特定船舶の入港禁止法に基づく入港禁止の実施を求める件(副大臣答弁) 衆議院国土交通委員会-4号 2007年11月02日
特定船舶の入港禁止法に基づく入港禁止の実施を求める件(副大臣答弁)
168-衆-国土交通委員会-4号 平成19年11月02日
○竹本委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本件審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房審議官西阪昇君、総合政策局長榊正剛君、河川局長門松武君、住宅局長和泉洋人君、海事局長春成誠君、政策統括官伊藤茂君、海上保安庁長官岩崎貞二君、内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室長河内隆君、外務省大臣官房参事官伊原純一君、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長中根猛君及び経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長立岡恒良君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○竹本委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡部英明君。
○岡部委員 おはようございます。自由民主党の岡部英明でございます。
本日、初めて国土交通委員会で質問する機会をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早々ですが、本承認案件についてお伺いしたいと思います。
我が国は、平成十六年通常国会にて成立した特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法により、特定船舶の入港を禁止する措置をとることを可能といたしました。そして、その後、平成十八年七月五日の北朝鮮による弾道ミサイル発射、同年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表があり、平成十八年十月十四日から、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づき、北朝鮮船籍すべての船舶の入港を禁止する措置を実施したところでございます。
そして今般、政府は、本年十月十三日に措置の期限が到来するに当たり、現在の我が国を取り巻く国際情勢をかんがみ、四月に続き、今回の措置の延長になったものです。
その間、六者会合では、二月には共同声明の実施のための初期段階の措置を合意いたしました。また、十月には共同声明の実施のための第二段階の措置について合意したところでございます。また、南北首脳会談が開催されたり、米朝協議も進んでいると聞いております。
そこで、外務省にお聞きしたいのですが、前回の延長との状況の変化、また、六者会合の動きの中でのいろいろな進展があったのかどうか、状況が変わってきたのかどうか、その辺の評価についてお伺いしたいと思います。
そして同時に、今回の延長というものがこれらの評価をどのように踏まえたものになっているのか、お聞きしたいと思います。
○伊原政府参考人 今回の北朝鮮に対する我が国の制裁措置の延長、とりわけ今御審議いただいております北朝鮮籍船舶の入港禁止措置に関しましては、私どもとして、既に、こういった措置により、昨年の十一月以降は北朝鮮籍船舶の入港実績はゼロとなっておりますし、また同時に、輸入禁止措置によりまして本年は輸入実績がゼロとなっております。
こういった措置が特に経済面でどのような効果を与えてきたかということについて、定量的、確定的に評価するということはなかなか難しゅうございますけれども、北朝鮮の厳しい経済状況を考え合わせた場合に、これが一定の効果を及ぼしてきたものというふうに考えております。
また、こういった我が国の措置につきましては、単に経済的効果ということではなく、その持つ政治的な意義に着目する必要があるんだろうと思っております。すなわち、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けた誠意ある対応を北朝鮮から引き出す、こういう目的に資するかどうかという観点から評価、検討していくことが重要だと考えております。
この点につきましては、今委員御指摘のとおり、北朝鮮の非核化につきましては、六者協議の中で一定の進展はあると思います。とりわけ、本年末までに寧辺の三つの核施設について無能力化をするということについて、既に北朝鮮は約束をしております。しかし、こういった非核化についての北朝鮮の約束が今後着実に実施されていくのかどうか、これについては引き続き注視していく必要があるというふうに思っております。
一方で、拉致の問題につきましては、先般のウランバートルにおける日朝の国交正常化のための作業部会においても、真剣な話し合いは行われましたけれども、遺憾ながら、今までのところ、北朝鮮から具体的な措置について、具体的な行動については何らない、そういう状況でございます。
したがいまして、そのような状況を踏まえまして、今回、十月九日の閣議決定によって、船舶の入港禁止措置あるいは輸入禁止措置のさらに六カ月の延長ということを決定いたしまして、こういったことによって、北朝鮮に対して拉致問題を含む諸懸案の解決に向けた誠意ある対応を求めるという我が国の立場を改めて明確にする、そういう必要があり、また、今回の措置はそういう効果があるというふうに考えております。
○岡部委員 ありがとうございます。
一定の成果はあるだろう、しかし、なかなか状況は変わっていない、そういう中での延長だというふうに思っています。
そういう中で、今回、一年にわたって実施してきたわけでございますが、国土交通大臣にも、その効果と、また本案の意図するところをぜひお聞きしたいと思います。
○冬柴国務大臣 ただいま外務省の方からも答弁がありましたように、北朝鮮が受ける経済的なダメージといいますか、そういうものを確定的に数量的に示すことは困難でありますけれども、しかしながら、拉致という、我が国の主権、領土主権あるいは領海主権を侵して我が国の国民を連れ去ったという犯罪行為に対して、解決しなければならないわけであります。また、我が国の全土を射程に入れたようなミサイルの開発ということは、我が国にとっては大変な脅威であります。核は言うに及ばずであります。
こういうものに対して、北朝鮮政府に対して交渉しているわけでありますけれども、しかし、我が国のそのようなものに対する解決に対する強い意思を示し、そして誠意ある回答を引き出すというために、このような措置は絶対に必要であるというふうに思うわけであります。
引き続いて、我が国のそのような強い立場を内外に示す意味におきましても、このような措置が必要であるということを国民にも御理解いただきたいというふうに思うところでございます。
○岡部委員 ありがとうございます。
やはり、対話のためにも圧力が必要でありますし、また同時に、圧力をかける目的は対話をするためのものであります。今回の延長、まさに対話のために今後も圧力をかけていくべきだというふうに私も考えるところでございます。
さて、本日は、この承認案件のほかにも、多少幅広く御質問させていただきたいと思うところでございます。
まず、我が国の沿岸水域の監視体制についてお聞きしたいと思います。
我が国は、日本海を挟んで、ロシア、北朝鮮、韓国、そして東シナ海を挟んで中国と、大変重要な海域を囲まれているわけでございます。海上における安全、安心の確保は、海上保安庁が第一義的に担っていると思います。
ことし六月の二日に、北朝鮮から家族四人が乗った小型の船舶が、日本海を渡って青森県の深浦港にたどり着いたという事案が発生しております。今回のその事案の中で、海上保安庁は当該船舶を発見できなかったということでございます。
その後、海上保安庁がどのように監視体制を強化し、また今後の発生を未然に防ぐか、どのような状況にあるのか、海上保安庁の方にお聞きしたいと思います。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、私どもの監視警戒体制の強化というのは大変重大な課題だと認識をしております。
今回の御指摘の事案を踏まえまして、巡視船艇における、これは青森県の深浦港に着いたわけでございますけれども、深浦港を初めとする日本海側、とりわけ青森、秋田、この辺の各港への定期的な巡回でございますとか、日本海北部を対象とした航空機による哨戒でありますとか、こうしたものの回数を強化させるということをまず取り組んでおります。
それから、どうしても私どもだけでは一〇〇%ではございませんので、警察等、地元の関係機関あるいは漁協、こうしたところにも不審な船舶を発見したりした際の通報を要請するといった取り組みを強化させていただいているところでございます。
それからさらにでございますが、これは少し中期的な課題になりますけれども、今回は小型の木船であったがためになかなかレーダーにも映りにくかった、映らなかったということでございます。こうした探知装備の精度、これが検証を行いどう強化できるのかというのを勉強させていただいているというところでございます。
○岡部委員 ありがとうございます。
一層の監視体制の強化を望むところでございます。
そして、もう一方で、海上保安庁が海洋秩序の維持、海難救助、海上交通の安全確保等さまざまな業務を実施しておるところでございますが、特に、尖閣諸島の領海警備、また海洋権益の保全、テロ対策等といった新たな業務課題への対応も求められております。
そのような中で、最近、海上犯罪送致件数は増加傾向にあります。平成十四年には四千八百三十一件であったのが平成十八年の件数は六千六百九十一件、この五年間で約四割も増加している。中でも、密漁等の漁業関係法令違反がここ数年増加しております。平成十四年には千四十六件であったのが平成十八年には千五百五十件、五割の増加となっております。
こうした状況を踏まえて、本年六月には、密漁等に対する罰則を強化するため、漁業法及び水産資源保護法が改正されております。そういう中で、海上保安庁における密漁取り締まり対策の強化が急務となっております。
しかし、もう一方、装備を見ますと、耐用年数を超えた巡視船が四六%、巡視艇が二八%、航空機が四一%が耐用年数を超えているという状況にございます。そういう中で業務に支障が生じていないのか、また十分な取り締まりができているのかどうか、少し不安になる面もございます。
そういう中で、海上保安庁の体制を早急に強化する必要があると思いますが、海上保安庁にお聞きしたいと思いますが、今どのような取り組みをなさっているのか、お聞きしたいと思います。
○岩崎政府参考人 これも先生今御指摘いただいたとおり、領海警備等の海洋権益の保全でありますとか、犯罪件数が増加している、とりわけ密漁なんかでも悪質化しているということで、こうしたものには私どもやはりきっちり対応していく必要があるだろうと思っております。
そのために、やはり体制の充実が必要でございます。最近は、こうした犯罪を犯す船あるいは不審船等に対応するには、巡視船艇等のスピードもちゃんとアップしなきゃいかぬ、それから犯罪なんかは夜が多いものですから、夜間の監視能力も強化しなきゃいかぬということで、耐用年数が過ぎた船ではなかなかこれに対応できませんので、巡視船艇、航空機の緊急整備というのに十八年度から取り組んでいるところでございます。老朽化した船あるいは航空機をいいものにかえていくということで、二十年度予算の概算要求におきましても四百九十億円の予算要求をさせていただいているところでございます。
また同時に、人員面につきましても、やはりこうした機関でございますので、充実が必要だろうと思っております。空き巡視艇ゼロということで、大臣の御指導を直接受けまして、巡視艇も一隻に対してなかなか船員が、乗組員の数が確保できないものですから、稼働時間が短いという欠点がございますので、こうした必要な人員の整備にも努めているところでございます。頑張っていきたいと思っております。
○岡部委員 ありがとうございます。
日本の海を守り、国を守るためにも、ぜひ早急な装備の充実、また監視体制の強化を望むところでございます。
次の質問に参りたいと思います。
我が国は、海に囲まれた海洋国家でございます。そのためには、安定的な海上輸送の確保が我が国経済の発展また国民生活の向上にとって極めて重要であることは論をまたないところでございます。
しかしながら、外航海運においては、安定輸送の核となるべき日本籍船、日本人船員が激減しております。昭和四十九年には五万七千弱の外航日本人船員がおりました。また、日本籍船が千五百八十隻。しかし、昨年では、外航日本人船員が二千六百五十、また日本籍船が九十五と非常に少なくなっている。また、内航海運においても、将来的な船員不足の懸念が生じております。
このような認識のもと、本年の七月に施行された海洋基本法では、安定的な海上輸送の確保を図るため、日本船舶の確保、船員の育成及び必要な措置を講ずる旨が規定されました。今後、具体的な施策をいかに講じていくかが重要であると思います。
そこで、まず、外航海運に関してお尋ねします。
昨年来、トン数標準税制の導入について検討されておりますが、同税制の導入により、日本籍船、日本人船員の確保をどのように図っていくのか、またどのようなメリットが出てくるのか、お伺いしたいと思います。
○春成政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、我が国は、ほぼ貿易量の九九・七%を外航海運で運んでおりまして、したがいまして、外航海運は、我が国の国民生活あるいは経済の発展にとって極めて大きな役割を持っているわけでございます。そうした観点から、海洋基本法におきましても、安定輸送の確保ということが強くうたわれておるわけでございます。
しかしながら、その安定輸送の核となるべき日本籍船あるいは日本人船員については、委員御指摘のとおり、激減してございます。この最大の理由は、いわば国際競争の中で、我が国において、いわゆるプラザ合意以降の円高ということによりましてコスト競争力を失ったということに主たる要因があるわけでございます。
こういった状況は極めて憂慮すべき事態と思っておりまして、そうした観点から、昨年来、トン数標準税制というものの導入について私どももお願いをしてまいっております。
それは、諸外国、ほぼ世界の六割近くの国において既に導入されておる税制でございますけれども、この税制は、いわゆる法人税の特例でございますが、一トン当たり幾らという税金でございまして、通常の法人税よりも、好景気のときには非常に内部留保といいますか、安くなるわけでございますので、その分、体力がつくわけでございます。したがって、その部分が大きな要因となって、我が国の外航海運と諸外国の外航海運の間に競争力の差が生じてございます。
