経済産業の基本施策に関する件(副大臣答弁) 衆議院経済産業委員会-6号 2007年12月21日
経済産業の基本施策に関する件(副大臣答弁)
168-衆-経済産業委員会-6号 平成19年12月21日
○東委員長 これより会議を開きます。
経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房審議官川北力君、財務省国際局次長中尾武彦君、経済産業省貿易経済協力局長安達健祐君、経済産業省製造産業局次長照井恵光君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、中小企業庁長官福水健文君、防衛省防衛参事官小川秀樹君、防衛省大臣官房審議官尾澤克之君及び防衛省経理装備局長長岡憲宗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○東委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島(敦)委員 おはようございます。民主党の大島でございます。
きょうは二十分間、短いんですけれども、何点か質問をさせていただきます。
一つは、私が住んでいる関東、埼玉県、多分京阪神でもそうだと思うんですけれども、毎年毎年多くの企業OBの方が地元に帰っていらっしゃいまして、地元で企業のOBの方がどうやってこれから暮らしていくかというのが結構課題でして、なかなか地元に溶け込まない方もいらっしゃいます。
ただ、企業OBの方、例えば工場長の経験者とかあるいは販売の部長だった方とか、多くの人脈とノウハウを持っていらっしゃる方が本当に多いんです。その人材活用というのが私は必要だと考えておりまして、地元の商工会議所の取り組みとか見ておりますと、非常にうまく機能しているわけなんです。
自分も、地元の会社にOBの方が入っていらっしゃって、その成果、あるいは、年に一回かな、事例報告ということで報告会とか出させていただきますと、企業OBの方が地元の中小企業あるいは中堅企業に入られて、例えば工場長が入って、ちょっとした気づき、工場をずっと見ていらっしゃって、一回見ると大体十カ所から五十カ所ぐらいいろいろな改善提案をされるわけなんです。その改善提案をされるだけでも相当生産性が上がってくるわけです。
例えば、よく大企業なんかですとさまざまな生産性向上運動があって、TPM活動とかQC活動とか五S活動とかあります。その五S活動、五Sというのは整理、整頓、清掃、清潔、しつけというごく当たり前のことなんですけれども、皆さんの御地元でもそうだと思うんですけれども、地元の会社の皆さんはなかなかこの五S運動も気づいていらっしゃらない方が多くて、工場の機械回りを、不良品を捨てたり不良在庫をすべて一掃したりすると生産性が上がってくるわけなんです。非常にわかりやすくなる。
本当に自分でも驚くんですけれども、大きな会社では当たり前に取り組んでいることが、地元の皆さんもそうだと思うんですけれども、小さな会社のほんのちょっとした気づきでぐんと生産性が向上してきて、競争力がアップしてくるんです。
このことを私も非常に評価しておりまして、これまでは余り、経済産業省さん、国としてもなかなか予算がとれなかったということを伺ってもおるんですけれども、これまでの企業のOBを活用してきた事例について、国の取り組みについて簡単に教えていただければなと思います。
○福水政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、定年を迎えられた、特に大企業OBでいろいろ経験をお持ちの方あるいはノウハウをお持ちの方、これは我が国にとって貴重な財産であって宝であるというふうに考えてございます。こういう技術、ノウハウ、特に地域の中小企業にとっては非常に大事なものであるという認識でございますし、また、OB自身の方も、退職された後に、新たな生きがいあるいは社会との接触といいますか、そういうふうなことが進められるということで非常に大事な仕事じゃないかと思っております。
私ども中小企業庁では、平成十五年から企業等OB人材活用推進事業というのを進めておりまして、先ほど委員にお褒めいただきましたが、全国の商工会議所でこういう中小企業とOBとの橋渡し事業を進めているところでございます。
○大島(敦)委員 私の知っている事例、これは日本の中でも特殊な事例かもしれません。商工会議所の中に企業OBのサークルをつくって、ともすれば非常に乾いたやり方で、こちらの方に企業OBの方の人材登録があって、地元の皆さんでもそうだと思うんですけれども、こちらに地元の会社のいろいろなニーズがあって、それをマッチングするだけで終わってしまうのかなと思うんですけれども、やはり企業は人ですから、どのような人がこちらのコンサルテーションする会社の社風に合っているかどうか、見きわめが大切なんです。
見ていると、百二十人ぐらいの企業OBの方が集まっていらっしゃって、遊びのサークルがあるわけですよ。例えば、写真を撮るとか絵画をするとかあるいは多分旅行に行かれるとか、年に一回それぞれの商工会議所が主催されている産業フェアとか産業祭り等で出展をされるような、うまく相互のコミュニケーションをとりながら、遊びながら、必要な人があったらそれを企業の方に紹介していくというところが非常にみそだと僕は思っているんです。
これを乾いた組織で、ただ単に人材登録だけで、いつもは地元の中に隠れていて、そこから企業の方に派遣されるよりも、いつも百二十人とか百五十人ぐらいの方が日常的に自分の趣味のサークルでネットワークを組みながら、必要だったらそこにコーディネーターの方が出していくという仕組みは極めてうまく機能するみそだなと思っているんです。
ただ、全国でも、それぞれの風土があると思うんですよ。関東の風土あるいは関西の風土、北海道あるいは沖縄、それぞれ社会の立脚点が違うものですから、関東の事例がほかでうまくいくとは限らないと思っているのです。ただ、これからの取り組みとして、そのような地域でのうまくいっている事例とかあるいは取り組まれていることを相互に交換しながら、いいところを盗みながら企業のマッチングを進めていった方がよりいい仕事ができるかなと思うんですけれども、その点についてお聞かせください。
○福水政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、平成十五年度から企業OBマッチング事業ということでやっていますが、現在、商工会議所を中心に全国でやってございます。十月末時点で約八千人の大企業OBの方々が御登録いただいておりますし、結果としては四千件の中小企業との橋渡しをやってきているということで、地域地域に応じたやり方で進めてきておる。
もちろん、地域によっては少し差があるところもありますが、この辺につきましては、先ほどおっしゃられましたような事例をPRするとかお互い情報交換をするとか、そういうようなことで今後進めていきたいなというふうに思ってございます。
実績で申し上げますと、平均して、中小企業一社当たり、アドバイザー、企業OBの方が八カ月ぐらいで二十回ぐらいお通いになる。
結果としては、例えば、特に成功事例としては、国際展開をしたいという中小企業の方も多いんですが、相手方と契約をどう結んだらいいだろう、特に秘密保持契約とか、やったことがないような、そういう点につきましても、企業OBで国際事業をやっておられた方にとりましては非常にわかりやすい話でございますので、そういう話でございますとか、ISOを取るのに、これも初めてだという方が、大体二年から三年かかるところが一年で取れたとか、そういういろいろな実績が上がってきているところでございます。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
ISOの事例も、多分、自分の知っているところでも、これはABCECという商工会の中の団体なんですけれども、大体一時間千円でいいわけなんです。一時間千円で企業に行かれて、メーカーの元工場長だった方あるいはISOの取得の責任者だった方がそれぞれの中小企業のコンサルテーションをするものですから、今政府参考人の方からお話あったとおり、本当に安い値段でISOの取得ができたり、時給千円で、何十カ所も工場の中をいろいろな改善提案をされた、それを経営者、若手の御子息さんとかあるいは社長さんと一緒に取り組みながら、レベルがどんどん上がってくるものなんです。
ですから、まずは、地元の、全国の中小企業の方にこういう取り組みをしているんだということをアピールしていただくことが一つと、やはりそれぞれの運営主体の方がいろいろなノウハウを皆さんこの五年の間に蓄積されておりますから、これは、やるやらないはともかく、一つの提案なんですけれども、やはりそこにはひとつ楽しみがないとなかなか人間は機能しないので、年に一回ぐらいは皆さん集まっていただいて、東京でもあるいは北海道でも沖縄でも、どこでもいいと思うんですけれども、全国的に、楽しんで、そういう企業OBの方がもう一回ネットワークを全国展開して、また地元に戻って、それぞれのノウハウを共有しながら中小企業のレベルがアップしていくということも本当に必要だと思うんだけれども、その点について手短に再度御答弁いただければなと思います。
○新藤副大臣 大島委員の御提言は非常にすばらしいことだ、また、これからの我が国の産業界、また労働政策にとっても重要なものであると私も思っております。
今後、六百八十万人と言われる団塊の世代の皆さんが大量に退職をされる。その中で、退職後もまだ働いていきたい、こういう人はたくさんいるわけでございまして、しかもまだまだみんな元気ですから、現役の間に培った技術それからいろいろなノウハウ、こういったものをぜひ社会のために役立てていただきたいと思いますし、またそれぞれの方にとってもそれが充実した人生になっていくんじゃないか、このように思っています。
その意味で、今回、今までのは、制度でいいますと企業等OB人材活用推進事業、これを五年やってきたわけですね、これをバージョンアップしまして、来年度、二十年度から新たに新現役チャレンジ推進事業、こういうことをやろうと私どもは提案しているわけです。
その中には、今先生が御提言のあったような全国ネットにしよう、今までのものは情報が県内の中でやっていたわけで、それを中企庁や中小企業機構と連携をとりながら全国ネットにして、そして情報交換をもっとさらにやろう、さらには、産業界の協力も、現役の皆さんにも協力してもらって、人事部の協力ももらおう、それから自治体との協力も必要だ、こんなことで、いろいろと重ね合わせております。
それにあわせて、今先生がおっしゃっているような、上尾のABCECというんですか、これは有名になりましたね、私も埼玉県人でございますからうれしいんですけれども、埼玉県で非常にいい取り組みがございます。
そういった事例も研究しながら、この制度がより充実していくように努めてまいりたい、このように思っております。
