中小企業の経営継承の円滑化に関する法律案(副大臣答弁) 衆議院経済産業委員会-4号 2008年04月04日
中小企業の経営継承の円滑化に関する法律案(副大臣答弁)
169-衆-経済産業委員会-4号 平成20年04月04日
○東委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官始関正光君、財務省大臣官房審議官川北力君、国税庁課税部長荒井英夫君、経済産業省大臣官房審議官瀬戸比呂志君、中小企業庁長官福水健文君及び中小企業庁事業環境部長高原一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○東委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。梶山弘志君。
○梶山委員 おはようございます。自由民主党の梶山弘志でございます。
きょうの議題、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案ということでありますが、この法案、承継税制の抜本的な拡充も含まれているわけでありまして、全国の中小企業経営者が念願であった法律案であると思っております。
そして、我が党におきましても、昨年二月に経済産業部会のもとに事業承継問題検討小委員会を設置いたしました。そして、主要な論点を、事業承継税制、後継者問題、そして相続法、この三点に整理をいたしまして、委員会のもとに分科会を設置しまして議論をし、そして提言をまとめてまいりました。
きょうの法律案、この提言を大きく取り入れられていると理解をしておりますけれども、まだ法律案にあらわれていない部分もありますので、それらを確認しながら質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、甘利大臣に質問をさせていただきます。
甘利大臣、自由民主党の政調会の幹部として、これまでもこの問題に深くかかわってこられたわけでありますが、今回、所管の大臣として、この提出をされた法律案、この仕上がりぐあい、また、いろいろな感想をお持ちかと思いますけれども、率直な感想を伺いたいと思います。
○甘利国務大臣 この中小企業の事業承継政策、円滑な事業承継ができるための施策というのは、中小企業政策に携わる者にとってのいわば悲願でありました。梶山先生御自身、与党の立場で大変なお骨折りをされたお一人であるわけでありますが、この問題は、与野党を問わず、中小企業に思いをはせる政治家にとってのまさに念願がようやく、この法案が成立をし、税制度ができ上がれば実現をするということであります。
上場企業と未上場の中小企業の大きな違いというのは、経営者の相続が企業の存続に深くかかわってしまうというところでありまして、株式公開企業であるならば、株主が交代し、事業はそのままスムーズに継続をされるということでありますが、中小企業の場合には、経営者がかわることによって、事業は堅調に進んでいるのにその事業を継続することができないような事態になることがあり得るわけでありまして、そういう点を払拭して、雇用を守り、そして技術の集積と継承に資する、日本経済の発展に資するような措置がようやくこの法律が成立をするとともにできるといいますか、大きく前進をしていくということに本当に喜びを感じておるところであります。
○梶山委員 後継者がないということを理由とする廃業、年間に約七万社と言われております。そして、それで失われる雇用の数も二十万人から三十五万人と言われておりまして、今回の事業承継税制の最大の課題は雇用確保要件であると考えております。我々の党の議論でも、一〇〇%維持すべきであるとか八〇%以上は厳し過ぎるとか、さまざまな議論がありました。しかし我々は、このような意見をしっかりと受けとめた上で、まさに政治決断として、五年間の事業継続、そして八〇%の雇用の確保という考え方を提案したわけであります。
この雇用確保につきまして、政府としてどのように考えているのか、甘利大臣にお伺いしたいと思います。
○甘利国務大臣 事業承継税制は、中小企業の事業の継続というものが雇用確保を通じた地域経済の活力維持に資するということにかんがみて、相続後一定期間、雇用を確保しつつ事業継続を行う企業に限定をしまして、自社株式に係る相続税の納税猶予の適用を認めるものであります。
この五年間、八〇%という水準に関して、どうあるか、これは両論あったと思います。厳し過ぎるというのと、いや、雇用を守るというのであるならば、理想としては一〇〇%だから、できるだけ高い水準にせよ、年限も五年で放棄されては困ると、いろいろあったと思います。
ただ、中小企業ですから景気変動をかなり受けるわけでありますし、その間も企業をつぶさないで経営努力をして立ち行くようにしていく。その中には、やはりどうしても一〇〇%の雇用を抱え切れないという事態もあろうかと思います。そこで、最大限の努力をしていただくということで八〇%、そして少なくとも五年間はというところに大体落ちついたのではないかというふうに思っておりまして、私自身としては、いろいろな議論を踏まえてのいわば落としどころでありますから、これが妥当な線ではないかというふうに考えております。
○梶山委員 今回の事業承継税制の全容につきましては、二十年度の税制改正の内容に加えまして、今回の経営承継円滑化法案、そしてその後に定められる政省令、そしてさらにまた平成二十一年度の税制改正、すべてが出そろって初めて全容が明らかになるわけであります。事業承継税制は、中小企業経営者、そして雇用の観点からは従業員にとりましても期待が大変大きい法案でありまして、一刻も早くその全容を明らかにするために、経済産業省、そして税務当局が早急に検討作業を進めるべきであると考えております。
先ほど大臣に御答弁をいただきました八〇%、五年間というのは、税制改正の要綱、閣議決定の要綱にうたわれておりますけれども、雇用の八〇%というものもまた数値的には明確に表現をされておりませんので、その数値も含めて、経済産業省、税務当局の今後のスケジュールをお聞かせいただきたいと思います。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、制度の詳細な内容につきましては、本法律の政省令あるいは二十一年度の税制改正の検討の過程で定められるというふうなことになってございます。
私ども中小企業庁といたしましては、今回の事業承継税制の趣旨を反映されるように、あるいは地域、全国の中小企業の経営者の方々にとって使いやすいような、そういう制度となるように、政省令の具体化に早急に取り組みたいというふうに考えておりますし、また、二十一年度の税制改正の検討の過程でも積極的に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
いずれにいたしましても、私ども、全力を挙げて使いやすい制度になるように取り組みたいというふうに考えてございます。
○川北政府参考人 お答えいたします。
事業承継税制の抜本的な見直しにつきましては、与党の御議論を経まして本年一月に閣議決定されました平成二十年度の税制改正の要綱におきまして、本日の御審議の対象であります中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の制定を踏まえまして、平成二十一年度税制改正におきまして、「「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。」ということにされておりまして、その要綱で骨子が示されたところでございます。委員の御指摘のとおりでございます。
今後の取り進め方につきまして、今経済産業省からの御答弁がございましたが、私ども財務省といたしましても、この事業承継税制の抜本的見直しを平成二十一年度税制改正におきまして確実に実現すべく、経済産業省とも協議いたしまして、制度の詳細についての検討をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○梶山委員 個人事業主に対しましては、既に事業用宅地について八〇%の減額措置が講じられております。これまで、事業承継税制の歴史は、事業用宅地に対する税制措置の拡充の歴史でもありました。今回の事業承継税制は、対応のおくれていた会社形態の中小企業の自社株式について、八〇%の納税猶予制度を創設するものであります。まさに今回の抜本拡充で、自社株式に対する税制措置はようやく事業用宅地の制度に追いついたと言えるのではないかと思っております。
そして、現在、個人事業主の方々が直面しているのは、後継者の育成や後継者がいないといった問題にどう対応すればいいのか、事業承継に際して必要な資金をどのように調達するのかといった課題であります。個人事業主の事業承継円滑化支援は、このような課題に対して的確に対応していくことに尽きると思っておりますが、個人事業主の事業承継の課題をどのようにとらえ、それに対していかなる支援策を講じていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○甘利国務大臣 今お話しのように、個人事業主、個人事業に、法人形態をとる中小企業の事業承継政策がようやく追いついたという理解だと私も思っております。
個人事業主は、今もお話にありましたように、個人事業主の事業用資産の大半を土地が占めているわけでありますけれども、事業用宅地については既に四百平米まで、大体このくらいあればほとんどカバーするであろうという広さでありますが、四百平米までのものについて相続税の課税価格の八〇%を減額するという措置を講じているわけであります。
これに比べて、今まで、中小企業、法人形態の方は自社株式に対する相続税のわずか一〇%軽減特例しかなかったわけでありますから、相当な格差がついていた。それで、ようやく八〇%、納税猶予という形でありますけれども、若干形態は違うのでありますが、個人事業主に対応していた施策に大体追いついたのではないかというふうに考えております。
それで、個人事業主にとっての対応はどうなんだと。税制支援は現行制度で十分なものだというふうに考えておりますが、十分と言うと語弊があるんでしょうか、相当のものだと思っております。
さらなる課題ということでいうと後継者不在あるいは育成といった問題があるわけでありますから、こういう後継者をどう手当てするか、育成するかということに関して、事業承継支援センターというのを、全国に百地域ぐらいでありますが、これはつながり拠点の二、三百カ所を整備しますが、その中の百カ所ぐらいは事業承継支援センターというものを併設したいと思っておりますが、そこで取り組んでいこうというふうに思っております。
さらに、事業承継をする際に個人事業主が必要とする資金の調達を支援する低利融資、この制度融資というのを創設するということにいたしております。