したがいまして、私ども、まず、この国際競争力を回復するという観点でこのトン数標準税制をお願いしまして、あわせて、その力をもちまして日本籍船、日本人船員の確保、育成を図っていこうという考え方から、昨年来、このトン数標準税制についてお願いをしてまいっております。ことしも財政当局に概算要求の段階で来年度税制改正要求ということでトン数標準税制の導入をお願いしておりまして、現在折衝中ということでございます。
今税金のことを申し上げましたけれども、あわせまして、今話題になっております日本籍船、日本人船員の確保に関する制度設計を、こちらは私ども、法律の方で今準備をしてございまして、計画的に日本籍船あるいは日本人船員を確保、育成ができるような仕組みを現在詰めておるところでございまして、できますれば来年の通常国会にお出ししたいと考えております。
したがいまして、今の税金の話と、私ども用意しております法律の方と二つ相まって、総合的な安定輸送の確保、日本籍船、日本人船員の確保、育成に努めてまいりたいと思っております。
○岡部委員 ありがとうございます。
そして、内航海運の方についてもお聞きしたいと思いますが、高齢化が著しく、後継者も不足しております。近い将来、船員不足が本当に深刻化するのではないかと懸念しておるわけでございますが、現在、船員の確保、育成のためにどのように取り組んでいくのか、また見通し等についてもお聞きしたいと思います。
○春成政府参考人 ただいま内航船員の確保、育成についてのお尋ねでございますけれども、内航につきましても非常に憂慮すべき状態になっておりまして、数字で申し上げますと、おおむね四十五歳以上の方が大体六四%を占めているということで、非常に高齢化が進んでおるということと、同時に、後継者不足に悩んでおりまして、私どもの推計によりますと、近い将来、五年以内の範囲内で、二割程度の船員が不足するのではないかという極めて憂慮すべき状態になってございます。
こういった観点で、ことしの二月に国土交通大臣より私ども交通政策審議会の方に、あるべき船員政策のあり方について諮問をいたしまして、この六月に中間取りまとめをいただいてございます。
その柱だけ御紹介しておきますと、いわゆる船員を集めて、船員を志望する方を集めて育てて、育成して、キャリアアップを図っていくといったような柱をいただいております。
この柱に従いまして現在予算要求を行っておりまして、概算要求の段階でお出ししておるものでございますけれども、実は、従来私どもの船員に関する予算については、主として、不況業種でもあったものですから、おかに上がって別な仕事をする方向についての予算要求といいますかお金を使っている、いわゆる離職者対策ということでございましたけれども、これからはこの確保、育成の方に重点を置いてやっていかなきゃならぬということで、従来よりも大幅な予算要求をいたしてございます。
それで、具体的に申し上げますと、内航の業界というのは実は非常に中小零細、中小というよりはもっと、零細と言った方がわかりやすいと思いますけれども、それぞれの会社において船員になろうとする方を採用してみずからで育成する能力と体力は全くございません。したがいまして、例えばそういう零細の方々が集まってグループ化しまして、共同で船員の方を確保、育成するというような事業を行うことを推進させていただいて、それを財政的にも御支援したいということが一つ。
例えば、それ以外に、なかなか今若い人で船員になるという志望が少ない面もありますけれども、ほかの業種の方から船員の世界に入る方を御支援しよう。例えば、かなりお若くしておやめになる方も多いと聞いておりますけれども海上自衛隊の方とかが内航の方で御活躍いただければ、もともと海に関するノウハウをお持ちですので、ぜひそういう方にも入っていただきたい、これも御支援させていただきたい。あるいは女性の方をより有効活用すべきではないかといったようなことについて、今、予算要求をして、これから実現に努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○岡部委員 ありがとうございます。また外航、内航海運の推進の方、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に移ります。
観光立国の推進につきまして、質問させていただきます。
ビジット・ジャパンということで、日本に来る外国人の方が非常にふえております。そういう数字の中で一つ、国際会議の件数が日本国内で少なくなっております。二〇〇〇年には二百三十七件ございましたが、二〇〇五年には百六十八件と減っております。また、アジアにおける順位を見ましても、中国、韓国、シンガポールに次いで四位に順位を落としております。大変懸念しておるところでございますが、目標では五年間で五割を伸ばすということでございましたが、その数字が少なくなっている。やはりこれは何らかの対策が必要であるだろうと思っておるところでございます。
その減少の原因はどうなのか、またどのように今後取り組んでいくのか、お聞きしたいと思います。
○西阪政府参考人 お答えいたします。
国際会議を我が国で開催することは、観光立国推進の上でも大変大きな意義を有することでございます。国としても力を入れて取り組んでいきたいと考えておりますが、ただいま先生御指摘のように、近年、我が国での開催の件数が減少しておりまして、憂慮すべきことで、国としても力を入れていかないといけないというふうに考えております。
その要因ということでございますが、幾つかのことが考えられるわけでございます。そのうちの一番大きなものといたしましては、近年、開催の件数を伸ばしてきておりますアジアの近隣諸国が、国際会議の開催を主要産業と位置づけまして、また国際社会での存在意義を発揮する機会というふうに位置づけまして、誘致活動や開催受け入れ対策に財政面も含め積極的に支援を行い、国を挙げて戦略的に取り組んでいるということがございます。
一方、我が国は、国、自治体、経済界、学界等連携して取り組む体制となっておらず、こういう点で立ちおくれているのではないかというふうに考えております。
こういうことを受けまして、本年六月、観光立国推進基本計画におきましても、先生御指摘のように、数値目標が決定されたわけでございます。これを受けまして、政府といたしましては、政府を挙げて取り組んでいくということで、内閣官房を中心といたしまして、関係省庁で国際会議の開催・誘致による国際交流拡大プログラムというものを策定いたしまして、官民一体となって取り組むということを決めたわけでございます。
国土交通省におきましても、国際観光振興機構、JNTOの強化を初め、同プログラムに基づき、誘致活動や開催、受け入れのための情報提供を行う相談窓口を設置する、あるいは誘致主体のニーズを踏まえまして、関係省庁と連携して総理大臣による招請状を発出する、あるいは在外公館、JNTOなどによる誘致活動の支援、このような取り組みを行っていきたいというふうに考えております。
また、二十年度の概算要求におきましても、誘致活動に対する支援について予算要求をしているところでございます。
数値目標の達成に向けて、官民一体の取り組みの牽引役として、関係省庁と連携をして取り組んでいきたいと考えております。
○岡部委員 ありがとうございます。
取り組みはやっているようですが、やはりほかの国と比べて意気込みが違うというのが一つお話を聞いて感じたところでございます。これは官民一体となって本当に真剣に取り組んでいかなければこの数字は上がってこないのではないか、ますます低下していくのではないかと非常に懸念を持っております。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
最後の質問になりますが、観光立国、国を挙げての観光立国ということで、もちろん国の経済に資するものでございますし、もう一方では、大変厳しい地方経済においても、観光というものが大きな重要な柱になってこなければいけないと思っております。そういう中で、観光立国推進基本法が可決され、成立しております。福田総理も所信表明で、観光立国の推進に取り組みますと演説されました。
冬柴大臣にお伺いしたいと思います。
その中で、特に観光庁の要求も今出されているとお聞きしております。先ほどの、やはり意気込みという中、またそれに付随する組織やいろいろなものがついてこなければ、この観光立国は達成できないのではないかと私は思っています。ぜひ大臣に、実現に向けた決意と観光庁の要求についての状況をお伺いしたいと思います。
○冬柴国務大臣 昨年の十二月に、議員提案によりまして観光立国推進基本法を成立させていただきまして、この法律に基づき、本年の六月二十九日には観光立国推進基本計画を閣議決定していただいたところであります。私も観光立国担当大臣を拝命いたしているところであります。
このような法律が成立する際に、この我が衆議院国土交通委員会におきましては、「行政改革の趣旨を踏まえて、観光庁等の設置の実現に努力すること。」という決議をちょうだいいたしておりますし、また参議院におきましても、この法律の成立時の附帯決議として、同じように、「行政改革の趣旨を踏まえて、観光庁等の設置の実現に努力すること。」という決議をちょうだいいたしているところでございます。
そのような意味から、私としても、今回、観光庁の設置につきまして、予算の概算要求におきましても要求をし、そしてこれの実現を観光立国担当大臣としても目指しているところでございます。
したがいまして、この観光庁、国家行政組織法第三条に基づくものとしてこれをつくりたいという決意を持っておりますし、また、この基本計画に基づきまして、二〇一〇年という目標年次を定めて、来日外国人の数を一千万人にするとか、あるいは日本から出て行く観光客の数を二千万人にするとか、あるいは観光による国民支出、これを何としても三十兆円にするとか、あるいは、現在、国民一人当たり年間二・七七泊、観光による泊があるわけですけれども、それを四泊にまでしよう。それから、一年おくれですけれども、二〇一一年には、委員が御指摘の、いわゆる国際会議を我が国で二百五十二回開こうというような、具体的な年次と目標値を定められておりますので、それに向かって全力で頑張っていきたい、そのために観光庁もつくりたい、こういう意味でございますので、御協力、御理解のほど、よろしくお願いしたいと思います。
○岡部委員 時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○竹本委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。
きょうは、本題に入ります前に、地元で非常に困っていることがありまして、急ぐ方を先に質問させていただきたいと思います。御承知のとおり、建築確認申請の問題でございます。
お手元に資料を用意させていただきました。資料の2の方をごらんいただきたいと思いますが、国土交通関係の皆様にはもう御承知のとおりの資料でございます。資料の2、九月の住宅着工件数、これが、七、八、九と、着工面積、床面積ベースで、七月がマイナスの二二・七、八月がマイナスの四二・一、九月がさらに対前年比マイナスの四四・七ということで、大幅に住宅の着工件数、面積が減っているという、この問題でございます。
この原因について、これまでさまざまな委員会の中で、国土交通省の側では、設計する側、建築確認審査をする側、ともに改正内容について習熟が十分ではなかったというような発言をされている。前にこの国土交通委員会においても和泉政府参考人はそのように答えられているんですが、政府参考人、それでよろしいでしょうか。
○和泉政府参考人 今委員御指摘のとおりお答え申し上げました。
○逢坂委員 この件に関して、建築確認申請がいろいろ滞る、その結果、住宅に着工できないということで、設計事業者、建築事業者、資材事業者、木材事業者、そして設備事業者、それから自治体関係者、さまざまな人たちが今相当に困っているというような報道がされているわけですが、これも政府参考人にお伺いしたいんですけれども、そうした実態を国土交通省として把握はされているでしょうか。
○和泉政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御披露のありました統計データ以外に、改正建築基準法の施行後、建築確認手続が遅延している状況を踏まえまして、国土交通省としましては、設計・施工側、審査側、その実務者からのヒアリング、電話相談窓口の開設を通じた情報収集、確認審査等に関する苦情の受け付け等を通じまして、実態の把握に努め、建築確認手続の円滑化に向けまして全力で取り組んでいるところでございます。
例えば、実務の面では、申請図書の記載の仕方や訂正の扱い、大臣認定書の写しの扱い、構造計算適合性判定の手続など、新しい建築確認手続につきまして多くの質疑事項、要望が寄せられておりまして、これらを踏まえまして、運用面での改善も図ってまいったところでございます。
建築確認手続の遅延に伴う経営面への影響につきましても相当数の意見が寄せられておりまして、政府系中小企業金融機関等に設置されました特別相談窓口に対しまして、いろいろな相談、具体的には、十月二十六日現在で約五百件弱の相談が寄せられているというふうに報告を受けております。
○逢坂委員 今のお話を聞きますと、私が予想している実態把握、調査というものとは違うような気がするんですね。窓口を設けたとか、あるいは相談を受けているとか、あくまでも受け身の姿勢のように感じるんですが、そうではなくて、より一歩踏み込んで実態調査をする必要がある。各団体、各業界に接触をして、能動的に国土交通省が、皆さんの業界は困っていませんか、皆さんのところでどんな影響が出ていますかというようなことをやる必要があると思うんですけれども、再度、政府参考人、いかがですか。
○和泉政府参考人 全く委員おっしゃるとおりでございまして、事務所の関係の団体との日常的なやりとりとか、あるいは、能動的という意味でいえば、例えば施工者の団体である全国建設業協会さんからいろいろと御意見を賜るとか、そういったものの積み上げの中で、やるべき運用面の改善について、おっしゃるように、いろいろ各段階に応じて矢継ぎ早に出していますので現場がなかなかこなし切れないところがございますけれども、そういった絶えず実務面との意見交換を通じながら運用改善に努力したという経緯でございます。
○逢坂委員 大臣、この問題はやはり相当能動的に調べていただかなければいけないというふうに思うんですね。これまでの答弁の中でも、徐々に回復しているとか、いずれ持ち直すだろうというお話をされている。多分それは、いずれ持ち直さなければいけないのが事実であります。
