思っております。
事業承継の話にちょっと戻らさせていただきますと、二つのことを財務省にお聞きしたいと思っております。
一つは、今回、事業承継の税制、八〇%の納税猶予だったわけでございますけれども、なぜこれを一〇〇%にしなかったかということでございます。
これは何かと申しますと、アメリカやイギリスの事例を見ますと、他国は一〇〇%の、税金は一切掛かんないというような制度もございますし、また、アジアの国々を見ますと、事業承継に対して税金が掛かっていない国がほとんどでございます。
ですから、やはり私は、特に製造業においては、中国やアジアの国々との競争にさらされているわけでございますので、一〇〇%の納税猶予を行うべきだと思うんですが、その点につきましてはいかがでございましょうか。
○大臣政務官(小泉昭男君) ただいま藤末先生から大変な御質問をいただきまして、先ほどから伺ってまして中小企業に対する先生の姿勢が私は本当にすばらしいものがあるなと、こういうふうに思っております。
御案内のとおり、現状は一〇%、相続の段階で、今一〇%の減額になっているわけでありますが、これを八〇%に今回考えているわけでありまして、これは、もう御存じのとおり、御発言にもございましたけれども、地域経済の活力の維持、そしてまた雇用の確保の観点から極めて中小企業の位置付けは重要でありまして、本法律案の制定によりまして、事業承継に係る総合的な支援の法的枠組みを整備していこうと、こういうことでございまして。
このことを踏まえまして、現状、先ほど申し上げましたとおり、一〇%を八〇%にしていこうという、こういう考えを考えているわけでありまして、相続税も含めまして税制面、これ大事なことは、課税の公平性や中立性、これ極めて重要でございますので、この相続税の納税猶予制度を二十一年度改正で創設することにしていきたい、こういうことでございますが。
このために、非上場株式に限らず、事業用資産についてもこれを完全に非課税にすることは、これは事業用資産を持たない方々とのバランスがございますので、公平性の部分からこの辺のところがかなり重要なポイントだと思っておりまして、こういう観点から八〇%という、こういう方向で考えているわけでありますので、御理解いただきたいと思います。
○藤末健三君 是非とも今後一層の拡充を御検討いただきたいと思います。
これは小泉政務官にお願いなんですけれども、先ほどもお話ししましたように、もう中小企業のことよく御存じの政務官でありますので、やはりこの制度を徹底していただく必要があると思うんですよ。ですから、そのためにはなるべく早く制度設計を明確にしていただいて、そして是非早め早めに中小企業の方々、特に小規模企業の方々にこの制度を徹底させていただきたいと、これはお願いでございます。是非早く制度を設計していただき、そして中小企業庁とかと連携をしていただきまして、多くの方々に知らしめていただきたいと、徹底していただきたいということをお願い申し上げます。よろしくお願いします。
それで、続きまして、今回中小企業の承継とはちょっと関係ない話でございますが、中小企業の中に含まれますのがガソリンスタンドというのがございます。
私は今、民主党におきましてこの道路特定財源の担当をさせていただいておるわけでございますが、この四月一日にガソリンに掛かっていました暫定税率が切れまして、ガソリンスタンドの方々はガソリンの値段を約二十五円安くされています。これは何かと申しますと、ガソリンスタンドの方々からも何社も話をお聞きしたんですが、大体二週間前に仕入れている、タンクが非常に大きくございますので、大体二週間程度前に仕入れて、空になるまで大体二週間ぐらいは掛かるということでございまして、何かと申しますと、四月一日から売り始めたガソリンは実は二週間前に税金を払って仕入れたものになっています。ところが、それをもう四月一日から二十五円安くして売られている。
これはある推定でございますが、ガソリンスタンド業界が被った、かぶった損失は大体四百億から五百億あるという推定がございます。四百億から五百億の損害があると。何が大事かと申しますと、今も新聞等に書かれておりますが、この暫定税率がまた戻るのではないかということが言われているわけでございます。
私はこれは財務省にお話をさせていただきたいんですけれども、このガソリンスタンドが被ったこの損失でございますが、これに対して暫定税率を払戻しするということが制度的には可能ではないかと思っておりますが、財務省にお聞きしたいんですけれども、制度的に可能かどうかをちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。お願いします。
○大臣政務官(小泉昭男君) 先生御指摘の部分でございますけれども、これ多分戻し税の部分だと思うんですね。
これは何回もこういう話は出るわけでありますけれども、政府といたしましては、政府提出の税制改正法案が年度内に成立する、これが大変重要でございまして、国民経済、生活の混乱を回避するためにも最も有効な方策と考えまして、ぎりぎりまで努力を続けてきたわけでありまして、結果として大変残念に思いましたが、年度内の成立に至りませんでした。そういう関係で、これはガソリンスタンドのみならず地方公共団体にもかなり影響が出ているということでありまして、この中で特に先生御指摘のガソリンの流通関係者の方々には大変な御迷惑をお掛けする結果となってしまったわけでありまして、これは極めて遺憾に思うところであります。
このお尋ねの部分は、多分過去に酒税の改正の際に行ったように、実際の返品がなくても返品したものとみなす方法でガソリンスタンドに揮発油税等を戻すべきではないかと、こういう趣旨ではないかなと、こういうふうに思いますが、このような戻し税の実施に当たりましては、もとより輸入ガソリンに係る法律上の手当てが必要でございますし、さらに、四月一日を徒過した現在におきましては、四月一日時点の手持ち在庫はそのまま返品できる状態にございません。こんな関係から、国産ガソリンについても法律上の手当てをなくしてこれを運用で返品したものとみなして戻し税を実施することは大変困難であると、こういうふうに考えておりまして、その上で政府としては、戻し税を実施するために法律上の手当てを行うこと、これをもし考えた場合、四月一日以降、それぞれのガソリンスタンドで価格対応が行われ、区々の価格設定がなされた中で、一律に戻し税を行えば不公平な結果となりかねないという、こういうことになっております。
現実として、この戻し税につきましては、大変慎重な検討を要するという、こういうことに考えております。
○藤末健三君 ほかの国会の審議でも財務省の答弁を見ていますと、もうできないできないということをおっしゃっておられますけれども、私はやはり、ガソリンスタンドの方々がこれだけの損失をかぶっている状況で、ある程度は私はできるんじゃないかと。
先ほど、いろんな業者の油が混ざっているとか、あと輸入の油がということをおっしゃったんですけれども、金融庁の方知っています、この輸入の油の率が何%か、全体の。金融庁の方、おられたら答えていただけませんか。御存じですか。どうぞ。
○大臣政務官(小泉昭男君) 先生御指摘の部分は多分一・六%程度かなと、こういうふうに思います。
○藤末健三君 ですから、皆さん聞いてくださいよ。一・六%の部分が把握できないから、ガソリンスタンドは税金払い戻してやらないと言っているんですよ。
調べると、石油のスタンドはPOSがありますので、皆さんも大体何リットルか全部出るじゃないですか、細かく一・何リットルまで。ですから、石油の量はもうほとんど把握して残っているんですよ、データは。あと、税法上、製油所からスタンドに運ぶときも細かく何リットルというところまで全部データが残っています。ただ、分からないのはその輸入のガソリンなんですよ。一・六%あるから、把握できないから、税の公平性を欠くから、戻し減税はできないとおっしゃっているわけでございますけれども、いや、これ、小泉政務官、本当にガソリンスタンドの方なんかは多分お知り合いおられると思うんですよ。どれだけ苦労されているか、皆さんが。
私は、是非これ、政治のイニシアチブでこのガソリンの税金を戻すということを深く検討していただきたいと思いますが、いかがですか、小泉政務官。
○大臣政務官(小泉昭男君) 先生御指摘のとおり、私もガソリンスタンド、大分知り合いが多うございまして、大変私も心配しておったんですが、先ほど申し上げましたとおり、期限を過ぎてしまったということで、こういう問題が生じてきたわけでありまして、今一・六%だから、それを何とかカウントできるんじゃないかと、調べることができて、それは別に計算の上でできるんじゃないかと、こういう御指摘じゃないかなと、こういうふうに思いますが。ただ、この輸入ガソリンのシェア一・六%といいましても、これは戻すことはできませんからね、輸入ガソリンは。そういう関係で、やはりちょっと無理があるんじゃないかなと、こういうふうに思います。
○藤末健三君 政務官、ウイスキーの戻し減税をしたときに洋酒というのがあったんですよ。外国から持ってきたウイスキーが、これは戻しました、税金を。どうやって戻したか。みなし戻しをやったんです。海外から入ってきたガソリンであっても、洋酒、外国ウイスキーと同じような扱いできるんですよ、政務官。調べています、私、そこまで。
いや、政務官、もうこれ以上はもう時間あれですから申し上げませんけれども、お願いを一点だけ。財務省の方々に踊らされないでくださいよ。こっちも調べているんですよ。本当に今ガソリンスタンドの方々がどういう苦しみを浴びているか。零細ガソリンスタンドつぶれてしまいます、このままでは。
本当に政務官が財務省の人たちを指示して、本当にこの一・六%が外国に戻さなきゃいけないのかと調べてくださいよ。ウイスキーのときは、洋酒が入ってきたやつをみなし戻しでやっているんですよ、ちゃんと。細かいところどんどんどんどんやっていけばやれます、これは絶対。必ずやれる。是非お願いします。
○大臣政務官(小泉昭男君) 先生にそういうふうにおっしゃっていただいて、そういう何か方法があるのかなと、こういうふうに今一瞬思ったわけでありますけれども、この一・六%以外に、四月一日もう過ぎちゃっていますので、そういう関係から数量の把握がかなり難しいということ。それからあと、この準備が、酒税のときと違って、その準備期間が全く持てない状況の中でこれを今急に進めるということは、遡及することもまず不可能だと思うんですね。
そういう観点からかなり難しいという、こういうことで御理解をいただきたいなと、こういうふうに思います。
○藤末健三君 小泉政務官、是非ガソリンスタンドに行かれてください。もう全部伝票残っていますから、データ、これは。いや、もう通産省からも改正案出してもらいたいぐらいですよね、本当に、ガソリンスタンドを守るために。
いや、本当に現場に行けばデータ残っているんですよ。だって、私たちがガソリン買うときに全部伝票に四十・何リットルのところまで出ているじゃないですか。データ残っています、これは。私は現場に行って話を聞いてきました、これ。
ですから、把握できないというのは、それは税金を戻したくない財務省の意見なんですよ、本当に。ですから、それ是非政務官、調べてください、是非とも。これは財務省の、税金を戻したくないですから、絶対戻せない理由だけはおっしゃるはずなんですよ。現場に行って、本当に困っている方々の声を聞いていただければ、これは絶対戻し減税できます、間違いなく。それは私が実際に話聞いて、見てきましたので。それを是非、政務官、検討してください。お願いします。(発言する者あり)いや、もうこれお願いで終わらさせていただきます、もう。お願いします、是非とも。
もう一つ大事な問題がございまして、今ガソリンの値段が高騰しまして、一バレル当たりもう百十五ドルになったと。ある金融機関の予測では二百ドルを超すと、一バレル当たり、というデータもございます。
そういう中で今中小企業がどういう状況かというと、燃料や、あと鉄鋼、材料がどんどんどんどん値上げされていると。今東京を見ますと、九割の中小企業が燃料や原料の値上げで苦しんでいると。そして、そのうち、また九割が燃料や原料が値上げされたにもかかわらずその値上げを価格転嫁できてないという状況がございます。
是非、この問題に対する取組について、中小企業庁及び公正取引委員会の方から対応についてお話をお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(荻原健司君) 原油価格が高騰をしておりまして、大変中小企業の経営が厳しいということ、先生今九割というお話がありましたけれども、私どもも同じ認識を持っております。こういう状況の中で、その事業環境を整備するために、下請適正取引等の推進に取り組んでいるところでございます。
具体的に申し上げますと、下請法の強化、取締りの強化のために、昨年度は十三万社に対して行った書面調査というのがあるわけなんですが、今年度はこれを四万社増やしまして十七万社に行っております。なかなか元請、下請の関係を考えますと、これはやはり役所がやった方がいいということで、こういったことを強化をしていきたいと思っております。
また、他方、中小企業の中長期的な発展のためには、このような取締りの強化だけではなくて、やはり元請、下請間の望ましい取引関係の構築、ここが重要だと考えております。このために、業種ごとに下請適正取引ガイドラインを策定するとともに、ベストプラクティス集、これを十万部作成をいたしまして、啓発に努めております。
いずれにしましても、また、四月の一日から全都道府県に下請かけこみ寺を開設をいたしまして各種相談に応じているところでございますけれども、今の先生の御指摘も踏まえまして、またこういう現状を認識している中で、こういった取組を更に強化していきたいと思っております。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 公正取引委員会でも下請法の執行については最大限の努力をしてきているつもりでございまして、具体的な調査につきましては、今御答弁がありましたように、中小企業庁と公正取引委員会が折半をいたしまして、公正取引委員会の方も全部で二十万社、大企業が親に当たるものが三万社、下請に当たるものが十七万社ぐらいに調査を掛けまして、積極的に違反事実の発掘に努めているということでございます。
今、原料高、それから燃油が上がった、それがなかなか転嫁できないということが言われていまして、これは具体的には買いたたきということになるかならないかということでございますが、最近の調査では、その辺もきちっと焦点を当てまして、そういう事実があるかどうか。我々は、買いたたきについては二つ判断基準があって、ほかよりも非常に著しく低い価格をのまされているかどうかという問題と、その決定過程が一方的かどうかということに着目して見ておるわけでございますが、これからも是非先生方の御協力もいただいて、なかなか下請事業者というのは、親にその情報が伝わると後で報復を受けるんではないかということを心配する余り、なかなか我々のアンケートなり調査に対しても必ずしも一〇〇%回答してきているわけではない。それを何とか上げようとしているんですが、我々は具体的な事例が必要で、転嫁できないできないと、こう言われましても、転嫁できない人は具体的にどことの関係でそうであるかという個別の事実をちゃんと言ってきていただかなければどうにもならないわけでございます。
そういう点、若干最近の風潮は、ただそういうことをおっしゃっていて、これだけ当局として是非言ってきてくださいと言っているにもかかわらず、そういう調査をお願いしているにもかかわらずきちんと言ってこないと。それで、団体であるとかいうところに困った困ったということを言っておられる。そもそも、やはり中小事業者といえども独立した事業者ですから、もう少しきちんきちんとした対応をしていただきたいなと。そうすると、当局の取締りとうまく相乗効果が出ると思うんですけれども、今のところ、そこがまだ不十分かなというふうに思っております。
○藤末健三君 是非中小企業庁と公正取引委員会の連携を強めていただくとともに、あと、竹島委員長に本当にお願いしたいのは、やっぱり同じようなことをお聞きします。実際に、話をしたいんだけれども報復が怖くて話を入れられないということを、僕、実際に会った方がおっしゃっていました、もう本当に大変だと。ただ、公正取引委員会とかどこかに言いたいんだけれども、名前を挙げては言えないと、そうすると報復されるかもしれない。
ですから、是非、ちゃんと通告しても報復されないんですよということが徹底的に分かるようなお伝えの仕方とか、あと事例をきちんとつくっていくということをやっぱりやっていただきたいと思います。今下請法のいろんな運用、いろんなところに眺めていただいて、その調査をすること自体で牽制になっているというのも私は確かに正しいと思いますけれども、やはりいろんな事例を摘発して、ああ、こういうものだったらちゃんと摘発してくれるんだという事例をもっと積み重ねていただきたいと思っております。
また、この中小企業の問題につきましては、原油高、燃料高の話がございますけれども、もう一つ私が注視していますのが、中小企業の民間金融の貸出しがどんどんどんどん減っているという中で、リレーションシップバンキング、これ金融庁がよくおっしゃっているものでございますが、そういうものを強めていくと。地域の金融機関が地元の中小企業を見ていただくということを進めていくということは非常に重要だと思っております。
ただ、問題は何かと申しますと、この三月末、三月三十一日で金融機能強化法という法律が失効しました。これは、地域のリレーションバンクなんかを救うような法律でございまして、これが三月三十一日に失効した状況でございます。
今回、事業承継のお話も関係するわけでございますけれども、地元の金融機関がきちんと安定した経営ができるようにこの金融機能強化法をもう一回制定すべきだというふうに考えるわけでございますが、金融庁の方、もしよろしければ御意見いただけますでしょうか。お願いします。
○副大臣(山本明彦君) 委員御指摘のように、今年の三月で公的資金の注入の申込期限が来たということであります。十六年時点はどうだったかといいますと、やはりまだまだ地域の金融機関にとりましては、特に経営事情も大変でありましたし不良債権も多かったということもありまして、自己資本の調達に非常に難しさがあったということもありましてこの金融機能強化法を制定したわけでありますけれども、大分この間で状況が変わってまいりました。自己資本比率を見ますと、地域銀行が九%から一〇・五%へ上がっておりますし、不良債権比率が六・九から三・九%まで下がってきております。信用金庫におきましては、自己資本比率が一〇・七から一一・九に上がっておりますし、不良債権比率も九%から六・五へ下がってきたということで、非常に体質が強くなってきておるわけであります。
