経済産業の基本施策に関する件(副大臣答弁)                        衆議院経済産業委員会-2号 2008年03月26日

2009年7月28日 20:56

         経済産業の基本施策に関する件(副大臣答弁)             

      169--経済産業委員会-2 20080326

 

 

 

○東委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房消費者行政一元化準備室長松山健士君、金融庁総務企画局審議官居戸利明君、金融庁総務企画局参事官三村亨君、総務省大臣官房審議官門山泰明君、国税庁課税部長荒井英夫君、厚生労働省大臣官房審議官中尾昭弘君、厚生労働省大臣官房審議官黒川達夫君、経済産業省大臣官房長松永和夫君、経済産業省大臣官房技術総括審議官塚本修君、経済産業省大臣官房審議官瀬戸比呂志君、経済産業省大臣官房審議官中富道隆君、経済産業省経済産業政策局長鈴木隆史君、経済産業省産業技術環境局長石田徹君、経済産業省製造産業局長細野哲弘君、経済産業省商務情報政策局長岡田秀一君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長西山英彦君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長薦田康久君、中小企業庁長官福水健文君及び国土交通省大臣官房審議官内田要君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 

○東委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田六左エ門君。

 

○吉田(六)委員 委員長を初め委員会を運営される各位に心から感謝をしながら、質問の機会をいただいたことにあわせてお礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございます。

 経済産業政策については、まず明るい前向きなイメージを出せる政策と、それから日の当たらない部分に光を当てる政策、特に、原油の高騰その他、経済環境が厳しくなっている今、世界に向けては日本の経済の健全性と成長力をまずは大きくアピールする、そして内に向かっては塗炭の苦しみの中小企業に手を差し伸べるというこの両面作戦が欠かせない、このように私は思います。

 明るい話としますと、党の政調全体会議で経済成長戦略の説明を受けました。特に事業継承税制、これは梶山理事などが去年の税調のときに先頭に立たれて努力をされたあのことを思い出します。下請ガイドライン、エンジェル税制改正、こうしたことが高く評価をされています。

 今後、甘利大臣のアジア経済・環境共同体の枠組みの下で、アジア、ロシア、このような成長地域との連携、枠組みを強化することが喫緊だと私は思います。

 特に新潟、まあ新潟のことに触れなくてもいいんですけれども、地域的にはアジア、ロシアのゲートウエーということで、今、新潟の東港では貨物船の沖待ちがあります。沖待ちなどというのは戦争直後のアジア、アフリカの西海岸などで行われたことでありますが、何を言わんとするかというと、インフラの整備や通関の効率化が急がれると思っています。

 また、日本の中小企業には宝物のようなすぐれた技術がたくさんある。たくみのおやじさんは、それを使ってアジアやロシアと取引しようというようなところまで思いはめぐらない。インターネットオタクのせがれはパソコンをよく使いますから、ITを利用してアジアやロシアと商売をするということに対して少し支援してやれば、宝物のような技術やノウハウを生かすことができる。

 こんな思いの中で、まず大臣から、アジア経済・環境共同体構想について夢のある前向きな話を、ちょっと御意見をお聞かせいただきたいと思います。

 

○甘利国務大臣 自民党の元気のもとの吉田先生から前向きな御質問をいただいてありがとうございます。

 福田内閣における経済成長戦略というのはかなり壮大な構想がありまして、一言で言いますと、アジアの成長に日本が貢献しつつ、アジアとともに成長していくということなんですね。

 アジアで期待をされるのは、これから中産階級が勃興していく、今は中産階級は三千ドル以上の所得ということで切るわけでありますが、平均年収三千ドル以上ということなんですが、今四億人くらいですけれども、二〇三〇年にはこれが二十三億人になる。

 日本が年収三千ドル以上になったときに何が起きたかというと、いわゆる三Cという、カー、クーラー、カラーテレビが爆発的に売れて、消費が拡大されて一気に日本経済が伸びていった、高度経済成長の真っただ中ということになるんですが、それがアジアで起きるわけなんです。それに日本が深く関与していくということが大事であります。

 ただし、その際には課題がありまして、地球規模でもそうですけれども、アジアでも環境・エネルギー制約というのが当然あります。それから、物流の効率化ということをいかに図るかということがあります。あるいはサポーティングインダストリーをどう育てていくか、あるいは人材の育成というのがあります。これらの課題を解決しなければ夢は実現しないわけであります。

 そこで、日本がスポンサーをして、東アジア、ASEANのシンクタンクをつくるということを歓迎されまして合意をされました。このシンクタンクで国ごとに問題の分析をしているんですね、格差の是正というものは大事ですから。国ごとに、こういう課題がある、あるいは制度設計等について、問題を分析して処方せんを提示する。それに日本がODAとあわせて具体的な実施をしていくということによって中産階級が一挙に拡大していく。そうすると、経済連携とあわせて消費が爆発的に伸びていくという構図ができ上がるわけでありまして、その構想を今立ち上げているところでございます。

 日本は人口減少でありますから、日本の国内消費拡大というのも大事ですが、これには限界がありますから、日本と同じような状況で仕事ができる地域をふやして、そこの中産階級を一挙に取り込むということを構想として掲げているところであります。

 

○吉田(六)委員 ありがとうございました。

 全く我が意でありまして、ぜひひとつ、日本のノウハウ、これをシンクタンクスポンサー、私たちの、余り物のない国ですから、こうしたところで貢献できたらいいなという思いを大きくしました。

 これからは、大臣、大変恐縮なんですが、光の当たらぬ方向の話を少しさせてもらいたいと思います。

 六左エ門は、若い先生方にお願いして、中小零細企業再生議連という議連をつくりまして、図って会長をしております。その中でいろいろと勉強させていただいて、再生成った柴又の川千家、ウナギ屋まで皆さんで出かけていって、一晩ウナギを食いながら、ここのうちがどうよみがえられたのかと、美人のお母さんに酌してもらいながら議論をさせていただいたりしました。

 私たちが考えたところでは、中小零細の再生は、RCC、企業再生機構、この再生とは全く趣を異にするんだ。長年おじいちゃん、お父さんから引き継いだ代紋と看板は大事にしたい。だけれども、余り知恵があったり頭がめぐり過ぎた投機好きのおやじがためにこういう目に遭った。では、お父さんの首を外しても、お母さんとせがれと長年汗かいてくれた従業員とでまたこの看板は守りたいという、RCCのばらばらに解剖しちゃっていいところだけくっつけて、そしてそれにエンジンつけて走り出すというのとは違うんだということを強く感じたところであります。こうしたことを含めて質問をさせていただきたいと思います。

 再生の現場の多くは、金融機関の債権回収とか、あるいは帳簿を格好よくきれいにしたいというようなことで、経営改革が二の次になってしまう。葬式屋はたくさんいるけれども、再生のために力をかしてくれる、知恵を出してくれる、薬を処方してくれる医者がいないという声がたくさんあります。

 どのような機能強化を行うのか。いわゆる再生支援協議会を強化するということについて、経営面の再生を応援できるようになるのか、このことについて伺いたいと思います。

 

○福水政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、中小企業の再生は非常に重要な課題でございまして、地域経済と地域の雇用を守っていくというふうな観点で、現在、私どもといたしましては、全国四十七の県に再生支援協議会というのを設けまして、平成十五年から、地域の実情と企業の実態に即したきめ細かな対応というのを進めてきておるところでございます。

 こういうふうな中で、地域によりましては、再生人材が不足して、専門家が少なくてなかなか対応がしにくいとか、あるいは各県で少し差があるとか、あるいは小規模企業の抜本的再生への取り組みとか債務免除、あるいは企業再生を伴う高度な案件がふえてきている、こういう実態にございます。

 そういうことを踏まえまして、来年度から、来週からになりますが、再生支援協議会の一層の支援機能の強化を行っていこうというふうなことを考えてございます。

 具体的には、全国本部を東京に設けまして、この東京に専門家をプールして、必要に応じて各県の支援協議会を支援、サポートしていくというような話、あるいは処理案件の手続とか基準の統一化を進めていこう、あるいは各地域の常駐専門家、これを増員していこう、こういうふうなことも考えてございます。さらには、再生ファンドの拡充、連携強化、法案を出してございますが、信用保証協会が債権の譲り受けあるいは再生ファンドへの出資業務を実施するというふうな機能強化を行いまして、地域の経済と地域の雇用、実情に合った形で小規模を含めた再生ということに努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 

○吉田(六)委員 全くもって、プロも一人ではできない、チームを組んでオーケストラだという、それを中央に集約して、そしてどこへでも出前をしていく、ありがたい手配だと思います。有効に機能するようにしていただきたいと同時に、コンサルタントフィー、いわゆるデューデリジェンス、直ろうというときに必要な経費、それさえない。弁護士にかかりたいけれども弁護士の銭がない、あれと同じようなことが中小企業の再生をしたいという人にあるんですね。こうした企業の再生を助ける施策も、大丈夫なように国が支援するとか、あるいは相談窓口をつくる、今ちょっとお話ありましたけれども。

 それで、ついでに聞いてしまいますけれども、今のお答えにもありましたが、再生の応援に当たる専門家の育成確保、このことも大事だと聞いていますが、これらについて何か手当てがあればお聞かせいただきたいと思います。

 

○福水政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、デューデリの費用の件でございますが、これも機能強化策の一環として、各地域に常駐専門家というのをふやしていこうというふうな予算措置も講じておりますし、デューデリの費用につきましては、現在、百万円を上限に助成するというようなことをやっているんですが、これもいろいろなところの状況を踏まえまして、三百万円に上限を引き上げていこうというふうなことを考えてございます。

 それから、地域の再生の人材不足という問題につきましては、一つは、先ほど申し上げました全国本部に、そういう弁護士、公認会計士等の専門家を千人から二千人、データベースをつくって地域に御活用いただけるような仕組みをつくっていこうというのが一点。

 二点目は、各地域で再生支援セミナーをやっておりまして、ここ半年の間でも各地域で千名ぐらいの公認会計士、弁護士さん、いろいろな方を集めまして、特に再生に絞ったセミナーで各地域の専門家にノウハウをつけていただこう、そういう取り組みもいたしているところでございまして、いずれにしても、人材の確保は非常に重要でございますので、力を入れてまいりたいというふうに考えてございます。

 

○吉田(六)委員 スピーディーな手当てというのが大事だと思いますので、よろしくお願いをします。

 かわいそうな、難儀な中にも、また談合なんかで手痛いというか、悪いことをしたのでしようがありませんけれども、そうしたいわゆる建設業界、ここも、再生のために営業を譲渡したり、新しい会社の設立あるいは会社分割などをすると、それから民事再生なんかをすると公共事業は一年間指名にならぬとか、やはり、直ろうと思っていい知恵を出すけれども、前の会社の指名権はパアになっちゃうとか、こういったことがあって、こうしたら何とか生き延びられるのになというところが泣く泣く破綻していくという例がありますけれども、これらについて何か手っ取り早い手当てができないものかなということを国交省に質問させていただきたいと思います。

 

○内田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの建設業の再生でございますけれども、事業の再編等が不利にならないよう、また的確に対応できるよう、問題意識を持って私ども取り組んでいるところでございます。

 そのうち、経営事項審査でございますけれども、これは通常は決算日ということでございますけれども、途中で合併等があったときは随時受け付けるというようなことと認めているということでございます。

 また、競争参加資格でございますが、国土交通省の直轄工事におきましては、通常二年に一回でございますけれども、随時受け付けられるようにするとともに、営業譲渡等の前後で資格審査上不利な扱いとならないように、従前の工事実績でございますとか営業年数を認めるなどの措置を講じているところでございます。

 地方公共団体につきましても、総務省と連携いたしまして、このような取り組みをしていただくよう指導してまいりたいということでございます。

 以上でございます。

 

○吉田(六)委員 末端にまできちっと、ここで答弁したことが行き届くようにお願いをいたします。

 次に、地方自治体の制度融資と連携したいわゆる信用保証協会の信用保証についてでありますが、これは去年の暮れから大分ばたばたと頑張ったいきさつがあるんですけれども、地方自治体側の了解が得られないと保証協会の求償権、不良債権といいますか放棄、これが難しいということで、総務省に対してこのことについて大分強い物言いをしてきたいきさつがあるわけであります。

 これは中小零細が本当に助かるための特効薬だと考えておりますものですから、各県において早急に条例整備をするということでと思っているんですけれども、これらの実施に対して、六月議会ということも漏れ伺っていますが、これは決意のほどを聞いて終わりにしたいと思います。

 

○門山政府参考人 御指摘がありました信用保証協会の権利放棄の関係でございますが、総務省といたしましても、この問題は非常に機動的な対応を必要とする問題だという認識を持っておりまして、先般、一月でございますが、各地方公共団体におきます機動的な対応を可能にするため有効な方法ということで、地方自治法の規定に基づきまして、条例で明確な特別の定めを置きますれば、長限りで、知事限りで求償権の放棄の承認、こういうことも行える、こういう手法につきまして、中小企業庁とよく御相談の上で、条例の具体例とともに各都道府県にお示しいたしまして、早急に検討を行っていただくようにお願いしたところでございます。

 現在、各都道府県において鋭意御検討いただいていると思っておりますが、引き続き、中小企業庁と密接に連携いたしまして、しっかり対応していきたいというふうに考えております。

 

○吉田(六)委員 二月議会で何とか条例を全国につくってもらって、そして年度末、新年度に向けてはこれらのことが動き出すのかなと期待した一時期もあったものですから、若干六月にずれ込んだことをざんきに思いますけれども、徹底してこれはやってもらいたいと思います。

 時間が来ましたので、最後に用意をしたものが残念ながら質問ができません。中小企業向けの金融検査マニュアルの別冊の趣旨、これがなかなか十分に理解されていないのではないか、このことについての質問でありましたが、周知徹底に向けて万般の御努力をいただきたい、これは金融庁に希望申し上げて、六左エ門、ありがたい時間をいただいたことに感謝して、質問を終わらせていただきます。

 大臣、ありがとうございました。

 

○東委員長 これにて吉田六左エ門君の質疑は終了いたしました。

 次に、武藤容治君。

 

○武藤委員 おはようございます。

 岐阜県第三選挙区支部、自由民主党の武藤容治でございます。

 きょうは、本当にわずかな時間でございますけれども、こういう形で甘利大臣の所信表明に対して御質問いただく機会をありがとうございます。

 吉田先生には、大変、日ごろ私ども、先ほどの若い人の中の一人に入っているかどうかわかりませんけれども、平生いろいろと御指導いただきながら、今の意味で、日の当たる社会を何とか日本に持っていっていただきたいということと、それから、日の当たらないところへぜひ力を与えてくださいという趣旨というものは私も全く大賛同でございまして、ぜひ私からもよろしくお願い申し上げたいと思います。

 きょうは所信表明ということでございますので、まずは、昨今の様子を見ておりますと、近隣でいえば、韓国大統領がかわり、台湾の大統領がかわり、そして欧州ですとフランスのサルコジさんにかわって、ロシアもかわりということで、いよいよことしは秋にアメリカ大統領選を控えているということで、目まぐるしく世界の政権の異動があるということでございます。そして、とにかく石油が上がり、サブプライムの問題で今大変ドル安で、円高に振れている状況、さまざまなことが日本を駆けめぐっている。その中で、フロンティア精神を発揮されて、大臣が先頭を切っておられるわけでございます。

 今回、所信表明にございました、いわゆるアジアを中心にという形の中で、私も勉強不足でございますので、今までの背景というのは、多分一九九七年のアジアの通貨危機から起こってきた話ではないかと思いますけれども、現在、ある意味で安定した経済成長を日本ができているわけですので、そういう意味では、先人の皆さんの御苦労がここに結実してきたこの所信表明だというふうに思っております。

 若干その辺のことについて、今までの背景も含めて、大臣にぜひその辺の御説明を御教示いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○甘利国務大臣 世界の経済の成長がどこを中心に行われるかということの分析をしますと、アジア、なかんずく東アジア地域の成長、経済成長それから人口の急増とあわせて注目すべき箇所なんですね。

 アジアが世界の経済の成長センターと言われているゆえんは、具体的な数字として、中国はここのところ平均一〇%ぐらいの経済成長をしている、インドは九%ぐらい、ASEANで見ても五%程度の成長はある。それから、人口は中国、インドまで加えますと三十億ということでありますから、大変なマーケットになるわけであります。

 ただし、ほっておいてそのままいくかというと、いろいろな制約は当然あるわけですね。エネルギー・環境制約。日本は世界最高の省エネ技術、公害防止技術というのを持っていますから、アジアの成長に物すごく大きな貢献ができるわけであります。それから、物流を初めとするインフラ整備とか、あるいは制度設計なんかも日本は先を行っているわけでありますから、そういう協力をしていくことによって、アジアもいろいろな制約を乗り越えて成長する。日本もその成長に関与しつつ、一緒に成長していくという構図が図れるんだというふうに思っております。

 もちろん、その一方で、アメリカやヨーロッパも、我々は仲間外れかという思いを抱いてはいけませんから、日本はアジアの一員ですから、アジアとともにというのは、メンバー国でありますから胸を張って言えるわけでありますが、アメリカやEUの橋渡し役、アジアの成長に関与していく橋渡し役も日本がやっていけばいいというふうに思っておりまして、そういう意味で、アジア経済・環境共同体構想というのを今打ち上げているところであります。

 

○武藤委員 ありがとうございます。

 最後にお話しされましたアジアの経済・環境共同体構想、大変御期待させていただくものだというふうに思います。

 私どもも、そういう意味で経済産業省、大臣がお進めになることに対して、精いっぱいサポートといいますか御支援させていただきたいと思いますけれども、地元へ帰りますと、いろいろとやはり問題がありまして、例えば中国産でいうと、最近一番身近にあったのは例のギョーザでございます。それと、この前チベットのラサの暴動もあったということで、オリンピックを控えながら、相変わらずそういういろいろ物騒な話が多いお隣でございます。

 そういう意味で、今言った日本の技術、環境の問題あるいは物流のノウハウというものは、ASEANを中心に、今までの大変長い御見識の中で相当大きなパイプができているのも事実ですけれども、ある意味で、東アジアというところで考えると、安全保障という観点、東シナ海のエネルギー問題もそうですけれども、やはり安全保障の問題というのが大きな、我々としては、やはりしっかりとした議論をしておかなきゃいけないんだろうと思っています。

 私も、そういう意味で安全保障というのは、基地、自衛隊が私どものところにもありますし、彼らといろいろ話していましても、やはり彼らの身分というのはしっかりしてやらなきゃいけない。これは安全保障の問題で、今までの政府解釈というものに対して我々がしっかり責任を持って、国民に対して開かれた議論をしながら、彼らの身分というのをはっきりしたものにしておかなきゃいけない。これは大臣に御質問じゃなくて私の個人的意見ですので、ここだけにしておきますけれども。

 そういう形で、そういう安全保障という問題もとらえながら、東シナ海の問題、中国という問題もしっかりと、物事を進めていく上で一つ大事な穴があいちゃいけないということで、外堀を埋めるという形で大変重要なことだというふうに思います。

 大臣のお立場では、なかなかその辺の安全保障についてはあれでございますけれども、もう一度最後に確認させていただきたいんですけれども、アジアの経済・環境共同体というのは、あくまで、安全保障というのは全くそういう意味で外して、ある意味で前向きな、先ほど、吉田先生が言われるような、日本としてのいわゆる技術なり人間の力というものをそういう形でつくっていこう、そういうお考えでよろしいかどうかをちょっと確認させていただければと思います。

 

○甘利国務大臣 直接安全保障が加わってくるわけではありません。間接的には運命共同体になっていくわけでありますから、そういう意味で間接的な安全保障の枠組みになるかもしれませんけれども、我が省の所管に関して言えば経済に関することでありますから、経済発展をしていく際に障害となることを分析して、処方せんを描いて、それに対する実施スキームを組んであげるということでありまして、そのこと自身が日本の成長にも資するものになるというプランニングであります。

 

○武藤委員 ありがとうございます。

 そういう意味で、平和的な地域連携、これが、アジアというものがこれから世界の中でも本当のリーダーになっていく大きな礎になると思いますので、ぜひそういう形で、大臣はなお一層の御活躍をお願い申し上げます。

 それでは、私もちょっと中小企業という側面のお話をさせていただきたいと思います。

 この所信表明にも、つながり力という形で、大企業と中小企業、あるいは都会と地方と、いろいろ書いていただいております。つながり力というのは、ちょっと私からするとまだぴんとこないところもございますので、その観点で、つながり力というのをもう少し深掘りして御説明いただければと思いますけれども。

 

○甘利国務大臣 総理がつながり力ということについて、従来の日本語でこういうのがあるのかよくわかりませんけれども、強調されていますが、要するに、コラボレーションとシナジー効果というのでありましょうか。

 中小企業に対して大企業が持っているノウハウを伝授する。これは、団塊の世代が大量退職いたしますから、この力をあるいはノウハウを地域や中小企業に活用していく。そういう接点をつくっていく施策というのは、まさに大企業のノウハウと中小企業の意欲をつなげていくことになるわけであります。

 あるいは、農商工連携というのを私は提案しておりますけれども、従来、農業は農業、商業は商業、工業は工業。しかし、これらをコラボレートさせることによって、従来なかったような市場が開ける、商品開発ができる、あるいはマーケティングや、あるいはブランドというような発想が一次産業に入ってくる。

 これもいわゆるつながり力だというふうに思っておりまして、それぞれが個別に存立しているものをコラボレートさせることによって、一足す一が三とか五になるような、シナジー効果もあわせて生み出していこうということであろうというふうに考えております。

 

○武藤委員 ありがとうございます。

 コラボレーションとシナジー効果ということで、大変これも前向きなお考えというふうに思います。

 私どもの地元にも、各務原キムチというのがそういう形で今、コラボとはちょっと言えない内容ですけれども、おいしいキムチを新しく地域ブランドとして創造して、今、大分全国ブランドにもなってきていただいておりますけれども、そういう形で、前向きにどんどんいろいろなところで力を合わせて地域を盛り上げるというのは大変楽しみだなというふうに思います。

 先ほど吉田先生もおっしゃられましたけれども、そういう形でどんどん引き上げて地方が元気になってきていただければいいと思いますけれども、なかなかそうもいかない。やはり、今の石油の問題ですとか、あるいは原材料が非常にぼんとはね上がってしまって、やりたいにも、やはり元気になれない、そういうような企業あるいは業態というのも大変まだ数多く存在しているのも事実でございます。

 中小企業生産性向上プロジェクトというのが、そういう形で、今回の所信表明の中にもございます。いろいろと今まで救ってあげられないところまでさらに手を伸ばして、そういうプロジェクトの中で幾つか、例えばガイドラインをまた新しくつくるとか、下請法の適正化とか、いろいろな意味で支援の手を差し伸べていただいておりますけれども、この生産性向上プロジェクト、これは私としても大変そういう意味では期待をして、これでいよいよ日本の中小企業も幅広く元気になれる素地ができるんじゃないか、こんな思いでおります。

 これについて、先ほど吉田先生もおっしゃられておりましたけれども、一つは、そういう国の政策、いろいろな意味で、中小企業庁も全国にそういう意味で専門員を置いてやられるという話の中で、これは本当に徹底できるかどうか。ここが一つ大きな、やはり景気というものに対して本当の影響が出てくるんじゃないかと思います。

 そういうものに対してのチェックというのが、それもなかなか難しいかもしれませんけれども、そういう形でこれが実行できるものについて、これは事務方の方かな、もしあれでしたら、ちょっと答弁をいただければと思います。

 

○福水政府参考人 お答えいたします。

 昨年来、私ども、生産性向上プロジェクトでありますとか、年末の予算でありますとか、あるいはこの前策定いただきました年度末の中小企業対策につきましても、いかにPRをしていくかというのが非常に重要だというふうなことを認識、痛感いたしております。