しかし、大臣、例えば北海道、これから幾ら建築確認申請の認可が持ち直しても、冬になったら工事できないんですよ。仮に冬になって工事をやろうと思ったら、土台の施工をするときに養生経費はむちゃくちゃかかるし、養生するために保護しなきゃいけませんから、これは単に時期のずれだけでは済まないということなんですね。その意味で、北海道の事業者の皆さんは相当に苦慮されているし、年の当初に住宅を建てようと思って資金を用意された方、冬期施工になれば資金はまたふえるわけですから、この点を踏まえて、ぜひ積極的に調査に乗り出す、そして解決策を図っていくんだということで、大臣いかがですか。
○冬柴国務大臣 御指摘のとおりでございますので、努力してまいります。
○逢坂委員 再び政府参考人にお伺いをしたいんですが、先ほど、習熟していないという言葉、設計する側、建築確認審査をする側、両方ともに習熟していないことが原因だというふうにおっしゃられました。習熟していないというのは事実でありますけれども、それではもう一つ突っ込んでお伺いするんですが、習熟していない理由は何なんですか、ここに原因があるんじゃないですか。
○和泉政府参考人 委員御指摘のとおり、今回の改正で、いわゆる建築確認審査の指針とかあるいは構造の基準についても、いろいろな問題があった部分をより明確化するとか、そういった見直しをしたのに加えまして、申請図書等についてもさまざまな見直しをした。そういった意味で、今回の大きな改正に伴っていろいろな基準や申請書類の見直しがあったものですから、それを全部理解して、新しい改正された制度に応じてスムーズに申請をしたりあるいは審査をするということについて時間がかかったというのは事実でございまして、その事実をもってなかなか習熟が進まなかったというふうに申し上げさせていただいたということでございます。
○逢坂委員 この点について、現場の皆さんからはこういう声が聞こえるんですよ。我々だってそういう業務をやっているから一生懸命レベルを上げたいと思う、学びたいと思っている、しかし、国の方からいろいろなものが示されるのが遅過ぎるではないか、その範囲の中で実際に業務をやれと言ってもそれは酷だという声が聞こえるわけですね。だから私は、国土交通省の答弁としては、習熟していない、でも、その背景には国土交通省側の準備不足というものもあったというふうに言わなければ不誠実ではないかというふうに思うんですね。
それで、資料の3をごらんください。これはきのう国土交通省からいただいた資料ですが、上の方の二つの通知が、六月二十日、今回問題になっている法律が施行される前に出された通知が二本でございます。それから、3番から下が、今回の法律が施行されてから出された通知、例えば十月三十日にはリーフレットなんかが出されているというものなんですが、法が施行されてから公式に出されている文書の方が多いわけですね。
確かに、もちろん法施行前にいろいろ説明会をやっていることは私も承知をしております。でも、こういう姿勢がやはり現場を混乱させる大きなもとになるのではないでしょうか。法施行をさせなければいろいろな文書が公式に出せないということをある種の隠れみのにして、自分たちの準備不足を包み隠そうとしているかどうかはわかりませんけれども、そういう姿勢はまずいのではないかと思うんですが、政府参考人、いかがですか。
○和泉政府参考人 この委員会でも大臣からも答弁させていただいておりますが、構造計算書偽装事件という国民の不安をあおる大きな事件が起こりまして、一生懸命その制度の改正をやってまいりました。安心、安全を確保するためになるべく早く施行するというようなことで、一年間の施行で臨んだわけでございます。
当然、委員から違約と言われるかもしれませんが、施行前に一連のパブリックコメントやもろもろの研修会等をやったわけでございますが、結果としてこういった建築確認の遅延を招いたということについては私どもも遺憾と思っておりますし、そういった状況を踏まえまして、一刻も早くこの状況を改善すべく、この委員会における御指摘等を踏まえながら、あるいは実務者団体とのさまざまな意見交換を通じながら、今後とも最大限の努力を続けてまいりたい、こう思っております。
○逢坂委員 大臣にお伺いしたいんですけれども、今の資料3を出したのは、これは通知レベルの正式な文書の話ですが、どうもやはり現場の状況を聞くと、法施行以後に出された情報の方が圧倒的に多いというのが現実のようであります。そして、実際上、大臣認定プログラムもまだできていないというような現実もあるわけでございます。
大臣、やはり今回の法の目指すところは大事なものだというふうに私は思うのですが、法を適用する段階において、やはり国土交通省としても必ずしも万全ではなかった部分があるのではないかと私は指摘をしたいんですが、いかがでしょうか。
○冬柴国務大臣 その御指摘は重く受けとめなければならないと思います、結果がこうなっていますから。
ただ、我が方の住宅局を挙げて、短い、このような大きな改革について、本当に昼夜を分かたず頑張ってきたということは事実であります。また、本省だけではなしに出先の支分部局におきましても、担当者を挙げて周知を図るとかいろいろなことをやってきたことは事実ですけれども、しかしながら、結果としてこれほど落ち込んだということについては重く受けとめなければならないと思いますので、それを回復するために、引き続いて誠心誠意頑張ってまいりたい、このように思っております。
ただ、委員からいただきました資料の二枚目及び三枚目の表を見ていただいたらわかりますように、問題の判定、ダブルチェックですね、この判定申請につきましても非常に顕著に、例えば二枚目、ダブルチェックの申請が、六月は一件でありましたけれども、七月は六十六件、八月は三百九十件、九月は八百三十件、十月は千四百八十五件と顕著に増加しておりますし、それに対する判定、ダブルチェックが済んだ部分につきましても、六月ゼロ、七月一件、八月五十二件、九月は二百八件、十月は第四週までですけれども七百四件ということですから、この判定を受けて今から着工されるわけでございますので、これからこの勢いをなお加速して、そして影響を少なくしたい、そのような努力をしていかなければならないというふうに思っております。
○逢坂委員 しつこいようですけれども、もう一つだけお伺いしたいんです。
きのうの朝日新聞なんですが、今回、新築着工が減少したことによって、朝日の見出しは「住宅関連産業に冷や水 在庫増や販売減広がる」というようなこと、あるいは「景気への影響懸念の声」というようなのが出ております。現に、例えば、電磁調理器を販売するメーカーなんかは三十カ月ぶりに前年割れとなるとか、あるいはセメント業界も国内販売量が九月は一一%減、逆に今度は、適正水準の在庫よりもセメント業界は一五%も在庫がふえたなんという報道がされているわけですね。
大臣、景気に与える影響についてどのようなお考えを持っていますでしょうか。
○冬柴国務大臣 その記事にも書かれているように、影響は与えるであろうと思います。したがいまして、それを少なくするために、できるだけ少なくするために、これからも努力をしなきゃならない、このように思うところでございます。
ただ、そういうふうにしてダメージを受ける業界に対しては、特に中小企業に対しましては、中小企業金融に基づきまして、例えば、中小企業金融公庫あるいは商工中金等、貸出限度額二億四千万というものを倍額の四億八千万までふやす、それから返済期間も五年ということでありますけれどもこれを七年に延ばす、それから最初の据置期間も一年というものを二年に延ばすというようなことで対処をしよう。国民金融公庫におきましても、同じように、こちらは二千四百万の融資というのが限度ですけれども、四千八百万までふやしていただく。そのように中小企業庁とも相連携して、これで受ける業界のダメージというものを少しでも軽減したいということで今も頑張っているところでございます。
いずれにしても、確認件数というものをふやしていくということを眼目に、今からも努力をしてまいります。
○逢坂委員 この点、最後に一つだけ指摘をして終わりたいと思うんですが、私は、今回のことは、いわゆる現場の皆さんの習熟の問題だけではなくて、建築基準法の持つ性質、性格、あるいは国土交通省の持っている体質の問題ではないかというふうに思うんですね。
それはどういうことかといいますと、何か現場で不都合が起こる、国土交通省は川上から対策を講ずるわけであります。これは何も間違ったことではありません。現場で問題が起これば、やはり国家全体としてこういう規制をかけなきゃいけないとか、ここのところはちゃんと監視しなきゃいけないということをやるわけですね。これは大事なことなんですが、例えば、これは昨年の五月の国土交通委員会でも指摘をさせていただいたんですが、昭和五十六年から平成十六年までの建築基準法の改正回数、これを調べてみると、法律レベルで三十七回、施行令レベルで五十八回、規則レベルで三十四回、そして、その下に連なる各特定行政庁への通知だとかさまざまな文書のたぐいでいいますと、数が多過ぎて数え切れない。おおよそでいいからどれぐらいありますかと聞いたら、多い年で五十回、少ない年でも十回ということなんですね。多い年で五十回ということは、毎週一本ずつ出ているということですよね。
これは、対応していく、対策を講ずるという意味では非常に大事なことではあるのですが、例えば、川上からその対策というボールをいっぱい流す。現場の皆さんを川下に例えれば、とにかくいっぱいボールが流れてくるわけですよ。受け切れているかどうかも確認せずに、国土交通省としては、ボールを流したから我々は対策を講じている、だけれども、現場の皆さんが受けるかどうかはそれは習熟度の問題ですと言われたのであるならば、現場の皆さんには相当つらいことだと思うんですね。
だから、この物の考え方を根本的に見直さなきゃいけない。すなわち、現場が本当にちゃんと適用できるのかどうかも含めて法改正というものをやらなければ実効力のあるものにならないというふうに思うんですけれども、大臣、この点いかがですか。ぜひそのことを含めてこれからやっていただきたい。昨年の五月に私が指摘していることをもう少し真摯に受けとめていただければ今回のことは起こらなかったのではないかと思うんです。いかがでしょうか。
○冬柴国務大臣 御指摘の側面もあると思いますけれども、ただ、建築物のボリューム、大きさを見ていただいたら、これは本当にすごい、考えられないような量とボリュームですね。
したがいまして、耐震構造につきましても、五十六年改正以前の建物はそういう配慮がありませんでした。しかしながら、その後の部分については、そういうものも配慮する。あるいは、大きな建物については免震構造とか今まで全く考えられなかったようなものもあるわけです。それから、そのように床面積がとてつもない広大なものになりますと、設備につきましても、これは一級建築士だったらどんな構造計算もどんな設備もできることになっていたわけですけれども、もうその発達ぐあいに応じて追加して、そしてそれを使えるようにするためには、多くをそのような川上から流さないとそれが使えないというのも事実だろうと思います。
しかしながら、御指摘はまさに正鵠を得た御指摘だと私は思います。したがいまして、政省令の改正とか通知とか、そういうことを出せばそれで済むということではなしに、それがどういうふうに処理されているかということをフォローも含めて頑張っていきたい、いかなければならない、このように思います。
○逢坂委員 大臣、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、きょうの本題に入りたいと思うんですが、北朝鮮籍船の入港禁止措置に対する問題ですが、これまでの入港禁止措置に対する評価と、それを踏まえて今回これを延長する理由について、端的に述べていただきたいと思います。
○宇野大臣政務官 お答えいたします。
御承知のように、我が国が実施しております、北朝鮮への効果に関してでございますけれども、北朝鮮船舶の入港禁止措置によりまして、昨年十一月以降は入港実績がゼロでございます。さらに、北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止措置、これも本年は今のところゼロということでございます。こういうような一定の効果を見ているということから、我々といたしましては、何らかの北朝鮮における経済の打撃があるんではないだろうかというようなことも考えているところでございます。
さらに、延長する理由でございますけれども、十月九日に閣議決定を行いました、船舶の入港禁止措置及び輸入禁止措置の六カ月間の継続については、北朝鮮に対し、拉致問題を含む諸懸案の解決に向けて誠意ある対応を求める我が国の立場を改めて明確にする効果があったと考えております。
今回、政府といたしましては、これらの措置を継続することとした理由につきましては、既に官房長官が明らかにしておりますように、拉致問題について具体的な進展がないこと、また、核問題を含む北朝鮮をめぐる諸般の情勢を総合的に勘案し、これらの措置の継続が必要と判断したところでございます。
○逢坂委員 さてそこで、資料の1をごらんいただきたいんですけれども、昨年の十月に北朝鮮籍船の入港を禁止した、輸入も全面的にストップをさせたということでございますが、二〇〇四年、二〇〇五年を見ますと、これは北朝鮮からの輸入量を調べたものですが、百七十億円程度、あるいは二〇〇五年は百四十五億円程度の輸入量があるということであります。これが昨年からの措置によって、貿易がストップした、輸入がストップしたわけですね。これに対して、日本国内の経済への影響というのをどう評価して、それにどう対応しているかという話を聞きたいんです。
もちろん、百七十億、百四十億というのは、日本経済全体から見れば少ない額かもしれません。しかしながら、例えば舞鶴港ですね。舞鶴なんかでは、これは新聞報道によるんですが、二〇〇五年に四十五億の北朝鮮との貿易額があったわけですね。ところが、舞鶴ではこれがゼロになるわけであります。日本経済全体で見れば大したことのない額だというふうにお思いになる方もいるかもしれないけれども、地域経済で見ると、やはり深刻な問題と言わざるを得ないわけであります。この点いかがでしょうか。
○新藤副大臣 ただいま、日本国内への影響をどうとらえるか、こういうことでございますが、そもそも、我が国の対北朝鮮の輸入、これは平成十八年の十二月以降でゼロになっているわけでございます。これは、輸入の完全禁止措置をしているということです。一方で、北朝鮮への輸出は大幅に減少した、これは資料にもございます。しかし、もともと我が国の輸出入、貿易に占める対北朝鮮の割合が〇・〇二%、こういうことで、数字としてはこういう程度でございますので、我が国全体に対する大きな影響を与えるものではない、このように私どもは認識をしております。
しかし、今後、今御指摘をいただきましたような、局地においてどういう影響が出るか、要するに、それぞれのところにおいてどういう影響が出るか、実体経済に影響が出るかということについては注視をしてまいりたい、このように思っています。