今までの実績、この間の実績はどうだったかといいますと、御承知だと思いますけれども、二件でありまして、紀陽銀行ホールディングと豊和銀行の二件であります。これだけ体質が強くなってきましたし、しかも今、地域銀行の資本調達が大変これもよくできてきておりまして、十八年度は五十五件で六千九百億円自己調達ができてきております。それと、ほかに、これも元々政府の方で強制的に注入したわけではなくて、申込みによって注入をしておったわけでありますけれども、今、協同組織金融機関がございますけれども、この中央機関があるわけでありますけれども、この中央機関による資本増強制度があります。これが大分今利用されておりまして、今までの累計でいきますと、この資本増強制度の活用実績は、信金中金が三十四金庫で、三千二百八十億円あります、特に最近多いんですけれども。全信組連が三十一組合、三百五十六億円ということで、それぞれの組合の中で調達ができておる、こんなふうに考えておりますので、今の状況になってきておるということであります。
○藤末健三君 山本副大臣、私もそのデータは持っています。ポイントは何かと申しますと、信金とか中金はお互いに守り合う仕組みがありますと、それはオーケーですと。あと地方銀行も、第一地銀は資本力が強化されているからオーケーですと。ですから、平均値で見ると自己資本比率は高まっているんですよ。どこが問題かというと、第二地銀なんですよ。ですから、もし第二地銀のデータ、あります、どうなっているか、経営が。
ですから、問題なのは、この法律は全体の力を付けるんじゃなくて、本当に落ちこぼれそうな銀行を救う法律なんですよ、これは。ですから、平均値は見ないです。今どれだけ危険な銀行があるかが問題です。第二地銀はこの法律でしか救えません、今の状況ですと。それが切れたんです、三月三十一日に。ですから、本当に使うかどうかとかじゃなくて、これは用意しておかなきゃいけない。何かあったときに救う手段はどうするんですかということなんですよ。
ですから、私は使うかどうかというよりも、これは使わない方がいい制度、極論すれば。ただ、なければ何かあったときにカバーできないというふうに考えるんですけれども、金融庁としてはこれ本当に要らないとお考えなんですか。いかがですか。
○副大臣(山本明彦君) これは申込期限が撤廃されたわけでありまして、法律自体がなくなったわけではありませんので、それは復活は可能であるというふうに考えております。
○藤末健三君 是非もう復活させていただきたいと思います、手間が掛からないんであれば。あれば安心してやれるじゃないですか。私が心配しているのは、第二地銀、これは本当に地方の小規模な企業、中規模な企業を支えていただいているわけじゃないですか。そこがもし倒産すれば、どれだけの影響が中小企業にあるかということを是非考えていただきたいと思います。
最後の質問でございますが、これ経済産業省にお聞きしたいんですが、私は、この間のJパワーの議論がございまして、ああいう問題、きちんと外為法を私はもっと運用していただきたいと思うんですけれども、今の外為法でいきますと、例えばこの事業承継の話で、技術を持った企業が後継者がいない、後継者がいないがゆえにその会社をどこかに売りたいと考えている方は非常に多いと思います。それが、外国の資本が中小企業を買い、そして企業ごとの技術流出があるんではないかということを懸念しているわけでございますが、この企業ごとの技術を流出するようなものを止めるような法制度、必要と考えるんですが、その点についていかがでございましょうか。お願いします。
○政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。
我が国におきましては、外国企業による国内企業の買収の結果として国の安全等が損なわれることのないよう、国際ルールの枠内で外為法に基づき業種を指定し、対内直投につきまして事前届出制度を設けることにより、必要に応じ規制を行っているところでございます。この業種につきましては、昨年九月に安全保障上重要な技術の海外への不正流出に対応するため、追加の見直しを行ったところでございます。また、この外為法の規制におきましては、上場企業のみならず非上場企業の株式の取得も対象としているところでございます。
今後とも、外為法を厳格に運用し、技術流出によりまして国の安全等に支障が生じないよう対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○藤末健三君 是非経済産業省におかれましては踏み込んだ技術流出防止の法律を作っていただきたいとお願いを申し上げます。アメリカやイギリスの事例を見ますと、政府がすべての業種について、安全保障以外のものについて事後に審査をし、そして止めることができると、企業の出資や買収を、という法律がございますので、我が国ももっと踏み込んだものを作っていただきたいと思います。
これで御質問は終わらさせていただきますが、本当に経済産業省及び金融庁、財務省の方にお願いしたいのは、中小企業というのは、先ほども冒頭で申し上げましたように雇用の七四%、企業数でいうと九九%超す、我が国を支えてくださっている非常に重要な基盤だと考えます。ところが、いろいろ調べますと、事業の承継ができない、どんどん経営者の方々が高齢化していくという状況でございまして、本当に抜本的に中小企業が活動できるような基盤をつくっていただきたいと思います。
予算の問題もそうですし、また、私が一番大きいのはやっぱり金融だと思っています。銀行がお金を貸すだけじゃなくて、やはり出資、融資じゃなくて投資でお金が集まるような仕組みをつくるとか、本当にこの中小企業の方々が新しい事業を展開し、そしてみんなが経営者になってトライしようじゃないかという環境を整備しなければこの事業承継の問題は根本的には解決しないと思いますので、是非とも、今後とも経済産業省及び金融庁、財務省の方々には頑張っていただきたいと思います。
これで質問を終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。
○姫井由美子君 皆様おはようございます。民主党の姫井由美子です。
甘利大臣におかれましては、今回の国際エネルギーフォーラム、また同時期にエネルギー外交を行うなど機敏な行動に敬意を表したいと思います。
さて、外交政策が大いに影響するのも中小企業でございます。こうした中で、中小企業の経営者の高齢化あるいは経営者不足に伴った廃業によって雇用の喪失、産業の衰退といった懸念が出ています。私は、中小企業の元気が日本経済の元気だと思っておりますし、民主党も中小企業支援を日本の経済問題の中心ととらえ、マニフェストはもちろんのこと、民主党中小企業レスキュー隊を編成し、支援・相談体制を設けるなど具体的に支援をしてまいりました。そんな中で、今回の法案は多くの中小企業や支援団体が待ち望んでいたものであり、画期的でもあり、評価ができるものだと思っております。しかし、より効果的に成果を上げるために幾つか質問をさせていただきます。
まず最初に甘利大臣に、この中小企業経営承継が円滑になることによって、中小企業による雇用の確保、地域経済の活性化、あるいは日本経済全体にどのような効果があると考えておられるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 私、海外を回りまして資源外交を展開する際に、日本と組めばどういう利点があるか、それは産業政策上のノウハウに関してお手伝いすることもできますよと、よその国は資源をただ買うだけだけれども、日本と組めばその資源を利用して、あるいは資源と離れた産業立地政策について培った歴史がありますよということを話をして、日本と組むことの有利性を訴えていまして、それが産業協力という形で少しずつ結び付きつつあるんですね。
そのときに、外国資源国が、じゃ、いきなりトヨタ自動車持ってきてくれとか、大企業の富士通を持ってきてくれ、すぐ、みたいな話をするので、そんなことをしたって成り立ちませんと。一社の大企業が存続をするのにサポーティングインダストリーというのは何社必要だと思いますかという質問を向こうの産業担当大臣にぶつけるんですね。そうすると、余りそういうことを考えたことないけれども、まあ二、三十社必要かと言うので、平均的に言って、大企業と中小企業の割合を割っていくと、一社に対して三百社の中小企業がサポートしないと一社は成り立たないんですよと、それくらい中小企業というのは大事なんだと言うと向こうはひっくり返るぐらいびっくりするのであります。
大企業の製品の優秀性を支えているというのは中小企業、なかんずく日本の中小企業というのは非常に優秀でありますから、ただ中小企業がいるんじゃなくて、優秀な中小企業があるということが初めて大企業が競争力を持つということにつながるんですね。こういうことを委員会で御質問のたびに言うものでありますから、多分、私の答弁はいろんな国の方が全部聴取して見ているんだと思います。すると、最近はどういうことを言われるかというと、中小企業の団地を造るから技術ごと移転しろという要求が来るんです。しかし、そんなことを全部分かりましたとやったら、日本の成長の源泉はもう全部なくなってしまうわけであります。
よって、ゆえに、中小企業が持っている優秀な技術、それは中小企業自身が気が付いていない場合だってあるんです。それをしっかりとブラッシュアップして引き継いでいくということは、中小企業が雇用を支える、地域の元気を支える、当然です。それ以上に、日本の大企業の製品の信頼性を支えているという点が物すごく大事なんです。
そういう意味で、そういう技術を持ちながら相続という事態が発生して途切れてしまう、あるいは企業ごと買収されて全部どこかへ持って行かれてしまうと、そういうことには相当気配り、目配りをしていないと明日の日本がないと。日本には資源はありませんから、地べたを掘ればお金が出てくるという国ではないですから、培ってきた技術、ノウハウをどうやって伝承させていくかということがまさに生命線になると思います。
そういう意味も含めて、今回の法律を提出をさせていただいた次第であります。
○姫井由美子君 まさに後継者問題、後継者がいないということで中小企業が丸ごと外国に買われてしまっているという現実があるわけですから、是非、今回の法案でしっかりと日本の中小企業を守っていただきたいというふうに思います。
この議論は長い間されてまいりました。事業承継という名前でされてきたのが、今回、あえて経営承継という言葉を使った理由は何でしょうか。
○大臣政務官(山本香苗君) 法律名のところに事業承継ではなく経営の承継と書いてあるのはなぜかというお問い合わせでございますけれども、先ほどお話がありましたとおり、経営者の交代に伴う株式の移転による経営権の移譲の円滑化ということが今回の目的でございまして、事業の承継の支援としますとかなり大きな事業活動が継続されるための全般を支援するという形になりますので、より法律を明確化するために今回、経営の承継の円滑化という表現を用いております。
○姫井由美子君 いや、この先立った農業が、農業の経営承継という言葉を使っておりますので、それと比較して経営に変わったのかなというふうに思っていたんですが、そうじゃなくて、あえて経営に絞ってというふうなお答えでしたけれども。でも、経営に絞るというのが、どうですかね、やっぱり事業を承継ですので、私たちはやはりずっと事業承継という言葉が染み付いてまいりましたし、ここで急に経営承継という言葉に転換したということにちょっと一種の危惧といいますか、不安といいますか、それを持ったものですから、是非、本来のずっとこの二十数年間にわたりまして議論されてきたこの事業承継という基本的な思いは是非この中に盛り込んでいただきたいという意味を持ちまして、続いて質問したいと思います。
今回の目的は、相続税が払えなくて後継者が事業の継続をあきらめてしまうことのないように支援をするものであります。現在、相続税は基礎控除として五千万、そしてプラス法定相続人一人に対して一千万円の基礎控除が認められていますけれども、相続税が実際にどの程度事業承継の障害になっているのでしょうか。お伺いします。
○副大臣(中野正志君) もう委員の認識と全く中小企業対策については私たち共有できて、今日まで議論をさせていただいておるところであります。
御指摘のように、中小企業の事業承継においては、要は経営者が保有している自社株、それが後継者に安定的に承継させると、このことが重要であることは言うまでもありません。しかし、現実として、経営者の相続財産の大半が自社株、いわゆるそういう自社株などの事業用資産で占められているというケースが多くて、後継者がその相続税の納税資金の確保をするということが困難であることから、結果として会社の経営の不安定化を招いてしまっている現実があると。
ちなみに、中小企業庁で二〇〇六年の十月に事業承継の実態に関するアンケート調査をいたしましたけれども、代表者の個人資産は自社株式と事業用土地が大きな割合を占めると。株式会社で三〇・六%が自社株式、二一・八%が事業用土地、それから八・九%が事業用家屋、また六・八がその他事業用資産ということで、七割が実は中小企業経営者の個人資産に占める割合ということになるわけでございまして、そういう意味では、後継者が納税資金、例えばこの三〇・六%の自社株式を受け継ぐという場合に、その三〇・六%の株式の納税資金を確保するために、結果的には会社の内部留保が流出して資金繰りが逼迫する事態になって、経営も大変厳しくなったり、あるいは結果立ち行かなくなってきていると、こういう現実もあったわけであります。
そういう意味で、事業承継の際の障害の一つである相続税負担の問題を抜本的に解決をするということで、今般、非上場株式に係る相続税の納税猶予制度を創設するということにしたものであります。
○姫井由美子君 実際、これができると非常に事業承継がやりやすくなる企業があるということだと思いますけれども、ただ、今回、私は税理士の方々にアンケートを行いました。そうしますと、かつて、あえて事業承継税制というふうに言わせていただきますけれども、自社株式一〇%減税、つまり評価減でずっとお話があったのが今回納税猶予にした。これなぜかということを疑問に思う税理士がたくさんいたんですけれども、この納税猶予とした場合の経営承継がやりやすくなるというのは、どういうわけでこう変えたんでしょうか。
○政府参考人(川北力君) 税制改正の要綱に示されました方針につきましての御説明でございますので私からさせていただきます。
この本年一月に閣議決定されました平成二十年度の税制改正の要綱におきまして、今般御審議いただいておりますこの経済産業省の経営の承継の円滑化に関する法律の制定を踏まえまして、平成二十一年度の税制改正におきまして、御指摘の相続税の納税猶予制度を制度化するということをお示ししたところでございます。
この法案は、中小企業が雇用の確保や地域経済の活性化など重要な役割を担うということにかんがみまして事業承継の支援を行うということでございますので、この目的に資する税制とするために、相続後の事業の継続等を要件といたしまして税負担の軽減を行うという仕組みになってございます。したがいまして、事業承継における税負担の軽減の仕方としまして、申告時には納税せず将来事業継続等の要件を満たさなくなった場合には納税していただくと、そういう納税猶予の方式の方が申告時点で税負担軽減を確定させるという方式よりも適当と考えたということでございます。
○姫井由美子君 実際、現場の税理士に本当に調査していただきたいと思うんですね。取消しをして訂正申告するのと今回の納税猶予、評価減でしてそれが後、変わった場合に訂正の申告をするのと納税猶予の場合と、どちらが現場で混乱しないかというものもきちんと把握していただければというふうに思います。
そして、今回時期を合わせたかのようにこの中小企業の納税猶予と同時に、これは二十一年度からの税制改正ですね、そしてこの二十一年度は相続税の抜本改正を行うというふうに言われています。そしてこの抜本改正の中には基礎控除額の引下げというものが見込まれています。
財務省が見直しという言葉を使うときに私たちはどうしても増税というふうにイコール思ってしまいます。中小企業を優遇するその一方で、相続税の抜本改革で国民から広くうまく増税してバランスを取っていくんではないか、しかも今回は免税ではなくて納税猶予なんですね。減税ではないんですね。是非この部分をどうお考えなのかお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(小泉昭男君) 先ほど藤末先生からも中小企業に対する様々な御指導もいただきまして、今事業承継の税制の見直しにあわせて総合的な見直しを検討しているという部分で御指摘があったんだと思いますが、相続税の今までの経緯をちょっと考えてみますと、先ほど今、イコール増税だという見解もいただいたんですが、相続税につきましては主にバブル期、この時期においての地価の高騰に伴いまして基礎控除の引上げ等の減税が行われまして、さらに、平成十五年度税制改正では最高税率の引下げを含む税率構造の見直しが行われたわけでありまして、一方、近年考えてみますと地価がバブル期以前の水準にまで下落してきているという状況でございまして、相続税の負担が大幅に緩和されることになるわけでありまして、年間死亡される方のうち課税の発生割合が、以前、相続に関係する方は七・九%ぐらいと言われていたんですが、今は四%というほどまで減少しているわけでありまして、相続税の資産再配分機能や財源調達機能は低下してきているということが現状でございます。
また、政府の税制調査会の答申、これは十九年の十一月の二十日に答申が出たわけでありますが、この中で指摘されておりますように、高齢者世帯における家計資産の格差が顕著になっているという、この少子化による相続人数の減少が進むことにより、相続人の取得する財産額が増加することと相まって相続を機会に高齢者世代内の資産格差が次世代に引き継がれていく可能性が高いという、こういう状況になっていることは御案内のとおりであります。このような観点から、公的な社会保障制度、これは介護制度等も含むわけでありますけれども、これは充実してきておりまして、老後の扶養、社会的に、社会全体で支えるというこういう時代になってきております。