 このためには、全国の商工会議所、商工会はもちろんですが、局も総動員して、例えば原油対策につきましては、三十万部パンフレットをつくったり、これを全国に配布したりしながら、あるいはホームページで広報する。そういうことをしながら、いかに私どもの政策が全国四百三十万の中小企業の方々に御理解あるいは御紹介できるかというのを常に念頭に置いて対応しているところでございます。

 

○武藤委員 ぜひ、御期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 さらに、私の個人的意見ですけれども、こういう形の中で、それでもまだ残るというのは必ず出てくると思いますし、逆に言うと、そういうところが四百三十万社の中で大きなウエートがまだあると思います。

 よく、いろいろ地元へ戻って現場で話を伺って、やはり問題が多いというのは、一生懸命頑張っているけれども、どんどん売り上げが減るよね、減っちゃって、気がつくと債務超過になっていますよ、自分が、社長さんが個人保証の判こを押して、私も実はそうですけれども、そういう形で、なかなか元気になりようが、制度的にやはり、金融も含めて、そういう形がなかなか難しい。MアンドAとかいろいろありますけれども、債務超過の中で個人保証の判こを押しているというところがやはり制度的には今難しい、なかなか解決しようにも解決できない問題だというふうに思います。

 今度、事業承継の形の中で、民法にも法務省の御協力で大変前向きな立法ができるというふうに思いますけれども、民法もあわせて、この辺が日本の本当の底力を出す最後のチャンスじゃないかな、MアンドAをいかに有効に進められるかというところが大きなみそではないかと思いますので、吉田先生、また御協力をいただきながら、我が党も一生懸命そういう形で御提案を申し上げますので、政府の方もぜひ御検討のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。

 最後に、時間がないので、あと一つだけ、申しわけございません。(発言する者あり)いや、福水長官を私は信用しておりますので、ぜひよろしくお願いします。

 日本版SBIR制度というのが経済成長戦略のフォローの中で出ております。そういう意味では、先ほど大臣がおっしゃられたような、環境に対しても、新技術ですとか人材とか、いろいろな意味でこれから新しい制度改革、また、今までSBIRもありましたけれども、今回、新しくまた見直すということをお聞きしておりますので、ちょっと具体的にそのことを最後にお聞きしたいと思います。

 

○福水政府参考人 お答えいたします。

 日本版SBIR制度につきましては、平成十一年度から始めておりますが、この前策定いたしました経済成長戦略大綱において一層充実強化していこうというふうなことを決めたわけで、その実現に向けまして現在努力しているところでございます。

 具体的に申し上げますと、現在、毎年各省のこういう中小企業向けの研究開発予算の支出目標額というのを決めてございます。今年度で申し上げますと三百九十億円ということで、制度が発足した平成十一年度が百十億円でございましたので、三倍強にまで増加いたしております。これを各省庁別に公表しまして、一層各省の御協力を得ながら増額に努めていきたいというふうに考えてございます。

 また、特に来年度から予定しておりますが、国が調達をいろいろなところで行うわけでございますので、あらかじめどういう調達についてどういう技術開発が必要かということを私どもが中小企業に示しまして、それに基づいて中小企業からの提案を受け、研究開発を進め、事業化、調達に結びつけていこうという事業を来年度から進めていきたいというふうに思っておりまして、今後とも、この各省との連携あるいは協力を得ながら、日本版SBIR制度の一層の充実に努めていきたいというふうに考えてございます。

 

○武藤委員 わかりました。予算的には随分膨れておられることで、いい意味で、内容的には、国民の目に開かれた形で、こういう使われ方をしていますということの御案内をまたぜひ徹底していただくように、よろしくお願いいたします。

 きょうは、質問時間が大変短い中で、本当にありがとうございました。

 大臣、今の日本は本当に大変な状況にあると思います。幅広い中で、大臣が前向きな気持ちを入れていただきまして、日本が元気になる。ただ、今日本の、オール・ジャパンの力というものを結集するには、やはり各省の連携というのは欠かせないことだと思っております。衆参ねじれとかいろいろ今この中もありますけれども、この辺の日本の発展という意味については、与野党の議員問わず、だれしもがやはり国民の負託を受けてやっているわけですので、ぜひ前向きにひとつ元気な力を日本に与えていただきたいと心から改めてお願いして、終わらせていただきます。

 本当にどうもありがとうございました。

 

○東委員長 これにて武藤容治君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤羽一嘉君。

 

○赤羽委員 公明党の赤羽でございます。

 きょうは、大臣所信表明演説に対する質問でございますので、余り細かいことを問いただすつもりはございません。やはり今、日本経済を取り巻く環境というのは大変厳しい状況がございまして、この閉塞感を突破するという意味では相当なリーダーシップが必要だ、そのリーダーシップをどこが発揮するかという、私は、そこの一番大事なところの役割というか責任は、実は経済産業大臣、経済産業省にあるのではないかというふうに強く期待をしておるところでございまして、そういった意味で、全般における大臣の御所見をきょうは賜ればというふうに思います。

 済みません、通告をしていないんですけれども、ちょっと質問させていただきたいんですが、暫定税率の問題が、この三月三十一日に切れる可能性も相当出てきた。

 実は、私、一昨日、慶応義塾大学の卒業二十五年の大同窓会に行って、駆け寄ってきた友人がおりまして、彼はガソリンスタンドを何軒も経営しているオーナーでして、大変な騒ぎになると。仕入れは全部暫定税率がかかっていますので、しかし、これが万が一切れるということになると、四月一日からの価格を二十五円引かなければいけないというような状況になったとしたら、一年分の利益は全部吐き出してしまうだろうと。もう本当に大変なことになるんだけれども、どうなるんだ、こう言われて、私に聞かれてもしようがない、民主党に聞いてくれというようなことを言ったんですけれども。

 私は、このことについて、しかし、余り何もしないというのは無責任であろうし、民間ベースということで、ビジネスですけれども、このことについて、ほうり出しで現場に任せる、結局その業界の人間が全部損をのみ込むというようなことというのは、やはり政治として責任がなさ過ぎるのではないか、そう思われる方がたくさんふえると思うんです。

 この点について、今、万が一を想定してどうするかということは言えないと思いますけれども、何らかのことを考えられているかどうかというか、そうする必要があるのかどうかということについての大臣の御感想をお聞きしたいと思います。

 

○甘利国務大臣 現在は、議長を中心に与野党でぎりぎりの努力をされている最中だと承知しておりますので、これを見守りたいと思います。

 うまくいかなかったときにどうするんだ、このまま期限切れが来てしまってと、仮定を置いてのお話は今の段階でするべきではないと思うんですが、とにかく一つだけ言えることは、社会的混乱がゼロではいかないと思います。もちろん、最小限になるように最大の努力はするということだけはお話をしておきます。

 

○赤羽委員 本当に不幸な状況にならないことを私も切に願いますし、もちろん大臣のお立場で仮定の話というのはお答えできないというのはよくわかりますが、本当に混乱を最小限に努める努力はしていただきたいということが第一点であります。

 もう一点、済みません、私、これも通告していないんですが、今やりとりがございました、アジアの成長力を取り込むということで、アジア経済・環境共同体ということを所信表明演説の中で御提案されて、私は大変いいことだと思いますが、先日、実は韓国に太田代表と行ってまいりまして、李明博大統領や向こうの経団連の会長ともお会いいたしました。

 その中で、やはり向こうも経済を立て直したい、日本と似たような状況がございますし、本当に同じような状況の中で、日韓のEPAの交渉が二〇〇四年の十二月で中断されている。このことについて、いろいろな問題があるんですけれども、韓国側にもあるんですけれども、しかしこれは、日本と韓国ともにアジアの牽引力になっていくというような象徴的な案件として、ぜひまとめてもらいたいというのが経団連の会長のお話でございました。

 四月の二十日、二十一日と李明博大統領が来られて、首脳会談もあると思いますけれども、何とか、本格的な話し合いというか期限を決めて決着をつけるという前向きなスタートを切るべきであるというのが私の主張でございます。

 同時に、他のアジアとのEPAの状況、私も党のEPAのPTの事務局長をやって、私自身もフィリピン、タイに足を運びましたが、やはり時間がかかり過ぎるという感じがします。総論は賛成なんですけれども、EPAの交渉というのは、各論で各省が窓口となってやるわけですね。そうすると、変な状況が起きて、何というか、いかに日本側から出さなかったのか、これだけ頑張ったからこの役所はよく頑張ったみたいな評価があるというふうに、私なんかは率直に思います。でも、それはEPAの精神としては全く逆で、やはりお互いが出し合って、それで相互のメリットを生ずるという話だと思うんですね。

 日本の農業を守ることは大事なんですけれども、そういう精神だけであるならEPAなんて結ばない方がいい話であって、韓国とのことだけじゃなくて、タイとかフィリピンなんか三年も四年もかかってまだやっているような、たしかそういう状況だと思いますので、ここは経済産業省が今まで以上に旗振り役となって、具体的には日韓のEPAの本格交渉を再開するということと、あと、その他の東南アジア、ASEANとのEPAも、これは甘利大臣が大変な御尽力をいただいているというのを高く評価しながらも、ぜひ一層のお取り組みを進めていただきたい、私はこう思うわけでございますけれども、この点についての御所見もいただきたいと思います。

 

○甘利国務大臣 日本は、ASEANプラス6、東アジア構想というのがアジアにおける目指すべき方向であります。

 そのためには、ASEANを中心に周辺六カ国がEPAを結ぶこと、これはほぼ完成に近づいています。それと、質の高いものにするために、十六カ国の中のそれぞれのEPAを完成させていくということは極めて大事でありますし、東アジアにおける先進国とも言える韓国と日本がEPAを結ぶというのは、どうしても実現をしなければならないことだというふうに思っております。

 過去中断したのには、双方に問題があると思います。韓国側は、日本の農業に対する野心が低過ぎると。交渉する前から結論を出してしまったら困るので、交渉の過程で野心を上げていくべきだと思うんですが、最初からその野心では受け入れられないと。その内情は、やはり日本の工業製品が韓国に押し寄せてくることを警戒したという観測もあります。

 両方の国にとっていいことばかりじゃない、心配事は当然あるわけでありますが、結ぶということを前提に課題を解決していくという姿勢がないと、とてもEPAというのは進んでいかないと思います。課題があるとしたらそれに対する処方せんはどう書くかという前提で、とにかく前へ進むことが大事だと思っておりますし、これには御指摘のようにスピード感が必要だと思っております。

 

○赤羽委員 EPAというのはよく言われるんですが、EPAのメリットというのはどんなものかということを実感している国民というのは極めて限られているというか少ないと思うんですね。ですから、まず、日韓の当面の目標としてぜひ進めていただきたい。

 ちょっとこれは余談になりますけれども、例えばアメリカに行って家電を買おうとすると、松下とか東芝みたいな世界じゃなくて、サムスンですとかLGがほとんど中心を占めているということを実は知らない日本人が大半だと。

 日本のマーケットでLGとかサムスンの家電を使われている方というのは極めて少ないし、ヒュンダイの車、世界でも大変なシェアを持っているけれども、日本では千台ぐらいしか売れていないとか、やはりこれは日本という国の閉鎖性を示しているわけだと思いますし、私は、いろいろな選択肢がふえるということは国民生活を豊かにすることにもつながると思うので、いろいろな双方のデメリットは承知の上で、ぜひEPAを推進していただきたい、こう強く期待するものでございます。

 済みません、これで通告の方に戻ります。

 今の経済状況、先日、民間のシンクタンク十四社によります日銀の三月度の短観がどうなるかという予測が発表されました。

 これは、御承知だと思いますが、一つは米国のサブプライムローン問題の影響による外需の先行き不透明感、二つ目は資源高による原燃料コストの高騰、三つ目が急激な円高による輸出採算の悪化、四つ目が株価下落による各企業財務への悪影響。加えて、個人の現金給与総額というのはやはりマイナス一・八%、消費者物価は一方で当然上昇している。この結果、家計の実質購買力は低下して、個人消費は引き続き低迷を続けている。こういった状況の中で、大企業の製造業、また非製造業の業況判断指数、DIは、前回の昨年の十二月の調査に比べると軒並み約六ポイント低下している。これからの景況感は大幅に悪化をしているという報道がございました。

 昨年、景況感がそんなに悪くない、大企業は、日本は景気回復をずっと続けている、こういった中ですら中小企業の実態というのは大変厳しいものがあったわけですし、地方と東京の差というのは、やはり相当地域格差というのがあるというのは指摘されているとおりでございます。

 私は、この中で、今言ったようなさまざまな取り巻く環境の悪化によって、本当に日本は大変深刻な状況、何とかしなければダウントレンドにのみ込まれてしまう危険性があるのではないかということを、本当に深刻にとらえているわけでございます。

 そもそも論で言いますと、大田経済担当大臣が、日本の経済はもはや一流と呼べる状況ではないと本会議で発言がありました。これは多分、GDPも十年間横ばいですし、一人当たりのGDPはOECD諸国の中で十八位ですか、こういった状況を指してだと思いますが、この点についてまず、余り難しい質問じゃなくて、甘利大臣の御感想というか御所見を賜りたいと思います。

 

○甘利国務大臣 大田大臣の発言がかなり話題になりました。おっしゃるとおり、世界に占めるGDP、日本のシェアが一〇パーを切ったとか、一人当たりが十八位になってしまったということでおっしゃったわけですけれども、自信を失わせるという一方で、いや、もっと頑張れということを鼓舞したんだと、両方のお話があったわけであります。

 私自身は、戦後の荒廃から日本が経済大国になっていった。それは、ほっておいてなったんじゃなくて、やはり我々の先人が歯を食いしばった死に物狂いの努力をしたから、あそこまでいったんですね。

 それ以降、惰性でずっと第二位でいると思っていると、これは間違いだと思うんです。私は、日本は、戦後の荒廃から復興を遂げたような、歯を食いしばった努力をもう一回やるぞと、あれを二十世紀の奇跡と世界が呼ぶとしたら、もう一回、今度は二十一世紀の奇跡を起こすというくらいの覚悟がないと、自然体ではいかないということだと思うんです。

 しかし、その覚悟をすれば、日本はもう一度、一人当たりGDPでも一けたの上位を占めるということは可能だと思います。そういった意味で、前向きにとらえて、もう一回頑張るぞという、鼓舞する檄を飛ばしたというふうに私はとらえさせていただいております。

 

○赤羽委員 今月の文芸春秋の月刊号の方で「日本の実力」という特集がありまして、私は興味深く読んだんですが、いろいろな角度で、角度というか論点でいろいろな議論がされているんです。

 日本の経済力、実力の中のものづくりという点で、例えとして、日本の携帯電話主要八社の合計の売上高は、フィンランドのノキア一社に及ばない、韓国のサムスン電子と八社の合計がほぼ同じである、こういった事実が指摘されているということであります。

 この点について、この現象からどのような分析をし、ものづくりの現状というものを考えられているのか、御見解をいただければと思います。

 

○甘利国務大臣 日本の市場というのは、そこそこあるんですね。一億二千万の人口がいて、日本国内市場で、あるシェアをとれば、そこそこ企業としては成り立ってしまう。このそこそこうまくいっちゃうというところが、踏み出す勇気にならないところがあると思うんです。

 ノキア、フィンランドの会社は、フィンランドの中で商売していたらとても商売にならぬと思います。あるいは、韓国の企業も、世界企業がたくさん育っていますけれども、自分の市場で勝負していたら商売にならないんですね。だから、外に打って出ざるを得ないという勇気を持つんですね。日本の企業も、一億二千万の市場で満足していたら、これはいずれ人口減少で小さくなっていく、だから外に踏み出すという勇気を持たなきゃいけないと思うんです。

 国内市場でのシェア合戦で、世界標準にどう合わせるかということを忘れてしまったわけですね。今、第三世代ですけれども、第二世代では、世界の潮流と別なところで勝負している、日本の国内市場でしか通用しない方式で携帯電話を売っているわけですね。世界は別なルールで動いている。第三世代では、ようやく世界標準で勝負しようということになったわけです。だから、周回おくれで世界戦に参画をしているわけであります。

 それから、世界のニーズも、日本の、私も持っていますけれども、全部の機能のうちの恐らく私も一割か二割ぐらいしか使っていないと思うんですね、要らない機能がいっぱいある。しかし、そこまで日本の携帯はハード、ソフトとも先を行っているんですね。そこを、先取りしているということになるように仕掛けをしていくということも重要だと思います。相当のアドバンテージを持っているわけでありますから、それが生きるような戦略展開をしていくということが大事だと思っておりまして、その辺が足りなかったんじゃないかというふうに思います。

 

○赤羽委員 また、株価の問題についても、米国のサブプライムローン問題というのは、ある意味では世界的な広がりの中で、株価の下落率というのは日本株が圧倒的に悪いんですね。

 その理由というか、もちろん、日本の株式市場は外資が六割ぐらい占めているということだというふうに思いますが、外から見て、日本のマーケットに対する魅力というか、投資先としての魅力が減じているという側面だというふうに思いますが、この株価問題について経産省としてどのように御認識をされているのか、御所見をいただければと思います。

 

○甘利国務大臣 御指摘のとおり、昨年のピークからすると、日本の株価の下落率が一番多いですね。その後がドイツということになっております。

 外国投資家の比率が高い。外国投資家は、日本企業が、あるいは日本経済が、外需依存型であるので外の影響を受けやすい、あるいは円高、為替の影響をもろに受けやすいというふうに思われているんだと思うんですね。大分体質改善はしてきたわけでありますけれども、まだそういうイメージがあるということが一つ。

 それから、日本市場が大きいものでありますから、とりあえず手銭を得るために株を売却する際に、新興市場だと株価の変動が大きいですけれども、日本市場はそこそこ大きいですから、そういう当面の手銭を得るために処分する市場としては日本の方がいいということで、割と安心して売られるという側面もあろうかと思います。

 ただ、私自身が、為替のレートが幾らが適切だとか株価がこれくらいというのは、何か言ってはいけないのだそうでありますが、少なくとも、今の利回りからすれば日本の株は、現在の株価だとお買い得であることは間違いないわけでありまして、それを認識している投資家は、ちゃんと日本買いをするはずだと思っております。

 

○赤羽委員 あと、これから少子高齢化というか、人口減少化がもう始まっているわけでして、この中で今、私は、外国人労働者の問題というものをどう考えていくかということが大変重要なのではないかと思います。

 今、やはり日本政府の基本的な考え方は、知的労働者というかスキルを持った労働者について、制限を加えて門戸をあけているわけでございますけれども、私は、韓国の経団連の会長と話して驚いたのは、韓国は相当外国人労働者を入れているんですね。チーパー労働者というか安価な労働者として、単純作業の労働者ですね。地方の方に行きますと、三割ぐらい、お嫁さんが外国人だというんです。もちろん、中国の朝鮮族の方とか、あとはベトナムとかインドネシアとかというふうに言われていまして、私も驚いたんですが、その経団連の会長は、日本と韓国とよく似ていまして、個人の給与所得が上がらない、ですから、安い労働については外国人労働者を充てて、日本人の職種を上げることによって個人所得を上げることにつながるんじゃないか、だから外国人労働者というのを前向きに考えるべきじゃないか、こう言われました。

 私自身は、前からそのようなことは、無制限にあけるというわけじゃありませんけれども、経済界のニーズというのはやはり単純労働者、日本人の若者ではもうしないような、真夜中の労働もできるとか、ちょっと誤解が生じないように言わなきゃいけないんですが、そういったところを補てんするというのは、私はもう今の経済構造学的には必要なのではないかと。これは、もちろん法務省的にはハードルが高い話なんですが、私は、大臣がどう思われているかということをお聞きしたいんです。

 このことについて、どこかの役所というか、だれかが政府部内で検討するきっかけをつくらなければいけないのではないか。それはやはり、外国人労働者を一番必要としている経済産業界を所管している経済産業大臣にその音頭をとっていただきたい、そう私は考えるんですが、この点について、さまざまな問題があることは承知の上で、甘利大臣の御見解、御所見をいただければと思います。

 

○甘利国務大臣 まず一つ、日本経済の中で、いわゆる単純労働部分がゼロにはできない、そこをどうするかという問題が一つあります。それから、産業政策上、どういう方向に向かうべきかという議論が別に一つあります。

 前者の話は後でお答えをするとして、後者の産業政策論としては、東アジア経済・環境共同体構想の中で、国際分業論というのが必ず前面に出てきます。そのときに日本はどこを担当するかというと、やはり高付加価値政策でないと生き残っていけないと思うんです。よく、経済連携雁行移行型、かりが飛ぶように先頭集団が一つあって、その後ろにつながる集団があって、後ろにまたあってという、日本は先頭で一番最先端の技術を常に開発していかないと生き残っていけないんだと思うんです。ですから、外国人労働者も高知識型というのを活用するという基本路線は、私は失ってはいけないと思うんです。

 前段の話ですが、どうしても残る部分についてどうするかという議論があります。ここは慎重にやっていくべきだと思います。ずっと日本に家族ごと、そういう低賃金労働に携わる人たちがいるとしたら、その格差の問題が必ず社会問題になってきますし、いろいろな国の先進事例を見ていますと、後々悩ましい問題になって余計コストがかかるということもあります。

 でありますから、基本は前段の話でありますが、後段については、研修制度をどう柔軟に活用していくか、そして、その受け入れと出をどうしっかり管理していくか、その辺の議論が必要かなというふうに思っております。

 

○赤羽委員 経済産業省が所管しています、例えば繊維産業なんかは、私の地元でもありますが、もう中国人の労働力なしには成り立たない業界も少なくないと思います。私はやはり、本当にもう生きていけるか、死活問題である業界もあって、法務省みたいな感覚のテンポでいくと生き残っていけない業界が出てくるんじゃないか、そういう深刻さを感じていますので、ぜひ前に進めていただきたい。EPAの中でやはり労働力の問題というのがありまして、あれは介護士とかそういった話なんだけれども、そこですら全く前に進んでいない話がありますので、ぜひこの点についても総合的に進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 最後に、今現場を歩いていますと、中小企業の皆さん、やはり大企業の景況感がこれだけ悪くなっているということは、中小企業というのは何をかいわんやであります。どうも、金融機関からの資金調達が難しくなっている。利率を上げなければいけないと言われたりとか、貸し渋りみたいな話。第二地銀とか信金、信組、これは多分、相当金融庁からも言われていて、不良債権の処理を始めている。

 また、私はやはり、サブプライムローン問題で相当日本の金融機関は傷ついているんじゃないかと思うんですね。(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。

 

○東委員長 御静粛にお願いします。

 

○赤羽委員 サブプライムローン問題で焦げついた銀行が、それを理由に中小企業への貸し付けから何か手を引くというのは、私はやはり筋違いだと思うんですね。金融機関というのは、バブルのときも、自分たちで焦げつかせておいて公的資金を入れたということは、私、個人的には非常によくないというふうに思っておりますが、いつもいつも泣かされるのが債務者である中小企業者というのは、私は、これは金融庁の問題だけではなくて、中小企業を所管している経済産業省としてしっかりやっていただきたいなというふうに思います。

 加えて、昨年の十月に責任共有制度を始めて、最近の資金調達の難しさにつながっているのかどうか、その点についても、中小企業庁としても精査する必要があるのではないかと私は考えております。ですから、ちょっとこの点、現状の資金調達がどうなっているのかということの分析はどうかということと、年度末でございますので、年度末に対する取り組み方。

 また、この通常国会でも用意されていると思いますが、予約保証制度の創設等々が準備されていると思いますので、この点について、経済産業省としての今の方針をお聞かせいただいて、私の質問を終了したいと思います。

 

○新藤副大臣 赤羽先生が御心配のように、私どもも大変心配をしております。原油価格の高騰、それから建築着工件数の激減、着工件数の方は大分戻ってきておりますが、しかし、影響が出てくるのは、これからまだもう少し先にいろいろな影響が出てくるだろうと。ですから、さらに厳しく我々は心配をして、またいろいろな対処をしていかなきゃいけない、このように思っているわけでございます。

