政府参考人出頭要求に関する件(副大臣答弁) 衆議院法務委員会-5号 2007年12月07日
政府参考人出頭要求に関する件(副大臣答弁)
168-衆-法務委員会-5号 平成19年12月07日
○下村委員長 これより会議を開きます。
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局長米田壯君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君、法務省大臣官房訟務総括審議官貝阿彌誠君、法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君、法務省民事局長倉吉敬君、法務省刑事局長大野恒太郎君、法務省矯正局長梶木壽君、法務省矯正局矯正医療企画官福田祐典君、法務省保護局長藤田昇三君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務省大臣官房審議官田辺靖雄君、外務省領事局長谷崎泰明君、厚生労働省大臣官房審議官宮坂亘君、厚生労働省大臣官房審議官草野隆彦君、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君、経済産業省大臣官房審議官瀬戸比呂志君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長上田隆之君、防衛省人事教育局長渡部厚君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○下村委員長 次に、お諮りいたします。
本日、最高裁判所事務総局小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○下村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水野賢一君。
○水野委員 おはようございます。自由民主党の水野賢一でございます。
先日、本法務委員会におきましても東京拘置所を視察して、そして刑場を見るなどいたしましたので、まず、死刑の問題からお伺いをいたしたいと思います。
端的にお伺いしますけれども、死刑判決が確定してから執行されるまでの平均年数というのはどのぐらいでしょうか。
○大野政府参考人 死刑が確定してから執行されるまでの平均年数でありますけれども、平成九年から平成十八年までの十年間、死刑を執行された者三十名につきまして調査いたしましたところ、平均期間は約七年十一カ月であります。
○水野委員 そうすると、必ず問題になるのが、刑事訴訟法四百七十五条二項との関係なわけですね。四百七十五条の二項にはどう書いてあるかというと、死刑の執行命令というのは、「判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。」というふうに書いてあるわけですね。
それで、六カ月と書いてあるのになぜ七年、八年かかるのかということはよく議論されるわけなんですけれども、法務省側の答弁というのは、大体今までおっしゃっていたのは、この四百七十五条の二項にはただし書きがあるんだ、ただし書きには、例えば再審の請求とか恩赦の出願とか、そういうようなものがあったときにはそういう期間をカウントしないから、そういうようなこともあるから六カ月というのは超えることもあるというような説明をされることも多かったわけなんです。
確かに、再審請求をするような死刑囚もいるでしょう。しかし、しない死刑囚の方もおるわけですよね。そうすると、このただし書きにあるような再審請求とか恩赦の出願などをしなかった死刑囚の場合、判決確定から執行までの平均年数というのはどのぐらいになるでしょうか。
○大野政府参考人 再審請求や恩赦の出願などの事由、つまり刑事訴訟法第四百七十五条第二項に規定される事由がない者について、判決確定から執行までの平均期間でございますけれども、先ほどと同様、平成九年から平成十八年までの十年間において死刑を執行された者につきまして調査いたしましたところ、この期間は約四年三カ月でございました。
○水野委員 先ほどの七年十一カ月という数字は今までにもいろいろ答弁などでおっしゃっていたことはあると思うんですが、この四年三カ月という答弁は、初めてこの数字を出してきたのではないかと思います。
ちなみに、私は死刑制度というのは必要だと思っております。また、政府はよく、慎重かつ厳正にという言い回しをしますよね。確かに、私もそのとおりだと思います。人の命を奪う刑でありますから、慎重でなければいけない、乱用すべきものではないかもしれないけれども、さはさりながら、法治国家である以上、確定した判決というのは厳正に執行される必要もあるというふうに考えております。
刑事訴訟法四百七十五条二項に六カ月とある、そして、再審請求とか恩赦の出願がない場合でも四年以上執行にかかっているという御答弁がありましたけれども、そうなると、この六カ月以内の執行を定めた規定というのは一体何なんだということになるわけですね。
副大臣、この規定というのは、義務として守らなければいけないような規定というのじゃなくて、単なる訓示規定というか、そういうものなんだというふうに解説書なんかに書いてあるものもありますけれども、これは政府としては単なる訓示規定というふうに解釈していらっしゃるのでしょうか。
○河井副大臣 水野先生におかれましては、私の前任の副大臣でございまして、この分野にも大変お詳しいと存じます。その上で、御質問をしていただいたと思います。
今御質問の点でございますけれども、一般に言いまして訓示規定である、そのように法務省としても考えておりまして、例えば、平成十年三月二十日の東京地裁判決におきましては、この第四百七十五条二項に反したからといって、すなわち法的拘束力のない訓示規定であると解するのが相当である、そういうふうな判例もございます。
○水野委員 世の中の法律の中には、法的拘束力があるというよりは、理念的なことを書いた法律というのもたくさんあるわけですよね。
話はちょっと飛びますけれども、民法の中には、例えば民法七百五十二条なんかは、夫婦は互いに協力して扶助しなければならないというような規定もあります。こんなようなものはかなり理念的なもので、それは世の中、法律に幾らそう書いてあっても助け合わない夫婦もあるかもしれませんし、いろいろな場合があるんでしょうけれども、しかし、そういうような規定とこの刑事訴訟法の規定というのはいささか違って、例えば六カ月というような数値目標なんかも入っていたりとかするわけですよね。
これは、事務方で結構なんですけれども、六カ月というような具体的な数値が入っているような法律で、政府が守っていないなどというような法律はほかにあるんでしょうか。
○大野政府参考人 今御指摘のありました、具体的な期限を定めながら訓示規定というように解されているものにつきまして調査いたしました。
法律ということとはちょっと違うかもしれませんけれども、最高裁規則の刑事訴訟規則第二百九十条第一項に、「略式命令は、遅くともその請求があった日から十四日以内にこれを発しなければならない。」という規定がございます。しかし、これは十四日を超えてもその有効性が否定されるわけではないということで、訓示規定と解されているのではないかというふうに考えております。
○水野委員 ちょっと視点を変えた質問をしたいと思いますけれども、この四百七十五条の次に四百七十六条があるわけですね。この四百七十六条は何を定めているかというと、「法務大臣が死刑の執行を命じたときは、五日以内にその執行をしなければならない。」というふうに書いてあるわけですね。
では、この五日以内の執行という方は、こちらの方は例外なく守られているのか、それとも、時々は五日じゃなくて、署名から十日後に執行したとか、そういうことも過去にはあるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○大野政府参考人 ただいまの死刑の執行、大臣の署名から五日以内の執行という規定が刑訴法四百七十六条にあるわけでありますけれども、この関係につきましては、法の規定に従いまして、死刑は必ずその命令の発出から五日以内に執行されております。
○水野委員 そうすると、四百七十六条の五日以内というのは法の規定が完全に守られていて、四百七十五条二項の六カ月以内の方は、これは訓示規定で、守らないというか、少なくとも守らない場合は構わないというような、ちょっとその辺、私は非常に矛盾があるんじゃないかと思います。
では、今刑事局長が答弁された四百七十六条の方ですね、五日以内の執行。これは義務だから完全に守っているのか、それとも、これも単なる訓示規定なのか、この辺、副大臣いかがでしょうか。
○河井副大臣 この四百七十六条は、「法務大臣が死刑の執行を命じたときは、」と、ちゃんとはっきりと法務大臣の命令であるということが明記されております。その性質上、五日以内の執行をすることは義務規定であり、当然のことだ、そのように考えております。
○水野委員 四百七十六条の方は義務規定で、四百七十五条二項の方は訓示規定だというふうに、いわば政府の方がこの法律ができた後に、この法律は訓示規定だとか、この法律は義務規定だということを比較的後づけに、これは守っていい、これは守らなくていいということがあっていいのかなというふうに私は思うのです。やはり、法律というのは書いてあることを、それは中には例外があるかもしれませんけれども、原則的にはしっかりと守っていくというようなこと、つまり、六カ月以内の執行というようなことは、それがやはり原則であるべきではないか、例外はあると思いますよ、そういうような気がいたしますけれども、質問を進めていきたいと思います。
死刑の執行の方法、これは刑法十一条に絞首刑ということが定められているわけですね。死刑の方法として絞首刑が採用されている理由は何でしょうか。
○大野政府参考人 死刑の執行が絞首刑のみになりましたのは、明治十三年七月十七日に公布された刑法、これは明治十三年の太政官布告第三十六号ということでありますけれども、ここで絞首のみになったということでございます。
そして、死刑の執行の方法が絞首のみになった理由につきましては、古いことでありますので必ずしもその詳細は明らかでございませんけれども、この刑法の編さん委員の一人でありましたボアソナードが、絞首のみにした理由につきましてと申しますか、それまでは、いわゆる斬首というものもあったわけでありますけれども、絞首は斬首に比べれば残忍でないというような趣旨の説明をした記録がございます。
○水野委員 このあたりの問題というのは、とかく憲法三十六条との関係で議論されることがあるわけですね。憲法三十六条は、残虐な刑罰を禁じているわけでございます。
そこで、私はそういう解釈をとりませんけれども、人によっては、死刑はもしくは絞首刑は残虐な刑罰なので憲法違反だ、そんなような議論もあったりするわけですが、政府としては、絞首刑は憲法三十六条が禁じる残虐な刑罰には当たらないというふうに解釈していると思いますけれども、だからこそ、それで執行しているんだと思いますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
○河井副大臣 そのとおりでございます。
最高裁判所の昭和二十三年三月十二日の判決で、まず、刑罰としての死刑そのものが、一般に直ちにいわゆる残虐な刑罰に該当するとは考えられないということで、死刑について規定をしております。その上で、昭和三十年四月六日の同じく最高裁判所の判決におきまして、現在わが国の採用している絞首方法が他の方法に比して特に人道上残虐であるとする理由は認められない、いわば二段論法によりまして、残虐な刑罰、日本国憲法三十六条が禁じているものには当たらないと考えております。
○水野委員 逆に、では執行方法として、憲法の禁じる残虐な刑罰、残虐な死刑の方法というのは、こういうものは憲法の禁じるような刑罰だというのはあるんでしょうか。
私は、例えば火あぶりとかかまゆでとか、そういうようなものは憲法の禁じる残虐な刑罰になるんじゃないかなと直感的には思いますけれども、この辺はいかがでしょうか。
○河井副大臣 これにつきましても、昭和二十三年三月十二日の最高裁の判例がございまして、一般的には、やはり時代ですとか環境でこの残虐の考え方も変わるわけでありますけれども、火あぶり、はりつけ、さらし首、かまゆでの刑のごとき残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそは、まさに憲法第三十六条に違反するものというべきであると指摘されておりますので、石川五右衛門は今ではやってはいけないということでございます。
○水野委員 そういうことだと思いますね。
さて、大臣が来られたところで、早々での質問で申しわけございませんけれども、死刑制度、死刑のあり方についていろいろと今議論されているということが報道されております。従来は、死刑は執行後に何名執行したというような事実、それだけ発表していたのに対して、つまり、具体的にこの死刑囚に対して刑を執行したというようなことは発表されていなかったわけですね。少なくとも、法務省側が積極的に公表するということがなかったわけですけれども、今後はこれを見直して、どの死刑囚に刑を執行したのかというようなことを公表する方向だ、そういうような報道などもございますけれども、この問題についての検討状況などについて大臣にお伺いをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 水野先生御指摘の点は、従来、人数と日にちしか発表しない、何か相当昔は一年間のトータル人数しか発表しない時代があったというようなうわさを聞いたことがあります。これは、私が正しいかどうかは別でございますが。
そこで、大変悩みまして、勉強会あるいは非公式に局長さん方といろいろ話し合いをしました。十一月三十日に一部新聞が公表することになるという報道をしたわけですが、その時点では全く決めておりません。非常に悩みの極にあったのが十一月三十日と言ってもいいかもしれません。
その後、さらに勉強会あるいはさまざまな検討をいたしまして、今まで、死刑の執行をだれにして、どこでしてというようなことが、その執行された方の家族とか関係者とか、あるいは前にいた他の死刑確定者ということもあるかもしれませんが、そういう方々の心情を考えて、あのような人数だけを公表するという形であったわけです。
他方、やはり一般の情報公開という世界とはちょっと違うかもしれませんが、例えば、死刑という非常に一番重い、厳粛に受けとめなければならない極刑が法に基づいてきちんと適正に粛々と行われているかどうかということは、被害者あるいはその親戚、親族、友人、知人、国民一般が知り、理解をする必要があるだろうというようにいろいろ考えまして、今後は一定限度の公表をいたそうというふうに決めました。私が決断しました。
○水野委員 大臣が国会という公の場でそういうふうに述べられたということで、この問題についてもいろいろと進展があるのかなというような気がいたします。
次は、この死刑に関して、これは政府参考人で結構なんですが、過去の例の中で、日本で死刑をした中で外国人に対して死刑執行した例などはございますでしょうか。
○大野政府参考人 これまで、個別の執行に関することにつきましては答弁を差し控えさせていただいております。したがいまして、外国人に対して死刑を執行したかどうかということについてはお答えを控えさせていただきますけれども、死刑判決を受けて、これが確定した外国人の人数につきましてはお答えできます。
統計をとっておりませんけれども、最近の十年間で調査したところをお答えいたしますと、そのような外国人は六名おります。
○水野委員 逆に、日本人が海外で死刑に処せられた例というのはございますか。
というのは、最近、中国で日本人の死刑判決が確定したというような報道などもございますけれども、こうした例というもの、例えば執行された例というのは過去にございますでしょうか。
○谷崎政府参考人 お答えいたします。
これまで外務省が把握している限りにおいてでございますけれども、戦後、外国において、いわゆる軍事法廷等を除きまして、一般の、通常の裁判所において、一般刑法に基づいて実際に死刑が執行された例はございません。
○水野委員 そうすると、日本国民が海外で死刑判決が確定したというのはかなり異例なことではあるんでしょうけれども、こういうような場合は、邦人保護というようなことで、邦人といってももちろん犯罪者には違いないわけでしょうけれども、そういう観点から、日本政府が当該国に対して、例えばこの場合だと中国ということでしょうけれども、そういうところに執行を停止したりとかそういうことを申し入れることはあるのか、過去にそういうような例とかはあるのか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。
○谷崎政府参考人 基本的に、相手国の司法に関する問題でございますので、具体的な刑法等の適用に当たりまして、例えば、日本人がほかの国の国籍の者に比べて著しく不適切、不公平に扱われているといったようなことがない限りにおいては、いろいろな刑の執行について停止を申し入れるというようなことは基本的には不適切だろうというふうに考えております。
具体的に御質問のありましたこの中国の例でございますけれども、現在、麻薬犯ということで、本年の八月とそれから十月に合計三名の方が死刑の判決を受けております。他方、中国におきましては、最近、法律を改正いたしまして、死刑の場合については、さらに上級審、日本の最高裁に当たる最高人民法院で判断するということになっておりまして、そういう意味におきまして、現在、最高人民法院において最終的な審査が行われているということでございますので、まだ確定したという段階ではないというふうに承知しております。
○水野委員 犯罪と国境の壁みたいなことについて、俗に言う代理処罰というようなものについて幾つかお伺いをしていきたいというふうに思います。
日本国内で行われた犯罪というのは、原則としては日本で裁かれるというのが当然のことなんですけれども、しかしながら、犯人が海外に逃亡したような場合には国境の壁が出てきてしまうわけですね。そういうときはどうするかというと、その犯罪人を日本に引き渡してもらうか、もしくは犯人が日本に再入国するのを待ってその後逮捕するか、もしくはその国で、しかし国によっては引き渡さない国もありますから、例えばブラジルなんかは、自国民の場合は引き渡さないというようなことを憲法だか法律だかで決めておりますので、そういう国に対しては、引き渡せと言っても引き渡してこないわけですので、その国の法律で裁いてくれということを、いわゆる代理処罰を日本の方から依頼するわけですよね、逃げ得を許さないためにはそういうことをしていかなきゃならないということで。
具体的な例で言うと、一九九九年に静岡県の浜松市で日本の女子高校生がブラジル人にひき逃げをされて、そして犯人はブラジルに帰ってしまった。こういうようなときは、その犯人を引き渡せと言っても引き渡さないから、ブラジル側に対して、その犯人をブラジルの国外犯を処罰する規定によって処罰してくれということで、日本側から依頼をして、それで裁判が既に始まっていると思いますけれども、そういうようなことというのはあるわけです。俗に言う代理処罰であります。
これは、日本政府が外国に対して代理処罰を要請した例、今の例は報道などでも随分されましたけれども、ほかにも結構あるものなんでしょうか。
○宮本政府参考人 御質問のような、我が国で何らかの犯罪を犯した被疑者が国外へ逃亡したというケース、このような場合に、逃げ得を許さずに厳正に対処するという方針のもとに、我が国において訴追、処罰することが困難である場合、関係省庁や関係国と密接に連携の上、外交ルートによる当該国への要請、またICPOルートによる情報提供などを通じて、国外犯処罰の適用に向けて取り組んでおるところでございますけれども、平成十一年以降これまででございますけれども、我が国の警察からの情報提供などに基づいて国外犯処罰規定が適用された事例、警察として確認いたしておりますのは、三十件四十六名ということでございます。
○水野委員 ですから、日本の方が外国に対して代理処罰を要請したりした例というのはかなりあるということですけれども、逆に、外国の政府から日本の政府に対して、代理処罰をしてくれというような要請があることはあるのか。日本の刑法にも国外犯処罰規定がありますから、日本でも俗に言う代理処罰をやることは可能なわけですから、そういうような要請というのは外国から日本側に対してありますでしょうか。外務省にお願いします。