こういう関係の中で考えていきますと、高齢者が死亡をされた場合、資産の一部を社会に還元することも求められるような状況じゃないかな、こういうように思っておりますので、相続税の在り方につきましては、こうした様々な点を踏まえまして基礎控除等の課税ベースや税率構造の在り方等について幅広く検討を行っていく必要があると考えております。
○姫井由美子君 十九年度の抜本的な税制改革に向けた基本的考え方の中で、相続税についての考え方を、先ほど政務官言われましたとおり確かにそう書いていますね。
被相続人が生涯にわたり社会から受けた給付に対応する負担を死亡時に清算するという考え方に立てば、相続税は、遺産が相続されるときにその一部を社会に還元することによって、給付と負担の調整、これをすることによって貢献できると言われているんですけれども。
皆さん考えてみてくださいね、今介護制度の充実と言われましたけれども、年金を払っても、将来私たちはしっかりと国から支えられるだけの生活の保障をされていないんですよ。しかも、年を取っても医療制度の、特に今回の後期高齢者医療制度、長寿医療制度見てください、七十五歳以上の。医療負担は本当は若年の方が多いにもかかわらず、七十五歳以上から更に取って、しかし国民に対する医療の行政サービスというものはどんどんどんどん切り下げられている。そういった本当に今社会から受けた恩恵というもののバランスを取るときに、本当に今のこの相続税の基礎控除を下げて、バブル期以前だから取ってもいいんだという考え方でいいんでしょうか。
私は、税金というものは、何よりも納税者のためになり、納税者にとって自分の負担が明確に納得できて公平感を満たすことがあれば、自ら進んで納めるものだというふうに思っております。政務官のこの税に対する考え方、あるいは相続税に対する考え方をいま一度お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(小泉昭男君) 再度の御質問なんですが、相続税につきましては、確かに高齢者社会としてかなり進んでおりまして、あらゆる、年金、介護、医療、保健、これ御案内のとおり、二〇〇六年の試算では年間二・五兆円ずつ増えていくという、向こう二十年間で五十兆円増えるという、こういう予測も立っておりまして、かなり社会の中での負担の考え方がこれから議論されていくんじゃないかなと、こういうふうに思います。
そういう中で、あえて申し上げれば、日本の国民負担率の問題をこれから各先生方にもしっかりと御議論いただきたい。そして、御指摘のとおり、いずれ皆さん、まあ名前がいいか悪いかは別として後期高齢者という立場になるわけでありますから、これからその時期を迎えるまでにしっかりと皆さんで議論いただいて、相続税を含めて、相続税、消費税のほかにも所得税、住民税、さらに様々な税金があるわけでありますから、この税の体系を総合的に抜本的に見直して改革していこうということを総理もお話しになっているわけでありますので、この相続税に特化したり消費税に特化したりした議論だけでは解決に至らないんじゃないかな、こういうふうに思っております。
○姫井由美子君 確かに、政府・与党は昨年の参議院選挙のときに消費税も含めた抜本的な税制改革というものを訴えていらっしゃったと思います。
そこで、しっかりとそこは議論してほしいんですけれども、今回それが出てこない、先送りされたというような感があります。この消費税に対しても国民は非常に興味があるところなんですけれども、消費税の見直しについての見通しも伺いたいと思います。
○大臣政務官(小泉昭男君) 消費税に対する見解をということでありますが、税金、高い安いという、一概に議論できるような簡単なものではございませんで、先ほど申し上げましたとおり、消費税を含めた抜本的税制改革に向けた基本方針を固めていくという、こういう方向には御理解をいただいていると思いますが。
改めて申し上げますと、中長期的に社会保障給付費が先ほど申し上げましたように増大を続けているわけでありまして、これから社会保障を持続可能な制度としていくためにも給付の合理化、効率化努力をこれはもう怠ってはならないと、安定した財源を確保しなければならない。このためには、社会保障給付費や少子化対策に要する費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本改革を行う必要があるという、こういう考え方でございまして、特に平成十六年の年金改革法におきまして、所要の安定した財源を確保した上で平成二十一年度までに基礎的年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げるという、こういうことに決まっておるわけでありまして、このことを踏まえれば税体系の抜本改革について早期に実現を図っていく必要があるということでございます。
そういう観点から、この三月の二十七日の総理の記者会見で、本年税制の抜本改革を行う、先ほど申し上げましたが、明確に示されたわけでありまして、政府としてはまず社会保障国民会議において、社会保障のあるべき姿や負担の仕方について国民的な議論、これ本当に幅広くやっていただきませんとその時期が来てから間に合わなくなってしまうという、これが現実でありますので、これらの議論を進めながら税体系の抜本改革についての検討を進めてまいりたい、このような考え方でございまして、消費税はその中の一つと御理解いただければと思います。
○姫井由美子君 財政状況などを総合的に勘案して是非考えていただきたいと思いますけど、ここでちょっと脱線して一つ提案があるんですけれども、資料の最後に、産経新聞でたばこ税を今の価格ではなく、上げることによって新たな税収が図れるということを提案された方がいらっしゃいます。
私も実はたばこ税のことを考えておりまして、こちらの方に日本のたばこ市場の規模と税収という二ページと書かれたグラフのところにありますけれども、大体国の方は二兆二千から二兆三千億円を目安にしてたばこから税収を上げておりまして、下がれば増税する、下がれば増税するを繰り返してまいりました。しかし、今、日本の物価とたばこの値段を比べますと明らかにほかの諸外国に比べて低いところにある、つまりまだ上げ代があるというふうにも考えられます。
このたばこの値上げに関しましては、あるべき税の姿の中においても今後の増税も考えられるというふうな御指摘をされております。これに対する御意見をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(小泉昭男君) たばこにつきましては、私は全く吸いませんが、弟が私の倍吸っておりますから、しっかりバランスは取れていると思うんですが。
確かに、先生おっしゃるように、たばこ税はこれは極めて重要な位置を占めておりまして、最近の傾向としてやはり禁煙の場所が増えたり、そういうことで、一時期、平成八年には、これは三百四十八、三千四百八十三億。済みません、失礼いたしました。ちょっと数字を読み違えまして、金額ではなく本数でございまして、これを言いたかったんでございますが、消費している紙たばこの販売本数が三千四百八十三億本が平成八年には消費されたわけでありますが、平成二十年になりますと二千五百三十七億本ということで、かなり最近のたばこの消費量落ちています。そういう関係の中で、この税収につきましては、先生が手元にお配りいただきましたこの中で、やはり税収については先行きがかなり厳しいという、こういう現状もあろうかと思います。
ただ、先ほど申し上げましたように、近年健康対策の観点、国際的な動向等からたばこ、税を大幅に引き上げるべきだという議論が海外でも大分あるように聞いておりまして、先ほどのどなたかが発言されたということを私も知りましたが、たばこの税金を上げるということは、税収だけの問題じゃなく、健康被害、環境問題、受動喫煙、こういう周辺からの問題も多分これに絡んでいるんじゃないかなと、こういうふうに思います。
財務省としては、これは今、消費が減少傾向にございますので、これはもうたばこの税の大幅な引上げ、これを行ってみても安定的な財源の確保という見地からは十分にこれは対応とならないんではないかという、こういう見解も少し持っておりまして、いずれにせよ、たばこに対する税の負担の在り方につきましては、その消費動向、財政事情などを総合的に勘案をいたしまして、更に皆さんで議論を深めていただいて検討をしていくべきではないかなと、こういうふうに思っております。銘柄によって大分消費の内容も違うみたいでありますから、詳しくは分かりませんが、その辺のところは御推察をいただきたい、こういうふうに思っております。
○姫井由美子君 この際、これは要望、提案ですけれども、たばこの本数の消費が減ったから上げるというのではなくて、是非計画的に、このくらいのたばこから収益を得たいということで、なだらかな増税をしてほしいというのが業界の要望であります。
いつも年末になって、五千億足りないから、一兆足りないから、じゃ上げるかではなくて、計画的に毎年十円ずつ、二十円ずつ上げていくとか、こういったやり方を検討したらどうかというふうに思っておりますし、また、健康の面からいきましても、未成年のためにタスポカード、このために莫大な投資額も付けたわけですけれども、それよりも値上げが効果的かと思いますし、是非、いろんな広く浅く、消費税あるいは相続税というような生活を困窮させるのではなく、こういったところから、しかも、一方で、今日の資料の中にたばこの税のバランスがあるんですが、実はたばこの税金の中で国鉄の赤字を払っているんですね。なのに、新幹線とかホームで肩身が狭い思いをしながらたばこを吸うのではなくて、しっかりと喫煙ルームには、ありがとう愛煙家、あなたの一本でこのJRは走っていますというような、そういったキャンペーンを一方でしてあげたり、あるいは分煙の支援金を付けるから上げるとか、いろんなアイデアでたばこのことを検討していただきたいというふうに思います。これは要望です。
だんだんと時間がなくなってまいりましたので、続いて事業承継に戻りたいと思いますけれども、今回この事業承継の条件として八割の雇用を維持するとありますね。なぜ八割なんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(中野正志君) 今回の事業承継税制でありますけれども、中小企業の事業の継続が雇用確保を通じた地域経済の活力維持に資すると、それを基本にしながら、相続後五年間雇用を確保しつつ事業継続を行う企業に限定をして自社株式に係る相続税の納税猶予の適用を認めるというものであります。この雇用確保につきましては、事業承継税制のまさに中核とも言うべき部分でありまして、しっかりとした要件を設定することは不可欠だと思っております。
しかし、他方、私たちのような団塊の世代が定年退職を迎える、あるいは中小企業の多くが小規模な企業である。ちなみに企業数が四百三十四万社でありますけれども、その中で小規模企業、例えば製造業は従業員二十人以下、商業、サービス業は従業員五人以下という小規模企業はその八七%を占めておるわけであります。
そういった中小企業の多くが小規模な企業であるということも踏んまえますと、雇用が少しでも減少した場合には納税猶予の適用を失わせるということになりますと、かえって中小企業の事業活動に支障を生じさせかねないというふうに考えるわけであります。
そういう意味で、事業承継税制の目的あるいは中小企業の実態も踏まえて、今回事業承継税制の雇用確保要件について、雇用の一〇〇%維持を求めるということではなくして雇用の八〇%以上の確保を求めるということにしたわけであります。
○姫井由美子君 今回、特別に中小企業の中でも世襲経営者と、そうでない、つまり親族後継者と親族外後継者をあえて格差を付けて優遇したわけですよね。だとしたら、一〇〇パー維持でもいいかという思いもするんですけれども、この二割については、では解雇してよいというのはいかがなものかと思います。
例えば、八割以上ですから、では全員一〇〇%そのまま継続をして雇用したというところに、何か頑張った中小企業として応援する仕組みをつくるのもいかがなものかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
お答えは先ほど中野副大臣の答弁にありましたとおりでございますが、雇用確保、事業継続、まさに中核でございます。そういう意味でしっかりとした要件を設けていくというのが必要不可欠というふうに考えてございます。
委員御指摘にありましたように、一〇〇%を条件にすべきだというふうな意見も議論としてはあったわけでございますが、団塊の世代が定年を迎えるとか、あるいは小規模企業が多いとか、いろんな御意見があるのもまた事実でございます。
こういう実態、中小企業の実態を考えますと、やむを得ず一〇〇%が達成できないというふうなケースもあり得るというふうに我々考えてございまして、一律に一〇〇%として、結果として達成できた企業とやむを得ずできなかった企業の間に差を設けていくというのは必ずしも公平ではないんじゃないかと。むしろ、経営者になったら、一〇〇%じゃなくて第二創業、第三創業でどんどん増やしてもらいたいというふうに考えているわけでございますが、最低限の要件として八〇%というのをしているわけでございまして、一〇〇%を維持したから追加的に応援する仕組みというのは適当ではないというふうに考えてございます。
○姫井由美子君 簡単にお答えいただきたいんですけれども、この場合の雇用というのは非正規雇用も含まれるのでしょうか。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
雇用確保要件、雇用の対象についての御質問でございますが、本法律案で、中小企業者の定義において人数を使ってございます。そのときの定義では、常時使用する従業員という規定になってございます。
具体的には今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○姫井由美子君 八割を維持するために非正規雇用にどんどん回していくという実態が行われても困るかと思います。
先ほど、八割以上が日本の中小企業で皆さん働いております。労働者の側からも、是非、この部分をどのようにしっかりと経営者が守っていくかを対応してほしいかと思います。
次に、遺留分に関する民法の特例について伺いたいと思います。私、司法書士ですので、ちょっと細かくなりますので、たくさん質問がありますので簡単にお答えいただければと思います。
まず最初に、遺留分に関する民法の特例、第三条で定義されておりますけれども、これは代表者であることが要件となっています。遺留分の算定に係る合意をする時点で代表権がなくてもいいとは思うんですけれども、代表権を要件とする理由は何でしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) お答えを申し上げます。
民法特例は、先代の経営者の相続に伴って株式等が分散をし、後継者による経営が不安定となって事業活動に支障が生じるといった事態を防止するためのものでございます。
ただし、民法はあくまでも基本法でございますので、その根幹の一つでございます遺留分制度の特例でございますから、その適用対象は事業承継の円滑化のために必要な範囲に限定をする必要があろうかと考えております。したがいまして、民法特例の適用を受けるためには、会社経営において後継者が中心的な役割を果たしており、当該後継者が安定的に株式を所有することが真に事業承継の円滑化のために資する場合ということが必要であるというふうに考えております。
このため、法律案におきましては、後継者につきまして、民法特例に係る合意をする時点におきまして代表者に就任をするということを要件とさせていただいているということでございます。
以上でございます。
○姫井由美子君 さらに、この特例を受けるためには推定相続人全員の合意が要件とされています。
しかし、推定相続人の中には、例えば前妻の子であるとか非嫡出子等、非常に合意に難しいケースもあるのではないかと思われますが、こういった場合、それをスムーズにするような手当てというものは考えられていますでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) お答えを申し上げます。
遺留分は、配偶者あるいは子といった一定の相続人に最低限の資産の承継の権利を保障するものでございまして、先ほどもお答え申し上げましたけれども、基本法たる民法の根幹を成す制度でございまして、後継者以外の方の遺留分権利者の同意がないときにその遺留分を制限するということは、相続法の基本的な精神に反することになるのではないか、あるいは抵触するおそれがあるんではないかというふうに考えております。このため、本法律案におきましては、委員御指摘のとおり、先代経営者の遺留分権利者全員の方の合意ということを前提といたしまして、遺留分の算定方法に関しまする特例を認めるということにしております。
ただ、なお、民法特例に係る合意を得られない場合、後継者が実際に遺留分の減殺請求を受けたような場合におきましては、本法律案におきまして、分散をしました株式などを買い取るための資金につきまして、中小企業信用保険法の特例でございますとか、あるいはまた株式会社日本政策金融公庫法の特例の対象とするといったような対応策を別途講じさせていただいておるところでございます。
以上でございます。
○姫井由美子君 さらに、この特例を受けたときから後に新たに推定相続人が増える場合も考えられるかと思います。この場合には、合意の効力が消滅する、十条三号では言っておりますけれども、消滅させるまでもなく、新たに推定相続人となった方が合意の意思表示を行えばいいのではないでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) 民法特例につきましては、遺留分権利者の全員の方の合意を前提とするものでございまして、例えば先代経営者の方が再婚などをされることによりまして、新たに遺留分の権利者が生じたような場合には、その合意の前提を欠くということになります。また、新たな遺留分権利者が同意をしておられる場合でございますけれども、その場合におきましても、遺留分権利者が増えた以上は、各人の遺留分の額が変更をされるために、その合意内容も変更せざるを得ない場合が多いというふうに考えております。
したがいまして、新たに遺留分権利者が生じた場合におきましては、当初の合意の効力を維持することができず、効力が消滅するということにさせていただいております。
以上でございます。
○姫井由美子君 ということは、合意が効力を失った場合には、改めて合意をして確認を受けられるということですね。