そういう施策を通じて、個人事業主に関しましても、さらに事業承継が円滑に進むような環境整備をしていきたいというふうに思っております。
○梶山委員 個人事業主に関してはわかりました。
それで、会社形態の中小企業についてなのでありますが、最近では事業承継の方法も多様化してきておりまして、親族外や従業員への承継といった事例もふえてきているわけであります。このような場合は、今回の事業承継税制の対象外となるわけでありますが、ほかにどのような事業承継支援を行っていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○中野副大臣 梶山委員御指摘のとおり、近年、親族外承継の割合が高まってきております。ちなみに、二〇〇四年度版中小企業白書によれば、先代経営者の親族以外の者が代表となる割合が三八%ということであります。しかし、この中には、将来的には親族内承継を行うことを予定しており、一時的な中継ぎとして親族以外の者を代表者としている場合も含まれております。このため、親族外承継者のすべてが、完全に事業を承継し、先代経営者から株式の大半を取得しているわけではありません。
また、親族以外の者が先代経営者から遺贈などによって無償で取得する事例は見当たらない現実がありますので、現時点では、親族外承継を今回の事業承継税制の対象とはしておりません。
しかし、先ほど大臣からも話がありましたように、中小企業の事業の継続、発展を通じた雇用確保や地域経済の活力維持を図るという観点から、親族内承継あるいは外を問わず事業承継を支援することが重要である、これは認識を当然いたしております。本法律案において、親族外の会社の役員や従業員が事業を承継するに際して必要となる事業用資産の買い取り資金についても、中小企業信用保険法の特例及び株式会社日本政策金融公庫法の特例の対象としております。
また、本法律案の支援策に加えて、開業、廃業、マッチング支援を初め、事業承継に係るワンストップサービスを行う事業承継支援センター、ちなみに全国で百カ所、予算は一カ所二千万円として二十億円、この全国展開などを行い、また、事業継続ファンドによる企業への出資などを行いまして、親族外承継についても強力に支援をいたしてまいります。
○梶山委員 平成二十年度の税制改正の要綱、閣議決定を受けたものでありますけれども、この中で、事業承継税制の抜本拡充にあわせて、平成二十一年度税制改正において、課税方式を併用方式から遺産取得課税方式に改めることを検討することになっているわけであります。
仮に課税方式を転換しないという結論が出た場合であっても、この事業承継税制の抜本拡充を行うことには変更はないと理解をしておりますが、税務当局のお考えをお伺いしたいと思います。
○川北政府参考人 お答えいたします。
平成二十年度の税制改正要綱におきましては、平成二十一年度の税制改正におきまして、「「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。」とされている一方で、今御指摘ございましたように、「相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。」という表現になってございます。この要綱に示されておりますように、新しい事業承継税制を創設するという方針は既に定められておりまして、私どもといたしましては、その中で課税方式のあり方を検討するということになるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、二十一年度税制改正での事業承継税制の創設に滞りが生じることのないよう進めてまいりたいと思っております。
○梶山委員 同じく平成二十年度の要綱の中で、営業権の評価の見直しをするということがうたわれておりまして、去る三月十四日に国税庁が営業権の評価の見直しについての通達を出しているわけでありますが、どのような点が改正をされたのか、教えていただきたいと思います。
○荒井政府参考人 お答えいたします。
営業権の評価につきましては、評価の適正化を図るため、その評価の基本的な計算要素でございます企業者報酬の額及び総資産価額に乗じる利率などの見直しを行ったところでございます。
具体的には、企業者報酬の額につきましては、現下の社会経済情勢を反映したものとするため、実態調査の結果に基づきましてその金額を改正したところでございます。
また、総資産価額に乗じる利率につきましては、企業の有する資産の運用利回りを示す利率を用いることが適当であると考えられることから、国債の利回りをもととした基準年利率にかえまして、総資産価額に対する利益金額の割合でございます総資産利益率に見直したところでございます。
これらの社会経済情勢の実態を反映しました見直しによりまして、一般的には、営業権の評価額は、従前の評価方法に比べまして低い評価額になるものと考えております。
○梶山委員 この事業承継問題につきましては、家裁の許可などもあり、司法との連携が大変重要なものであると認識をしております。自民党の事業承継小委員会の議論におきましては、法務省の出席も求めて、その都度見解を確認しながら、新規立法を視野に入れた検討を行うとの提言をしたわけであります。
今回の民法の特例は、事業承継円滑化が緊急の課題であるために、時間的に整理可能なものとして特例制度を創設したものと理解しているわけでありますが、今後、民法の遺留分制度それ自体の改正についての考え方を法務省にお伺いしたいと思います。
○始関政府参考人 お答え申し上げます。
民法の遺留分制度は、相続財産が相続人の生活の基盤にもなるものでありますため、被相続人の財産処分の意思に反しても、一定の相続人について、相続財産に対する期待を保護する必要があるということから設けられたものでございまして、合理的な理由を有するものというふうに理解しております。
他方で、中小企業の経営者の死亡という事態が生じました場合に、それにもかかわらず当該企業の事業活動を継続させるということは、委員も御指摘のとおり、重要な経済政策目的でございます。
そこで、私ども法務省も、先ほど委員も御指摘のとおり、本法案の作成に全面的に協力をさせていただいた次第でございまして、本法案では、このような産業政策の目的を達成するため、非上場の中小企業の株式等の承継につきまして、相続人全員の合意があり、かつ経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可を受けた場合に限って、遺留分の算定方法につき一定の例外を認めるということにしているわけでございます。
このように、今回の法案の民法の特例部分と申しますのは、相続人全員の合意や家庭裁判所の許可を要件といたしまして、相続人の相続財産に対する期待を不当に侵害しないということを担保しつつ、中小企業の事業活動の継続を可能にしようとするものでございます。
これに対しまして、民法の遺留分制度それ自体は、本法案が前提としておりますような特別の政策的ニーズが存在しない場合をも対象とするものでございます。
したがいまして、このような遺留分制度それ自体を改正するかどうかにつきましては、相続人の相続財産に対する期待の保護という制度目的を考慮しつつ、慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
○梶山委員 この民法の特例によりまして、生前贈与株式の評価額をあらかじめ固定できることになるわけであります。株式の評価額については、弁護士などの専門家が証明をした相当な価額とされておりますけれども、相当な価額はどのような手法で算定をするのか、お聞かせいただきたいと思います。
○中野副大臣 この法律案では、後継者が生前贈与により取得した株式の遺留分算定基礎財産に算入する際の価額を、御指摘のとおり、あらかじめ合意時の価額に固定することを可能とする制度を設けております。これにより、後継者は、株式価値の上昇による遺留分額の増大を気にすることなく経営に専念することが可能になると考えております。
なお、この合意により固定できる価額については、後に争いが生じることを防止するため、合意のときにおいて弁護士などの専門家が証明をした相当な価額が求められます。非上場株式の評価方法には、国税庁の財産評価基本通達や、日本公認会計士協会が公表している企業価値評価ガイドラインなどのさまざまなものがあります。
こういった既存の評価方法を参考としつつ、民法特例の趣旨、性質に照らし、どのような方法で評価した額が相当な価額ということができるのかについて、今後明らかにしてまいります。
ちなみに、非上場株式の評価のあり方に関する委員会を設置いたしまして、九月ごろまでにガイドラインを取りまとめることにいたしたいと思っております。
○梶山委員 時間がなくなってまいりましたので、二問あわせて質問をさせていただきたいんですけれども、最近の中小企業の資金調達の環境整備状況についてということが第一点。そして第二点は、本法案には従来と違う金融支援措置が盛り込まれているわけでありますが、具体的にどのようなものか、教えていただきたいと思います。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
経営環境は、今非常に厳しくなっておりますが、中小企業にとりまして金融というのは命綱であるという認識で、私ども従来から、自己資本あるいは担保に乏しい中小企業の資金調達をどう円滑化するかというふうなことを積極的に取り組んできております。
例えば、担保とか個人保証に過度に依存しない金融を進めるということで、政府系金融機関におきましては、この前の年度末対策によりまして、国民公庫において、第三者保証人を不要とする融資制度の限度額を二千万から四千八百万に引き上げるとか、あるいは、本年度より、定期的な財務報告を行っていただくということを条件にいたしまして本人保証を免除する制度、そういうふうなこともやってございます。
また、信用保証協会の方につきましては、原則として第三者保証人を求めないというようなことも十八年四月よりやってきておりますし、既に制度化されております、いわゆる在庫を持ちました、流動資産を活用した保証制度、そういうものもやっているところでございます。
今回の法律につきましては、事業承継をされました会社の代表者、こういう方々も融資の対象にしていこうというふうなことで、後継者個人を対象にした新しい融資制度をつくっていこうというふうなことを盛り込んでいるところでございます。
以上でございます。
○梶山委員 先ほど大臣の答弁にもありましたけれども、事業承継支援センター、全国で百カ所程度設置をするということでありますが、このセンターの事業内容や設立に向けた取り組み状況についてお聞かせください。
○新藤副大臣 事業承継問題小委員長としての梶山委員の御活躍に敬意を表したいと思います。
私どもも、この中小企業の事業承継、長年の悲願でございましたから、本当にこの制度を何とかいい制度にしていきたいと思っております。