 そして、その中で、私どもといたしましては、まず中小企業の資金繰りを支えるためのセーフティーネットの融資・保証、それからリスケ、企業債務の返済条件緩和、こういったものもやってまいりましたし、また下請取引の適正化の促進、こういったことでしっかりとやっていこう、先生御承知のとおりでございます。

 これまでに、セーフティーネット保証につきましては何度も追加業種指定をいたしまして、また期限の延長を図っております。それで、一番新しいのは、きのう、また十五業種、不況対象業種を追加いたしまして、そしてさらに、期限を六月末まで延長しておりますので、実際には百五十九業種、いろいろな支援が手厚くできるようになっているということです。

 それから、下請取引の適正化ガイドラインは、これは現在九業種になります。そして、直近にもう一つ追加されて十業種ということで、しっかりとやっていかなきゃならぬ。

 またそれから、先生が今おっしゃいました最終的な中小企業の資金調達、ここについてはしっかりとウオッチングしながら影響等々も調べてまいりたい、このように思っております。

 

○赤羽委員 セーフティーネットの対象を広げていくというのは、大変重要なことだと思います。

 その制度が実質的に運用されているかどうかという現場での精査もぜひしていただきたいし、現場から、実際借りられないというような声についても、中小企業庁を挙げてぜひお取り組みをいただきたいと強く申しまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

 

○東委員長 これにて赤羽一嘉君の質疑は終了いたしました。

 次に、太田和美君。

 

○太田(和)委員 民主党の太田和美です。まずもって、本日質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。

 さて、本日は、大臣所信に対する質疑ということで、私は、その中でも内需拡大という観点を中心に質問させていただきたいと思います。

 大臣は、昨年の十二月十八日の記者会見において、小泉内閣、安倍内閣、福田内閣と、それぞれの内閣の経済成長戦略の違いについて言及されております。なるほどと思ったのですが、小泉内閣は、伸びるところは伸ばしますという成長戦略。安倍内閣は、置いていかれる中小企業や地域を引き上げていきましょうということに取り組んだ。そして福田内閣は、伸びるところは伸ばす、引き上げるものは引き上げるというのを別個にやるのではなく、相互に関連をしながらスパイラル的に全体を引き上げましょう。例えば、大企業のOB人材をいたずらに海外に引き抜かれて技術移転がなされてしまうというよりも、中小企業の人材として活躍させるようなつながり、仕組みをつくりますというようなお話をされております。

 昨年の安倍内閣当時の大臣の所信演説を今改めて読み返しますと、経済成長戦略大綱の施策を充実強化していくこと、そして、イノベーションによる生産性の向上、イノベーションを通じた成長などの課題に一番力点を置いておられたような感じがいたします。

 私は、昨年の委員会で、イノベーションの成長も大切ですけれども、肝心なのは、格差を是正して消費をふやすことが経済政策の課題ではないかという趣旨の質問をさせていただきました。

 ところが、このたびの所信演説では、イノベーションは第一ではなく第二の課題になり、経済成長戦略大綱に至っては、大綱のタの字もありませんでした。明らかにイノベーションや成長に関して迫力がなくなってきたような気がいたします。

 そこで、大臣にまずお尋ねしたいのは、三つございますが、一つ目は、経済産業行政として、安倍内閣から福田内閣にかけて経済政策にどのような変更点があったのか。また、どこを踏襲し、どこを変えるのか。つながり力といって大企業OB人材の一例が挙げられておりましたが、それは福田内閣の政策全体の本質をあらわしているのか。単なる美辞麗句ではないでしょうか。二つ目に、もし政策の変更があるなら、それはどのような理由によるものか。そして三つ目に、経済成長戦略大綱、これはどのような位置づけになっているのでしょうか。まとめてお答えください。

 

○甘利国務大臣 成長戦略の重点の変更といいますか、ステージアップだというふうに思っております。

 小泉政権のときには、どこもかしこもみんなだめという状況だったわけですから、その中で伸びれるところはどんどん先に行ってくれということで、牽引役をつくったんだと思います。伸びれるところは伸ばしていった。安倍内閣になりまして、気がついたら、取り残されてしまっているところが結構ありますね、これがかなり深刻になっている。中小企業とか地方というのが取り残されている。ここを底上げしていくというのが安倍政権のときの課題であったと思います。

 福田政権になって、次は、伸びていくところ、それから後を追ってくるところ、あるいは、大企業、中小企業、都市、地方、いろいろな経済要素がありますけれども、これをコラボレートさせていく。それぞれが別個に進んでいくというのから、コラボレートして、相乗効果からシナジー効果を生んでいこうという形に、ステージスリーに入ってきたんだというふうに思います。

 福田内閣における目指すべき日本の国の姿というのは、世界の成長センターであるアジアに日本が位置しているということの利点をフルに活用して、アジアの成長に日本が貢献しつつ、アジアとともに成長していくという姿であります。

 そこで、その三点、先ほど、イノベーションが第二番目になってしまったではないかというお話がありましたが、まず一つ目として、つながり力を国内外で発揮していく。つまり、アジアの成長とつながっていくということ。それから、国内においては、それぞれが経済要素になるものをつなげていって、シナジー効果を発揮していくというつながり力。

 それから、二つ目のイノベーションでありますけれども、先端技術あるいは環境技術、あるいは、安全が今一番大きな課題になっていますが、安全を中心とした高信頼性、それから感性の力といいますか文化の力、こういう日本の持っている強みはぐんぐん伸ばしていく。もちろん、この中にはイノベーションが入るわけでありますが、そういう強みの突出をしていく。

 それから三点として、需要を国内外でつくり出していく。アジアには、これから中産階級が一挙にふえていくわけでありますから、相当なものを購入できる所得層が一挙にふえていく。それを取り込んでいくということで需要の取り込み、あるいは需要の創出、取り込みということに力点を置いた経済政策、成長戦略であります。

 

○太田(和)委員 ありがとうございました。

 福田内閣では、平成版前川レポートをつくるのだということで、昨今専門調査会がスタートいたしました。

 言うまでもなく、前川レポートは、二十二年前、輸出主導の成長により巨額の貿易黒字をため込んだ日本経済の構造を内需中心の成長に変えていこうという意図のもとに作成されました。しかし、市街地の再開発で住宅を整備し、地方債の発行で地方公共事業をふやすといった内需拡大策は、土地や住宅の高騰を招いたものの、福祉やサービスを中心に国内でお金が循環する仕組み、つまり国民の生活の質を向上させる経済成長にはつながりませんでした。バブルにより内需は一時的に拡大しましたが、その負の遺産の処理に大きな労力を払いました。

 前川レポート当時と現在で何がどう変わったのかということについて、資料をお配りしておりますのでごらんいただきたいのですが、まず、成長の寄与度ということでは、今回の景気回復局面の特徴は、消費の寄与が著しく少ない。これは賃金の伸びが抑えられているからです。さらに、中国への輸出の伸びなどがあって、外需の貢献度が大きい。過去よりも、むしろ輸出頼みの成長構造になっているわけです。

 次に、全国勤労者消費支出の推移をごらんください。これもバブル後下がり続けています。そして、貯蓄率の推移、これも下がり続けています。したがって、国民がお金をため込んでいるというわけではないということがおわかりいただけると思います。

 現在と八六年の当時を比較してみました。一言で言うと、全くよくなっていないということであります。内需主導の成長ができていないということがその核心だと思いますが、では、なぜ一体これまで内需主導の成長構造に転換できなかったのか。内需主導への転換は延々と言われ続けてきた課題だと思うわけですが、バブルの発生と崩壊、そして米ソ冷戦構造の終結と途上国の台頭による経済のグローバル化といった、前川レポートが想定していなかった事態が起こったことは事実ですが、なぜ転換できなかったのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 

○甘利国務大臣 私は、内需というのをどうとらえるかということを考えた方がいいと思うんですね。国境線で仕切られている日本の国内だけを内需というのか、それとも日本と同じような条件で商売ができるところまで範囲を広げていくべきか、このことをしっかり考える必要があると思うんです。

 というのは、八〇年代の半ばというのは人口がまだまだどんどんふえていって、国境線の日本の中の消費対象人口がどんどんふえていくときです。今を比べると、今は人口減少に向かっていって、国境線でいう日本ということでいえば、消費対象人口がどんどん減っていく中なんですね。減っていく中だけをとらえて内需というのか、それとももっと幅広く、例えばEPAを結んだところを巻き込んで準内需というのか、その辺の発想の転換というのは必要だと思うんです。人口がどんどんふえていった時代の前川レポート、それから人口減少下にある中での新前川レポート、バックボーンが違っていくと思うんです。

 もちろん、深掘りをするというのは大事なんですね。同じ一億二千万の人口でも、技術革新をしていくと新しい需要が出てくる。例えば、携帯電話がなかったときには携帯電話の需要はもちろんありませんから、携帯電話が発明されて新しい需要が追加されるわけですね。もちろん、それによってほかの買うものが減っちゃったというのもありますけれども、相殺してみても全体はふえていくという深掘り効果があると思うんです。

 ただ、経済対象面積を広げていくという発想をこれから持たないとだめだと思うんですね。そういう中で、東アジア全体をEU的な経済共同体にしていくという発想は絶対持っていないと、日本はじり貧になっちゃうと思うんです。

 昔は、外需依存といっても輸出ばかりなんですね、輸出ばかり。今は輸入もあって、純輸出という割合はうんと減っているんです。つまり、輸出もすれば輸入もする。日本から部材とか機能部品を輸出して、外国で製品を組み立ててよそに輸出していく、そういう相互依存関係ができ上がってきていますから、昔の単なる輸出するだけで輸入がないというときと、輸出もあるけれども輸入もあるという時代の外需依存というのは少し意味合いが違ってくるなというふうに思っております。

 でありますから、結論からいいますと、国内経済だけにとどまっていないで、国内と同じような条件で仕事ができるエリアをふやしていく、その中で分業体制をしっかり構築していくということを目指すべきだと私は思っています。

 

○太田(和)委員 ありがとうございました。

 準内需の発想の転換というお話がございましたが、内需を活性化するかぎは、私は個人消費の伸びだというふうに思っております。個人消費が伸びるかぎは、社会保障制度の改革を中心とする将来不安の解消という大きな課題もありますが、それと同時に家計収入が伸びなければならない。大臣、これはこの考えでよろしいでしょうか。

 

○甘利国務大臣 好循環が生まれるということが大事だと思います。つまり、企業の利益が家計に移転をしていく、それによって消費が伸びて企業の物が売れる、売れてまた企業収益が拡大する、拡大した企業収益が家計に移転するという、循環を通じて全体が拡大していくということが大事でありますから、御指摘のとおり、企業収益が家計に移転していくということは極めて大事なことだと私は思います。

 

○太田(和)委員 家計収入の伸びといった場合に、これまで好調な企業収益が家計に今リンクしていません。企業収益の好調さを家計に反映するべきだという言い方がなされてきたと思いますが、福田内閣もそういう考えに立っているのだと思います。

 これは異例のことだとされておりますが、福田総理が経団連に賃上げをお願いしました。甘利大臣もお願いされたと思います。私は、お願いしないよりかはした方がいいに決まっていると思うんですけれども、しかし、お願いをしたんだから福田内閣は国民の暮らしを考えていますとか個人消費を活性化するために一生懸命取り組んでいますとか、そういう言いわけにされてはかないません。隠れみのにされては国民が浮かばれないと思います。

 私が申し上げたいのは、大部分の中小企業は成長の恩恵を受けていない。労働分配率も高どまりで、ぎりぎりのところでやりくりをしております。お願いをされてもこれ以上出せっこないというのが中小企業の本音だと思います。そんな中で、一部大企業の労働者だけ家計収入が伸びても、経済全体への波及効果は極めて少ないわけです。もとからお願いの効果というのは限定されております。だとしたら、お願い以外の手段を考えるべきではないかと。

 企業収益の家計へのつながりは、直接的には労使が決めることですから一律にリンクさせることはできません。だとしたら、その間に政治が入って、政策や制度の改正で対応するべきではないかというふうに私は考えておりますけれども、一例として申し上げます。

 平成十四年から五年間、小泉内閣の間に八兆三千億円の個人負担増がありました。およそ個人消費を活性化させるのと正反対の政策がとられてきたわけですが、このうち所得税の定率減税を廃止した増税額が約二兆六千億です。一方、これはあるエコノミストの試算によれば、二〇〇二年初めの景気回復時から二〇〇七年までに労働分配率の低下を通じて個人から企業に移転した所得は、年率二兆八千億円になるそうです。私は、せめてこの個人から国に移転した定率減税の二・六兆円、そして個人から企業に移転した二・八兆円にちょうど見合う数字だと思うんですが、揮発油税の暫定税率の廃止をすれば二兆七千億円の減税効果があります。大臣はこの問題の御担当ではないのでちょっと質問しにくいのですけれども、個人消費活性化のための緊急対策としても一定の効果があるのではないかと思っております。

 また、海外投資家からは、福田内閣は改革後退内閣と見られているようです。道路特定財源の維持といった政策も改革後退と見られているようでして、そうであるならば、思い切って民主党が提案している一般財源化へ今すぐかじを切ることが投資家にも好感を持って迎えられるのではないかと思っております。

 企業収益と家計のつながりの回復策はあるのか、そして、道路特定財源の一般財源化、暫定税率の廃止について、これは大臣の個人の感想で構いませんので、思うところをお答えください。

 

○甘利国務大臣 余りこういう席で個人の感想をこの大事なときに言うのはどうかと思いますが、それも含めて、暫定税率が廃止をされるとその分歳入欠陥が生ずるわけであります。それをどうするかという問題がもう一つ出てきてしまうのでありまして、二兆六千億、七千億がなくなってしまうと、ほぼ新設の道路はできない、維持管理でいっぱいいっぱいということになってしまう、それの経済マイナス効果ということもあります。もちろん、消費者、需要家にとって、二兆六千億その分安くなるということは消費効果はあるかもしれませんが、一方で、その分の事業が行われないというマイナス相殺効果もあるわけであります。それから、いろいろな混乱が予想されますので、一概に暫定税率をなくした分だけ経済効果があるかということについては疑問があろうかと思っております。

 一般財源化につきましては、これは特定財源を設計するときに、こういうふうに使いますからという納税者との約束がありますから、納税者の理解ということがとにかく大事なことだと思います。納める方はこうしてもらいたいと思ってこの税金を納めているんだからなという話がつきまとうわけでありますから、そこの辺の議論が必要かというふうに思っております。

 それから、家計と企業の所得移転の好循環に関連してでありますが、おっしゃるように、雇用者数の八割は中小企業でありますから、中小企業の従業員の所得が上がらないと消費効果というのは本格的には出てこない、御指摘のとおりだと思います。大企業はいいけれども、中小企業は収益が伸びていない、むしろ減ってきているわけでありますから、ここをどうするか。これは、下請取引の適正化についていろいろガイドラインをつくり、今、ベストプラクティスを横展開している最中であります。

 大企業に関しては、総理も私もお願いをしました、しないよりはいいというお褒めをいただきましたが、収益の上がっているところは家計への転化を図って、好循環をつくり出してほしいと。経団連会長も、それにこたえるように、給与を上げられるところは上げてほしいという話をされたわけであります。

 ただ、一方で、同業の企業の日米あるいは日欧の比較をしますと、外国同業企業は二けた以上の利益でありますが、日本はほぼ一けた利益であります。ここにも問題がある。これは、別に賃金を減らして利益を上げようというのじゃなくて、構造改革の余地があるのではないか。ITの導入をさらにしていくとか、生産性向上に向けてのもう一段の努力が必要だというふうに考えておりますし、日本の企業の大宗を占めるサービス産業は特に生産性が悪いということで、この生産性を上げるための協議会を発足いたしまして、具体的な処方せんを今書いているところであります。

 

○太田(和)委員 ありがとうございます。

 道路の話でいい答えが返ってくるとは期待しておりませんでしたが、ただ、現在は、ガソリン代の高騰を価格に転嫁できずに、中小企業の利幅が極めて少なくなっております。あるいは、車に頼っている地方では、外出を手控えさせ、小売や飲食の需要を減らすような効果が出ております。内需の刺激、景気対策の観点からも、暫定税率の廃止、一般財源化は有効であり、ぜひ再考していただきたい、これは指摘だけさせていただきます。

 先ほどの企業収益の家計へのつながりの話に戻りますが、揮発油税の話だけではなく、例えば、企業の支払い余力を拡大するため、中小企業の法人税をさらに減税するだとか、優越的地位の濫用にさらに厳しい監視体制をとるとか、本来やるべきところはいろいろあると思うのですが、大臣の所信表明を伺っても、個人消費を伸ばし、内需主導の成長に転換するという決意みたいなものが私は感じられなかったというふうに思っております。

 唯一、「需要の創出に向けた戦略的対応」というくだりがありましたから、おっと思ったんですが、要は、アジアで興りつつある中間層、先ほど大臣から冒頭でもお話がありましたが、アジアで興りつつある中間層の新しい消費需要に期待することと、環境や安全、安心意識にこたえる新しい消費需要に対応しようということしかないんですね。

 それはそれで結構なことだと思うんですが、もっと個人の消費に向けた、新しい需要の創出に向けた戦略的対応という考え方が必要なのではないかと私は思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 大臣所信の中で、確かに御指摘のとおり、需要の創出に向けた戦略的対応ということで、特にアジアで勃興する新しい中産階級、これが需要を大きく喚起するというお話には触れさせていただきました。

 もちろん、国内でも、従来からありますけれども、さらに昨今高まっている意識は、安全、安心意識の高まりであります。製品の信頼性に対するさらに厳しい要求が出てきている。しかし、それは、逆にとらえると、そういう商品に対するニーズが上がっているということであります。家電でもトップランナー方式というのを強力に推進しておりまして、今、消費者が家電の店に行きますと、省エネ基準のマークを注視して、これが一番省エネですかと。価格もさることながら、省エネ製品に買いかえようという意識が高くなっております。これは新たな需要の喚起だと思います。

 今後、住宅メーカーにもこのトップランナー基準的なものを導入していって、新しく建てかえるなら省エネ基準を満たしている、省エネ性能のいい住宅というような、新しい消費行動が起きて、それが消費以外にも貢献する、これは具体的には地球環境に貢献するわけでありますが、そういう意味で新たな需要を掘り起こしていく。これは、国内においてもという取り組みを進めていきたいというふうに思っております。

 

○太田(和)委員 御提案をさせていただきたいと思うんですが、私は、サービス業の生産性を上げるということも必要だと思いますが、新たな需要を喚起し、拡大していくことが大切だと考えています。例えば、少子高齢化や女性の社会進出は新しい需要を生み、これが経済成長につながります。これから伸びる可能性が高いのは、特にシニア向けと女性向けのサービス業だと私は思っております。

 きょうは、このうち女性向けサービス業を最後に取り上げさせていただきたいと思いますが、女性の社会進出に伴って、家事の負担軽減、時間の節約が必要になってきました。家事は、長い間、性別役割分業の中で無償労働とされてきましたが、貨幣的価値のあるものとして見直されています。すなわち、ホームヘルパー、ベビーシッターなどの子育て支援サービス、介護サービス、清掃サービス、買い物代行サービス、宅配サービス、昼食などの家事関連サービスがビジネスとして考えられます。一方、女性が自分に投資する余裕も生まれ、エステやマッサージなどの美容サービス、外食、イベント、カルチャースクール、ファッションなどの女性関連サービスも当然拡大するでしょう。

 私は、この可能性のある女性向け市場を掘り起こし、活性化させるかぎの一つは、やはり、同性としてニーズを熟知している女性がこれらの分野でどれだけ会社を起こすか、どれだけ起業していけるかにあるのではないかと考えています。

 アメリカは、今、九百万人以上の女性ビジネスオーナーがいると言われております。これは、アメリカの中小企業庁が頑張って女性起業家に関するデータを整備して、その上で、政府調達の五%は女性がオーナーを務める会社と契約するという連邦取得合理化法や融資機会均等法、女性起業家法などを次々に整備していったから実現したのだと言われております。アメリカの女性起業のほとんどがサービス業です。アメリカは、女性の起業がふえてサービス業が伸びたと言っても言い過ぎではないんだと思います。

 日本でも、厚労省の子育て女性起業支援助成金があったのですが、ことしで打ち切りだそうです。経産省も女性の創業に限定した創業塾にお金を出したり、国民生活金融公庫が低利融資を行ったりしていますが、アメリカと比べると、支援のあり方も規模も全く貧弱と言わざるを得ません。

 大臣、そこで、産活法でちょっと税金をまけるだとか指針をつくるとか、既存の取り組みも悪くないんですが、内需を分厚くするサービス業を活性化するという観点から、女性の起業家への思い切った直接支援、政府調達を割り当てるとか、融資ではなくて助成金を出す、そういう支援に切りかえるべきだと思います。中小企業庁に女性起業家を支援するセクションをつくる、女性起業家の現状やニーズに関する調査を行うということが必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 人口減少下で経済規模を拡大していくということは決して不可能ではない。それはどうするかというと、御指摘のとおり、女性、高齢者、それから若者でまだ経済活動に参加していない人たちを積極的に参加させていくということであります。その際には、雇用者としてということもありますけれども、起業家として経済活動に参加していただくということも極めて大事であります。

 御指摘のとおり、女性ならではという分野はあると思います。男性よりも有利に働く、男性が経営するよりも女性が経営した方が細部にわたって女性の思いが一番わかるからという分野は当然あろうかと思います。それがサービス産業に多いということはそのとおりだと思っております。

 そこで、もうお話がありましたけれども、女性に限定をした創業塾というのをたびたび開催しておりますし、これからも頻繁にやっていきたいと思っております。

 意欲を持っていても、具体的にどうしていっていいか手だてがわからないという人はたくさんあるでありましょうし、それから、業を起こすわけでありますから、とりあえず低コストでその業を起こしていくためのお金の調達が必要でありますから、これは、もう既に御指摘のとおり、低利融資制度というのがあります。

 女性、若者/シニア起業家支援資金ということで、かなり低利で行っているわけであります。国金で五百十九億、このうち女性向けは二百六十億でありますけれども、この施策につきまして、引き続きしっかりニーズを踏まえて取り組んでいきたいというふうに思っております。

 

○太田(和)委員 ありがとうございました。

 本日、大臣の答弁を聞いておりまして、納得するところもありましたが、私は、内需拡大、そして消費拡大への道はまだまだ遠いなと感じたところです。やはり政権を交代するしかないという確信を一層深めたことを申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

 

○東委員長 以上で太田和美君の質疑は終了いたしました。

 次に、近藤洋介君。

 

○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。

 一般質疑の機会をいただきまして、委員長を初め理事の皆様に感謝を申し上げたいと思います。

 早速質問に入りたいと思います。

 大臣、きょうの朝日新聞、一面をごらんになったでしょうか。一面トップ記事、「ガソリン値下げ濃厚 暫定税率期限切れへ」という記事を朝日新聞は一面トップで報じております。各紙の新聞も、ここ一両日、暫定税率が期限切れになる、これは非常に濃厚だというのを各紙一斉に報じているわけであります。先ほど御答弁もされましたが、仮定の質問にはお答えできないということは十分承知の上で、あえてこの問題をお伺いしたい、こう思います。

 と申しますのも、当然国会において与野党が真剣に今議論をしているところでありますけれども、しかしながら、こういった事態が想定されるというのは事実であります。行政の長として、この暫定税率が切れた場合にどういった混乱が、どういった事態が想定されるのか。先ほど大臣、多少の混乱も想定されると、同僚の太田議員への御答弁、暫定税率が下がった場合の効果もあるかもしれぬけれども混乱もあると御答弁をされましたが、具体的にどういった事態になると行政のトップとして想定されるのか、お答えいただきたいと思います。

 