○政府参考人(高原一郎君) 委員御指摘のとおりでございます。新たに遺留分権利者になった方が同意をされて、そしてその所要の手続をお取りになっていただくという場合には、また新たな合意としてその所要の効力を生ずるということになろうかと考えております。
以上でございます。
○姫井由美子君 そして、この合意のときに株の評価額というものを算定することになっておりますけれども、「その時における相当な価額として証明をしたものに限る。」とされていますが、これはどのような方法で算定するのでしょうか。
○副大臣(新藤義孝君) 現状の民法におきましては、生前に後継者が先代経営者から株式の贈与を受けた、しかしその後の経営努力で株式の評価が上がったと、そうするとその相続の際に贈与株式をその上がった価額でもって算定しなきゃいけないと。こういう状態になって、それがまた経営承継の障害に通ずるおそれがあるという問題があったわけです。
それを今回の法令で民法の特例を与えまして、そしてあらかじめ合意時の価額に固定をすることを可能とすると、こういうふうに特別な特例を設けたわけです。そのためにこの相当な価額というものをしっかりと定めていかなければならないということで、その後に争いが生じることを、出てこないように、それは弁護士などの専門家が証明をした相当な価額にしてくださいと、こういう設定にしております。
この非上場株式の評価方法は、これは国税庁の通達ですとかそれから日本公認会計士協会のガイドラインですとか、いろいろありますが、これに加えまして、こういった既存の方法を参考にしながら、今回の民法特例の趣旨や性質に照らして適正な価額を設定するように今後作業をしてまいりたいと、このように思っております。
○姫井由美子君 今、上がった場合というふうに言われましたが、じゃ下がった場合、実は合意の時点よりも実際相続時の場合、下がってしまって、そちらで計算する方が有利だという場合にはどうなのか、さらに合意時の価額を見直すことはできないんでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) お答え申し上げます。
いわゆる民法特例によりまして遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を合意時の価額とさせていただいておるわけでございますけれども、その後に例えば今御指摘のように株式の価額が、価値が下落をしても、合意時の価額によって遺留分が算定をされるということにしております。
委員御指摘のとおり、例えば株式の価値が下落をしたような場合におきましては、相続時の価額で遺留分を算定した方が例えば後継者の方にとっては有利になる場合があるわけでございますけれども、株式価値が上昇したときは合意時の価額で、例えば下落したときは相続時の価額といったようにするのは後継者が一方的な例えば有利な制度になってしまいますので、基本法たる民法の根幹を成す遺留分制度の特例としては適当でないというふうに考えております。
以上でございます。
○姫井由美子君 この価額を算定するのには弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人というふうに法案では並べておりますけれども、この相当な価額の証明を行える者に司法書士と司法書士法人が入っていないのが司法書士としてちょっと気になるところなんですが、これはどうしてでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) 委員の御指摘のとおり、民法特例におきましては、合意のときにおける価額については、弁護士、それから弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人が相当な価額として証明したものに限るということにいたしております。このうち公認会計士と税理士につきましては、その職能として日常的に財産の評価を行うということが予定をされておるわけでございまして、本件のような株式の評価についても公正になされるということが期待をされております。また、会計税務の面から日常的に顧問として長期的に会社に助言を与えておられるような場合もあるものでございますから、短期間で適正な評価を行うということが可能になるのではないかと考えております。
以上を踏まえると、本来的には株式の価額の証明主体を公認会計士と税理士の方に限るべきだという考えもございますけれども、弁護士につきましては、弁護士法上、法律事務一般を行うことができ、かつ当然に税理士の事務も行うことができるということとされておりますので、弁護士も証明主体に加えるということといたしました。
なお、司法書士の方々におかれましては、中小企業の事業承継に際しまして、例えば相続に係る戸籍の調査でございますとか、あるいは不動産登記といったことの事項を扱っておられまして、そういう観点で、司法書士の方々の役割ということには大変に大きな期待を持たせていただいているということでございます。
以上でございます。
○姫井由美子君 実際、今回の、私も仲間の司法書士にいろいろとアンケートをいたしました。特に、今回は遺留分特例という民法上の問題がかかわってまいります。司法書士は特にこの相続におきましては非常に、遺言であるとか、また相続時には遺産分割協議書を作成したりであるとか、かなり親密に中小企業の中に、あるいは経営者個人の財産につきましても相談を受ける専門家の一人であります。実際、弁護士が公認会計士あるいは税理士の資格を持っていながら公認会計士や税理士と同じような仕事をしている場合というのはほとんど少ないかと思います。その一方で、司法書士は本当に現場で戸籍を取りながら、あるいは相談を受けながらしておりますので、次、見直しがあるかと思うんですけれども、実績を見ていただきまして、是非そのときには考慮していただきたいというふうに思います。
そして、この生前贈与のときの株の評価ですけれども、これなかなか、この非上場株の評価というものが実は税理士にとりましても公認会計士にとりましても非常に難しいというふうに言われているんですね。この価額の協議が調わない場合、これは最終的に家庭裁判所に持ち込めるような、そういった手だてはあるんでしょうか。
○政府参考人(高原一郎君) お答えを申し上げます。
民法特例は基本法たる民法の根幹を成す遺留分制度の特例であるということもございまして、いわゆる遺留分を算定するための財産に算入すべき価額を合意のときにおける価額とするには、先代経営者の遺留分権利者全員の合意というものを必要といたしております。したがって、遺留分権利者の方々の間におきまして相当な価額ということにつきまして協議が調わない場合につきましては、裁判所が価額を決定するということを認めることはできないというふうに考えております。このため、本法律案におきましては委員御指摘のような手続は設けておりません。
○姫井由美子君 今、少し、大変細かいところまで質問させていただいたんですけれども、まだ開始する前から、考えただけでもうこれだけ疑問もありますし、問題点も浮上してくるわけですね。これを、先ほど協議が調わない場合に、最終的には家庭裁判所も入れないとなった場合に、ずっと協議が調わなくて結局はこの法案を使えないということになっても困ります。
実際にこの法案をしっかりと行うためにはアドバイス等のサービスが重要であると思いますけれども、具体的にどのような指導、助言を行うようなことを考えられていますでしょうか。
○大臣政務官(山本香苗君) 委員御指摘の法律の第十五条のところにおきます経済産業大臣の指導及び助言というものだと思いますが、中小企業の事業承継によりまして、従業員数の減少を伴うような事業規模の縮小や信用状態の低下というような事態が起こらないようにしっかりと、そういうことを防止するために行うものでありまして、具体的には、事業承継に際しての事業の展開や、また後継者や従業員といった人材の育成、事業承継に関して必要となる資金の確保などに関する助言やまた指導というものを行うことを想定しております。
先ほど来出ておりますそうした助言や指導を広範的に実施するために、本年度の予算におきまして、いわゆるワンストップサービスでしっかりそうしたものが受けられる事業承継支援センターというものを約百か所全国に展開することとしております。
○姫井由美子君 そこで、私も、本当に今回のこの法案は、この事業承継支援センター、ここは事業承継になっているんですけれども、これが非常に大きな意味合いを持つと思います。そこで、是非、このセンターの活躍がいかに大事かということを改めて甘利大臣の方にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) この法律の提出で、事業承継に伴う一番の問題点であります相続税の問題はまあ大体、すべてとは言いませんけれども、大宗は解決をすると。
しかしながら、事業承継というのは、それだけで中小企業がスムーズに世代が替わっても事業が続くというわけではなくて、きちんとした後継者が見付からないで断念ということもあるわけですね。つまり、身内がきちんとやると、そのときの相続税の問題はこれで処理できるけれども、そういう適当な人がいないというときに、適当な人、自分はこういうところにチャレンジしてみたいという人をマッチングさせるという機能も持っていますし、あるいはちょっと後継者、身内の後継者でも不安で、自分がやれば一番いいんだけれども、中小企業経営に対する経験もなければノウハウもないと、そういう後継者を育成していくセミナーみたいなものもここでできると。
ただ、もちろん、他人に継がせる場合の税の制度がそこにそっくり行くわけではないという問題は確かにあります。ただし、その場合には、融資制度というのを付けておりますから、だれが継いでも同じような納税猶予というのが、継承という一点で考えればいいのかもしれませんけれども、なかなか全体の法体系の中でそうはいかないので、身内以外の者が継ぐ場合には融資でそれに準ずる支援をする等々、いろんな相談ができるような機能をここで果たせるんではないかと思います。
先ほど来御質問がありますように、大企業のOBの知恵を借りるということもこの支援センターを通じてできるでありましょうし、いろんな相談ができるツールをそろえるという意味で役に立てるのではないかと思っております。
○姫井由美子君 親族後継者に対するいろいろな指導、助言を行うだけでなく、親族内に後継者がいない場合のMアンドA、いろんなマッチング等も行うというのが今回の事業承継支援センターに託された大きな期待ではないかと思います。これが全国に百か所、予算が二十億円というふうに聞いています。
しかし、それだけの大きな期待を託された事業承継支援センターが一体どういうふうな形で決められていっているか、その過程を御存じでしょうか。今日、こちらに、資料のところに付けさせていただきました。
実は、経済産業省には地域力連携拠点というこの予算が付いています。これは全国二百から三百か所、予算が約五十一億、これは農商工連携等も踏まえまして、あるいは今まで中小企業庁が持っていました地域資源活用、こういったいろんなものを、あるいは先ほど言いました被相続人、親族外の後継者に対するいろんな貸付け等、いろんな相談を伺う窓口として地域力連携拠点というものがしているんですが、実はこの中に事業承継支援センターが入っているんですね。しかも、事業承継支援センターの募集はこの地域力連携拠点事業の募集と一緒に行われているんですよ。私は最初これを聞いたときに、事業承継支援センターが百か所、二十億円、地域力連携拠点のこの二百から三百、三百か所として五十一億円、両方合わせて七十一億円で全国に四百か所できるかと思いましたら、この地域力連携拠点の予算五十一億円の中にこの二十億円が含まれていて、なおかつ二百から三百か所、この地域力で募集した中で、うち、より事業承継支援ができるところを百か所選ぶというふうに伺っていますが、それは間違いないでしょうか。
そして、実はこの地域力連携拠点事業が各全国十か所にあります経産省の下の経産局で説明会が行われました。これは関東での説明会の資料のごくごく一部ですけれども、実は、どういったことを中心にしますかという中に、①から⑨までいろんな、選べるわけですね。この中で事業承継支援を選んだところがそれを取るわけですけれども、しかし、実際はこの説明会にどういうところから行かれているかといいますと、やはり商工会、商工会議所が行っているわけでして、いろんなことを事業するわけですよ。そうすると、事業承継支援だけでなく、九分の一あるいは何分の一かにその力が分散されてしまうわけですね。次に、こちらの方には地域力連携拠点の支援の流れがありますし、その次に、どういった連携があるかという共同事業のイメージ図というものを四パターン示されていますが、どこもやはり商工会あるいは商工会議所を中心とした流れであるわけですね。
こういった中で、本当に先ほど大臣が言われましたような、あるいは山本政務官が言われましたように、この事業承継を自分の相続人に、後継者に託すためのいろんな法的支援、特にここに特化した支援ができるのかどうか非常に懸念するところではありますけれども、より専門的に事業承継を別に更に特化して取り組む必要があると私は思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) いわゆるつながり力を強化する拠点、総理のキャッチフレーズはつながり力でありますが、そういう地域連携拠点を三百か所つくります。その中の百か所くらいが支援センターの機能を一緒にやるわけであります。
予算的にもそう潤沢な予算ではないんではないかという御指摘は御指摘として受け止めなければならないと思いますが、いずれにしても、初めて抜本的なことができたわけでありますから、そういう意味では歴史的な出来事だと思います。これをいかにうまく使って、予算が足りない、あるいは支援策が足りないならば、それを充実していくということは、今後、与野党を通じて是非力を合わせていただきたいと思います。
スタートとして、厳しい予算の中で一応これだけ確保をしたということ、それから本当に相続にまつわる事業承継の問題が深刻になっているというのは、中小零細企業全部というよりも、その中のそう多くないシェアであるということもありますので、スタートはこういうことでさせていただいて、そして、その中から問題があればいろいろと指摘していただいて充実をしていただきたいというふうに思っております。
○姫井由美子君 先ほど藤末委員の方も、この事業承継支援センター、これが全国ネットの企業が入ることによって広がりを持たせる、今、甘利大臣もつながりが必要だというふうに言われました。その意味では、この事業承継支援センターだけでなく、地域力連携拠点がより広いつながりで広がっていくことを期待いたしますし、この地域力連携拠点には、商工会、商工会議所だけでなく、大学や銀行や、そして民間企業やNPOが入れるというふうに伺っています。是非この門戸も広く開けてくださいまして、しっかりと、あらゆるところがこの中小企業の事業承継あるいは中小企業のこれから広がりをもたらしてくださいまして、大企業を支える、あるいは大企業を飛び越えて自らが国際的な働きができるような、そんな支援をしていただけるよう期待するものですし、私たちもそのために努力をしてPRにも努めたいと思います。是非よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○委員長(山根隆治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
午後零時二十一分休憩
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午後一時二十分開会
○委員長(山根隆治君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○松村祥史君 自由民主党の松村祥史でございます。
午前中の質疑に引き続きまして、中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。
まず、個人的感想を申し上げさせていただくと大変失礼でございますけれども、この法案が今国会に提出されたことを大変、私個人的に喜んでおります。と申しますのも、私は以前、商工会という小さな町や村にございます小規模事業者の団体の青年部の会長をやっておりましたし、十数年前はこの青年部というのは十数万人おりました。しかし、現在六万二千人ほどに減っております。事業を続けたくてもやれる状態になかったり、こういった事業承継ということで廃業されたりと、多くの仲間が減ってきたと。仲間がたくさんその地域の中で根付いて家業をやり、そして地域の活動としてPTAや消防団、まさしく地域を守る私は防人だと思っておりますけれども、こういう方々が事業環境が整うことで、事業の継続であったり、将来に夢を持って事業をやっていこうというやる気を出していただくことは大変大きな法案であると、今回の提出に大きな意義があると喜んでおる一人でもございます。
また、このことはこの四年間、再三、甘利大臣ともやり取りをさせていただきましたし、昨年の予算委員会の席でも大臣に御答弁を求めまして、大臣からも力強い抜本的な改革を進めていくんだという御答弁をいただいたところでございました。大臣におかれても、我が党の税調の幹部ということで十数年前からこういったことについては取り組んでおられましたでしょうし、格段の思いがあられると思います。
そこで、まず大臣にお尋ねをしたいと思っておりますが、私どもは党に、この法案を精査する中において、事業承継問題検討小委員会を昨年設けました。そこで、主要な論点として、後継者の問題、それから事業承継の税制の問題、そして相続法と、この三つに絞って議論をしてきたわけでございますが、その多くの提言を今回の法案にもたくさん盛り込んでいただいているものと認識をしております。大臣におかれても大変意義深い法案であると私は思っております。そういう意味では、大臣の率直な御感想を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(甘利明君) 松村先生は、まさに中小企業の代表として全国の同志から推されて参議院議員になっておられるわけでありますから、もちろんそうお感じになっていらっしゃると思いますが、私を含めてこの経済産業委員会のメンバー恐らく全員にとって、今回の法案の提出、そして恐らく近い将来、近々成立をするであろうと思いますが、それはまさに悲願であったと思っております。