それには、やはり事業承継の円滑化というものについて全般的な取り組みをする必要がある、それは、非上場株式に対する納税の猶予問題、あわせて、いろいろな、後継者不在による廃業を防止するための開廃業のマッチング支援ですとか、それから、中小企業の事業円滑化をサポートする専門家の派遣、こういったものも必要だろう、このように思っております。
また、いろいろな後継者育成セミナーだとか、そういったようなものにもろもろ取り組みまして、会社それから個人事業主、そして親族内承継及び親族外承継、あらゆるものについてサポートできるように、全国約百カ所ぐらいの拠点をつくって、今年度既に予算措置二十億をいただいておりますが、この事業承継センターを設置していきたい、このように思っております。
○梶山委員 ありがとうございました。
この制度は、一時的に株式移動に係る相続税は減収になるわけでありますが、中長期的にはそれを上回る法人税が入り、また地方の雇用も守ることができるわけでありまして、日本経済にとりましては大きなプラス効果をもたらすものであると確信をいたしております。
先ほどお話ししましたように、まだこれからの部分があるわけでありますが、経済産業省、法務省、国税当局、力を合わせて、運用もうまくいくように準備を進めていただきたいと切望いたしまして、私の質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○東委員長 梶山弘志君の質疑は終わりました。
次に、高木美智代君。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。このような機会を与えていただき、感謝いたしております。
本日は、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案につきまして質問をさせていただきます。
まず、その本題の前に、確認をさせていただきたいことがございます。
実は、二〇〇八年度の税制改正法案の中には、つなぎ法案に入りませんでした、中小企業支援のために、これまで単年度でありました税制の延長や拡大なども多く盛り込まれております。例えば、中小企業投資促進税制、情報基盤強化税制、人材投資促進税制、また少額減価償却資産の特例制度等々、数多くございます。五月、六月の決算の企業もありまして、税制改正法案が成立したときに、遡及して減額措置がとられるのかどうか、懸念する声が多く寄せられております。
本日から、参議院本会議では趣旨説明が行われると承知しておりますが、これは一日も早く、速やかに結論を出すべき内容でございます。いずれにしましても、このようなときに、遡及して減額措置がとられるのかどうか、このことにつきまして不安にこたえて適切に対応していただきますように、これは答弁は厳しいかとも思いますが、財務省に私は強く要望をさせていただきたいと思います。
おくれればおくれるほど、適用につきましての不透明感が強まることから、これは与党、野党等ではなくて、政争の具にするのではなくて、事業取引活動や、また経理処理等に支障が生じかねないというこの事態を政治として何としても回避すべきであると思っております。本日委員会に御出席の委員各位の皆様の御協力を強く申し上げるものでございます。
さて、本法律案の内容につきまして御質問をさせていただきます。
今回の事業承継税制の抜本拡充につきましては、相続税負担に悩む中小企業経営者にとりまして期待感が極めて高い内容でございます。我が党におきましても、中小企業の活性化なくして景気回復なし、また中小企業の元気が日本の元気との決意で、これまでも、中小企業活性化対策本部を中心に、赤羽部会長また山本大臣政務官を初め、党を挙げまして、一貫して中小企業支援に取り組んでまいりました。
既に、減価償却制度の抜本見直し、また留保金課税の撤廃が行われまして、今回の事業承継の円滑化が実現しましたならば、長年の大きな課題を解決することができると思っております。これはまさに、甘利大臣のおっしゃるとおり、歴史的成果と言えると思っております。
しかし、この事業承継税制は、平成二十一年度の税制改正で創設されることになっておりまして、一年先ということもあり、経営者の中には、本当に創設されるのか、また、条件はどうなるのか、目的がよくても使い勝手が悪ければ絵にかいたもちになってしまいますよと不安に思う方も多くいらっしゃいます。
ぜひとも、大臣から力強い御答弁をいただきまして、このような懸念を払拭したいと思っております。大臣の御決意を伺わせていただきます。
○甘利国務大臣 事業承継税制につきましては、本年一月に、平成二十年度税制改正の要綱において、平成二十一年度税制改正で事業承継税制を抜本拡充することを閣議決定いたしました。具体的には、平成二十一年度税制改正で取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設し、本法律案の施行日である平成二十年十月一日以降の相続にさかのぼって適用することを政府として決定いたしております。
また、本法律案の附則におきまして、政府が平成二十年度中に相続税の課税について必要な措置を講ずるとの規定を盛り込んでおります。この規定は、政府に対して、来年の通常国会に相続税の納税猶予制度の創設を含む税法の一部改正法案を提出することを義務づけるものであります。
中小企業政策の責任者として、全国の中小企業経営者の方々の期待を裏切らないよう、平成二十一年度税制改正において確実に事業承継税制を抜本拡充すべく、引き続き全力で取り組んでまいります。
○高木(美)委員 今、大臣から大変力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
財務省にも、同じ質問で御見解を伺います。
○川北政府参考人 御答弁いたします。
事業承継税制の抜本的見直しの進め方につきましては、今、経済産業大臣から御答弁がございました。私どもといたしましても、平成二十年度税制改正の要綱や、本日御審議いただいております法案の附則の規定等を踏まえまして、この抜本的見直しを平成二十一年度税制改正におきまして確実に実現すべく、しっかり準備を進めてまいりたいと思っております。
○高木(美)委員 私自身も、多くの方からこの内容につきまして意見を伺ってきたところでございますが、今、中小企業経営者の方々から事業承継税制の詳細を知りたいというお声が上がってきております。本日は、そのような経営者の方々の御質問を踏まえまして、質疑の中でこの事業承継税制の内容を明らかにさせていただきたいと考えております。
項目が大変多いもので質問は簡潔にさせていただきますが、ぜひとも御答弁は丁寧にお願いをさせていただくものでございます。
まず、この適用対象者でございますが、事業承継税制の適用対象は後継者とされておりますが、その要件と範囲をお伺いいたします。民法特例の範囲と誤解されている方も多くいらっしゃいます。中小企業庁の見解を求めます。
○高原政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、本法律案の民法特例の後継者でございますけれども、先代の経営者の遺留分権利者、すなわち、基本的に配偶者や子供のみが対象となり、かつ、合意の時点で単独で株式の過半数を保有しているということが必要となっております。
お尋ねの、今般の事業承継税制の対象となります後継者でございますけれども、先代経営者の親族、この親族といいますのは、配偶者に加えまして、六親等以内の血族及び三親等以内の姻族、姻族というのは血族の配偶者と配偶者の血族でございますけれども、これが幅広く含まれます。また、相続開始の時期において同族関係者の中で筆頭株主であるといった要件を満たせばようございまして、その意味では、民法特例と比べて、税制の方の後継者の範囲は広くなっております。
このように、民法特例の範囲とあるいは事業承継税制の対象者の範囲ということにつきましては非常に混同もしやすいものでございますから、委員の御指摘も踏まえまして、可能な限り、この税制の対象となる方々の範囲に誤解が生じないように、十分な周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○高木(美)委員 事業承継税制の対象者は広い意味での親族、そしてまた、金融支援の対象者につきましてはすべての事業承継者というふうに承知をしております。
また、重ねまして、筆頭株主が二人いる場合でございますが、今答弁いただきましたとおり、同族関係者の中で筆頭株主が適用対象とされております。この筆頭株主が二人いる場合でございますが、一回の相続で二人とも事業承継税制の適用を受けることができるのかどうか、山本政務官にお伺いをいたします。
○山本(香)大臣政務官 ただいま御質問のありましたとおり、筆頭株主が二人いた場合どうなるかというお問い合わせでございますが、結論から申し上げますと、二人の筆頭株主の両方を適用対象とするのは適当ではないと考えております。
と申しますのも、今回の制度の趣旨というのは、後継者が事業を承継して安定的に継続していくということが大事でありまして、そのためには何よりも株式の集中というものが必要となります。このため、後継者が一人である場合について、当該後継者が相続により取得する株式を適用対象とすることとさせていただいております。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
五年間の事業継続を行うことが要件となっております。確かに、このような措置がないと、税制の恩典を受けた後にすぐに事業をやめてしまうようなケースも出てくることが十分想定されます。
しかし一方で、中小企業を取り巻く環境変化のスピードは激しいものがあり、この五年間に何が起こるかわからないというのも現状でございます。例えば、会社の倒産や清算といったマイナスのものもあれば、積極的な経営判断によりまして組織再編を行うようなケースもあります。事業承継税制がこうした中小企業の前向きな経営行動を阻害しては本末転倒ではないかと思います。
五年の期間中に組織再編を行った場合につきまして、見解をお伺いいたします。
○新藤副大臣 御指摘のように、この事業承継税制は、中小企業の事業の継続、発展を通じて雇用確保ですとか経済活力の維持を目的とするということでございます。一方で、今先生から御指摘いただきましたような合併、再編、いろいろな問題で積極的な経営を行っていく場合の企業判断、この企業行動を阻害することがあってはならない。ですから、事業承継の円滑化を行うことと、それから企業行動を阻害することがないように、こういった両方の観点から判断していかなければならないだろうということでございます。