○大島(敦)委員 国のさまざまな助成、お金を出される制度の中で、私としては費用対効果が極めて高い事業だと思っておりまして、今回から年間二十億円を超える金額だと伺っておるんですけれども、その二十億円投資をされた、助成をされたものはしっかり返ってくるなと思っておりまして、ぜひこの事業については進めていただきたいなと思っております。
最後に、あと五分ほどありますので、別の観点から質問をさせてください。
この間ちょっと驚いたことがありまして、鉄鋼について役所の皆さんからちょっとお話を伺ったときに、自分のこれまでの認識だと、日本の鉄の生産量、粗鋼の生産量が大体一億トンぐらいなんですよ。それでずっと推移をしてきております。
自分が国会議員になった七年前、八年前は、中国というのは日本よりも若干多いぐらいかなと思っておりましたら、ここ七年の間に四億トンを超え、五億トンに迫ろうという数字を伺いまして、ちょっとこれは常識的にもなかなか考えられない数字かなと思っておりまして、その点についてもう一度、政府参考人から、中国の鉄鋼の生産量の伸びがどうなっているかについて教えてください。
○照井政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、中国の粗鋼生産量は近年急速に増大しているところでございます。十一年前の一九九六年に初めて年間生産量が一億トンを突破したところですが、七年後の二〇〇三年には二億トンを超えました。二〇〇七年においては四・八億トンということで、急増する見込みになっているところであります。
最近では、毎年日本の粗鋼生産量の約半分近い量が増加をしているという状況でございます。
○大島(敦)委員 日本の粗鋼生産量の半分ぐらいというと、大体五千万トンから六千万トンぐらい、イメージ的には、大手の製鉄会社二つありまして、新日鉄さんのグループとJFEスチールさんのグループがあって、大体この二つを足したぐらいの会社が毎年毎年できている、そういう理解でいいんでしょうか。いいんですよね。
そうすると、日本の戦後の経済成長というのは、小さな山を越えながら徐々に経済がよくなってきたと思うんですよ。一たん好況で、それから景気後退期にあって、景気後退期に合理化努力とかあるいは技術革新を行って、また次の景気回復期でその上に行って、またこういう山をずっと積み上げながら、峠を越しながらここまで豊かになってきたのが日本だと思うんです。
中国ですと、本当に日本の、数年前までは同じ規模だったのが、多分ことしの末ぐらいには五億トン、五倍ぐらいになるわけですよ。これは普通の工場と違っていまして、普通の工場は受注しなければ生産をとめることは可能なんですけれども、鉄というのは、一たん火をくべるととめることはできないんですよ。ずっと燃やさなくちゃいけないので、景気変動で需要の減に対応できないのが製鉄所なんです。特に、多分中国は高炉を中心につくっていますから。これは僕は物すごく不安定要素だと思っているんです。
ですから、来年の経済を見ると、中国がどこまで安定的に経済成長していただけるのかなと。あるいは、サブプライムローンの問題があって、これも世界じゅうでばばを引いてしまって、一番得したのはひょっとしたらアメリカかもしれないなという説もあったりもして、皆さんでばばを引いてしまった。
御承知のとおり、原油高、穀物高があって、今までの、ここ七年ぐらいの間に内需がなかなか温まっていないわけですよ。非常に内需がない中での景気後退期を迎えるというのは、私は来年の景気は非常にシリアスに考えているんです。外需が、中国がひょっとしたら不安定になって、アメリカも不安定になって、そうすると、国内の内需がある程度回復していればどうにかもったかもしれないけれども、この中で、内需が、日本のエンジンが小さい中での景気後退期は、しっかりと乗り越えるための対策をさまざまとらなければいけないなと思っております。
その点につきまして、甘利大臣に、来年度に向けての、恐らく来年度の所信表明で来年度の方針について立てられるとは思うんですけれども、自分もビジネスの経験をずっと積んでくる中でもこれだけ不安定な要素があった年は珍しいなと思っておりまして、その点についての御所見を、あるいはこういうふうに取り組んでいきたいなということでもいいんですけれども、伺えれば幸いでございます。
○甘利国務大臣 一昨日の政府の経済見通しでは、来年度、実質二・〇、名目二・一と見通しているわけであります。
ただし、おっしゃいますように、不確定要素が三点あります。サブプライム、原油、建築基準法、この三つがあるわけですね。
サブプライムも、アメリカ政府が相当本腰を入れて取り組んでおりますが、すそ野がどこまで広がっているかが、全体像が把握できない、金融技術等もあって。
それから、原油については、引き続き高どまりあるいは百ドルに向かうのかという予測と、それから、ここまで高いのが固定すると、代替エネルギー開発について本腰を入れた取り組みが始まる。そうすると、原油高についても鎮静化要因が入るのではないかという予測もある。あるいは、実需ももちろん少しタイトになっていますけれども、それ以外の金融的な要素がある。これについては、私どもが、金融と石油価格、それぞれ専門家、各国政府が集まって勉強会をすべきだと。これは、いたずらにマネーゲームが原油価格を引き上げるということに対して冷静な対処を呼びかける役割を果たすと思うんですけれども、この作業も始めている。
しかし、ではそこで、日本はどういう成長戦略を描くのかということが大事なんですね。私どもが中心に策定した考え方としては、日本の強みというのは、成長センターたるアジアに立地しているということが、EUにない、アメリカにない強みだ。アジアは成長センターと言われている、日本がその成長センターの中に存在をしているということをどう有利に使うか。
これは、アジアの成長とともに日本も引き上げてもらうということがありますが、ただし、これはアジアの成長の加速に日本がみずから貢献をしていくということが前提であります。アジアの成長にどう貢献していくか。環境貢献とかあるいは安全、安心に対する需要の創出とか、いろいろあると思います。みずから貢献して一緒に成長をしていくということがキーワードになると思います。
この新成長戦略の具体的施策は、これから予算化も含めて詳細を設計していくということになりますが、その日本独自の成長戦略で、先ほど申し上げた不安定要因をできるだけ減殺していくということがかなめになろうかというふうに思っております。
○大島(敦)委員 時間になりましたので、ここで終了させていただきます。ありがとうございました。
○東委員長 以上で大島敦君の質疑を終了いたします。
次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 大臣、連日お疲れさまでございます。
大臣、ことしの、〇七年を一番象徴する言葉が「偽」ということのようであります。
当委員会でも、消費者安全行政も含めて、いろいろな角度から議論してまいりました。大臣、冒頭、質問通告していないんですが、この一年間を振り返ってでも結構なんですが、公約とか政府の施策、いろいろな意味で、春の通常国会でも御指摘をさせていただいたように、なかなか施策と整合性がとれない、達成ができないというものも当然あります。その責任というものは、当然いろいろな責任の処し方があると思うんです。
ことしの「偽」ということではなくて、二十年度の政府の予算編成を今、真っ最中でやっておりますが、ことしを振り返って、大臣、どんな形でことし一年間を、経済産業施策ということで、展望というか思い、反省も含めてされておりますでしょうか。
○甘利国務大臣 人の為と書いてこれが偽と。つまり、よかれと思ってしたことが、結果的に裏目に出るということもあるということなんだと思います。よかれと思ってなすことがいい結果に結びついていくような不断の努力を我々はすべきだというふうに思っております。
年当初に予測できない事態というのが多々あるというのが国際経済、国際政治の要素であります。それに対して可能な限りベストを尽くすということが大事であり、そのベストの尽くし方が誤解として伝わらないような説明努力、責任を果たすということも極めて大事だと思っております。
私の所掌範囲でいいますれば、経済成長の部分が当初の予測よりも下方修正をされてきている。これはもちろん想定されない原因がありました。
建築基準法の改正問題が、実は、意図するところは、趣旨はいいことであり支持されますけれども、しかし、その具体的な施行の作業において、いわば、あつものに懲りてなますを吹くような状態が続いたという、具体的な執行の手だての中での、先回りした、想定をして対処するというところが足りなかったのではないか。
あるいは、原油価格も、高くなっていくという予測はあったにせよ、百ドルをうかがうというようなところまでの見通しが足りなかった。各国協調を呼びかけて随分やりましたけれども。
一方で、アメリカは、サブプライムという問題の深刻さをそこまでとらえていなかった。サブプライムから逃げ出す金融が石油投機に回る、これが加速する。そうすると、一番発言をしてもらわなきゃならないところが、自己の原因による要素もあると思うと遠慮がちになる等々、国内的な問題や各国連携の問題で、今になればこうやればよかったのにということがなかなかできなかった要素というのは反省点で多々あろうかというふうに思っております。
○後藤(斎)委員 今大臣も御発言をいただいた中に、原油の高騰という話がありました。これはまさに、この夏は非常に暑い夏でありましたけれども、冬は、この一、二週間、大変寒い冬で、特に北海道、東北、北陸、私の山梨もそうですが、灯油を実際使いながら、また、農家の方も重油を使いながらということで、当然、自動車のガソリン価格も含めて非常に高騰しております。
ただ、よくよく考えると、第一次、第二次石油ショックのときの、第二次石油ショック以上まではまだ価格は上がってはいないものの、当時を考えれば、当時はまだまだ給与所得や個人所得もいろいろな形で伸びていて、ある意味では、その負担感が吸収をされた時代ではなかったかなと。今は小売業も、いろいろな意味で、供給過剰状況の中で非常に厳しい経営環境になっているということもあるんです。
大臣が先ほどお話をされた部分でいって、では、これから原油価格はどんな形になっていくのかということが、ある意味では来年を見通す上で非常に大切な要素になると思うんですが、大臣、これから国際的な原油価格というのはどのような形で推移をすると思われていますでしょうか。
○甘利国務大臣 国際機関の原油需要の見通しからいくと、二〇〇五年比で、二〇三〇年は四〇%ぐらい伸びるのではないか。これは、中国を中心とする新興国のエネルギー需要が飛躍的に増大をしていく、そうすると、需給は相当タイトになりますから、まだまだ上がるという要素になってしまう。
一方で、そこまで上がってくると、従来採算に乗らなかった部分の石油開発、オイルサンド、オイルシェール、あるいは、よく経済産業委員会でも指摘されますが、メタンハイドレート等々ですね、非在来型化石燃料の採算ベースがかなり上がってくるという、開発が始まるのではないか。あるいは、原子力も推進をされてくる、省エネも徹底的にやってくる。