大企業、株式公開企業には相続はありません。ありませんというか、経営者が亡くなったとしても会社がそれによって途絶えるということはあり得ないわけでありますけれども、中小企業にとっては経営者が亡くなるということが事業の存続にかかわる極めて重大な問題でありました。
企業というものは、業績が芳しくなくなって、それがゆえに事業が継続できなくなり途絶えると。それは経済原則であると思いますけれども、事業が営々として営まれていて、きちんと問題なく運営されているにもかかわらず、相続という事態の発生によってその継続が遮断をされてしまう、これは従業員にとってもあるいは地域経済にとっても理不尽なことでありまして、それを何とか防がなければならないと、与野党を通じた思いがようやくいろいろな壁を突破してここに法案として提出できたものだと思っておりまして、非常に私も感慨深くこの日を迎えているというのが心境であります。
○松村祥史君 率直に大臣に心からの敬意を表したいと思っております。
今回の法案は、中小企業に税のインセンティブを持たせることで、その事業の継承であったり又は今後の発展であったりということを大きく推進するものであろうと思っております。
そこで、論点の一つでございました後継者問題、またこの政策効果についてお尋ねをしたいと思いますが、中小企業のこの十年間の経営者の規模別で平均年齢を見てみますと、資本金一千万未満の中小企業においては、経営者の平均が五十五歳から五十八歳に上昇しております。資本金五千万未満になると、五十七歳から五十九歳に上昇しております。大企業でいいますと、大体この十年間というのは平均して推移しておりますので、六十三か二であったかと記憶しておりますけれども、このことを考えると、五十代というのは非常に脂の乗った時期でございますから、決して悪いとは申しません。しかし、これからどんどん中小企業、人口が減っていく中で若い経営者をつくっていくことというのは大変大事なことであると思います。また、これは自身の経験からもそうですが、若ければいいという問題ではなくて、やはり会社の体制が整えるかどうかだと思うんですね。
というのが、例えば五十八歳の会長がいらっしゃる中で三十歳代で社長経験ができるというのは、非常に大きな企業にとっての価値になってまいります。こういう若い経営者をつくっていくというのは、そういう意味でも企業成長の大きな意味があると。
また、この廃業の数字を見てみますと、年間これも皆さん御承知のとおり二十九万社が廃業し、うち七万社が後継者不足で廃業すると、そのことによって失われる雇用が大体二十万から三十五万であると、こんなことが言われておりますけれども。
そこで、経済産業省にお尋ねをいたしますが、今回のこの法の整備によりまして、政策効果として中小企業にどのような成長戦略をつくっていかれる予定であるのか、御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(新藤義孝君) これは、今大臣が申し上げましたように、中小企業政策にかかわる者の長年の悲願であるというふうに思っております。また、私も微力でございますが、自由民主党におきましては鋳物産業議員連盟というのを立ち上げまして、そこのずっと幹事をやっております。結局、先ほどの話にもありましたけれども、土地を持っている中小企業、そして株式上場できずに資金調達ができない、こういう企業が継承するときに非常に大きな負担があって、相続税のことを考えれば事業はもうやめちゃおう、マンションにしちゃおうと、こういうような声というのは本当に私も地元でたくさん聞いてきております。
それから、そういう中で今回の継承制度というものをつくったと。それは、ただ相続税だけでなくて親族外承継も含めて、そういう相続に係る事業承継の資金繰りだとか、そういったものにも金融支援もやろうと、税に加えて金融も加えたという意味において、しかも中小企業全般にわたって適用するという、これはすばらしいことだと思っているんです。何よりも最大の政策効果は、この全国に蔓延している、相続は大変だ、それから相続やるとむしろ損しちゃうと、こういう声に対して国がしっかりと政策を打ち立てて、中小企業は継続してください、そして力強くみんなで頑張ってくださいと、こういうメッセージを送れることが私は最大のこの政策効果になるんではないかなと期待をしております。
特に、先生も先頭に立って御活躍された青年会ですとか商工会議所青年部、商工会、こういう若い人たちが非常にこれを勇気を持って受け止めてくれていると。
具体的にどのぐらいの効果があるのかというのは、結局その年にどのぐらいの方が相続があるのかというのは、これはなかなか想定できませんから、数字で今すぐに示すことではなくて、これはやはり結局事例を見ていくしかないと思うんですが、いずれにしてもこの私は効果が大きく上がるんではないかと。また、それを進むような、こういう事業承継支援センター、それからいろんな承継のマッチングだとか、そういうものをしっかりとやっていきたいと、このように思っております。
○松村祥史君 是非、その効果というのは大きなものを期待しておりますので、引き続き御尽力いただきたいと。
また、そこで大事なのがやはりいろんな周知をしていくことだろうと思います。特にここ数年間、この事業承継を変えますよというお話、その流れができつつありますよというお話をしたときに、へえ、変わるのかという話から、変わるんだねと、それで、今回変わるんだという話になってきたんですね。しかし、そのことを御存じない経営者の方の方が多い。先般も、いや、うちの会社は株式発行総数が二十億を超えているんで、公認会計士の方からうちは対象外だよなんて言われた、こんなことを言っていらっしゃる方もいらっしゃったんですね。そうじゃないと、そういうのはもう一切関係ないんだと、本来の目的は事業をしっかりと継続していただくこと、そして若い経営者をつくりながら会社の体制を取っていただくことなんだぞと、こんなお話をしたんですけれども、是非そういった周知も徹底していただきたいとお願いしたいと思います。
また、今回の法案の中には民法特例を設けていただいております。これは、私も予算委員会の中で鳩山法務大臣にどんなお考えですかという御質問をしたときに、大変前向きな御答弁をいただきまして、民法の中に特例措置をとってでもこういうことはやっぱりやっていくべきだということで御答弁をいただいて、それから法務省としても大変な御尽力をいただいたと、このことは高く評価もしたいし、法務大臣にも御尽力をいただいたものと感謝を申し上げる次第ですが。
今回のような遺留分に関する特例を設けるというのは諸外国では余り例のないことではないかなと、こう思っております。そういう意味でも高い評価でございますけれども、このことを踏まえて、法務省としてはどのような今回の特例に対して評価をなさっているのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(始関正光君) お答え申し上げます。
中小企業の経営者の死亡という事態が生じました場合には、先ほどもお話が出ておりますように、相続に伴う様々な問題が生ずるわけでございますけれども、そのような諸問題を解消することによりまして、当該中小企業の経営の承継が円滑に行われ、その事業活動の継続を可能にしていくということは、先ほど来もお話が出ておりますように、重要な産業政策目的であるというふうに私どもも認識をしているわけでございます。
遺留分減殺請求権の行使によりまして、非上場の中小企業の株式あるいは持分が分散して経営の円滑な承継が妨げられるというような事態を防止することも、中小企業の事業活動の継続のために克服すべき重要な課題の一つであるというふうに考えたわけでございます。そこで、法務省といたしましても、この法案に遺留分の算定方法についての民法の特例を設けるということにつきまして全面的に協力をさせていただいたところでございまして、先ほどお褒めをいただいて有り難いと思っております。
この民法の特例は、相続人全員の合意を得れば事業の承継をすることになる相続人が一人で申立てをして、経済産業大臣の確認と家庭裁判所の許可を得るということによりまして遺留分減殺のリスクを相続前に解消することができるというようになるものでございまして、この特例は中小企業の経営の承継の円滑化に非常に資するものであるというふうに思っております。
○松村祥史君 いい御答弁をいただいたと思っております。
民法の特例を作っていただいたというのは大きな価値があったと思っております。是非、この法案の理念というのはやはり事業をしっかりと継承していただく後継者をつくっていくことであろうと思いますので、そういう観点から、法務省としてもいろんな見地から、また違う事例が出たときもいろんな検討をしていただければ有り難いと、このように思っております。
また、今回の制度は家庭裁判所の許可などの手続が必要となってまいります。遺留分という民法の根幹を成す制度の特例である以上、家庭裁判所が関与するのは当然であると私も思います。ただ、家庭裁判所というのは、普通の経営者であったり中小企業というのは通い慣れない場所でございまして、こういったところでどんな手続をどのようにやればいいのかと、こういった不安も生じるのではないかなと、こう思っておりますけれども、これらの制度が円滑に運用できるように今後中小企業にどんな周知をやっていかれるのか、またどのような方向で進まれるのか、経産省と法務省に御見解をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(山本香苗君) 御指摘のとおり、せっかく今回の民法の特例を作っていただいたわけですから、手続の方法が難解であったりとか、若しくは中小企業にとって家庭裁判所はなじみが薄い、敷居が高いと、そういったことで使っていただかなかったら意味がございませんので、しっかりそこの問題が、こういった問題が発生することがないように万全を期してまいりたいと思っております。
具体的には、本法案が成立いたしました後に、可能な限り速やかにこの民法の特例に関する手続の内容を省令に定めるとともに、法務省の方々ともしっかりと連携を取らせていただきまして、パンフレットの作成や配布等を通じた周知徹底と、またより一層の理解の促進に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(始関正光君) ただいま政務官からお答えになられたとおり、私どもも同じ思いでございまして、経済産業省さんと十分に連携を取らせていただいて、この手続をしっかり周知徹底して利用していただきやすいようにしていきたいというふうに考えております。
○松村祥史君 その周知をしていただくということでございますが、実際通うとなると相続上弁護士であったり専門知識が要るかと思うんですね。こういったものについては経産省とすればどのようなサポートをされる見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、この民法特例というのは法律の手続が必要になってまいります。そういう意味で、実際に中小企業の経営者が利用されるに当たりましては、弁護士など専門家を使われるというふうなケースが多くなるというふうに考えてございます。私どもは、昨年二月から私ども中小企業庁と日本弁護士連合会とが合意をいたしまして、定期的な協議を既に開始して、もう一年以上がたってございます。弁護士連合会の方に、この円滑な事業承継につきまして必要な方策の検討とか、実務家による支援体制の強化、そういうふうなことを検討し、つくり上げてきているところでございます。
また、本年度の予算措置によりまして、事業承継センターにおける取組の一環として、中小企業へ弁護士などの実務家を派遣するような事業、それを開始したいと思っておりますし、中小企業基盤整備機構におけるこの民法特例制度も含めまして各種の知識向上のために、そういう実務家の研修も進めてまいりたいというふうに思っておりまして、あらゆることを通じて、地域の中小企業の皆様が使いやすいような、あるいは身近に感じられるようなそういう仕組みづくり、サポート体制の強化に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○松村祥史君 ここが一番大事なところになってくるかと、テクニカルな部分では是非詳しくやっていただきたいと思います。
さて、事業承継税制について少しお尋ねをしたいと思いますが、今回の非上場株式において、自社株の八〇%の納税猶予ということで午前中にも議論がございました。この八〇%というのが適当かどうかという議論は、実は私どもの党の中でも事業承継税の検討小委員会の中でも議論がございました。いや、育てるという意味では一〇〇%でもいいのではないかという議論もありましたし、しかし、いろんな見地の中から、やはりまず目的とすれば、廃業をなくしてしっかりとした後継者をつくっていくこと、事業を承継していただくこと、そのことを考えると、税の公平性という御答弁もございましたけれども、政治決断の中で八〇%という非常にバランスの取れた額で決まったのではないかなと、私はこう思っております。
この八〇%というよりも、事業承継税制に踏み込んだという点を私は高く評価すべきではないかなと、このように思っておりますけれども、経産省と財務省にここでお伺いをしたいと思いますが、この相続税の八〇%の納税猶予という水準についての見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(中野正志君) 軽減割合について言及いただきました。この水準を決定するに当たりましては、課税の公平の観点、それから事業用資産を持たない者とのバランスと、そういう意味で、またほかの制度との整合を図ることが重要だということを考えました。
今般の納税猶予制度における軽減率につきましては、既に個人の事業用宅地、これにつきましては、もう先ほど松村委員も、商工会連合会、全国の会長さんということで、度々熱心な御活躍、御提案もありました。累次の改定の結果、今、課税価格の八〇%を減額するという措置が講じられております。同様に、事業用資産である自社株式に係る相続税負担の均衡を図ることが重要であろうということで一つの理由になります。
それから二つ目には、いろいろヨーロッパ各国の事業承継税制を見ますと、事業用資産についてフランスでは七五%の軽減措置が図られていると。また、ドイツでは現在八五%の軽減措置を盛り込んだ法律案が国会で審議をされている。そういう意味では、株式、土地を問わず、一律の軽減措置というのがヨーロッパの主流のようでありますけれども、おおむね八〇%ということであれば、やっぱり私たちの日本もいろいろなそういった検討も踏んまえて今回八〇%と設定しておりまして、バランスの取れた適切な水準ではないかなと思います。
個人的に申し上げますが、昨年の十一月に東北税理士会から御要請をいただいたときには、中小企業の税務に通じた税理士の先生方でありますけれども、七〇%という要請をいただきました。私は、八〇%で頑張りますよと。いや、そこまで行ったんならすごい法律だなと、こう御指摘をいただいたところでありまして、新年会でそのことを改めて申し上げましたら、いや、自分たちは七〇と申したけれども、中身は五〇%ぐらいが落としどころなのかなという本音も漏らされました。ですから、今回八〇%ということでこの法案を通していただくということであれば、本当にすごいことだと自負をいたしております。
ありがとうございます。
○政府参考人(川北力君) ただいま副大臣から御答弁ございまして、そのとおりでございますけれども、お尋ねでございますので、税制面から若干御説明させていただきます。
相続税には、課税の公平性あるいは中立性を確保する観点で、すべての財産につきましてその財産価値に応じて平等に課税するということが求められている税でございます。したがいまして、非上場株式等のこの一定の、特定の財産につきまして、これを完全に課税対象外と、そういうようなことは相続税の基本的な在り方に反するという問題がございます。また、そうした資産を持たない者との税負担の不均衡という御指摘もあろうかというふうに思います。
現在、個人の小規模な事業用宅地につきまして八〇%の減額制度がございます。この減額割合につきましても、昭和五十八年度の創設時は四〇%でございましたが、その後、バブル期におきまして地価が高騰いたしましたことも背景にいたしまして、課税の公平性にも十分留意しながら八〇%の水準にまで順次、都度、法律改正により引き上げられてきたという経緯もございます。
今般、非上場の株式につきまして、本法律案の制定によりまして、これを踏まえまして一気に八〇%とする、そういう納税猶予制度を新設することといたしております。これ、税制面から見ますと、経済活力の維持の要請と課税の公平の確保という両者の調和を図るという観点から、最大限の措置として講じられることになったものというふうに考えているところでございます。
○松村祥史君 ありがとうございました。
時間もあと五分となりましたので、ちょっとまとめて、二問を一問にしまして御質問させていただきたいと思いますけれども。
今回、中小企業にとっては本当に有り難い法案ができ上がったものと思っております。中小企業というのはなかなかまとまって声を出すということが余りないのかなと、こうこの数年間思っておりました。やっぱり、私事で恐縮ですが、自分が経営者をやっているときにこんな法案ができればなとふと思ったこともございましたけれども。
税を払いながら、今回の措置というのは、事業承継で残ったお金といいますか、税をしなくてよかった分は内部留保金として、雇用であったり設備投資、若い経営者というのは、会社を一つでも二つでもやっぱり大きくしようじゃないかと、こう思うんですね。そのためにはお金が要る。しかし、銀行から借りようと思っても、なかなか借りられない。そのときに、経営者が替わった中での内部留保金が残る。これをいかに投資的経費として使えるかと、これは本当に有り難いことです。
そういう意味では、今回の税体系の中で事業承継税制を扱っていただいたというのは大きな意義があったと。しかし、今後グローバル化する中で、我が国の中でこの中小企業は宝であるというのであるならば、この税も含めて、育ててから取っていくというようなシステムも必要ではないかと。今回、事業承継税制がどんな形にせよ成立をすれば、その内部留保金でもって頑張る企業が出てくる、その中で成長した企業がどんどん法人税を払っていく、こういうような考え方もできるのではないかなと。