○甘利国務大臣 今は、議長を中心に、もうぎりぎりの懸命の努力が続けられている最中でありますから、ぜひこの協議が結実するように期待をしているわけであります。

 ということが大前提でありますが、それでもなおということであるならば、これはどういう混乱ということに関して言えば、これは一般論として申し上げますと、税率が突然大幅に変更が行われたという場合には、消費者は、買い控えとか、あるいは下がった時点での買いの殺到が予測されるわけであります。そこで供給がショートする等の混乱が生ずる。それから、スタンドにしてみますと、売上高の大幅な変動によって資金繰りが悪化するとか経営に大変な影響が生ずる等々の懸念はあろうかと思います。

 そういったものが生じないように、ぜひ議長を中心とした与野党の協議が実を結ぶことを期待いたしております。

 

○近藤(洋)委員 与野党の協議の内容について、この場で伺うつもりは毛頭ございません。ただ、行政のトップとしてどうあるべきかというのを伺っているわけであります。

 そもそも大臣、この暫定税率、期限が切れるわけであります。これはその大前提として、それの延長を今審議を、与党は、政府は法案を出し、我々は別の法案を出し、議論をしておるわけでありますが、民主党といたしましては、まさにその事態が、先ほど大臣おっしゃったような事態も想定をし、委員長のお許しを得て資料を配付させていただいておりますが、この資料の二枚目と三枚目、ガソリン税は庫出税でございますから、この庫出税について、三月分に、三月にガソリンスタンドさんが元売から買われたものについて、これは高い税金がかかっているわけでありますから、それが四月以降売られた場合の、まず第一点、スタンドの方々の損害。業界の方々からお話を聞くところによると、私ども、きちっと伺いましたらば、七百億円程度の損失も見込まれるのではないか、そういう数字も聞いておるところであります。

 そういう状況にかんがみて、この戻し税を、法案を既に提案を参議院でさせていただいております。これはもう具体的に法案として提案をしておりますし、さらに、経営不振に陥った場合のさまざまな施策も必要だろう、こういうことを党内で議論もしておるところでありますけれども、大臣、行政の長としましたらば、そういった、仮にどういう事態を想定しても混乱が生じないように、こうした手だてが当然必要になろうかと思いますが、行政の長としては、こうした対策を、これは政府としてですよ、与党は、それは当然、与野党間の国会の議論は議論としてやるわけでありますが、当然行政府としてはこの事態にどう対処するか対策を練るべきだろう、こう思いますが、大臣、いかがですか。

 

○甘利国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、政府としては、税制改正法案の年度内成立をぜひしていただきたい、それによって予算編成もなされているわけでありますし、支出も詳細に決まっているわけであります。今、議長を中心として、そのためのぎりぎりの努力がなされているわけでありますので、それをぜひ見守らせていただきたいというふうに思っております。

 一般論として言えば、どういう事態になろうとも、国民の混乱を回避、軽減するということは政府としての務めでありますから、それに向けては最大限努力するということは当然のことであります。

 

○近藤(洋)委員 大臣、お答えをいただきました。

 ここが大事なんですね。最後のところが大事だと思うんですが、一部与党の幹部の方がきのう、与党というと、公明党さんはそんなことは言わないわけで、自民党の元幹事長の方が講演で、もし暫定税率が下がって、スタンド等が混乱をし行列等ができたらば、これは民主党の責任だ、こういうことをおっしゃるんですね。これは全くもって論外であります。というのは、これは全くとんでもない発言でありまして、すなわち、そのような事態が想定されようとも、混乱を回避する最終責任は行政にあるんですね。行政にある、政府にあるんです。国会の議論は議論として行われて、その結果の混乱を回避する責任は......(発言する者あり)

 

○東委員長 御静粛にお願いします。

 

○近藤(洋)委員 静かにしてください。

 その責任は政府にある。これは当たり前のことです。こういう基本的なことをわからない方が与党の大幹部におるというのは非常に悲しいことでありまして、さすが自民党、一部報道では、もうこういった混乱を回避するための方策も自民党の内部では検討しているという報道もありました。ですから、そこはそこで、自民党の中にも良識派ととんでもない方がそれぞれおるのだな、こう思うわけでありますが、ここは大臣、しっかり、最終責任は政府にあるということをもう一度確認したいと思います。

 

○甘利国務大臣 何度も申し上げますが、政府としては、議長が今汗をかいていただいております。議長のもとにある議会でありますから、議長の御努力のもとに事態が収拾されるということを切望しているわけであります。

 何度も申し上げますが、仮定の話で申し上げるのは適切ではありません、一般論として申し上げますが、これに限らず、いかなる事態に関しましても国民の混乱を回避、軽減するというのは政府としてやるべきことでありますし、最大限努力をするということは、この問題に限らず、いかなる問題に関しても混乱を回避するために努力をするというのが政府の責任であるということは、そのとおりであります。

 

○近藤(洋)委員 大臣、これは、こうやって大臣がおっしゃっていただいたことは日本全体にとってプラスになると僕は思うんです。

 というのは、やはり実際、スタンドの方々、きちんとした対応を政府はとるんだというメッセージが伝われば、それはある意味で、在庫が不足するとか等々のことは起きないわけであります。そういった意味でのアナウンス効果というのもあるわけでして、あと残すところわずかもう二週間余りでありますから、そういったことも含めて、きちんとした対応をするのは行政の長として当然の態度だろうと思いますし、これは何も事件、事故ではなくて、そもそも暫定期限が切れる法律だ、こういうことでありますから、当然、その対応を想定しておくということは行政として当たり前で、混乱をするとすれば、それは行政の怠慢のそしりを免れないものでもあるということもあえて指摘させていただきたい、こう思うわけであります。

 本題に移ります。

 大臣、きょうは一般質疑ですので、冒頭、マクロ経済の話を伺いたいのですが、年初以来、残念ながら株価が低迷をしております。一月以来ずっと、日本の株式市場は低迷をしておるわけでありますが、この株式市場の低迷傾向の最大の要因はどこにあるとお考えか、あわせて、現在進んでいる円高について、日本の経済に与える影響についてどのように認識しておられるのか、お答えいただけますか。

 

○甘利国務大臣 日本は、外国からの投資が少ないとよく指摘されますけれども、実は、株主割合で見ますと、外国株主割合がかなりよそよりも高いのであります。その外国株主は、日本経済もあるいは日本企業も為替変動に弱いという認識を持っているんですね。これは随分改善されてきてはいますけれども、いまだにそういうイメージを持っているわけであります。

 そうした素地がある中で、ことしに入って、米国のサブプライム問題、そして米国経済の減速懸念があるわけであります。世界的な株安が進行している。中でも日本は、急激に進んだ円高によってさらに影響を受けるのではないかと懸念する向きが外国株主にあるんだと思います。

 日本の製造業は外国での生産比率がかなり上がってきておりますから、グローバル生産体制の構築ができておりますし、あるいは為替予約に取り組んでいますから、為替の変動の影響は昔から比べるとうんと小さい、受けづらい構造になっているんですが、その辺の認識が外国株主にまだなくて、昔の印象を持ったまま日本株を売るという行動に出ているという点があるのではないかと思います。

 その一方で、専門家に言わせますと、新興市場で手銭を稼ぐために、当面の資金が必要なために株を手放す際には、日本市場の方が規模が大きくて安定しているから、だから日本でより多く売られるんだということを指摘する方もあります。

 それらの事情で、株価の下落率は他国よりも結果として大きくなっているのではないかというふうに思っております。

 

○近藤(洋)委員 大臣、まさに今の日本の一月からの株式市場の低迷は、基本的には外国人投資家の売り越しが続いている、こういうことなんだろうと思うわけですね。

 ただ、大臣もおっしゃったように、私は、円高というのは基本的には歓迎すべきことなんだろう、こう思うんですね。まず、そもそも自国の通貨が強いということはよいことであります。先ほど大臣が、一部外国人投資家等々から日本が為替変動に弱いという認識を持たれているのもあるのではないかという御答弁でしたけれども、実際にはもうそうではないわけであります。

 資料の一枚目をごらんいただければと思うんですが、上の表でありますけれども、これは野村証券金融経済研究所が、各アナリストの方々がそれぞれの企業にヒアリングをした結果の表でありますけれども、すなわち、今もう日本の大企業は為替変動に対する体制を整えているというこの表であります。

 ドルに対して一円円高になった場合、どれだけ経常利益に影響を与えるか、この数字であります。丸をつけているのが自動車と電機・精密、最も輸出の比率の高いところでありますけれども、自動車産業は、二〇〇一年は、一円円高になるとマイナス二・一%、現在はマイナス〇・八四%、こういうことですから、半分以下に為替の変動リスクを抑えている、こういうことでありますね。精密機械に至っては、一・八八が〇・五九、三分の一以下、こういうことであります。

 隣に対ユーロを書いていますが、これも、円がユーロに対して高くなるとマイナスになるわけでありますが、下の表でごらんいただくと、これは要するに、円高・ドル安でありますけれども、世界ドル安ということで、対ユーロについては円は弱くなっておりますので、ユーロ高・円安でありますので、逆に、対ユーロについてはプラスに寄与しているわけです。

 そうすると、今、日本企業の置かれた足元の現状は、私も実際、精密機械メーカーの方々を何社か訪ねてみると、ヨーロッパ圏に輸出しているところは逆にプラスになっておって、はっきり言って、円高、円高と言うけれども大して差はないですよというのが本音のところが実は多いんですね。ですから、国際分業も進んで、まさに円高恐怖症というのからもう全体が目覚める時期であろうし、もっと言うと、円高を機に本当に日本の経済を活性化するこれは大チャンスだということで世界に発信をし、言っていくことが大事なんだろう、こう思うんです。

 その上で、株式市場のことについてお伺いしたいんですが、マーケット、株式市場なんですが、本来、強い円は、どういうふうな印象を、強い通貨は海外から投資を呼び込むはずなんですよね。通貨が強くなっているんだから、海外から投資が来るはずなんです、必ず来るはずなんです。ところが、株式市場が低迷している、外国人が売って買わないというのは、やはりどこか日本の投資環境というか市場というものが問題なんだ、こう思われているんだと思うんです。

 個別の企業がいいというのは外国人投資家もわかっているはずです。それぞれの企業がいい、かつ通貨も強い、ドルが弱い、だから米国投資よりも日本の方がいいというのはわかっているけれども、日本市場に行かない。もっとショックなのは、サブプライムでめためたなニューヨーク証券取引所よりも日本の東京証券市場の方が下落率が高いなどというのは、よっぽど日本の株式マーケットないしは投資環境が不透明だと思われているんではないか、ここに問題があるんじゃないか、こう思うわけであります。このことは、やはり大臣、経済閣僚としても強く認識をされて改革を進められたらいいと思うんです。

 そこでお伺いしたいんですけれども、私は、きょうここの点だけ伺いたいんですが、例えば、親会社が子会社を上場させるいわゆる親子上場の問題。これは大企業が子会社を事業分割という形で上場する。この問題で最近、内外の、これは国内の投資家からも、少数株主の権利が無視されているんじゃないかという指摘を受けております。

 親子上場、親会社が事業展開の中で子会社を上場させる、このこと自体はいいことであろうかと思いますけれども、問題は、独立して上場したのにもかかわらず、実際の経営では親会社の言いなりになっているのではないか。

 俗な言葉で言えば、親会社の貢ぐ君になっているんじゃないか。独立していないんじゃないか。資金調達だけはマーケットからしているけれども、経営の自由度がない。もっとひどい例を言えば、売り出し価格のときに非常に高い価格で売り出しておきながら、数年たって株が下がったら、もうこれは上場廃止ですといってまた買い戻して子会社化してしまう、こういうケースが名立たる大企業で大変散見されています。

 この点については、東京証券取引所も問題視をして、慎むようにということを、既に市場としても、取引所としても問題視しているわけでありますが、この点について、大臣、どのように改善すべきか、認識されているか。

 とりわけ、あえてこのことを伺うのは、あす財務金融委員会で北畑事務次官が参考人として呼ばれているという話を聞きましたが、北畑事務次官が、これはちょっと私は御不幸だなと思うんですが、ある講演で発言をされたのがかなり誤解をされて報道されました。講演録をよくよく読むと、そのようなことはないわけでありますけれども、一部、株主はいかがなものかというところだけが相当デフォルメされて伝えられた。

 ただ、そういう印象を持たれているものですから、会社はステークホルダーのものであるというのは前提としながらも、親子上場等のこういった問題についてもやはり経済産業省としてしっかり対処すべきだと思うので、ぜひ明確なお答えをいただきたいと思います。

 

○甘利国務大臣 北畑次官の発言は、御理解をいただいているとおり、全体の議事録を読んでいただければ極めて妥当な発言でありますが、一部が取り上げられて、一部、話をおもしろくするという意味もあったのかもしれませんが、変な強調になってしまって、そこだけが取り上げられて誤解を生んでいるという点は、御理解いただいているとおりであります。

 この株主利益の保護の視点というのは、御指摘のとおり極めて重要であります。

 お話しの親子上場の場合、いわゆる少数株主、つまり親会社以外の子会社の株主でありますが、この保護の観点から、親会社が支配権を背景にして子会社に対して不利な取引を強要したり、子会社の利益が犠牲になるというようなことは、これは絶対回避をしなければならないわけであります。

 こういう視点、こういう観点も踏まえて、証券取引所においては、上場しようとする子会社について、親会社に対する一定の独立性を有しているかということを上場審査の際の審査要件とするということ等、対応が図られているというふうに認識はいたしております。これをちゃんとやってもらうということが大事なことであります。

 株主利益の保護の観点から、今の現行の対応に加えてさらにどういう措置が必要か、あるいは必要でないかということについては、これはいろいろな意味から慎重に検討をすることが必要だというふうに思っております。既存の枠組みの中でちゃんと措置がとられているかということをしっかりまず検証することが大事だと思っております。

 

○近藤(洋)委員 時間の関係上この点はこれだけで終わりにしますが、問題は、今は、社外重役とか監査役といっても、親子上場の子会社の場合、ほとんど親会社からの出向で占められているというデータもあって、取締役の独立もなかなか担保されていないという実態があるということ。

 新たに法制度が必要かどうかということは、これはもう大臣も大変この問題はお詳しい、さまざまな御経験をお持ちでいらっしゃるから、御認識は共有されていると思うんですけれども、法制度が、法律が必要かどうかという議論は、私どもも検討したいと思うんですけれども、ただ、今の現状が必ずしもきちんとした独立がなかなか担保されていないんじゃないかという問題意識だけはこの場で共有をさせていただきたい、こう思います。

 次に、エネルギー政策を伺いたいのですが、このたび、総合エネルギー調査会で長期エネルギー需給見通しを発表、まとめられました。この中で、いわゆるCO2、地球温暖化対策の対応の試算をされておるわけですが、エネルギー技術の進展がもたらす二〇二〇年の姿というシミュレーションを出されております。これによりますと、二〇二〇年度には、二〇〇五年度比で、あらゆる現在の技術開発等々を駆使すれば一三%最大で減らすことができるというシミュレーションも出されております。

 報告書によると、資料の四枚目でありますけれども、「企業の姿」、「家庭の姿」それぞれ合計でこれを実現するためにはおよそ五十二兆円の負担は必要になる、お金が必要になる、こういうことでありますけれども、この報告書について、大臣、どのように受けとめられているのか。

 一部では、この五十二兆円のお金だけをとらえて、いや、これだけコストがかかるから対策が難しいんだと解釈する人もいれば、いやいや、そうではないという人もいる。

 私はむしろ、要するに、今ある技術力というか、これからの技術開発も含めて徹底的に頑張れば、最大限努力すればここまで可能なんだ、したがって、この目標値に向けて努力するんだ、可能性を探るんだ、そういう大きな政策目標という位置づけなのかなと見ておりますけれども、大臣、この報告書、数値についてどのように受けとめられているのか、お答えいただきたいと思います。

 

○甘利国務大臣 長期エネルギー需給見通しというのは、一定の前提条件に基づいて我が国のエネルギー需給のいわば将来像を示すとともに、今後のエネルギー関連施策の検討と評価の基礎とすることを目的に策定するものでありますが、この二〇〇五年比マイナス一三パーというのは、御指摘のとおり、最先端の技術を最大限に導入した場合にどこまで削減ができるかということであります。いわば、我が国のエネルギー技術に基づく削減ポテンシャルを示したものであります。

 これは、五十二兆円、官民合わせてこれだけのコストが必要。しかし、それを投じる経済効果というのも当然考えられるというふうに思っておりますし、これをやっていけばこういう数値になります、その際には、どれくらいのことまで産業界あるいは国民の努力を要請することになりますという具体的な絵図をかけることになろうかと思います。

 もちろん、これで足りないということであるならば、国民に対してもう相当強制的な措置まで講じないといけないという事態になるわけでありますから、産業界もあるいは国民もぎりぎりの努力をしてこういう姿になるということを描いた図だというふうに思っております。

 

○近藤(洋)委員 おっしゃるとおりだと思うんですね。ぎりぎりの努力でこの姿になるんだ、こういうことだとお話しでございました。

 私はこの五十二兆円、考え方によっては、先ほども大臣少し触れていただきましたが、これは、コストの部分は五十二兆円、家計当たりでいうと一年間八万円とかということでありますが、ただ、まさに技術も蓄積されるわけで、そして新たに雇用も生まれるわけで、そして温暖化に資するわけで、もっと言うと、省エネが進めばエネルギー効率が上がり、例えばその分だけ原油を使わなくても済む、こういうメリットもあるわけで、大きな裏の波及効果、経済波及効果もあろうかと思うんですね。その方向からも非常に大きいんだろうと。

 今回のこの需給見通しでは、まずここの段階なんでしょうけれども、その裏の波及効果の部分も含めてお示しをいただければ、なるほど、五十二兆円、安いものじゃないか。もっと言うと、それだけマーケット、産業ができるんだろう、こういうことなんだろうと思うんですね。

 今、例えば地球温暖化対策で、排出権にキャップをかけて排出権をつくって、国際間で取引をして、金融商品にして、いわば架空の、架空と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、やや、そういった市場をつくって排出権を押さえようとする、マネーゲーム的に押さえようとすることに熱心な方々もいらっしゃいますけれども、私はむしろ、この技術開発によってCO2削減をする、これが本筋であって、これが本来の姿なんだろう、こう思うんですね。

 このことが、先ほど来お話も出ていますが、本当の内需を拡大し、産業も強めるという産業政策上もいいわけで、ぜひ大臣、これを一つの産業政策として、もうこれを目指すんだということで、政策総動員でこの構想を実現する、シナリオではなくて実現するんだということで、省を挙げてこの構想を構築して肉づけすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 極めて考え方を共有するものでございます。

 事実としてCO2を減らしていくということが必要でありますし、そのために技術開発というのが大きく貢献をしていくわけであります。そして、それに投じた費用、コストというのは、技術革新の成果として競争力の強化にもつながっていきますし、あるいは消費の拡大にもつながっていくわけでありますし、もちろん設備投資の拡大につながるわけであります。ですから、投資しっ放しでなくて、それが経済効果として返ってくるということもしっかり見積もることができるというふうに思っております。

 排出権を取引する、それも手法の一つかもしれません。全面否定はいたしませんが、ホットエアの取引みたいな形になってしまってはほとんど意味がないわけでありますから、技術を投入してCO2を減らしていくという具体的な事実と結びついていかなければ余り意味がないと思いますから、この需給見通しは、単なる見通し、それから見込みではなくて、これを実現していくための施策にしっかりつなげていく必要がありますし、そうしていきたいというふうに思っております。

 

○近藤(洋)委員 その意識を共有した上でさらに伺いたいんですが、資料の五をごらんいただければと思うんですが、これは大変意欲的な計画なんですね、そうは言うても。

 というのは、「家庭の姿」で「自動車」のところ、「次世代自動車の加速的普及」と書いているんですが、これは次世代自動車、ハイブリッドカー等々なんでしょうけれども、現在、新車販売で二%のものを二〇二〇年には五〇%にする、二台に一台は次世代自動車にする、こう言っているんですね。現在ストックベースではゼロ%ですけれども、五台に一台は新型、電気自動車も含めてかもしれませんが、プラグインハイブリッド等もあるんでしょうけれども、これにする、こう言っている。

 一方で、太陽光パネルの普及、これもすごいんですね。現在戸建て三十二万戸をわずか十二年後には三百二十万戸にする、これまた新築の七割に導入する、こう書いているんです。

 これは大変なことでありまして、足元の政策を見ますと、大臣、ここでちょっと思うんですが、私はこの委員会でも、この自動車の助成措置、もっと持続すべきだ、広げるべきだ、太陽光パネルの助成措置も何でやめるんだということを過去において指摘しましたが、残念ながら経済産業省はその意見を受け入れてくれずに、助成措置を廃止しているんですね。廃止したままでこんなにどうやって広げるんだ、こう思うわけです。

 ここは、廃止したのは過ちとして、これは直すのは早ければ構いませんから、ぜひそういったことも含めて、この絵姿を実現するなら、やはり政府のある程度の呼び水というのはどうしても必要なんじゃないかと思いますが、そういった措置の検討も含めて、ぜひ大臣、前向きに御検討されたらと思うんですが、いかがですか。

 

○甘利国務大臣 お金があれば何でもやりたいと思っているんですが、制約された予算の中でどう効率を上げていくかということだと思いますが、(発言する者あり)例えば太陽光発電については、技術開発であるとか、あるいは実証事業、導入支援に加えまして、RPS法の着実な執行等を前提として見込んでいるわけであります。

 次世代自動車に関しましては、この燃費改善、技術開発のコストダウンに加えまして、集中的な導入補助、エネルギー供給インフラの整備等を前提として見込んでおります。

 いずれにいたしましても、先月から、総合資源エネルギー調査会の新エネ部会で新エネルギー対策の抜本的強化についての議論を開始したところでありまして、その中でさらなる施策の具体化を進めてまいりたいと思っております。

 太陽光発電について言いますと、世界最大級のものをつくるという宣言をしているわけでありますし、この太陽光発電社会とでもいいますか、その構築に向けてのロードマップの作成を通じて、最大限の拡充を図っていきたいというふうに思っております。

 

○近藤(洋)委員 ぜひ、確かにそれは制約された予算だというのは十分承知の上で伺っているんですが、これは相当の意欲を示されているわけですし、絵にかいたもちにしないためにも、必要な措置は必要だろう、こう思っていますし、先ほど同僚議員からも場外から御発言がありましたように、まさに、そういう意味もあるから、我々は、党としては道路特定財源の見直し、一般財源化というのも主張しておるわけでございます。

 地球温暖化対策という意味においては、この長期見通しでも原子力の重要性が書かれております。国内のCO2削減にせよ地球規模にしろ、やはりこれから原子力発電の活用をするという時代が来ておるわけでありますけれども、同時に、きちんとした原子力発電をオペレートするということは、世界的に、世界各国がそういった体制を整えるということは、我が国にとっても非常に大事なことであろうと思うわけであります。

 そこでお伺いしたいのですけれども、資料の六に「世界の原子力発電マップ」というのが、これは内閣府の資料でありますが、添付させていただいております。世界じゅうで次から次と、現在、原子力発電の構想が出ている。その中で、お伺いしたいのですが、対外的な、日本の技術力を生かすという意味では、政府間の原子力協定をやはり結んでいかなければいけない。

 具体的には、この場でお伺いしたいのは、まずロシアであります。温暖化対策、ポスト京都の議論にもかかわるわけですけれども、ロシア、また次の質問で伺いますがインドも含めて、こういった国々をポスト京都の枠組みに入れることは重要である。そういう大きな文脈の中で原子力の活用というのを位置づける。そうした中でやはり日ロ原子力協定等が結ばれれば、同じ認識で同じフィールドに立てる、こういうことだろうとも思いますし、そういう観点からも、ロシアとの政府間の原子力協定というのは意味があるんだろうと思うわけです。