○谷崎政府参考人 ただいまの御質問でございますけれども、外務省が現時点で把握している限りにおいてでございますけれども、個別の案件につきまして、外交ルートを通じて執行停止等の要請をしてきたという例はございません。
代理処罰云々、死刑以外の犯罪でございますけれども、それについての代理処罰を求めてきた事例があるかどうかということについては、恐縮でございますけれども、今現在データを持ち合わせておりません。
○水野委員 先ほど、静岡県の浜松市のケース、日本人がひき逃げをされて、犯人のブラジル人がブラジルに帰ってしまったというような例を、そして代理処罰が今ブラジルで進んでいるということをお伺いしましたけれども、逆のようなことがあった場合、つまり、どういうことかというと、日本人がブラジルでひき逃げを起こすということもあり得るわけですね、そして処罰をされないまま日本に帰ってきた、そういうときというのは逃げ得になってしまう場合があり得るわけなんです。
これは事務方で結構ですが、この場合、例えば、その人が犯人だということがわかればブラジルに引き渡すということは、日本とブラジルの間には犯罪人引き渡し条約がありませんので、ないというふうに考えますけれども、そういうことでよろしいわけですか。
○大野政府参考人 今委員が提示されました設例は、ブラジルでひき逃げ事件を起こした日本人が日本に戻ってきた場合に逃げ得を許さないような仕組みはないのか、こういうことでありました。二つの点が問題になります。
一つは、代理処罰ができるかどうかということでありますけれども、いわゆるひき逃げ行為につきましては、日本の法律では、刑法の自動車運転過失致死傷罪と、それから道路交通法の救護義務違反の罪に当たるということになります。ただ、日本の法律には、これらの罪についての国外犯処罰規定がありません。したがいまして、ブラジル政府から仮にいわゆる代理処罰を求められたとしても、日本の刑法の適用がないということになってしまいますので、この帰国した日本人を日本国内で処罰する、つまり代理処罰することはできないということになります。
二つ目の点は、ブラジルにその日本人を犯罪人として引き渡すことができるかどうかという点であります。我が国の逃亡犯罪人引渡法におきましては、条約に別段の定めがある場合を除いて、自国民、つまり日本国民の引き渡しは認められないというふうにしております。ブラジルと日本との間には逃亡犯罪人引き渡し条約が締結されておりませんので、条約に別段の定めがある場合にも当たらないわけであります。したがいまして、そうした日本人をブラジル側に引き渡すことも、これもできないということになります。
○水野委員 つまり、身柄を引き渡すこともなければ、刑法の国外犯処罰規定も適用されないということだと、要は、結論的に言えば、ブラジルでひき逃げ事件を起こした日本人は日本に帰ってくれば逃げ得になっちゃうわけですね。一方で、日本でひき逃げ事件を起こしたブラジル人は向こうで処罰されるけれども、逆のことはあり得ないということだと非常にアンバランス。
ある意味では、邦人が守られているということでは邦人保護なのかもしれませんけれども、しかしながら、そういう犯罪を犯した邦人を守り抜くというだけでは、まして、他国にこういう人を処罰してくださいと要求をしたりしている以上、現状のままでいいのかなというふうに、つまり、海外でのそういう犯罪が不問に付されるというままでいいのかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 今、刑事局長がお答えしたようなことになってしまうわけですね。ですから、水野先生の常識、条理に基づいてお感じになっていることは、私は決して間違いでないと思っております。
では、なぜひき逃げは国外犯に入らないのかというふうに議論をいたしますと、交通体系とか交通法規とか、事情というのは各国によってみんな違うからという説明がなされるわけでございまして、そう簡単に国外犯にひき逃げを加えるというふうにはいかない、慎重に検討しなければならないことと思っておりますけれども、今水野先生がおっしゃったように、ひき逃げ得みたいなことは条理、常識からいってあってはいけないことでございますので、いろいろ検討する価値のある問題であると思っております。
それからもう一つは、今先生御指摘のあったように、基本的に国と国との関係というのは相互主義、特に刑事的な問題というのは相互主義はより徹底しているだろうと思います。ブラジルの場合は、自国民不引き渡しの原則みたいなものが憲法に書いてあるということでございます。したがって、逃亡犯罪人引き渡し条約をブラジルと結ぶというのはなかなか困難かと思います。
現在、捜査共助の条約も逃亡犯罪人引き渡し条約もアメリカと韓国としか結ばれていないという状況にありますので、やはりできるだけ幅広く各国とそうしたものが結べるように努力をしたい。この間、中国との間で捜査共助については合意を見たように、サインされたように聞いておりますけれども、そういう努力がこれからは必要になってくると思います。そうでないと、抜け穴が出てしまいますので。
○水野委員 ありがとうございます。
さて、裁判員についてお伺いをいたしたいと思います。
平成二十一年、二〇〇九年から裁判員制度が始まることになっております。ところが、これはいつ始まるかという政令がまだ決まっていないんですね。そうすると、平成二十一年五月までに始まることは決まっているわけなんですけれども、たしかタイムリミットは五月二十七日だったというふうに思いますが、それまでのどこで始まるのか、例えば五月一日に始まるのか、四月一日に始まるのかということがまだ決まっていない。それがゆえに、政府が一生懸命、今、裁判員制度というものを、始まりますよということを普及啓発していらっしゃるんでしょうけれども、そのときにいつから始まるということが言えないわけですね。五月までに始まるとか五月ごろには始まるとかという、非常に奥歯に物の挟まったような言い方を今現在だとせざるを得ないわけなんです。
これは、政令で決めるわけなんですが、いつから始めるつもりでいるのか、そしてもう一つは、そのことを決める政令というのをいつぐらいに制定するおつもりでしょうか。
○鳩山国務大臣 裁判員制度につきましては、先生御自身も法務副大臣としてその普及啓発に大変努力をされたことに心から敬意を表したいと思っております。
それで、公布の日から起算して五年というのも、普及啓発、宣伝あるいは国民の理解、それらを含めて五年というかなり長い期間が想定されたわけでございまして、結局、先生おっしゃるとおり、裁判員制度が始まります、いつからとなるべく早く言えるようにしたいというふうに考えておりまして、二十一年五月二十七日というのが期限でございますので、比較的その期限に近い、しっぽに近いあたりということになってくるだろう、そう思います。
そうしますと、では、施行日を決める政令はいつかというと、準備等の都合を考えますと、これは、裁判員制度は準備にかなりかかりますよね、それは選挙人名簿から選んで云々ということでございますから。したがって、一年以上か一年前には政令を定めなければならないと思っておりますので、大体そんな目安で考えております。
○水野委員 裁判員制度の開始というものが近づいてくると、だんだんいろいろなことが言われるようにもなるわけですね。例えば、これは裁判員には確かに守秘義務がありますから、守秘義務があることに対して、ちょっと何かそのときに見聞きしたようなことを家に帰ってしゃべるととんでもない罰則がかかってくるとか、かなり誇張したような形で、針小棒大といいましょうか、これはとんでもない、国民をやや不安に陥れるような言い方をされることがあるわけなんです。
これは、裁判員と似たというか、国民が参加するという意味において似た制度として既に検察審査会というのがあるわけですが、検察審査員も守秘義務その他がかかってくるわけなんです。
ちょっと検察審査会のケースを幾つかお聞きしたいと思うんです。検察審査会というのは昭和二十年代に始まっていると思いますが、これはメンバーになった人、累計は制度創設からどのぐらいになりますでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
検察審査会ごとに年間四十四人の検察審査員及び補充員が選定されます。昭和二十三年に検察審査会制度が創設されまして以降、最初の選定は昭和二十四年一月三十一日でございますが、本年の十月末までに選定されました検察審査員及び補充員の総数は、合計五十三万一千七百七十二人でございます。
○水野委員 そうすると、その五十三万人ぐらいの人が今まで検察審査員というものを経験していますけれども、これも審査員には守秘義務とかがございますよね。この守秘義務違反などで刑事罰を受けた例というのはございますでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
これまでに秘密漏えいで刑事罰を受けた例は承知しておりませんが、昭和四十年に不起訴処分となった例が一件あったと承知しております。
○水野委員 そういう意味では、この検察審査員の制度でも、延べ五十三万人が参加をして、その中で守秘義務違反で不起訴処分になったものが一件というようなことでございますから、裁判員においても余り不安をかき立てるほどのことはないというのは明らかだと私は思いますし、見方によっては裁判員が扱う秘密よりも検察審査員の扱う秘密の方が機密性が高いということも言えると思うんですね。
というのは、裁判員というのは、あくまで裁判というのは、法廷は原則的に公開なわけですから、もちろん評議は公開じゃないにしても。それに対して、検察審査員が扱う問題というのは不起訴になったものですから、世の中にオープンになっていない問題を扱うわけです。その検察審査員でも現実には守秘義務違反で問われるということはほとんどないというようなことで、これは裁判員制度というのも常識的にスタートしていけば余り不安をあおり立てる必要はないというふうに思いますし、また、そういうようなことを法務省の方でもしっかり啓発していただければと思います。
これは、やはり検察審査員の場合でも、呼ばれるときというのは、何でそんなことで呼ばれなきゃいけないんだとか、自分は忙しいとか、当然呼ばれる側からすればいろいろなことがあると思うんですね、参加する国民に。やってみると意外におもしろかったというようなアンケート結果もあるというふうに聞きますけれども、何か審査員を終えた方にアンケートをとったような例はございますでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
平成十四年から平成十六年までの三年間に、東京第一検察審査会、東京第二検察審査会、八王子検察審査会が実施いたしましたアンケート結果によりますと、検察審査員、補充員に選定されました時点では、約五三%の方が余り気乗りがしなかった、また約八%の方が迷惑に感じたと回答をしておられますが、任務終了時点では約九四%の方がよかったというふうに回答をしておられます。
○水野委員 裁判員の場合も同じように、最初は、そんなものにいきなり呼び出されておっくうだとか嫌だとかという反応があっても、やってみた結果、よかったというような反応になるようにしっかりと努めていただきたいな、そんなふうに思います。
さて、続きまして訟務の話についてお聞きをしたいと思います。
訟務部門、つまり国のかかわる裁判については法務省が一元的に扱っているわけですね。実は私は、きょう質問に立ったのは、このことを問いたいがために質問の場に立たせていただいておるわけです。
そこで、念頭にあるのは特定の裁判のことなんですが、そこに入る前にまず法務省にお伺いをします。国がかかわっている訴訟というのは、これは当然、訴訟ですから原告もあれば被告もあるわけですが、それぞれどのぐらいずつあるんでしょうか。
○貝阿彌政府参考人 お尋ねの訴訟事件についてお答えします。
本年九月末現在でありますけれども、総数は一万一千百三十九件でございます。そのうち、国が原告となっているものが百三十四件、控訴人となっているものが七十四件、上告人となっているものが二十九件であります。そして、差し引き一万九百二件が被告、被控訴人あるいは被上告人となっている事件でございます。
○水野委員 そうすると、国がかかわる訴訟というのは一万余りある、ほとんどは被告だということでありますが、裁判ですから当然勝つこともあれば負けることもあるわけですね。国が敗訴する割合とか数というのはどのぐらいなんでしょうか。
○貝阿彌政府参考人 平成十八年で申しますと、国が敗訴した事件は全体として二百八十件であります。判決全体に占めるその敗訴の割合は、約一〇・八%です。直近の三カ年において見てみますと、敗訴件数はほぼ横ばい、割合については、判決の数が増加していることもあって、割合としては減少しております。
○水野委員 ここからは具体的な訴訟のことについてお伺いをしたいと思うんですが、温暖化防止情報開示訴訟というのがあるんですね。そのことについてお伺いをしたいんですが、これは一体何ぞやということを入っていく前にまず経済産業省にお伺いをしたいと思います。
各企業が、各事業所と言った方がいいかもしれませんね、発電所とか製鉄所がどれだけのエネルギー、例えば石炭とか石油とか天然ガスを使ったかということは、これは省エネ法という法律で経済産業省に対して各事業所は報告義務があるはずですけれども、この制度はいつから始まったんでしょうか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
省エネ法は昭和五十四年に制定されたわけでございますが、エネルギー管理指定工場に係る定期報告制度は平成五年の省エネ法改正により導入されました。平成六年、平成五年度分ということからでございますが、そのときから報告が開始されたわけでございます。
○水野委員 そうすると、平成六年以降は経済産業省は各事業所からそういうエネルギーの消費量について定期報告を受けているわけですね。報告を受けている以上、そのデータは経済産業省は持っているわけですね。政府の持っている情報というのは、情報公開法という法律で、例外はありますよ、不開示に当たるものもあるでしょうけれども、原則としては公開しなきゃいけないわけなんです。
では、その情報というのを二〇〇二年に、今から五年前であります、ある国会議員が出せというふうに言ったんですね。しかし、出さなかった。出さなかったがゆえに、それに対して、政府の持っている情報というのは開示すべきでしょうというふうに言って情報開示請求をした人がいるんですね。だれでしょうか。ちなみに、その人は、その人の名前を出していいと言っていますから。
○上田政府参考人 大変恐縮でございますが、水野先生と承知いたしております。
○水野委員 水野賢一議員であって、私なんですね。
では、その水野賢一議員、つまり私ですけれども、なぜそのデータを出せと言ったのかということを言うと、実は、エネルギーの消費量がわかると二酸化炭素の排出量が計算できるわけですよね。ちなみに、どの企業がどれだけの二酸化炭素を出しているかということは温暖化問題を考えるに当たって基礎データですから、つまり、どこがどれだけ出しているかということ、これがわからなければいろいろと対策の打ちようもないという中で、当時、もちろん、我が社はこれだけのCO2を出していますということを自主的に環境報告書なんかで公表している例はありますよ。しかしながら、そのころこういうことに対して公表の義務はなかったという中で、それじゃ石炭をどれだけ燃やしているかということがわかればCO2の排出量が換算できるじゃないかというふうに私も考えまして、開示請求をしたんです。
では、続いてちょっと経済産業省に伺いますけれども、石炭一トン燃やすとどれだけの二酸化炭素が出るのか、ではC重油なら、これはまあキロリッターでしょうか、一キロリッター燃やすとどれだけCO2が出るのか、原油だったらどうなのか、ガソリンだったらどうなのか、伺いたいと思います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、石炭でございます。一般炭一トンを燃やした場合には二・四トンの二酸化炭素が排出されます。C重油、原油、ガソリン、これは一キロリットルを燃やした場合でございますが、C重油の場合三・〇トン、原油の場合二・六トン、ガソリンの場合は二・三トンの二酸化炭素が排出されます。
○水野委員 つまり、そのように石炭の消費量とかがわかるとCO2の排出量がわかるわけなんですけれども、では私の開示請求に対して経済産業省はどういう回答だったかというと、大体八割ぐらいの企業分のものは開示してきました。一七%は不開示だったんですね。黒塗りで出してきたということです。私も、黒塗りで出してきたので非常に不満ではあったけれども、さはさりながら、こちらも訴訟まで起こすほどの余力はなかったものですから、そこで一応矛はおさめたわけです。
しかし、情報開示請求というのは、これは何人でもできるんですね。私と同じようなことをその二年後ぐらいにあるNPOが、気候ネットワークというNPO、地球温暖化問題に取り組む代表的なNPOですけれども、このNPOも同じような開示請求をしましたね。結論から言うと、そこでも大体私のときと同じような結果、つまり八五%ぐらいを開示したけれども一五%分ぐらいは不開示にしたわけであります。
そのNPOは、訴訟を起こしたんですね。これは開示されるべきだというふうに、不開示は不当だという訴訟を全国三カ所で起こした。一審判決、三カ所とも終わりましたが、結果は勝訴だったのか敗訴だったのか、経済産業省、どうぞお答えください。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまの三つの訴訟でございますが、一審判決はすべて国の敗訴でございました。
○水野委員 先ほどあったように、国が敗訴する率というのは大体一〇%ぐらいなんですけれども、一審判決、三カ所いずれも国が敗訴した。つまり、情報公開せいという判決が出たわけですよね。しかしながら、私は、そんなものは控訴すべきじゃない、ちゃんとオープンにせい、判決に従えと言ったんだけれども、国は控訴をした。
二審の判決の結果というのは、まあ私の方から言いましょう、ことしの十月に大阪高裁、ことしの十一月に名古屋高裁で判決が出ましたが、大阪高裁だけはどういうわけか国が勝っちゃったんですね。名古屋高裁はこの前、十一月十五日に判決が出て、また国の敗北、つまり情報公開せい、そういうような判決が出ました。
ちょっとこれは訟務の方にお伺いしたいと思いますけれども、国が判決で負けたりしたときに控訴とか上告とかしないという例も当然あるわけでしょうけれども、その数はどのぐらいありますか。
○貝阿彌政府参考人 お尋ねの件ですけれども、平成十八年で見てみますと、国が一審で敗訴したけれども控訴しなかったという件数は、百八十五件中八十七件であります。また、高裁で敗訴したけれども最高裁に対して上告あるいは上告受理申し立てをしなかったという件数は、七十八件中六十四件であります。
○水野委員 結構そうやって上訴しない例というのもあるわけなんですけれども、今度は、高裁で負けた国は最高裁に上告したわけですね。
さあ、貝阿彌さんに続いて伺いますけれども、上告するとき、経済産業省の方から、ぜひとも上告してくれ、そういうような依頼とか打ち合わせというのはあったんでしょうか。
○貝阿彌政府参考人 お尋ねの件ですけれども、もちろん、上訴するかどうかに当たっては所管行政庁から意見をいただきます。ただ、その意見の中身については、ここでお答えすることは差し控えたいと思います。
○水野委員 中身の詳細はともかく、経済産業省から意見を聞いて、そして経済産業省の言うとおりに行動したわけですよね。
さて、経済産業省に伺いますけれども、ところでこれはどういう企業の情報なんですか。企業名を答えてください。重立ったものでいいです。
○上田政府参考人 現在、訴訟対象中のものは八社十一事業所でございまして、八社というのは、花王株式会社、株式会社カネカ、株式会社神戸製鋼所、JFEスチール株式会社、新日本製鉄株式会社、住友金属工業株式会社、東ソー株式会社、三菱化学株式会社、この鉄、化学等々の企業でございます。
○水野委員 では、経済産業省側には、そうした企業側から、どうしてもこれは争ってくれ、公表したくない、つまり、ここでおりてもらっちゃ困るというような、何か要望とかそういうものはございますか。企業なり、企業団体でもいいです、業界団体。
○上田政府参考人 私ども、情報公開法に基づきまして、開示請求に係る行政文書の中に第三者に関する情報が記載されている場合には、当該第三者に対して意見を提供する機会を与えることができることとなっております。
私ども、この規定に基づきまして、企業に対して意見照会を行いまして、意見照会を踏まえて総合的に判断しながら不開示としたということでございます。