各国とも対抗措置に本気に取り組んでくるということになれば、そういう一方的な上昇要因を抑える、石油の一次エネルギーに占める比率を世界じゅうで下げるという動きになってくれば、四〇%増というのが相当緩和されるのではないか、そういう両面の見方があろうかと思います。
私どもの方では、地政学上のリスクとか、あるいは投機要因というものが実需を超えて影響している、これは二、三十ドルあると言われていますけれども、この部分を鎮静化させるという努力が必要ですから、IEAに関係専門家の話し合いの場を設定するということを私どもの方から提案しまして、了承されたわけであります。
それから、ビジネスベースでありますけれども、省エネを含むいろいろな技術の移転作業も、大量消費国に向けて今やっているところであります。
ですから、幅はいろいろあると思いますが、そのいい方のシナリオに行くように最大限努力をすることが必要だと思っています。
○後藤(斎)委員 大臣おっしゃられたように、確かに国際的な需給環境で決まってしまうということは当然のことなんです。
ただ、大臣、従来にも増して必要なことは、大臣もいろいろな国に資源外交の部分でお出かけになって、昨年以上に多分ことしは実績を上げられたというふうに、私も以前から大臣のこれまでの一年以上の活動に評価をしておりますが、やはりこれからはもっと消費国ができること、省エネも含めて、消費国、生産国との協調というものがなかなか、そうはいっても、所得移転みたいな、ことしのエネルギー白書は過去の石油ショックの評価というか検証も含めてかなり上手に取りまとめられておると思うんです。
では、やはり国内でできること、これが、需要が非常に上がっていく局面であれば、我が国だけが措置をしてもだめだ。価格が大きく下がることはないにしても、一時期百ドルを超すかというのも、一たん八十ドル台まで落ちて、また今九十ドル台前半に戻っておりますが。
大臣、やはり今本当にこの寒い冬を越すのに困っている方たちがたくさんいるという現状の中で、経産省の方にお聞きをすると、例えば備蓄が今、国家備蓄、民間備蓄含めて百八十四日間あるというふうなことで、第一次、第二次の石油ショックのときよりも備蓄量というのは量的にははるかにふえているわけなんですが、安定供給という観点からの今の措置ではないということで説明を受けています。
ただ、よくよく、エネルギー特別会計の八十五条の「燃料安定供給対策」という中に、石油、天然ガス、石炭の安定かつ低廉な供給の確保を図ると。低廉というのは安い価格でということだと、少なくとも私の理解ではそうなんですが。
ということで、やはり日本が主導して、例えば日本もこういう用意があるよということで、消費国、生産国のいろいろなフォーラム、話し合いの中でそういうふうな発言も積極的にしながら、やはり少なくとも、大臣がおっしゃられた、需要が上がる局面だけれども、供給の方も、これから今まで未開発の部分に手をつけてということも出てくると思うんですね。
やはりもっと積極的にさらにやっていかないと、なかなか本当にこの寒い冬を、もうことしもあと十日で終わってしまいますが、この年末年始をどう越すのかというふうな観点からも、備蓄の放出も含めた本当に総合的な施策というものを、政府として今できること、先ほど大臣が冒頭おっしゃっていただいたように、できることは最大限やるという視点から、ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣 厳冬を迎えるに当たって、寒冷地の、例えば暖房用灯油の高騰に対して政策的にどういう手だてを打つかということについては、民主党さんからもあるいは与党内からも、いわゆる福祉石油構想というのが出ております。これは、自治体がいろいろ取り組んでいくことについて、国が、総務省が自治体の支援にどう対処するかというのは、対策として検討課題に上がっております。
一方で、御指摘の備蓄の取り崩しについては、日本もIEAのメンバーになっているわけでありますが、IEAを設立したときの設立趣旨の中に、供給途絶に対する不安を減殺するということで、各国協調も含めて、供給途絶というものが世界経済に大きな打撃を与えないようにということが趣旨でありまして、価格鎮静化という措置がないんですね。
ただし、これは九十日という備蓄義務についてとらえているというふうに仮に解釈するとするならば、それを超える備蓄の取り崩しは可能なのかということになります。これは、IEAの規約上は取り崩しという行為自身は不可能ではないと思います。
ただし、国の備蓄を取り崩す際は、市場に出すわけですから、国有財産ですから、市場価格ということになってしまいますし、民間備蓄の場合も、これは商売ベースですから、当然、市場は市場価格で出すのだと思います。現に、在庫の評価もその価格でなされるわけでありますから。ですから、放出するということは備蓄義務以上の部分については可能かもしれませんけれども、これを、価格決めを最初から低くしてしまってということはなかなか難しいのかなと思いますから。
いずれにしても、全体の需要対放出量というキャパの問題も当然あるでしょうから、鎮静化するということはこの手法によっては難しいのかなというふうに考えています。
○後藤(斎)委員 大臣、その備蓄放出というのは一つの量的な部分でお話をしているんですが、あらゆる角度から対応していただきたいということであります。
最近、倒産件数というのが、特に中小企業、建設業、小売業を中心に大変増加をしています。ことしはもう一―十一月で一万件以上を超えて、一万一千件をこの〇七年度は超してしまうのではないかなというふうな予想もございます。そんな中で、今、本当に運転資金もない、社員の方にボーナスも払えない、そして自己破産や倒産という形をとってしまうという業種が特にふえております。
ですから、大臣、私が冒頭お尋ねをした、あらゆる施策を講じて、例えば原油価格というのは年当初に想定できなかったものであればこそ、そこについてもっと集中的に施策や予算を投入していただきたいということと、これから来年に向けて中小企業の対策というのが、原油価格だけではなく、これもある意味では高どまりをしてしまう可能性もある、食料品価格も上がっている、先ほど大臣がおっしゃられた建築基準法の改正の影響でまだまだ新築の住宅が非常に下げどまりになっている、公共事業も大きく減っているという中で、中小企業をこれからどう生かすかという部分が、私は、十八年度、十九年度の経済産業の施策というのを見させていただいても、もしあれが全部できていればもう少し業種転換がうまくいったりということもあるんでしょうが、実際はそうではないというふうなことを思うんです。
大臣、この年の瀬を迎えて、〇七年が終わり〇八年、それぞれ、企業の経営者の方も私たち個人個人も、ことしよりも来年はやはりもっといい年であるなというふうな思いを強くするために、今の現状を踏まえて、来年に向けてどのような中小企業施策をおとりになるのか、お尋ねをしたいと思います。
○甘利国務大臣 現状、中小企業が受けているマイナス要因をできるだけ減殺するということがまず第一であります。
原油の高騰、それから建築基準法改正の影響、これに対しては、政府系を中心に、セーフティーネット保証・融資ということの対処に加えて、既往債務についての返済条件の緩和ということに取り組んでいるわけであります。これは抜本解決策というよりも、どっちかというと現状の問題に対処する時間的な余裕とか、痛みを若干和らげるという効果だと思います。抜本策としては、中小企業が自立をしていくような施策をとっていかなければならない。
来年度予算につきましては、引き続き財政再建路線は堅持をする、四年連続、国債発行額は削減をします。一千億かそこら、今回の規模は小さいですけれども、四年連続下げる。二十五兆ぐらいだったと思いますが、にしていく。そういう中でめり張りをどうつけるか。これは、中小企業政策予算はかなりふやしていきます。
それと、やはり特筆すべきは、四百三十万社ある中小企業が、毎年二十九万社、三十万社弱ぐらい事業をやめているんですが、そのうちの七万社というのは後継問題について解決策がないということで、事業承継の税制を抜本的に立てるということ等があります。
それから、つながり力ということで、大企業の人材とかノウハウをどう中小企業に移転していくか。さっきも話がありましたけれども、大企業の退職OB、団塊の世代がこれからどんどん退職していきますが、その培ってきたノウハウ、技術、知識が、中進国からのヘッドハンティングで中進国に移転をする。それ自身は悪い面だけではありませんけれども、しかし、きちんとした知財保護というのがなされないままに吸い尽くされて使い捨て状態になるというのは、これは放置できない状態ですから、それを中小企業が活用できるようにするという仕組みをつくる。
あるいは、もろもろの連携、中小企業においても農商工連携等々で業際を超えて知恵を連携し合うということで、中小企業の自立力を強化していきたいというふうに思っております。
○後藤(斎)委員 大臣、最後に一点だけ、簡潔で結構ですから。
官公需法という法律がございますよね。今まで中小企業比率を上げてきたことは認めます。大臣が今おっしゃられたことは、実際でいえば、中小企業向けの貸出残も、融資額も減っているという現状と、政府や官公庁ができるという具体的な、中小企業に向けての比率の向上というものを、今、十九年度、五〇・一%まで目標がいっているようなんですが、もっとやはり大きく引き上げるということをぜひ政府としてもお願いしたいんですが、最後に、簡潔で結構ですからお答えをいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 少しずつではありますが、中小企業比率は伸びております。これについては引き続き、我が省だけではなくて、関係各省に働きをかけて、中小企業の受注がふえていくような努力を促したいと思っております。
○後藤(斎)委員 ありがとうございました。
○東委員長 これにて後藤斎君の質疑は終了いたしました。
次に、近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。
貴重な一般質疑の機会をいただき、委員長、理事の皆様に感謝を申し上げます。
まず大臣、私は、この経済産業委員会の前回の質疑だったと思うんですが、中央官庁の職員の方々の働く意欲を引き出す意味合いからも、いわゆる表彰制度のようなものをつくったらいかがかとか、例えば、よく働いた職員の方に、特に若手の職員ないしは2種、3種の職員の方々を大臣が招いて食事でもされたらどうですかというようなことを御提案申し上げました。野党の私の立場からすると、大変差し出がましいかとは思ったわけでありますけれども、国有財産たる国家公務員の方々の士気といいますか、士気を上げて稼働率を上げるということは国会議員としても重要だと思ったから申し上げたわけであります。
大臣、早速実現をしていただいた、こういうことでございます。官房長から、実現をしましたという御報告を私も伺いました。まず感謝を申し上げたいと思いますし、大臣、御感想はいかがだったでしょうか。そして、今後もぜひ続けられたらいいかと思うんですが、どうでしょうか。