 大臣、このロシアとの原子力協定、急ぐべきかと思いますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 

○甘利国務大臣 ロシアのキリエンコ原子力長官が日本に来るたびに私のところにやってきます。ぜひ日本と原子力協力をしたいということを当初から申されていました。その際に、私は、そうはいっても、IAEAの保障措置を前提とする原子力協力協定というのが必要ですよと言いました。そうしましたら、そんなことはもちろんわかっている、何の問題もないという反応が返ってきまして、ちょっと私は、もっとかなり抵抗するかと思ったんですが何の問題もないという答えが返ってきたので、いい意味で驚いたのであります。

 今回、望月資源エネルギー庁長官をモスクワに派遣しましたけれども、これはロスアトム、今度ロシアは原子力庁というのがなくなって、ロスアトムという独法みたいなものですかね、そのもとに軍事と民事を全部所管してまとめちゃった、より強力なリーダーシップが発揮できる組織にしたのでありますが、そこのいわば社長にキリエンコ長官が今度なったわけであります。

 そのキリエンコ社長との政策対話を行うと同時に、民間レベルで、このロスアトム傘下にアトムエネルゴプロムという民生をやる会社があるんですが、ここと東芝との間で協力検討に向けた基本合意というのが締結をされました。協力を結ぶと、向こうがバージンウランを処理してくるのは現状でもできますが、日本のものを持ち込む際には当然協力協定が必要になるわけでありますから、まだその前段なわけでありますけれども、この基本合意にキリエンコ社長と望月長官が立ち会ったわけであります。

 そういうふうに、日ロ関係というのは、原子力の平和利用の分野でかなりのスピードで進んでいくんだというふうに思っております。

 今後、日ロ両国が、核不拡散、原子力安全、それから核セキュリティーが確保された形での世界の原子力平和利用拡大に貢献していけるように、日ロ原子力協力協定の早期締結を目指すとともに、両国間政府での継続的な対話を行っていくことが重要であるというふうに考えております。

 

○近藤(洋)委員 ロシアはやはり、濃縮のお話がございましたけれども、濃縮の余力も大変持っているということでもございますし、日本としても、やはりこれはウイン・ウインの関係になるんだろう、こう思っておりますし、まさに平和利用という前提のもとで、そういう査察等の体制が整った国とはきちんと協定を進めていくべきだろう、こう思うわけであります。

 続いて伺います。

 インドでございます。こちらの方はなかなか、NPT脱退、こういうことでもありますし、その事情は私も重々知っておるわけですが、一方で、アメリカがインドとの話し合いを始めている。また、大国でもありますし、日本はまさに非核保有国として原子力発電を許されてきたというその日本独特の立場から、インドとの関係も対話もできるのではないか。

 もちろん、それがゆえの難しさも十分知っておるわけでありますが、このインドとの原子力協力について、現在はまさに、原子力供給グループのNSGですか、この中で議論をされてから、こういうことであろうかと思いますが、この供給グループの中での日本は、インドが各国とまさにそういった協定が結べるような環境づくりに日本として前向きに取り組むお考えがあるのかどうか。その点についてお答えいただけますでしょうか。

 

○甘利国務大臣 インドは、御案内のような状況下にあって、極めてセンシティブな対象国であります。これからインドが人口爆発していく中で、原子力の平和利用というのは地球環境保全の点からも極めて大事だと思います。

 ただ、御案内のとおり、NPTの非加盟国であるわけであります。核不拡散、原子力安全及び核セキュリティーの確保というのが大前提でありますから、これをどう折り合わせていくかということが極めて頭の痛いところであります。

 インドとIAEAの保障措置協定に関する議論の進展というのを注視していかなきゃならないというふうに思っておりますし、原子力供給国グループがあります、NSG、ここでどういうコンセンサスが得られるかということが、事態がどう展開するかにかかわってくるんだと思います。

 インドの原子力平和利用が進むということはいいことではありますけれども、一方で、こういうのどに刺さったとげをどう処理していくかという問題がありますから、これがうまく処理できる道が開けることを願っております。

 

○近藤(洋)委員 インドにしろロシアにしろ、今伺ったのは、いわゆるフロント、原子力用語で、ちょっと私も素人ですから、いわゆるフロントの話といいますか、燃料の調達から原子力発電の建設、運営までがいわゆるフロントの話なんでしょうけれども、この協力の世界が中心なんだろうと思うんですね。

 私は、むしろこれからの世界的な原子力のことを考えると、フロントよりもバックエンドの議論をどうするか。フロントの議論ももちろん大事です。だけれども、こちらの方はある程度、民間の事業、ビジネスなんという議論が中心になってくる部分であって、平和利用という中で政府が前面に出なきゃいけない部分も当然ですけれども、民の世界もある。ただ、バックエンドについては、これは民間事業というわけにはなかなかいかないわけで、より政府でどう考え、対処するか、こういうことだろうと思うわけです。

 そこでお伺いしたいんですが、いわゆるバックエンド、使用済み燃料の処理、保管、再利用等のバックエンドの分野の、とりわけお伺いしたいのは、アジア各国で原子力発電所がどんどんできてくる。いずれ各国、この使用済み燃料の問題に直面をしてくる。この分野について、日本の知見といいますか、そういったものもどんどん生かせるのではないか。もちろん、これまたさまざまな我が国としての制約があるのは十分承知をしておりますが、そういう制約の中でも知見を生かす貢献があるのではないかと思いますが、大臣、御所見はいかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 原子力の平和利用を進めていく中で、どうしてもバックエンドの問題というのは避けて通れない課題であります。

 それはおっしゃるとおりでありまして、これから、各国、各地域で、核不拡散、原子力安全、そして核セキュリティーが確保された形で原子力の平和利用が進んでいく。その際、バックエンドの問題をどうするか。

 日本は、御案内のとおり、IAEAの厳格な保障措置を受け入れておりますから、非核保有国として唯一、使用済み燃料の再処理の実施が公に認められている国であります。認められていない国の再処理問題をどう取り扱うかということがこれから課題になってくるわけであります。

 ただ、国内事情がありますから、簡単に日本がやりましょうというわけにはなかなかいかないところは御理解をいただけるかというふうに思っておりまして、再処理支援に関して言えば、日本は、慎重な取り扱いが必要である、ただ、アドバイスは積極的にしていきたいというふうに思っております。

 今後、いろいろ国際的な枠組みができる中で、日本の貴重な経験を生かしてもらいたいというふうに思っております。

 

○近藤(洋)委員 ぜひ、この問題も逃げずに、なかなか難しい問題であるのは十分承知しておりますが、やはり日本の知見というのを生かしていっていただきたいと思います。

 同僚議員のお許しをいただいて、せっかくなので一問だけ、時間が来ましたが、質問させていただければと思います。台湾の話でございます。

 先日、台湾は新しい総統が誕生いたしました。馬英九氏が総統になられました。中国との経済交流を前面に打ち立てて、圧勝されたわけであります。

 日台関係、資料の最後の七でございますけれども、日本にとって台湾というのは大変大きな貿易相手であります。輸出においても四番目、輸入においても八番目という大変大きなシェアを占めるわけですし、何より実態的に、もはや、先ほど大臣が同じ、内需というのをもうちょっと枠を広くとらえてみようという御答弁をされましたけれども、まさに台湾というのは、ある意味で、日本経済圏という言葉がどうかは別ですが、一体化をしているわけですね。

 実は、私の地元のある大手電機メーカーの半導体後処理工場は台湾企業に買われまして、今立派に操業をしております。そういう意味では、まさに日本の産業と一体化しているわけですが、残念ながら、FTA、EPA交渉、これは台湾と交渉できないわけであります。また台湾も、残念ながら今、EPA、FTA交渉ができない。

 中国と何とかしたい、こういうことで今台湾政府は考えていくんでしょうが、そうなると、EPA交渉が交差する中で台湾だけが取り残されてしまうと非常にまずいと思いますし、日本にとってもマイナスだろうと思うんですが、EPA、FTAが交渉できなくても、それを実質的に補完するような、そういった手だて、工夫を政府としてすべきだろうと思いますが、その点だけを最後伺って、終わりたいと思います。

 

○甘利国務大臣 御案内のとおりの事情でありますから、台湾とは政府ベースでなかなかいろいろな交渉ができないという事情は御案内のとおりであります。

 そこで、民間ベースの枠組みをさらに強化、拡大していくということが大事だというふうに思っております。日台の財界人のフォーラムであります東亜経済人会議、このもとで具体的な協力方策について、日台経済交流拡大、深化のための方策について検討が進められてきたところであります。こうした民間ベースのいろいろな議論を踏まえまして、関係の拡大を図ってきたし、これからもいかれることを期待しているわけであります。

 APECの中では、台湾も国プラス地域ということで参画をされているわけであります。そういった会議の場ではお互い閣僚同士の意見交換もできるわけでありますが、実体経済として、民間の協議機関をベースにして、それを踏まえて経済関係の強化に取り組んでいっていただきたいというふうに思っております。

 

○近藤(洋)委員 終わります。

 

○東委員長 以上で近藤洋介君の質疑は終了しました。

 次に、大島敦君。

 

○大島(敦)委員 民主党の大島です。

 きょうは経済産業委員会で質問させていただくことになっておりまして、若干経済産業委員会とはそぐわないかもしれないんですけれども、新型インフルエンザの経済産業的側面から質問させていただきたいなと思います。

 二年前に一度、ほかの委員会で質問をさせていただいたことがありまして、その当時は、我が国の中で、あるいは国会議員の中でも、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザについての知見あるいは情報というのがそんなに多く広がっていたわけではございません。今は、この経済産業委員会に属していらっしゃる方、そして政府関係者、大臣も含めまして、新型インフルエンザについては危機感を持たれているかなと思っておりまして、その点につきまして、厚生労働省の方にも確認をさせていただきながら、経済産業省としてどういう政策をとっていくのかについて、何点か質問をさせていただきたいと考えております。

 まず、新型インフルエンザ、これは鳥インフルエンザから、鳥から人へ感染して、人から人へ感染すると非常に重大な事態になってしまうということが言われております。その点につきまして、まず厚生労働省の方に、新型インフルエンザのリスクについて、今、国としては六十四万人の方が一回大流行するとお亡くなりになるということが想定をされておりまして、ほかの数字ですと二百十万人という数字もあるものですから、まずその点についてお伺いをさせていただければ幸いと存じます。

    〔委員長退席、梶山委員長代理着席〕

 

○中尾政府参考人 新型インフルエンザについての御質問にお答えをいたします。

 政府におきましては、新型インフルエンザにつきまして行動計画を策定しております。御指摘のとおり、鳥インフルエンザがウイルスの変異により人から人に変異する、そのような新型インフルエンザになった場合の私どもの被害の想定でございますけれども、受診者数で最大二千五百万人、また死亡者数の想定といたしまして、十七万から六十四万人という想定をしております。

 しかしながら、現時点において新型インフルエンザというものが発生しているわけではございませんので、実際に発生をして、どのようなウイルスであるかということによって、また実際の対応は変わってくるものと考えております。

 

○大島(敦)委員 今、厚生労働省さんから答弁いただきまして、いつ起こるかわからないのがこの新型インフルエンザでして、ひょっとするとあしたかもしれないし、あるいは十年後かもしれないし、いつ起こるかわからないというのが、対策について、どの程度までの予算をとってどれだけ一生懸命やったらいいかというところの、なかなかアクセルの踏みぐあいが難しいのかなというのが新型インフルエンザだと考えております。

 ただ、リスクというのは大分高まってきているかとは思うんです。世界で、鳥から人へ感染されている方、あるいは鳥から人へ感染してお亡くなりになった方、人から人へ感染されている方も中にはいらっしゃるという話も聞いているんですけれども、その点につきまして、傾向的に、ここ数年大体同じくらいで推移をしているのか、あるいは地域的な拡大、あるいは、患者の数そして死亡者の数がふえているのか、教えていただければ幸いです。

 

○中尾政府参考人 WHOのデータで申し上げますと、平成十五年十一月以降の発生状況でございますけれども、発生国は十四カ国、患者数が三百七十三人、また死亡者が二百三十六人ということになってございます。

 国別に見ますと、インドネシア、ベトナム、中国、エジプトといったような国が多くございまして、毎年コンスタントにといいますか、毎年症例はずっと継続して発生をしております。本年におきましても、既に二十四の症例が発生し、十九名の死亡があるということでございます。

 

○大島(敦)委員 ここ数年は、患者数なり死亡者数が大体百人未満であるんですけれども、多いか少ないかの数字はともかくとして、前に比べれば大分目立って、地域的な広がりを持って、かつ患者数もふえてきているのかなというおそれがあると考えております。

 その中で、今インドネシアあるいは中国が非常に多いということ。私もある人から聞きましたら、インドネシアの工場なんかですと、鶏というのが財産ですから、鶏を抱えて通勤をされて、鶏を預けて仕事をされる方もいらっしゃったりしまして、インドネシアですと鶏が非常に高価なものですから、鶏をすべて始末することがなかなか難しかったりもして、蔓延しているという情報も伺っております。

 その中で、日本の対策なんですけれども、日本の対策ですとまず、なかなか専門用語で難しいんですけれども、パンデミックワクチンとプレパンデミックワクチン、二つワクチンがありまして、今、通常私たちが香港風邪とかで注射をしているワクチンというのは、これはパンデミックワクチンと言っていいのかな、大流行を経験したワクチンなわけですよ。大流行を経験して、今はやっているウイルスに基づいてつくったワクチンがパンデミックワクチンで、プレパンデミックワクチンというのは、鳥から人へうつって、まだヒト・ヒト感染になっていない、変異をする前のワクチンだと承知をしております。

 そのプレパンデミックワクチンを我が国の中で備蓄する量と、どうしてその備蓄量なのかという点についてお話を伺わせてください。

 

○中尾政府参考人 プレパンデミックワクチンの備蓄の量でございますけれども、現在のところ、医療従事者それから社会機能維持者分といたしまして、一千万人分のプレパンデミックワクチンの備蓄を行っております。また、先般成立をいたしました平成十九年度の補正予算におきまして、また別に一千万人分のプレパンデミックワクチンを購入するということとしております。

 これらはいずれも、医療従事者それから社会機能維持者が打つものという意味で計算をしております。

 

○大島(敦)委員 今の医療従事者及び社会的機能維持者というのが結構ポイントだと思っておりまして、国の計画ですと、まず医療従事者あるいは社会的機能維持者の方に一千万人あるいは二千万人分のワクチンを打って、一応国の機能としては維持しよう、維持している間に、六カ月間から一年間かけてちゃんとしたワクチンをつくって、国民に接種していこうというのが今国の計画だと思うんですよ。これは、国によって考え方が違いますね。

 国によって、例えばスイスですと、国民全体にプレパンデミックワクチンという、今、鳥から人へうつったウイルスをもとにしたワクチンを国民全体分もう用意してあって、ことしの春からはそろそろ国民全体に打ち始めるわけですよ。

 旅行者にも打とうなんということも彼らは考えていて、考えてみれば、世界じゅうからの富裕層がスイスの旅行も兼ねてプレパンデミックワクチンを、これは二回打たなくちゃいけませんから、一回打ってから三カ月後に打つとすれば、そういうことを国全体として、世界じゅうからそれなりの方に来ていただいて、スイスに対して好意的な感情を持ってもらう、あるいは、そこの銀行にお金を預けてもらうということも考えているのかもしれない。

 カナダですと、プレパンデミックワクチンは用意していなくて、タミフルで一応抑えて、パンデミック、ちゃんとした正のワクチンができたときに国民に打つという考え方だと思うんです。

 日本の場合なんですけれども、この一千万人とか二千万人で本当に足りるかどうかの問題があると思うんです。この中に、対策をおくらせている原因が僕は一つあると考えておりまして、二年前に皆さんからお話を伺ったときには、社会的機能維持者の中に議員は入っていなかったんですよ。今回見ると、議員が入っているわけですよ。僕は、ある一面安心したとともに、こんなことでいいのかなと。皆さん、もしも新型インフルエンザが流行して議員が打ったときに、命は助かるかもしれないけれども、次の選挙は危ないと思うんですよ。これは、アメリカでは議員の優先順位は低いと聞いています。

 この点が新型インフルエンザの対策を、意外と議員が安心してしまっているところがあるのかなと思っておりまして、その点についてぜひ、まず一億二千七百万人分しっかり用意をするというのが、これは、審議官が決めるのではなくて内閣官房が決める、これはリスクマネジメントの話なんですけれども、まずは用意することが大切かなと自分は考えています。

 もしも世界的流行になった場合には、我先にと皆さん打ちたがるわけですよ。そのときに、優先順位づけはできないはずです。社会的機能維持者として、例えば電力関係の会社、原子炉の周りの人はワクチンを打てるんだけれどもほかの方たちは打てなかったり、会社の中でも、だれに打ってだれに打たないというのはなかなか難しいと思います。

 その点について、どの程度心の準備が、あるいは、大島さん、そうじゃないよ、そういう優先順位をつければ大丈夫なんだよと思っていらっしゃるのか、審議官、もしも答えられたら教えてくれるとありがたいんですけれども。

 

○中尾政府参考人 国が備蓄しておりますプレパンデミックワクチンといいますのは、現時点の、鳥から人に感染するインフルエンザウイルスをもとに製造しておりますので、その有効性につきましては、実際に新型のインフルエンザが発生してみなければ有効であるかどうかということはわかりません。

 また、ワクチンの生産能力にも一定の限度があるということで、現在の我々の考え方といたしましては、患者を直接診療する、したがって感染のリスクの高い医療従事者でありますとか、それから、社会機能を維持するための治安関係でありますとかライフラインでありますとか、そういった方々を対象にプレパンデミックワクチンを接種するという考え方で来ております。

 この対象者の範囲につきましては、御指摘のように、海外の事例でありますとか、あるいはワクチン等についての科学的な知見の収集、こういったことを今後また進めながら、引き続き検討していく必要があると考えております。

 

○大島(敦)委員 恐らく、この点につきましては、与野党ともに新型インフルエンザの対策のプロジェクトチームが立ち上がっていますので、多分、役所の動きよりも早いタイミングで、国民全員分のプレパンデミックワクチンを用意してくれとか、さまざまな要請が出てくることで対策が進むと思うんです。

 そのときに、今、経済産業省の新型インフルエンザ対策に関する行動計画をいただいて読ませていただきまして、「基本方針」というところがあります。通常は、経済産業省の方は非常にやる気のある方が多いものですから、他省庁の仕事というのをできるだけ奪おうという感じがするんですよ。私も厚生労働委員会に属しておりまして、なかなか、かいま見ていました。でも、今回のこの基本方針は、仕事を奪おうというよりも、厚生労働省とか外務省とか内閣官房からおりてきた仕事を、やっているその範疇の中で準備しているかなという感じがまだするんですよ。それを乗り越えて、やはり私は一つの思想が必要だと思うんです。

 今恐らく、厚生労働省的な論点は、与野党ともにプロジェクトチームができたことによって、ほぼ埋まりつつあるんですよ。これからは、要は経済産業的な観点で、いかにやって我が国の産業競争力を、いつはやるかわからないんですけれども、もしも流行して、流行が終わったときに、それを奇貨として、我が国の機能も維持し、早急に復興をして、周りの国々に対して貢献するという大目標がなければいけないなと考えているんです。

 自分がいつも我が党内で、大島、経済産業部門として対策を考えろと言われているものですから、そうすると、一つの思想として、新型インフルエンザがパンデミック、大流行した後に、その鎮静化後直ちに、パンデミック以前と変わらぬ企業活動が円滑に行えるような対策を講じるという考え方に変えたときに、対策が全部変わってくるわけですよ。

 二年前に私が専門家の話を聞いたときに、ある流通企業の対策の中だと、一番最初に書いてあるのが、我が社は、パンデミック時や大流行のとき、そして大流行が終わったとしても、自分の会社は維持するという明確な思想を持って対策を打ち出してきているわけです。経済産業省あるいは政府として、我が産業をどうやって生き残らせるかという思想が必要かと思うんですけれども、その点について、大臣、あるいは審議官の方に伺えれば幸いでございます。

    〔梶山委員長代理退席、委員長着席〕

 

○塚本政府参考人 先生の御指摘、もっともな点もあろうかと思っております。的確な対策をとっていく、それで我が国の産業の、例えば供給の途絶の回避等、適切な対応をとらぬといかぬと思っております。

 それで、経済産業省、政府全体の対策会議とか訓練とか、積極的に参加しておりますけれども、企業の場合には特に、やはり行動計画をみずからつくって、パンデミックにどうするかというふうなところをきちっとやることが非常に大切と思って、我々、昨年三月に、大臣の本部長のもと対策会議を開きまして、既に九百六十五の事業団体、企業に呼びかけをしております。

 いろいろなエネルギー関係等のライフライン関係、これは既に行動計画をつくっておりますし、それから一般の製造業についても、積極的な取り組みが今始まっているというふうなことですので、さらにそういうことにつきまして、経済産業省としても一生懸命プッシュをしてまいりたいというふうに考えております。

 

○大島(敦)委員 企業のリスクとして、先日も、この新型インフルエンザについていろいろと研究されている損保会社の専門家の方ともお話をさせていただいたりすると、今の日本の企業、さっきインドの話が出ていました、いろいろな企業のファンクション、機能を海外に移しているじゃないですか。システム開発はインドだとか、あるいは経理関係もインドに持っていっちゃうとか、日本だけではおさまらないわけですよ。あるいは、先ほどの海外邦人、要は企業の駐在員の方も、中国とかインドネシアには非常に多いと思っているわけです。そうすると、まず一番リスクにさらされているのが海外邦人だ。特に、企業で派遣されて働いていらっしゃる方だ。

 それは外務省の仕事だから私たちは関係ないんだと言うことも可能かもしれないんですけれども、それよりも、やはり邦人保護、あるいは私たちの企業を維持するためには、例えば先ほどプレパンデミックワクチンの話が出まして、一千万人分の備蓄があります。これは賞味期限がありますから、多分、来年の十月で賞味期限が切れて、一千万人分全部捨てなくちゃいけないという話を聞いております。スイスでは、国民全体にそろそろ、ことしの春口から接種し始めるわけですから。強制じゃなくて、ちゃんとしたインフォームド・コンセントを行った上で、リスクをしっかりとわかっていただいた上で接種をし始めるわけです。

 この一千万人分について、やはり経済産業省さんの方からも内閣官房、内閣の方に、もうそろそろ製品化して、捨ててしまうんだったら、特にリスクをわかる方、これだけリスクがありますよ、打ったらひょっとしたら副作用が出るかもしれませんよ、効かないかもしれませんよということをわかった上で、そろそろ打ち始めてもいいのかなと私は思うんです。そのとき、例えば企業の方、政治家の方も、国民全体に知らせるわけですから、打っても大丈夫なわけですよ。こういうことというのが結構僕は大切だと思う。

 その点について、ぜひ経済産業省から、内閣及び外務省、あるいは厚労省もあるかと思うんですけれども、その点にもう一歩進んだ対策が必要かということを大臣の方からでもアピールしていただくと、対策がさらに進んでいくかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 プレパンデミックワクチンの事前接種については、厚労省が検討を行っていると承知をしておりますが、仮に事前接種が可能な事態に至った場合は、御指摘のように、本人へのインフォームド・コンセントを確保する、その上で、順番からいうとやはり医療従事者、それから社会機能維持者の順になると思います。

 それから、それ以外の者について、我々政治家はどうするのかも含めて、どういう順序で打っていくのか。このプライオリティーのあり方、これは厚労省や内閣官房とも積極的に議論していかなきゃならぬというふうに思っております。

 

○大島(敦)委員 あともう一つ大臣に伺いたいんですけれども、この経済産業省の指針には非常にいい一節がございます。第一章の第四節の「行動計画の見直し」というのがありまして、「この計画を随時見直し、必要に応じて、修正を加えることとする。」という一文が入っております。