○水野委員 要するに、この問題というのは、そういう企業が自分たちのために何が何でも争ってくれというふうに経済産業省に言って、経済産業省が法務省に争ってください、上告してくださいというふうに言っているからこういうことになっているということが明らかなわけですよね、今の答弁からも。私は、やはりそれはちょっとおかしいというふうに思います。
では、新藤副大臣、おいでなのでお伺いをします。
経済産業省は、いろいろと情報を保有しているはずです。これは、一般論で結構ですけれども、温暖化防止とかのために積極的に情報というのは公開すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○新藤副大臣 気候変動に伴う地球温暖化防止、これを推進するという意味において必要な情報を公開するというのはもう原則でございますし、方向性として、水野委員が御指摘の部分は私どもも同じだ、このように思っております。
そして、その情報公開につきましては、情報公開請求に基づいて、法律に基づいて、開示、不開示を決める、原則公開でございます。そして、事業者の競争上の利益、例えば競争上の地位や権利を侵害する、こういったものについては不開示、こういうことで定めております。
今先生のお尋ねのような、事業者からの意見も聞きます。しかし、すべて意見どおりにやっているわけではございません。事業者がこれを不開示にしてくれと言っても、それが権利の侵害に当たらないと国が判断した場合には国が公開する、こういう例もあるわけでございます。
そして、さらに、自民党環境部会、これは熱心にお取り組みいただきまして、省エネ法に基づく公開に加えて、この地球温暖化対策推進法を改正していただきました。これによって、事業所ごとの排出量を国が集計して公表する仕組みができたわけでございます。これは、水野部会長のもとで御意見をいただき、私どもも昨年法改正をしていただき、今年度からの公開が今待たれるところでございます。
今後とも、これは、地球温暖化防止を推進するという意味におきまして、積極的に取り組んでまいりたい、このように思っております。
○水野委員 不開示情報というのは、確かに情報公開法でも第五条などで認められておるんです。
では、上田さんにお伺いしますが、情報公開法第七条、不開示情報であっても、公益上特に必要があると認めるときは、当該文書を開示することができるというふうに、不開示情報に当たる部分であっても開示できるというふうに書いてありますけれども、これだけ地球温暖化が問題になっている中で、これは公益性があるから開示するというような判断はとれないんでしょうか。公益性はないんですか、この情報には。
○上田政府参考人 私ども、地球温暖化、大変重要な課題であると思っております。他方で、情報公開法は、企業の競争上の利益に影響する場合には、それを不開示にすることができるということを決めております。二酸化炭素等の温室効果ガスの問題は、人の生命、健康、財産に直ちに影響を及ぼすというよりも、むしろ国の外交政策あるいは社会経済政策の実施という側面が非常に多いと思っております。
私ども、企業の情報開示、企業の競争上の利益と公益上のバランスをとった上で物事を進めていく必要があると思っておりますが、本件に関しましては、個別の情報公開が企業の競争上の利益に該当すると考えて不開示としたものでございます。
○水野委員 改めて伺いますけれども、七条に言うところの公益性がないのかどうかについてお伺いします。公益性があるんじゃないですか。
○上田政府参考人 地球温暖化問題の公益性はあると思いますけれども、本件については、先ほど申し上げましたような事情によりまして、情報の不開示とさせていただいたものでございます。
○水野委員 では、質疑時間も終了いたしましたので、大臣に最後にお伺いをしたいというふうに思います。
実は、既に上告をしてしまったものであっても取り下げることというのはできるんですね。過去にそういう例もございます。そして、過ちは改むるにはばかることなかれというふうにも言いますし、既に上告をしたものであっても、こういうような上告というもの、しかもこれは、先ほど来の質疑でも明らかなように、一部事業者がこんなものを公開されては困ると経済産業省に言う、そして経済産業省が法務省に対して公開されちゃ困ると言うわけですから、法務省の方は、連戦連敗を繰り返していながら、これを上告せざるを得ない状況にあるわけですけれども、大臣、見直し、上告取り下げなどについて、最後にお伺いをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 現在、法務大臣ではありますけれども、みずから環境革命の闘士であると自任をし、水野賢一先生またしかり、この部屋にも大勢のそういう方々がおられて、政治の最大の責任は未来世代への責任であると思えば、未来世代のために環境を守るというのは最大の公益であるというふうに考えるものでございます。
先生御自身が法務副大臣の立場にあられたときに、これは一審三連敗の、控訴せざるを得ないというときでしたでしょうか、非常に感動的な文章を書かれて、読ませていただいて、未来世代への責任を考えるという立場からは、私は全く政策的に同じように考えるものでございます。
とりわけ、私は、今閣僚として申し上げているわけではありませんが、いずれ炭素税というのは導入すべきである、炭素税を導入した場合に、排出量を減らした企業には税金をまけてやる、こういう仕組みが当然そこには入るべき、インセンティブを働かせる、ということであるならば、すべての企業や事業所の使っているエネルギー、排出量というものが把握されていなければ、この炭素税もうまくいかないであろう、こういうふうにずっと講演や演説をし続けてきた私が、なぜか、矢面というんでしょうか、国の裁判では代表格を務めなくてはならない。そのおつらいお立場、副大臣時代のお立場の中で書かれた原稿に、私は非常に感動を覚えておるということでございます。
今回、なぜか大阪と名古屋と、国の勝ち負けについて判断が分かれてしまった。司法判断に対して私が口出しすることは一切できないわけでありまして、判断が分かれてしまったので、名古屋高裁での敗訴に関して上告受理申し立てをせざるを得なかったという、私の心情をお察しください。
○水野委員 大臣の心情は十分伝わってまいりまして、大臣自身も、せざるを得なかったという表現があったように、このことというのはそれだけ苦衷の判断だった。そういうことからすると、経済産業省側には、経済産業省はみずから公開すれば何の問題もなくなるわけですから、そのことを強く希望して、質問を終わりたいと思います。
○下村委員長 次に、神崎武法君。
○神崎委員 公明党の神崎武法でございます。
まずは、前回に引き続きまして、我が国の検視、解剖制度につきましてお尋ねをいたします。
千葉大学では、千葉県警の協力のもと、死後CTスキャンを実施いたしております。二十例の変死体につきましてCTスキャンを実施いたしましたが、四例において、検案医の診断結果とCTスキャンによる診断結果に食い違いがあったという報告もなされております。解剖せずに、外表観察のみで死因を決定するという現在の変死体取り扱いには問題があるところでありまして、改善を要すると考えます。
警察当局も対応をお考えになっていると思いますけれども、CTスキャンの導入とか、遺体の尿中薬物、毒物の検出キットの導入、これらを行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○米田政府参考人 確かに、委員御指摘のとおり、千葉大学におきまして、千葉県警と協力して、CTスキャンでやってみると、外表から見た検視とどのように違いがあるかということの実験をいたしました。その結果、四例、これは犯罪死か非犯罪死かという点で違っていたということではありませんけれども、例えば、同じ病死という中でも、外表から見て心臓死であろうと思われたのが、CTスキャンでは脳内出血であったというような違いがございまして、四例の違いがあったということでございます。
そういうことで、外表から判断することができない、例えば体の中の出血あるいは骨折といったものがCTスキャンによって発見できる可能性があると考えております。
それから、薬物検査を実施いたしますと、睡眠導入剤であるとか、あるいは覚せい剤であるとか、そういったものを検出することができるということでございまして、警察庁といたしましても、本年度からCTの検査料、それから薬物検査キット、これにつきまして予算措置を講じたところでございまして、都道府県警察を指導して、その活用を図ってまいりたいと考えております。
○神崎委員 ぜひ積極的に対応していただきたいと思います。
それから、監察医制度につきましても、これまでのように地方自治体任せではなく、国の積極的な支援が必要だというふうに考えます。既存制度を生かして、国が財政支援して監察医務院の設置を知事に義務づけ、監察医が警察業務をチェックできるようにすべきだ、こういう意見もあるところでございまして、この点につきまして、これは厚労省ですか、どうお考えになっておりますでしょうか。
○宮坂政府参考人 監察医制度でございますが、死体解剖保存法に基づきまして、先生御指摘のとおり、東京二十三区、大阪市、横浜市、名古屋市、それから神戸市を所轄いたします都道府県知事が、公衆衛生の向上を目的といたしまして、必要に応じて監察医を置き、解剖ができることとするという制度でございます。
厚生労働省といたしましては、この制度が円滑に運用されますように、異状死の判断とか死体検案などを医師国家試験の試験項目に組み込むとか、それから、死因調査が適正に行われるよう、医師の中でも死体解剖に関して相当の学識、技能を有する者をいわゆる死体解剖医として認定をするとか、それからさらに、平成十七年度からは、死体検案の実務に従事する機会の多い警察医や一般臨床医を対象とした講習会を開催するという取り組みを行っておりまして、このような取り組みを通じまして、監察医制度が適切に実施される努力をしているところでございます。
監察医の設置を全都道府県に義務づけて、監察医が警察業務をチェックするようにすべきではないかという御意見についての御指摘がございましたが、監察医制度は、先ほども申し上げましたが、一部地域におきます死亡動向を把握することで、伝染病の発生といった公衆衛生上必要な情報を把握するための仕組みということでございまして、このような監察医が警察業務を行うということについては適切ではないのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○神崎委員 いろいろな御意見もあろうかと思いますけれども、地方自治体任せじゃなくて、国としても財政支援を含めまして、しっかり御検討いただきたいと思います。
それから、千葉大法医学教室の教授の岩瀬博太郎氏の論文、「日本の死因究明制度が異状死届出に及ぼした影響」によりますと、二つの事例が紹介されております。
一つは、フィリピン人の女性が保険金目当てで、サリチル酸という医薬品で夫を殺害したことが民事裁判で認定をされたわけであります。しかし、死亡した夫は、病院に運ばれ、遺体を見た医師が急性心不全として病死と診断してしまったため、警察に異状死届け出もしなかった、結果的に警察は立件できなかった、こういう事例があります。
それからもう一件は、千葉市内の公園で、ホームレスの男性二人が高校生にリンチを受けて死亡、そのほかに三人のホームレスが死んでいたが、いずれも、リンチされた後、意識不明のまま数カ月入院し肺炎で死亡、これは病死だということで処理をされ、異状死届け出もなされず、三人についての警察での立件もなされなかった、こういう例もあるわけです。
これらはやはり、死因究明制度というものが現行では十分機能していないということを示しているのではないかと思うわけであります。
この二つの事例では、法医学者、関係者に責任があると思われますけれども、今後どのように改善をするのか、厚生労働省にお伺いをいたします。
○宮坂政府参考人 御質問は、医師法の二十一条ということで、殺人など犯罪が疑われる死体につきまして医師が検案をしたといった場合には所轄の警察署に届け出るという仕組みがございますが、これについての御質問というふうに受けとめさせていただきます。
こういったことにつきましては、犯罪捜査の観点から非常に重要であるというふうに認識はいたしております。この届け出につきましては、厚生労働省が死亡診断書記入マニュアルというものをつくりまして、死体を検案した結果、外からの要因によります死亡とか、またはその疑いがあるという場合には、異状死体として二十四時間以内に届け出るんだということについて書いてあるわけでございます。それをさらに徹底させるということで、先ほども御答弁申し上げましたが、警察医の方や一般臨床医等を対象といたしました死体検案講習会等において周知を図っているところでございまして、また今後とも、このような形で周知徹底を図り、異状死の届け出がきちっとなされるように指導してまいりたいと考えております。
○神崎委員 ぜひ、犯罪が見逃されることのないように、関係者の皆様方はしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、保釈金の立てかえ問題についてお伺いをいたします。
刑事被告人が保釈の際に裁判所に納めます保釈保証金が、資力のない被告人にかわって立てかえる業者の取り扱いがふえているということでございます。二〇〇四年に開業した日本保釈支援協会では、二〇〇四年に五十五件、二〇〇五年は三百十四件、二〇〇六年には八百二十三件を取り扱っているということであります。
その中で、保証金立てかえ業務を行っている業者の中には金融業者も含まれておりまして、手数料を金利として計算しますと、金額によっては年利二〇%近くになり、利息制限法の上限を超えることもあるということでございますが、この制度を扱っている業者の数は全体でどのぐらいなのか、把握しているところを教えていただきたいと思います。
○戸井田大臣政務官 保釈保証金の立てかえを行っている者について、当庁としてその総数は把握しておりませんが、貸金業登録業者のうち一社が、現時点で保釈保証金の立てかえ業務を行っている旨公表していることは承知いたしております。
○神崎委員 これは全体でどのぐらいなのか、そこでまたいろいろ利息制限法の問題もあるわけですから、ぜひ把握をお願いいたしたいと思います。
それから、立てかえている保釈保証金、この仕組みの問題なんですが、法的性質をどう見るかということです。金銭消費貸借の貸し付けに当たると見るのか、単なる立てかえにとどまるのか、その法的性質をどう見るのかという点。
それから、金融庁は、日本保釈支援協会に対しまして、保釈金立てかえの仕組みが金銭消費貸借の貸し付けに当たるとして、貸金業の登録をするよう指導したということが報道されております。これに対して協会側は、この制度は貸し付けではなく立てかえであり、貸金業ではない、こう反論をしていると言われておりますけれども、貸金業登録をするよう指導したのは事実かどうか、また、この問題の結論、これは現在どうなっているのか、お尋ねをいたします。
それからもう一つ、金融業者も立てかえ業務を行っているといいます。まさに利息制限法に抵触することにならないのか、こういう点もあわせてお答えをお願いします。
○戸井田大臣政務官 個別事案に係る対応についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
一般論として申し上げれば、貸金業規制法では、業として金銭の貸し付けを行う者は、他の法令で貸し付けを行うことが認められている場合等を除き、貸金業者としての登録を受けることが必要となっております。一般に、保釈保証金の立てかえ業者の通常の事業形態は、保釈申請人である被告人の家族、親族の依頼により、立てかえ業者が保釈申請人の代理人である弁護士の口座に金銭を振り込み、その金銭をもって弁護士が保釈保証金を裁判所に支払い、判決確定後、裁判所から還付された保釈保証金が当該弁護士から、立てかえ後、業者に返済されるものと承知いたしております。
こうした事業形態で業務を営む場合には、あくまでも一般論でありますが、実質的には、保釈申請人に対して金銭の貸し付けが行われていると判断される余地があるため貸金業登録が必要になる可能性があると考えられます。金融庁といたしましては、このような一般的な考え方に基づき、適切な対応をしてまいりたいと思っております。
また、上限金利を超過した場合、利息制限法のあれでどうなっているのかということにつきましては、一般論として申し上げれば、現行法では、利息制限法の上限金利を超える利息の契約は、民事上無効とされております。ただし、貸金業者である場合には、利息制限法の上限金利を超える利息の支払いは、貸金業規制法第四十三条に規定される任意性、書面要件を満たしている場合に限り、有効な弁済とみなされます。保釈保証金の立てかえを行っている者が立てかえ手数料の名目で受領している金銭も金銭消費貸借上の利息と考えられることから、法律の規定に基づき、適切に判断されることとなります。
なお、昨年十二月に成立した改正貸金業法の完全施行時には、貸金業法第四十三条は削除され、貸金業者は利息制限法の上限金利を超える利息の受領は認められないこととなっております。
以上です。
○神崎委員 具体的事例についてコメントはされなかったわけですけれども、やはりまだこの問題は決着がついていないままというふうに聞いておりますので、ぜひ早急に、きちんとした結論を出すようにお願いをいたしたいと思います。
それから、保釈金の立てかえの問題につきまして、いろいろな意見が法曹関係者からもあります。業者が立てかえるようになると、保釈保証金が期待している精神的な拘束力が弱まる可能性があるんじゃないか、また、業者に簡単に立てかえてもらえ、被告人が自分の置かれている状況を甘く受けとめているように感じる、こういう指摘もあるところでございます。
資力のない被告人や家族にとりましては頼りになる制度であることには変わりがないわけですけれども、プラス面とマイナス面と両面がこの立てかえ制度にはあるように思います。保釈保証金の理念、意義から見まして、現在のこの立てかえ制度の実態をどうごらんになっているのか、法務大臣に感想をお伺いいたしたいと思います。
○鳩山国務大臣 私も個別の業者についてお答えはできませんが、尊敬する神崎先生の考えておられる論点は恐らく全く正しいのではないかと思っております。
いやしくも、保釈金を貸してやる、あるいは立てかえてやるからというような、それが業者として成り立って、いわば金もうけになってしまうということは、やはり保釈金による保証という公的制度に私は著しく反するというふうに基本的に思うわけでございます。
刑事訴訟法は、保釈保証金は、犯罪の性質や被告人の資産等を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額というふうに定めています。ただ、保釈保証金は自分の金でなくちゃならぬとは書いていない。借りて納付していけないとも書いてはいないんです。つまり、刑事訴訟法は、保釈保証金というのは親族以外の第三者が払ってもいいという形になっている。
しかし、保釈保証金というのはいわば逃亡しないことを担保するためにあるわけですから、逃亡して保釈金が没取されたときに、迷惑かけちゃったな、あの人に迷惑かけちゃうなというブレーキが働く範囲内の人が保釈保証金を納めるべきであって、おれが逃亡したって全然関係ないところが保釈保証金を払っているんだからあれは関係ないよと言って逃亡してしまうというようなケースを考えると、非常に関係の遠い者が保釈保証金を納付するというのは保釈保証金制度の趣旨に反するというふうに考えております。
○神崎委員 大臣の御見解は大変よくわかりました。
続きまして、外国人研修制度の見直しにつきましてお尋ねをいたします。
我が国政府は、外国人の単純労働は受け入れないという方針、見解のもと、外国人研修・技能実習制度を行ってまいりました。ここに来て、研修生による受け入れ団体とのトラブルで殺人に発展したことや、研修で認められていない残業をさせたり、残業代の不払い、さらには低賃金、パスポートや預金通帳の取り上げなどの問題が多発し、制度疲労を起こしている状況にあります。
そのためか、相次いで関係省庁では制度の見直しの提言をなしております。厚生労働省の研究会は、研修をやめて実習制度に一本化し、期間は三年で、一時帰国後二年の合計五年としております。経済産業省の研究会は、現行制度の目的である技術移転による国際貢献のまま、滞在期間は一時帰国を含めて五年としているというふうに承知をいたしております。
まず、厚労省、経産省に、制度見直しを提言した目的、理由についてお尋ねをいたします。
○草野政府参考人 外国人研修・技能実習制度についてのお尋ねでございます。