五年間の事業継続期間中に組織再編があった場合の取り扱いにつきましては、組織再編の前後において事業継続要件を実質的に満たしているかどうか、こういったケースをきちんと見ていかなければならないだろう、このように思っております。そして、その中で納税猶予措置を維持するかどうかを判断していくことになるということでございます。
いずれにいたしましても、詳細な要件は、これから、平成二十一年度における事業承継税制の制度化に向けて、国税そしてまた私ども経産省、双方から検討を加えてまいりたい、このように思っております。
○高木(美)委員 どうぞよろしくお願いいたします。
また、事業継続要件でございますが、五年間、八〇%の雇用を確保するとなっております。雇用確保は事業承継税制の肝となる部分でございますが、他方で、従業員の定年退職であるとか、また経営環境の悪化に伴いリストラせざるを得ないなど、やむを得ず雇用を減少させるということも考えられます。
全国の中小企業経営者の方々に、雇用確保要件の考え方につきまして明確に示していただくことが重要だと思います。この質問につきまして山本政務官の答弁を求めます。
○山本(香)大臣政務官 ただいま御指摘にもございましたとおり、雇用確保は事業承継税制の中核ともいうべきところでございまして、しっかりとした要件を設定することが不可欠であると認識をしております。
他方で、ただいま御指摘をいただきましたとおり、団塊の世代が定年退職を迎えつつあることや、また中小企業の多くが小規模であることも踏まえますと、雇用が少しでも減少した場合に納税猶予の適用を失わせることとしますと、かえって中小企業の事業活動に支障を生じさせることにもなりかねないと考えております。
このような場合を想定いたしまして、雇用の一〇〇%維持を求めるのではなくて、八〇%以上ということにさせていただくこととしております。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
八〇%というラインがしっかりと確保できるように、中小企業からのお取り組みもまた求めてまいりたいと思います。
そしてまた、納税猶予税額につきましては、死亡のときまで保有し続けた場合など、一定の場合に免除されることとなっております。この一定の場合という内容につきましては、具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか、中小企業庁の見解を伺いたいと思います。
○山本(香)大臣政務官 ちょっと丁寧に答弁させていただきたいと思います。
事業承継税制というのは、相続後五年間の雇用確保を含む事業継続を要件として相続税の納税を猶予することとしているところでございますけれども、五年を経過した後、事業継続要件は課されなくなりますが、納税猶予の適用を受けた後継者が株式の譲渡等をすることによりまして相続税を一切負担することなく利益を得ることは、課税の公平上問題があると考えられることから、株式の保有を要件に納税猶予を継続することとさせていただいております。
では、課税の公平上問題がない場合はどういった場合があるのだろうかということで現在検討させていただいておりますが、例えば、五年を経過した後に、破産といったみずからの意思によらずに株式の継続保有ができなくなる場合等も想定されます。
加えまして、我が省といたしましては、株式の生前贈与による次の後継者への計画的な事業承継の取り組みを推進することも極めて重要だと考えております。
いずれにせよ、ただいま申し上げましたような観点も踏まえまして、死亡と同様に猶予税額が免除されます一定の場合の具体的な内容につきましては、平成二十一年度の税制改正で事業承継税制を制度化する過程におきましてしっかりと検討していく必要があると考えております。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
この一定の場合、これは現状がどのような形になっているのか、まさに現場の状況を精査していただきながら、皆様にとって最も使い勝手のいい内容となりますように、また、そうした中小企業の積極的な取り組みを後押しできる内容となりますように、しっかりと検討をお願いしたいと思います。
次の質問でございますが、税制改正大綱におきましては、「個人資産の管理等を行う法人の利用等による租税回避行為を防止する措置を講ずる。」このようになっております。ただ、具体的な内容は明らかにされてはおりません。
租税回避目的の資産管理会社につきまして、事業承継税制の対象外とすることに異論はございませんが、具体的にどのようなものを念頭に置いていらっしゃるのか、税務当局の考え方を伺いたいと思います。恐らく、資産管理会社といいますのは、大都市、しかも東京が最も多いのではないかと思われます。私も東京が地元でございますので、この内容につきまして税務当局にお伺いをいたします。
○川北政府参考人 お答えいたします。
中小企業承継円滑化法案は、中小企業の事業の継続への支援を通じまして、雇用の確保や経済活力の維持に資するためのものというふうに承知しておりますので、その趣旨に沿って新しい事業承継税制も組んでいく必要があるというふうに考えているところでございます。
したがいまして、この事業承継税制の適用対象につきまして何らの制約も設けない場合には、例えば、相続を見越しまして個人資産を出資して株式会社を設立し、その会社の株式を相続して事業承継税制の適用を受けるということによりまして、相続税の負担を回避するといった行為の発生が考えられるところでございます。
こうした行為に本制度の適用も認めますと、雇用の確保や経済活力の維持といった本制度の趣旨に反するのみならず、課税の公平性を著しく損なうということになりますので、対象外にする必要があるのではないかというふうに考えております。
今申し上げましたのは例示でございますけれども、新しい事業承継税制につきましては、詳細な要件は平成二十一年度改正で制度化するということになっております。対象外となる資産管理会社の範囲につきましても、この過程で十分な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○高木(美)委員 ありがとうございます。
二十一年度改正でございますので、そこまでの検討になるかと思いますが、それによりましてどのような形態をとっていくのか、また今後どのような準備をしていくのか、今景気が大変低迷している中にありまして、これは重要な課題であると思います。ぜひとも、その税制改正の時点を待つのではなく、もう順次検討していただきながら、整合性がとれ次第、また調整が終わり次第、公開をしていただき、周知徹底を早期に行っていただきますことを要望させていただきます。
先ほどもお話ございましたが、相続時の精算課税制度につきましても、やはりこの事業承継は、何といいましても、早期の取り組みこそが円滑な事業承継の近道であると思っております。そのための相談センター等も設置されるとの御答弁、先ほど来伺っておりますが、この相続時精算課税制度を使いまして既に株式を後継者に生前贈与しているという場合があります。このようなケースにつきましては、まさに事業承継を計画的に進めているものでありまして、当然今回の対象とすべきであると考えます。どのようにお考えか、経済産業省に答弁を求めます。
○中野副大臣 御指摘のとおりに、株式の生前贈与は、計画的な事業承継にとって極めて重要な要素だと認識をいたしております。
なお、現行の自社株式に係る相続税の一〇%減額措置においては、相続時精算課税制度を利用して生前贈与された株式も当該措置の対象とされておるところであります。
このような株式の生前贈与による計画的な事業承継の意義や現行制度も踏まえて、相続時精算課税制度を利用して生前贈与された株式についての新たな事業承継税制における扱いにつきましては、平成二十一年度税制改正で事業承継税制を制度化する過程で検討していく必要があると考えております。
個人的には、高木委員と全く認識は同じでございまして、ぜひ税務当局に要望し、実現をいたしてまいりたいと考えております。
○高木(美)委員 どうぞよろしくお願いいたします。副大臣のまた積極的なお取り組みを期待させていただきたいと思います。
最後の質問になりますが、総合的支援策につきまして大臣にお伺いをさせていただきます。
中小企業の事業承継の円滑化につきましては、税制支援だけで実現できるものではございません。中小企業経営者が高齢化していく中で、事業承継の円滑化は待ったなしの課題でございます。当然、そこにおきましては、予算であるとか金融であるとか、また法律といったあらゆる政策資源を総動員しまして、国を挙げて対応していくことが不可欠ではないかと思っております。
今後の事業承継の総合的支援策の全体像につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
○甘利国務大臣 この事業承継に際しましては、相続税の負担に加えまして、後継者の不足、遺留分の問題などさまざまな問題がございますために、総合的な支援が必要であると認識を同じゅうしているわけであります。税制のみならず、あらゆる政策総動員が必要である、おっしゃるとおりだと思っております。
そこで、二十年度の予算措置として、開廃業マッチング支援、それから専門家派遣等のワンストップサービスを行う事業承継支援センターを全国に配置いたします。地域力連携支援拠点というのを二、三百カ所つくるわけでありますが、その中に百カ所程度、この事業承継支援センターを併設したいというふうに思っております。
それから、親族内あるいは親族外、そして個人事業主、法人を問わず、事業承継に係るあらゆる資金ニーズに対応する低利の融資制度というものを創設いたします。
さらに、今御審議をいただいている法律案には、民法の遺留分に関する特例を初めさまざまな支援策を盛り込んであるわけであります。まさに、事業承継支援策の総合的対応というべきものであろうというふうに思っております。
事業承継の円滑化に向けた総合的な支援策によりまして、地域経済と雇用を支える中小企業の活性化の実現を目指してまいります。
○高木(美)委員 ありがとうございました。
恐らく、この事業承継税制のあり方につきましては、今後の中小企業がどのような道を考えていくのか、これを左右する大きなポイントであると思っております。
先日も、新潟の燕市におきまして、これはあるステンレスのメーカーでございますが、ノーベル賞の授賞式のときに使われるナイフまたフォーク等の食器につきましては燕市が製造している、このような話も伺っております。その一つのメーカーがサムスンに吸収合併というような報道がこの年頭にございました。驚いて内容を伺いましたら、むしろ、そのような形をとりながら、サムスンの持つ市場を使わせてもらいながら世界に進出していきたい、こういう方策でございました。