○甘利国務大臣 御指摘をいただきまして、表彰制度も実は検討したんですが、なかなか、いきなり設定は難しいというので、それでは、2種、3種も含めて、若手、課長、課長補佐、あるいはそのもっと手前の方々との懇談をやろうということで、昼休みを使って、食事をしながら一時間半ぐらいずつやりました。
私と初めて話が直接できるという人がほとんどだったんですけれども、極めて意欲的にいろいろおっしゃっていただきました。私からは、とっぴな意見でも何でもいい、むしろとっぴなところからブレークスルーというのは始まるんだから、こんなことを言って笑われるとかいうことは一切なしに、自分が日ごろ考えていることを直接言ってくれという話をしました。
私も触発されたというか、若い人、おもしろい意見がいっぱいありまして、恐らくそのまま上がっていくと局長あたりでもう却下されるんだろうなという意見もかなりありましたけれども、実は、それは閉塞状況をブレークスルーするための極めて大事なアイデアになるんだと思います。私が考えていることと逆の発想から出る意見とか、私自身も勉強になりました。
彼らに言ったのは、人と違う意見を持っているということをむしろ大事にしてくれ、みんな同じような意見だったらろくな政策、ろくなと言ったら怒られちゃいますけれども、優等生だけれども実はだれでもそうだなと思うような政策しか出てこない、こんな破天荒なことをというのから、まあそれはそのまま使えないにしても、ブレークスルーになる要素になるということを申し上げました。
これからもこういうことをやっていこうということで、ちょっと一時間半じゃ時間が足りなかったんですけれども、三回やったんですけれども、私自身にとっても触発されるいい会合になったと思いますし、これからもやっていきたいというふうに思っています。
○近藤(洋)委員 私も内部のほかの方から聞いたら、非常に評判がよかったようで、やはり思うに、大臣と意見交換などという機会が持てただけでも大変な感激の機会だと思いますし、職員の方にとっても非常に貴重な経験だったんだろう、こう思うわけであります。
やはりお金では買えない価値があるといいますか、どこかのコマーシャルみたいでありますけれども、やはり政治家にしろ公務員にしろ、公の仕事はプライスレスの部分がいっぱいあるんだろう、こう思いますし、だからこそ人生をかけて取り組めるんだろう、こう思うわけであります。その意味からも、ぜひ今後も工夫して続けていただきたいものだな、こう思います。
さて、本題に移りますが、大臣、こういったことをすぐ実行していただいた甘利経済産業大臣は、歴代の大臣の中でも御見識の高い先輩議員と思っておりますが、しかし、実は、ごく最近、やや理解に苦しむ御決断を大臣はされております。
それは、独立行政法人日本貿易保険の株式会社化であります。一昨日の十九日ですか、甘利大臣は渡辺行革担当大臣と会談をして、日本貿易保険を政府全額出資の株式会社とすることで合意をされたというふうに報道をされております。渡辺行革大臣は、かねてより日本貿易保険の民営化、まあ、彼は基本的には独法のすべからく民営化論者なのかと推察しますが、日本貿易保険についても民営化に御執心だったと伝えられております。
株式会社にするという目的は、常識で考えれば、外部から資金を調達するのが目的で株式会社にするわけでありますから、今回の株式会社化は将来の株式売却を念頭に置いたものなのかどうなのか、これは大事なポイントなので御答弁をいただきたい。そして、そうでないとするならば、政府全額出資を守るとするのであれば、では、株式会社化する目的ははてさて何なのか、お答えいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 そのお話を、大バトルをずっと渡辺大臣と私がやってきました。株式会社というのは、少なくとも政府が一時的に最初は持っていようとも、民間に放出していくということの一里塚であるはずだ、そうでなければなぜするんだということ等は、そっくりそのまま私が大バトルをやってきた経緯であります。
結論から申し上げますと、法律の中に、スタートのときにも、それから先未来永劫、国がちゃんと全額持っているということを書き込むということを申し入れて、これは了解をされました。とすると、では、何のためにするの、今は何が悪いのということになりますね。
私は、実は独法改革を党でやった小委員長なんです。ですから、渡辺大臣が、独法に御執心のようですという記者会見を、私のことを称しておっしゃいましたけれども、それはそうです。独法というのは、何か最近悪者になっていますけれども、実は行革の切り札としてあれはやったんですね。
省庁が抱えている企画立案、そして実施。その実施、つまり、貿易保険も昔は貿易局が保険事務をやっていたんです。だけれども、それが、行革の観点からより効率的にというので実施部門だけ切り離して、政府の実施部門ですから、より機動的にしたんですね。しかも、独法は、オートマチカリーにこれでいいのかという見直す仕組みまで入れたわけです。外部監事とか、中期目標を立てた外部評価委員会とかを入れましたから。それを私は担当しましたから、思い入れがお強いようですと言われたんですが、それは、だって、行革の精神に従ってやってきた。しかも、民間に、民間参入できるところはちゃんと離して渡してきた歴史ですから、私から言わせれば、行革の優等生のつもりなんですね。
それを、なぜそうするんですかということをしつこく議論しました。行革が足りないからけしからぬ、あるいは民営化しても問題ないからするんだというならわかりますと。民営化はできない組織ですね。これは国際租税条約上、民営化をすれば、相手の国の債権に対する利子に課税がされる、税金を取られるわけですから。ですから、どこの国だってしていないんですから、何でやるんですかということをしつこくバトルをしました。
その結果わかったことが、独法のガバナンスを省庁管理から一元管理に移す。そういう意味では、あえて言うならば、経済産業省の通商、資源政策との連携は若干距離が出るということに理論上はなるんだと思います。ガバナンスを省庁管理から内閣なりどこかの一元管理にするということは、連携性という点では、距離は近くなるか遠くなるかという単純な判断でいえば、遠くなるということであります。資源政策や通商政策は国家戦略にかかわるところですから、連携が極めて重要だということを申し上げたんですが、とすると、より連携がとれるような形態がいいのではないですかと。確かにその時点でいえば、その方がベターだと思います。
ただし、民営化することに関しての確認しなければならない法律上の要件が幾つかあります。国が保有しているものを売らない、売った時点でもうその機関としての機能がなくなってしまいますから、売らない。これは、ちょっと新聞は誤解していますけれども、民営化について制約をかけたなんて、当たり前です、できないんですから。
それから、ガバナンスは会社法によるということで、機動性は上がります。ただし、自分の判断でみんなやられちゃ困りますから、私の指揮監督下に動いてもらわないと、資源外交をして、では、民間が行きやすいようにこういう保険をやりますといったら、保険会社が、いや、それは私の判断でできませんと言われちゃったらこれはどうにもなりませんから、その指揮監督権をちゃんと書くとか、これが前提条件ですという注文をつけました。それは全部オーケーということになりましたので、了解をした、最終決断をしたということであります。
○近藤(洋)委員 甘利大臣、苦しい胸のうちを御答弁いただきましたけれども、やはり、確認ですけれども、株式会社化しても、政府が未来永劫保有する、国の事業で行う、こういうことですね。当然のことであります。大臣もおっしゃったとおり、貿易保険を民間に任せている国はないわけでありますから。
しかし、そうだとすると、やはり、なお大臣の御説明を伺っても、私は株式会社化については理解に苦しみます。大臣も合意をされたわけですから、合意をされたのは事実でございますから、あえて伺っているわけですけれども。
やはり貿易保険というのはリスクを背負うわけでありまして、例えばかつてのイラン・ジャパン石油化学、IJPCだとか、湾岸戦争だとかソ連の崩壊とかさまざまな巨大なリスクを時によっては受ける、相手国の政変で。そうすると、仮に巨額の損失を引受会社が出した場合、独立法人だったら機動的に出資したり、その辺がすぐできる。逆に機動性は高いわけですね。特殊会社だと、果たして、こまい話かもしれませんが、債務超過になったらどうなるんだとか、さまざまな制約があるのではないかとか、これも心配なことです。先ほど言った指揮監督のところも、大臣は法律に書き込むとおっしゃいましたけれども、大事な論点であります。
そういった諸々のことを考えると、またもう一つ、ガバナンスも、別の基準がまさに働きかねない、株式会社という基準が。それは必ずしも貿易保険というものに対して求められるものではないと私は思うんですね、株式会社の規律というものが。別な形で別に規律を働かせればいいわけですから。
いずれにしろ、わざわざ面倒な法律をつくって変える必要があるのかということですね。貴重な労力を、役人の方々、これは法律をつくるとなったら、これまたタコ部屋といいますか専門の室をつくって何人か張りついてやるわけであります。これは、前向きなことをするならともかく、何か体裁を整えるためだけのことをする必要があるのか、こういうことであります。
もう一度、両閣僚間での合意はまだ途中の段階で、まだ過ちを正すのには、これは別に我々批判をしませんから、撤回されても。どうでしょうか、時間と労力の無駄だとお考えになりませんか。お答えいただきたいんです。
○甘利国務大臣 私は、交渉に当たって行革大臣に、私が答弁するんですから、私が納得できないものは納得できませんということからスタートしているんですね。カントリーリスクがあるところを対象にやるからこそ、国家の意思の反映できる、つまり国か国に関連する機関ということになっているのであります。先ほど、カントリーリスクによって財務状況に重大な問題が生じたときにと。それも書き込ませました。それもないとこれは承知できませんということですから。これは、そういう自分の責任を超える部分で、カントリーリスクで債務超過なんというような事態に陥るときに、ちゃんと政府からの対処措置をするという項目も確認をしました。
では、そんないっぱいいろいろなことをつけてやるんだったら、今のままでいいんじゃないのという話になるわけであります。ただ、そこは、私が話し合いの冒頭、これが確認できなければ私はこの座をけって交渉には臨みませんということを宣言したんですが、それは、独法が、ガバナンスが一元管理、つまり、第一次的に省庁管理、第二次的に総務省のガバナンスのチェックという二重機構になっているのが、第一次管理のガバナンスが省庁管理から一元管理に引き上げられるということになると、政策連携でいえば、よりその結びつきが強固になるか薄くなるかという判断だけでいえば、それは遠くなる方ということになろうかと思います。そうだとすると、では、より機動的にやれる、それ以外の不安要素についてはきちんと法律で担保するということを条件に了解をしたということであります。