この制度は、御存じのとおり、技能移転を通じた開発途上国への国際協力を目的としているものでございますが、その実態を見ますと、今御指摘がございましたように、一部の受け入れ企業において、実務研修中の研修生が実質的に低賃金労働者として扱われたり、あるいは実習生に対する賃金未払いなどの事案が発生しております。
そういう意味で、制度が悪用され、研修生、実習生の保護にもとる事態が生じているというふうに認識しておりまして、この適正化を図っていく必要があるという認識でございます。
この点、規制改革推進のための三カ年計画におきましても、実務研修中の研修生の法的保護のあり方などについて、遅くとも平成二十一年通常国会に関係法案提出等の必要な措置を講ずることとされるなど、適正化が求められているところでございます。
このため、厚生労働省におきまして、昨年十月から研究会を設置いたしまして、制度の適正化やあり方に関する事項について、問題点の整理及び検討を行い、五月に中間報告をまとめたところでございます。
この内容につきましては、今御指摘がございましたように、基本的に技能移転を通じた国際協力という目的は維持していくという立場に立ちつつ、一部に見られる劣悪な環境、労働環境あるいは実習環境の改善を図り、技能移転の実効性を一層高める、こういう観点で提言しているところでございます。
個々の論点については省略させていただきます。
○瀬戸政府参考人 ただいま御指摘にありましたように、昨今、一部の受け入れ機関におきまして、制度の趣旨に反する不適正事例が発生しており、制度運用の適正化が必要となっております。一方、産業界からは、より高度な技能の習得機会の付与など、研修・技能実習生及び受け入れ企業双方にとってさらに望ましい制度になるよう、制度の高度化や拡充をすべきとの要望も寄せられているところでございます。
これらを踏まえまして、経済産業省では、罰則の強化、受け入れ機関の外部評価制度の導入、中小企業、大企業問わず優良な企業を対象とする高度技能実習の導入などの見直し案を研究会で取りまとめたところでございます。
今後、よりよい制度を構築すべく、関係省庁とも議論を深めてまいりたいと思います。
○神崎委員 長勢前法務大臣は、経産省、厚労省のこの見直し案に対して大きく隔たった私案を発表されました。
現行制度を廃止し、短期外国人就労制度を導入し、単純労働者受け入れを解禁するという内容で、受け入れ目的を、現行の国際技術移転を国内で必要な労働力確保に資するものに直す、それから、劣悪、低賃金は認めない、再入国は認めず定住化にはつなげない、こういった内容を法務当局に検討を指示したということが報道されているわけでございます。
鳩山大臣はどうお考えになっているのか、この長勢前大臣の私案は生きているのかどうか、その点も含めてお伺いいたしたいと思います。
○鳩山国務大臣 今神崎先生御指摘のとおり、長勢私案というものは、前大臣であられましたが、現在の研修・技能実習制度とは非常に異なった内容でございまして、これは我が国の労働力をどう確保するかという社会全体のあり方にも直結するんだろうと思っております。したがって、先ほどの厚労省あるいは経産省の案がございますが、それと同様に、長勢私案というものもあわせて検討をしていくことになるだろう、こう思っております。
しかしながら、他面、我が国の犯罪の状況、例えば刑務所の過剰収容の問題がある。そこに実は、外国人の受刑者が非常に多い。受刑者移送条約というのがどんどん結ばれて、本国に送り返すことができれば別ですが、今ほとんどそれもできない状況である。外国人犯罪というのが目立っている。また、不法滞在者が依然として多数存在をしておりまして、不法滞在者半減と言っているんですが、まだ最低二十万ぐらいは不法滞在もいるだろう。
非常に残念なのは、理念としては研修・技能実習、そういう技術移転ということですから、すばらしい理念のもとで始まったものがいろいろねじ曲がってしまって、賃金不払いとかいう問題が起きてきた。そういう中で、単純労働者を幾ら条件をつけてでも受け入れますと、これは疑ってはいけないんですが、常識的に見て、やはり不法残留、不法滞在あるいは犯罪と結びつきやすいと思いますので、敬意を持って長勢私案を受けとめつつも、直ちにその方向に行くような気持ちを私は持っておりません。
○神崎委員 二〇〇九年の通常国会での関連法案の改正を目指して関係省庁と協議を進める方針とも言われておりますけれども、今後のこの問題についてのタイムスケジュール、これはどのようにお考えでしょうか。
○鳩山国務大臣 厚労省案、経産省案があるということからおわかりのように、ある意味では、これは法務委員会でございますが、政府全体で取り組む問題でございます。したがって、各種私案等を参考にしながら協議をこれから行っていって、大体平成二十一年の通常国会には法律の改正案を出せるようにまとめていきたいと考えております。
○神崎委員 最後に、フィリピン看護師、介護福祉士問題につきましてお伺いをいたします。
日本とフィリピンの経済連携協定、EPAの柱として注目されているのが、フィリピン看護師、介護福祉士の受け入れ問題であります。
フィリピンからは、既に十七万六千人の看護師が世界五十四カ国で働いているということであります。今、フィリピン側の日本への期待が急速に冷えていると言われます。フィリピンでの協定の議会承認手続も遅れているところでございます。フィリピン側のこのEPA協定の批准の見通しについて、外務省にお尋ねをいたします。
○田辺政府参考人 日本・フィリピン経済連携協定でございますけれども、日本の方は、昨年の臨時国会におきまして御承認をいただきました。現在、フィリピン側で、フィリピンの国内手続、すなわちフィリピンの上院の承認というのを待っておるところでございます。
フィリピンの上院におきましては、昨年度から本件を取り扱っておるわけでございますが、今年度、現在に至りましてもまだ審議をしておるというところでございます。フィリピン政府におきましても、早期承認に向けて上院側への御説明をしておられるというふうに認識しております。
また、私ども日本政府といたしましても、フィリピン側におきまして早期承認そして批准という手続が進むことを期待しておるというところでございます。
○神崎委員 日本での就労には、入国後六カ月の日本語研修、三年以内に看護師国家試験に合格など、高いハードルがある上、人数枠も少ないため、日本への関心が急速に冷えているとも言われますけれども、原因をどう見ておられるのか。日本側として、条件をさらに緩和する考えはあるのかどうか。
また、このたび東京都が、来年度、フィリピンから約百人の看護師と介護福祉士を都立病院などで受け入れる方針を固めたと報道されております。これは朗報だと考えますが、受け入れる側の支援体制の充実を今後どのように進めるお考えなのか、あわせて伺いたいと思います。
○田辺政府参考人 フィリピンの看護師の候補者、介護福祉士の候補者の受け入れに関します条件といいますものは、日本とフィリピンとの間で精力的な交渉を行いまして合意をしたというものでございます。
日本におきましては日本語が必要とされるわけでございますが、その日本語の研修も日本側で提供するということで合意をいたしております。また、しかるべき期間滞在できる、そういうこと、そしてまた、一定の人数枠を設けまして受け入れるという条件を日本側で決定して、フィリピン側に連絡して、フィリピン側でも受けとめていただいている、そういう状況でございます。
私どもは、このような合意された内容におきまして、フィリピン側で早期に批准手続をとっていただきまして、とにかく一日も早く円滑にスタートしたい、そういう立場でございます。
○岡崎政府参考人 この制度につきましては、看護師あるいは介護士としまして日本の国家資格をきちっと取っていただいて、その後の就労が本来の姿である、こういうふうに考えています。
したがいまして、今外務省からもありましたように、日本語研修等は日本政府の負担としてやるわけでありますが、その後も、研修を受けます病院でありますとか福祉施設等におきまして、きちっとした、フィリピン人の候補者の方々が日本語あるいは日本における看護、介護の状況を学んでいく、こういうことが重要だろうというふうに思っています。
したがいまして、受け入れの関係でJICWELSというところが窓口になるわけでございますが、これは単に窓口としての機能だけではなくて、各病院でありますとか福祉施設におきましてきちんとした研修支援等が行われるようにということを含めまして見ていく、こういうことにしておりますので、もちろん自治体等が支援していただくというのもいいことだというふうに思いますが、国といたしましても、できる限りのことをしていくということにしていきたい、こういうふうに考えております。
○神崎委員 せっかく経済連携協定ができたわけですから、国としてもしっかりした体制を整えていただきたいと思います。
以上で終わります。
○下村委員長 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
これがDVDですけれども、今資料を配りましたね。これはきょうのフライデーなんですけれども、きのう、早刷りというものでちょっと手に入れましたものですから皆さんのところに配ってありますけれども、これが、いわゆる義家さんが出演されております、法務省がつくりましたビデオですね。社会を明るくする運動でつくられたビデオということで、私もきのう内容を見ましたが、三十分ぐらいですけれども、御出演されております。
それで、同僚の高山さんが、ことしの七月四日に、そのような、法務省がやるようなビデオに選挙に出るような人が出てはいかぬじゃないか、回収せないかぬじゃないかという質問はしておりますけれども、きょうは、これはちゃんと後で聞きますが、八百四十万ですよ、八百四十円じゃないですからね、八百四十万、金も高過ぎるし、この金は一体だれの金で、今どうなっておるかということをお伺いしたい。
いかに法務省というのは役人仕事で、税金みたいなものをどう思っておるのか知らぬけれども、鳩山さんも、八百四十万、鳩山さんにとっては大した金でないかどうかわかりませんが、国民の血税をほったらかしにしておいてはいけませんよ、こういう質問をしたいということです。
では、まずこのDVDですが、ビデオも半分ありますけれども、制作費が幾らだったかを教えてください。
○藤田政府参考人 御指摘のビデオ等の制作のために法務省が制作会社に支払った金額は、今委員も御指摘になりましたが、厳密に言いますと、八百三十九万五千二百三十三円でございます。
○河村(た)委員 これは今どうなっておるんですか。どうなった、使われたのか、何なんですか。
○藤田政府参考人 このビデオ等につきましては、御指摘にもございますけれども、本人が公職選挙に立候補されるという意思が確認された時点で、この使用をしないようにということを地方更生保護委員会と保護観察所に連絡いたしました。その後、これを回収するように保護観察所に指示をいたして、回収をいたしておるところでございます。
○河村(た)委員 全然用をなしておらぬということで結構ですね。
○藤田政府参考人 基本的には役に立っていなかったということになります。
○河村(た)委員 では、役に立っていないものに約八百四十万使ったんだけれども、その金はどうなったんですか。
○藤田政府参考人 これにつきましては、法務省といたしましては、ビデオ等制作会社に対して契約に基づいて支払いをいたしたものでございますので、その契約の履行そのものは、有効と申しますか、適法になされております。したがいまして、現在までそうした法的状態が継続しているということでございます。
○河村(た)委員 八百四十万払って役に立たぬものを買ったということだね。
では、八百四十万、これはどうしておるんですか。払ったままですか。何なんですか、一体。
○藤田政府参考人 これは、制作会社の制作いたしました作品につきまして十数社からのコンペを行って、内容的にはこの作品が最もことしの社会を明るくする運動には適するというような判断をいたした上で、採用をいたしました。したがいまして、その時点におきまして明らかに予測がついていたわけではございませんので、その段階ではやむを得ない支出であったかというふうに考えておるところでございます。
その後、これをどうするかということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、一応法的には支出した状態をそのまま持続させざるを得ないというのが実情であろうかと思っておりまして、結果的に残念な事態になったと思っております。
○河村(た)委員 残念というか、八百四十万ですよ。八百四十円じゃないですよ、八百四十万。残念で終わりですか。
では、あなたのところ、だれか、義家さんに、どうするんだとか、この会社はパブリシティーさんというところですが、そちらに、これはどうなるんだとか、あなたのところが持つのかとか、そういうことは一切ないんですか。どういうことですか。
○藤田政府参考人 私どもといたしましては、契約の当事者はビデオ制作会社でございますので、そことの関係における契約関係を見てみますと、先ほど申し上げましたとおり、ビデオ制作会社が一応納品を契約に基づいてやっておりますので、その関係では法的な要求が困難であると思っております。
他方で、義家氏との関係におきましては、これは、法務省との契約関係はございませんで、ビデオ制作会社が義家氏に出演の依頼をして出演してもらったということでございますので、契約上の問題は国と義家氏との間では生じていないというふうに思っております。
それ以外にどういう問題が、何かないかということでございますが、民法上のいわゆる不法行為の問題も検討に値するかと思いますけれども、これにつきましては、不法行為のいろいろな要件がございますので、その要件の中で、例えば、過失があるのか、あるいは違法性というものが認められるのかというような観点を考えましたときに、私どもが契約前に公職選挙に立候補される意思があるかということにつきまして確認をいたしましたところ、その時点においては出馬の意思は持っていないということでございました。そういうことを前提といたしますときに、公職に立候補する権利をその後に生じられたということをもって、これで違法性があるかというふうに考えるときには、なかなか難しい問題があろうかなというふうに考えておるところでございます。
○河村(た)委員 法務省も責任がないということだね、今言われたのは。
このままほうっておきますと、義家さんに批判の矢が行きますよ。義家さん、ギャラをもらっておるでしょう。これは当然ですけれども、もらっておるわけだ。それで、使えぬものを国民の血税で買わせてしまった。そんなもの、だれも責任がないなんてあり得ないじゃないですか。大体、何を考えておるんですか。
法務省の人たちは、税金をいわゆる自分の金よりも大事に使わないかぬ義務があるでしょう。法務省に責任はないんですか。まず、そういう責任があるかどうか、確認していってよ。
○藤田政府参考人 責任論で申し上げますと、私どもとしましては、行政のいろいろな手続を進める際に、その時点における最善の注意義務をもって進めなければならないというふうに自覚をいたしております。
本件につきましては、当局の責任におきまして、このビデオの内容を最もすぐれたものと判断いたしました。その時点において、契約締結前にも一応御本人の出馬の意向のないことを確認いたしております。その上で契約を締結いたしたものでございます。
その後の事情といたしまして、公職への立候補という非常に厳粛な権利の行使ということが行われたわけでございますので、広い意味で、どのような意味における責任が何もないかというようなことは私もなかなか判断しづらいところがございますけれども、少なくとも、行政を行う上での責任が法務省に生じているというふうには認識をいたしておりません。(河村(た)委員「おりませんと。最後、どう言われたんですか。語尾が聞こえなかった」と呼ぶ)少なくとも、法務省に行政責任が生じておるというふうには考えておらないところでございます。
○河村(た)委員 本当にとんでもないことを言っておるね。では、何ですか、八百四十万がなくなって当たり前という考え方ですか。
○藤田政府参考人 大変残念なことでございまして、本当にもったいないことをしてしまったという自覚は深くいたしておるところでございます。ただ、法的な意味において何かできるかということになりますと、なかなか難しい問題があるのかなという状態だと考えております。
○河村(た)委員 高山さんが質問したときに長勢大臣が、義家さんが立候補するということは全くわからないというか知らない段階でつくって、これを活用してきたところでございます、こう言っておられますね。だから、その可能性も全くわからなかった、全くわからない、そういうことでつくったわけですね。ちょっと確認しておきます。
○藤田政府参考人 そのとおりでございます。
○河村(た)委員 うそを言うんじゃないというんですよ。いいかげんにしておかないかぬ。私もおかしいなと思ったんだ。これは、きのうの夜かかりましたけれども、月刊現代という雑誌がありますけれども、月刊現代、十月一日発売ですが、私が聞きますと、大体九月中旬ごろには普通は原稿の準備をしている。
鳩山さん、月刊現代というのは一流の雑誌でしょう。どうですか。
○鳩山国務大臣 一流の雑誌だと思っております。
○河村(た)委員 いいですか、ここに、十一月号ですけれども、十月一日発売です、この四十七ページ、ここだけ言いますと、「それ以外にも、ヤンキー先生こと義家弘介も口説き、」これはままで、敬称がないですが、「好感触を得ていることまで漏れ伝わってきた。」ということで、参議院の候補者のくだりで、はっきり月刊現代に書いてありますよ。あなたが知らないというのは、冗談じゃないですよ。当然、もっといろいろな注意を払ってやるべきじゃないのか。一体何なんですか。先ほどのを撤回したらどうですか。
○藤田政府参考人 御指摘のような記事につきましては、一つの情報であろうかと存じますけれども、私どもといたしましては、一応契約締結前において御本人の意向をきちんと確認する手続をとらせていただきまして、その回答において、疑わしいとかあるいはちゅうちょされたとかというような状況もございませんで、明確に否定をされたということでございますので、それを信頼して事を進めたということでございます。
○河村(た)委員 それでは、この月刊現代の記事の存在を知っておったんですか。
○藤田政府参考人 私自身は実は不明にして存じておりませんでしたけれども、所管の課において把握していたかどうかということは今確認をいたしておらないところでございます。
○河村(た)委員 重要だから、今ちょっと電話をかけてくれぬかな。確かに、きのうこの記事はわかったもので、私は隠しておったわけじゃない。きのうの夜中にこれを発見したんです、国会図書館から聞いて。これが実際ですから。ヒアリングに来ていただいて申しわけないけれども、本当に抜き打ちでやったわけじゃないんです。
だから、ちょっと担当者に聞いてくれぬかな、ちょっととめていただいて。別に含みはありませんけれども。
○下村委員長 いや、同時並行でやってもらったらどうですか。
○河村(た)委員 あの人はわからないもの。
○下村委員長 いや、同時並行で、質疑は続けながら、事務方としては対応してください。質疑は続行をお願いします。
○河村(た)委員 それでは、聞いておいてくれますね。
そうすると、まず一般的に言うのは、こんな、月刊現代に出ておるわけでしょう。
九月の初めに電話をかけたというが、では、どうやって確認したか、ちょっとしゃべってください。
○藤田政府参考人 意向確認の方法でございますけれども、当局の担当課、これは更生保護振興課と申しますが、これの係員からビデオ制作会社の担当者に対しまして、義家氏本人が参議院議員選挙に出馬する意向がないということを確認願いたい旨、電話で依頼をいたしました。ビデオ制作会社の方から義家氏の事務所に電話で確認をしたところ、その意向はないという回答を受けた、そういう旨、ビデオ制作会社から当局係員に報告があったというものでございます。
○河村(た)委員 何で義家さんに電話したんですか。何でそういう意思を確認する必要があると思ったんですか。
○藤田政府参考人 意向確認をいたしました理由でございますけれども、これは、平成十三年度の社会を明るくする運動広報ビデオに出演をしたコーディネーターがその後に参議院議員選挙に出馬をされてビデオの活用を自粛したという経緯が一度ございまして、同様にコーディネーターとして出演をしていただく義家氏に対して意向確認をしておくということといたしたものでございます。