また、それによって影響を受けた中小事業者、これにつきましては、平成十八年の十月十三日、経済制裁を行ったそれ以降に、政府系の中小企業金融機関それから商工会議所等九百四十三カ所に特別相談窓口を設置しております。また、あわせて、これらの政府系の中小企業金融機関によるセーフティーネット融資ということで、経営環境変化対応資金という形で北朝鮮向けの枠を確保して対応させていただいております。
現実に、先週末、十月二十六日まで約一年間で、水産品の輸入・加工業者、それから中古車、バイク、家電等の輸出業者から、運転資金の融資、また輸入、輸出ができなくなれば事業転換する、そういう相談をいただいておりまして、約百十二件の相談がございました。そして実際に、十九件、三億円の融資を実施させていただいております。しかし、十九年度、今年度に入りましては、相談件数は七件ということでございます。
経産省といたしましては、今般御審議いただいて、北朝鮮に対する経済制裁措置が延長されるということでございますので、延長いただいたことを機に、さらに関係機関と連携をとりながら、中小企業対策についてはしっかりと実施していきたい、このように思っております。
○逢坂委員 次に、海上保安庁にお伺いをしたいんですけれども、北朝鮮船籍以外の船が日本の港に入港して、日本からまた出港していったときに、北朝鮮を経由してどこかへ行くとか、あるいは北朝鮮を経由して日本へ入ってくる船というようなもの、この船の数は把握されているんでしょうか。
○岩崎政府参考人 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律というのがございます。その法律は、外国から日本に入港する船舶について、名称を初め船舶保安情報といったいろいろな情報を出してくださいという義務をかけております。入港前に出してくれということでございまして、その中に、直近の過去十港以内の港というのを出せ、こういうことになっております。
したがいまして、日本に入ってくる船につきましては、北朝鮮を寄ってきたとか、そういうことについての情報は把握しておりますし、また、その船について立入検査もしております。ちなみに、平成十八年の十月からことしの十月末日までの数でございますけれども、百五十六隻の船が北朝鮮に寄港していたということを確認しております。
日本を出港する船でございますが、こちらにつきましては、そうした手段はございませんので、確認する手段はございません。
○逢坂委員 日本を出港してどこへ行くかということについては把握できていないということでありますが、そういうことになれば、先ほど経産副大臣からも話がありましたけれども、日本から物が出ていくこと、北朝鮮へ入ることについては今回の措置では禁止をしていないということになるわけですね。すなわち、輸入は禁止だけれども輸出はオーケーなんだということだというふうに理解をするわけです。
でも、世間の雰囲気からいうと、これは、いわゆる制裁という概念からいえば、抜け穴ではないかというような指摘、不十分ではないかという指摘もあるように聞くわけですが、このあたりについて、いかがでしょうか。
○伊藤政府参考人 今委員からも御指摘ございまして、入港禁止と経済効果のお話がございまして、先生御指摘のとおり、北朝鮮籍船の入港については禁止をしておりますけれども、それ以外の船の入港については禁止をしておりません。
また一方で、金額でございますけれども、先生お話しの、いわゆる輸出入の金額で、輸出に関しましては依然として数字がございます。そういったことで、今回の措置は、入港禁止に合わせて、物品の輸入の禁止を外為法との関係で措置をしております。
それからまた、国連決議でございます一七一八では......(逢坂委員「そのぐらいはわかっていますから」と呼ぶ)そういったことで、数字としては、輸入実績はゼロ、輸出も大幅に減少しているということでございます。(逢坂委員「それは制裁としては抜け穴ではないかと聞いたんです」と呼ぶ)
制裁という意味では、確かにそういう御指摘もございますが、北朝鮮に対する措置そのものは、大臣からのお話もございましたとおり、経済効果のみならず、政治的な意義にも着目をして、それが拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けて適切な対応を求める手段として効果的であるということで導入されたというふうに考えております。
○逢坂委員 何かよくわからない答弁なんですけれども、だれが責任を持ってこういう問題に答えるのか私もよくわからないんですけれども、ちょっと、外交だということで、外交だということでと振ると皆さんどきっとされるかもしれないので、それでは、端的に、制裁として十分ではないのではないか、抜け穴ではないかという指摘に対してどうか。
○新藤副大臣 これはもう先生御承知だと思いますが、輸入は全面禁止、それから輸出については、国連安保理決議に基づいて、核兵器、テロ関係......(逢坂委員「それはわかります」と呼ぶ)ですから、そういうことで、輸出については、国連経済制裁の中で我が国は歩調を合わせているということなんです。
そして実際に、輸出は、六十九億あったものが、制裁がなかったときの二〇〇五年度、六十九億の輸出が、今、二〇〇七年度は一月―九月期で八億円ということで、大幅に減少しているということで、これは北朝鮮に対する一定の制裁にはなっていると思います。
ただ、経済制裁というのは一国だけでやっても意味がないので、さらに強めるのであれば周辺国との協調をしていかなきゃいけないし、そのための六カ国協議等々のものがあるわけでございますから、制裁を強めるか弱めるかは別にして、私どもとしては、この制裁措置は一定の効果を上げている、このように認識しております。
○逢坂委員 それでは、外務政務官にお伺いしたいんですけれども、北朝鮮の拉致に対して、拉致問題に対する対応をどう評価しているかということが一つ。
あと、今回の入港禁止の閣議決定の中には拉致問題というのは含まれていないんですけれども、事実上それは拉致があってのことだということは私も理解をしていますので、その点はよろしいんですが、私が思うところ、福田政権になって、北朝鮮に対する外交戦略ですか、若干決めあぐねているような気もするんですが、政務官、この点について何かコメントはございますか。
○宇野大臣政務官 お答えいたします。
まず、どう評価をしているかということでありますが、現在においては、拉致問題については具体的な進展が見られておりません。我が国では、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現し、不幸な過去を清算して国交正常化を図るべく、最大限の努力を行っているところであります。ここが評価をしているということになるかと思います。
それから、閣議決定に拉致問題が含まれていないと......(逢坂委員「それはいいです、先ほど答えていただいた」と呼ぶ)よろしいですか。一応そういうことでございますので、よろしくお願いします。
○逢坂委員 それで、福田政権になってから、北朝鮮対応に対する戦略を決めかねているように思うけれども、それに対するコメントはあるかという点です。
○宇野大臣政務官 今までずっと対応を変えておりません。
○逢坂委員 対応を変えていないということであれば、前政権から同じ姿勢だということに理解をさせていただきます。
さてそれで、冬柴大臣にお伺いしたいんですけれども、今回、こういう措置をとるということなんですが、これは、どんな条件が達成されればこの措置というのは解除される状態になるんでしょうか。それについて、総合的にお考えがあればお知らせください。簡潔にお願いいたします。
○冬柴国務大臣 何といっても、拉致問題の解決は我々の悲願であります。そういうものに対して、国民が、前進したというようなことが認められることが私は大前提だろうと思います。
もちろん、核、ミサイル、これは、世界じゅういろいろな国がありますけれども、我が国が一番大きな脅威を受けているわけでございますから、こういうものについても、我々が、その脅威が取り除かれたと申しますか、国民が安全、安心、まくらを高くして寝られるような状況が得られるということが大前提だろうと私は思います。
○逢坂委員 それでは、最後にもう一点、ちょっと急ぎの問題が発生しておりますので、これについて伺って終わりたいと思います。
ニチアスという建築資材の会社が、準耐火性能試験において、試験に持ち込む試験体を、虚偽の、にせものを持ち込んで試験を受けて合格したということが、十月三十日、国交省から発表されていますが、こうしたことをやった事業者に対して、罰則規定みたいなものはあるのかないのかを政府参考人にお伺いしたいのと、大臣に、今後、こうした不正試験体を持ち込む事業者を何らかの形で防いでいかなきゃいけないというふうに思うんですが、これは何らかの対応をとる必要があると思うんですが、大臣の御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
○和泉政府参考人 まず、事実でございますが、虚偽の申請などに対する罰則は、現在の建築基準法で申請義務が課されている完了検査とか中間検査の申請、定期報告などの規定については設けられておりますが、大臣認定については、いわゆる自主的に申請するものでございますので、申請者に申請義務が課されている行為ではなく、性能を満たしていない場合には認定を行わなければよいということになっていることから、罰則が設けられておりません。
○冬柴国務大臣 このような検査方法等について改善をしなければならないというふうに思っております。
それから、罰則ですけれども、これは詐欺罪が成立すると私は思います。しかしながら、被害を受けた人は、財産罪ですから、それを買った人が告訴をするかどうかという問題であろうと思います。我々も、確認すれば、それは犯状が非常に悪いということになれば告発をすることができるであろうというふうに思っておりますが、それは担当部署と検討をさせていただきます。
○逢坂委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○竹本委員長 以上で逢坂誠二君の質問は終わりました。
次に、鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民主党の鷲尾でございます。
特定船舶の入港禁止に関する特別措置法の制裁措置について、質問をさせていただこうと思います。
まず初めに、一つ政府側の対応を評価したいというふうに思うんですが、この特定船舶の入港禁止が初めて国土交通委員会に諮られたときには、閣議決定の内容及び提案の趣旨説明にも拉致問題についての言及がないではないかということを申し上げておりました。何で入れてくれないんだ、おかしいじゃないか、拉致の問題は国家主権が侵されている問題である、これをなぜ趣旨説明にも入れないのかということを質問のたびに申し上げておりましたところ、それがあったのかどうかわかりませんが、年を越した十九年の五月二十三日付の提案理由の説明からは「引き続き拉致問題に対して誠意ある対応を見せていない」ということも入れてあるところでありまして、つい先日出た十月三十一日付の提案理由説明も「拉致問題について具体的な進展がない」ということの言及がございます。この点をまず評価申し上げたいというふうに思います。
それで、最近の外交の状況を見ますと、この制裁措置が発効されてから一年たっておるわけでございますが、当初、この制裁措置、安保理決議を決議したときは、もう日本の外交の勝利だ、関係各国含めて同意を得られたんだということが喧伝されたわけでありまして、中国も安保理決議に参加する、そして貨物検査も開始する、一年前はそういった状況だったわけであります。
ところが、一年たった今はどうかというと、これはとんでもないことになっておるわけでありまして、既に寧辺の核施設の機能停止と百万トンの重油供与ということが六者協議において確認されているところでありますが、既につくった核爆弾や高濃縮ウランという問題は、ある意味置き去りにされているような状況であります。
こういう状況を私見ておりますと、一九九四年の米朝の枠組み合意でもあったことではありますが、北朝鮮は当時、重油の供給や軽水炉の提供というのを受けたにもかかわらず、ひそかに濃縮ウランをつくっていた。日本もこのときにもう既に五百億円国費を投入しておったわけであります。その後、小泉政権になりまして、平壌宣言という運びになるわけですけれども、その平壌宣言の後に、一年前に起こりましたミサイルの乱射、そして核実験ということが起こったわけであります。
こういう流れを見ておりますと、どうも北朝鮮と交わす約束というのは信用できない。本当に履行されるのか、その約束自体、北朝鮮に対して有効な抑止力としてそれが働くのかどうかということに対しては、本当に疑問であります。
今回の核施設の無能力化という問題も、私は非常に問題があるというふうに思っておりますので、また後ほど議論させていただきたいと思いますが、この流れを見ますと、私は、六者協議自体が崩壊寸前であった金正日独裁体制を延命させたと言っても過言ではないと思っております。
思えば、アメリカは、イラク戦争前にあれほど拒否していた二国間協議をどんどんとやったわけであります。少なくとも日本は、イラク戦争当時は、アメリカのイラク攻撃を支持しなければ北朝鮮の脅威は解決しないんだ、北朝鮮の問題があるからイラクの攻撃を支持しなきゃいけないんだという雰囲気が政府・与党に充満していたというふうに私は思っておりますが、結局アメリカは、イラク戦争の大義であった大量破壊兵器は結局ないし、その対テロという意味での戦費はもう九十六兆円を超えているわけですよね。これはベトナム戦争をもう既に超えている、そういう状況なわけです。その結果、北朝鮮に対して手が回らなくなっている。北朝鮮が核保有を宣言したとしても、アメリカは国交を正常化しようとしている状況です。これは日本にとって極めて危険だと私は認識しております。
その証拠に、アメリカは、年内にもテロ支援国家解除を議会に通告するんだ、それによってテロ支援国家解除となるんだ、敵国通商法も適用除外するんだということを明言しているわけでありまして、これについて、私はまず一つ質問させていただきたいと思います。
テロ支援国家の指定解除、これは年内にも行うという話をアメリカがしておりますけれども、政府は、本当にこういうことをアメリカがすんなりとするのか、その見通しをどういうふうに考えているのか、日本政府としてはどういうことをアメリカに対して申し入れようとしているのか、このことについてまずお聞かせ願いたいと思います。
○宇野大臣政務官 テロ支援国家の解除という話でございますが、そういう報道があることは我が方承知をしております。しかしながら、米国が北朝鮮のテロ国家指定を解除するか否かについては、いまだ決定されていないと承知しております。実際、十月三日の成果文書にもテロ支援国家指定解除の期限は明記されておりません。
以上でございます。
〔委員長退席、望月委員長代理着席〕