○近藤(洋)委員 どうも、私自身はまだ伺ってもすっきりこないので、いずれにしろ、法律が出てきたときにまた議論をすることになるかと思いますが、やはり、株式会社化というのは別に魔法のつえでも何でもないのではないか、こういうことだと思います。失礼ながら、渡辺行革大臣のレベルはいたし方ないとしても、甘利大臣がというよりも、世界の貿易戦争の最前線で戦っているところを支援する経済産業省が、そうした改革ごっこにおつき合いする時間はないんじゃないかということだけ申し上げておきたい、こう思います。
原油高、ガソリン高問題について、ちょっと関連してお伺いします。
ガソリン及び石油製品の高騰が続いているわけでありますけれども、この対策として、民主党でも緊急提案を行いました。また、政府においても緊急対策が打ち出されております。灯油の対応など、私どもの考えと一致している部分もあるなと思って政府の全体の考え方を見ておりますけれども、ここまで来ると、問題はガソリンであります。
大臣、ガソリンについては、租税特別措置の期限が来春に期限切れとなります。これはこれでまた大きな議論になるところでありますけれども、私ども民主党は、それを先取りする形で、暫定税率をここは引き下げて、もちろん道路財源等々の議論はあるわけでありますが、しかし、これだけガソリンが高騰してくると、ひとつ暫定税率は、これは期限切れということも含めて、対応として考えるべきではないか。日本経済全体にとっても一つの大きな影響を与えている問題でもあるわけですから、この暫定税率が切れることを踏まえて、ひとつ税率を下げるということも我々民主党の中では議論をまさに今現在している最中であります。
大臣は、このガソリン問題、暫定税率を下げてこの緊急時に対応すべきだという考え方についてはどのようにお考えですか。
○甘利国務大臣 ガソリンに占める税の割合、これは消費税を除きますけれども、実額は、たしか五十一円ぐらいだったと思いますが、ちょうど本則と暫定が半々ぐらいですね。本則が二十五円で暫定が二十六円でしたか。要は、道路に使いますというその道路が、シーリングが厳しく行われていますから、その分ではオーバーフローするということが二、三年前から起きています。そのオーバーフローする分について、本四架橋等、道路に直結するという理屈が成り立つところについて使われてきたわけですが、これから本四架橋も終わってオーバーフロー分がふえてくると、この処置をどうするかということであります。
閣議決定では、御案内のとおり、税率は維持する、オーバーフローについては納税者の理解を得つつ云々ということになっているわけであります。暫定分の二十六円というのが、二十五円に二十六円が乗っている。必要な道路というのは、本則分では足りないということは明らかなんですね。ただし、暫定分までは必要ない。つまり、ここのこの辺までが道路に必要な部分。ですから、自動的にこの法律が廃止されてしまうと、いきなり二十六円分がぼんと落ちますけれども、そうすると、地方の道路の直入分も含めて、必要な道路ができなくなるというおそれはあるんですね。ですから、御党の中でも、一般財源化について反対とか、そのままそっくり暫定分をなくしてしまうことには反対という御議論も恐らくおありだと思うんですね。
ですから、これは、必要な道路はちゃんと確保する、そのためには本則分では足りませんということは明らかでありますから、何らかの処置をしなきゃならない。ただ、オーバーフローする分については、さらに納税者、ガソリン高も含めて、高速道路料金を引き下げる等、ユーザーに還元するという趣旨に従って、政策的に理解をしていただける検討をするということが必要だというふうに思っております。ですから、私としては、閣議決定で税率維持ということは確認されていますから、あとは納税者の理解を得るという部分にどう政策対処をするかだというふうに考えています。
○近藤(洋)委員 オーバーフローする部分についてはやはり納税者の理解が必要だと思うんですね。あわせていえば、タックス・オン・タックスの部分などもこれはやはりきいているわけでありまして、我々とすると、これだけ高どまりしてくると、タックス・オン・タックスの議論も含めてやはり整理すべきであろう。あと、複雑怪奇な自動車関連諸税をやはり見直すべきであろう、こう思うわけですね。政府税調はこれから出てくるんでしょうか、与党税調は大体まとまったようでありますけれども、残念ながらその辺はまだ出ていない、踏み出していないわけですから、我々民主党としては、これから、来年の通常国会になりますけれども、これは本格的な論戦をさせていただきたい、こう思います。
時間なので、ちょっと質問をまとめてまいりたいと思うんですが、先般COP13が閉幕をしたわけであります。ポスト京都に向けたロードマップを採択したわけですけれども、一部マスコミは、いわゆる指導力不足とか、さんざん日本の対応についてたたいていた、評価が低かったようですけれども、私は、少なくとも、中国とアメリカを交渉の場に入れたということ自体は大変よかったと。世界が軍縮をする中で、やはり超大国が軍縮に参加しなければ軍縮は成功しないのと同様に、この温暖化対策もそういうわけでありますから、その点においては意義があったと一定の評価をしてもいいんだろう、こう思うわけであります。
大臣、それの流れの中でちょっとお伺いしたいんです。
さて、二〇〇九年までにこれからさまざまな議論がされていくわけだと思うんですけれども、地球全体で温室効果ガスをどうやって減らすか、実効性のある手法、枠組みが重要だ、こういう中で、その観点でお伺いしたいんですが、いわゆるキャップ・アンド・トレードという議論がございますね。排出権の上限をつけて金融商品のように取引をするというか、キャップ・アンド・トレード、排出権取引市場について、ぜひこの点だけお伺いしたいんです。
このCOP13はさまざまな国が参加する中で、キャップ・アンド・トレードというのはいろいろな議論をする中の一つの小さな部品の議論でありますけれども、大きなメーンストリームではないと思いますけれども、ただ、このキャップ・アンド・トレードについて、大臣は、温暖化防止の重要な手法、切り札になる、これは切り札だという認識でとらえていらっしゃるんですか。いかがですか。
○甘利国務大臣 その前に、揮発油税、ちょっと私の記憶と間違っていました。本則、暫定とも二十四・三円だそうです。済みません。間違えていました。
キャップ・アンド・トレードは、選択肢の一つとして挙げられています。それを私は否定はしませんけれども、しかし、気をつけなきゃならない点がいっぱいありまして、私自身は、切り札としてとらえるのは危険だというふうに思います。というのは、どう公明正大なキャップを国別、しかも個別、事業主体別にかけていくのか、これは不可能に近いんですね。客観性をどう見るのかということと、一つ残らずちゃんとかけていけることができるのかということですね。
今、確かに京都議定書の枠組みの中にも先進国間の取引がありますけれども、いわゆるホットエア、これは、実は温暖化防止にははっきり言ってほとんど見せかけのことじゃないかと思うんですね。日本は、それを少しでも効果的になるように、そのお金はグリーン開発にちゃんと使ってくれという条件をつけて出しているわけですね、ハンガリーに対して。少なくとも、多少なりとも温暖化防止に貢献があるような使い方をしてくれという条件をつけているわけですね。
それから、このキャップ・アンド・トレードが、では先物市場をつくってというようなことになると、これはまたファンドマネーがそこに殺到する危険があるんですね。石油にちょっと行っただけであんな金額に上がっちゃうんです。そうすると、払う方は多分日本になりますよ。そうすると、今でだってこの議定書に基づいて一・六%を達成するのに三千億とか四千億と言われていますけれども、下手すれば、投機資金がそんな先物市場に行ったら、毎年毎年一兆円を払い続けるみたいなことになりかねないです。
それが本当に地球環境に貢献するのであれば、日本は野たれ死んでも地球は守られたというなら、まだ後世評価されるかもしれませんけれども、日本が野たれ死んで地球環境は何にも改善されないといったら、これは死んでも死に切れないということになりますから。そういう危険性をちゃんと認識した上でちゃんと設計をする必要があると私は思っています。
○近藤(洋)委員 大臣、この点については私もほぼ同感でございます。まあ、これからこの件については、党内にもいろいろな議論がございます、恐らく自民党内にもいろいろな議論があるかと思うんですが、きっちり議論を、実効性のある、要は目的なんだ、何のための制度なんだということが大事なんだろうな、こう思うわけであります。
ちょっと同僚議員のお許しを得て、最後に一問だけ、中小企業庁長官、せっかく来ていただいているので一点だけ、簡潔にお答えください。
事業継承税制であります。事業を同族以外が継承するケースも四割というふうに聞いています。同族に対する非上場株式の軽減については、政府も我々民主党も議論しているところでありますけれども、それ以外の、同族以外の継承、従業員の継承または第三者の継承、こういった環境もやはりあわせて大事だと思うので、どういったことをやられるのか、簡潔にお答えください。それで質問を終えたいと思います。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
税制以外にも事業承継を円滑に行うというのは非常に大事だと思っております。税制以外では、私どもまず考えておりますのは、マッチングセンターのような、おやめになられる方と新しく開業したい方、これをマッチングさせるような仕組みを全国規模で展開していく、そんな予算を今考えているところでございます。
また、親族以外の方、従業員でございますとか、あるいは全く第三者が事業承継をするという場合もあります。そういう場合には非常に資金が必要になるわけでございますので、そういう方々が事業承継のために融資を受けられるような、そんな融資制度も今検討しているところでございますし、また、ファンド機能を使って事業継続ができるような、これは仕組みとしてはもう持っておりますが、こういう機能で事業承継を円滑に行って、地域経済と中小企業の継続といいますか発展に努力していきたいというふうに思っております。
○近藤(洋)委員 ありがとうございます。終わります。
○東委員長 近藤洋介君の質疑は終了いたしました。
次に、北神圭朗君。
○北神委員 おはようございます。
きょうは季節柄、きのうもせっかく平成二十年度の税制改正の大綱が出ましたので、先ほど近藤さんからも話がありました事業承継税制について質問したいというふうに思います。主税局の皆さんも来ていただいていると思います。それで、本来はこれから三十分時間をいただくはずなんですが、大臣が十一時二十分に出られないといけないということで、十一時に終わらないといけないという御指示がありましたので、簡潔に答弁をお願いしたいというふうに思います。