○河村(た)委員 後で返事が来るだろうけれども、違うんじゃないですか。この記事等によって知っていたんじゃないですか。どうも、義家さんが政府の役職も務められておるし、ひょっとしてもう一回失敗を犯すといかぬので、一応確認したんじゃないですか。
○藤田政府参考人 先ほどの月刊現代の記事につきましては、所管課においても承知していなかったということでございます。
○河村(た)委員 そうなると、ちょっとあなたのところは責任がないとは言えませんよ。言っておきますけれども、そんなことを言っておると全部義家さんの責任になりますよ。今の月刊現代の記事だと、好感触を得ていることまで漏れ伝わっている、こう書いてありますからね。
言っておきますけれども、私、これを見ましたけれども、本当にこのDVD、法務省と出てきますよ。ちゃんと法務省と出るんですよ。そんなものに選挙に出る人を使ったら絶対にいかぬでしょう、直前において。言っておきますが、よっぽど注意せないかぬですよ。これは当たり前です。そうでしょう。
法務省の職員は一体何人おるんですか。月刊現代、そんなものを知らなかったなんて通るわけないじゃないですか。あなたのところはまず知っておったんだよ。これは、出ると困るなと思って、それで電話したんだ。そうですよ。あなたのところの責任を認めたくないからそうなるんでしょう。
そうなっていくと、だんだん本当に義家さんに来てもらわないかぬようになってきますよ。あなたは自分で出る含みがあって、どんどん立候補声明というのは延ばした方が、要するにいろいろなテレビなんかも出られるから、立候補声明した瞬間にストップしちゃうから、使えるものをみんな使っておけと。自民党の方も気をつけてくださいよ、自民党の候補がかんでおったとすれば。
そういうふうに、義家さんの責任になるよ。それか法務省か、どっちかの責任で、本当に弁償したらどうだよ。これだけ月刊現代にはっきり出ておるのを漫然とやって、八百四十万も国民の血税を使って、残念だったの一言で終わるはずないじゃないの。弁償するか、義家さんにちゃんと金を払わすか、義家さんは頼まれた人だったら、このパブリシティーさんに、かくかくしかじかで、これは穴を埋めてくれとちゃんと言ったらどうですか。
○藤田政府参考人 先ほどの繰り返しでまことに恐縮でございますけれども、一応、行政当局といたしましては可能な限りの手を尽くして意向確認をしたということでございます。
ただ、責任の関係につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども......(河村(た)委員「弁償したらどうですか、個人で」と呼ぶ)その点につきまして、義家氏の方もまた何らかのことがおできになるのかどうかというようなことにつきまして、御本人の方でも検討を始めておられるやに聞いておるところでございます。
○河村(た)委員 それでは、鳩山さん、今までの話を聞いておって、きのうちゃんと質問通告してありますけれども、八百四十万、これは残念で済むことかどうか、まず第一問。それで、どういう対応をされるか。弁償したらどうですか。
○鳩山国務大臣 非常に残念な事柄だし、義家さんがいつ立候補を決意したかという問題も微妙なところがあるんだろう。十三年のときに大仁田厚さんが......(河村(た)委員「その話はいい。ちょっと結論を言ってください。どう対応されるべきか」と呼ぶ)
そうですか。それでは、契約は法務省と会社の契約でございましょうから、これは会社に責任を求めても難しいでしょう、正直言って。義家事務所からは私のところに、出演料は返納する用意があるという連絡がきょう来ております。(河村(た)委員「幾らでした」と呼ぶ)わかりません。しかし、出演料は明らかになっているものでしょうから、義家さんは出演料を返納する用意があるという連絡が来ておりますので、金額は追って明らかになると思っております。
ただ、法務省と企業の契約において、これは非常に法的には難しい。だから、非常に......(河村(た)委員「何が難しいだ。責任があると感じないの」と呼ぶ)
○下村委員長 河村君、挙手をして発言をお願いします。
○鳩山国務大臣 いや、それは、法的な責任かそれ以外の責任かということの問題はあると思いますよ。だから、やはりそれは本当に慎重に考えていかなくちゃいけないことだ、人を選ぶに当たっては慎重にも慎重にやらなくちゃならぬなという教訓にはなりますね。
○河村(た)委員 何が教訓ですか。月刊誌にこれだけはっきり出ておって、電話一本かけて、ああそうですかで済む問題じゃないですよ。受け取る前にこの記事が出ておる。何人おるんですか、法務省の職員。何人おるんだよ。まず、そんなことを知らぬはずないじゃないか、参議院選の候補者。
だから、ここまで出ておるけれども、電話ではそうあったけれども、その場合はうちは使えませんので、もしやったらあなたのところの責任になりますよ、そこまで言って当たり前じゃないですか。
そう思わぬかね、大臣。決まっていますよ。普通の民間だったら考えられぬよ、言っておくけれども。こういうふうに使えぬものだったら、納入業者に必ず注意しますよ。使えぬようになるかもわからぬけれども、あなたのところの責任になってお金を返してもらうということになるかもわからぬので、絶対ないですね、それでは、義家さんに確証をとってくださいと。それでもしだめだったら差しかえりゃいいんだから。そうなりますよ。そう思わぬかね。
では、大至急法務省の責任をちょっと協議してくださいよ。なしならなしで言ってくださいよ、本当に。とんでもないですよ、そんなもの。
○鳩山国務大臣 ですから、契約は企業と法務省のことであって、法務省が企業に、債務不履行というか、きちんとやってないじゃないかということは非常に言いにくい状況だ、言えない状況だと思いますよ。
○河村(た)委員 何を言っておるんですかね。商売をやったことのない人なものだから、物すごく甘いよ、人の金ばかりで。本当ですよ。商売をやっている人なら、使えぬようになるということになると、自分のところがまともにかぶるからね。八百四十万ですよ。これは、そうなることがこんな誌面に出ておる場合は、必ず納入業者にもう一回しっかり確認しますよ、あなたのところで持ってもらわないかぬようになりますよと言って。当たり前ですよ。そう思わぬですか、あなた。
○鳩山国務大臣 正直言って、最もばかばかしい税金の無駄遣いであると思いますよ。それは認めますよ。しかし、それをどこかから請求するというような話になるとこれは難しいな、こう思います。
ただ、絶対あってはならない税金の無駄遣いだと思います。
○河村(た)委員 それでは、弁償したらどうですか。自分たちで、みんなでカンパして、弁償するなりしたらどうですか。(鳩山国務大臣「一緒に」と呼ぶ)どうしてもと言うならやりましょうか、おれは関係ないけれども。それでは、あなたがそういうつもりなら出しましょう、委員会におるから。
○鳩山国務大臣 それはそれぞれの自発的な意思の問題であって、強制的にできることではないと思います。
○河村(た)委員 本当に、こういうのを役所仕事というんですよ。国民に申しわけないと思わないかぬよ、八百四十万。いいですか。(鳩山国務大臣「非常に申しわけないです」と呼ぶ)では、そこを言ってください。
○鳩山国務大臣 ですから、国民に対しては大変申しわけのない、本当にばかばかしいというのか、税金の無駄遣いであるということは率直に認めますよ。それは国民に対して申しわけなく思います。
○河村(た)委員 しかし、これはほうっておかずに、大臣、法務省の責任に関しても、この月刊現代、きのう出てきたんだから、だから、みんなもっと注意を払うべきでなかったか、それを調査すると言ってくださいよ。
○鳩山国務大臣 コーディネーターというんでしょうか、中心となる人物に出演をしてもらうときにはさらに十分な注意を払うべきであった......(河村(た)委員「この事態について調査すると」と呼ぶ)ですから、厳しくしからなければならぬと思っております。
○河村(た)委員 調査すると言ってください。これは調査してもらわないと困るよ、血税の使い道をチェックする仕事だから。
○鳩山国務大臣 よく話を聞いてみます。
○河村(た)委員 それでは、今度それを報告してくださいね。
八百四十万と同じような、この間約束したというか、約束に準ずる話ですけれども、刑務官の佐藤さん、ヒアリングをされましたか。
何が言いたいかというと、私、これを聞いておって頭にきたんですよ、八百四十万ろくでもないところに使って。彼は無罪の判決を受けて、給料がもらえずに、刑事補償というのは拘束したときしか出ないから、これは地獄の苦労をしておるわけですよ。
鳩山さん、これは事情を聞かれましたか。あなたの部下だよ、間違いなく。いいかね。あなたは友愛だとか何か言っておるんでしょう。本当の部下の、末端の公務員が苦しんでおるときに、なぜヒアリングをしようとしないんですか。
○鳩山国務大臣 友愛は兄弟で言っておりますので......(河村(た)委員「言っておるだけじゃ意味ないよ、そんなもの」と呼ぶ)いやいや、これから実践しようと考えております。
今の先生の、まずお手紙を見せていただいたでしょう。それは本当に非常に私にさまざまなことを教えてくれる手紙だったと思うし、いろいろな思いを抱いたのも事実です。(河村(た)委員「だから、会って聞いてくださいよ」と呼ぶ)この間も、お会いするのにやぶさかではないとお答えをいたしております。ただ、タイミングの問題があるなと。
というのは、無罪が確定した佐藤刑務官以外に、一名について有罪が確定し、六名について今高裁で、控訴審で係属中でございますから、全体の判決の確定がありますと非常にお会いしやすくなるな、こういうふうに考えております。
○河村(た)委員 むちゃくちゃ言ったらいかぬよ、鳩山さん、本当に。これはちょっと一遍またちゃんとお話しせないかぬけれども、下手をしたら最高裁まで行きますよ、検察官がいつまでも意地を出してやっておったら。それに、あなたの部下なんでしょう。身近な人が苦しんでおる姿を、話をヒアリングできぬ人が、何が友愛なんですか、一体。何が友愛なんだ。何が刑務官が過剰収容で苦しんでいるですか。そんな話を本当によく言えたもんだよ。よそごとですか。それは聞かないかぬですよ。何で後ろの法務省の役人の話を聞くんですか。あなたは役人のそういうことを正すために議員から大臣になったんでしょう、官僚制を正すために。そうじゃないの。
聞いたらどうですか。むちゃくちゃですよ、そんな話は。
○鳩山国務大臣 役人がすべて悪だという考え方は全く持っておりません。非常に優秀な役人もそろっていると思っておりまして、やはり、お会いすることはやぶさかではないんですが、もう少し全体像が裁判によって明らかになってきた方がいい、こう思っております。
○河村(た)委員 とにかく信じられぬですわ。鳩山さん、またこれは個別にちょっと言いますけれども、本当に考えてやらないかぬよ。そんな、あと十年も最高裁までやる。刑務官がどうのこうのと言ってくれるなと言いたいですよ。
ということで、時間ですから、もう一問だけちょっと、すぐ終わりますけれども、この間言われた例のペンタゴンの話。
私は、日本にはきちっとしたインテリジェンスが必要だ、そういう立場の方ですから、安心して答弁していただけばいいんだけれども、あれは、話はロッキード関係じゃなかったですか。
○鳩山国務大臣 残念ながら、インテリジェンスにかかわるようなものではなくて、全く、私は田中角栄総理大臣の私設秘書、その私設秘書に、若いペンタゴンの方が大使館に勤務しておられて、五回ぐらいかな、食事を誘ってごちそうになった。何にも聞かれませんでした、ロッキードのロの字もありませんし。
ただ、私は、私のように何にも知らない人間にさえも、いざというときの友人関係を結ぶためにてんぷらやすしやウナギをごちそうするというアメリカの情報収集の仕方というのはすごいなと思った印象を持っております。
○河村(た)委員 しかし、前の答弁の中で、「何もわからなくても一生懸命いろいろなことを聞いておりまして、」鳩山さんはそう言っておるんですよ。それと、総理の秘書でしょう、鳩山さん。これは、そういう面でもうちょっと、やはり重要なことだと思うんですよ。
言ってもらえることは立派だと思うよ、はっきり言いまして。すぐそういうことを、いろいろなことを言う人がおりますが、僕は思わない。鳩山さん、これは立派ですよ、こういうことを言ってくれるというのは。
だから、本当に、そこらのてんぷらがうまいとか、すしがうまいとか、そういう話だけだったのか。もうちょっとやはり聞かれたんじゃないですか。
○鳩山国務大臣 いや、残念ながら、私がまだ当時二十三歳のぺいぺいでございましたから、全く、しかも、部屋ということは一切なくて、いつもカウンターでしたから、どこでも聞こえるので、名古屋にはういろうというおいしいお菓子があったと言ったかどうかは定かでありませんが、そんな程度の話です。
○河村(た)委員 では、時間が参りましたので終わりますけれども、とにかく、先ほどの話をしっかり、八百四十万、これは税金ですから。それから、刑務官の佐藤さん、これはちゃんと聞いてやってくださいよ、本当に。
終わります。
○下村委員長 次に、細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川律夫でございます。
質問通告をいたしておりましたけれども、その質問通告以外でちょっと最初に質問をさせていただきます。
先週の月曜日、この法務委員会でも、小菅の東京拘置所の方に、これは特に死刑の執行をする刑場について視察をしようということで、委員長ほか委員が視察をしたわけでございます。そのきっかけとなりましたのも、鳩山大臣の方で、死刑執行について、エスカレーター式にしたらどうかとかいろいろ発言がありまして、この委員会でも問題になったということから視察をいたしました。
そこで、今、急に、この委員会が開かれている中で、突然ではありますけれども、きょう死刑の執行がなされたということが、間接的ではありますけれども私の耳に入ったので、ちょっと確認をさせていただきます。
きょう、死刑の執行があったんでしょうか。
○鳩山国務大臣 はい。本日午前九時三十八分までに、死刑確定者三名の死刑を執行いたしました。本日午前十一時十五分、死刑確定者三名に対する死刑執行について、法務省から記者発表をいたしました。
先ほど水野先生から御質問をいただいた時点ではまだ記者発表をしておりませんでしたので、申しわけないながら、あのように御答弁をさせていただきました。
と申しますのは、やはりそういう極刑を実行するわけでありますから、その結果を御遺族等に全部連絡がとれませんと記者発表すべきでない、こう思ったものでありますから、私自身は九時三十八分までに三名の死刑の執行が終わったことを知っておりましても、あのような答弁しかできなかったことは、国会という国権の最高機関でありますが、御理解をいただければありがたいと思っております。
そして、記者発表の中で、名前、場所、それから犯罪の内容、判決等を配らせていただいたと思います。
○細川委員 国会の委員会で水野委員の方から質問があったわけですから、それに対しては、みずから、大臣の方からきちっと話があってしかるべきだったというふうに私は思います。
そこで、大臣、大臣は死刑執行のことについていろいろ大臣みずから御発言をなさり、そして今法務省の中で勉強会などもしているというふうに聞いております。この委員会でも、その点について今後議論をすべきだということで、委員長ほか死刑の刑場の視察もいたしまして、大変厳粛な気持ちで我々もその刑場を見てまいりました。そういうときに、今大臣が言われたように、きょう三人の死刑が執行されたということについては、私は大変複雑な気持ちでございます。
そこで、きょうの水野議員からの質問でもお話がありましたけれども、死刑の執行があった場合には、その死刑執行された人の名前の公表ということも大臣の方からはお話がありましたけれども、今回の三名についてはいかがされるつもりでございますか。
○鳩山国務大臣 今回の三名については、名前も場所も、基本的な犯罪事実と裁判の経過も、資料として記者発表をさせていただいております。
本日、池本登、府川博樹、藤間静波の三名の死刑を執行いたしました。
○細川委員 ここは法務委員会でございますから、記者発表をされたということであるならば、この委員会でどういうことを、きょうの死刑執行について、大臣の方から直接この委員会にすべてを、ここでお話をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 実は、非常に厳粛な気持ちですべて受けとめなければいけないわけでございますが、衆議院の法務委員会ときょうの日が重なってしまったわけです。もし法務委員会がなければ私がみずから記者発表をするということも考えておりましたが、国会との関係で、国会優先でございますので、こちらに参っております。
これを、記者に発表した紙を配らせていただいてよろしいでしょうか。
○細川委員 これは、この委員会でも、死刑の執行についてはこれまでも議論もしてきたところでもございますから、単にペーパーを配るというのではなくて、大臣みずからきちっと説明をしていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 死刑執行いたしました池本登、昭和七年十二月二十二日生まれ。
〔犯罪事実の概要〕
本犯は、
1 隣に住む遠い親戚の被害者A(当時四十六歳)とその内妻の被害者B(当時五十四歳)が、かねて自分の自動車の荷台にゴミを捨てる嫌がらせをしていると思い込んで憎んでいたところ、昭和六十年六月二日、自らが所有し愛着を持っていた畑にゴミが捨てられているのを発見し、A及びBの仕業と考えて激昂し、翌六月三日午後五時ころ、A方に赴いて詰問したが、逆に同人から怒鳴られたことから、憤激の余り、この上はA及びBを殺害しようと決意し、直ちに自宅から散弾銃及び実包を装備した弾帯を持ち出した上、A方に戻り、
ア A方庭先において、Aに対し、至近距離から散弾二発を発射し、さらに、倒れた同人の胸部を狙って二発発射して殺害した(殺人)。
イ その直後、A方居室内に赴き、Bに対し、至近距離から散弾二発を発射し、その右前頭部及び前胸部に命中させて殺害した(殺人)。
2 A及びBを殺害後、近くの路上で自転車に乗った被害者C(当時七十一歳)を認めるや、かねてから飲酒しては本犯を揶揄するようなことを言っていたCに対しても強い憎しみを抱いていたことから、既に二人を殺害した上は、二人殺すも三人殺すも同じことだと考えて、Cをも殺害しようと企て、約三十メートルの距離から、その距離から同人を狙って発砲すれば散弾が付近の人にも当たって死亡させるかもしれないことを認識しながら、あえて、
ア Cに向けて散弾二発を発射し、同人の身体に命中させた上、さらに、逃げようとする同人を追いかけ、至近距離から散弾二発を発射し、その左下腹部等に命中させて殺害した(殺人)。
イ 最初にCに向けて発射した散弾二発のうち一発を、付近で農作業に従事していた被害者D(当時四十九歳)の腹部及び右前腕部にも命中させたが、同人に対しては加療約二週間を要する腹部裂傷等の傷害を負わせたにとどまり、殺害するに至らなかった(殺人未遂)。
〔執行場所〕 大阪拘置所
死刑を執行いたしました府川博樹、昭和四十六年六月六日生まれ。
〔犯罪事実の概要〕
本犯は、
1 クラブでの飲食代金や同店ホステスとの交際費用等を得るため、勤務先の新聞販売店の同僚であった被害者A(女性、当時四十一歳)から現金を騙取しようと企て、平成十一年一月二十八日から同年四月一日ころまでの間、十一回にわたり、Aに対し、「父親が癌で入院しており、その入院費用がかかる。必ず返すから貸してほしい。」と嘘を言って、これを信じた同女から、現金合計五百三十八万円を騙取した(詐欺)。
2 上記ホステスにクラブを辞めさせるために渡す必要があると考えた二百万円を調達するために、上記新聞販売店の営業活動で知り合った被害者B(女性、当時六十五歳)から現金を騙取しようと考え、平成十一年四月十九日午後四時三十分ころ、東京都江戸川区内の同女方において、借金の話を切り出したが、これを断られ罵倒されるなどしたため、憤激の余り殺意を抱き、その頸部を両手で締め付け、台所にあった洋包丁で、その背部を一、二回突き刺し、これを同女の母である被害者C(当時九十一歳)に目撃されたため、同女をも殺害しようと決意し、その頭部を洋包丁の柄で数回殴打し、その背部を洋包丁で二回突き刺した後、現金を奪い取ろうとタンス等を物色していたところ、B及びCがいまだ生存していることに気付き、この上は両名を確実に殺害して現金を強取しようと決意し、Bの背部等を洋包丁及び裁ち鋏で数回突き刺すなどし、Cの腹部を洋包丁で二回突き刺すなどし、更にタンス等を物色したものの、現金を発見できず強取の目的を遂げなかったが、そのころ、同所において、B及びCを死亡させて殺害した(強盗殺人)。