 したがいまして、今の基本方針についても、厚労省とか外務省からの下請的な業務ではなくて、積極的に我が国の産業の競争力を、新型インフルエンザが大流行したとしても、産業全体として維持するという思想が必要だと思う。

 この思想というのはやはり、企業は、ビジョンなければ人材なしと僕は思うんですよ。社長、経営者のビジョンがなければ人材は育たない。ですから、我が国の産業の生き残りを明確に提示するということが、そこから導き出される政策が大きく転換していくと思うんです。その点について、大臣の考えを伺わせていただければ幸いです。

 

○甘利国務大臣 新型インフルエンザ対策というのは、一つには、命を救う、健康被害を最小限にとどめるという意味合いがまずあります。それと、御指摘のとおり、社会的、経済的な影響を最小限にする、いかなる事態にあっても経済活動が壊滅的な打撃を受けないという、この二つの意味で大事なことであります。

 経済産業省も、我が国の企業、事業者に対して、こうあるべしといういわば指針というのは示しているわけでありますが、比較論で言いますと、アメリカと比較してまだ足りないんではないかという御指摘もいただいているところであります。

 アメリカとの比較をしますと、必要な項目は網羅されているけれども、実は具体的対策に関して細部にわたっての配慮が足りないんではないか、事業者用のチェックリストがアメリカでは提供されている等、きめ細かな対策が講じられているが、日本はどうなんだという御指摘をいただいているところであります。

 これらも参考にしながら、経済活動が壊滅的な打撃を受けないためにどういう対応をとるかということ、アメリカの例も参考にしながら、関係府省ともしっかり協力して取り組んでいきたいというふうに思っております。

 

○大島(敦)委員 ありがとうございました。

 やはりこれからは、厚生労働省的な観点が一通りには終わろうとしているものですから、経済産業省的な我が国の競争戦略の一環として、これを生き残ることによって、中国とかあるいは朝鮮半島の方、東南アジアの方に十分貢献ができると思うんです。

 そして例えば、プレパンデミックワクチンをつくれるところは、アジアでは日本だけなんです。ワクチンは中国でもつくれます。アメリカで今三億人分、一応用意がしてある。三億人分、今打てるだけのワクチンの原液は持っているんですよ。我が国でも、一億二千七百万、これはつくったとしても一千億円ぐらいのお金なんです。これをさらにふやすことによって、アジアの人からの相当の安心感というのか、我が国の信頼につながってくると思うので、ぜひその点からも、政府の皆さんには御検討をしていただければ幸いでございます。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

 

○東委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時四分開議

 

○東委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。後藤斎君。

 

○後藤(斎)委員 どうもお疲れさまでございます。

 大臣、昨年の新潟県中越沖地震から八カ月少しが経過をいたしました。その後、ホームページで拝見をさせていただいていると、いろいろな点検作業が進んでいるというお話を聞いております。

 昨年の八月の十七日に、このベースとなる地質調査についてというプレスリリースが公表されております。それによると、周辺海域、周辺陸域、敷地内ということで、本年三月末、ですからあと一週間余りですべての地質調査が終了予定だというお話を聞いています。これは、これから本格的な点検、運転再開に向けてベースになるものと承知しております。

 一方で、後ほども触れさせていただきますが、地球温暖化ということでCO2の削減ということで、原子力発電が非常にクリーンなエネルギーということは言うまでもないわけでありますが、この間の、やはり八カ月間、代替エネルギーとして石炭や石油をもう一度再稼働させてエネルギーの安定供給をしているという部分で、CO2もその間で、原子力発電所が柏崎刈羽でスタートしていれば、二%から四%CO2が逆にふえているというふうなこともあります。

 大臣、どのような条件が整えば、この再開というのがめどがつくんでしょうか。そして、その場合、七基全部一緒に八百万キロワット強を運転再開ということじゃなくて、当然、点検が済み安全性が確認された発電機から運転再開をするというふうに想定をしますが、その点についての現状と再開の条件も含めて、地球温暖化対策とあわせて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

 

○薦田政府参考人 お答えいたします。

 運転再開の条件等々でございますけれども、柏崎刈羽原子力発電所の運転再開に当たりましては、まずは安全の確認が大前提ということでございまして、安全確認ができて初めて運転再開に向けた議論が可能となるものと考えておるところでございます。

 現在どういうことが行われているかということでございますけれども、まず一つは、今回の地震におきましては、事業者によります消火活動や地元等に対する情報提供に問題があったということでございまして、こういう自衛消防、そして情報連絡、提供のあり方につきましては、既に委員会が設けられておりまして、その中で結果が出ております。ことしの二月に報告書が取りまとめられております。

 事業者におきましては、この報告書に基づきまして現在改善工事を進めているところでございまして、保安院といたしましても、この事業者を適切に指導しつつ、地元消防との連携、そして消防設備の整備、オフサイトセンターの活用、そして現地への応援体制の整備などの対策を着実に実施していくというのが一つございます。

 また、今先生からお話がございましたように、この発電所の安全の確認のためには、地震の影響を受けました設備、これが健全性を保っているのかどうかということの確認と評価が必要であるわけであります。

 原子力安全・保安院といたしましては、現在、東京電力から七号機と一号機、この七台のうちの二台につきまして報告を受け、我々といたしましても、この点検状況につきまして立入検査等によって直接確認を行っているというところでございます。今後、調査・対策委員会の下に設けられましたワーキンググループ等の審議を踏まえつつ、この健全性について確認をしていくということでございます。

 それからもう一つは、この発電所が今後耐震安全性をちゃんと持っているのかということで、この確認をしていくことも重要でございます。先ほどございましたように、東京電力が地質調査等を実施しているところでございますけれども、さらに厳格に確認を行うために、原子力安全・保安院といたしましても、中越沖地震の震源周辺海域におきまして海上音波探査を実施したというところでございます。

 これらの調査結果と、それに基づいて策定されます基準地震動、さらに、当該基準地震動に基づきます施設の耐震安全性の評価結果につきましては、今後事業者からこれが提出されるというふうに思っておりますけれども、私どもといたしましても、専門家から成る委員会等に諮りながら厳格に確認をしていきたいと考えております。

 保安院といたしましては、現在こういう状況につきまして、一月十二日には柏崎市、三月一日には刈羽村におきまして、地元の皆様に向けた説明会を開催しているところでございます。今後とも、一カ月に一回のペースで地元に定期的に説明をしていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

 

○後藤(斎)委員 今、院長がお話しした部分は、もちろん安全性の確認というのが大前提であることはわかっているつもりですが、午前中も近藤委員からも、長期エネルギーの需給見通しというこの需給部会の資料によっても、二〇一〇年度の現行対策並びに追加対策の部分でも、原子力発電というのは、発電量レベルでも二〇一〇年には三五%というふうな形になっています。

 多分、今の時点で推計をすると、八百万キロワットが全部とまっているわけですから、発電ベースで二〇一〇年度に五千十四万キロワットということですから一四、五%が、二〇一〇年までに全部が再開できないとこの数量には基本的には達しないというふうに思っています。

 ですから、環境という問題、地球温暖化イコールの部分もございますが、それとエネルギーの安定供給、それが、安全性の確保ということが大前提の中で、大臣、やはりできるだけ再開の条件というものを明確に条件設定をしながら、東京電力が事業者としてやるのは当然かもしれませんが、やはり経済産業省全体、大臣がリーダーシップをとって、運転再開に向けて最大限御努力をしていただくことが必要だと思いますが、大臣、その点についてはいかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 御指摘のとおり、柏崎刈羽の原発は、日本の電力の安定供給並びに地球温暖化防止にとって極めて大きな役割を果たしているわけであります。しかしながら、原子力発電所の再開というのは安全の確認が大前提でありますし、それを地元の関係の皆さんに確認をしていただくということが前提であります。毎月一回ほどの定期的な説明会を開催しているところでありますし、しっかりと安全確認の手順を追って地元の皆さんの御理解をいただいて、できるだけ早く再開をしたいというふうに思っております。

 

○後藤(斎)委員 ぜひ、そのできるだけ早いという部分を住民の皆さんの合意形成の中で達成ができるようにお願いをしておきたいと思います。

 大臣、昨日の新聞でかなり、全国紙、地方紙を含めて、公示地価の記事が載っておりました。これについてはいろいろな見方がありますが、私が住んでおります山梨では、バブルが崩壊して十六年連続で地価が、商業地、住宅地、一部〇%ということで前年並みのところもありましたが、ほぼ基本的には一気通貫で下落をしているというふうに報道されております。一般的に言えば、都市部を中心に商業地、住宅地に上昇している部分もありますが、やはりこれは、昨年のちょうど今ごろにも御質問をしておりますが、都市と地方の格差という、この格差の問題、それと魅力ある商業地域、住宅地域が形成できているかどうかという地域資源の固有の問題、いろいろ分析の仕方はあると思うんです。

 大臣、ここは、後で金融の部分でも触れさせていただきますが、やはり土地担保というものが、売り掛け担保や在庫担保というものに担保の部分が一部移っているものの、運転資金や設備資金を金融機関から借りるときには土地担保というものが大きなウエートを占めているというのは事実であります。

 その部分で、大臣、この公示地価、地域格差が拡大をしているし、さらには大都市でも減速の予兆ということがかなり報道されておりますが、その点も含めて、この公示地価の部分をどのように御評価なさいますでしょうか。

 

○甘利国務大臣 三月の二十四日に公表された公示地価では、全国平均で、住宅地、商業地とも二年連続上昇をしました。地域別では、三大都市圏の地価が二年連続で上昇した、しかし、昨年後半、上昇基調は鈍化したわけであります。一方で、地方圏の地価は御指摘のとおり十六年連続で下落をしています。ただ、下落の幅は縮小しているということであります。

 しかし、我が国経済がここのところ回復が足踏み状態にありますから、これがさらにこの地価の動向にどういう影響を与えるか、注視をしていかなければならないというふうに思っております。

 まだまだ土地担保の融資が大宗を占めるというお話でありますが、そうではありますが、土地担保あるいは第三者保証に過度に依存しない金融をしっかり構築していく。民間金融も含めてその目きき能力が問われているわけでありますから、担保依存型ではなくて、その企業の将来性、経営者の意欲等々、金融機関、貸す側が目きき能力を発揮して、一緒に企業を育てていくという部分を強化していかなければならないと思っております。

 

○後藤(斎)委員 やはり地方の部分の活性化、これは地方経済だけではなくて、中小企業等、表裏一体である部分もありますけれども、大臣の所信にもございますように、ことしもいろいろな法的な改正、制度的な変化も含めていろいろな御努力をされているのは評価をいたします。

 大臣、これはこの次にも御質問をさせてもらいたいんですが、資材価格、原油も含めてどんどん材料が上がってしまっている。では銀行はトータルで実際、大臣がおっしゃったように目ききをきかせて融資をしているかというと、そうではないという部分がある。ですから、地価がやはり、以前のように一〇〇%近い形で土地に依存をした融資が行われているというふうに私も思っておりませんが、やはり地価の下落に歯どめがかかる施策というものはまさに経済対策、景気対策、景気が回復する、個人も企業も、というところに尽きるんじゃないかなと思うんですね。

 ですから、国土交通省が公示地価というのは当然所管をしているわけですが、やはりここの部分、要するにストックの部分をどうベースにしてこれから変化をしていくのか。これは不動産証券化という問題も含めて、いろいろな意味でお金がその不動産証券の部分に集まって、東京のこの永田町、霞が関の周りには高くて立派なビルがたくさんでき、地元でも、私の山梨でも県外の資本がマンションを中心に住宅をつくっていますが、それもこの半年間くらいでかなり減速をしてきたような感じがするんです。

 それはやはり、ベースに、これも午前中からの議論にもございますが、大臣の所信でも触れられているように、やはりこれから人口が減少するというときに、大臣がおっしゃっているように、内需、要するに外需も含めた連動した内需というものも両面でやっていかなきゃいけないというふうなことをやはり地価という部分でも、例えば経済産業省も、例えば一つだけの家を持つのではなくて、セカンドハウス的、サードハウス的な、いろいろ持てる、それには個人消費、給与所得が改善をしなければいけない、すべてが連動しているというふうに私は思いますので、ぜひそういう意味での、公示地価というか、土地の価格変動というものも経済産業省としてきちっと見るように督励をしていただければというふうに思っています。

 大臣、直接の部分にちょっと入らせていただきますが、原油の問題であります。

 これは後でいろいろなお話をお聞かせいただきますが、昨年の十二月二十五日ですか、ちょうどクリスマスの日に、原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議で、大きく六項目に柱を立てて、緊急対策の具体化ということでお取りまとめになられております。

 その十二月のちょうど末よりも今の原油価格の方がやはり高どまりをした。当時も御質問させていただきましたが、国際相場ですから変動もするだろうということで、確かに一時期、バレル九十ドルくらいまで落ち込んだ時期もありますが、きょうも百ドルを超えている。瞬間的には、三月半ばにバレル百十ドルを超えたということで、やはり供給構造、需要構造がこの数年間で大きく変化をしたということを考えれば、これも長期見通しの需給部会の中にも、長期的に見ても、現行水準よりもエネルギー価格は上昇していくだろうというふうなことも記されておりますが、やはり大臣、この六項目、確かに網羅的で、それぞれの部分に配慮をした対策かもしれませんが、やはりこれがさらに進んだ原油高という中で、追加的に対策を講じて、今の中小企業、家計、消費に大きく影響を与えている原油高という問題を、政府として、何らかの施策を講ずるおつもりはございませんでしょうか。

 

○甘利国務大臣 原油高及び資材価格の高騰あるいは建築基準法による着工のおくれによる影響等々、中小企業がかぶっている影響はかなり大きなものがあります。原油を含めて、中小企業がこうむっている影響の緩和のために、業種を指定しまして、これをセーフティーネット保証・貸し付けの対象としてきたわけであります。今般もこの対象業種を拡大しまして、およそ関係してくるであろうところの資金的な支援策を組んでいるところであります。

 あわせて、下請取引の適正化ということで、業種ごとにガイドラインをつくりまして、ベストプラクティスを共有できるようにパンフレット等もつくったわけでございます。このパンフレット、三十万部ほど作成をしまして、中小企業関係団体を中心に、今その徹底に努めているところであります。

 今後とも、対象業種の見直しについては柔軟にやっていきたいというふうに思っておりますし、あるいは下請取引の適正化についても、原油や資材価格の高騰がきちんと価格に反映できるように、元請とのスムーズな協力関係の構築について取り組んでいきたいというふうに思っております。

 

○後藤(斎)委員 企業の倒産ということにちょっと関連させて、中小企業の問題を質問させていただきたいんです。

 大臣、二〇〇七年、これは年度でもどちらでもあれなんですが、倒産件数が一万件も超した。前年比一七%、二〇〇七年の倒産件数だというふうに報告をされております。この突破というのは、業種別に見ると、これも以前に触れさせていただきましたが、特に建設、小売、サービスという企業の倒産が多く、なおかつ、不況型倒産ということで、八千四百四十四件、前年比二二・二%ということであります。これは、不況型倒産というのは、販売不振ということが不況型倒産の大宗を占めているという分析がございます。

 あわせて、大臣、これも今原油の話と地価の話もさせてもらいましたが、やはりそれに加えて、先ほど大臣も御指摘をされたように、建築基準法の改正で審査が厳しくなったということに加えて、本当に普通の市中金融、金融機関で借りられなかったような、貸金業の改正みたいなものもプラスになって、こういうことになったというふうに、倒産件数がふえたというふうにも指摘をされています。

 やはり消費が国内で低迷している。確かに製造業のように海外に市場を求められる部分は、まだ頑張ればできる部分があるかもしれませんが、やはり建設業にしても、例えばサービス業にしても、供給主体、供給事業者が過多になっているという部分も大変あるんじゃないか。

 ですから、販売価格に、例えば仕入れ価格、原材料が上がっても価格転嫁できないというふうに、特に中小零細では、七八%くらいの方がほとんど価格転嫁ができないというふうな統計もあるようであります。

 やはりそういう意味では、この倒産というものが、これは昨年も御指摘をさせていただいたように、逆に、倒産する会社があっても、では新しく創業する会社がたくさん出てくれば、これは企業としたら、地域も国全体も活力がある経済状況というふうに当然言えると思いますが、実際そうなっていない。昨年もいろいろな法改正や新規予算をつけながらやったものの、では、廃業よりも倒産よりも新規に創業なさる方の企業数の方が多いかといえば、なかなかそうなっていないという、これは現状だと思います。

 ですから、やはり倒産が目立ってきた、それも、なおかつ、その倒産というものが不況型倒産であるということは、いかにイザナギ景気をまだ続けて超えているといっても、実際の現場というかそれぞれの企業の現場ではそうなっていないという部分を、もっとやはりシビアに見ながら、先ほどの原油価格高騰に伴う中小企業緊急対策というものをさらに充実した部分にしていく必要があると思うんですが、大臣、その点についてはいかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 御指摘のとおり、ここのところ、倒産件数は増加している。一方で、新規開業の拡大がそう顕著な数字で上がってきていない。でありますから、日本全体として、企業数が減りつつあるということになるわけであります。

 十八年の倒産件数は、前年比で一〇二%、二%ふえているわけでありますし、十九年度は、その前年と比べても、一〇六・二パーですから、六・二%増加をしているわけであります。ここのところ、倒産件数が増加基調で推移をしているわけであります。この原因は、もうお話がありましたように、原油、原材料の高騰であるとか、建築着工件数の減少が主要因の一つというふうに言われているわけであります。

 こうした中小企業の倒産に対する対策、取引企業が倒産することによって巻き添えを食うということになりがちでありますが、これを極力防いでいくために、取引企業倒産対応資金の融資やセーフティーネット保証、それから中小企業倒産防止共済制度を実施しているわけであります。

 一方で、新規開業が拡大をしていない。この拡大を図ることが重要なことは言うまでもありません。そこで、創業に関する知識、ノウハウの習得を目的とする創業塾であるとか、無担保、無保証人で融資を得られる新創業融資制度であるとか、あるいは再チャレンジをする起業家の資金調達を支援する再チャレンジ支援融資制度等による創業、再起業の支援に取り組んでいるところであります。

 原油、原材料高の影響がなかなか深刻であって、これを完全に払拭し切れないでいることは事実でありますが、できるだけ業種認定についても柔軟な姿勢で取り組んでいきたいと思いますし、期限が来たものについて、その延長についても、従来もそうでありますが、これからも景気動向をしっかりと見ながら、フレキシブルな対応をしていきたいというふうに思っております。

 

○後藤(斎)委員 では、話をちょっと一番初めの部分に戻させていただきたいんですが、地球温暖化というのが待ったなしだということは言うまでもございません。

 きょうの読売新聞をたまたま朝読んでいましたら、十面に、次世代型電気自動車、来年にも販売ということで、一キロメートル走るのに電気代が二円、CO2わずか。ゼロではないようですがわずか、ほぼゼロらしいんですが。これが来年には二つの会社から、価格帯で大体二百万から三百万円、一充電で八十キロから百六十キロ走れる。これは日本が一番得意なリチウムイオン電池を使っているという記事を拝見させてもらいました。すごいなということで、私も、価格がこのくらいだったら、もしかしたら貯金をすれば買えるかなというふうに思ったぐらいなんです。

 その次に、二〇一〇年代には、高性能ということで、一回の充電で二百キロ、価格ももう少しお安くなって二百万円以下、二〇二〇年代には、本格的な乗用車タイプということで、価格はガソリン車並み、一回の充電で五百キロというふうなことで、技術革新、ぜひこんな形でできていったらなと。それがもう来年ということですから、本当にもう目の前かなというふうに思っています。

 これは、先ほどもちょっとお話しした長期エネルギー需給見通しのこの部分では、特に運輸部門、これは貨物と旅客、普通の私たちが乗る自家用車の二つを合わせたもののようでありますが、ここの部分はやはり、ガソリン車、軽油も含めて、石油依存度ほぼ一〇〇%ということで、よく言われているように来週の四月一日になると京都議定書の第一約束期間がスタートするということで、現行では、この運輸、民生部門は一番CO2を基準年よりもむしろ出してしまっているというところであります。

 ですから、この次世代型電気自動車のような、無公害、CO2をできるだけ出さないような部分に早急に切りかえることが必要だと思います。これは、大臣もお乗りになっているハイブリッド車も含めて次世代型自動車という定義になっているようでありますが、継続的に次世代型自動車の導入をしていくと、二〇二〇年、十二年後には、最大導入ケースで保有台数の二〇%、販売では約半分がその部分になるということ、二〇三〇年には保有台数の四割、販売台数の七割ということであります。

 今、保有台数というのはそろそろ打ちどめかなというふうにも言われていますが、自家用車、トラックを含めて、二輪車も含め、大体八千万台、保有台数というのはございます。一年間に販売をされているものは、前々回もちょっと委員会でお話をさせてもらいましたが、最近、新車の販売台数は減っておりますが、それでも大体六百万台くらいが自家用車、軽も含めて販売がされております。これがいずれピークを当然迎えていくわけですが、やはり燃費の向上というものがこの電気自動車も含めたハイブリッドカーで行われていく。

 さらには、いわゆる公共交通機関の利用促進ということでも、八百万キロリットルの省エネの想定を二〇三〇年ベースでされておる。あわせて、これはいずれかの時点で閣法でも議論をされるバイオ燃料の積極的な利用ということで、非石油系燃料が七百万キロリットル導入されるという、そんな想定で、二〇三〇年に運輸部門の石油依存度を八〇%程度にすることを目指すということになっています。

 大臣、これはやはりどうしてもやり切らなければいけない課題だと思いますが、この辺の普及を、本当にこういう新聞報道や総合部会に記されているような形で進めていく強い意思があるかどうかということでこれは決まってくると思いますし、あわせて、その際には、普及ができる、要するに私たちが買える値段であるかどうかということが非常に大きな要素だと思いますが、その点について、あわせて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

 

○甘利国務大臣 今般、長期エネルギー需給見通しを発表いたしました。二〇三〇年までというのが普通の発表の仕方なんですが、二〇年に前倒しして他部門についても見通しを図ったわけであります。

 この中で、自動車でいいますと、二〇二〇年には新規に購入する自動車のうちの半分が次世代型になっている必要があるということを申し上げているわけであります。これは、正直言って、ユーザー、消費者にとって結構頑張ってもらわなきゃならないと思います。新しく発売する、つまり、新車を購入するときには二台に一台は次世代型にしてくださいということを要請して、強制はできないんでしょうけれども、それに取り組んでいただかなきゃならないことでありますから、結構大変は大変なんであります。その十年後には、それを七割、新規に売られる車の十台に七台は次世代型にしていかなきゃいけないということであります。

 このためには、そういう車が走る環境も整備していかなきゃならない。電気自動車が走るんであるならば電気のスタンドがなきゃいけないですし、水素の自動車が走るんであるならば水素のスタンドがなきゃいけない、そういうインフラとあわせて整備をしていって、利用者の不便がないようにしていくということが大事であります。

 先般、次世代自動車・燃料イニシアティブというものを、燃料それから自動車それから我々と関係者が集まりまして、この次世代自動車の開発普及に向けたロードマップというのを描きました。その中で、次世代燃料の開発、供給体制の整備というのも、あわせてロードマップとさせていただいたところであります。

 そうしたロードマップに基づいて、トップランナー基準であるとか、あるいは技術開発であるとかいうことと、あるいはその環境整備、インフラ整備も含めて、この試算結果が順調に実施結果になっていくように省を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、政府を挙げて協力していくことになろうかと思います。

 

○後藤(斎)委員 大臣、ちょっと質問通告をしていなくて大変恐縮ですが、今の部分に関連をして、先ほど、今非常に、議長あっせんの部分も含めてというお話なんですが、特にガソリンは揮発油税ということで、本則、暫定税率部分を含めて四十八・六円かかっています。