○鷲尾委員 私の同僚もアメリカの公使の方に面会を求めて話を聞きましたけれども、議会の方に通告する準備があるという話はもうしているんですね。しているんですから、その対応をどうするかということを今聞いているのであって、明記されていないことはわかっていますから、そこの対応をお聞かせ願いたい。答弁になっていないですよ。
○宇野大臣政務官 今般、我が方の谷内外務事務次官並びに佐々江アジア大洋州局長が訪米いたしました。テロ支援国家指定についても改めて確認をしてまいりましたが、日米連携は今後一層重要になってくることも確認され、その指定解除については何もないという話を聞いております。
○鷲尾委員 指定解除について何も話がない、政府としては話を聞いていないと。
では、今後一カ月以内に例えばアメリカの方に、大体、新聞紙上で、福田さんが訪米するときに、テロ支援国家の解除を議会に通告するかどうかということが今、報道上で話題になっている、その時点において、テロ支援国家解除というのは何もないということが今の政府の、そういう態度だということですね。それでよろしいんですね。
○宇野大臣政務官 政府としては、何も聞いておりません。そういうことでございます。
○鷲尾委員 それでは、私、本当にこの政府の対応というのは不安でしようがないんですよね。報道上、もう情報がいろいろ漏れ流れていて、福田さんの訪米について、テロ支援国家解除の通告をするかどうかということが議論になっているのに、政府は何も聞いていないということをこの立法府の議会で表明してしまうというのは、これは恐ろしいことである。私は報道の情報を聞いて懸念を申し上げているわけでありまして、それについて政府がそういうような対応をするというのは、私は心外でございます。
もうこの話をしてもしようがないので、その先に行こうと思います。
北朝鮮の核施設の無能力化、これの引きかえで、基本的にはテロ支援国家解除や敵国通商法の適用除外をするということをアメリカは考えているというふうに言われているわけです。この核施設を無能力化するということが、寧辺の施設については無能力化するよということを言っているんですけれども、少し通告している質問と外れるんですけれども、北朝鮮において、この寧辺の核施設というのはどの程度戦略上価値があるものなのかというところについて、認識をお聞かせ願いたいと思います。
○伊原政府参考人 寧辺においては、主に三つの主要な核施設がございます。一つは五メガワットの黒鉛減速炉、もう一つは、その黒鉛減速炉に供給する燃料を製造する施設、それからさらに、使用済みの燃料を処理する施設、こういった三つの主要な施設がございますけれども、これらが無能力化されるということは、要するにプルトニウムが生産されなくなるということでございますので、そういった意味において、無能力化というものは大きな意味を持つというふうに考えております。
○鷲尾委員 今、無能力化という話が出ましたけれども、米朝合意のときは、たしか核施設を凍結するという話でしたよね。それで今回、その無能力化ということについては、すぐに稼働できない、そういう措置をするんだということで、六者協議、皆さんが話し合われたというふうに聞いたんですが、すぐに稼働できないというのはどういうことなのか。すぐに稼働できなくたって、もしかしたら再稼働するおそれはやはりあるわけですよね。
日本としては、韓半島の非核化というのは、核廃絶ということが安全保障上、当然望まれるわけでありますから、このすぐに稼働できないというのはどういうことなのか。要するに、核施設の機能停止というのはどういうことなのかということについての認識をお聞かせ願いたいと思います。
○中根政府参考人 お答え申し上げます。
無能力化と申しますのは、確かに先生御指摘のとおり、核施設を再稼働が困難な状態に置くということでございます。その意味では、こうした施設の廃棄に至るまでの一つの過程ということになります。
それで、十月三日に採択されました六者会合の成果文書においては、まず、北朝鮮の無能力化について、すべての核施設を無能力化するということを再確認した上で、そのうち、先ほどから言及のございました三つの寧辺の施設をまず無能力化するということが合意されています。
ただ、もちろん、最終的な目標がこの無能力化にあるわけではなくて、当然、核施設の廃棄というところでございます。これは既にこれまでの共同声明等において確認をされているところでございますけれども、将来的には、北朝鮮にある既存の核兵器、それから核施設、核計画、すべてが廃棄されるということを目標にして、すべての過程が進んでいくということでございます。
○鷲尾委員 私自身は、今までの北朝鮮の態度を見ていると、やはり誠意ある対応というのは望めないんじゃないかというふうに懸念をしておるわけでありまして、そのときに、では、六者協議で日本政府が、核施設を無能力化するよ、将来は廃棄なんだ、それは当然のことであります。当然のことであるけれども、今、では現実に、まだ正直、核施設無能力化、初期措置を履行するに当たっても北朝鮮は大分ごねたというか約束を履行しなかった部分もあり、では、この先、そういう約束を本当に履行してくれるのかどうかということについては、かなり厳重な日本としてのモニターが私は必要になるんじゃないか。
そういう意味において、六者協議において、どこまで日本政府が核施設放棄と核廃絶に向けて努力したのかということを一つお聞きしたいなというふうに私は思うんです。
それに関連いたしまして、これも通告していなくて恐縮なんですけれども、核施設だけじゃない、核施設ではなくて、今現存している、もしかしたらつくっているかもしれない、北朝鮮が持っている核爆弾や高濃縮ウランについては、どのような措置を施すということになっておるのかということを聞きたいと思います。
○伊原政府参考人 先般合意されました十月の文書におきまして、北朝鮮は、年末までにすべての核計画の完全で正確な申告をするということになっております。
私どもとしては、その申告の中には、現在のプルトニウムの計画だけではなくて、濃縮ウランの計画も含まれないといけないし、また、今回のプロセスは、最終的には核兵器を廃棄させるということにあるわけですから、当然、核兵器に関する計画もそこに含まれてくるべきであろうというふうに考えております。
○鷲尾委員 これからの計画を今申告する、そういうことなんですか。今までつくってきたものについてはどうか、端的に言うと、そういう質問だったんですけれども。
○伊原政府参考人 今の北朝鮮が有しております核計画について、つまり、これまでやってきたことも含めて申告をするということであると理解しております。
○鷲尾委員 そうすると、これまでつくってきたものも含めた計画ということであれば、その完全な申告があれば、どれぐらい今、核武装として、核兵器をどれだけ北朝鮮が持っているかということも明らかになるという認識でよろしいでしょうか。
○伊原政府参考人 委員御指摘のとおり、北朝鮮というのはこれまで約束をしても必ずしも守ってこなかった。そういうこともございますので、この六者協議のプロセスというのは、それぞれ段階を踏んで、北朝鮮が約束したことがきちんと履行されるかということを確認しながら進んでいくということが必要であろうと思っております。
先ほども申し上げましたように、二〇〇五年の九月の共同声明におきまして、この六者協議というのは、北朝鮮に核を廃棄させる、これがその主要な目的でございますので、その目的のために行われる北朝鮮による核計画の申告でありますから、これがきちんと行われるように、引き続き、六者協議の場でほかの関係国と協調しながら取り組んでいく必要があるというふうに思っております。
〔望月委員長代理退席、委員長着席〕
○鷲尾委員 おっしゃるとおり、やはり信用できない部分があるだろう。六者協議でいろいろ確認しながら進めていただきたいと思うわけですけれども、そもそも、やはり信用できない、信用し切れない部分があるわけですから、当然、最悪の場合も想定しながら日本としては外交戦略を組んでいかなければならない、これは当然だと思いますし、政府は、ここにいる委員の皆さんも、信用できないんだから、最悪の事態を想定しながら戦略を練るべきだろう、これは常識的な判断だと思うんです。
最悪の場合というのはどういうことかというと、今考えられるとすれば、拉致問題も全く解決しない、国家主権も侵されたままだ、さらに韓半島には核が残ったままである。考えられるとすれば、そういう状況ですね。この状況に対して、韓半島も核を持っています、ロシアも持っています、中国も持っています、太平洋を挟んで反対側のアメリカも持っています、日本は核武装をしている国に囲まれているわけですよね。こういう状況において、日本はどういう防衛戦略を考えているのかということを少しお聞きしたい。
核廃絶、韓半島から核放棄されなかったら、日本としてはどういう対策をとり得るのか、これはもう想定してもらわなきゃ困る、我々としては困ると思います。ぜひその認識をお聞かせ願いたい。
○伊原政府参考人 委員御指摘のとおり、外交というのは、いろいろなシナリオを想定しながら進めていく必要がございますけれども、私どもが今目指しておりますのは、この非核化というのが、今回、年末までに無能力化をするあるいは核計画の完全な申告をするということを北朝鮮が約束したわけですから、こういった約束がきちんと履行されるようにする。それにあわせて、私どもとしても、日朝の正常化交渉を積極的に進めていく。そういった、今生じております動きを活用しながら、日本としての懸案、日本としての問題に真剣に取り組んでいくということであろうかと思っております。
○鷲尾委員 決意としては今の答弁で十分だと思うんですけれども、政府側としてどういうことを具体的に考えているのか。これは通告していたと思うんですが、どういう対策をとり得るのかということで、そこを私はお聞かせ願いたいと思うんですね。もう一度答弁をお願いします。
○伊原政府参考人 繰り返しでございますけれども、政府としての目標というのは、朝鮮半島の非核化、それから日朝との関係で申し上げますと、拉致、核、ミサイルの問題、懸案を解決し、不幸な過去を清算した上で国交を正常化する、こういったことが政府の大きな外交目標でございますので、それに向けて、その実現のために、あらゆる機会を使いながら努力をしていくということに尽きるかと思います。
○鷲尾委員 政府の目標として、韓半島の非核化があり、約束を履行させるということが目標であることはよくわかりますが、年内に核施設を無能力化するという話をしているんですから、当然その約束を守るように、六者協議の枠組みの中で政府も努力するということは当然だと思います、それはもう短期的には。
ただ、先ほども参事官がおっしゃったとおり、北朝鮮というのは約束を守るかどうかわからないような国ですよね。では、約束を守るかどうかわからない国に対して、もしその非核化ということができなかった場合はどうなのかということまで想定しなければ、政府の信頼ある対応とは言えないんじゃないかということを私は申し上げているわけでありまして、その点、何か考えておられるのかどうか。そこまででいいですから、言ってください。
○伊原政府参考人 今委員御指摘のような状況に対してどう対応するかということについて、今この場で具体的にお答えすることは適切ではないというふうに思っております。
○鷲尾委員 例えば、私自身が話すことじゃないかもしれないですけれども、ミサイル防衛システムを導入するとかいう話がありますよね。そういうミサイル防衛システム、結局またアメリカから買うわけじゃないですか。そうすると、日本というのは、何だかんだ言って、アメリカにイニシアチブをとられながら、どんどん国民の税金が使われていく、それが今の外交政策の限界なのかなと。もっと信頼できる外交政策、戦略というのをつくっていただきたい、一言申し上げたいと思います。
次の話題に移らせていただきたいと思います。
十月三十一日、北朝鮮と南韓の南北首脳会談で署名した南北首脳宣言、これが国連の方に提出され、全会一致で採択をされたということであります。この結果かどうかわかりませんが、韓国は人権非難という状況についてはかなり北朝鮮に対するトーンを落としておりますし、北朝鮮の国連での対応も余裕ある対応になってきているのではないかと報道上感じる部分は私あります。
そこで、南北首脳宣言が国連総会で全会一致で採択をされた、当然、南北を含めて国際舞台での協力を強化する、北朝鮮は大分孤立感が薄くなる。日本は、拉致の問題が全く解決されていませんから、拉致の問題を相変わらず主張していく、これは当然のことだと思いますが、そうなった場合に、日本政府は今後の北朝鮮の外交についてどのように考えているのかということが私自身今聞きたいことであります。
例えば、北朝鮮の人権状況を非難し、拉致問題の早期解決を求める決議案、これは国連総会に出されているわけですけれども、この採決の見通しはどうなるのかということについてもお聞かせ願いたいと思います。
○伊原政府参考人 北朝鮮の人権状況決議に関する御質問でございますけれども、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況というのは、我が国にとり大きな関心事項でございます。昨年も我が国は、EUとともに国連総会に北朝鮮の人権状況決議を提出して、この決議は総会で採択をされていることは先生も御案内のとおりであります。
本年も、我が国としましては、EUとともに国連総会に北朝鮮の人権状況決議を提出すべく、現在、決議案の案文について、関係国と鋭意検討、調整を行っているというところでございます。
○鷲尾委員 南北首脳宣言が国連総会で採択されて、その人権状況に関する決議案がどういう影響を受ける、どういう見通しを持っているのかということが質問の内容でございますので、その点を御答弁願いたいと思います。
○伊原政府参考人 先般の南北首脳会談にかかわる国連の決議につきましては、これは二〇〇〇年の第一回の南北首脳会談の際も同様の決議が国連において行われております。そういった意味では、もちろん南北首脳会談が行われたこと自体あるいは南北の対話が進むこと自体は歓迎すべきことではありますけれども、それと、今申し上げました人権状況決議、これは全く性格が異なるものだというふうに考えております。
○鷲尾委員 性格が異なるのは非常によくわかります、それが日本の立場ですから。
では、実際に人権状況の決議案に対しての採択、これが、例えば去年よりも少し減ったとか、やはりこれは北朝鮮に対するプレッシャーだと私は思っていますから、国際社会における北朝鮮へのプレッシャー、これを強めるためにも、こういう人権状況に関する決議案であれば、かなり賛同を得る国が多くなきゃ困る、私はそういう認識を持っているからこういう質問をしているわけでありまして、その外交努力を含めて今どういうことをされているのか、そこまではいいから、見通しはどうかということを聞いているんですから、その点ぐらいは答えてください。