3 上記二百万円を調達するため、かねて肉体関係のあった被害者D(当時三十二歳)から現金を騙取しようと企て、翌四月二十日、同女方において、「父が癌で入院し、一日でも長生きさせてやりたいが、手術には二百万円かかる。」などと嘘を言って、これを信じた同女から、現金二百万円を騙取し、さらに、自らの逃走資金や上記ホステスの生活資金等のために、Dに対し、癌で死んだ父親の借金を返す必要があるなどと嘘を言い、同月二十八日から五月十一日までの間、三回にわたり、現金合計二百十九万円を騙取した(詐欺)。
〔執行場所〕 東京拘置所
三人目の執行をいたしました人は、藤間静波、昭和三十五年八月二十一日生まれ。
〔犯罪事実の概要〕
本犯は、
1 窃盗の共犯者であったA(当時二十歳)が、本犯から現金を盗み、返済の要求にも容易に応じないことなどから、裏切られたとしてその殺害を企て、昭和五十六年十月六日午前五時ころ、横浜市戸塚区内の路上において、包丁及び小刀で、Aの頸部、背部、左右大腿部等を突き刺し、十か所に及ぶ前頸部刺創等を負わせ、左総頸動脈切断により失血死させて殺害した(殺人)。
2 B女(当時十六歳)から交際を避けられ、執拗につきまとっていたところ、ますます疎まれて同女とその家族から強く交際を拒まれたため、怒りを募らせて同女一家の殺害を企て、Eと共謀の上、昭和五十七年五月二十七日午後八時過ぎころ、神奈川県藤沢市内のB女方に押し入り、本犯が、包丁及び小刀で、
ア B女の妹C女(当時十三歳)の胸部、腹部、背部等を突き刺し、十五か所に及ぶ左右前胸部刺切創等を負わせ、心臓切創により失血死させ、
イ B女及びC女の母D女(当時四十五歳)の胸部、背部などを突き刺し、六か所に及ぶ背部刺創等を負わせ、胸大動脈刺創により失血死させ、
ウ B女の胸部、背部などを突き刺し、六か所に及ぶ右前胸部刺切創等を負わせ、心臓刺創により失血死させ、
それぞれ殺害した(殺人)。
3 上記2事件の共犯者E(当時十九歳)が、逃走後、本犯から離反しようとしたため、口封じのためその殺害を企て、昭和五十七年六月五日午後九時三十分ころ、兵庫県尼崎市内のマンション階段踊り場において、小刀二本で、Eの胸部、頸部を数回、背部を多数回突き刺し、二十九か所に及ぶ右側頸部刺切創等を負わせ、右頸動脈切損により失血死させて殺害した(殺人)。
4 単独又はAと共謀の上、昭和五十六年五月から昭和五十七年五月までの間、十回にわたり、現金合計約三百二十一万五千五百七十五円及びハンドバッグ等百六点(時価合計約七十万二千八百円相当)を窃取した(窃盗)。
〔執行場所〕 東京拘置所
以上三件でございます。
○細川委員 今、大臣の方から御報告がありましたけれども、大臣は、死刑の執行などについていろいろと議論も提起をされてまいりましたけれども、きょう、三人の死刑執行が行われた。大臣自身が死刑執行書に署名をされたということできょう執行をされたんですけれども、今の大臣の心境、どういう御心境でございますか。
○鳩山国務大臣 死刑という制度そのものについての御議論、モラトリアムをおっしゃる方、死刑制度廃止をおっしゃる方、アムネスティの方、EUトロイカの方あるいは保坂先生を初めとする議員連盟の方、いろいろお話を承って、それなりに勉強はいたしております。
しかしながら、そうした勉強ということとは別に、やはり、法務大臣として責めを果たし、粛々と死刑の執行も行わなければならないという両面がございまして、数日前にサインをし、本日、執行させていただいたわけで、胸の痛み、心の痛み、それは極めて巨大な、大きなものがございます。
何といっても、国家権力によって人の命を絶つわけでありますから、それは斎戒沐浴してサインをさせていただいたということでもあり、大きな心の痛みを感じますが、他面、法に基づいてきちんと、粛々と実行しなければいけないということ、また、極めて凶悪な犯罪に対しては死刑をもって当たれ、または死刑を執行すべしというかなり多数の世論が存在をしていること等を考えますと、どんなにつらくても、正直言って、死刑の執行の命令は法務大臣が行うと刑事訴訟法に書いてあって、私の命令によるわけですから、逃げることのできない仕事、責務と思って今回執行させていただいたということでございます。
私の、かつていろいろ問題提起したことにはさまざまな意味がありますし、正直言って、つらくないと言えばうそになる、大きな心の痛みがある。しかし、法に従ってきちんとやらねばならない、それがまた、治安、安全あるいは被害者、遺族の皆さんのお気持ち等あるいは世論にこたえる道であると思うと、執行せざるを得ないという状況でありました。
○細川委員 今、私どもこの法務委員会では、下村委員長を初め、先週、東京拘置所のあの死刑執行場を視察してまいりました。その場所できょう二人死刑執行がなされたということでございますので、私自身は大変精神的にもショックも受け、動揺もいたしております。
きょう、この時間、質問を予定しておりましたけれども、私としては質問を続けることがちょっとできませんので、委員長には大変申しわけないと思いますけれども、これで私の質問を終わらせていただくように取り計らいをお願いいたします。
○下村委員長 それでは、細川律夫君の質問を終了いたします。
午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時四十九分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○下村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたしますが、その前に、鳩山法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山法務大臣。
○鳩山国務大臣 先ほど、ちょっと言い間違いをしたようでございますので、訂正いたします。
二番目に御説明いたしました府川博樹の生年月日、昭和四十年六月六日生まれでございます。四十六年と言い間違えたように注意を受けました。
それから、三人の死刑を執行させていただいた方々の、いつ地裁の判決で、高裁でというようなことを公表するように申し上げましたが、きょう読み上げたものにもプレスにお見せしたものにもそれは入っておりません。調べればそれはわかることですが、まるでそれらが資料に入っているように申し上げたのは私の間違いでございますので、申しわけありませんでした。
○下村委員長 西村智奈美君。
○西村(智)委員 民主党の西村智奈美でございます。よろしくお願いいたします。
きょう私は、民法七百七十二条に関して五月七日に法務省の方から出されました通達に関連して、何点か伺いたいと思います。
五月七日に出された通達によって、三百数十件の方がいわゆる離婚後妊娠ということで医師の証明書を得て救済されたということは伺っておるんですけれども、実は、この証明書によっても、この通達が出されてもなお救済されないケースがあるということについて伺いたいと思っております。
私は、きょうは、この証明書についての算出根拠のところを中心に伺いたいと思っているんですが、大臣、この通達が出た後も、実は離婚後の妊娠であるにもかかわらず救済されないケースがあるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
それはここの算出根拠のところにある一の項目なんですけれども、このように書かれています。算出根拠、一、二、三のいずれかに丸印をつけてくださいということで、その一として、出生証明書に記された出生日と妊娠週数から逆算した妊娠二週ゼロ日に相当する日は平成何年何月何日であり、ここは記入することになっておりますが、その期日に前後各十四日間ずつを加えて算出したと。それを、上記の懐胎の時期、括弧して推定排卵日ということになっておりますけれども、その期日をここに記入しなさいということになっているんです。
つまり、この記述に従うと、まず妊娠二週ゼロ日を割り出す、そこからその前と後ろに二週間ずつという長い期間を足し合わせて、その四週間がいわゆる懐胎の時期、推定排卵日として推定されるということなんですが、実質的に離婚後の妊娠であるにもかかわらず、この期間が余りにも長いということで救済されないケースが多々あるわけなんです。
なぜこの各二週間ずつを前後に足すということになったのか、その経過を伺いたいと思います。
○倉吉政府参考人 まず、前提となる本件の問題点について簡単に御説明をさせていただいて、その上で、この通達がどうしてこういうあれになったのかということを御説明したいと思います。御了解いただきたいと思います。
離婚後三百日以内に出生した子については、原則として、民法第七百七十二条の規定によりまして、前の夫の子供と推定されます。したがって、前の夫の子としてしか出生届を出すことができないということになるわけでありますが、最高裁の判例では、子供の懐胎時期に既に事実上の離婚をして夫婦の実体が失われているなどして性的関係を持つ機会がなかった、そういうことが明らかであるような場合には推定が及ばないとされております。
こういう推定が及ばない場合についてはどうするのかということなんですが、今、この場合には親子関係不存在確認等の調停裁判の手続が必要だということになっておりまして、その手続を経て、間違いなく後の夫の子供ですよということがわかれば、そういう出生届を受理する、こういう扱いになっているわけです。
今先生の御指摘のとおり、救済されないということを言われましたが、この調停裁判の手続を経なければならないということが、事案によっては当事者に非常に重い負担を課すことになるのではないか、こういう指摘がありまして、法務省としても検討を始めたわけでございます。
そこで、子供の懐胎が、今先生の御指摘のとおり、母親の離婚後である場合、この場合については何とかできないだろうかということをまず検討いたしまして、先ほど御指摘のありました通達を平成十九年五月七日に出しました。つまり、離婚後三百日以内に出生した子のうち、医師の作成した証明書を提出することにより離婚後の懐胎であることを証明することができる事案については、前の夫を父としない出生届、つまり後の夫を父とする出生届を出すことができる、こういうことにしたわけでございます。
ただ、ここから先生の御質問に対するお答えということになりまして、まことに恐縮ですが、戸籍の窓口の職員というのは裁判官ではございません。それで、普通、この子供がいつ懐胎したんだろうかというのは極めて医学上難しい認定、専門的な認定でございまして、裁判所がいろいろな資料を集めて証拠をとって、そして証言を聞き、あるいはお医者さんのいろいろな意見を聞き、この辺だろう、こう定めるというのが、一般論として言えば、そうするべきことということになろうかと思います。
ただ、お医者さんの証明書が、ある程度わかりやすい証明書が出て、いつからいつまでの間に懐胎したものと推定できる、そして、その推定できる算出根拠がある程度わかりやすく書かれている、そういうものが出れば、形式的審査権限しかないと言われております戸籍の窓口の、つまり市区町村の職員ということですが、そういう人たちでも判断できるだろう。
そこで、その証明書というのはどんなものだろうかということを検討したわけでございます。これらの事項については、もちろん法務省に専門的知見があるわけではありませんので、医療の関係団体、具体的には日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本医師会、こういうところに照会をいたしました。そして、医学の専門的見地からの意見を伺ったわけであります。
要するに、超音波検査というのがあります。妊娠初期のころにこの超音波検査をやりますと、子供の大きさから大体いつごろ妊娠したんだというのが推定できるそうであります。その超音波検査によってある程度わかるということになるわけですが、実はこれは、ピンポイントでこの日に妊娠したんだと当てられるものではない、誤差があるんだということなんです。その誤差について、お医者さんによって意見が違う、それから診断回数、診断日数によっても違うということになります。その辺のところを、先ほど申し上げました医療関係団体に照会いたしました。そうすると、誤差としては前後二週間ぐらいを見るのが妥当なところであろう、検討の結果、こういうふうな結論になりましたので、それを標準といたしました。
しかし、もちろん、お医者さんによって、もっと正確に診断できるという人はいるわけです。それから、診断回数が多い、もっと早い時期から診断をしていたというときには、もっと正確に、ピンポイントに近い形でできるということもありますので、ここに注をつけまして、個々の医師の裁量権を尊重して、お医者さんが自分は前後五日だと思う、前後三日だと思うということであれば、そのことを書いてくれ、それによって窓口では判断をいたします、こういう扱いにしたということでございます。
大変長くて申しわけありませんでした。
○西村(智)委員 標準ということでおっしゃるのであれば、いずれにしても、前後二週間というのは余りに長いと思います。
それはなぜかというと、標準的に月経周期は大体二十八日というふうに言われておりまして、仮に妊娠二週ゼロ日で受精した、排卵日があったということですと、その二週間前までさかのぼってしまうと、これは標準的に言えば月経の開始日ということになりますよ。月経の開始の期間、月経の期間中に妊娠するなどということは、これは常識的に考えて、まあ医学的にそういうことがあるのかどうかわかりません、私も医学的な知見がそんなにあるわけではないのでわかりませんが、今のところそれはないと言われているわけですよね。
ですので、なぜ懐胎の時期、推定排卵日とされる期間がこれほど長く設定されるのかということについては、私はちょっとやはりおかしいのじゃないかと思うんですけれども、局長、どんなふうにお考えでしょうか。
○倉吉政府参考人 これは、実は私も、お恥ずかしいのですが、専門的にどうなのかというのは本当によくわからないところがあります。
それから、月経周期というのがどれくらいにとられていたかというようなことも、個々の人によって違うかもしれませんし、わからないということがあろうかと思うんですが、いろいろな医家団体の意見を聞いたわけであります。私はこの当時いたわけではありませんのでよくわかりませんが、当時いた担当者の話を聞いておりますと、例えば生殖医療なんかで受精なんかを担当しているお医者さんとかいう人たちは、その幅を長く見ようとする、やはり誤差が起こり得るんだ、受精の時期というのはなかなかわからないんだということで、慎重になるところがあるんだそうでございます。
だから、一般的に、今の先生のおっしゃる、二週間というのは長過ぎるんじゃないのという感覚はよくわかるのでありますけれども、医師が診断をして、医療が見るときに、それは二週間ぐらいは見ざるを得ないという人もかなりの数でいるということですので、そうすると、そこを一応標準として置かざるを得ない。
しかし、先生のおっしゃるとおりです。個々の診断をしたお医者さんが、いや、おれはこれぐらいだと思うよ、このケースではこれぐらいだよということを、エコーを何回も見ている、月経も周期をきちっととっているし、基礎体温もとっている、それでいけばここまで絞れるというのが出てくれば幾らでも絞ってくださいということで注書きをつけておりまして、それで運用していくしかないかな、形式的審査権限しかない戸籍窓口ですので、ぜひ御了解いただきたいと思います。
○西村(智)委員 確かに、二週間くらい長くとった方がいいと言う医師がいらっしゃるでしょう。それはいらっしゃるかもしれないと思います。ですけれども、それが標準となっていることはやはりおかしいのじゃないかと私は思うんです。
つまり、二週ゼロ日が推定されれば、排卵はほんの数時間の間でしか起こりませんので、前後どれだけ長くとっても、いいところ二日とか三日とか、そのくらいじゃないかと思うんですね。ですので、ここのところはやはり、この一を標準的な書き方とするのではなくて、一は極めて例外的なケースだ、こういう見方の逆転をする必要があるんじゃないかというふうに考えています。
それから、先ほど、医師の方で診断をして、基礎体温表なども見て、それで推定期間を短くしていただくのも結構ですというふうに局長はおっしゃいましたけれども、これは日本産婦人科医会の出しております「「懐胎時期に関する証明書」記載の手引き」でありますけれども、この中に、本人が持参した基礎体温表で分娩予定日を確定した、こういうケースなんですけれども、その解説として、医会の方では、「基礎体温表は、客観的所見とはいえないので、懐胎時期推定の手段としては用いない。」こういうふうに書かれているんですよ。矛盾しませんか。
○倉吉政府参考人 実は、先生からその御指摘をいただきまして、あれっと思ったわけであります。それで、私もよく見てみたんですが、今御指摘をいただいた「「懐胎時期に関する証明書」記載の手引き」という医会から出ているものでございますが、一番頭にこのように書いております。
「この「手引き」は、全国の産婦人科医師が、誤認のない客観的所見に基づいて無理なくかつ誤りなく「懐胎時期に関する証明書」を作成することができるよう標準的な方法を示したものです。」その上で、「会員各自が個人の判断と裁量に基づいて、本「手引き」と異なる方法で「懐胎時期に関する証明書」を記載することを制限するものではありません。」こう書いております。
この前提での手引ですので、法務省といたしましては、まさに戸籍の窓口は形式的審査権限しかありませんので。基礎体温表をもとにしてこうやった、中には、極めて妊娠の早い時期にエコーを受けた、超音波検査をしたということをしていない方もいるわけですから、そういう方の場合には、何らか別の方法で考えて、多分出産予定日はこうですよと算定するんでしょう、それであれば、逆算していけば、このころ懐胎したはずだということがわかるはずであります。
そういうことで、お医者さんはいろいろな手を尽くして幅を持った判断をすると思いますので、それは法務省としては受理していきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○西村(智)委員 どうしてもかみ合わないんですけれども。
しかし、医師の側からすれば、この手引をもとに証明書を書くわけでしょう。この証明書の書き方としては、算出根拠、一、二、三、一がやはり標準的な書き方として示されているわけですよ。仮に、医師が自分で、御本人で正確な診断をもとに正確な記載をしたいと思ってこの証明書を見たときに、この記載があれば、妊娠週日は妊娠八週ゼロ日から妊娠十一週六日までの間に計測された超音波検査によって決定する、こういうふうになっているわけですから、妊娠八週ゼロ日から妊娠十一週六日までの間に超音波検査を行えば、やはりこの一を選択するのかということになりはしませんか。
そしてまた、これは医師にとってなかなかなれない作業だと思うんですよね。こういう一、二、三というふうに、どれか選択をして書けということが、むしろ医師の正確な診断というのを阻害しているんじゃないかと私は思うんです。
ですので、こちらからのこの件に関する要望、提案としては、基本的にはここは自由記載だ、自由記載で、仮に何か特別な事由があったら医師の方からそれを書いていただくということの方が、より正確な、医師の適切な診断が可能になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○倉吉政府参考人 今二つのお話が出まして、最初の日本産婦人科医会の手引、これは産科医会がそういうふうに書いているものですから、私どもの方で、その記載がおかしいのでないかなんということはとても言える立場にありません。もちろん、そういう専門的な知識も知見もないわけですので、ああ、医会はそういう御意見なんだなと言うしかない。医会がそういうことをホームページで公表し、メンバーに配っている、それを読んだ個々のお医者さんがどういう受けとめ方をするかというのは、これはちょっと私どもの方ではどうしようもできないということでございます。
それで、二つ目の、こちらの証明書の記載のところ、十四日が長過ぎるのではないかということなんですが、この医会の手引なんかにもあるのでもわかるとおり、要するに、ある程度慎重に見ていこうという方々もおられるんだろうと思います。そういう方がこう言っていて、十四日だという意見が出てくるということになれば、一応そこを標準として見る。しかし、そこをどんどん短縮するのは幾らでも御自由なんですよという形にするというのは合理的な解決方法だろうと私どもは思っておりますので、今はこういう表現にしているということでございます。
○西村(智)委員 大臣、いかがでしょうか。この点、今局長は、医師会との話し合いに沿ったものであって、これで合理的だというようなお話だったんですけれども、今やりとりを聞いていて、どんな御感想を持たれますか。