 例えば、大臣、私も国交委員会もちょっとやっておるんですが、今事業量を中期計画ということで確定して、ガソリン税を特定財源へ投入して、収入と支出との差額が出れば一般財源化をするというのが、衆議院を通って今参議院で議論している法案の骨子ですが、その中に、足りなければ一般財源から投入をするというのが実はございます。

 例えば、二〇二〇年を想定すると、これは二〇三〇年の数字なんですが、二割ガソリンの消費も軽油の消費も、前倒しができるかどうかは別として、すると、例えば軽油では今大体三千万キロワット、ガソリンが大体平均で六千万キロワットですから、単純に掛け算をすると、大体ガソリンで五千億円、軽油で一千億円減ることになります、例えば二〇%ガソリンや軽油の消費が減ると。

 ですから、先ほど大臣が二・六兆円の財源不足になるよというのは、仮に、この省エネというものや地球温暖化ということで対応していけばいくほど、石油依存度を減らすというのが一方で政府の大きな柱であって、それを進めることは、揮発油税や軽油引取税のように量に課税をしているものは、その量が減っていけば税収は減るんですよ。

 ですから、それは内閣全体でそういう議論の中で考えていただく必要があると思うので、多分コメントは難しいというかあれなんですが、ぜひそういうふうな二通りがあるということを考えて、私は、四月一日から不測の事態がないように政府としてはきちっと考えていただきたいし、その際には、地球温暖化という大きな世界的な、地球的な規模で省エネや脱石油というものを考えるときには、税収は減るんだということがベースにあるということは、ぜひ大臣、内閣の中でも発言をきちっとしていただきたいというふうに思います。

 時間がないので、最後に、先ほど来いろいろな地価の問題、原油高騰の問題も含めてお話をさせてもらいました。そうは言っても、金融機関にも、きちっとセーフティーネット、業種指定の拡大をして、不測の事態がないようにするし、開業もしやすく融資の形もつくったとおっしゃっても、例えばセーフティーネットを、この十二月二十五日にお金を借りやすくなったといっても、実際、では現場で建設業の皆さんやガソリンスタンドの皆さんや小売業の小さな商店の皆さんがお金を借りられるかというと、違うんです。それは、その企業全体を見ながらやはりお金を貸しますから、建設業に本当に未来の大きなものがあればまた別でしょうし、大手スーパーと激烈な競争をやっている地域のスーパーや小売店の方に、では金融機関がお金を貸すかというと、貸していないのが現状なんですね。

 ですから、貸しはがしということは確かに少なくなったかもしれませんが、貸さないという融資態度が、きのうも、中小企業庁の方ともお話をさせてもらっても、いや、やっていますよと言っても、現場はそうなっていないと思うんです。

 それで、私は、少なくともこの二〇三〇年までやはりこういう形でやられていくのであれば、そういう本当に成長していくであろう分野に、これが大きな自動車メーカーだけではなくて、そのすそ野の部分に、やはりこういう部分ではきちっとした明るい部分があるよというふうな提示もしながら、やはり緊急対策ということじゃなくて、昔の通産省であれば、少なくとも総合的な、前もお話ししたかもしれません、パッケージをつくって、きちっとこうすれば、みんな、中小企業も地域も元気になっていくよと、やったじゃないですか。でも、経済財政諮問会議で、今、新前川レポートと称して植田先生を中心にやられているようでありますけれども、でも、まだまだよく見えないんです。

 ですから、現場の悲鳴と、金融機関はやっているよと中小企業庁の皆さんや金融庁の皆さんがそう言っても、金融庁の、先ほどもお話があったように、中小企業マニュアルがあってもそのとおりにやっていないし、もうこの企業にはここまでしか貸すなということを、実際、金融庁からのいろいろな思いを受けて金融機関はそういうふうな制度づくりをしちゃったわけですよ。

 ですから、それを、真っ当な、大臣がおっしゃっているような、ちゃんとした努力をしている、在庫担保も売り掛け担保もあるようなところにはちゃんと貸すよ、能力ある経営者のところには貸すよというふうな仕組みを金融庁にも厳しく言っていただいて、融資が、お金が借りやすいような形に少なくともしていただく。それがまずあって、長期的、五年後、十年後にこのような地域が、産業が伸びていくんだということで、両面でやはりやらないといけないと思いますが、最後に、大臣、ぜひその部分について、金融庁への強い要請も含めてお願いをしたいのですが、いかがでしょうか。

 

○甘利国務大臣 我が省は、中小企業を含めた経済対策の将来展望をしっかり示す必要があります。

 その上で、金融機関が貸し出し姿勢をきちんと我々の期待するような方向にとってもらえるように要請は、先般もさせていただきましたし、これからも、金融庁も含めて、前向きな貸し出し姿勢をとってもらえるよう要請をしていきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、仕事がないところにお金を貸すというのは、確かに金融機関にとって勇気が要ることでありましょうし、ただセーフティーネット保証、セーフティーネット金融をつくったとしても、借りに来る企業が将来の仕事の受注の見通しがないということであれば、それはもう貸す側にとっても前向きな姿勢はとれないと思いますから、建築着工件数のおくれも一例でありますけれども、一刻も早く原状復帰をしていくような環境整備は引き続きとっていきたいというふうに思っております。

 

○後藤(斎)委員 終わります。ありがとうございました。

 

○東委員長 次に、三谷光男君。

 

○三谷委員 民主党の三谷光男です。

 久方ぶりに経産委員会で一般質疑の質問の機会をいただきました。きょうは、地球温暖化防止対策のことについて主にお尋ねをさせていただきたいと思いますが、まずその前に、今、福田総理の肝いりで進められております消費者庁設置のことについて質問をさせていただきます。

 福田総理が施政方針演説の中でも強調されました、各省庁縦割りになっている消費者行政を統一的、一元的に推進するため、強い権限を持つ新組織として消費者庁を設置する構想が進められています。そのあり方を検討するために消費者行政推進会議が設置をされ、既に検討、議論が始まっています。消費者行政推進会議のここまでの検討、議論の状況について、きょうは中川担当副大臣に内閣府からお越しいただいております。

 中川担当副大臣にお聞きいたします。

 ここまでのこの消費者行政推進会議の検討、議論の状況について、特に、中でも新組織の形態でありますとか法律、権限の移管の問題、こうしたことも既にこの会議の議論の俎上に上がっているのかどうかということも含めまして、また、今後の進め方、そして、いつごろを目途としてこの答えを出す考えということになっているのか、御説明をいただけますでしょうか。お願いします。

 

○中川副大臣 ただいま三谷委員から、総理が大変意欲を示しております消費者行政の一元化についての質問がありました。ただ、その前段で、消費者庁というような話が出ていました。そういうことは聞きますが、まだ正式にそういった話は出ていないということだけは御理解いただきたいと思っております。

 消費者行政の一元化を推進するために、二月八日、閣議において消費者行政推進会議が設置されました。二月十二日以来、これまで三回にわたりその会議が開催されております。消費者問題の実態、消費者窓口に関する課題、国と地方の役割等の論点について活発な議論がこれまで行われております。次回の会議では、これまでの議論を踏まえ、座長から論点整理が示される予定になっております。次々回以降の会議では、組織形態のあり方等、残された課題について議論いただく予定になっております。

 総理からは、四月ないし五月を目途に一応の結論を出してほしいと言われており、この検討スケジュールに沿って、消費者を主役とする政府のかじ取り役としての新組織の具体的な姿を固めていきたい、こう考えている、今はそれだけであります。

 

○三谷委員 今のお話からすると、ほとんど中身の問題は議論の俎上に上がっていないということでしょうか。

 私の聞いておりますのは、新組織の形態、法律、権限の移管の問題が会議の議論の俎上に上がってないかということをわざわざ聞いております。例えば、委員の一人であります新宿区長の中山弘子さんからは、かなり明快な、権限移管も含めた内容のものがこの会議にも出されていますよね。そうしたことがどれぐらい議論の俎上に上っているのかということも含めて、そこにちょっと力点を置いてもう一度、事務方からでも結構でございます、説明をいただきたいと思います。

 

○中川副大臣 これまで三回の会議におきましては、主に、消費生活の安全、消費者取引、そして表示をどうやって管轄するか、その範囲。それから、こういった問題に対する企画、立案、執行の権限をどのように持っていくか。そして、各省庁に対して総合調整機能や勧告権等の強い権限を持たせる必要があるのかないのか。そして、所管する法律としましては、安全、取引、表示に関する基幹的な法律を所管する、そういったものも重要ではないか、そして、先ほどの委員からは地方との関係、私も出ていましたが、これまでの消費者行政における地方の役割等について非常にいい意見が出されたことは事実であります。そういったことが話題になっております。

 

○三谷委員 中川担当副大臣には、実は当委員会でこの後、特商法並びに割販法の非常に大事な改正の審議が控えているものですから、大変そのことにもかかわりの深い、関連の深い今の議論をされている内容でありますので、お話しづらいところも今の段階ではあったかもしれませんけれども、わざわざこうして来てお話をいただきました。

 そして今度は、自民党の政務調査会消費者問題調査会の、これは三月十九日に消費者行政のあり方に関する最終取りまとめ案が出されました。この取りまとめ案では、消費者庁が所轄すべき具体的な法律、権限として、特定商取引法や特定商品預託法、これは経済産業省の所管でありますね。景品表示法、公正取引委員会、消費生活用製品安全法、経済産業省、食品安全基本法、食品安全委員会、内閣府などが挙げられ、これら法律と権限を新組織に移管する提言内容になっています。

 自民党同調査会のこの提言内容につきまして、特に、経済産業省が所管する特定商取引法や消費生活用製品安全法など消費者行政に係る法律、権限を新組織にこうして移管をする、そういう提言内容になっておりますけれども、そのことについて、経済産業大臣、どのようなお考えをお持ちでしょうか、あるいはどのように対応されるお考えでありましょうか、聞かせてください。

 

○甘利国務大臣 消費者の安全を図る、この議論が活発になってきたのは、ギョーザの事件等があって、それをどこへどう連絡をしたらいいのかわからないとかあるいはスピードが遅いということ等が発端だと思うんです。要するに所管するところがわからない。いわゆるぽてんヒットというのですか、お見合いしてだれもとらなかった、そしてヒットになっちゃったという、それを防がなきゃいけない。それから、迅速な対応をするというのが事の発端だというふうに思うのであります。

 消費者の安全ということになりますと、かなり広範になりますね。製品安全から始まって、さっきのギョーザとか偽装とかいう問題で食の安全、それから取引の安全というのもありますね、金融取引、不動産取引、それから薬の安全、薬害の問題もあります。およそ消費者の安全ということになると、ありとあらゆることを網羅しなければならないわけであります。それをどう効果的に、コストパフォーマンスよくやっていくかということが大事なんだと思います。

 いずれにしても、税金でやることでありますから、投入税金量のコストパフォーマンスをうんと上げていくということであります。そういう視点から私は議論をしていくべきだと思います。

 それから、指導官庁というか振興官庁は消費者の安全を守れないかというと実はそうじゃなくて、生産事業者というのは消費者にそっぽを向かれちゃったらもうつぶれちゃうわけでありますから、何よりも消費者が信頼をしてくれる製品をつくるということが企業の存続にかかわることでありますから、そこに一番注意しないと生き残れない。いっときだけもうけて後は会社つぶしちゃっていいというようなところがふらちな行為をするわけであります。ですから、指導官庁はまさに安全を見ている官庁だと思うんですね。少なくともその企業が存続を前提にして考えていくのであれば、短期間の間だけ設立して後は抹消して、ふらちな行為をして利益を上げて逃げちゃえばいいというのと違いますからね。

 だから、そこのところは、生産をする側と消費者というのは対立構図ではないのであって、生産をする側は消費者の信頼を得なければつぶれちゃうということを感じながらやっているわけでありますから、指導官庁が安全政策を見るというのは極めて効率は高いんだと私は思っております。

 そういう視点ももろもろ検討した中で、一番効果的なやり方で消費者の安全を図るということがいいんだろうと思っております。

 

○三谷委員 大臣、全く認識は私もそのとおりであります。

 福田総理がこうやって施政方針演説の中でも力点を置かれて、消費者、生活者重視の強い姿勢を打ち出されたことは大変結構なことだと思います。あるいは、各省庁縦割りになっている消費者行政を一元的に推進する新たな組織をつくること自体も、それもまた結構なことだと思います。

 今のお話の中にもありましたけれども、例えば連携の強化というのは大事なことかもしれない、あるいは迅速にどうやってやるか。そのために新組織が、いいものをつくられれば、それはいいことだというふうに思います。

 だけれども、要は、先ほど大臣もおっしゃられたように、消費者の利益を守るために所管しているところがきちんと対処していく、これが本当は一番大事なことなのであって、どちらかというと、この自民党同調査会の最終取りまとめ案、提言内容でありますけれども、そのことをよく考えておつくりになられたものとは言いがたいものがございます、ちょっと辛い言い方をいたしますけれども。むしろ、例えば悪質商法に係る部分であるとか、ギョーザのお話をされました。食品安全とか、向こう受けしそうなものだけを切り取って新組織に権限を与えよう、見たらそういう内容になっています。

 こういう案が新組織のあり方に、これは与党自民党の政務調査会のいわば最終取りまとめ案でありますので影響を与えるかもしれないということに大変......(発言する者あり)オーソライズをされていない、大変力強いお言葉をいただきましてありがとうございます、危惧をします。

 そして、まさに先ほど中川副大臣にもお話を申し上げましたように、この国会で、この後、この経済産業委員会におきまして、特商法並びに割販法の大変大事な改正だというふうに思っています。また、我々も随分長い時間をかけてこの議論をしてまいりました。

 そこで、言ってみれば、法執行とかの話も審議の中では出てくるわけです。近い将来、所管が変わるかもしれない、そういう法律の改正案を審議することになるというような何か妙な話になりますので、ここは大臣、大変言いづらいお話をお願いすることになりますけれども、この提言、今、オーソライズされていないんだというお話がございましたけれども、これから行われる特商法並びに割販法の改正案審議に関しては、これは関係ないんだ、関係ないと、移管の話はないものとして、この審議はしっかりと、経済産業大臣並びに経済産業省がつくったところでありますので、責任を持って受けるんだということを明言していただけませんでしょうか。お考えをお願いいたします。

 

○甘利国務大臣 そのとおりでございます。

 

○三谷委員 ありがとうございました。それで気持ちが晴れました。

 続いて、きょうの本題であります地球温暖化防止対策のことについてお尋ねをいたします。

 まず、G20、京都議定書に続く二〇一三年以降の国際的な枠組みについて議論をする環境G20が主要二十一カ国・地域の関係閣僚を集めまして、今月、千葉市の幕張メッセで開催をされました。甘利大臣と鴨下環境大臣が共同議長を務められた。これは、先進国のほかに、温暖化ガスの大排出国でもあります中国、インドあるいはブラジルも参加をされた。そして、ことし七月には洞爺湖サミットが我が国で行われます。二〇〇九年末に予定をされております、京都議定書以降の枠組みを決めるまさに終着点と目されますCOP15に向けまして、このG20というのは、対話を通じて今後の合意点を探っていく重要な会議と位置づけられておりました。

 これは、経産省から、どのような内容、結果に終わったのか、あるいは成果を含めて御説明、御報告をお願いいたします。

 

○石田政府参考人 ただいまお尋ねのG20の対話でございますが、これは、先生も御案内のように、二〇〇五年のグレンイーグルズ・サミットのときに、気候変動問題とエネルギー問題を一体的に議論する必要があるということで立ち上げられた場でございます。今回が四回目ということで、甘利大臣、鴨下大臣が共同議長を務めたものでございます。

 今回の対話におきましては、洞爺湖サミットに至る一連のG8プロセスの中で、主に気候変動問題を扱う最初の閣僚会合であったということで、極めて活発、率直な意見交換が行われたというふうに考えております。途上国と先進国の間の協力の強化に貢献し得るバランスのよい議論であったと考えております。

 具体的には、セクター別アプローチの有効性でありますとか、あるいは省エネ、革新的技術開発の重要性などにつきまして議論を深めることができました。

 この会議の結果につきましては、議長としてサマリーを取りまとめまして、参加各国に発出するとともに、洞爺湖G8サミットにも報告をする予定となっております。

 それからまた、この機会に甘利大臣が、中国あるいは南アフリカ、オーストラリアの閣僚とそれぞれ二国間会談を行ったところでございます。もちろん、立場の違いはそれぞれあるわけですけれども、実効ある将来枠組みの構築に向けまして、我が国の立場について建設的な意見交換ができたというふうに考えております。このことも今回の会議の一つの成果であったと考えております。

 

○三谷委員 これは局長、報道では、まさに今お話をされました、ダボスで福田総理が発表しましたセクター別アプローチ、これに日本は理解を求めたけれども、中国、インドを初め参加途上国から日本の対応について反発があった、こういう報道がなされています。事実、そのとおりなのだろうと思います。

 途上国の反発、懸念はどのようなところにあったのでしょうか。そして、今言われたような本当に実効が、次に続く実効というのがあったんでしょうか。お願いします。

 

○石田政府参考人 先生ただいまお尋ねのセクター別アプローチでございますけれども、このG20の会合におきまして、日本からはセクター別アプローチについて、セクターごとに効率目標や技術の導入率をもとに削減可能量を積み上げることによって公平な削減目標の設定に資する方策であるということ、同時に、途上国にとっても、これは効果的な技術移転を進めることができる非常にメリットの大きな手法であるということを御説明したわけでございます。

 一部の途上国から、先進国と途上国との間の共通だが差異ある責任、こういった考え方について、このアプローチのもとでどのようにそれが体現されていくのかといったことなどにつきまして懸念の表明があったことは事実でございます。

 ただ一方で、このセクター別アプローチの有効性につきましては、各国から高い関心が示され、今後とも議論を深めていく必要があるとの認識がおおむね共有されたということにつきましては、大きな前進であったというふうに考えております。

 今後は、途上国の懸念にも留意しながら、対象セクターの特定の方法でありますとか、あるいは技術移転、資金面の課題等について議論を深めていく必要があろうと考えております。

 

○三谷委員 言い切りのようなお話で成果が強調されておりますけれども、果たしてこのセクター別アプローチ、本来こちらに取り込まなければいけない、理解を示してもらわなければいけない各国の理解が本当に得られたのだろうか、あるいは、大きな前進とおっしゃられたけれども、大きな前進をG20でされたのだろうか、大変疑問に思います。

 そして、このセクター別アプローチですが、これは既に政府の方針になっていますね。この方式でまさに日本はポスト京都の枠組みをまとめなければならない。まとめようとしています。そして、EUはこのセクター別アプローチ、多分、これは否定的でありますね。既に、二〇二〇年に九〇年比二〇%削減を決定して各国に削減量を割り当てています。

 この方式でまとめていくためには、申し上げたとおり、アメリカも含めて、インド、中国、ブラジル、各国の理解と同意が必要なんですけれども、経済産業大臣、COP15までの道筋、ことし七月には洞爺湖サミットがあります。どういう道筋で、あるいは戦略と申しましょうか、我が国が考えるような次期枠組み、COP15でつくり上げていくんだ、まとめていくんだ、こういうふうにしてもらうんだということが当然目標としてあるわけですけれども、その道筋がなかなか見えてこない。

 例えば、七月の洞爺湖サミットでどこまでその成果を、これぐらいまとめて、本当はこのG20でもここまで理解を求めて、理解をしてもらって、だけれども、前進だというおっしゃり方なのですけれども、前進のようにははたには見えない。

 どのようにしてこの洞爺湖サミットでの成果を得て、どのようにしてまたCOP15で、この次期枠組みについて、日本が思っているような枠組みをつくっていこうとされているのか、それを、経済産業大臣のお考えを聞かせてください。

 

○甘利国務大臣 G20を経験しまして、つくづく、日本が新しい提案をひっ提げて、それを国際ルールにするということが大変な努力が必要だということは実感しました。

 もともとCOPの会議というのはEU主導で進んでいますから、その中に新しい枠組みを打ち出すということは、それぞれ旧来の枠組みに従って動いている経済主体もあるわけでありますから、それが自分の思惑が外れちゃうということは経済的損失になるということもあるんでしょう。ですから、新しい枠組みを持ち込むというのは正直なかなか大変な経過でありました。

 過去、かつては、まさにそのセクトラルアプローチを新しい枠組みとして持ち込むなんということは、それこそローマ教会の前でそれでも地球は回っていると叫んでいるガリレオの思いだなんという話がありましたけれども、しかし、それは徒労ではなかったんですね。私もいろいろな経済大臣の会議でこの提案をしてきました。そこではかなりの支持を得てきました。

 つまり、何で支持を得たかというと、考えてみれば損なことないねということですよね。技術の移転がされる、石油もそれだけ使わなくて済む、設備が更新されるから競争力もつく。考えてみたら損なことないじゃん。しかも、資金スキームまでできればウエルカムに決まっているということで、支持を少しずつ得てきたんです。

 今回は初めて環境大臣の入っている会議で提案をしたわけです、こんな話は初めて聞くよという人たちのところで。そこでは何が拒絶反応であるかというと、もしかしておれたちも義務を負うの、いいことは受け取るけれども、義務を受け取ることは冗談じゃないよという思いが一つある。それから、従来の枠組みがなくなっちゃうのと。例えばCDMなんというのはお金がついてきてこっちへやってくれる、ハッピー、これがチャラになっちゃうの、つまり、従来の途上国にとって歓迎すべき枠組みがなくなっちゃうんじゃないだろうねという警戒感なんですね。

 だから、我々は全部チャラにしてしまって、何もかもこの方式で、そして途上国も相当義務を負うぞと言っているわけじゃなくて、このアプローチでいけば自然とみんなが達成できるでしょうということを理解してもらうということが大事だと思うんですね。それが、今までやってきたのが少しずつ浸透してきているなという感じはしました、初めて環境大臣には説明したわけですから。

 そこで、セクトラルアプローチ一色。ということは、日本提案を国際会議で二日間にわたって議論しようなんということになったのは、これは前進だと思うんですね、もう即刻否決されちゃって話題にもならないんじゃなくて、それ一色になったわけですから。

 その中で、先進国からは、総量目標を達成するための必要条件であるという某EUの一国からの発言もありました。途上国も、有用性は認める、だけれども、我々に即義務を課すというのであれば警戒をせざるを得ないという感じなんですね。全面否定じゃないというところがみそだと思うんです。

 長くなって済みません。それから、会議が終わった後の日本とEUの高級事務レベル会議というのをやったんです。その中で、議事録がありますけれども、EUからは、私が前進があったと思う二つのことがありました。

 一つは、セクトラルアプローチは有効な手段であるということは認めますという明確なEU側からの事務レベルの発言。それからもう一点、我々が主張しています公平な基準年、一九九〇年というのは特定なところに有利に働くじゃないかということで、公平な基準年をずっと主張してきたんですが、それに関してもEU側からは、一九九〇年を聖域だと思っているつもりはない、新しくEUでEU指令を出しているのは、基準年は二〇〇五年だという発言があったんです。これは物すごい前進だと思うんですね。

 ですから、まさにむなしい思いで叫び続けてきたけれども、ボディーブローでかなりきいてきて、実は彼らもいい点は認めざるを得ないというふうになったのは確かなんだと思います。これを二〇〇九年末のCOP15までどうつなげていくかということですね。ここで新しい枠組みが決まるわけであります。

 途上国に私はバイ会談でも強く言ったのは、あなた方は自分たちにも成長する権利があると言っているでしょう、成長する権利がある、成長もしていいんです。なおかつ地球環境に貢献できたら、こんないいことはないでしょう。セクトラルアプローチというのは、まさに経済成長と環境貢献を両立させる手段なんですよということをずっと言ってきたわけであります。