特に、手元のデータで調べてみますと、資本金が五百万円未満のところの会社は、大体その税収額として法人税三千億円程度でございます。それから、一億円未満になると四兆円。この五百万円未満の三千億のその下の方々、いわゆる三ちゃん企業と呼ばれる父ちゃん、母ちゃん、あんちゃんでやっている企業は、法人税を会社としてではなく所得税という見方をすれば恐らく五兆円を超えるんじゃないかなと。ましてや、日本の企業の法人税というのは十兆円を超えておりますから、やはり育てながら、今後こういう税体系の中で日本の企業、中小企業を強くしていく、こんな発想も今後必要になってくると思います。
一概にこの税だけを議論するわけにはまいりません。そのことは私も理解をしております。しかし、今後、世界で戦う競争力を付けていく企業だったり、諸外国と比べると日本の税制はちょっと高過ぎると、こういう観点でもって税を変えていきながら、育てながら取るという発想が私は今後必要であると思っております。
そういう意味では、財務省の御見解を少しお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。
税制上の措置を活用いたしまして経済の活性を図るという考え方につきましては私どもも大変重要だというふうに認識しております。その際、私どもといたしましては、厳しい財政事情もございますので、できる限り効果的、効率的な措置になりますように関係省庁ともよく検討を重ねているところでございます。
今般、事業承継税制の創設ということに向かうことになりますけれども、こうした措置が、事業承継の円滑化に対する総合的な支援の一環としまして地域経済の活力の維持あるいは雇用確保に資することを私どもも期待しているところでございまして、平成二十一年度の税制改正におきまして確実に実現されるべく、今後十分な準備を進めてまいりたいと考えております。
○松村祥史君 時間も参りましたので、最後に一言だけ申し上げますけれども、是非こういう事業承継税制を、三十年来の悲願を、中小企業の悲願を達成できたということは大きな意味がございました。これを基に、人口減少を迎える我が国において、競争力と足腰の強い企業をつくっていく、また、地場に根付いた企業にも、税のインセンティブでもって雇用と税を発生できるような、地域経済の主役を張っていただけるような企業ができ上がっていく、そんな経済政策が必要であろうと思います。
この法案に大いに期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。
松村理事に引き続き、法案について御質問をさせていただきますのでよろしくお願いをいたします。
まず、今ほど松村理事からもお話がありましたこの事業承継税制というのは、本当に長い歴史を掛けて、今回法案がいよいよ立法化されるという経緯に至ったわけであります。その間、甘利大臣、そしてまた自由民主党の諸先輩方が大変な御苦労をされているということを私も伺っております。まずもって、今日、こうした立法化に至る経緯で、大臣始め大変多くの方々が御尽力をされましたことに心よりの敬意を表させていただきたいというふうに思います。
本来であれば、松村理事はこの問題の第一人者のお一人でありますから、持ち時間いっぱい自民党の御質問をしていただければいいんですけれども、後輩思いの松村理事から私は貴重な時間を譲っていただきましたので、その範囲内で一生懸命御質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、事業承継税制、これは中小企業の経営継承円滑化法案の制定を踏まえて創設されることになっております。この法案は様々な支援策が織り込まれており、事業承継円滑化に向けた支援策の総仕上げというふうに理解をしております。
そこで、改めてこの法案のねらいと具体的な内容について、甘利大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 恐らく一般の人の中小企業のイメージというのは、大企業の下請で大企業が抱えている部分をアウトソーシングして、その部品を担当して作っている企業という辺りまでが中小企業に対する意識だと思うんですね。
しかし、私は、世界中を回ってみて、その国の産業が発展するか否かは優秀な中小企業群があるかないかにすべて懸かっているという思いを物すごく強くしたんです。そういう中小企業群がないところで、大企業が世界に物を売っている国もありますけれども、結局それはアセンブリー産業でしかないんですね。
要するに、世界中から部品を集めてきて組み立てると。安い労働力で安い製品をでき上がって競争力にするというのが限界だと思うんですね。つまり、創造性とかクリエーティビティーが発揮できないで、だれかが持っているのを全部集めて組み立てて安く売るというだけなんですね。
そこに付加価値を付けて、創造性を付けて、他にない物をというのは、中小企業群が製品企業とコラボレートして、部品開発からこういうものを作った方がこういう製品には機能は上がると思いますよというような提案の中で作り込んでいく、作り込み作業というんですか、そういうのがある。つまり、中小企業、下請企業が新たな提案をして、それを大企業と一緒に開発していって製品化していく、製品の部品化していくと、そういう力がないと勝てないなという思いを強くしたんです。
だから、あの国には負けない、この国は要注意。それは、そういう優秀な中小企業群、創造性ある中小企業群が控えているか、それとも世界中から部品だけ買い集めて組み立てるかの違いなんですね。
日本は、中小企業は単に大企業のその部門を担当している部署というんじゃなくて、中小企業から新たな提案とか、こうやった方がより製品にはいいというような共同開発とか、それがあって初めて大企業の競争力というのは保たれるんだということが、最近そのことを痛感するんです。
実は、そういうことを言うと、そういうない国から我々の国に対してノウハウごとよこせという要求がすごく出るんですね。だから、余りそういう答弁をしちゃうのはよくないのかと思うんですけれども、それが日本の強みなんです。その強みが相続によってなくなっちゃったら、日本の国富、国の富の損失だと思うんです。
だから、そういう優秀な大企業の繁栄さえ握っているほどの中小企業群をちゃんと育成していかなきゃいけないと、それが物づくり大国日本の競争力の原点だと思うんです。それを業績の悪化以外の要因で途絶えさせちゃいけないという思いが非常に強くあります。
今回の法案は、そういう意味で、業績、業としてどうにもならないというのは別として、今は駄目だけれども将来性もあるというようなことも含めて、ポテンシャルのある中小企業について継続性を図っていくと、それが雇用を支えていくことにもなるし、地域経済の中核にもなっていくと。だから、日本の中小企業ってすごいんだということをこの法案を通じて認識をしてもらいたいというふうに思います。
○塚田一郎君 ありがとうございました。
まさに大臣のおっしゃるとおりだというふうに思います。日本のこの物づくり産業の力強さというのは、もちろん大企業もありますけれども、それを支える一体となったこうした中小企業の連携した力があって初めてこの国の物づくり産業がこれからも発展できるという意味では、本当に貴重な今回の法改正になるんだというふうに思っています。
続きまして、その同じ論点なんですけれども、法案の、事業承継税制の基本的な枠組みが定められているわけですが、この法案と事業承継税制の関係について、少し経産省の方から御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(新藤義孝君) まず、今年の一月に閣議決定されました税制大綱におきまして、平成二十年度の税制改正の要綱ですね、これ一月に閣議決定しました。その中で、二十一年度の税制改正で、取引相場のない株式に係る相続税の納税猶予制度というものを創設しようと、これが閣議決定されたわけです。この納税猶予制度を使うためには、今御審議いただいているこの事業承継税制が成立をして、そしてこの法律案によって経済産業大臣の認定を受けた中小企業が、中小企業の株式を後継者が相続等により取得された場合に、その納税猶予制度を使えることができると、こういう二重になっているわけですね。それで、この法律案の附則において、まだ税制改正は提案されていないわけですから、平成二十年度中にこの相続税の課税について必要な措置を政府は講じなさいと、こういうことを法律案の附則において約束をしております。
この規定に基づくとともに、平成二十一年度の税制改正で相続税の納税猶予制度を出しますと、それは来年の通常国会に出されることになるわけですね。それが成立したとして、しかし、それを今年の十月、すなわちこの法律の施行を予定している期日と合わせてさかのぼって実現できるようにしようと。こういうふうに、相続の特例です、それから民法の特例です、こういったものを税制を実現させるために、中小企業の事業承継ということに限って認めるという法律を出して担保すると、こういう関係になっているわけでございます。
○塚田一郎君 まさにこの制度がきちっと実現をするために、税制と一体となってこれから改革を進めていっていただけるということが理解ができました。是非その点についても引き続き頑張っていきたいというふうに思います。
次に、民法の特例関連について一問御質問します。
今回、民法特例が広く利用されるについては、遺留分の権利者の合意を得やすくすることが必要不可欠だというふうに考えられます。そうした観点から、相続人の間で衡平性が担保された制度とすることが重要というふうに思われますが、本法案においてどのような措置が講じられることになるのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(高原一郎君) お答えを申し上げます。
遺留分の算定に係る合意と合わせまして、推定相続人の間の衡平を図るための措置といたしまして、非後継者の方が代償といたしまして先代の経営者から贈与を受けて取得したいわゆる金銭等の財産につきましても、遺留分の算定基礎財産から除外をするということができる道を開いております。このようにいたしまして、本法律案における民法特例につきましては、委員御指摘のとおり、先代経営者の遺留分権利者間の衡平を図るという観点にも十分配慮しているということでございます。
以上でございます。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
次に、金融支援についてお伺いをしたいというふうに思います。
本法案の支援策の一つとして金融支援が織り込まれております。この金融支援については、大変特筆すべき事項として、会社の代表人個人に政府系金融機関が融資ができる特例を盛り込んでいただいているという点だというふうに思います。この代表者個人に対する融資制度の特例について、具体的に御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(新藤義孝君) 中小企業の事業継承の際には、株式や事業用資産の買取り資金、こういった様々な資金ニーズが発生するわけです。それから、経営者が交代するときに信用力が低下しますので、そのときの金融機関からの借入れの条件の悪化ですとか、そういうような事業活動の継続に支障が生じる場合があると。こうした事業承継の局面において個人の資金調達のニーズが強かったわけですが、これまでは、今までの政府系金融機関の融資の対象というのは、会社と個人事業主という事業者だったわけですね。ですから、その会社の代表者である後継者個人は融資の対象外になっていたということでございます。
それが、例えば親族内承継であれば納税資金も必要でしょう。それから、他の親族が取得した遺留分の、それをまた買い集めるというか買い取るための資金、こういったものも必要になってくると思います。それから、親族外で従業員の方がこの会社を承継して代表者になった場合は、今度は遺族やその他の株式をまた取得すると、こういうことでいろんな資金ニーズが発生するにもかかわらず、肝心のそこの部分に融資の制度がなかったと。
したがって、今回この法律案において後継者個人への融資を可能とする、これは、具体的には日本政策金融公庫の特例になります。これは、この特例がないと受けられないわけでございまして、いみじくも日本政策金融公庫も十月一日に合併して誕生することになっているわけですが、そういう融資制度を盛り込んだと、こういうことなんでございます。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりでありまして、せっかくこの制度ができても、キャッシュが十分に手配できないためにその制度を活用することができないというようなことがあっては、これは本当に制度自体が根幹から活用できないという問題点が生じてしまうわけでありまして、その意味では、例えば相続に関して、そうしたほかの方への御親族で支払が必要になるとか、あるいは相続そのものについての税金、納税をしなきゃいけないとか、そういった点についてこうしたことを活用していただいて、より制度がきちっと運用できるように進めていただきたいというふうに思います。
続いて運用について、更にもう少し細かい点について幾つか御質問をしたいと思います。
せっかくいい法律を作っていただいても、それがやはり運用がきちっとなされなければ意味がないということは言うまでもないわけでありまして、先ほどからのいろんな議論の中にもありますけれども、いろんな支援センター等を通じてということもありますし、またそこに行かなくてもこういう制度ができたということを皆さんに知っていただくということも大事ですし、その際にどういう運用ができるかということを理解していただくことも大変重要だと思います。
まず一点お伺いしたいことは、そうした観点から、こうした事業承継円滑化のための制度、これを例えば大臣の認定業務始め運用をしていくには、やはりそれなりの人員であるとか、そうした配置も行っていかなければいけないと思うんですが、その点について、経済産業省、どのような対応されるように考えておられるか、御説明いただきたいと思います。
○副大臣(中野正志君) 認定業務につきましては、全国九か所の地方の経済産業局が行うということになるわけでありまして、御指摘のとおり、業務を滞りなく遂行できる体制整備ということが何より大事だと思います。このため、この法律案の成立後には、各局に対してしっかりと業務内容の周知徹底をいたしてまいりたいと思います。
また、この事業承継に係る業務を迅速に行うために、本年十月より地方経済産業局に四名の事業承継専門官を配置をするということにいたしておりますけれども、委員の御指摘も踏まえて、法の運用体制を万全なものとするべく、更なる増員の要求、これもこれから進めていかなければならないと思っております。
いずれにせよ、塚田委員にも党の小委員会でいろいろな御提案もいただいておりますけれども、この地方経済産業局の体制不備のために中小企業に迷惑が掛かる、そういったことのないようにしっかりとやらさせていただきたいと思っております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
おっしゃるとおりでありまして、是非その点、我々もできる限りそうした声を上げさせていただきたいと思いますので、頑張っていただきたいというふうに思います。
四名というこの専門官という数が果たしてどうなのかという点はまだ議論があると思いますので、その点も含めて実際の制度を運用する中で適宜見直しを行っていただければというふうに思います。
また、運用と同時に大事なのが広報であるというふうに思います。こうしたいい制度をつくっていただいた以上は、できる限り多くの事業の皆さんにこうした制度を理解をいただいて活用をいただきたいというふうに思います。
特に、今回の事業承継支援策は、事業承継税制、民法の特例、金融支援、予算措置と、大変に幅広いエリアにその仕組みがわたっているわけでして、どのようなケースにどのような支援策が実際活用できるのかということを理解する意味でも、こうした広報に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。法案が成立するという前提に立ってということでありますけれども、どのようにこうした広報の部分を進めていくのか、御説明をいただきたいと思います。
○大臣政務官(山本香苗君) 御指摘のとおり、大変この法案成立後速やかにこの広報活動を図っていかなくてはならないわけでございますが、平成二十年度からはこの事業承継関連施策の広報に係る予算、去年は二億円だったんですけれども、これはセンターの予算も含めてでございますが、二十五億円まで抜本的に強化をしたところでございまして、先ほど来お話があります約百か所に設置いたします事業承継支援センターにおけます普及啓発活動の実施はもちろんのこと、全国で四百回程度経営者向けのセミナーやシンポジウムというものも実施してまいります。
また、施策の内容を分かりやすく周知をいたしますために、解説するパンフレットの作成、配布といった取組もやっていきたいと思っておりまして、このように事業承継税制、先ほど御指摘をいただきました民法の特例を始めといたします様々な事業承継支援策の活用というものが分かりやすくまた円滑に進むように、先ほど中野副大臣の方から運用をしっかりとやっていくという御答弁ございましたが、この広報活動におきましてもしっかりとやらせていただきたいと思っております。
○塚田一郎君 センター等にこうしたパンフレットを置いていただくことも当然必要なんですけれども、もっと広く自治体等も含めて幅広くこうしたことをPRをやっていただきたいなと。各地域に商工会等もありますけれども、必ずしも全部の企業の方がそうしたところに加盟をされているということでもないわけでありますし、地域も含めていろいろな形でもう少し幅広くそうした対応を行っていただきたいんですが、その点についてどういうふうにお考えなのか、少し御説明いただければと思います。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
先ほど政務官お答え申し上げましたように、いろんなルートでやるわけでございますが、私ども、商工会、商工会議所に加えまして、午前中に話出ました地域力拠点などを通じ、そこでは金融機関あるいは県の支援センター等々、でき得る限りの関係のところとこのPRに努めてまいりたいというふうに思っていますし、先ほど私お答え申し上げましたが、弁護士連合会でありますとか、税理士会でありますとか、公認会計士協会とか、こういう横の士業の方々も非常な関心をお持ちで、(発言する者あり)失礼しました、司法書士会とかですね、士業の横のつながりを、また最大限御協力させていただいて、横展開でもPRに努めてまいりたいというふうに思っております。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