というように、これからグローバル化の進展にも伴いまして、多様な中小企業の進むべき道があるかと思います。そこにおきまして、こうした事業承継のあり方、そしてまたもう一つは、中小企業の活性化にとりましてどのような総合策があるのか、これからも、ぜひともこの事業承継税制、まさに肝の部分でありまして、ここの検討を急いでいただきながら、早く総合的な施策を提示できますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
少し早目でございますが、大臣もこの後重要な来客があられると伺っておりまして、これで終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○東委員長 これにて高木美智代さんの質疑は終了しました。
この際、暫時休憩いたします。
午前十時二十七分休憩
――――◇―――――
午後一時四十三分開議
○東委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。太田和美さん。
○太田(和)委員 民主党の太田和美です。
経営承継円滑化法案について質問をいたします。
最初に、法案の附則に規定されている相続税の改正についてお尋ねをしたいと思います。
大臣は、以前の国会答弁の中で、今回規定されている非上場株式等に係る相続税の納税猶予の制度について、革命的な出来事、そして歴史的成果と答弁しておられます。
その心と申しますか、まず大臣にお尋ねをしたいと思います。
○甘利国務大臣 これまで、中小企業の事業承継について、少しずつ、いわばちびちび対策が積み上げられてきたということはあったのでありますが、今回のように、いわば本当に抜本策として出たということは初めてなわけでありまして、そういう意味で、まさに中小企業の事業承継対策の中で一つの歴史をつくる極めて大きな、インパクトのある出来事だったという思いで歴史的と言ったわけであります。
革命的と申し上げましたのは、私も要求する方の代表選手としてずっと取り組んできましたけれども、財務省はいわば門前払いでありまして、全然取り合ってくれなかった。それが踏み込んだということで革命的というふうに申し上げたわけでありまして、それほど中小企業者にとって大きな出来事になるかと思っております。
○太田(和)委員 ありがとうございます。
確かに、これまでの制度に比べれば一歩前進だと思います。また、中小企業関係団体の長年の要望にこたえて、経産省、中小企業庁が努力をされたことにも率直に敬意を表したいと思います。
ただ、私は、現在の我が国の経済情勢の厳しさを考えますと、さらに昨今の原油高の中で、本当に苦しい経営を強いられている大多数の中小企業の立場に立って考えますと、事業承継は本当にこれで万全なのでしょうか。ちょっと手放しに喜んでもいられないのではないか、まだまだ課題が山積みしているのではないか、私はそのように感じております。
きょうは、そういった立場から、本法案について幾つかお尋ねをしていきたいと思います。
納税猶予制度そのものは、本法案の附則の規定を受けて、平成二十年度中に必要な措置を講じることとなっております。したがって、制度の詳細の設計はこれからということになるのだと思いますが、可能な範囲でお答えをしていただきたいと思います。
まず、この納税猶予の制度は、かなり限定をされた効果を発揮するのだろうと私は思っております。第一に、基礎控除の関係で相続税課税が発生するのは、死亡者全体のわずか四・二%になっております。このことから類推すると、そもそも相続税を払う中小企業は、全体の中のかなりの少数ではないか。中小企業は、よく、全体で四百三十万社、そのうち、個人事業主を抜いて会社形態だと百五十万社だと言われておりますが、この制度によって恩恵を受ける中小企業者は一体どのぐらいで、そして、減税総額はどのぐらいの規模になるのか、財務省にお尋ねをしたいと思います。
○川北政府参考人 お答え申し上げます。
新しい事業承継税制の対象となる企業者数、あるいは減税規模についてのお尋ねでございました。
先生御指摘のとおり、この新しい事業承継税制につきましては、今回の経営承継円滑化法の制定を踏まえまして、二十一年度の税制改正で創設するということになってございます。
したがいまして、その適用対象数あるいは減税規模につきましては、そうした税制の方の適用要件等の具体化なり制度化、あるいは適用要件であります経済産業大臣の認定の運用といったようなことを踏まえて見込むということになりますので、現時点では、その具体的な対象者数あるいは減税規模についてお答え申し上げることは難しいということでございます。
○太田(和)委員 中小企業庁では、恐らく二、三百億円の規模になるだろうというお話ですが、大臣、この減税規模なら、揚げ足をとるようで大変恐縮なんですけれども、革命的というよりは、逆に、この程度の話がなぜ今まで実現してこなかったのか、お答えをお願いします。
○甘利国務大臣 私、この問題に取り組んで何十年とは言いませんけれども、少なくとも十数年取り組んできまして、十一月から始まる党の税制調査会で、税制調査会の幹事、副会長をずっとやってきました。
抜本的な中小企業の事業承継策を確立したいというときに何が大変だったかというと、減税規模というよりも、哲学の問題で、どうしてもぶつかったんですね。農業者には抜本的な事業承継策というのがある。中小企業者は、まさに経営主の相続によって事業が中断してしまうおそれがある、あってはならないことが発生する。だから、いわば個人のものというよりも、従業員全体のものに生活がかかってくる事業体が中断をするということは、経営者だけじゃなくて、関係ステークホルダーに重大な損害を与えるということ。
そういう抜本的な制度といったときに、よく私も記憶しておるんですが、主税局と論争するのでありますが、農業者は農業基本法で、農業はちゃんと農業者が営むということが決まっている、だれでも、おれは農業をやりたいという人があしたからできるわけじゃない、中小企業者というのは、中小企業基本法にこの人じゃなきゃいけないと書いてありますか、だれだって、あした起業をやろうと思えばすぐできるんですよ、それが違うんですという哲学論でぶつかって、どうしても突破ができなかったんですね。
だから、減税の規模というよりも、考え方と、その後ろ盾になる法的な仕組みがないということで門前払いを食っていたわけであります。
今回は、法律ができるわけですね。法律で事業承認を経産大臣が認定する、これは法律で確認をされるということで、いわば単なる減税措置ではなくて、法律によって考え方の裏打ちをするということができたわけであります。ですから、それをつくるのが物すごく大変だった。減税額がこの程度だからやってもいいじゃないといっても、考え方で全部はねられていたものですから、そういう意味で画期的、歴史的な出来事になるんじゃないかということを冒頭でも申し上げた次第であります。
○太田(和)委員 ありがとうございます。
率直に、今回の制度に大臣が大変御尽力をいただいたということには、中小企業者を代表して、重ねて感謝とそして敬意を表したいというふうに思っております。
そして、具体的にちょっと私が疑問に思っていることがありまして、お尋ねしたいことがあるんですけれども、納税猶予制度という骨格では、発行済み議決権株式数の三分の二を上限として、課税価格の八〇%を猶予するということになっております。
今までは、発行株式総額二十億円未満の会社とか評価額十億円までなどが条件つきで一〇%の減額だったのですが、今回は減額ではなく猶予になっているのはなぜでしょうか。
また、三分の二がなぜ上限なのかということなんですけれども、役所の御説明では、特別決議が上げられる三分の二が安定経営の目安であり、それ以上の株は財産的価値とみなすことができるというお話でしたが、四分の三の特殊決議というものもありますし、なぜ上限が三分の二なのか。
さらに、課税価格の八〇%を猶予するということですが、これも、なぜ八〇%猶予なのでしょうか。これは、民主党の経済産業部門でも一〇〇%にすべきだという声がありましたが、なぜ八〇%なのか、お答えください。
○中野副大臣 事業承継税制の目的は、先ほどから議論されておりますように、事業の継続、発展を通じた雇用確保、また経済活力の維持でありまして、この目的にかなう税制とするため、相続後の雇用確保を含む事業継続を要件として相続税負担を軽減することとしたものであります。
このため、この税制のあり方としては、申告時には納税を求めず、将来、事業継続の要件を満たさなくなった時点で納付させる納税猶予方式の方が、申告時点で税負担を軽減される方式よりも適当と考えられまして、納税猶予方式を採用したところであります。
この猶予制度における軽減率について、今御質問もございました。一つには、既に個人の事業用宅地について課税価格の八〇%を減額する措置が講じられておりまして、同様に事業用資産である自社株式に係る相続税負担の均衡を図ることが適当であろうということであります。
二つ目には、欧州諸国の事業承継税制においては、事業用資産について、フランスでは七五%の軽減措置が図られ、ドイツでは現在八五%の軽減措置ということで国会で御審議をいただいておるようでありまして、そういう意味では、おおむね八〇%程度の軽減措置が講じられていること。
そして三つ目には、課税の公平性という観点から、事業用資産を持たない者とのバランスを踏まえる必要があるのではないかということ。
以上を踏んまえて、自社株式について、課税価格の八〇%に対応する相続税の納税を猶予する制度を創設するということにしたところであります。
○太田(和)委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
今回の法改正は一律に八〇%納税猶予するというものですが、私自身はこう思うんですが、中小企業といってもやはりいろいろあるわけです。規模のより小さい会社により多くの減税になるような制度になぜできなかったのかというふうに思っております。
大きい会社の方が雇用数がたくさんあって、雇用の確保だとか活力の維持という観点からは貢献度が大きいとかそういったような御意見もあるのかと思いますが、しかし、現在の中小企業の背景を考えると、事業規模の小さいところほど経営が苦しいといったような状況です。そういうところにより円滑に事業承継を行ってもらうためにも、段階的に、例えばなんですけれども、一〇〇%、九〇%、八〇%といったような配慮があってもよかったのではないかなというふうに私は思っております。いかがでしょうか。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
今般の事業承継税制の抜本拡充におきましては、現行自社株の一〇%の減額特例にありますような、総額二十億円未満といった要件を撤廃いたしております。そういう意味で、この適用範囲を中小企業基本法上の中小企業全般に拡大しておるというところでございます。
今回、先ほど大臣の御説明にありましたように、政策的に減税をやっていこうということでございまして、事業の継続でありますとか発展を通じて、従業員、雇用の確保及び地域経済の活力の維持あるいは活性化、こういうふうなものを図るということで、事業承継税制の目的としているわけでございます。