○鳩山国務大臣 離婚後三百日以内に生まれたお子さんを前夫の子と推定するという条文、それは当然、そういう法律をつくる趣旨があったんだろうと思うわけでございますけれども、離婚後の懐胎であるということが医学的に証明できれば、それは戸籍窓口で、前夫の子でない、そういう受け付けができる、こういう中身なんだろうと思います。
私も、自分が妊娠したり子供を産んだりしたことがないものですから、知識不足の点がありますが、これは排卵日の推定の誤差を十四日ずつとるということなんですね。十四日さかのぼるとまだ離婚していないところにひっかかってしまう、そうすると戸籍窓口が受け付けられないというので、何かちょっと残念だなという気がしないでもない。ただ、今、民事局長が答弁いたしましたように、産科のお医者さんの団体、それからいわゆる学会その他が十分に話し合って誤差を十四日というふうに見たということで、仕方のないことなのかなと思います。
私は、やはりいろいろな考え方があると思います、法律というものは、特に民法というものは。でも、やはり親子関係というのは、それは養子というような制度があっても、できる限り実の親子関係が、生物学的な親子関係が戸籍上も親子関係になる方が望ましい、それが非常に接近することが望ましいと考えておりますから、さらに医学的な研究をしてもらって、誤差が小さくなればいいなという思いはいたします。
○西村(智)委員 大臣、仕方なくないんですよ。
つまり、生まれた子供が戸籍がないという状態に置かれるわけですから、そういうふうになっているケースも多いわけですから、子供が無戸籍のままでいいというのは、これは七百七十二条の趣旨にも反すると思うんですよね。
子供の福祉ということを考えれば、やはり懐胎時期に関する証明書などで困っている方々を一日も早く救済する方法を考えるというのが、これは私たち立法府、そしてまた行政府の責務だろうと思います。見直しに向けて、ぜひ医師会初め三団体との協議を行っていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○倉吉政府参考人 現在のところ、この通達を出しまして、この証明書に基づいてやっております。
それから、申しわけありません、さっき言い忘れたのですが、先ほどの証明書では、三番というところでその他という欄も設けておりまして、具体的にお書きくださいと。だから、一でも二の方法でもない三の方法というので、いろいろなことがあるんだったらそれで書いてください、こういうふうにして証明書をつくっていただくようにしているわけであります。
これは、先ほど申し上げました、医療関係の団体と十分に協議、検討をした上でこういう証明書ということでまとめたものでございますので、今直ちにこれを改めなければいけないというようなことは考えておりませんけれども、本日の先生の御指摘を初めとして、最近の動向等につきましては、この三団体にもお伝えをして御意見を伺ってみるということは、また機会を見てしてみたいと思います。
○西村(智)委員 私は、やはり困っている方々を救済する、子供の福祉という観点に第一に立っていただいて、そこはぜひ真っ正面からの話し合いをしていただきたいと思うんです。
一、二、三とありますけれども、医師がこういうものを日常的に書いていれば、三のその他のところに丸をつけて自由に記載することは、それはありでしょう。ですけれども、たくさんあるお医者さんのケースの中で、一年に一件とか二件とか、せいぜい出てきて三件とか、そのくらいのケースだと思うんですよね。そういった、お医者さんにとってどういう証明書であればいいのかということも含めてぜひ検討いただければと思います。
一点、ちょっと視点を変えて質問したいんですけれども、この懐胎時期に関する証明書というのは、ここに記載されている懐胎の時期の最も早い日が婚姻の解消または取り消し後であるかどうかによって判断する、こういうことになっております。つまり、わかりやすく言うと、離婚の日が懐胎の時期よりも前であれば受け取れるんだけれども、その日以降の離婚日であると、これは一切証明書は効果を持たないということになるわけですね。
ところが、これはちょっと論理的にも矛盾していると思うんですけれども、懐胎の時期、推定排卵日は、例えばきょうからですと、平成十九年の十二月七日から平成二十年の一月五日までとかいうふうにここに記載されるわけですよね。この期間中に推定排卵日というのは毎日、この日かもしれないし、この日かもしれないし、この日かもしれないということですよね。
そうすると、仮に、あした離婚した、離婚届が提出されましたということになったときに、そこから先の話というのは、これは推定排卵日に十分入っていて、そこで要するに妊娠しているかもしれないじゃないですか。その可能性がどうして排除されるのか、どうして離婚日が懐胎時期の前でなければ受理されない、効果を発しないということになるのでしょうか。
○倉吉政府参考人 まさにその点がポイントでございまして、つまり、この場合には、重なっている期間があるということになれば、どの時期に懐胎したのかというのがわからないと事実が特定できないわけでございます。こういう判断は、戸籍の窓口ではもうできないということであります。
確かに、いろいろな資料を集めて、あるいはこのお医者さんはこういうふうなことを言ったけれども、鑑定にしてみたら、ほかのお医者さんが、いや、もっとこっちに絞れるんじゃないかと言った、あるいはほかの専門的な知見から、今の医学の進歩の状態からいくとこうなるんですよとか、あるいはエコーの見方が悪い、画像の見方からしてここまで絞れるんですよ、そんないろいろなことが調べられるかもしれません。それは裁判所でなければできないということでありまして、戸籍の窓口では、やはり定型的に、わかるものでやるしかない。
先生のおっしゃることはよくわかるんです。前の方だって可能性があるじゃないか、後の方だって可能性があるじゃないか、そのとおりです。しかし、それのどちらかということを確定しなければならない。これは戸籍の窓口ではできない、裁判所でなければできないということでございまして、ここが行政の限界かな、形式的審査権限しかございませんので、そこまでが精いっぱいのところかと。だから、できる限りのところで、その範囲内で救済のできるところはしていきたい、こう考えているわけでございます。
○西村(智)委員 ですから、この懐胎時期に関する証明書の記載を改めてほしいということなんです。
逆に言いますと、素人である私から見て、ここの算出根拠の一というのは、やはりちょっと納得できないんですよ。直感的に考えて、こんなに四週間も、それは例外のケースはあるでしょう、あると思います。あるけれども、常識的に、標準的なケースというのは、こんなに推定排卵日が長く設定される必要はないわけでして、では逆に、なぜこれほど長く設定しているのかということを説得できるだけの根拠を示していただけばいいんですけれども、どうも今のお話ですと、それはとても私はやはり納得できないと思いますので、ここは前向きに取り組んでいただきたい、協議を前向きに行っていただきたい、強く要望をいたします。
大臣に伺いたいと思います。
きょうは、私は、この証明書の算出根拠のところを中心に伺いました。きのうも某新聞の夕刊に出ておりましたけれども、出たと思った離婚届が出ていなかったために子供が無戸籍になってしまっている、こういうケースが報じられておりました。
つまり、離婚に至るケースというのは、これはいろいろあるんでしょうけれども、最近言われておりますのは、例えばDVなどの被害に遭って、何とかそこから逃れて、それでそうした期間のうちに新しいパートナーと出会って離婚をしたい、だが、裁判の手続などで前の夫の顔を見ることでPTSDなどで苦しむことになる、そういうようなことで困っていられる方はたくさんいらっしゃいます。
きのうの報道であったケースは、前の夫が記載済みの離婚届を持っていて、出したと思ったところが何年も出されていなかったんですね。その間に妊娠をし、新しいパートナーを得て子供が生まれて無戸籍になってしまった。やはり、こういうケースというのは救済されるべきだと思いませんか。もちろん、この証明書で、運用で改善できる点は、それはしっかりやっていただきたいと思います。ですけれども、そういったケースもあるということを考えると、長期的にはやはり法改正が必要になるのではないか、このように考えますが、どうでしょう。
○鳩山国務大臣 一番重要なことは、親子という身分関係を早期に確定することであり、それはお子さんのためというのが第一でしょう。したがって、お子さんが、今先生御指摘のような事情の中で無戸籍になってしまう、戸籍がなくなってしまう、あるいは明らかな父親がわかっていながらも前夫の嫡出推定が働いてしまうというようなことは、これは基本的にあってはならないことだというふうに思っております。
民法七百七十二条の嫡出推定というもの自体をなくせというような議論も時々耳にすることがありますが、私もそこのところはまだ考えがまとまりませんが、少なくとも不倫推奨のような形になってはいけないな、こういうふうには思っております。
ただ、先ほど先生、十四日間さかのぼるとひっかかるというような話がありましたけれども、婚姻中に懐胎したお子さんについても、さまざまな事情で、これはそのときの結婚している両親の子ではないということがかなり明らかに推定あるいは確定できる、例えば外国に行っていたとか完全な別居であるとか、あるいは刑務所に入っていたとか、どんなようなケースで、戸籍の届け出、親子関係不存在の調停をしなくても戸籍で受け付けてきちんとできるかどうか、あるいは簡単な裁判手続というものがあるかどうかというようなことについては与党で御議論をいただいているというふうに聞いておりますので、できれば与党の議論も進めてもらいたいし、与野党でそういう御議論を前進させていただければよろしいんじゃないでしょうか。それがありがたいと思います。
○西村(智)委員 当面、運用として、この証明書の記載の部分は、やはり私は改めるべきだと思います。大臣、そこのところは行政府の長として、ぜひ、医師会との対話、協議、これを後押ししていただきたいと思いますが、どうでしょう。
○鳩山国務大臣 なかなか自分の考えを曲げてくれない民事局長とよく話し合ってみようと思っております。
○西村(智)委員 お願いいたします。
ありがとうございました。終わります。
○下村委員長 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
鳩山大臣、大変残念な、きょう処刑というニュースが、この法務委員会の開催をしているさなかに、恐らく水野先生がまさに死刑問題について質問を始められていたその同時並行で、我々が見に行った東京拘置所の中で処刑が行われていた。大変ショックでありますし、改めて、鳩山大臣が苦悩されたということを先ほどおっしゃいましたけれども、私ども、先日、加藤紘一先生が入会されましたけれども、与野党の中でこの死刑の問題をしっかり考えていこう、死刑廃止を推進する、必ずしも、いつ、どのような形でというところでは幅がありますけれども、この問題を積極的に議論していこうという超党派議員の集まりをやっております。そのことは鳩山大臣もよく御存じだと思います。
この法務委員会の席で、私たちと議論をしましょう、法務省の勉強会をやられている。この勉強会は、関係局長など法務省の内部の皆さんと大臣とのいわば勉強会であるというふうに聞いたので、十一月九日でしたが、私ども行きました。しかし、いろいろ御都合があったんでしょうが、三十分間だったんですね。したがって、幾つかの団体が行きましたので、どうしても、こういう大臣に直接、しかも陳情ではなくて意見交換ということでしたから、たくさん言いたいことがある。私は全体の進行役として、なるべく短く、意見交換が主なんだからと皆さんに言いましたけれども。後ろの方、いいですよ、大臣とやりとりなんですから。
鳩山大臣、私はあのとき申し上げましたけれども、意見交換できなかったんですね。時間的に非常に少なかった。ですから、これは続開させてくださいねと。私、懸念がありましたのは、私たちの、死刑に慎重だったり反対だったりする立場の意見も聞いたということで年末の処刑手続に入られるということに、一抹のというか、その不安があったものですから、必ずこれは再開をしましょうということで、秘書課長にも、その場でも、それから別の場でも申し上げましたし、電話もかけていました。
このことが行われないまま執行されたことは非常に残念だし、そこは抗議をしたいと思います。サインをされるときに、いわば意見交換していないということに思いをめぐらせていただいたでしょうか。
○鳩山国務大臣 保坂先生とは議員会館で一度いろいろ先生のお話を承り、私も初めて知ることも多かったと思います。その後、EUトロイカの方々とも法務大臣室で話し合いをさせていただいた。その後、先生の肝いりというかセットがあって、時間が余りとれませんでしたけれども、さまざまな方から、死刑廃止論者の声というものを聞かせていただいたわけでございます。それを聞いたから、それを一応聞いたんだから死刑を執行したということは絶対にありません。そういう感覚は私は毫も持っておりません。
あのとき先生からの、また機会を設けるべきだというお話に対して私は否定をしておりませんし、これからも日本における死刑制度全般については勉強し、ありとあらゆる御意見については虚心坦懐にこれを聞いていかなければならない、また、世論のありようというものにも常に気を配っていかなければならないというふうに思っておりまして、先ほど細川先生から心情はどうだというお話を承ったときにも触れましたけれども、やはり法に従って粛々と執行しなければならないという部分はございまして、そのことと死刑についてさまざまな議論をすることとは一応別のディメンションのことと私は考えて、大変つらい仕事ではありますが、粛々とやるべきことはやらねばならない。
そういう勉強をしているんだったらモラトリアムを置けばいいではないかというような御意見もございます。しかしながら、仮にモラトリアムをして、妙に期待を持たせてしまって、やはり死刑は粛々と実行いたしますということになると、妙な期待を死刑囚に持たせてしまうのもかえって酷だというような面もございます。
それから、極めて悪質、凶悪な事件を起こした者には、人数が問題ではありませんが、きょうここで読ませていただいた三人の執行いたした者、それぞれ、三名、二名、五名という貴重な、何よりも、地球よりも重いという人命を三名、二名、五名という形で奪っている。そういう人たちに対しては死刑を適用し執行すべきだという強い世論があるということも思いますと、どんなにつらくても議論とは別に執行は粛々とやらねばならないという思いで決意をして執行いたしたわけで、それは胸張り裂けるような思いであってもせざるを得ないというふうに思ったからでございます。
ですが、しつこいようですが、先生方の声も一応聞いたから、ではこれで年内に少しやるかなどという、そんな軽い気持ちで物事を考えておりません。
○保坂(展)委員 我々も東京拘置所の死刑の刑場を見たばかりでありますから、そしてそのボタンも、開閉するところもこの目で相当しっかり見てきたということです。
大変重い死刑執行のその最終判断について、大臣の、辞任をされてまた再任される、その中間のところでの発言がありました。その趣旨の議論ではありませんけれども、私は、最終的に法務大臣が死刑執行のサインをするというところの重みは十分おわかりになっていると思うんですね。
今回の三名の方の裁判記録については目を通されましたか。どのぐらいお一人ずつについて読まれたんでしょうか。
○鳩山国務大臣 私が主宰する役所内の局長クラスの勉強会というのがあり、そのメンバーの方々が子細に検討をされて、私に報告をくれました。私自身も、どういう事件であったかということについて、先ほど一枚紙で御説明をいたしましたが、それぞれ三十ページ、五十ページにわたって微に入り細に入り書かれたものを、それぞれの事件に大体三十ページとか書かれたものを読みまして、感想を申し上げると、それぞれ、どうしてそこまで人の命を軽く考えて殺してしまうんだろうかと物すごい恐ろしさを感じたのは確かでございます。それぞれの一件に関してでございます。
ですから、人間は、矯正局というのがあるわけですから、それは矯正させるべきだという意見もございますけれども、やはり報いるというのでありましょうか、手が震えるほど恐ろしい事件、微に入り細に入り書いてありました。ここまで人の命を軽んじて、何名もの命を、地球よりも重い人命を二つ、三つ、五つと無にできるような人はやはりそれなりの報いを受けるべきではないか、そういう思いを抱いたのも事実でございます。
○保坂(展)委員 先ほど法務大臣が、それぞれの事件についての経過そして結果、殺人とか窃盗とか読み上げられました。これは事件の概要、犯罪事実の概要であって、今大臣が読まれた三十ページというのは裁判記録だったんでしょうか。裁判記録であれば、読まれて、裁判の争点は何だったのかとか、これは理解されたんでしょうか。
○鳩山国務大臣 それは、私自身が生の裁判記録を読んだわけではありません。裁判記録は、生のものは専門家というか事務方に読んでもらいまして、それらをまとめたものだと承知いたしております。
○保坂(展)委員 鳩山大臣と左藤元法務大臣、これは毎日新聞の十一月十一日、「闘論」ということで「死刑制度を問う」と。左藤大臣の場合は、国会閉会中の夏に二週間かけてかなり分厚い書類を読み、そして考えた、その結果、真宗大谷派の門徒だということもあり、サインはできないよということを言われたということなんですが、そういうものではないんですね、この左藤大臣が言っているような。
○鳩山国務大臣 事件の概要と裁判記録とをあわせまとめた文書でございます。
○保坂(展)委員 私は、恐らく杉浦法務大臣もその裁判記録を読まれたのではないかと思いますけれども、法務大臣が最後のところで、裁判の争点となっているところ、論点となっているところ、再審あるいは冤罪の可能性がないかということを最後に精査する役割だということを強く思っているので、その点を今確かめたわけです。
続いて、きょう、水野委員の質問のさなかだと思いますが、先ほど、大臣の発表では、九時三十八分に東京拘置所にて二名の方の処刑を終えたと。違いますか。九時三十八分と私には聞こえたんですが、随分早いなと思うのですが。
○鳩山国務大臣 御承知のように、死刑の執行は法務大臣の命令によるということで、稟議書にサインをいたしたのは数日前でございまして、おおむね金曜日だろうということは推定のうちにありましたが、九時三十八分までに三名の執行が終わったというふうに報告を受け取りました。
○保坂(展)委員 それでは、法務省矯正局長に伺います。
東京拘置所で二人の方の執行があったわけですが、それぞれ大体何時ごろに執行しますと拘置所長が宣告したのか、手はずも視察において聞きましたけれども、何時にその宣告をされたんでしょうか。
○梶木政府参考人 先日、東京拘置所を御視察いただいたときに、拘置所長の方から、一般的にこういう形でやっておりますというような概略の説明があったと思います。今委員がお尋ねの個別具体的な執行の手順、詳細については、答弁を差し控えさせていただきたいと考えております。
○保坂(展)委員 というのは、これは本当にそうだったらそう言ってほしいんですが、参議院議員の方たちも刑場を見たんですね。どうも茶色いといいますかイエロー系のカーペット、こうおっしゃっているんですね。私たち衆議院議員が見たのはフジ色のカーペット。そんなに色が違って見えるものかなと思うんですが、東京拘置所は二カ所刑場があるんですか。あるなしで結構ですから。
○梶木政府参考人 実は、後日、先生方の方からそういう御質問をいただきまして、私も改めてびっくりした次第でございます。つまり、もちろん一カ所しかございませんし、同じ場所しか見ていただいていないのに、人によって違ったということでびっくりした次第でございます。
○保坂(展)委員 確認のために聞きました。
そして、東京拘置所の視察において、死刑の執行がされる、まさにきょう行われたわけで非常に生々しいんですけれども、カーペットがある上段の部屋、そこでロープを首に巻いて足を縛り、そしてふたが落ちていくということなんですが、そこにはカーテンがかかっていたんですね。
これは、刑事訴訟法四百七十七条で、検察官、拘置所長、監獄の長らが立ち会うということになっています。カーテンがかかっているなと。それから、下の方も、つまり落ちていく、執行をされていく過程、そしてされてしまった過程をまさに立ち会って見るのかと我々は思っていたわけですね。ところが、現地の説明で、これは全部下も閉めているんです、終わってからおもむろにあけるんです、こういう説明でした。