○伊原政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、決議案の案文については、現在、関係国と鋭意検討、調整をしているところでございますけれども、いい内容の決議案を昨年と同様の多くの国の賛同のもとに国連において採択することができるよう、今後とも一生懸命努力してまいりたいというふうに思っております。
○鷲尾委員 宇野政務官もお手を挙げていらっしゃったので、宇野政務官から一言下さい。
○宇野大臣政務官 今委員がお話しいただきましたように、これは大変に北朝鮮に対するプレッシャーになる決議だと思っております。そういう中で、昨年も多くの賛成国を得たわけでありますが、それ以上に賛成国をいただくように、今鋭意我々は努力しております。機会あるごとに、関係国との話し合いの中で、人権宣言よろしく頼むというお話もさせていただいておりますので、昨年以上の国数があることを期待しております。
○鷲尾委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
続きまして、今、日本が、拉致問題の具体的な進展がない、核問題がまだ依然として残っている中での制裁措置、これを行っているわけでありまして、日本にとっての状況は、今まで議論させていただいたとおり、私としては、かなり悪化しているんじゃないか。悪化しているのであれば、何か追加的な手段をとり得るのではないかということをやはり政府としては考えなきゃいけないと思いますが、この追加的手段というのをとるおつもりなのかどうか、どんなものが考えられるのかどうかということについて、一言政府からいただけたらと思います。
○宇野大臣政務官 追加的手段ということでありますけれども、今制裁措置をいろいろやっておりまして、今回もお認めいただきたく思っておるわけでございますが、先ほど来お話がありましたように、若干まだ制裁をしなければいけない部分が残っていることは事実でございます。この件につきましては、これからの六カ国協議等々の動きを見ながら、また北朝鮮の動きを見ながら、その都度都度で判断をし、考えていきたい、そんな思いでございます。
○鷲尾委員 少し細かい話になりますけれども、これは新聞報道ですが、北朝鮮に対して自転車の輸出がふえている。〇七年度で、〇六年度と比べたらかなりふえて、私は棒グラフしか見ていないのできちんとした数値は見ていないですけれども、かなりふえているわけですね、自転車の輸出が。何でふえているんでしょうかと思うんです。報道上は、第三国に輸出しているんじゃないか、そういう話がされているわけですけれども、これが抜け道になっていたら困る。
こういうことについても、私は、やはりある程度、措置をとれるとすれば、日本の選択肢はかなり限られていますから、そういう中で、こういうことを禁止するということも追加的措置の一手段になるのかなと思いますので、現状の認識とこれからの対策についてお聞かせ願いたいと思います。
○立岡政府参考人 お答えいたします。
先ほど御審議の中でもございましたように、輸出につきましては、大量破壊兵器等それから奢侈品以外は今規制してございませんので、そういった意味で、自転車を含む輸出はございます。
数字でございますけれども、御紹介ございましたように、〇六年は一・四万台出ておりましたが、ことしに入りまして、一―九月期の九カ月間で九・六万台ということで、急増いたしてございます。ただ、二〇〇三年ぐらいには五万台ぐらい出ていたという状況でございます。
背景は、正直申し上げて、北朝鮮に行ってから自転車がどうなっているのかについては私ども情報を持ち合わせておりませんけれども、他方、供給側の状況で申しますと、日本全体から世界への自転車の輸出というのは二〇〇三年から大きくふえておりまして、二〇〇三年では八十七万台の輸出が二〇〇六年には百三十四万台、そして二〇〇七年の一―九月では百四十二万台とふえてございますので、そういった意味では、内外の状況の中で、日本全体として各国への自転車輸出がふえているということも供給側の日本としてはあると思いますけれども、他方、需要国側の北鮮の状況はどうかということについては、私どもは情報を持ち合わせてございません。
○鷲尾委員 立岡さんから今御指摘があったとおり、一・五万台から九・六万台にふえているわけですよね。これは大幅な増加なわけですから、何が原因なのかというのはちょっと調べてもらいたいなと思いますし、もしそれが北朝鮮の資金源に少しでもなっているというのであれば、日本政府がとれる手段はわずかなんですから、ぜひともそういう部分について選択肢がふえるような調査分析というのもしっかり行っていただきたいと思うわけであります。
ちょっと時間がなくなりましたので、もう一問だけお願いしたいんですが、海上保安庁にお聞きしたいと思います。
つい先日、尖閣諸島に中国の活動家が上陸しようと企てて、それを海保の皆さんがしっかりと阻止したという記事を見つけまして、私、大変ありがたいことだと思っておりますし、鋭意海保の皆さんには日本の海をしっかりと守っていただきたいと思うわけであります。
尖閣諸島だけではございません。竹島、北方領土を含めて、北方領土は領土問題ですよね、不法にロシアに占拠されている、竹島も韓国に占拠されているという状況です。こういう状況を、尖閣もいつそういう活動家がやってくるかわからない状況ですから、こういう領海に対して周辺国が侵犯してくるような状況というのは、例えば、今まで議論がありました、北朝鮮がこれから、延命措置が施されているわけですから、国内の貧困というのはある程度改善されてくるでしょう。そうなったときに、やはり対外活動というのもある程度活発化してくるんじゃないか。
そういうときに今の体制や組織で十分なのかどうかということについて、私は、岩崎長官からしっかりとした御見解をいただきたいと思うんです。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のあった尖閣の警備の問題でありますとか、北方四島、竹島の問題、あるいは北朝鮮関係では、少し前になりますけれども、不審船等もございました。こうしたものにきっちり対応していくということは、私ども海上保安庁の本当に重要な使命だと思っておりまして、私ども全力を尽くしております。
体制につきましても、その充実を図るべく、先ほども答弁させていただきましたけれども、巡視船艇や航空機、あるいは人員の強化について、今一生懸命努力しているところでございます。
今後とも頑張っていきたいと思っております。
○鷲尾委員 韓半島がまたこの先どうなるか、金正日体制が続くわけですから、ぜひとも日本の海をしっかりと守っていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○竹本委員長 次に、三日月大造君。
○三日月委員 民主党の三日月大造です。
私も、同僚議員に引き続き、国民の生命、安全を守るという観点から、本案、北朝鮮籍船舶の入港禁止措置について確認をし、またあわせて、せっかくの時間ですから、関連する質疑をさせていただきたいというふうに思います。
まず、北朝鮮との関係、これまで多くの委員の皆様方からも指摘をされておりますが、拉致の問題、ミサイルの問題、核の問題、特に拉致の問題については、これは許されざる国家的犯罪だ、人権侵害でもある。したがって、対話と圧力、しっかりとバランスをとりながら、日朝間の交渉の中で毅然たる対応をとっていく、これは私も全く同感です。加えて、ミサイルについては、日本に向けて配備もされて、実際に発射もされている。核の問題については、核兵器の製造が可能になるような、そういう実験や行動がとられているということについて、これから日本がどう向き合っていくのか、大事な時期だと思うんです。
まず一点お伺いしたいんですが、その中で、今回、延長措置が閣議決定され、ここで承認を求められている北朝鮮籍の船舶の入港をさせないという措置、輸入の禁止もしている。今、前の委員によりますと、輸出の面で大丈夫なのか、他国との連携はとれているのかというような、いわゆる対話のための圧力になるための経済措置になり得ているのかという疑問が呈されたところでありますけれども、まず、国交大臣ではなくて、外務省の見解を伺いたいと思います。これらの経済措置の実効性をどのように評価されているのか、まずお伺いいたします。
○宇野大臣政務官 お答えいたします。
現在の成果、そんなことでありますが、拉致問題については、具体的な進展が得られていないということは委員も御承知のとおりでございます。
我が国といたしましては、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現し、不幸な過去を清算し、国交正常化を図るべく、引き続き最大限の努力をしていく、これが今の認識でございます。
○三日月委員 違うんです。これら、船を入れない、輸入を禁止するという経済措置をとっていることの実効性についてはいかがですか。
○宇野大臣政務官 経済措置の関係につきましては、先ほど来お話ししておりますように、船舶の入港につきましてはゼロということであり、また、輸入についても本年はゼロである、そんなことから、北朝鮮の経済については大変な打撃があるのではないかというふうな一定の効果を及ぼしているものと考えております。
○三日月委員 船を入れないと決めているんですから、入港がゼロであることは当たり前なんです。輸入を禁止しているんですから、輸入がないのも当たり前なんです。ただ、対北朝鮮への制裁として、対話を促す圧力として、この経済措置が効果があるのかどうかということについて聞いているんです。
その点、交渉の前面に立たれている外務当局としていかがでしょうか。
○宇野大臣政務官 我が方といたしましては、やはりそういう形で制裁をするということによって、北朝鮮が何らかの行動を起こしてくれるだろうということからの対話と圧力という意味でございますので、御理解いただきたいと思います。
○三日月委員 何らかの行動を起こしてくれるだろう、先ほど答弁の中でありました、一定の効果があるものと思われる、こういうことだけだと、私は、あの北朝鮮と向かい合う国の主権国家としての戦略、そして思いとして十分なのかという危惧を持たざるを得ないのです。
具体的にお伺いしますが、まず一点、国交大臣にお伺いいたしますが、船を入れないという措置をとっています。しかし、この禁止をしている船舶は北朝鮮船舶に限られているわけです。しかし実際は、北朝鮮と関係のある国だとか支配下にある国に籍を持つ船が日本に入ってきて、陰に物資流通のそういう可能性も否定できないわけです。輸出だってあると先ほど鷲尾委員の指摘にもありました。また、過去に北朝鮮に寄港してから日本に入ってくるという船の入港もあるわけです。
入港禁止措置の実効性を担保するために、この特定船舶を入港禁止するという措置を所管する国交大臣として、どのような対応をとられているんですか。
○冬柴国務大臣 この入港禁止の根拠になる法律では、どこの国の籍船をとめるのかということを決めることになっておりますが、我が国を取り巻く国際情勢、周辺国家の国際情勢にかんがみまして、今回の措置は、北朝鮮船籍の船を我が国の港には入れない、こういうことにとどめているわけでございます。
したがいまして、北朝鮮籍以外の船が北朝鮮に寄港して、あそこではシジミとかアサリとかたくさんとれます、ああいうものを、そこで買ったものを日本へ持ち込んだという事例がありましたが、こういうものについては立入検査をしまして、そして、その船舶に備えつけられている日誌等を閲覧して、そういう事実があったということであればこれは没収するという事案もありました。しかしながら、法律では北朝鮮船籍の船だけは入れないということが明確でありますので、そういうふうにしています。
ただ、北朝鮮からの輸入は禁止するということになっておりますから、今言ったように、外国の船であってもその事実が明らかになれば、そういうものは取り締まりをするということになっています。
反面、こちらから出ていくものについては、奢侈品以外は、中古の自転車は奢侈品ではありません、そういう意味でこれは取り締まることはできないというふうになっておりますが、周辺国家の国際情勢にかんがみまして、その程度でとどめているということでございます。
○三日月委員 大臣、せっかくですからお伺いいたしますが、その程度にとどめている経済措置、船を入れないというこの入港禁止措置が、先ほどちょっと御答弁いただいてもわからないところがあったのですが、対北朝鮮に対話を促す圧力として有効に機能しているとお考えですか。
○冬柴国務大臣 これははかり知れませんけれども、私はこちらの姿勢としては明らかだと思います。こういうテロは許さない、あるいはミサイル、核開発ということは許さないということを我々は明らかにしているという意味で、誠意ある対応を引き出す一つの手段として我々はそれを今やっているわけでございます。
ただ、これに基づいて向こうがどう反応するかということは、まだそれは私はわかりませんけれども、外交当局におきましては、そういうものについても期待ができるということで、こういうふうな措置をとっているというふうに思います。
○三日月委員 確かに、経済的なことだけではなくて、政治的なメッセージはあると思います。
ただ、やはり今回とっている措置を、対話を促す圧力として効果的に使うのだというその決意はきちんと持って、それを内外に示していくということが大事だと思うのです。
先ほど鷲尾委員は優しいので、この提案理由の説明に拉致問題が加えられたことを一定評価されました。しかし私は、提案理由だけではなくて、閣議決定を行う入港禁止の理由の中に入れるべきだと思うのです。この提案理由の中には、「拉致問題について具体的な進展がない」とさらっと書いてあるんです。しかし、この入港禁止の理由の中には拉致問題のラの字もないのです。
したがって、ここに、今おっしゃったように、一定きちんと、措置については実効性を担保するためにやっている、政治的な意味も含めて効果ははかり知れないとまでではなくて、きちんとその決意を、せっかくとっている措置を、とどめている措置を、これぐらいでとどめてやっているんだぞということも含めて北朝鮮に示していく、もしくは関係諸国に決意として示していくということが必要なのではないかと思います。
これについては今までの委員会の中でも答弁いただいておりますが、大臣、改めて今の情勢を含めて。
○冬柴国務大臣 御指摘のとおりだと私は思いますので、私も閣僚の一人として、今後、鷲尾議員のあれも含めて心にとどめさせていただきたい、このように思います。
○三日月委員 あと、加えて、これはもう答弁は求めませんが、先ほど、北朝鮮に過去寄港した船が日本に入ってくる可能性、これは海上保安庁の資料によりますと、ことしの十月十日までに過去北朝鮮に寄港して入ってきた船は百四十七隻あるんですね。これについても先ほど海上保安庁長官から答弁がありましたが、国際航海船舶港湾保安法ですか、この船舶保安情報、過去さかのぼって十の寄港した地域については情報をとることができるという法的な担保があるわけですね。したがって、こういったところにもやはり網をかけていくということも必要なのではないかと思うのです。