そういう意味で、委員御指摘のありましたように、一定規模以上の会社、こういうのは地域経済に対する影響度が大きいものがございますし、雇用もたくさんあるというようなことで、そういうふうな会社につきましても、適用外とするのではなくて、適用していこうということでございます。
今般の事業承継税制の抜本拡充に際しましては、先ほど申し上げましたように、中小企業基本法上の中小企業に該当する限り、その規模を問わず一律に、自社株式の課税価格の八〇%に対応する相続税の納税を猶予していこうということとしたものでございまして、会社の規模の大小によって軽減割合に差を設けるべきではないというふうに考えてございます。
○太田(和)委員 私自身は、やはり、今の中小企業の経営状況を考えますと、いわゆる零細企業と言われている会社に、よりもっとそういった減税措置をとってもよかったのではないかなというふうに考えておりますので、これは要望だけでとどめさせていただきたいというふうに思っております。
次の質問に入ります。
今回の納税猶予措置が、中小企業の事業承継の円滑化、事業の継続というのが政策目的になっていること、課税の公平性が重要であることもよく理解できるんですが、しかし、私が言いたいのは、納税猶予というのは、条件を守らなかったら正規の額を納税してくださいねという仕組みであり、一見もっともにも見えるんですが、実際の使い勝手がどうかということです。
死ぬまで株を持ち続けた場合に、初めて猶予税額の納付が免除されます。逆に言うと、死ぬまで株を持ち続けないと免除されないということです。海外と比較してもちょっと厳しいかなという気がしております。大臣、いかがでしょうか。
それと、同時にちょっとお聞きしたいのがもう一つあります。
一月の閣議決定にあります「株式等を死亡の時まで保有し続けた場合等の一定の場合には、猶予税額を免除する。」という、この「一定の場合」というのは、具体的にどのような場合を想定しているのでしょうか。お考えをお聞かせください。
○甘利国務大臣 生涯持ち続けるということは、その次の世代に株を渡して事業を継続していくという意味でありますけれども、例えば十年とか二十年、そこで売却、手放して現金にかえるという場合にはなぜ適用されないかというと、それは、まさに事業を運営していくためのものから、財産に変わるわけですね。これは、あくまでも事業の継続が経営者の相続によって遮断されてしまうのを防ぐということが一番大きな目的であって、遮断されてしまうと従業員もそれこそ路頭に迷うわけでありますし、家族も大変ということで、もちろん国民経済にとって中小企業が支えている部分というのは大きいわけでありますから、事業が立ち行かなくなって中断するのと違って、うまくいっているのに中断してしまうのを防ごうということでありますから、そういう意味合いから、税務当局も、それならばという決断をされたのでありましょうし、財産権に変わらないという意味で持ち続けなければならないということだと思います。
○高原政府参考人 少し事務的なことを補足させていただこうと思います。
今般の事業承継税制は、相続後五年間の雇用確保を含む事業継続ということを要件といたしまして、相続税の納税を猶予することといたしております。
また、五年間を経過した後でございますけれども、今申し上げた事業の継続要件というものは課されなくなりますものの、納税猶予の適用を受けた後継者の方が株式の譲渡などを行って相続税を一切負担することなく利益を得るということは、課税の公平上問題ではないかというふうに考えまして、株式の保有を要件に納税猶予の継続ということにさせていただいたものでございます。
御指摘の、後継者が、例えば事故に遭うとか不測の事態で代表者を退任しなくちゃいけないといったような場合などには、結局その後継者の方の次の後継者への事業承継が行われるといったようなケースもございましょうし、こういったケースも念頭に置きまして、御質問ございました死亡以外の一定の場合の扱いにつきまして、平成二十一年度の税制改正で事業承継税制を制度化する過程で十分検討を行っていく必要があると考えております。
また、事業継続の期間中に例えば組織再編があったような場合につきましては、組織再編の前後におきまして事業の継続要件というのを実質的に満たしているかどうか、そういう観点から、中小企業の前向きな企業行動というものを阻害しないように認定を維持するかどうかを検討していくということが適当だというふうに考えております。
以上でございます。
○太田(和)委員 次にお尋ねしたいのは、会計検査院の御指摘についてです。
検査院は、小規模宅地に関する相続税の適用状況について、経産省に対してこのように言っておられます。
経産省では、長期にわたり中小企業の事業承継の円滑化のための税制措置の一環として小規模宅地等の特例の拡充の要望を行っているが、この要望の際の検証では、適用状況に関するデータなどによる具体的な政策効果の分析を行っていないなどの課題が見受けられた。途中飛ばしますが、経産省においては、小規模宅地等の特例を初めとする特別措置の適用状況に関するデータの収集や個別の特別措置のみの効果の測定には難しい面があるなどするが、小規模宅地等の特例の検証について、その内容をより一層充実することにより、政策の実効性を高めていくとともに国民に対する説明責任を果たしていくことが望まれる、このように会計検査院が述べているわけであります。
経産省にお伺いしたいのは、小規模宅地等の特例を利用した租税回避に対しどのようなチェックをしてきたのか、政策効果の分析をしていないと検査院に言われた点は改善されたのか、そして、今回の税制改正にどのように生かされたのか、お答え願います。
○高原政府参考人 お答えを申し上げます。
小規模宅地の特例につきまして、政策効果がきちんと分析をされていないのではないかという、これは十七年度でございますけれども、会計検査院の指摘がございました。委員御指摘のとおり、当省としても、租税特別措置の適用状況などの把握あるいは効果の検証ということは極めて重要な課題であるというふうに考えております。
このような会計検査院の指摘も踏まえまして、平成十八年度からは、小規模宅地の特例につきまして、政策評価法に基づきます政策評価の対象として明確に位置づけておりまして評価を進めておるところでございます。
また、これに加えまして、今回の事業承継税制の導入に当たりましても、経済産業省のみで政策の検討というのを行うのではなくて、これは平成十七年の十月でございますけれども、日本弁護士連合会などの方々あるいは中小企業団体といった方々とともに事業承継協議会というものを設立いたしました。この協議会に、学識経験者あるいは実務家の方々なども入っていただく委員会を設置いたしまして、事業承継の円滑化のための総合的な支援策につきまして徹底的な検討を行いました。その成果を踏まえまして、今般の、先ほどからるる御答弁申し上げております事業承継税制の抜本拡充を図ったものでございます。
いずれにいたしましても、今後とも、こういった政策評価を十分に行いながら、この事業承継税制につきましても実施をさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
以上でございます。
○太田(和)委員 ありがとうございました。
しっかりとチェックや分析の方を行っていただきたいというふうに思っております。
会計検査院が十四年の相続税のデータをもとに調べたものなんですが、十六年末に事業を継続している適用相続人は四百八十七人で、全体の約八割が事業を承継している。そして、譲渡するなどをした適用相続人が七・四%。つまり、八割がまじめにやっているが、八%ぐらいの相続人が一年ちょっとで売り払っていたというふうに言っております。
事業承継の円滑化を目的とした特例なのに、すぐに土地を売り払っていた相続人が八%ということは、これは大臣、どのように見ているのでしょうか。検査院の御指摘のとおり、検証が不十分だったと思うのですが、いかがでしょうか。
恐らく、このような御指摘もあり、今回の税制改正では、減額ではなく納税猶予ということになったのではないかというふうに私は思っております。五年間の事業の継続、雇用の八割の維持、死ぬまでの株保有などの厳しい条件が入ったのではないかと私は推測しております。
悪質な租税回避を排除していくのは当然のことで、しっかり制度を構築しなければならないのは当然ですが、あつものに懲りてなますを吹くということわざもあります。経産省には、事業承継にまじめに取り組む中小企業にとって使い勝手のいい制度にぜひとも仕上げていっていただきたいなというふうに思います。これは要望だけにしておきたいと思います。
最後になりますが、中小企業の事業承継問題は、税制や民法の世界の話ももちろん大事なんですが、私は、中小企業に夢や希望が持てる経済環境を実現することが究極の事業承継の対策だというふうに考えています。
その意味でも、日本経済の現状は政府の言うように楽観的なものではなく、私は、このままでは本格的な景気後退期に入ることが懸念される段階に来ていると心配しております。
政府の方で、本日、経済対策を発表されたそうですが、以前から言われていた項目の多い、はっきり言って新味に乏しいインパクトがないものだというふうに報道がされておりました。
大臣は、この経済対策の目玉は何だとお考えなのでしょうか、お答えください。
○甘利国務大臣 総理からは、成長力強化のためのいろいろなメニューがある中で、前倒し実施できるものを洗い出して実施の体制をとるようにという御指示でありました。全く新規のものを新たに予算立てしてやるという、新たな歳出はありませんからねということをくぎを刺されておりまして、手持ちのカードのうち、できるだけ前倒しでできるものを洗ってみたわけであります。
そうした中で、地域力連携拠点を二、三百カ所整備しますが、これはいろいろな意味で中小企業の経営力向上に資するツールでありますから、これをできるだけ早く立ち上げようということであります。
それから、農商工連携というのが新年度の新しい取り組みとしてスタートをします。これは、きょう、農商工連携の先行事例八十八選というのを発表させていただきました。これは、もう既に、国の支援施策なしに自分たちがスタートしている先行事例でありますが、こういう事例に見習って、今度は国の施策を使って農商工連携をどんどん立ち上げていこうというふうに考えているところであります。
さらには、中小企業の生産性を上げるためにはやはりどうしてもIT化が必要だということで、特に小規模事業者になればなるほどこれがおくれているということで、これを前倒しして実践していきたいというふうに思っております。
○太田(和)委員 ありがとうございます。