そうすると、この立ち会いというのは一体何だろうか。参議院でも、これは大野刑事局長が答えていますが、議論があったと思いますね。では、立ち会いというのは、目隠しをして耳栓をしてもできるものなんでしょうか。
○大野政府参考人 立ち会いがなぜ刑事訴訟法四百七十七条で求められているかということでありますけれども、これは、死刑が執行された、死刑執行が実施されたことの確認のための制度的な要件であるというように理解されております。したがって、立ち会いをした検察官は、実際に死刑が執行されたということを確認して、これを最終的には法務大臣に報告するという役割を担っているというふうに理解しております。
○保坂(展)委員 これは、やはり余り見たくないということに尽きるのではないかと思うんですね。例えば刑事訴訟法の百十四条で、「公務所内で差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代るべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。」。立ち会いというのは結構刑事訴訟法にも出てくるんですが、ここに事後的に終わった後顔を出せというような解釈は通常あり得ないことだと私は思うんですね。
そこで、矯正局長に今度お聞きしますが、日本じゅうの拘置所、過去十年間、おっしゃいましたね、死刑執行されてきているわけですけれども、すべて東京拘置所のように上も下も、つまり検察官からは何も見えない状態、終わってからカーテンがあく、こういう扱いをされているんでしょうか。
○梶木政府参考人 執行の基本的な部分については変わりはないわけでございますが、取り扱いの細部については、それぞれの刑事施設の長の判断によって行っているというふうに承知をしております。
○保坂(展)委員 鳩山大臣に最後に申し上げます。
そういう意味ではないというふうに受け取りたいんですが、議論は議論としてやっていくという点は、議論をされるということについては大いにやりましょうという立場です。ただ、それとは別に粛々とと言われますと、これから年末年始、またあるわけです。確定死刑囚はたくさんいるわけです。これは、ベルトコンベヤーと全然別の意味で言われたはずですね、表現は悪かったということで撤回されていると思いますが。そういうふうに死刑執行が今後もどんどん鳩山大臣の手によって続いていくという懸念も今ちょっと持っているわけです。
そこで、今のカーテンの話なんですが、前にも申し上げたように、藤波さんという死刑囚が七十五歳で、クリスチャンになられた、大変敬けんなクリスチャンで、模範囚として過ごされて、とりあえず具体的なことは聞きませんから見ないでちょっと答えていただきたいんですけれども、遺書に書いたんですね。私は立てません、病舎におりますのでと書いてあるんですね。処刑された場合にはぜひ法務大臣に抗議してください、そうおっしゃっている。その方が最後に、書かれた遺書で、もしサインされるなら死刑執行のあり方をぜひ法務大臣に見てほしい、こうおっしゃっているんですね。大臣が絞首刑のありようについても考えていらっしゃる、わかります。もしサインをするのであれば死刑執行の状態を見てほしいというその藤波さんの言い方ですね。
鳩山大臣、実は、カーテンの話をしたのは、検察官は死刑執行を全部指揮しているんですね。ですから、もしここで仮に死刑執行すべきではないというケースが、戦後そういう例はないそうですけれども、あった場合には、そこをとめて、法務大臣にもう一回どうしますかという仕組みになっているそうです。
とすれば、カーテンを閉じていれば、車いすで刑場に来てということは全然見えないわけですね。そういうふうに密閉されている、遮へいされている形で行われているということについてもう具体的にわかってきましたけれども、そういった死刑執行を今、粛々とと言われる中で、執行の場をしっかり見てくださいというもう処刑されてしまった死刑囚の叫びに対してはどうお答えになりますか。
○鳩山国務大臣 私も、就任直後に刑場を見学、視察しました。それは、正直言って、胸のうちを申し上げれば、東京拘置所というものの視察は存分にやりたいけれども、刑場というのは何か入るのをちゅうちょするような、そんな思いがあって、いきなり案内の方が手を合わせたものですから、私も手を合わせて、ああここがそうなんだなと入っていって、先生方も行かれた刑場を視察しました。
ボタン三つの話とかいろいろ聞きましたけれども、やはり人の命を絶つという極刑、絶対に不可逆的な死をもってする死刑の執行というものは、やはり非常に厳粛な思いでいたすべきものだと思いますから、それは、私自身がサインをする、判こを押すのはつらくないと言えばうそになるとはっきり申し上げています。いますが、しかし、やはり検察がしっかり見届けるべきものだとは思いますね、そういう執行をするんですから。
○保坂(展)委員 ということは、大臣は、やはりカーテンを閉めているのはよくないということですね。
○鳩山国務大臣 正直言って、何らかの形でやはり、死を与えるわけですから、それだけの理由があるから法に従って死刑を執行するわけですから、それは、カーテンというのか、どういう方法があるかわかりませんが、見届ける人がいるべきだと思います。
○保坂(展)委員 これは大臣の言っていらっしゃることが、刑事訴訟法をどう読んでもそう書いてあるというふうに思いますね。
同時に、藤波さんの遺書をさっき紹介しましたけれども、もうこれは質問ではありませんが、彼が言っているのは、拘置所長を初め刑務官の先生方には大変世話になった、とてもよくしてくれました、だから、死刑執行されたからといって法務省や矯正やなんかに抗議しないでくださいと言われている。抗議は法務大臣にしてください、彼はそういうふうに書かれて、そしてヨーロッパでは大変、これはクリスマスで、クリスチャンで、自分で立てない人ですから、ル・モンドという新聞などで大きく報道されたということです。
死刑の議論はこれからもしていきたいと思いますし、本当に残念だという思いを申し述べたいと思います。
続けて、徳島刑務所の問題について入りたいと思います。
徳島刑務所で大変異常な事態が起きている。これは矯正局長に答えてもらいましょうか。十二月四日付で、委員の皆様にもお配りをしておりますけれども、徳島刑務所視察委員会、これは、行刑改革会議が提言を出して、そして法律の中に位置づけられていった、大変画期的な、行刑改革のかなめと言われるような、外部の目を、第三者の目を刑務所の内部、閉ざされがちの、密閉性の高い刑務所の内部に入れていこうという、その視察委員会の松原委員長の十二月四日付の意見書であります。
これを読みますと、そもそもこの視察委員会は、これは、林眞琴当時矯正局総務課長の語った、行刑運営の実情を市民の目に開いて、そして、これによって透明性を確保するんだということが紹介をされています。
ところが、この視察委員会、かなり何度もこれまで、医療に対する苦情が多いです、八〇%に及んでいます、百二十八通中九十六だ、担当医師に対して新法を理解させる教育を行って趣旨を徹底されたい、でなければ解雇しなさいという厳しい意見までかつて出している。そして、そう言いながら刑務所の回答が、いろいろ調べたけれども、同医師による不適切な医療行為は認められなかった、こう答えてきているということであります。
昨日、私は委員長とお話をしました。大変御立腹されていましたね。視察委員会というのは第三者委員会でしょう、こういうことがあったという受刑者からの声を受けて指摘をしたら、事実認定を矯正当局、刑務所側がするというのは一体どういうことなのか、もしこういうことがありますよと言って、いや、ないんです、ないんです、問題ないんですということだけを言うような視察委員会だったらもう必要がないというところまで非常に怒っていらっしゃいました。
これは極めて重要な意見書だと思いますが、きちっと受けとめていらっしゃいますか。
○梶木政府参考人 徳島刑務所の医療に関する問題につきましては、我々の方でも、本年の六月下旬ごろ、陳情等幾つかの端緒を得まして、矯正局の職員あるいは高松矯正管区の職員を指示いたしまして、現地の調査をさせました。当時、幾つかのケースが主張されておったものですから、それを中心にしてやらせていただきました。約一カ月の調査をいたしまして、我々の目の前に上がってきた事案について、特段の違法、不当な取り扱いはないというふうに判断をいたしました。
さらにその後、十一月でございましたでしょうか、週刊誌等で取り上げられたものにつきましても、新たに高松矯正管区の職員に指示をいたしまして調査をさせました。それにつきましても、特段違法、不当はないということでございました。
ただ、今委員がおっしゃいましたように、私もこの刑事施設視察委員会ができたいきさつをよく存じ上げておりますし、視察委員会の存在意義といいますか、我々にとっても国民にとっても非常に大事な委員会であるということは十分にわかっておるつもりでございます。
それで、今おっしゃいました意見書を読ませていただきまして、少なくとも、この徳島刑務所においてきちっと説明をしていない、十分な説明ができていないということを痛感いたしました。
そこで、この委員長が記者会見をされた後、そのときは概略しかわからなかったんですが、高松矯正管区の職員に命じまして、委員会に対して、これまで我々がどういういきさつで何をしてきて、どういう結論に現時点で至っているのかということを改めて我々から説明させてくださいというお願いを申し上げました。わかったということで受けていただきました。
それからもう一つは、今申しましたように、刑事施設視察委員会からさまざまな具体的な指摘をいただきながらきちっと説明できていなかったという点を、我々としても非常に重く受けとめております。局内に委員会をつくりまして、こういった刑事施設視察委員会に対する徳島刑務所の対応ぶり、ここにおける医療体制の問題あるいは保安警備の問題、そういった問題を含めまして再チェックをしていこう、この刑務所の運営についてさらに我々直すべきところがあれば直していこうということで、取り組みを開始したところでございます。
○保坂(展)委員 十二月四日の意見書で、概略、受刑者の方から上がっている声をこの視察委員会の意見書も書いてあるわけで、一番、「当該担当医師は、頭が痛いと言っても、腰が痛いと言っても尻の穴に指を入れる。プロレス技を仕掛ける。」「医師から薬を止められたので、どうしてですかと問うと、予算が足りないからと言った後、帰れと言われた。」「医師の行為は、医療行為とは言えない。意味もなく裸になるように命令し、お尻を無理に調べる。」これは、ちょっと国会の場でも言いにくいような、私も電話でつい大声になって、おしりの穴になんてやって事情を説明していますと、何を話しているんですかと、事情を知らない人からびっくりされたりしているようなケースなんです。
これは問題なのは、法務省にこの訴えが届いて、矯正局、それから管区からも調べに入っているんですね。それで、視察委員会の委員長が怒っておられるのは、そこを調べたんだけれども、調べた上で問題なしだったという調査結果だったんですね。
そこで、実際にインタビューに当たられた福田矯正医療企画官にもきょうは来ていただいていますので、端的に福田さんに伺いたいんです。
今も見解が違うなら違うとおっしゃっていただいていいんですが、私ども社民党のまさにプロジェクトでこのヒアリングをしているときに徳島刑務所で事件が起きていたんですね、これは偶然のことなんですが。その席で福田さんは、直腸指診ということについてはいろいろ検討したけれども、おしりの訴えがあったら直腸指診をやるのは当たり前で、やるべきことをやっているんだろう、そのやり方を含めて議論はあるだろうが、いずれにしても、指を突っ込んでやること自体は全く問題がない、推奨されている医療法と御理解いただければいいというふうに言われているんですが、それは今も変わりませんか。推奨されている医療法でよろしいですか、福田さん。
○福田政府参考人 直腸指診に対する考え方ということでございますけれども、直腸指診を通常行うことが想定される場合といいますのは、例えばおしりから血が出るとか、下血と申しますけれども、あと黒色便が出るような場合、それから、痔のような痛みのある場合で、痔として来られるような場合、患者さんの訴えということでございますが。それから強い便秘があるような場合、さらには、これは男性の方になりますけれども、例えば頻尿とか尿が出にくいということで、そういった場合などなど考えられます。また、激しい下痢とか、それから慢性の下痢が長く続くような場合ということも考えられると思います。
こういった症状が出たときには、その背景に、やはり消化管のがんでございますとかポリープでございますとか、また、いわゆる痔でも、うみが出たりとか、大きな病気がある場合がございます。そういったものに訴えがあった場合には、やはり診療の基本といたしましては、できるだけ直接見て、そして、さわれるものはさわるというのが基本であるということでございます。
したがいまして、推奨されるとかされないとかという問題ではなくて、やはり、患者さんの訴えと、それをお医者さんたちが実際に問診をして、個別具体のそれぞれの状況の中で最適な診断方法を選んでいただいているものというふうに考えております。
○保坂(展)委員 今、医療企画官が、一般論で直腸指診を行うべき場合、私も医者に聞いてみましたけれども、これは、今言われたようなときに行いますと聞きました。
もう時間がないので端的に局長に聞きたいんですが、他の刑務所でこういう直腸指診をめぐるようなトラブルはあるんですか。また、この問題の医者はかなり多いんじゃありませんか、この直腸指診をめぐって。
例えば、夕食の総菜を食道に詰まらせたことで受診をしたところ、肛門に指を突っ込まれ執拗にかき回されたとか、あるいは皮膚病で診察に行ったら、ズボンを脱いで四つんばいになりなさいと言われて肛門に思いっ切り指を入れられたなどの訴えがあり、それについては法務省の一応問題はなかったという答弁はありましたが、これを聞いているんじゃなくて、特に多いんじゃないですか、他の刑務所でありますか、それだけ、端的に。
○梶木政府参考人 全国の刑務所で出されますさまざまな不満等につきましては、医療に関するものも相当数ございます。医療については、それぞれの担当医師が専門的な知見に基づいて行っているわけでございますけれども、それにもかかわらず不満等が出されております。
今までのところでは、全国でどういう不満が出ているというような分析をしたことがないものですから、今の委員の御質問に直接お答えする資料がございません。
○保坂(展)委員 では大臣に、これは大臣あての意見書になっております、端的に答えていただきたいんですが、これは視察委員会が刑務所側とも何度も話を、恐らく法務省としての調査もかけておりますので、それも踏まえて、相当のことを指摘されています。
今局長も、委員会をつくり、もう一回、再調査をやはりやる必要はあるだろうと。その上で、これらの、亡くなった、自殺された方も実は直腸指診をやられたということが記録されているんですね。そして、訴えのあった人を含めて、法務省と話したところだと二十七例でしょうか、そのぐらいある。これの医療カルテ、お医者さんですからカルテをつくりますね、カルテをぜひ委員会に提出していただきたい。そして、法務省として調査をするとともに、いろいろな専門家の助力を得てしっかり調べ直していただきたいということを求めたいんですが、いかがですか。これは大臣のリーダーシップでしっかりやっていただきたいですね。
○鳩山国務大臣 カルテの開示ということは、これは個人情報でもありますから、そう簡単にいかないかもしれません。ただ、実は、この徳島刑務所の問題は、大臣というのはほとんど報告ばかり受ける身ですが、やはり最初の報告とは随分違うんですよ、彼らは怒るかもしれないけれども。
つまり、私はここでお答えしていますよね。この直腸指診というんですか、おしりから指を突っ込んであれすることは、確かにこれからは書面で了解をとってからやりますから、そんなものでいいんではないですかというお答えを衆議院でも参議院でもしているんですよ。
ところが、この意見書を見ると、どうもそれほど簡単ではない。つまり、今先生が読み上げられたもの、私あてのあれにも七例書いてありますよ、それは。頭が痛いと言ってもおしりの穴に指を入れる、腰が痛いと言っても入れると。
その言い分を全部信じるわけではないけれども、少なくとも問題が多過ぎる。問題が多過ぎて、そのことを視察委員会が問題視して、当然刑務所で話をし合う。刑務所の方が十分な情報を視察委員会に出していないのではないかというふうにやはり感じるわけですよ。
ですから、そうなってきますと私どもの監督の問題になってまいりますから、これは第三者委員会ですから、やはり意見書に書いてある事柄は非常に重く受けとめて、今度吉田官房審議官を中心とする徳島刑務所調査検討チームでは、徹底して調査させようと思っております。
○保坂(展)委員 徹底した調査をぜひお願いしたいと思います。
大臣、もうこれで終わりますけれども、視察委員長もやはり受刑者と立ち会いなく、先ほどの立ち会いの話じゃないですけれども、刑務所関係者の立ち会いなく聞いているんですね、インタビューで。それを積み上げていった事実を刑務所側にぶつけ、そして法務省矯正と管区から調査に入って今まで大臣が言われたような報告になっていたんですが、視察委員会の皆さんとしては違いますよということが重く出たわけですから、せっかくそういう仕組みができて、これはいけるかどうかの試金石ですから、しっかりやってください。
○鳩山国務大臣 重く受けとめます。
○保坂(展)委員 終わります。
――――◇―――――
○下村委員長 この際、お諮りいたします。
第百六十六回国会、保岡興治君外五名提出、借地借家法の一部を改正する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
――――◇―――――
○下村委員長 引き続き、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
借地借家法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。
本起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。
御承知のように、現行の借地借家法では、更新等がなく契約上の存続期間が経過すれば確定的に終了する事業用の定期借地権は、存続期間十年以上二十年以下の間でしか設定することができません。そのため、存続期間五十年以上の一般定期借地権によってもカバーされていない存続期間二十年を超え五十年未満については、事業用の定期借地権を設定することができないこととされております。
しかしながら、建物の減価償却期間は二十年を超えるものが多く、これまでの事業用の定期借地権の利用例も上限の二十年に集中し、各方面からも事業用の定期借地権について償却期間に応じた存続期間の設定を可能とするよう見直しの必要性が指摘されております。
こうしたニーズにこたえるため、事業用の定期借地権について、存続期間十年以上五十年未満の間で設定できるように改めることを内容とする本起草案を提案いたしたものであります。これによって、貸し主にとっては土地の賃貸方法の選択肢が拡大されるとともに、借り主にとっては事業用の定期借地権の利用用途が拡大されることとなり、土地の有効利用が促進されるという経済効果も期待することができるものと考えております。
次に、本起草案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として借地権を設定する場合に、その存続期間を十年以上五十年未満とすることとしております。
第二に、この法律は、平成二十年一月一日から施行することとしております。
なお、この法律の施行前に設定された借地権については、従前の例によるものとすることとしております。
以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
―――――――――――――
借地借家法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○下村委員長 お諮りいたします。
借地借家法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しております起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○下村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○下村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時二十分散会

