まず、今度、きのうの平成二十年度税制改正大綱で事業承継についてほぼ方向性が決まった、正確に言えば来年の要綱で確定をすると思いますが。これは我々も党内で検討しておりまして、非上場株式の、今は一〇%軽減だ、これを八割以上に軽減してほしいというのが多分経済産業省の要望だった、大臣もそういう要望をされたと思うんですが、結果、八割になったと。それで、あともう一つ、我々が多少びっくりしたのは、納税猶予方式に変わっている。
これについて、方向性としては我々もいいと思っているんですが、民主党内では、非上場株式について一〇〇%軽減をすべきだ。しかも、これもまだ細部は詰めていませんが、納税猶予方式で本当に事業者にとって使い勝手のいい制度になるのかどうか、極めて疑わしい。
そういうところについて伺いたいのですが、まず基本的に、この事業承継税制、なぜ同族会社について相続税を免除するのか、その基本的な考え方について伺いたいと思います。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど近藤先生の質問にもございましたが、地域と経済と雇用を守って日本が引き続き成長していくというためには、事業の承継というのは非常に大事だというふうに私ども考えております。
先生御指摘のような非上場の株式については、なかなか売買できないというようなことで、相続に当たりましては相続税負担というのが非常に大きな課題になっています。中小企業の場合には、その所有と経営が実質的に一体化しているというふうな点もありまして、そういう意味で、一体的な承継というのは必要不可欠だというふうに考えておるところでございます。今回、八〇%の猶予制度をつくるということで、事業承継が円滑に進んでいくということを期待しているところでございます。
○北神委員 これについて、私、きょうちょっと議論をしたいのは、そもそもなぜ免除をするのか。これは、政策減税的な意味合いであれば、確かに、一割であろうと五割であろうと八割であろうと、いろいろな理由をつけられる。
ただ、私は、これは基本的な考え方として、今まで税制については、昔、私なんかが主税局にいたときは、公平、中立、簡素が原則だと。ここ数年、いつからかちょっと私も知らないんですが、経済的中立性というものも一つの大事な視点として入っている。
その経済的中立の観点からいえば、今ほとんどの日本の中小企業は非上場株式会社だ。それが上場株式会社と比較をした場合、上場株式会社の場合は、事業承継をするときに、言ってみれば代表取締役の地位を譲るだけで済む。ところが、さっきおっしゃったように、非上場株式の場合は、所有と経営が一体化しておりますから、事業資産というものを承継する場合に、経営権を承継する場合に相続税がかかってしまう。これは、非上場株式会社を差別する理由がないのであれば、なぜ一方の上場株式会社が承継するときに何ら税制がかからずに、一方の非上場であるだけでかかってくるのか。
つまり、申し上げたいのは、相続税というのは本来は個人にかかるものであって、企業、もちろん同族会社というのは個人という考え方もあるんですが、やはりこれは、経済政策的に見ると同じ企業なんですよ。そして、非上場株式や同族会社が悪いということは全くないはずです、経済産業省の方針としても。ここの整理がやはり、私らが一〇〇%と言っているのは、もちろんイギリスが一〇〇%軽減をしているというのもありますが、むしろ考え方として、本来相続税がかかるのはおかしいんじゃないか、そういう考えなんですよ、個人的に。これについてどのようにお考えか。
ただ、現実には租税回避とかこういう問題があるからいろいろな工夫をしているんだろうけれども、本来、本当に同族会社にだけなぜ相続税がかかってしまうのか、経済的中立性の観点からどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
○川北政府参考人 お答え申し上げます。
相続税の性格、機能につきましては、従来からいろいろな御議論がございますけれども、基本的には、無償の財産取得であります遺産の取得に担税力を見出して課税するということで、所得の稼得に対して課される個人所得課税の補完というふうに考えられておりますが、その際、資産の再配分を図るという役割も果たしているということでございます。
お話は、上場株式あるいは非上場株式の御議論ございましたが、相続税という意味からおきますと、株式についての財産というところについては中立的な課税を行うというのが基本でございます。
○北神委員 資産について中立な課税を行うのが基本であるならば、なぜ上場株式と非上場株式の間でこういう差が出るのか。
もちろん、今回の税制改正大綱にもありますように、事業の継続、要するに、租税回避を防止するために五年間事業を継続するとか八割の雇用を維持するとか、こういう条件をつけるのはよくわかるんですよ。それは大事だと思います。しかし、本来、経済産業省というか中小企業庁の観点からいえば、非上場株式会社と上場株式会社の承継に当たってイコールフッティングになっていない。これについては、私はやはり、イコールフッティングするのであれば、我々民主党内で今議論しているように、八割じゃなくて、やはり一〇〇%軽減しないと筋が通らないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
まず、非上場と上場ということで、相続税の観点はお互い評価されるわけでございますが、非上場株式というのは売買ができないという現実がございます。上場会社の場合には、マーケットがありますのでそこでいろいろな売買ができて、そういう評価の中で相続税負担能力、担税力といいますか、それがあると思うわけでございますが、非上場の場合だと、評価はされますが、どうやってそれをマーケットに出していくか、その方策がないというのが現実問題でございまして、それがまた非上場の会社の事業承継を非常に困難にしている。
先ほども御質問がありましたが、資金がどうしても必要になるわけでございまして、そういう意味で融資制度とかというお答えを申し上げましたけれども、そこが非上場と上場との大きな違いじゃないかというふうに思っています。
それから、八割につきましては、現在、既に事業用の土地につきましては一定規模でございますが八割軽減するという制度がございまして、株式については一割というのが現状制度でございます。
海外を見てみますと、例えばフランスでは、株式、土地を問わず七五%、それからドイツでは、現在八五%を軽減する法案を準備中だというふうに聞いております。イギリスでは、株式が一〇〇で土地が五〇ということになっていますが、そういうふうなことを見まして、私ども現在、土地の点で八〇%という数字が出ているものですから、土地と株式、同じく八〇%の軽減あるいは猶予、こういう制度を一体的につくっていくというのが事業承継の円滑化のためには必要なんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
○北神委員 今説明があったのは、非上場株式の場合は市場になかなか出せない、したがって評価がなかなかつきがたいということですよね。でも、実際は、問題はそういうことじゃなくて、中小零細企業の場合は経営権をそのまま継承しないといけない。したがって、非上場株式を継承しないといけないわけですよ。
そこで、本来は私は、企業活動として使われる事業の資産というものは相続税がつくべきじゃない、上場株式会社との並びでいえば。その考え方はどう思いますか。これは別に学説でも何でもなくて、私の一つの切り口なんですけれども。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
上場株式の場合には、例えば一族で何十%を持っておられるというケースは、オーナー企業は、オーナー企業でも最近は少ないと思いますが、せいぜい数%で、それがすぐ現金化されるということで、先ほど審議官の方からお答えありましたように、相続税の観点でそういうふうな現在の仕組みができている。非上場の場合にはそこが売買できないという点でございます。
ただし、非上場の場合も、現在、ある意味で評価をしてそこに相続税をかけるという仕組みが、中小企業の場合には負担が非常に大きいんじゃないかというふうに考えている次第でございます。(発言する者あり)
○北神委員 質問が違うというか、考え方の問題を言っているだけであって、要するに、政策的に単に事業を、だから、皆さんが言っているのは、本来非上場株式会社について相続税が課税されてしかるべきだという考えですよね、おっしゃっているのは。それで、でも、それは大変だから、なかなか評価されない、そういう意味で大変だから軽減をすべきだ、そういう考えも私はわかりますよ。そういう考え方もあると思いますが、むしろ、経済的中立性を考えたら、上場株式会社と非上場株式会社を、同じ承継をするんですよ。同じ承継するのに一方で税金がかかる、一方がかからない。(発言する者あり)いや、承継の問題だけをとらえているわけですよ。
だから、そういう意味では、経済政策としてやはり並びを、中立性を税制上考えるべきじゃないか、それを質問しているんですね。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
非上場と上場の場合は、持ち株数というのが相当違うという消せない現実があると私は思います。したがって、理屈で経済的にイーブンにするというふうな話が成り立たないんではないかというふうに私自身は思っておりますし、今回、いろいろな議論でも、売買できない非上場の株式については猶予制度をつくっていこうというような結論に今なっているというふうに認識しております。
○北神委員 時間がないので、とりあえず私の考え方だけちょっと申し上げたかったので。
あともう一つは、納税猶予方式にしている。これも、今まで一〇%のときは納税猶予じゃなくて、今度八〇%にするに当たって納税猶予になった。これは、納税猶予というのも一つ租税回避の対策だということはよくわかるんですが、一方で、五年間事業を継承することも条件として課されている、八割の雇用も課されている。こういった中で、果たして納税猶予というのは、実際に相続をされた後にいろいろな問題があり得ると思うんですよ。
例えば、生前贈与をしたいというときにどういうふうに考えるのか。というのは、今のままだったら大体、死ぬまで株式を保有していないと免除されない。ほかにもいろいろ条件をこれから調整されると思いますが、生前贈与の問題とか、あるいは株式の評価が下がった場合で、それで売ったときに、相続時点で多分評価が決まるというふうに思いますので、その下がった分どうするのか。これはかなり事業者にとってつらい話だ。もう一つ考えられるのは、当然持ち合いですよね、取引先との持ち合い。こういうのも、それは、ずっと景気がよければ何ら問題はないかもしれないけれども、そういったことを考えると、納税猶予方式にわざわざすることはあるのかなと。
租税回避の防止措置としては、五年間事業を継続することと八割の雇用を確保するぐらいでもう十分じゃないかと思うんですが、要望側としてどういうふうにお考えなのか。あるいは財務省でもいいですけれども。