私は先日、大臣の所信に対する質疑の際に、揮発油税の暫定税率の廃止、二兆六千億円が、減税が一番の景気対策だと申し上げました。大臣は、道路事業が減るからそんなに効果はないというようなお答えでしたが、しかし、原油高などで踊り場に入ったと言われる国内景気の底上げをねらうのであれば、暫定税率を廃止し、国民に直接的な減税により個人消費を刺激し、また中小企業にも、そして物価上昇率が一%に拡大してしまった、こういった悪い物価上昇にも対応できるのではないかというふうに私は思っております。
これは、第一生命経済研究所のマクロ経済分析によりますと、暫定税率が廃止された場合、公共事業の削減が半分にとどまるケースでは、初年度は〇%だけれども、二年目は個人消費拡大効果によりプラス〇・二%、三年目には〇・三%のGDPの押し上げ効果が出ると予測しております。
そういう予測も出ているということを大臣に反論を申し上げますとともに、福田総理大臣が増税のための再議決をしないよう強く要望いたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○東委員長 太田和美さんの質問は終了いたしました。
次に、田村謙治君。
○田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。
太田委員に続きまして、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案、質問をさせていただきたいと思います。
最初に、太田委員が大臣にもお伺いをいたしましたけれども、やはり基本的に我々民主党も今回のこの法案については大変いい施策だというふうに評価をしているわけでございまして、太田委員は元経営者の立場から言っておりましたけれども、まさに大臣が十数年取り組んでいらっしゃったとおっしゃっておられましたが、その十数年前には私は主税局におったわけでありますけれども、そういった立場の人間でも、大変その御尽力に心から敬意を表する次第でございます。
それで、もう少しお伺いをしたいんですけれども、先ほどまさに、なぜこのようなすばらしい施策が結局今になってしまったのかと。
やはり、問題意識として、こういういい政策が結局後手後手に回ってしまうということは多々あるわけでありまして、先ほど大臣が、何年か、過去から哲学論争を主税局と展開なさっていたといった話を若干お伺いいたしました。
より具体的にお伺いをしたいんですけれども、もしおわかりになればで結構なんですが、まさに経産省さんが主税局にこの件に関する税制改正要望というのをお出しになったのは何年前になるのかというのは、もし事務方の方、大体でいいんですけれども、おわかりになりませんでしょうか。
○高原政府参考人 お答えを申し上げます。
昭和五十七年度に要望をさせていただいたという記憶がございまして、そういう意味では随分前から要望はさせていただいております。
以上でございます。
○田村(謙)委員 ありがとうございました。
私もこの点は本当に知りませんでしたので、まさに暫定税率と同じぐらい長いなと、同じことを同僚が今言っておりましたけれども。
そういった中で、結局ずっとそれを主税局が拒否してきたというのは大変私は想像がつくわけでございまして、先ほど大臣が、今回はその後ろ盾となるような法的な裏打ちですね、またトータルなパッケージとして今回は提案できたというふうにおっしゃっておられましたけれども、ここはちょっと私も、事務方の方がわかったらということで、事前にお聞きをしておりませんので、まさにトータルで、やはり法的な枠組み、哲学的に押し返されてきたと。
例えば、今回の相続税の減税というそれだけであれば、やはり主税局はいろいろな理屈を言ってはねていたんだと思うんですけれども、そういったある程度のパッケージというのは多分今回初めてではないんだと思うんですけれども、そこら辺はどれぐらい前から、ある程度、民法も含めてお考えになっていらっしゃったか、それをお伺いします。
○福水政府参考人 先ほど申しましたように、二十数年前から土地の減税をやっていただこうと、今現在八〇%になっていますが、それがもう何年かごとに一〇%ずつぐらい上がるというようなことになってございました。
それから、現在の株、非上場株式につきましては、現在一〇%の特例というのがございますが、これができたのが平成になってからでございます。
そういう意味で、必要なところでやっておったわけですが、実は最近高齢化が非常に進んでいるとかいうふうなこともありまして、後継者問題に総合的に対応しなければいけないというような認識がありまして、ちょうど二年前、二年弱になりますが、平成十七年ごろから、総合的な事業承継というものを考えていかないと地域の雇用とか地域経済の維持というのができなくなるんじゃないだろうかという問題意識で、検討会でずっと議論しておりまして、その結果が今回の税制改正であり、法案の御提出というふうになったものと承知いたしております。
○田村(謙)委員 先ほどの大臣の御答弁に反論するつもりは全くございませんで、そこはまさに甘利先生がずっと大臣をやっていらっしゃったわけではありませんので、お立場になってようやく実現をなさったということも含めて、私は高い評価をさせていただきたいというふうに思っているわけであります。
私も十年前に、正確に申し上げますと九六年から二年間ですけれども、主税局で外国の制度の調査をしておりましたので、内情というのは非常に想像がつきやすいところがございまして、私も今回この法制について諸外国の例を若干勉強いたしましたけれども、今回もそのサンプルにしている、大体いつも税制ではそうですけれども、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、そういった国は、早いところは八〇年代から、そして遅いところでも大体九〇年代に、少なくともその入り口の整備は始まっているわけですよね。それが日本ではようやく今回だと。
税制やそういったもの、経産省さんが要望なさるような、いろいろそれは玉石混交でありますけれども、済みません、本当に余談で、それはともかく、そういう玉に当たるような大変いい施策について、主税局はまずははねつける、税収が減るというだけでだめなんだという姿勢というのは、私は中におりましたから大変想像がつくわけであります。
その点、今回は大臣が長年の思いをようやく実現なさったということでありますので、やはりそれは今後、ほかにもいろいろありました。話がかなりそれますけれども、ベンチャー関係の促進をすると、当時、まさに十年前から経産省さんがずっと要望なさっていて、法人税減税もそうですね。それを結局、ずっとしばらく九〇年代は主税局がはね続けたわけですね。景気が悪くなってからあたふたして、ようやく経産省さんの要望を認めるようになったと。財務省の先輩がお帰りになったので言いやすいんですけれども。
やはり、一番申し上げたいのは、大臣がより今後もこういった施策についてはリーダーシップを発揮なさって、主税局のかたい殻を打ち破っていただきたいということを、今後のさまざまなほかの施策についても私は強くお願いを申し上げたいというふうに思っているところでございます。
そういった意味では、大筋について反論があるわけではありません。ただ、私も勉強している中で、幾つかの懸念の声を聞く場合がある。その懸念を含めて、簡単に関連の質問を、その中身について少しお伺いをしたいというふうに思っております。
例えば、今回の、まさに中小零細企業が事業承継者を探していく。基本的にはその御子息、お子さんをまずは考えるというのは当然だろうというふうに思いますし、そこでいろいろと困難があった中で今回この法制があるというのは、私は十分に理解しています。
ただ、一方で、本来は別の人も探す余地があった場合に、それなのに、例えば具体的なケースというのはちょっと私もわからないですけれども、ほかにも、後継者としてやりたいというような、より優秀な外の人がいるかもしれない、いるだろうというようなケースの場合でも、こういった法制があると、まずはやはり息子だ、娘だ、娘婿だというような、ある意味、安易な選択をしてしまうというふうになってしまう危険性がないのかと言う方がいたんですけれども、その点についてはいかがお考えでございましょうか。
○新藤副大臣 今般の中小企業の事業承継の総合的な支援は、今先生がおっしゃったようなことも含めて総合的に、中小企業が厳しい経営環境の中で、しかも非上場株式という、市場から資金を調達できない、そういう株式の相続を行う、しかも、それは大半が経営者個人がお持ちになっている、そういったものの企業を円滑に承継させるためにはどうしたらいいか、こういう趣旨で行われたことは御案内のとおりだ、このように思っております。
したがいまして、それは経営者の子息に対して事業承継を優遇したり促進しよう、こういった趣旨でないことはもうおわかりいただけると思います。現実に、親族外承継の比率というのは全体の四割にまでなっている。それから、長男だけではなくて、親族内の承継というのもありますね。
ですから、そういうさまざまな事業継続を幅広く支援する、そういった形で、この法律とともに、後継者が事業用資産を取得するための資金調達での支援だとか、それから適切な後継者とのマッチング、こういったものも支援しようということで、事業承継支援センターを設置するですとか、それから、例えば後継者となる方が、個人が株式を取得する際の資金の支援をしようとか、こういったいろいろなスキームを用意して総合的な支援を行っていこう、こういうことでやっているわけでございます。
○田村(謙)委員 ありがとうございました。
幾つか、そういった懸念の声をまずはお伺いしようと思っております。
あと、例えば今回、まさに非常に厳しい中で何とか頑張っていらっしゃる中小企業が、事業承継がうまくいって円滑になされて、そしてその事業が継続されるのは基本的に大変重要なことだというふうに思っているわけですけれども、一方で、そこは会社を起こそうという人たちの考えだと思いますが、新しく起業しようとする者から見ると、それは不公平なんじゃないのと。
例えば、同じ事業をやる際に、自分の方がもっとできるよ、前からあるからといってあえて残す必要はないんじゃないかということを言う方も中にはいると聞いているんですけれども、要は、単純に申し上げると、新規事業をやろうとしている人と継承する人で不平等だ、そういう意見が一部にはあると聞いているんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○中野副大臣 今回の事業承継税制の抜本拡充は、ただ単に中小企業経営者の相続税を軽減するというだけではなくて、五年間の雇用確保といったしっかりとした事業継続要件を設定するということで、事業の継続、発展を通じた雇用の確保あるいは経済活力の維持を図るということを目的としておりまして、単純な中小企業優遇策ではないということを御理解していただきたいと思います。