この点も含めて検討いただくことについて、うなずいていただくだけで結構です。
○冬柴国務大臣 海上保安は、一日に百隻ぐらいの内外の船に立ち入りして検査しているんですよ。一日ですよ、百隻。
これは案外知られていないですけれども、外国船の中に立ち入りして検査するということは、本当に大変な身の危険を感じながらここまでやっているわけでして、そして航海日誌等を提出させて、こういうことがあればその積み荷を検査して、そういうことが明らかになればその船長を逮捕するとかいうことまでやっているわけでございまして、私はこういうことを国民の皆さんもよく知っていただきたいと思います。
装備とかあるいは人員が不足しておりますので、私は予算要求できちっとやろうと思っていますけれども、日本は世界で六番目に広い排他的な経済水域を占有しているわけですから、そういう意味でしっかりと頑張っていかなきゃならないと思いますし、今、海上保安ができるだけの能力を傾注してやっているということは御承知いただきたいと思います。
○三日月委員 広い四面環海の日本の中で、そうやって最前線、フロントで、シーラインで御苦労いただいている皆様方のことは私も承知をしているつもりです。しかし、ほかの国で国民を連れていった国はありますか。日本に向けてミサイルを配備している国はありますか。核兵器を開発している国はありますか。
したがって、大変なのはわかるんですが、しかし、この状況をかんがみて、入ってくる船を、北朝鮮船籍の船だけをとめるということではなくて、過去北朝鮮に寄った国についても果たしてどうなんだろうかということについて、禁止をするとすぐに決めるだけではなくて、重点的に点検をするということをも含めて検討してはどうかと私は申し上げているんです。
ですから、ぜひこの点については、入港禁止措置を有効に活用する、実効性を持たせるという観点から、所管である国交省としても、これまでの御努力は多としながら、より一層踏み込んだ措置をお願いしたいと思います。
○冬柴国務大臣 この措置につきましては、北朝鮮船籍の船の入港だけにとどめるのか、それ以外も含めるのかということは相当な議論をして、国際情勢にかんがみましてこの程度でというのが現状でございます。
したがいまして、今後そういう議論があるときには、今の議論ももちろん参考にして協議をし、そして結論を得たいというふうに思いますが、その議論は物すごくやった上で、現状はこうだということを御理解いただきたいというふうに思います。
○三日月委員 これまで過去議論をしていただいたことは承知をしております。しかし、そろそろ核施設の無力化が年内に行われる。そして、拉致の問題については進展がない。こういう状況下だからこそあえて申し上げているんです。検討しているというメッセージを発するだけでも、これはかなり大きな政治的なメッセージになるということを重ねて私は申し上げて、次の質問に移りたいと思うんです。
十月二十六日に日経新聞で「日朝打開へ政府新方針 拉致・核進展なら段階支援」、この方針を北朝鮮にも伝達したんだという報道がなされました。生存者の帰国を最優先するということについても述べられているわけですけれども、この報道は事実でしょうか。
○宇野大臣政務官 今お話しいただきました、日朝関係打開のための政府の新方針という記事があったことについては承知をしております。しかしながら、政府といたしましては、北朝鮮に対する何らかの新方針を固めたという事実はございません。
我が国といたしましては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化を早期に実現するとの基本方針に変わりはなく、そのための最大限の努力を行っていく考えでございます。
○三日月委員 もう一点、事実確認をいたしますが、本日、米国のヒル国務次官補が来日をされ、外務省のしかるべき方々との協議を行われると聞いておりますが、これは事実ですか。
○伊原政府参考人 委員の御指摘のとおりでございます。
○三日月委員 そこでは、米朝協議も踏まえて、核の無力化の状況把握も踏まえて、どのような協議が行われる予定なんですか。
○伊原政府参考人 無能力化につきましては、既にアメリカの専門家のチームが北朝鮮に入りつつありますので、そういった新たな進展も踏まえて、六者協議の今の現状について、あるいは米朝の話し合いの内容等について、日米間で緊密に意見を交換し、連携をとり合っていきたいというふうに思っております。
○三日月委員 こういう三つの大きな問題、六者会合の中での三つの大きな課題について、一つの大きな核の無力化というものについて具体的な進展が見られる、その状況把握をもってアメリカの交渉担当者が日本に来日をする。そのときに日本がどのような交渉、協議をするのかというのは、今後の対北朝鮮政策において私は極めて重要だと思うんです。
ちなみに、先ほどの記事に戻ってお伺いをいたしますが、今の時点では、記事があることはあるけれども、北朝鮮政策はこれまでと何ら方針変わらず、今のこの状況下で新たな方針についてはないというようなことでしたけれども、福田内閣になって、いつ新しい方針を立てられるんですか。
○宇野大臣政務官 先ほどもお話しいたしましたけれども、新方針というのは今ない。また、この問題につきましては、過去の流れと一切変わりはないというのが今の政府の考え方でございます。
○三日月委員 この記事には「北朝鮮に伝達」とありますが、公式、非公式を問わず、北朝鮮とこういった方針や日本の考え方について、表にある六者会合、作業部会を含めたそういう公式な協議以外に、こういう方針のすり合わせ等をされた経緯はありますか。
○伊原政府参考人 日朝間の非公式なやりとりにつきましては、その性格上コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、いずれにしましても、我が国としては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、この不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を早期に実現する、そういう大きな方針のもとに、引き続き最大限の努力を行っていきたいというふうに考えております。
○三日月委員 その表向きの、型どおりの裏に並々ならぬ決意があることは私は酌み取りたいと思うんですが、もちろんインテリジェンス、これは大切な情報なり交渉ですから。しかし、今大事な時期にあると思うんです。相手のあることですから、簡単に日本のことだけが通るとも思いません。ああいう国ですから、言ったことを守らないという国との交渉であるとも思います。
バイの日朝間の関係だけではなくて、アメリカや中国、ロシア、そういった国々との枠組み、連携も必要だと思うんですが、しかし、相手に一定の歩み寄りがあると見られるこの状況下で、日本だけ取り残されない、特に日朝間の固有の問題である拉致問題について忘れずに対応しろよということを盛り込ませていく大事な時期にあると私は思いますので、その点、もうわかっていらっしゃることとは思いますが、ぜひ毅然とした対応をとっていただくことを求めておきたいというふうに思います。
その上で、新たな新方針が出るのではないかという憶測のもと、この記事に基づく、もしくは政府の考え方を聞きたいと思うんですけれども、この記事の中には「生存者全員の即時・一括帰国を最優先とする方針を明確に打ち出す。」と書いてあります。町村官房長官も、これは三十日ですか、拉致問題特別委員会で、これまでの方針の延長線上なんですけれども、「すべての拉致被害者の方々の一刻も早い帰国」ということを繰り返し述べられておりますが、この生存者全員の即時、一括帰国及びすべての拉致被害者の方々というのはどの範囲を指すんですか。
○河内政府参考人 お答えいたします。
政府におきましては、これまで拉致被害者と認定している十二件十七名の方以外にも、いわゆる特定失踪者の方も含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識を有しているところでございます。
こうした認識に基づきまして、関係省庁、関係機関が全力を挙げて国内外の調査、捜査を進めているところであり、北朝鮮に対して、これまで認定している拉致被害者に限らず、すべての拉致被害者の安全確保と速やかな帰国を強く求めているところでございます。
○三日月委員 ぜひその十二件十七名の方々にとどまらない、拉致の可能性のあるいわゆる特定失踪者、今四百七十名いらっしゃるとも聞き及んでおりますが、こういった方々の特定や認定、ここも含めて対北朝鮮拉致問題の解決の際には求めていく。まず何を目指して交渉するのかということが大事だと思うんですね。何をもって進展とするかということも大事ですけれども、何を目指して交渉するのかということも大事だと思いますので、その点、十七名だけじゃないんだということについての認識をぜひ持っていただきたいというふうに思います。
せっかくの機会ですから、この北朝鮮の問題だけではなくて、一点、国の防災対策についてお伺いをいたしたいと思います。
まず、国交省は多くの公共インフラ、道路も、河川、堤防も持っていると思うんですけれども、高度経済成長期につくられたこれらの施設が、耐久年数の面で維持更新が必要な時期に入ってきています。こういう国交省関連施設、所管インフラの整備費用、維持修繕費用をどのように見積もっていらっしゃいますか。
○榊政府参考人 委員御指摘のように、社会資本本来の役割を果たしていくためには、維持管理、更新を計画的に効率的にやっていかなきゃいかぬということが重要であるというふうに思っておるところでございます。
例えば、橋梁で見ますと、二〇〇六年時点で八千九百橋ぐらいが五十年以上たっているということなんですが、二十年後の二〇二六年には六万八千二百という形で約四七%を占める、こんな形になっておりまして、私ども、維持管理費の試算をいたしておりますけれども、現在のまま投資がずっと、事業費が続くということを前提にいたしますと、今のところ維持管理・更新費の合計額が大体三〇%ぐらいですが、これが三分の二の六五%ぐらいまで行くだろうというふうな推計をいたしておりますし、逆に、現在のようにマイナス三%が継続するということであれば、二〇二〇年代の当初にはもう新規投資額はほとんどゼロで、維持管理・更新費のみになってしまう、こんな推計をいたしておるところでございます。
○三日月委員 今述べられた、二〇二〇年度には新規投資ではなくて維持更新費用の方がかかってしまう、もうあと十三年後なんですね。極めて近い段階でそういう状況に来るんだと。これは、昨年の経済財政諮問会議で北側前大臣が示された資料の中にも表明されているんですが、これを受けて、国交省では具体的にどのような対策もしくは予算の要求措置をとられているんですか。
○榊政府参考人 まず、維持管理・更新費が将来的に少なくて済むような社会資本整備が必要だろうということで、ライフサイクルコストができるだけ少なくなるような計画的な維持管理を行おうというようなスタンスで社会資本整備を行っていこうということで考えております。
現在、厳しい財政状況の中で、マイナス三%といったようなシーリングがかかっているという状況でございますので、一層のコスト縮減を図りながら、こういったような社会資本の維持管理、更新に対応していく、要するに、ライフサイクル・アセットマネジメントという考え方でやっていこうということでございます。
○三日月委員 これからつくるものについては、ライフサイクル・アセットマネジメントですか、要は、トータルでかかる費用を極力最小限に抑えていくという社会資本整備が可能になると思うんですけれども、これまでつくってきたものに対して、維持修繕、かけかえも含めて、必要なコストがどうしても発生してしまう。それが二〇二〇年には新規の設備投資額を上回る形で計上していかなければならないという事態に、どのように国交省として備えていかれるんですかということについて確認をしたんです。
今からつくるものについては極力ライフサイクルコストを少なくしていくんだというのはわかります。しかし、これまでつくった多くの社会資本インフラ、これらにどう向き合っていくのか、どう備えているのかということが私は大事になると思うんですね。
この点、きょうは時間がありませんので深く突っ込みませんが、もう少し具体的な説明を後に求めたいと思います。そして、もし不十分であるならば、早急な対策を求めたいというふうに思います。
最後に一点。私、先日、直轄治水の事業について求められる首長の皆様方の集会に行ってまいりました。そのときに、浅学で情報不足だったんですが、こういう「水害現場でできたこと、できなかったこと 被災地からおくる防災・減災・復旧ノウハウ」というような本が出されていることを知りました。そこで述べられていたのは、中貝豊岡市長、全国では頻発しているかもしれない、国会議員の皆さん、そういう議論はするかもしれない、しかし、一被災地にとってみれば、何年か何十年かに一回の水害で、そこにきちんと対応できるかどうかというのは極めて大事な問題だ、こういうノウハウ、経験、教訓が共有化されればいいなということでつくりましたということで、私はこれは極めて有効だと思うんですけれども、この点についての国交省としての認識、取り組み。
そして、ここでは、河川の予備的投資、これが少なくなっているので、早急に対策が必要だという提言も行われているんですが、こういう提言、集約を踏まえて、国交省としてどのような対策をとられるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
○門松政府参考人 お答えいたします。
近年は非常に集中豪雨とか台風が凶暴になりまして、全国各地で大きな水害が発生しております。一方、水害はすべての市町村で一定の期間にひとしく生ずるものではない、今先生御指摘のとおり、市町村によっては、現在の世代が経験していないというような市町村がたくさんございます。
御指摘のとおり、水害の教訓、経験を共有することは非常に大事なことでございまして、水害時の臨機応変な、機動的な対応が極めて重要であります。国といたしましても、先ほど御紹介ありました豊岡市長を中心としました、被害を経験された市町村でおつくりになります水害サミット、こういった活動について支援をしてまいりたいというふうに思っております。
今後も、このような市町村の自主的な活動を後押しして、予防的な治水対策を推進していきたいというふうに思っています。
もう一つ、予防的な予算の拡充に努めるというお話でございましたが、ただ、客観的に言いますと、非常に厳しい状況にございます。公共事業を取り巻く財政的な制約が続いておりますし、その中で、先ほど申しました激甚な水害が続いておりますので、予算の中でもそういった災害復旧にとられる予算が年々ふえておりまして、予防的措置に回る予算は少のうございます。