○川北政府参考人 お答え申し上げます。
今回の事業承継税制の前提となります経済産業省の方で検討中の法的枠組みにつきましては、経済活力の維持ですとか雇用の確保を目的としまして事業承継の支援を行うということと承知しております。したがいまして、この目的に資する税制とするために、相続後の事業の継続等を要件といたしまして税負担の軽減を行うこととしたものでございます。
このため、事業承継における税負担の軽減のやり方でございますけれども、申告時には納税を求めずに、事業継続等の要件が満たされる限り納税が猶予されるという一方、将来事業継続等の要件を満たさなくなったような場合には納税していただくという形の納税猶予方式の方が適当であるというふうに考えた次第でございます。
○北神委員 だから、事業承継の趣旨として、事業は継続されなければならない。ただ、現実問題として、承継された後、景気の変動とかいろいろあるわけですよね。ですから、納税猶予方式にするとその辺の使い勝手が非常に悪くなる。
これから一定の条件というところでまた皆さんもいろいろな例外を設けるんだと思いますが、ぜひとも、要望として、生前贈与の場合どうするのかとか、株式が極端に下がった場合どうするのか、あるいは倒産ということももちろん考えられるわけですよね。事業を承継したいというふうに思っていても、倒産をした場合、納税猶予だったらそこでまた、払わなくていいのか、その辺も恐らく細部を詰めないといけないというふうに思いますので、角を矯めて牛を殺すようにならないように、使い勝手のいいようにやはりこの税制の方式を改正してほしいというふうに思います。そこをよろしくお願いしたいというふうに思います。
あともう一つ納税猶予について、農地の方との並びで多分納税猶予の方式にしていると思うんです。農地では二十年間相続税の猶予という方法がある。その並びで多分今回入れたというふうに思うんですが、これについても、農地の場合は、農業政策として、当時、昭和四十年代に地価が上がって、農地の地価も上がって、相続税的な負担があった。その中で、農地をある程度確保しないと農業政策として非常に問題があった。そういう意味では、中小零細企業の事業承継とはちょっと本来は目的も違うはずなんですよね。
だから、農地を確保しないといけないという政策目的には確かに納税猶予方式というのは適当だというふうに思いますが、この事業承継に本当にそれはふさわしいのか、その辺についてどういうふうにお考えか、教えていただきたいと思います。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
一定の事業継続要件というのを、数字はまだ決まっていませんが、五年とか雇用を八割確保するとか、いろいろな議論を今しているところでございますが、この一定の継続期間をウオッチしていかなきゃいかぬというふうな観点で今回この猶予制度にしたというふうに御理解いただけたらと思います。
先生御質問ありましたいろいろなケースが出てくると思っていますので、現在その法案の準備をしていますが、できるだけ使いやすいような、そういう制度に全力を挙げてつくっていきたいというふうに考えてございます。
○北神委員 経済産業省の方も財務省といろいろ気を使いながらやらないといけないというのはよくわかるんですが、根本的な問題意識として、やはり私は、経済産業省の観点からいえば、事業承継というものは、技術を残すとか雇用を確保するとか、そういったこともありますが、やはり経済的中立性の観点というものは非常に、今まで余り議論されてこなかったことだというふうに思うんですよ。そういう観点からいえば、本当に相続税をかけること自体が適当なのか。
ただ、現実問題として、確かに租税回避の問題があるからそこについてはいろいろな工夫をしないといけないけれども、基本的な考え方によって、単なる政策減税でちょっとまけてやろうか、だから、腰だめの数字で、土地との並びということで八割になっているということでしょうけれども、やはり基本的な哲学のところを一遍中小企業庁でも考えていく必要があるんじゃないか、そのように思います。
そういう観点で、私たち民主党の中ではできるだけそういう整理で、非上場株式については一〇〇%減税をする。しかも、納税猶予方式というのはやはりふさわしくないんじゃないか。今まで一割減のとき、現制度が納税猶予方式じゃなくて、なぜ八割になったら納税猶予方式になるのか、この辺の整理もよくわからない。
そういうことも含めて、大綱はきのう出たんですが、要綱は来年の一月に出ると思います。まだ折衝する余裕はあるというふうに思いますので、ぜひともこの中小零細企業の事業承継というものを使い勝手のいいものにするために大臣には奮闘していただきたいと思いますが、最後に、今の議論を聞いて大臣の率直なお考えを伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 中小企業が企業として存続をしていく、これは、雇用の点でも日本経済を下支えしていくという点でも極めて重要なことであります。
問題は、個人の相続が企業の存続と直接結びついてしまうというところに問題があって、業績はいいのに事業をやめなきゃならないという事態になってしまうと、日本経済を支えていく上でも、あるいは雇用を支えていく上でも問題があるということで、何らかの抜本的な措置がとれないかということで今回取り組んだわけであります。
詳細部分についてはこれからいろいろ議論があろうかと思います。御指摘にありますように、相続したはいいけれどもたちまち処分しちゃって、課税上も恩典を受けて、しかし義務を果たさないなんということにならないように、どう設計していくかということで今回のことになったんだと思いますが、税というのは理論ですから、上場企業との間の税理論上の整合性がとれるかという問題は、まさに税を取り扱っていらっしゃった先生の御指摘は基本論としてあるかと思います。しかし、それを踏まえながら、現実論としてどう社会的目的を達成していくかということで苦労している。
詳細設計についていろいろとこれから取り組んでいくわけでありますが、いずれにしても、日本の中小企業というのは、中小企業基本法の変更のときに、いわゆる社会的弱者的存在から日本経済を支えていく源泉であるというふうに基本的な考え方が変わっていますから、その源泉たる使命を果たしていけるように、種々の中小企業政策、税制、金融、予算を含めて取り組んでいきたいというふうに思っております。
○北神委員 ありがとうございました。
○東委員長 これにて北神圭朗君の質疑は終わりました。
次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
きょうは、私、原油価格高騰問題について質問をしたいと思います。
原油価格高騰では、町村官房長官にせんだって緊急対策を申し入れしましたが、政府としても、先日、関係閣僚会議を持って緊急対策を発表されました。この対策で私は二つのことが大事だというふうに思っているんです。一つは、当面する緊急対策として何をするかということと、もう一つは、原油価格高騰、特に最近のものは投機資金が暴れて上げているということはもうみんなの共通の認識ですから、この投機資金の規制をどうするのか、この二つのことが原油価格高騰対策でやはり大事だというふうに考えるものであります。
実際、投機資金が暴れ回って原油価格がどんどんどんどん高騰していったら、緊急対策をとっても、それがたちまちにして無力なものになってしまいます。だから、それだけに最初にまず伺っておきたいのは投機規制の方なんです。
ことし六月の六、七、八、ハイリゲンダム・サミットが開催されましたけれども、議長国ドイツは、ヘッジファンドの透明性を高める業界の自主的ルールとして行動規範を導入するように求め、フランスなどもそういう主張をしたということが伝えられております。
そして、サミット準備のための五月十八、十九のG8財務大臣会議が開催されたときも、それに先立つ五月の十日に渡辺博史財務官が記者団に語っておられるところでは、議長国ドイツが規制強化に前向きな姿勢を示している、これに対して、米、英、日本などは、ヘッジファンドに資金を供給している金融機関への既存の監督ルールを使うべきだ、つまり、直接的な関与、規制には否定的な立場を示したということが伝えられております。
サミットで安倍総理とブッシュ大統領は議長国ドイツの提案した投機規制に結局反対したという立場ではないかと思うんですが、この点について最初に伺っておきます。
○中尾政府参考人 お答えいたします。
確かに、先生おっしゃいますように、六月のハイリゲンダム・サミットにおいて、ヘッジファンドについて随分議論がなされました。それから、その準備段階である五月の財務大臣会合においてもいろいろ議論がなされました。
先生が御指摘のとおり、ドイツは、ヘッジファンドの持っているいろいろな問題の方、側面、これは、金融システムの安定性に影響があるとか、それからマーケットをいろいろ混乱させていわば健全な市場が阻害される、いろいろな問題が指摘されておりますけれども、そういう点に注目して、特にヘッジファンドについて、直接、ヘッジファンド自体の行動規範というか、コード・オブ・コンダクトというかそういうものを設けて、ヘッジファンド自身が適切な運営を行っていくように求めていくという立場にやや傾いておりましたけれども、先生御指摘のとおり、余りそういうことをやりますと実質的に規制を強めるということで、これに対しては、ヘッジファンド自身が、価格が非常に乱高下するときに、むしろ安いときに入っていって買って高いときに売るというような市場の安定的な機能だとか、取引が成り立たないときに取引を成り立たせる、要は流動性の供給というような機能も持っているので、余り直接的な規制をするべきではないという立場に立つ意見もございまして、結果的には、ベストプラクティスというかよい行動規範というもの、実務上の慣行を業界自身がつくっていってくれることを期待するような、そういう方向になってまいったわけでございます。
実際、イギリスやアメリカで、民間のヘッジファンド団体が透明性をきちっと高めて投資家や取引相手との間でもきちんとした報告をしていくという方向に動いておりまして、そういう形で、ヘッジファンド自体の自主的な実務的な慣行、グッドプラクティスと、それからその取引相手の金融機関等あるいは投資家自身が健全性についてきちっと注目していくということで、ヘッジファンドの過度の投機的な動きを抑制するような方向になってきていると認識しております。
○吉井委員 いろいろお話があったんだけれども、要するに、一言聞きたかったのは、ドイツが投機資金の規制を主張した、これに対して日本としてはそれに賛成しなかった、この立場ですねということを、反対する立場ですね、そういう立場をとったんですねということだけ一言聞いておったんです。
○中尾政府参考人 失礼しました。