長官の今の御発言、大変に大事な点だというふうに思います。実際に事業承継をされる方がどういったところに行って御相談をされるかということを考えていただければ、どういうところにそうしたものを情報提供すればより効果的に情報が普及するかということになるんだというふうに思いますから、相続に関係した御相談の窓口であるとか、そうしたところを幅広く考えていただいて、是非積極的なPRを行っていただきたいというふうに思います。
引き続き、このPRからまたつながっていくんですけれども、先ほど、午前中の議論からも幾つか出ています、事業承継の支援策の一つとして事業承継支援センター、これをつくってワンストップのサービスとして提供していくというお話でありました。確かに、こうしたセンターをつくっていただくということはこの制度を普及するためには重要だと思うんですね。しかし、中小企業問題全般を考えるとまだまだいろんな複雑多岐な今課題があって、その同じワンストップでつくっていただくなら、事業承継の問題だけではなくて、いろんな日ごろの中小企業を運営される方の悩みを受け付ける窓口として、そういう意味での広がりのあるワンストップの拠点にしていっていただく方がよりその仕組みが効果的だというふうに思います。
その意味で、今年度、中小企業政策全般についてワンストップ拠点ということをまた考えていらっしゃるようですが、実際、そうしたものをどのように今展開をされるような計画をされているのか。例えば、拠点をどのような場所に考えているか、支援の開始時期といった点も含めて、その地域力の連携支援方法について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
中小企業四百三十万、小規模事業三百八十万という非常にたくさんの方々がおられるわけでございまして、こういう方々の生産性向上を図っていかなきゃいかぬと、そういう問題意識で、平成二十年度、今年度予算におきまして地域力連携拠点というのを全国三百か所にまず整備していこうということを考えてございます。
この拠点において、大企業OBでありますとか、あるいは大学との連携、金融機関との連携、公設試との連携、農協との連携、いろんな連携を考えまして、事業承継はもちろんでございますけれども、中小企業そのものの経営力の向上、あるいはITの導入、販路の拡大、中小企業が抱えますすべての課題についてこの三百か所のところで御相談いただければワンストップで解が得られる、あるいはアドバイスが得られるようなそういう仕組みをつくってまいりたいというふうに考えているところでございます。
事業承継センターにつきましては、この三百か所の拠点のうちの百か所ぐらいを主に事業承継をやる拠点だというふうに位置付けたいというふうに思っておりまして、そのセンターの設立でありますとか運営を支援するためにまた全国委員会なども設置して、マッチング情報もこの全国委員会で一元的に集約する、そういうことも検討してまいりたいというふうに考えてございます。
それから、この地域力連携拠点の今後のスケジュールでございますが、この拠点につきましては三月から募集を開始いたしておりまして、四月二十一日、今週月曜日に現在締め切ってございます。全国の広い範囲から各経済産業局の方に今提案が出てきたところでございまして、商工会、商工会議所を始め、県支援センター、あるいは金融機関、大学等々からいろいろ、NPOなどからも提案が出てきているところでございます。
私どもといたしましては、こういう提案、いろいろ議論させていただきまして、各経済産業局で審査会を経まして、五月中にはこの事業が全国三百か所で開始されるように進めていきたいというふうに考えてございます。
○塚田一郎君 今、三百か所の拠点を、今応募を締め切ってこれから実際選定をしていかれるということで展開をしていくというお話があったんですが、一方で事業承継はそのうち百ぐらいというような御説明なんですけれども、せっかくですから、事業承継の窓口は全部その三百の拠点で、どれだけ専門の方が配置できるかということは別にして、少なくとも、せっかくつくる三百拠点ですから、それを全部事業承継の窓口にも活用できるようにしていただくということが本当の意味でのそのセンターのワンストップの意味だと思うんですね。せっかく大きく三百展開をしても、そこに行ったら事業承継は別のところだということになっちゃうと、これはまた実際に事業承継を進めていく上でもやはりもう少しその辺を考えていただければと。
その連携について、もう少し具体的に考えを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(福水健文君) 説明が不足して申し訳ございません。
御相談は全国三百か所で事業承継も含めて全部受けたいと、あるいは受けられるような仕組みを整えたいというふうに思っていますが、事業承継自身につきましてはある程度広域で対応していく必要があると思っております。そういう意味では、その三百か所の中で広域をカバーするようなところ、ここに予算を配置して、三百の窓口を活用しながら進めていきたい。したがいまして、事業者の方々はどこか三百の一か所に行っていただければ相談なり対応が受けられるような、そんな仕組みをつくってまいりたいというふうに考えてございます。
○塚田一郎君 是非よろしくお願いいたします。
もう少し具体的にお伺いしたいんですが、その三百というのは都道府県的に見てどういうふうな割合で考えていらっしゃるのか。やはりいろんな地域からいろんなニーズが出てくると思いますので、その辺ちょっと御説明いただけますか。
○政府参考人(福水健文君) お答え申し上げます。
三百か所の予定、現在四十七県ございますので、単純平均しますと各県五、六個ということになろうかと思います。それで全地域をカバーするというのも我々非常に大事なことだと、一部の局所だけじゃなくて、オールジャパンをそういうことでカバーしていきたいというふうに考えております。逆にまた、北海道のようなところは非常に地理的に広さがございますので、御相談に行かれる方の便利性というんですか、それを考えまして、例えば北海道はもう少し多くしたいとかいうふうな調整を今からさせていただきたいというふうに考えておりますが、いずれにしてもそれぞれの中小企業者の方が身近で御相談できるような、そういう仕組みにつくり上げていきたいと考えております。
○塚田一郎君 あと、例えばウエブサイトを活用したような、そうした何か相談のツールみたいなもの等は検討されていますか。
○政府参考人(福水健文君) お答えします。
先ほど、この拠点でITも活用して御相談したいというふうに申し上げていましたが、我々のところで、このウエブサイトも含めて、いろんな課題にクリックしていくと解が出るようなそういうソフトウエアももう既に開発でき上がっておりますので、そういうのも三百か所に配置しながら、ウエブでももちろん対応できるようにしたいと考えております。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
今ITの話が出たんですが、中小企業の生産力向上というテーマの中に中小企業のIT化推進というのをいつも議論させていただいているわけですけど、そういうITを、例えばASPとかいう仕組みを使おうと思っても、中小企業の方は余りまだ理解が普及していないために、どうやって自分たちのIT化、効率化をしていいのかもよく分からないという方も大変いらっしゃると思うので、こうした三百の拠点でそうしたことのアドバイスみたいなことも是非行っていただければなというふうに思います。
今の点に関連してもう一つ、実際に地元でよく御相談があることの一つに、中小企業なんだけれども、これからは国内のマーケットだけではなくて海外に新しくマーケットを開拓をしていきたいと。新潟でも燕三条地域、物づくりの伝統のある、大変技術の高い、付加価値性の高いそうした技術を持っている企業の方がいらっしゃって、国内もそうなんですけど、これから海外のマーケットでそうしたものを積極的に展開をしていきたい。しかし、残念ながら自力でそういったところに、どこにどう行っていいのか分からないというような御相談がよくあります。
そうすると、経産省からすると、海外にはジェトロがあったりとかいうことで、そうしたところに御相談いただければということがあるのかもしれませんけど、なかなかそういう中小企業の皆さんがすぐにそういったところにダイレクトにつながっていくということは難しいと思うんですよね。
ですから、こうした今お話しのような三百のまさにワンストップの拠点からつながり力としてそういうところに、海外進出には海外の経産省の拠点に一連のつながりとして連携をしていけるような形で頑張っていっていただきたいなというふうに思うんですが、そうしたまさに中小企業がこれから目指す海外展開等についてのサポート体制について御説明いただければと思います。
○大臣政務官(荻原健司君) これまで経済産業省といたしましては、ジェトロとか中小企業基盤整備機構などを通じて幾つか取組はしてまいりました。例えば、具体的に申し上げますと、海外との貿易投資に関する情報提供、また海外見本市への参加支援などを通じたビジネスマッチング、また海外へのミッション派遣、視察団派遣ですね、このようなことをやってまいりました。
ただ、先生今お話しのように、中小企業の方々が、じゃすぐジェトロへ行くのか、中小企業基盤整備機構へ行くのかということを考えますと、もっとやはり使い勝手のいい仕組みにしなきゃいけない、そういうような我々も思いを持っておりまして、特に今回は、また地域力連携拠点、先ほど来お話ありますけれども、三百拠点、ここを使っていただいて、ワンストップでやはり利用者の立場に立ったそういう取組をしてまいりたい。いずれにしても、中小企業のこれからの海外展開も含めて支援をしてまいりたいと思っております。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
是非、本当にそういうところが中小企業の皆さんが今求めている窓口の需要なんじゃないかなというふうに考えています。ですから、是非その三百の拠点をそうしたいろんな受皿として活用していっていただけるような、そういうワンストップの、総合的なワンストップの拠点としてつくっていっていただければ本当にこれからの中小企業活性化に役立っていただけるんではないかというふうに思います。
最後の方になりますけれども、今回の法案もそうですし、こうしたまだまだ厳しい中小企業のこれからの再生に向けて、こうした法案も含めて、地域のつながり力、連携を深めていくという力をどういうふうにうまく活用してそれを支援していくかという意気込みについて、甘利大臣から決意を御説明いただければというふうに思います。
○国務大臣(甘利明君) 全国三百か所に地域力連携拠点というのをつくります。名前はすごいけど一体何やるんだろうという話になりますが、結論から言いますと、日本中にある経営資源を全部使えるような拠点にしたいと思っているんです。
私、昔、中小企業庁長官に指示して、日本中の公設試を地域の金融機関がどれくらいうまく活用しているかを全部調査してくれと言ったことがあるんです。大企業は自分の研究施設持っているけど、中小企業は持っていないと。中小企業に、こういうアイデアとかこういうノウハウはあるんだけれども、それを実際にテストしてみたいとか試作品を作りたいとか、そういう研究施設がないものですから、税金みんなが払っているんだから公設研究機関はみんなのものということで、連携を全部調べろとやったんですね。
そうしたらおもしろい結果が分かったのは、うまく使う人は最高にうまく使っているけれども、ほとんどの中小企業はそんなことができるんだと知らないということだったんですね。それで、全部の公設試に対して、中小企業に、あなたの研究設備ですから御自由にお使いくださいということをやれということを数年前にやったことがあるんです。
この地域力連携の拠点では、そういう地域の公設試もそうですし、大企業の退職OBで有能な人材います。ほうっておけば中国にみんなスカウトされちゃうとかいろいろありますけど、そういう人を登録して中小企業のアドバイザーとしてくっつけるとか、あるいはIT化、中小企業、特に小規模企業の何が問題かというと、何が問題かが分からないということが問題なんですね。ITを使って財務状況から何から自分が抱えている改善点を洗い出して、それを解決するためにどうするかという処方せんを書くと。そういう一連のアドバイザーが全部つながっていくということが大事だと思うんです。
日本の中小企業って、ものすごくまじめでやる気があって、課題が決まったらそこにまっしぐらというところがありますから、そのポテンシャルを目いっぱい引き出したいと。農商工連携というのを提案しましたのも、日本の農業だって捨てたものじゃないし地域の拠点じゃないかと、それと中小企業と連携すればいろんなことができるんじゃないと。つまり、散在しているものを全部縦横くっつけて、そうするとすごいことができるんじゃないかという、その拠点にしたいというのが私の思いでありまして、是非日本中にある経営資源をフル稼働して、かつての日本の成長は二十世紀の奇跡と言われましたけれども、今度は我々の手で二十一世紀の奇跡をつくろうじゃないかという提案であります。
○塚田一郎君 ありがとうございます。
大臣の非常に熱い思いが伝わってまいりました。まさにこの日本の持っている経営資源のすべてを蓄積したものを、そうしたところからいろんな企業が活用していただくということはものすごいポテンシャルを大きく飛躍的に伸ばしていただくきっかけになるんじゃないかなと思います。
この後議論される農商工連携においてもそうですけれども、今までやはり農業の皆さんというのは作ることが非常に主体的にやってこられて、おいしいものを、おいしいお米を作る、新潟の場合はそうですけど、それに物すごい情熱を持ってこられたんですけど、片や売る側になると、そういったことを、余りマーケティングということは意識してこられなかったのかな。だから、せっかく中国で日本のお米が五倍の値段で売れています、コシヒカリが、六倍ですか、それぐらいのすごい高い値段で売れている。しかし、実際はその生産者に全部そういったメリットが来ているわけじゃないんですね。そういうことをやはり今回こうした仕組みも含めてこれから本当に普及していっていただくということは、日本の産業全般に大きなやっぱり活力となるというふうに思います。
是非これからもこうした取組に大臣を筆頭に全力で頑張っていただくことを、我々もできる限りの応援をさせていただきたいという思いをお伝えして、私の質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。もう少しでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
午前中から質疑を伺っておりまして、感慨深いものがありました。もう私が初当選して以来、一貫して事業承継税制、小渕総理にも、私も若輩者でございましたけれども、質問もさせていただきましたし、まさにこれはうちの、我が党ももちろんですけれども、私個人的にも熱心に取り組んできたという思いでございます。私なんかが感慨深いなんて申し上げましたら、渡辺先生などもっと感慨深いと思いますし、まさに通産のリーダーでいらっしゃいましたので、そういう思いです。それから甘利大臣も、もうこれは大臣でいらっしゃる以前にも本当にずっと取り組んでいらして、日本の中小企業のために頑張られたということはもうよく存じ上げております。
私はいろいろ質問を考えてきたんですけど、ほとんど全部出尽くしまして、いつもそれでも一つぐらいはこれがというのはあるんですけれども、今日はもうすべて出ちゃったということでございまして、自分のこの頭のなさに恥ずかしい思いをいたしておりますけれども。
ちょっと以前の私も資料もどんなことを言っていたのかななんて見ましたら、ちょうど平成十一年の中小企業対策特別委員会で、先ほど新藤副大臣がまさにおっしゃっていました、私も、中小企業にとって関心の高い税制は事業承継税制だと考えておりますと、特に、自分の土地に工場を建てて例えば事業などをしている場合、今のやり方では大企業に比べて不当に株価の評価が高くなり過ぎるわけでございます、これ平成十一年、事業を承継する場合、あるいは土地も売らなきゃならない、そしてその事業から撤退することにもなりかねないわけでございますと、相続税負担が理由で事業が縮小、廃止をされ、雇用の喪失あるいは地域経済の崩壊が起きていることはゆゆしきことですと申し上げているんですね。
そして、中小企業、ベンチャー企業、失敗したらもちろんそれで終わりなんですけど、例えば一生懸命努力をして成功しても、この相続税のために事業承継で大変苦労させられる、中小企業は、こういう意味で良くてもあるいは悪くてもどちらにしても結局苦労をさせられると私は思っていたんです。ですから、こういうことを放置しておりまして中小企業を育成するということは言えないというふうに申し上げましたら、当時の深谷通産大臣が、実は私も同じ予算委員会で何回もその質問をしておるんですとおっしゃって、どちらにしても苦労させられる中小企業がまさに本当にいろいろ御努力をいただいて、こうした新しい事業承継税制、二十年度税制改正におきまして、自社株式の相続税の八〇%を納税猶予する制度、これがやっと創設できることになりました。
これにつきましては、私も満足をしておりますけれど、ただ一点、あえて心配なことを申し上げれば、先ほどから出ております、これも、実際の税法の改正、平成二十一年度なわけでございますけれども、制度の適用自体は先ほども施行日である本年十月に遡及されるということで問題ないんですけれど、実際に来年の国会で税法の改正が実現されるかどうか、これは党派を超えて懸案のことでございますので、まさかというふうには思っておりますけれども、まさかということがあったら、これ私が心配しているということではなくて、全国の中小企業の方々が心配していらっしゃるんです。
ですから、全国の中小企業の方々に、政府は平成二十年度中に相続税の課税について必要な措置を講ずる旨大丈夫ですよというこの御決意を是非大臣から承りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(甘利明君) よく小泉元総理が、世の中には幾つかの坂があって、その一つはまさかという坂だとよくおっしゃいましたけれども、御指摘のとおり、まだまだ正確に言えば全部はでき上がっていないわけであります。この法律が通ってもまだ全部はでき上がっていないと。税制改正ができてそれが遡及をされなければならないということでありまして、それをどう担保できているのかということであろうというふうに思っております。