こんな中でいかにして国の責任を全うしていくかということで、予防的な治水対策予算を少しでも拡大するいろいろな工夫を今財務省に要求しているところでございまして、そういった努力を少しでも積み重ねて、未然の水害防止に今後とも努めてまいりたいというふうに思っています。
○三日月委員 終わります。ありがとうございました。
○竹本委員長 以上で三日月大造君の質疑は終わりました。
次に、穀田恵二君。
○穀田委員 我が党は、北朝鮮に対する船舶入港禁止と日本独自の制裁措置に対して、昨年十月にこれが実施された際にも、ことし四月にこれが延長された際にも賛成してきました。それは、昨年十月に行われた北朝鮮による核実験という新たな重大な事態に対して、北朝鮮を対話の道に復帰させ、核兵器問題の外交的解決を図るための手段として日本独自の制裁措置をとる点は了とするという立場からのものでありました。
まず、この制裁措置の目的、そもそもの制裁措置をとった理由について、逆に私は、ことしの十月九日に行った閣議決定に基づいて入港禁止の理由を述べられたいと思います。外務省、お願いします。
○伊原政府参考人 委員御案内のとおり、今回の措置につきましては、北朝鮮によるミサイルの発射、それから核実験等を踏まえまして、さらには拉致問題をめぐる状況、拉致問題について進展が見られないという状況を踏まえてとったということでございます。
○穀田委員 先ほど来問題になっていますけれども、入港禁止の理由は、閣議決定は、御承知のとおり、北朝鮮により核実験を実施した旨の発表がなされた、弾道ミサイルを発射したことに加え、核実験を実施したとしていることはけしからぬ、だからやった、こういうことで理由は書いていますね。そこははっきりせないかぬ。新しくは、その後の国際情勢云々かんぬん、こういう話ですね。
そこで、私は、ことし五月二十五日、冬柴大臣とやりとりをしたときにも、この禁止措置の延長について議論したとき、こう言いました。私は、この禁止措置の延長が制裁のための制裁というのじゃなくて、日朝間、六カ国協議の誠実な履行、そのための対話を促進する手段であること、これを大臣との間で確認したところであります。
また、私どもは、北朝鮮の一連の暴挙を糾弾し、国会決議に対して、国際社会の一致協力した取り組み、さらに、平和的、外交的手段で解決する、このことを盛り込むように主張し、努力したところであります。
北朝鮮への制裁は、つまり、核実験の重大な脅威が重要なテーマであることは当然であります。その後、この核問題をめぐる北朝鮮の情勢について大きく変化していると言って差し支えないと思います。
そこで、きょうは、この間の進展について具体的に外務省に聞きたいと思います。
北朝鮮は、核問題に関して、ことしの二月の六カ国協議で合意された措置の対応をどのようにしてきたのか、また、十月の六カ国協議では核問題についてどのような合意がなされたのか、そして、今日の局面、どのような局面にあるのか、この点を具体的に述べていただきたいと思います。
○伊原政府参考人 現在行われております六者協議のプロセス、この大きな目標を設定しておりますのは二〇〇五年の九月の共同声明でございます。
この二〇〇五年九月の共同声明においては、北朝鮮によるすべての核兵器及び既存の核計画の放棄ということがうたわれております。その目標を達成するために、今委員御指摘のとおり、ことしの二月に、特に初期段階の措置について合意をしたわけであります。
この初期段階の措置については、北朝鮮は寧辺にあります核施設の活動を停止し、さらにそれを封印する、そしてこれをIAEAの要員が検証し監視するということが主たる内容でございます。
その後、バンコ・デルタ・アジアの事件等もございまして、この初期段階の措置の実施は予定されたよりもおくれましたけれども、七月から八月にかけまして、活動の停止、封印、IAEAによる検証、監視というのは実施されました。
その後、六者協議におきましては、次の段階で何をするかということを明確化する協議が行われまして、その結果が、先般十月三日に公表されました合意文書にあるとおりの約束でございます。
この十月三日に採択されました文書によりますと、北朝鮮は、本年末までに、すべての核計画の完全な、そして正確な申告をするという約束を負うとともに、核施設につきましては、すべての核施設を無能力化するということを確認した上で、ことしの末までの具体的な行動としまして、寧辺にあります三つの核施設を無能力化するということを約束しております。
そういう意味では、非核化のプロセスというのは一定の進展を示していると言ってよろしいかと思います。
しかしながら、例えば無能力化につきましては、今、米国の核の専門家チームが一日から北朝鮮に入りまして、具体的な措置を今後とっていくということになっておりますけれども、こういった合意された文書、合意された約束というのを、今後北朝鮮がきちんと行動によって明確にしていくのかどうか、そういったことを引き続き注視し、かつ、六者のプロセスとして、その実施を担保していかなければならない。
そういう意味では、今後、引き続き、日本といたしましては、米国を初めとします六者の関係国とよく連携をとりながら努力をしていくということが今重要であろうというふうに思っております。
○穀田委員 今の報告で明らかなように、北朝鮮が、核施設の無能力化、核計画の完全申告を柱とする次の段階の措置を行うことを明確にし、そして、ことし末までの具体的な内容も確認をする。あとはこれを実行させるかどうかという問題だということはそのとおりであって、結局、この六カ国協議の合意というのは、朝鮮半島の非核化への重要な一歩であって、国際社会の総意を背景に、六カ国が粘り強く協議を続けてきた結果であり、私どもは歓迎するものであります。
大臣は、北朝鮮の核問題をめぐるこうした六カ国協議の合意と北朝鮮の対応について、また、アメリカが新しく入っていくという今日の情勢などについて、どのように認識しておられるのか、総論的にお述べいただければと思います。
○冬柴国務大臣 北朝鮮を中心とするその周辺国家が、中国、韓国、そしてロシア、日本、それにアメリカ、この六カ国でこの問題を協議する、解決するというのは、私は最良の枠組みだろうというふうに思います。
したがいまして、ここで粘り強く協議を重ね、一定の成果を得ているということにつきましては、私は非常に歓迎すべきことであるし、担当される方々、中国の武大偉さん初め、日本の大使もやられた方でもありまして、こういう人たちの努力を多とするわけでありますが、では、反面、北朝鮮の対応はどうか。これについては、私は詳しいことはわかりませんけれども、どうも誠意というものが認められないように思われてならないわけであります。
二国間の問題というふうに言われているけれども、そうではなしに、拉致の問題につきましても、人権問題として六カ国協議でやはり解決していただきたい。優先順位は別としましても、我が国にとっては、この問題が解決されない限り、この六カ国協議の結論であるとしても、日本国民の民意を考えたときに、それに乗っていろいろ北朝鮮に協力をする、そういうようなことはなかなかできにくい雰囲気だろうというふうに私は思います。
したがいまして、我々がきょうお諮りをしております、北朝鮮籍船の我が国に対する入港を禁止するというこの強いメッセージというものが、拉致の問題を初め、核、ミサイルというものの脅威を取り除くことについての北朝鮮の誠意ある反応、態度というものを引き出すことができれば非常にありがたい、そうあるべきだというふうに思って提案しているわけでございます。
○穀田委員 今一定の成果を得ているということと、北がどういう対応をするか。これは先ほど来あったように、今の行動がどういう形で影響を及ぼしているかというのは、なかなかこれはわからぬわけですね。だから、基本となるべきものがやはり共同声明であり、また、日本の場合でいえば、日朝平壌宣言に基づいて履行を迫っていくという以外にないことは明らかだと私は思っています。
そこで、先ごろ韓国と北朝鮮の首脳会談が開催されました。共同声明が発表されています。この会談と声明は核問題の解決へどのような進展があったのか。日本政府としての評価を含めて、外務省は明らかにしてほしいと思います。
○伊原政府参考人 先般、十月の二日から四日にかけまして、北朝鮮の平壌において行われました南北朝鮮の首脳会談でございますけれども、その結果として、今委員御指摘のとおりの宣言、南北関係発展と平和繁栄の宣言というのが発出されております。
会談の概要につきましては、私ども、十月五日に盧武鉉大統領から福田総理に対して、それから同時に、同じ日に、この南北首脳会談のために訪朝いたしました韓国の外交通商部の沈という次官補から高村外務大臣に対して、それぞれ内容について説明がございました。
私どもとしては、この首脳会談それから発表されました共同宣言は、南北関係の進展それから朝鮮半島の緊張緩和に資するものであったというふうに評価をしております。
特に、今委員御質問の朝鮮半島の非核化との関係ではどうであったかということでありますけれども、これは私どもが承知しているところでは、金正日国防委員長の方から盧武鉉大統領に対して、朝鮮半島の非核化へのコミットメントが再確認されたというふうに伺っておりますので、この点においても、この南北首脳会談は有意義であったというふうに考えております。
○穀田委員 今ありましたように、わざわざコミットメントがあったという点では、一つ、先ほど、六カ国協議のそういう形で前進を図り、また実際に南北を分けている問題、そういう両国がその問題について改めて約束をするという意味では、私はさらに重要な内容だったと考えています。
この制裁措置について、私は前も言ったんですけれども、中国、韓国を初め近隣諸国との協調のもと、国際社会の一致結束を強め、外交解決を図る方向で実施されるべきであると一貫して主張してきました。
そこで一点だけ、簡単でいいですから、国際社会と近隣諸国の制裁措置の取り組みの状況について述べていただきたい。
○伊原政府参考人 北朝鮮の核実験の後、国連の場においては、安保理決議一七一八号が採択されまして、これによりまして、国連の加盟国は北朝鮮に対して、軍関連及び核、ミサイル、大量破壊兵器計画関連の特定品目について輸出を禁止する、あるいは奢侈品についても輸出を禁止するといった措置が決定されております。
これにつきましては、私ども承知しているところでは、既に七十一カ国それから一機関が、EUですけれども、国連の制裁委員会に対して、どのような措置を実施しているかということを報告しております。
これによりますと、我が国を初めとしまして米国、カナダ、欧州諸国、豪州等は、今申し上げましたような軍関連等の特定品目の輸出禁止や奢侈品の輸出禁止を既に実施しております。
それから、中国につきましては、この決議一七一八号に基づく義務を履行するということは明らかにして報告はしておりますけれども、その内容については対外的に明らかにしていないところでございます。
韓国につきましては、軍あるいは核、ミサイル、大量破壊兵器関連の輸出禁止はやっておりますけれども、まだ奢侈品については現時点では輸出禁止措置は実施していないというふうに承知しております。
○穀田委員 もちろん、これらの七十一カ国は、していないという内容も含めて報告が書かれているということですよね。それはそのとおりだと思うんです。
最後に、では、先ほど来問題になっている拉致問題との関係について一点私どもは聞きたいと思うんです。
私どもは、十月四日の衆議院本会議の代表質問において我が党の志位委員長が、日朝平壌宣言の精神に立って諸問題、核問題、拉致問題、過去の清算問題など包括的解決を図る立場が重要だ、包括的な解決を図る過程で、ある問題の解決が先行することもありますが、一つの問題で前向きな突破が図られれば、それは他の問題の解決の妨げになるのではなく、促進となるでしょう、すなわち、今進行しているプロセスで核問題の道理ある解決が図られるならば、拉致問題の早期解決の新しい条件が開かれることになるでしょうと述べていますね。
私どもは、こういう見地が今大切じゃないかと考えていますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○冬柴国務大臣 非常に傾聴すべき意見ではありますけれども、現在、私どもは、やはり国連安保理決議一七一八号、これは憲章二十五条に基づいて加盟国がひとしく遵守しなければならないものであります。したがいまして、これは各国の主権の範囲で判断するんでしょうけれども、条約遵守義務という形から見れば、各国はひとしくここで示されたことは守らなきゃならないと思います。
私どもは、そういう観点から、交渉の技術といいますか進め方としてはそうですけれども、やはり包括的に解決する、それが包括的に解決されることを条件に、また新しい、平壌宣言で約束をした日朝の国交正常化が図られていくというふうにも思うわけでございまして、どれか一つを解除するとか緩めるとかいうようなことは、今の段階ではまだ政府は考えることはできないのではないかというふうに思います。
○穀田委員 私どもは何かどこかを緩めろなんて言っているわけじゃなくて、やはり世界が今注目している朝鮮半島、東アジアにおける非核化のこういう道筋を大いに前進させることが、また拉致問題の解決にとってもええことなんやという立場で臨まなんだらあかんということを言っているわけですよね。
日本独自の二つの制裁措置というのは、北朝鮮による核実験を契機としてとられた対応措置なんですね。その後、私が今きょうの質疑でも明らかにしたように、北朝鮮の核問題をめぐる情勢というのは、先ほど来ありましたように、重要な一歩前進を図られた。新しい条件が生まれ、前向きに進展しておって、その意味では私は制裁措置を続ける理由はないと思います。
にもかかわらず、これらの制裁措置を継続するということは、核問題解決のために日本政府が積極的役割を果たす上で障害になりかねないという点を指摘しておきたいと思うんです。
拉致問題の早期解決の上でも、六カ国協議の合意に即して、核問題の解決のための積極的な役割を果たすことが日本政府に求められていると考えます。そのためにも、制裁措置に対しては、情勢の進展に即した対応をとることが大切であると考え、したがって、反対の態度を表明して、質問といたします。
終わります。
○竹本委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。
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○竹本委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○竹本委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○竹本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時八分散会

