日本も、反対ということではなくて、いろいろな議論を進めていく中で、このサミットの財務大臣会合の前にも金融安定化フォーラムというG7でつくっておるフォーラムがございまして、これは各国の財務当局、それから金融規制当局、中央銀行が入っているところですけれども、そこでも、やはり取引相手とか投資家の健全性をきちっとやっていくということがヘッジファンドの投機的な行動の抑制にもつながるというような合意が大体ございまして、いろいろ議論をしていくうちに、より現実的な解決ということでサミットの宣言のようになったということで、ドイツの案に日本は直ちに反対したということではないだろうと。
○吉井委員 サミットに行く前の準備の会の段階から、ドイツは投機資金規制ということを出してくるとよく知っていたわけで、それに対して日本は既存のルールでやっていくということで、実質的にこのドイツの投機資金規制については賛成しないという立場をとってきたということは記者会見などでも言ってこられたわけですから、いろいろお話しされたけれども、そのことを私は聞いているんです。そのこと自身は、態度として、確認したことは間違いありませんね。
○中尾政府参考人 ヘッジファンドを例えばその規制の......(吉井委員「いやいや、長い説明はもうさっき聞きましたので」と呼ぶ)対象として直接規制していくということについて余り賛成ではないという立場をとってきたことは事実だろうと。
○吉井委員 それで、大臣、今の燃料費の高騰、それからそれに関係する原材料費などが上がってくる中で、業種が広いんですね、トラック運送業者からクリーニングから、私この間大阪の方で聞いておったらお好み焼き屋さんまで、物すごく上がって経営が大変だとか、農漁業の分野まで、広い範囲で今経営危機が広がっているわけです。
これだけ燃料とか石油製品の価格急騰の中で、返済期間を延ばしましょうとか、少し新たな基金を積んで保証してあげましょうと。私、それをあかんと言っているのと違うんですよ、それはそれでいいんですけれども、しかし、今の原油価格の上昇がとまっていない中で、その事態が続いていったら、これはなかなか、幾ら対策をとってもきいてきませんから。
ですから、せめて高騰する前の水準まで引き下げさせるために、国際的な協調で投機資金の規制をするという政府としての積極的な取り組みというものが、その努力が必要だと思うんです。これは大臣に伺っておきます。
○甘利国務大臣 先ほど来御指摘のとおり、当面行う対処策というのは、これは抜本解決にはならない、おっしゃるとおりです。いかにセーフティーネット貸し付け・保証、あるいは既往債務の返済条件の緩和をしても、それ自身が抜本解決にはならないというのは御指摘のとおりです。
それで、もとを適正化しなければならない。現状の価格高騰の主要原因はカントリーリスク、それに基づく先物へのヘッジファンドの投機投入ということにあるわけです。ただ、世界じゅうのお金が、どこに投資をするのか、投資というよりも投機だと言われますけれども、これは原則自由でありますから、直接話法で規制するというのは極めて難しい、いろいろな波及を考えると難しいんだと思うんですね。
ですから、間接話法で適切な行動を促す。そうしないと実はファンド自身にまではね返ってきますよ、世界同時不況のようなことになれば、ファンド自身の運用が焦げつくようなことになって、結局あなた方だって損するんですよ、ファンド資金の健全な運用というのは、健全な世界経済の発展があって初めて中長期的に担保されるんですということを理解させなきゃいけないんだと思うんですね。
そこで、経済産業省の発意で、IEA、国際エネルギー機関にその種の関係者、つまり、金融関係者それからもちろん石油の関係者、政府関係者が集って対話の場を設ける。いろいろこの問題について議論をしましょうということは何を意味しているかというと、そういう健全な世界経済の発展の上に、運用資金の運用というのは中長期的に成り立つんですよということを、メッセージを送りたいというふうに思っているわけなんです。
なかなか直接話法で、直接手を突っ込むということが自由主義市場経済の上で原則論を招きかねないというところにちゅうちょする点がありまして、若干、靴の上から足をかくような思いをされている方は多いかと思いますが、全体の基本原則をゆがめない形で適切な行動を促すような、そういうメッセージ、ある種の間接プレッシャーをどうかけていくかということでみんな苦労しているんだと思います。
○吉井委員 十月の財務大臣・中央銀行総裁会議で、ドイツは投資ファンド規制を訴えていますが、その背景にあるのは、財務体質が優良だったドイツの世界的企業がファンドの企業買収、荒波にさらされた経験があるということで、ミュンテフェリング副首相は、ヘッジファンドやプライベートエクイティーの振る舞いをイナゴの大群、イナゴの群れと呼んで、監視と規制の強化を主張するとともに、ファンドへの税制優遇をやはりやめるべきだ、こういうことをドイツは主張しているわけですね。
さて、原油高騰となりますと、ガソリンがもちろん上がってきますが、そうするとバイオエタノールが売れるということで、穀物生産からエネルギー生産へと今度は投資の方向が変わってくる。それが穀物価格の高騰等、世界的には飢餓の問題とか新たな危機を生み出してしまうという問題がありますし、既に始まっておりますが、森林を伐採してエネルギー作物に転換する、環境上も深刻な問題を引き起こしてくるということが始まっております。
考えてみれば、日本は、エネルギー自給率が六%を切っておりますし、それから食料自給率はカロリーベースで三九%ですから、投機資金が暴れて原油価格の高騰、そしてバイオエタノールへ投機資金が流れて穀物価格の高騰とかなってきたときに、一番被害を受けるのはやはり日本なんですね。ですから、そういう点では、だからこそ政府は、サミットではドイツの提案に賛成するという立場をとっておりませんが、本当は世界で一番投機資金規制に強力に取り組む必要があるというふうに思うわけです。
次に、具体的な話で、中小のトラック運送業者などの経営を見ると、今ぎりぎりのところへ来ておりますが、そのとき、幾ら、政府が言っている、サーチャージ制度だとかいってガソリン、軽油の上昇分を価格転嫁してもらおうと思っても、荷主は簡単には乗ってくれないという状況もありますが、レクなんか受けていますと、石油価格に介入する政策を日本は市場経済だからとってないと言うんですね。しかし、実際には、政府は市場介入しているんですね。それが石油諸税ですよ。
自動車道路税の一般財源化という考え方を日本共産党はとっていますが、政府と考え方の違いがあったり、税制の扱いの抜本的検討が、政府の皆さんが時間がかかるにしても、今、急騰する前の一バレル六十ドル台に価格が下がるまで、石油諸税の中の暫定税率、暫定的に引き上げている分、上積み分をゼロにする取り組みなんかはできるわけですよ。
これをやらなかったら、中小企業や農漁業やトラック運送業など、経営が成り立たないというところへ来ておりますから、私は、この点では、急騰した分がせめてその前の水準に戻るまでは、政府としては、税制体系全体を議論しておられるにしても、暫定税率をその間は下げるということをやはり考えるべきだと思うんですが、大臣、どうですか。
○甘利国務大臣 まず、暫定税率が本則税率と同じ二十四・三円かかっている。道路の特定財源としての財政需要、つまり道路需要が本則分では賄えないという現実があります。あわせて、日本の財政状況は先進国中最悪の状況にある。つまり、我々は何重苦かの中で対策を講じなければならないわけであります。
財政再建の中で諸問題にどう対処するか。ですから、私としては、燃費効率のいい予算、政策効果を従来より少ないお金でできるような予算、政策構造にするということを提案しているわけであります。
石油価格が上昇していて、関係業界が相当な打撃を受けている。ガソリンスタンドもそうでありますし、運送事業者は、一円価格が上がると相当な金額の利益を吐き出す、もうほとんど利益がないという状況であります。
ただ......(吉井委員「抜本改革とか検討に先立って、この短い期間でも」と呼ぶ)実需を超えたバブル価格がおさまるまでの間云々というお話でありますが、基本的には、価格が上がった分を全体経済がちゃんと、少しずつでも受けとめるということが原則だと思っておりますから、私としては、荷主の関係者に、原油や原料資材の高騰の分についてしっかり価格に転嫁して、受けとめてもらいたいという要請は行ってきているわけであります。
やはり財政的なマグニチュードがかなり大きいということと、道路財源等の需要もカバーしなければならない、もろもろのことを考えて、なかなか御提案のとおりにはいかないのではないかというふうに考えております。
○吉井委員 投機規制の努力がまず必要なんですが、投機規制の努力をして、国際的にも頑張って急騰以前まで下げれば、それは一カ月で下げれば一カ月間でいいわけですし、二カ月かかれば二カ月間となりますが、せめて、税体系とか全体の議論、検討は少しおいておいてでも、緊急にそのことに手を打たないことにはどうにもいかないところへ行っているという現実ですね。その点を私は伺っているわけです。
インド洋で、給油活動で、米軍などに二〇〇一年度から累計で約四十九万キロリットル送り、総額で二百二十五億円使っておりますが、このときの油単価は、二〇〇一年度はキロリッター当たり三万七千円であったのがことしは八万八千円と、つまり油価は二・四倍ふえたわけですが、それは全部、米軍にただでやるわけですから、税金で見ているわけですよ。
米軍には、油価が上がっても、二・四倍になれば全部見ているんだけれども、ではそれに見合う分を、運送業者や漁に出る漁業の油もみんな大変になっているわけですから、それを補助金の形で出すのか、それとも、暫定税率を騰貴がおさまるまでゼロにするとか、何としても今の中小企業や国民の暮らしを守るという、その立場に政府が立ち切ることが大事だと思うんです。
私は、その点でもう一度、ずっとについては税制の抜本的な検討が必要ということで大臣と意見の違いはあったとしても、急騰しているこの時期、下げさせる努力をしながら、下がるまでは暫定税率をゼロにする、その立場に立つことさえできないんでしょうか、そこを伺っています。
○甘利国務大臣 インド洋沖における対処は、湾岸地域から油を運んでくる、その海上ルートの安全性の確保というのは、一番裨益しているのは日本でありますから、別な視点から日本がとるべき行動というのは当然あったわけであります。
国内的には、やはり経済ですから、政府として抜本的対処をしていく。産油国に増産を働きかけたり、石油市場への投機に対して自制を求めたり、そういうことはやっていきますが、基本的には、市民経済の中での価格の変動は経済全体として適切に吸収されていく仕組みをしっかりとつくっていくことが基本だと思います。御指摘の思いはわかりますけれども、担当大臣としてはなかなか難しいなという思いであります。
○吉井委員 時間が参りましたので終わりますが、どうも政府の方は策なしという印象だけ強く持ちました。
終わります。
○東委員長 これをもって吉井英勝君の質疑を終わります。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十二分散会

