平成二十一年度の税制改正で取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設をし、本法律案の施行日である平成二十年十月一日以降、もちろん成立したらの話ですけれども、この法案が、以降の相続にさかのぼって適用することを政府として決定していると。これは、この法律案の附則におきまして、政府が平成二十年度中に相続税の課税について必要な措置を講ずるとの規定を盛り込んでいるわけでありまして、この規定は平成二十一年度税制改正における相続税の納税猶予制度の創設を念頭に税法の一部改正案を平成二十年度中に国会に提出することを政府に義務付けるということであります。
要するに、申し上げたように、附則第二条で担保規定が置かれているわけでありますし、この国会の私の発言も議事録として残るわけでありますから、この場合に限ってまさかの坂はないと思っております。
○松あきら君 まさかの坂はないように私も心から御期待を申し上げるところでございます。
閣議決定をされました平成二十年度税制改正の要綱を読みますと、事業承継税制の抜本拡充にあわせて相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する、格差の固定化防止、老後扶養の社会化への対処等相続税をめぐる今日的課題を踏まえ、相続税の総合的見直しを検討する、そういう文章が盛り込まれているわけでございます。
課税方式の変更や相続税の総合的見直しの具体的な内容というのはどういうものでしょうか。また、課税方式の変更、ないと思いますが、課税方式の変更や相続税の総合的見直しが仮に実現しないとしたならば、平成二十一年度に事業承継税制は抜本拡充されないのでしょうか。財務省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。
委員の御指摘のとおり、事業承継税制の抜本的な見直しにあわせまして、相続税の課税方式の見直しあるいは相続税の総合的見直しにつきまして検討するようにという税制改正の要綱になってございます。
まず、課税方式につきましては、相続税の納税猶予制度を創設するということは要綱で定められておりましてその骨子も示しておりますし、先ほど来御指摘の本法案に入っております附則の措置もございますので、私ども新しいその事業承継税制を創設するという方針はもう定められておるものとして、その中でその趣旨に沿った課税方式の在り方を検討するという必要があるというふうに受け止めているところでございます。
それから、相続税の総合的な見直しにつきましては、そこの要綱では格差の固定化の防止、老後扶養の社会化への対処等相続税をめぐる今日的課題を踏まえ、相続税の総合的な見直しを検討するとされております。
この今日的課題のところにつきまして、政府税制調査会の昨年十一月の答申の指摘の関係部分をちょっと御説明させていただきますと、高齢者世帯における家計資産の格差が顕著になる中、相続を機会に高齢者世代内の資産格差が次世代に引き継がれる可能性が増してきている、あるいは、公的な社会保障制度が充実し、老後の扶養を社会的に支えており、高齢者が死亡した際には資産の一部を社会に還元することを求めること、そういうことが重要な課題になっているというような指摘がございました。
相続税につきましては、こうした点も踏まえまして総合的な検討を幅広く進めていく必要があるというふうに考えておりますが、繰り返しになりますけれども、事業承継税制につきましては、本法案にもございますように、平成二十一年度に向けて確実に実現すべく、私どもといたしましてもしっかり準備を進めていきたいと考えております。
○松あきら君 最後の言葉が私はしっかりと伺ったわけでございまして、こういうふうにお答えいただいたということは安心いたしております。安心いたしました。
朝からこれも何回も出ておりますけれども、今回の事業承継税制、自社株式について八〇%の納税猶予を認めるわけであります。この八〇%は一〇〇%というようなお話ももちろん出ております。しかし、個人事業主の方々やあるいはサラリーマンの方々のバランス等もあるのかなという思いでありますけれども、この事業承継税制については政府の税制調査会でも検討が行われたと思うんですね。その政府の税調ではどのような意見が出たのかなと、あるいはこの税調の議論も踏まえて八〇%の水準というのを決めたのかどうか、これもちょっと財務省お答えいただけますでしょうかね。
○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。
事業承継の関係の税制につきましては、これまでも様々な措置を講じさせていただいておりますけれども、税制調査会におきましては、事業用資産を持たない者とのバランスにつきまして、課税の公平の観点から懸念をする御指摘というのも従来からございましたところでございます。
今回、中小企業の事業承継の円滑化という観点でこの御審議中の法案ができまして、総合的な支援の法的枠組みが整備をされるということになりましたので、税制面におきましては経済活力の維持の要請と課税の公平の確保と、両者の調和を図る観点から、最大限の配慮といたしまして八〇%とする納税猶予制度ということを創設することになったということでございます。
○松あきら君 先ほど中野副大臣もヨーロッパの各国のパーセントも教えてくださいましたけれども、八〇ということは、あと二〇あるんですから、いつかちょっとずつ上がるなんということも希望的観測として持てるかななんというふうに私は個人的に思うわけでございます。これは御答弁結構でございます。
まあ、もうみんな出ちゃってるんでどうしようかなあと思うんですけれども、平成二十年度税制改正の要綱を見ますと、事業承継税制について、株式会社のみが対象であるようにも読めるんですね。中小企業基本法上のその中小企業の中には、株式会社以外にも、特例の有限会社であるとか、あるいは合名会社、合資会社、そういう持分会社もあるんです。ですから、その有限会社や持分会社は事業承継税制の対象外なのか、あるいはそうじゃないのか、これはお伺いをしたいと思います。
○副大臣(中野正志君) この要綱の、取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設すると、この中の株式等には、株式会社の株式だけではなくて、特例有限会社の株式や合名会社、合資会社、そして合同会社といった持分会社の持分も含まれます。このため、中小企業基本法上の中小企業であれば、株式会社だけではなくて、特例有限会社や持分会社も事業承継税制の対象となるということになります。
もう会社法にお詳しい松委員に大変失礼でありますけれども、平成十八年五月施行の会社法においては、従来の有限会社制度が廃止されて株式会社制度に一本化されております。既存の有限会社については、今お話しのとおり、特例有限会社として商号使用の継続などの経過措置が認められておりまして、この特例有限会社は会社法上は株式会社として位置付けられていると、あえて付言しておきたいと思います。
○松あきら君 ありがとうございます。
私は、子供さんが事業を承継するだけではなくて、その娘婿さんであるとかそういう親族の承継する場合、こういう場合も踏まえて事業承継税制の制度設計を行うべきと、いろいろお答えいただきたかったんですけれども。
それからまた、親族以外の事業承継、これは四割だそうですね、親族以外の方が、もう。大分数も多くなっている。実は、こうしたケースについてもこの対象に含めるべきではないかというような、これは私の思いなんですけれども、そういう思いもありまして御質問しようかと思いましたが、いろいろ出ておりますのでこれやめます。
それから、遺留分の特例措置につきましても先ほどからいろいろ出ました。やはり私も広報が一番大事であるというふうに思っておりますので、先ほど来種々御説明をいただきましたので、これも省かせていただきます。
最後に、この中小企業というのは九九・七%であるわけでございます。全部で四百三十万社と言われますね、この社数は。そのうち約百五十万社が法人企業、残りの二百八十万社が個人事業であるわけでございます。中小企業の事業承継につきましては、こうした法人企業、個人事業問わず重要な課題であると認識をいたしております。
今回の事業承継税制につきましては、株式についての相続税の納税猶予であるため、相続税負担が発生する一部の法人企業の経営者に適用されるわけであります。個人事業主や相続税負担の発生しない法人企業の経営者も含めて、約四百三十万社の中小企業の事業承継を幅広く支援をしていくことが必要であると考えますが、最後に大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) まず、冒頭に悲しいお知らせがありまして、中小企業四百三十万と申し上げておりました。あしたの発表で中小企業は四百二十万ということになります。
ただ、開廃業率の差が縮んできたということは朗報でありますから、開業率が何とか廃業率を上回るように、頑張って中小企業者数の減少を底打ちをして反転に是非転じていきたいと思いますし、今回の法改正等を通じましてそれに貢献できればというふうに思っております。
御案内のとおり、事業承継のこの法案の対象となる会社、あるいはそういう経緯を経ないで継続していく会社等々、いろいろあると思います。要は、ワンストップでいろいろなアドバイスができる、その拠点が身近にあるということが極めて大事なことであります。相談の中には、技術開発の相談もあればマーケティングの相談もあれば、あるいは融資の相談もあれば、あるいは新商品のアイデアを開発に結び付けていくためにどことコラボレートすればいいかというような相談もあれば、いろんな相談があるかと思います。そういうところを、この事業承継支援センター、全国これは三百か所のうちの百か所を拠点としておりますが、他の二百か所でも全部つなげるようにはなっておりますが、その三百か所の地域力つながり拠点を通じて中小企業の発展に資するように、ありとあらゆる支援を行っていきたいと思います。もちろん、事業承継に関しまして親族、関係者以外が相続する際の資金ニーズにこたえるということも含めまして対応を強化したところでございます。
是非、今後とも四百二十万中小企業者が日本の活力の源泉として発展していきますよう全力を挙げたいと思っておりますし、経済産業委員会委員の皆さんの引き続き御指導と御鞭撻を賜りたいと思っております。
○松あきら君 大臣、力強いお言葉をありがとうございました。
終わります。
○松下新平君 どうもお疲れさまです。無所属の松下新平です。
冒頭に、精力的な資源外交に対しまして、甘利大臣を先頭に執行部の皆様に敬意を表したいと思っております。一バレル百ドルを突破したかと思うと今はもう百十五ドル、さらに、懸念材料が払拭されない中で、資源のない日本が省エネルギー開発促進とともに、この資源外交、更に力を入れていただきたいと思います。
さて、本日の議案でありますけれども、衆議院で六時間、そして、間もなく参議院で四時間審議をされました。その中で、この法案に懸ける沿革もお伺いしました。ベテランの渡辺秀央先生たちの御尽力のお話もありましたが、中小企業の抱える課題に政治が政治の責任において答えを出すという瞬間に携わることができることを大変うれしく思っております。
幅広い議論がなされましたので、私からは、おさらいも含めて総論三点に絞ってお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
まず、事業承継の現状と課題、本法案の目的につきまして改めて御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(新藤義孝君) まず、松下委員からエールを送っていただきまして、ありがとうございます。
私たちの国民生活の大本は経済でございます。この経済がしっかりと確立すること、それは産業の発展があることと。私ども、大きな責任感を持って頑張っていかなきゃならないと思っておりますし、また、是非いろいろと御指導をお願いしたいと、このように思います。
そういう中で、先ほどから大臣がもうすばらしいお話をされておりますように、要するに、この国の経済の原動力は中小企業だと、そして、その中小企業が今はいろんな問題を抱えていて、しかし、一番の大切なことは、将来の希望を持って若い人たちが頑張ろう、それから、今仕事をしているけれども今度いずれ自分が会社を起こそうと、そうやって頑張ろうという人たちに希望を持ってもらうこと、そのための政策というのが大事ではないかなと思っております。その中で、幾つかある懸案の中の大きな柱がこの事業継承問題だったと思っております。
もう先ほどから委員の先生方から御指摘いただいておりますように、これは経営者の高齢化というものが大きく進んでいる、それから、廃業の中の約四分の一、七万社程度が後継者が不在ということを理由に廃業していると、それによって失われた雇用が二十万から三十万だと、こういう状態がある。そして、非上場の株式を相続した場合の資金の負担であるとか、それから、たくさんの親族がいて会社を承継するのに非常に難しいと。
いろんなもろもろの問題、これを今回一挙に整理をして、長年の懸案でございました、もういろんな先生方から御指摘をいただきましたが、全く触れなかったんですね。それはやはり、租税特別措置ではなくて税法の本体を触るという意味において、これは本当に難しい、また、いろんなものを積み上げていかなければできなかったことだと思っております。
その意味において、今回、いろいろな課題が整理をしてすべて解決したとは思いません。しかし、今のところできるものとしては、あらゆる考えられるメニューをそろえて、今回の法律と、それから税制改正をやろうじゃないかという体制が整ったのではないかなと思っております。
これによって、まず雇用が確保する、そして中小企業が継続される。その中で、やはり新しい経営者、若い経営者、次の経営者が、よし、我々もこの仕事を受け継いで頑張ろうと、こういうモチベーションが上がっていくこと、これが大いに期待をしているところでございますし、また、政府としてこの中小企業政策を真剣にやるんだと、こういうメッセージを伝えられればこれが一番有り難いことだと、このように思っております。
○松下新平君 ありがとうございました。
続きまして、事業承継支援センターにつきまして改めてお伺いいたします。
福田総理の提唱されるつながり力、この委員会でも度々出ましたけれども、その第一線として地域力連携拠点三百か所、さらに、甘利大臣から日本中の経営資源を活用するんだと、そして二十一世紀の奇跡を起こすんだと力強いメッセージをいただきましたけれども、改めましてこの事業承継支援センターの役割についてお伺いいたします。
○副大臣(中野正志君) 事業承継問題にワンストップで対応する、そういう意味での事業承継支援センターを全国に配置する、まず予算措置から申し上げますけれども、二十億円ということになります。
この事業承継支援センターでは、まず一つ目には、先ほど来議論がありました開業と廃業のマッチング支援、そして二つ目には、円滑に事業承継をきめ細やかにサポートをする、そういった意味で専門家を派遣をすると、また三つ目には、あらゆる相談に対応する、そしてまた後継者育成セミナーもしっかりと実施をさせていくと、そういったことなどを集中的にやり上げたいと思っております。
実施主体については、四月二十一日までの期間で公募いたしました。ただいま集計中でありますけれども、都道府県の商工会議所あるいは都道府県商工会連合会といったところが多くなるのかなと思っております。
なおまた、支援センターの事業についてでありますけれども、長野商工会議所が平成十四年度から実施している支援センターが一つのモデルになろうかと思いますけれども、そのセンターのマッチング件数は十八年度までの五年間で九十二件でありました。多い少ないの議論はありますけれども、先ほど来話が出ております地域力連携拠点、これを三百か所つくりまして、この事業承継、そしてまた経営力向上支援あるいは創業・再チャレンジ支援、三つの柱でやっていくわけでありますけれども、お互いの相乗効果によって、むしろ事業承継の問題についても、長野の例で九十二件とありますけれども、むしろ長野県も増える、その他都道府県のセンターでも必ず私たちの予想を超える数で御相談があると、こう確信をいたしておるところでありますから、対応だけしっかりやらさせていただきたいと思います。
○松下新平君 ありがとうございました。
最後に、甘利大臣にお伺いいたします。
事業承継円滑化のための総合的支援策を通じまして中小企業による雇用確保や地域経済の活性化、この効果について総論的にお願いいたします。
○国務大臣(甘利明君) 具体的な効果を定量的に測るということはなかなか難しいことでありますが、守る効果と生み出す効果と両方言えるんではないかと思います。
まず、守る方で言いますと、二〇〇六年版の中小企業白書によりますと、年間に廃業していくうちの四分の一に当たる七万社が、その廃業理由というのを、後継者がいないからということを主たる理由として掲げているわけであります。この七万社が廃業をするとすると、それに伴って雇用がどれくらい失われるかというのは、二十万から三十五万というふうに推定をされているわけであります。もちろん、これだけの雇用が失われるということはその地域経済力がそれだけ失われるということにもなると思います。もちろん、失業したままでいるんじゃなくて、もちろん再就職はしますけれども、一時的には少なくともそれだけの量の経済力が落ちるということになります。これを食い止めるという効果、極力極小化して食い止めるという効果、それが守る方の効果。それから、つくる方の効果では、地域連携拠点を通じて、新しい商品展開とか事業展開、マーケティングを通じて攻める方。守る方とそれから攻める方と両方あると思いますから、そういう意味で、地域経済活性効果とそれから雇用拡大効果というものが期待できるんではないかというふうに思っております。
○松下新平君 ありがとうございました。
最後に、この議案に関しまして、参議院経済産業委員会の意思を表す意味でも速やかな成立を期すべきだと思いますし、その取扱いを委員長にもお願いしまして、質疑を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○委員長(山根隆治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十六分散会

