また、今委員御懸念の、既存の中小企業経営者の相続税対策に費やしている時間を節約して、事業そのものに専念していただけるようにということを期待しているものでありまして、新しく起業しようとしている、そういう者に不平等をもたらすものではないと私たちは理解をいたしております。
なお、委員も十二分に御存じだろうと思いますけれども、これから起業しようとする者に対しましては、設立五年以内の中小企業に係る欠損金の繰り戻し還付措置あるいはエンジェル税制など、別途税制上の措置を講じておりますし、エンジェル税制について申し上げれば、二十年度の税制改正で、出資額自体を所得から控除できる制度に拡充される予定だということになれば、私は、決してそういう御懸念はない、こう言えると思います。
○田村(謙)委員 ありがとうございました。
あと、先ほど太田委員が質問をしておりました、まさに今回の事業承継税制の適用を受ける場合の条件でありますけれども、五年間の事業継続をする、あるいは相続した株式を継続保有するといったことをお答えいただいていたと思うんですが、何か雇用については条件を課すというお考えはございませんでしょうか。
○福水政府参考人 事業継続要件というのを課すことにしておりまして、雇用につきましてはいろいろ議論がありましたけれども、八〇%以上を確保いただくというふうなことで考えてございます。
○田村(謙)委員 その八割、ある意味、今回の、弱者救済ではないというスタンスもあるのかもしれませんが、理想で言うと十割、全員は維持するというのが一つの考え方では理想だというふうに思うんですけれども、そういった中で、結局八〇%以上という御判断をなさった理由をお教えください。
○高原政府参考人 お答え申し上げます。
事業承継税制につきましては、中小企業の事業の継続が雇用確保を通じて地域社会、地域経済の活力維持に資するということにかんがみまして、今長官からも御答弁申し上げましたけれども、相続後一定期間の雇用を確保するという、八〇%でございますけれども、要件をつけさせていただくということでございます。
そういう意味では、事業継続期間中は雇用を極力維持するということが非常に重要だと思いますけれども、ただ、団塊の世代の方が例えば定年退職をお迎えになるとか、あるいは結婚や出産など、経営判断とは無関係の理由によりまして退職が生じるといったような場合もあろうかと思います。そのため、雇用が少しでも減少した場合にはこの納税猶予の適用を失わせるということになりますと、かえって委員も御心配の、中小企業の事業活動への支障というものが出てくるのではないかということでございまして、八〇%の雇用維持というふうに考えているところでございます。
以上でございます。
○田村(謙)委員 今、八割の雇用を維持していくということでありますけれども、事業承継の後、雇用がまさに継続されているという状況は、結局、だれがチェックを行うんでしょうか。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
具体的には、この法律の政省令で決めていくということになろうかと思っておりますけれども、まず、この税制を受けていただく、適用されるためには、経済産業大臣の認定が必要となるというのがことしの一月の閣議決定で決まっております。そういう意味で、その認定を受けた者が、継続期間中、五年間でございますが、この間、雇用状況がどうなっているか、そういうことは引き続き私どもの方でチェックしていきたいというふうに考えておりまして、具体的なやり方につきましては省令で検討していきたいというふうに考えてございます。
○田村(謙)委員 対象者がどれぐらいか、やってみなきゃなかなかわからないところもありますし、そのチェックというのも確かに今後の検討事項なんだと思います。もちろんそれは十分にチェックをする必要はあるんだとは思いますが、ただ、結局、それが行政の肥大化とかそういったことにつながらないように、適切な体制を整えてくださいますようにお願いを申し上げます。
さて、まだ時間が若干ございますので、関連ということで、ちょっと中小企業の現在の状況について、これは法案からは離れますけれどもお伺いをしたいんですが、まさに中小企業の経営状況というのが一般的に非常に厳しくなってきているというその状況ですね。例えば、それはいわゆる倒産件数などにあらわれてくると思うんですが、最近の状況や、あるいはその背景について御説明をください。
○福水政府参考人 お答え申し上げます。
中小企業の倒産件数の推移につきまして、最近十年間の推移を見てみますと、平成十三年がこの十年間ではピークでございまして、一万九千九十件という状況でございます。平成十三年から十七年までは着実に減少しまして、十七年には一万二千九百四十一件というところまで行ったわけでございますが、平成十八年一万三千二百一件、平成十九年には一万四千十五件と増加傾向にあるということで、中小企業の現下の状況、非常に厳しいものがあるというふうな認識でございます。
○田村(謙)委員 ありがとうございます。
最近また、十八年から十九年にかけて倒産件数が若干ふえてきている。そこはいろいろな要因が当然あると思うんです。
そういった中で、平成十八年に貸金業の規制等に関する法律の改正法、その当時たまたま私は財務金融委員会におりましたし、民主党でそのプロジェクトチームの座長をやっておりましたので、その関連でお伺いをしたいんですけれども、やはり実際にその改正法が施行をされて、いわゆる上限金利、当時大変話題になりました上限金利というのが、引き下げられるのはまだこれから、来年の末か再来年だということでありますけれども、実際に貸金業の改正法案が施行された直後から、御案内のように、貸金業者は金利を大幅に引き下げて、まさに将来的に施行される上限金利に合わせるような形に変えてきている。
やはりその中で、中小零細企業に対する貸し渋りが生じているんではないか。それこそ、日々の資金繰りで困って、本来、もうちょっと、数カ月単位で見るなら経営は十分に続けられるはずであるのに、一日、二日の資金繰りというものが、今まででしたらまさに貸金業、貸金業者から借りていたところが、それが非常に審査が厳しくなって借りられなくなって、それによって泣く泣く倒産に追い込まれたというようなケースもあるのではないかということが最近徐々に言われてきているわけですけれども、それについてどのようなお考えをお持ちなのか、この点はぜひ大臣にお願いします。
○甘利国務大臣 貸金事業者は、悪い面ばかり取り上げられてきたんですけれども、資金供給という点で一定の役割も果たしているということで、私も注視をして見てきたところであります。
それで、御指摘は、この業法改正によって、前倒しで与信を絞って信用収縮が起こっていないか、その影響はどのくらい出ているかということだと思います。
平成十七年から十九年にかけて、倒産件数が中小企業は増加しておりますが、その中で、こういった貸金業の主なユーザーというのは個人企業が多いと言われていますが、その倒産件数を追ってみますと、十七年の二千二百三十五件から、十九年は二千二百六十六件でありまして、中小企業全体の倒産件数がこの間に八%増加しているわけでありますけれども、この期間の個人企業の倒産の増は一%にとどまっているということであります。
こうしたところから見ますと、貸金業者の法的対応、その前倒しによってユーザー層の倒産がふえているということは必ずしも言えないのではないかということであります。
経産省といたしましても、商工会それから商工会議所の経営指導員の方々等の協力を得まして、実態の把握に努めているところであります。今のところは、貸金業規制によって顕著な具体的な影響が出ているという明確な情報というのは得られていませんけれども、引き続き、特に小規模零細企業者のこれによる影響というのをしっかり注視していきたいと思っております。
○田村(謙)委員 やはり今大臣おっしゃいましたように、貸金業、貸金業者、中小零細企業に対して、例えば短期的な資金供給をする、そういった意味でも一定の役割、それがどの程度かというのは評価が分かれるわけですけれども、役割を果たしてきたんだろうというのは我々も考えているところでございます。
当時、二年前になりますけれども、結局、貸金業者イコールサラ金で、それも非常にあくどいことをするそういった人たちだというイメージが、まさに世論というか、それより前にマスコミがあおっておりましたので、個人に対する融資と、そして事業者に対する融資というのは本来切り分けて考えるべきだ、そういう話も、そもそも我々民主党のPTでも最初のうちはそういう議論をしていたんですね。
ただ、結局それはもう一切できないような状況に、そこは与野党ともに追い込まれてしまったということは、私は中におりましたので、やはりそれは十分に感じているところでございまして、実際金利が、上限金利引き下げというのは、来年末かあるいは来年末から再来年にかけての時期、まだ時期は特定されていませんけれども、その前に見直しをするということは法律の中に盛り込まれているわけでありまして、そうしますと、それは恐らく来年にということになるんだと思うんですね。
ですので、ぜひともそこは、大臣も引き続き強い認識を持ち続けていただいて、なかなか、正直なところ金融庁というのは、もうそのままなるんだというトーンであるように私は聞いております。そもそも、今振り返っても、二年前の法改正というのは相当金融庁が主導して、主導するのは当たり前なんですけれども、事業者に対する金融というものを余り考えずに進めてしまったんじゃないか、そういうトーンは今でも余り変わらないような感触を受けております。
やはりそこは、金融庁は主税局よりは柔軟だと思いますので、大臣以下経産省、中小企業庁の皆様、何とか、よりそういった意識を持ち続けていただいて、もし貸金業者の中小企業に対する役割というものが相当評価されるのであれば、それはいろいろな意味でトータルに貸金業法全体をまた再び見直すという余地も、可能性もそこは残されているわけでありますので、ぜひともその点については、大臣以下、引き続き注視をしていただいて、それこそ当時も金融庁に、いろいろなそういう現地調査、さまざまな調査、中小企業がどれだけ具体的に貸金業者から利用しているのか、そういうデータはないのかと聞いても全く調査をしていないし、する気もないふうに見受けられました。恐らく今もやっていないと思います。
そこはやはり、一番中小零細企業の立場に立ってお考えになっていらっしゃる経産省さん、中小企業庁さんがよりそこら辺も現場を注視していただくということが来年の見直しにつながるのではないかというふうに私も考えておりますので、その点を重ねてお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○東委員長 田村謙治君の質疑は終了いたしました。
次回は、来る九日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時四十分散会




