 そこで、彼らは、今度は、共通だが差異ある取り組みというのをどう具現化してくれるんですかということですね。だから、土俵は同じ土俵だけれども、達成年度を延ばすとか、達成割合をもっと余裕を持ってあげるとか、そこで差はつけられるじゃないか。共通で差をつけるということが大事でありますから、これをこれからしっかり説明して、警戒感を解いていくという必要があるんだと思います。

 洞爺湖サミットまでにG8エネルギー大臣会合であるとか、G8環境大臣会合であるとか、あるいはアメリカが主導する主要経済国会合等があるわけでありますから、これらの場を通じて少しずつ共通理解を積み上げていくという努力をして、G8サミットで一遍に決めようといったって、これはもう無理ですし、そんな強引に余り押していこうとすると警戒感が高まりますから、COP15までの道筋としてちゃんと積み上がっていくようにしていきたいというふうに思っております。

 

○三谷委員 今の大臣のお話は大変よくわかりました。G20、それなりの理解も進んだあるいは前進もしたということは、よくわかりました。

 だけれども、今も大臣、言及をされました。いざ途上国を、取り込むというのは語弊があるかもしれませんけれども、こちらに理解をしてもらって、この方式で同意をしてもらう、味方になってもらうに当たって、自国に義務が課せられる話になると、やはりどうしてもそっぽを向いてしまう。そして、片方で差異ある責任ということは、このG20の中でも強調されたように、つまり、つらい話だけれども、日本がやはり温室効果ガス排出削減の目標設定を持たなければいけない、あるいはしなければいけないのだ、あるいはそろそろその時期に来ているのだというふうに思います。

 ダボスで福田総理が、安倍総理に引き続いて、二〇五〇年ですか、世界の排出量半分削減を言われ、そして国別総量規制をかけるんだと言及をされていますけれども、我が国は国別総量規制を持っていないんですね。やはり、説得力を持つために、我が国として、これはつらい話だけれども持たなければいけないんじゃないでしょうか。

 あるいは、基準年の話も今出ましたけれども、これも、こちらは簡単だと思います。我が国としてはこの基準年がいいんだ、二〇〇五年がいいんだということを明示して、排出削減の目標設定をそろそろ決めるべき、あるいは打ち出すべきときに来ているんじゃないでしょうか。

 このことについて、経済産業大臣、どのようにお考えか。

 

○甘利国務大臣 福田総理は、ダボスの会議で、主要排出国とともに今後の温室効果ガスの排出削減について国別総量目標を掲げて取り組むというふうにおっしゃっているわけであります。

 では、それは具体的にどうしていくかというと、科学的かつ透明性の高い尺度として、エネルギー効率等をセクター別に割り出して今後活用される技術を基礎として削減可能量を積み上げていく、いわゆる基準年についても見直すことによって、合理的、客観的であるとともに各国の削減負担の公平さを確保することができるということを総理みずから述べておられるわけであります。

 ベンチマークを導入するセクトラルアプローチというのは、ここまでこういう技術を投入してこういう努力をしていくとこのぐらいまで下がりますと。先般のエネルギー需給見通しに関しても、二〇〇五年比マイナス一三パー、これにはほかに森林とかなんとかまで入れると一四%以上、二〇〇五年基準でEUの考えている以上に削減できるという試算はできています。

 ただ、これをやるためには相当国民にも理解をしてもらわなきゃならないということは、先ほどの答弁の中で答えたところでありますけれども、この国別総量目標に関する作業はこれから政府として加速をしていくわけでありますが、その数値というのはいつ提示するか、それから、基準年は、国として、今二〇〇五年という話が出ました、これはEUも二〇〇五年ということに事務的には一部言及をされましたけれども、これがいいのかあるいは別の年なのか、それらをいつ提示するかについては、これから交渉を踏まえつつタイミングをはかっていくべきだと思います。

 主要排出国を巻き込むということが大事で、余りかちんと決めちゃうと彼らは物すごく嫌がるんですね。そおっと巻き込みながら、大丈夫でしょうという安心を構築しながらやっていかないと、途中で逃げられ、逃げられちゃうと言うとよくない、途中でやめたということになっちゃうと元も子もないので、その辺はうまく理解を醸成しながらずっとこの枠に入ってもらう。このタイミングを見計らうのはこれから慎重に見きわめるべきだと思っています。

 

○三谷委員 今の甘利大臣のそおっとうまくというのは、あるいは外交上の駆け引きもあるんだということもこれまで説明の中では何度も実は聞いてまいりました。

 だけれども、先ほども道筋と申し上げました。二年後のまさにCOP15に何とか持っていくために、では、いつまでも時間をかけてそおっとうまく腹の探り合いをやり続けるわけにもいかないのだと思うんです。そういう意味では、やはりどこかで、そしてそろそろ、これはつらい話ではあるかもしれないけれども、目標設定をしなければいけないんじゃないかと思います。

 聞きたいことの実は半分も聞けなかったのですけれども、質疑の時間が参りましたので、これで終了させていただきます。

 ありがとうございました。

 

○東委員長 これにて三谷光男君の質疑は終了いたしました。

 次に、田村謙治君。

 

○田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。

 本日は、大臣の所信に関する質問をさせていただきたいと思います。

 まず、私は、平成三年、九一年に大蔵省に入省したわけでございますけれども、当時、八〇年代後半から九〇年代にかけて、例えば日米構造協議ですとかあるいは日米貿易紛争など、一線で経産省の官僚の方々が活躍をしていらっしゃって、私から見ても、大変輝かしい、まぶしい活躍をしていらっしゃるなと大変尊敬を申し上げておりました。

 ですので、私も、入省をする際、大蔵省と通産省、かなり迷ったわけでございます。結局、大蔵省に入ったわけでございますが、当時から今に至るまで、多くの先輩、あるいは私と同世代の方々、あるいは後輩に至るまで、経産省で大変魅力的な、そしてすばらしい方がたくさんいらっしゃるということは私も十分に認識をしているわけでございまして、当時から今に至るまで、数少ない経産省の応援団だというふうに自任をしております。

 なぜ、数少ないと申し上げるか。ちょっと話が余談になりますけれども、特にここ五年、十年ぐらいは、経産省がほかの省庁の政策に領空侵犯を多々なさって、私は、大変それはいいことだというふうに思っている数少ない人間でございます。多くの他省庁の人間は、結局、経産省自体の仕事がどんどん減ってきたという中で、他省庁のことばかり口を出してけしからぬ、もう経産省は要らないんじゃないかということを言う霞が関の他省庁の官僚というのがはるかに多くて、私のようにそれを支持する人間というのは極めて少ない。

 ただ、領空侵犯をするのがいいというのは、結局それは、今までの自民党政権の中でいわゆる障壁、各省庁の障壁というものを破ることができない。要は、トータルな政策プランを各省庁それぞれ総合調整をする、それは本来政権の役割なわけでありますけれども、その政権の役割というものがほとんど機能していない。そういう中で、ですから、現在の自民党政権においても、経産省が数々の領空侵犯を繰り返しながら、ある意味で総合調整というか、さまざまな先進的な政策提言をしているということは、私は、現時点においても大変いいことだというふうに思っているという意味で、数少ない応援団なわけでございます。

 前置きが長くなりましたけれども、そういった私から見ても、最近の経産省でやはり首をかしげるところが多々あるわけでございまして、かねて輸入促進、あるいは対内直接投資の促進を声高に叫んでいらっしゃる。とにかく、日本が外に向かって開かれた国になるように経産省が音頭をとっていたはずであったわけですけれども、どうもその経産省さんが内向きになってしまっているのではないかという懸念を持っているわけでございます。

 例えば、大企業の保身的な経営陣に迎合するような、自由な株式市場による経済の活性化というよりも、株式の持ち合いの復活とか、あるいは外資に対して障壁をつくるとか、そういったことに躍起になっているような姿勢がうかがえる。その一端であります、あるいは大変象徴的な例というのが、一月の北畑次官の、メディアでも話題になりました発言であるのではないかなというふうに思っております。

 一月の二十五日に、経済産業調査会が主催をなさった北畑事務次官の講演会におきまして、以下のような発言をなさった。正確ではありませんけれども、大方のところではありますが、株主というものは経営能力がないという意味ではばかだ、そして、株をすぐに売れるという意味で浮気者である、無責任で、有限責任であるから、配当の増額を要求する強欲な人々だと。さらに、中でも、例えばデートレーダーについては、経営には全く関心がなくて、本当は競輪場や競馬場に行っていた人が、手数料が下がったということで、パソコンを使って証券市場に来た、最も堕落した株主の典型である、ばかで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない、買収防衛策の一助にもなる、配当で少し優遇すればいいというふうに、読み上げるだけでもちょっと恥ずかしいような発言をおっしゃっておられて、一言で申し上げると、ある意味で資本主義というものを否定するような発言に思われるわけでございます。

 私は、やはり発言なさった当事者である事務次官に直接お伺いをしたかったわけでありますけれども、それはかなわなかったということのようでございます。

 私も詳しくはありませんけれども、事務次官は今までこういう場には呼ばないということが慣例になっているということは聞いておりますが、今回、これは事務次官御本人の発言でありますので、当然御本人にお伺いをする。別に、証人喚問をするというわけではありませんので、そこはぜひいらっしゃっていただきたかったと思うんですけれども、まずその点について、ある意味、大臣あるいは副大臣、皆様が事務次官にかわって弁明をしなければいけない。なぜ、事務次官はこちらにいらっしゃっていただけないのか、そのことについて大臣のお考えをお聞かせください。

 

○甘利国務大臣 議会のそういう慣例になっておるところでありますので、上司である私がかわって答弁をさせていただきます。

 私も講演の全文を読みました。強調しているところとか修飾語とか不適切な例え話というのを外しまして全部読むと、なかなかいいことを言っているのであります。

 ただ、不適切な例え話とか表現があったのは事実でありまして、この点については、次官自身が記者会見の場で謝罪をしているわけであります。

 御指摘の、デートレーダーについての次官の発言というのは、あそこの場がクローズな場であって関係者しかいない、寝ている人がいると困るから、相当刺激的な表現で、おもしろおかしくという思いもあったのかもしれませんが、このデートレーダーについての発言は、所有と経営が分離されていることから、必ずしも経営能力を有しない場合が多いという趣旨でなされたんだというふうに思います。

 ただ、いずれにしても、資産運用として一定の株式を購入して、売買で収益を得る、あるいは配当を得るという行為は、株主に本来的に認められている権利なのであります。企業が遊休資産を保有している場合に、配当増等の提案をすることも当然の株主の権利であって、その株主がたとえデートレーダーであろうとも、その権利はあるわけであります。

 多様な人間が株式市場に参加することによって、企業に対する資金の供給が潤沢になる、これは事実でありますから、デートレーダーだからこういうことはけしからぬとかけしかるとかいうことはございません。他の株主と同等でございます。

 

○田村(謙)委員 私の次の質問までまとめてお答えをいただいてしまったんですけれども、繰り返しになりますが、上司としてかわってというのは、もちろん上司である大臣にもお伺いをしたいともともと思っているわけでありますけれども、まさに当事者、発言した張本人であります事務次官に直接真意をお伺いしたいというふうに私は思ったわけですね。

 それはなぜか。例えば局長であれば、きょうも来ていただいていますけれども、局長であれば、いろいろな委員会、この委員会に限らず出ていらっしゃる。なぜ、事務次官というのはお呼びできないのか。慣例であればそれでいいわけではもちろんないと思うんですね。いろいろな慣例というものは、変えなければいけないものもある。もちろん、もっともな理由があって守らなければいけない慣例もある。もし大臣が、部下である事務次官を呼ばないという慣例がふさわしいんだ、正当であるとお考えになるのであれば、まさにその理由を教えてください。もしないのであれば、私は本来来ていただきたかった。そういう意味で、ぜひ大臣のお考えをお願いします。

 

○甘利国務大臣 これは行政側が答えることじゃなくて、国会の、委員会のルールでございますから、理事会マターの話だと思います。少なくとも、次官よりは偉い大臣が来ているのでございますから、それで御理解をいただきたいというふうに思っております。

 

○田村(謙)委員 国会の慣例については、もちろん、おっしゃるように国会が決めることでありますけれども、私は大臣のお考えをお伺いしているんです。その慣例というものがまさにおかしいというふうに私は思っているわけですね。

 例えば、各省庁それぞれ、すべて横並びでなければいけないという何らかの明確な決まりがあるなら別でありますけれども、あくまで慣例という話でありますから、経済産業委員会で大臣が率先をして事務次官を呼ぼうということを、みずからリーダーシップをとるということも可能なのではないかなというふうに思うんですけれども、事務次官を呼ばないということについて、大臣の個人的なお考えをお伺いします。

 

○東委員長 田村謙治君に申し上げます。

 この件につきましては、本委員会の理事会におきまして各党協議をした結論といたしまして、今回はこういうことになりましたことを申し上げたいと思います。

 

○田村(謙)委員 済みません。私は、もちろん結論は知っておるわけでありますけれども、個人的にどうなんですかという、大臣のお考えをお聞きしたいと思ったのであります。

 

○東委員長 再度聞かれますか。

 

○田村(謙)委員 はい。再度お伺いします。

 

○甘利国務大臣 委員会、国会の決定に従わせていただきます。

 

○田村(謙)委員 結局そういうことなんだと思いますが、私は極めて問題だと思います。それは結局、与党側の方針だ。国会といいましても、主に自民党の方々が中心となって慣例を守っていくということをおっしゃっておられるのだと思いますけれども、これに関してはこれ以上もう言いません。

 私は、その慣例というのは極めてあしき慣例だということは強く抗議を申し上げたいと思いますし、そこは引き続き国会の方で、国対の方でもしっかりと議論をしていただきたいと強く抗議を申し上げたいというふうに思います。

 そういった中で、事務次官御本人の真意を聞けないので、かわって大臣に代弁していただくというのは、ある意味恐縮なところもあるわけでありますけれども、先ほど大臣がお話しになりました事務次官の講演の議事録、不適切な発言というのが削除された議事録も、私ももちろん読ませていただきました。やはり経産省の事務次官をやっていらっしゃる方ですから、大変深い見識も私も感じたわけでありますけれども、全体のトーンとして、仮にこれを削除していても、例えばデートレーダーを本当にばかにしているというのは、実際御本人がおっしゃっているわけで、二時間の講演で、後半になってきてやはり聞く方も退屈をする、だからこそおもしろい表現を使わなきゃいけないというふうに、ついつい、ある意味で走ってしまったというような弁明を事務次官もしていらっしゃったようでありますが、ただ、ばかだというのは、ばかという言葉自体はどうでもいいんですけれども、全体の講演のトーンとして、そういったデートレーダー、短期売買を繰り返すような株主の存在意義というのを否定するようなトーン、そして、いわゆる安定株主、長期間保有するような株主というのがやはりすばらしいといったトーンというのが講演全体の中でも受け取れるというふうに私は感じておりました。

 先ほど、大臣が若干おっしゃってくださいましたけれども、まさに事務次官御本人の真意というのは、当時の弁明の記者会見を見ても、ある意味で口が走ったというぐらいしかおっしゃっておられなかったような気がするんですが、例えば短期売買を繰り返すデートレーダーに関しては、どのような評価をしていらっしゃるんでしょうか、事務次官は。

 

○甘利国務大臣 デートレーダーといえども株主の一人であることは間違いない、そういう認識で次官はいると思います。

 恐らく、次官がああいう表現をしたというのは、話をおもしろくということも一つあるでしょうし、多分何かのニュースで、主婦がデートレーディングに夢中になってパソコンから目が離せなくて子供の面倒も全部ほうってしまっているみたいなことが、たしかテレビか何かで流れたんじゃないですか。それを見て、それこそ、パチンコに行って車の中に小さい子をほうり出したままというような状況を危惧したんじゃないかというふうに思っております。

 デートレーダー自身の存在については、私も後で確認しましたけれども、表現に行き過ぎがありましたということでありました。

 

○田村(謙)委員 一般の方あるいは詳しくない方が、今大臣がおっしゃったようなテレビ番組、いかがなものかと一般の方が思うようなデートレーダーも確かに私も見たことはあります。ですけれども、それはあくまで一部の話であるわけでして、仮にその番組に影響を受けたということであればなお問題なんですけれども。

 単に、それで影響を受けたという理解しか大臣はしていらっしゃらないのか。要は、御本人はいないので、やむを得ず大臣にお伺いしているわけですけれども、大変話題になりましたので、大臣もその後で事務次官とお話をしていらっしゃいますよね。そういった中で、単にその番組に影響を受けて、デートレーダーに対するイメージが悪いんだというお話しか事務次官から聞いていらっしゃらないんですか。

 私がそもそも先ほどお伺いをしたのは、デートレーダーのように短期売買を繰り返す投資家、株主に対して、事務次官がどのような評価をしているのかということを申し上げたので、そういった一部の不適切というか、トータルでその生活を見ると問題だと一般的に言えるような人がどうという話じゃなくて、まさに、そういう短期売買をするような株主に関して、講演全体を見ても、事務次官は、やはりそういう人たちの存在意義を否定するようなトーンが見てとれると私は感じたわけです。その点、まさに事務次官はどう考えていらっしゃるのかというのは、大臣は聞いていらっしゃらないんですか。

 

○甘利国務大臣 先ほど申し上げました、主婦がデートレーディングにはまってというのは、次官から私に話があったわけではありません。そんな番組がたしかどこかでやっていたなということを記憶しておりましたから、多分そんな光景を危惧したんじゃないですかということは私の推測で申し上げたわけであります。

 次官からは、デートレーダーといえども立派な株主の一人であります、表現に行き過ぎがありました、そういう話でありました。

 

○田村(謙)委員 とても、デートレーダーを初めとする短期売買をする株主を立派というのは絶対に思っていないだろうというのは、講演全体からも、あるいは、不適切というか、幾ら口が走ってもここまでは過剰な表現で出てきませんからね、先ほど申し上げたように。余り繰り返すのもはばかられますので繰り返しませんけれども、ばかに始まらず、とにかく、単にもうけるだけでということを言っているわけですね。

 やはりそれは、いろいろな内外の批判を浴びています。経済産業省の事務次官たる方がそのような軽率、百歩譲って口走った、軽率というよりも、そもそも考え方自体がおかしいんじゃないかという大いなる懸念を内外の多方面から招いている。やはりそれによって、日本の株式市場というのはさらに信用を落としている大きな要因となってしまっているんじゃないかというふうに思われるわけですけれども、その点に関しては大臣はいかがですか。

 

○甘利国務大臣 その後の会見で、この問題について次官が言及をしまして、そして講演の趣旨も配付をされた中で、真意を理解されたという方は多いんだと思いますし、それ以降、国内外からそれに対する反応はない、おさまっているというところを見ると、行き過ぎた発言について訂正をした、真意を説明したということは、関係者に届いているんではないかというふうに思っております。

 

○田村(謙)委員 訂正をするというようなレベルではないんじゃないかなと。そしてまた、今大臣は、後の事務次官の記者会見によってそういう対外的な信用というものは回復されたというふうなことをおっしゃいましたけれども、私がいろいろと見聞きしている限りでは、とてもそれは回復されていない。

 言った言葉は返せないですし、繰り返しになりますけれども、ここまで明確にデートレーダーを否定するような発言を言ってしまっている。それはだれが見ても、本音はそうなんだろうと思わざるを得ないぐらい明確に、理由も含めておっしゃっているわけですね。

 そういった意味では、その発言は訂正しようがないものであるし、幾ら事務次官が若干弁明をしたからといって、日本の信用というものは取り戻せるわけではないだろう。実際、そういう評価を内外で現在でもしている、そういった批判というのは私も多く耳にしているわけであります。実際今でも、そんな人が経産省の事務次官でいいのかといった声も聞きます。

 その点は、大臣は、もうすっかり事務次官は発言を撤回して、撤回までしていらっしゃらないんですけれども、訂正をなさって、それによってもう全く問題はないんだというふうにお考えですか。

 

○甘利国務大臣 誤解は解けたというふうに思っております。

 

○田村(謙)委員 今申し上げましたけれども、いまだに誤解、誤解ではないと思いますが、多くの内外の識者、専門家の方からも、あるいはマーケットの関係者からもいまだに、引き続き多くの批判が続いているというのは事実だと思うんですけれども、大臣はそういうことを単に御存じないということですか。

 

○甘利国務大臣 いわば、失言部分が誇張されて報じられた、それについて反応があったのは承知をいたしておりますし、その後、真意が説明されて、理解が深まったということも承知をいたしております。

 

○田村(謙)委員 私がお伺いをしたのは、発言がそもそも誇張されたかどうかというのは評価の話になりますので、それについては全然誇張はされていないと思いますけれども、次官が十分に、いかに株主、デートレーダーはばかであるかということを説明していらっしゃいますので、私は、あるいは多くの人は、誇張ではなくそのまま受けとめて、いまだに多くの批判があるということであります。そういった批判というのがそもそも誤解だというふうに大臣は考えていらっしゃるということですか。

 要は、事務次官の発言についての評価というのはいまだに、やはり資本市場自体を理解していない、そんな人が経済産業省の事務方のトップでいいのか、辞任すべきだといったような声も、決して一部ではなくあるというふうに私は見聞きをしております。大臣の今のお答えというのは、結局そういった人たちが単に勘違いしているだけだ、そういうふうにおっしゃりたいということですか。

 

○甘利国務大臣 講演内容全体を読んでいただければ、北畑事務次官は極めて見識ある人間だということはおわかりいただけると。部分的に、講演をクローズドで行われていますから、おもしろくするために不適切な表現があったということであって、そのことが理解されるに従って、本人の意図するところはきちんと伝わってきたというふうに思っております。

 

○田村(謙)委員 私は、平行線になりますのでこれ以上申し上げませんけれども、真意というのは、まさに次官がおっしゃった言葉そのとおりなんだろうと。繰り返しになりますけれども、幾らその場をおもしろくしようと言ったからといって、ここまで株主を無能扱いにするような発言というのは、本音で思っていなければやはり出てきませんので、事務次官はそういうお考えなんだという理解というのが、むしろ逆に海外にも広まっているんじゃないか。やはり、それによって日本の株式市場の信認というのはさらに下がっているというふうに私は考えておりますし、決して私個人ではなくて、そのような評価をしている人もたくさんいるということは重ねて申し上げたいと思います。

 ついでに、この事務次官の御発言についてはこれを最後にいたしますけれども、北畑次官は、まさにデートレーダーに関して、本当は競輪場や競馬場に行っていた人が、手数料が下がったのでパソコンを使って証券市場に来た、さらに、最も堕落した株主の典型だとおっしゃっておられます。

 競馬はちょっとおいておいて、競輪といいますとまさに御省の、経産省、大臣の管轄でございます。このことは、私みたいな素人が素直に受けとめますと、要は競輪場に行く方も堕落した人だと言っているのかなと。そうしますと、要は国、経産省が率先して国民を堕落させているというふうにとらえられるんですけれども、その点に関しては、大臣、いかがでいらっしゃいますか。

 

○甘利国務大臣 鋭い御指摘でございます。

 我が省は、競輪を健全なスポーツとして振興しているところでありますし、競馬も私は何回か行ったことがありますし、決して私自身堕落しているとは思っておりません。そこは、極めて不適切な発言だったと思っております。

 

○田村(謙)委員 本質論とは違って、この点に関して大臣に弁明をしていただくのは私も大変恐縮でございます。ただ、株式市場に比べれば影響は少ないと思いますけれども、競輪場を所管していらっしゃる省庁のトップがこのような発言をすると、やはりそれは御本人の本音なのかなと。デートレーダーにしても、先ほど大臣が、パチンコ屋さんに行って子供を車にほうり出していると言っておりましたけれども、そういうばくちをする人というのはとにかくとんでもない、十把一からげに、そういったことで楽しんでいらっしゃる方を否定するような発言、まさにそれについて御本人の真意を伺いたかったわけですね。

 大臣が今おっしゃったのもそのとおりで、大臣に弁明していただくというよりは、そこは、御本人がどうだったのか、場合によってはしっかりとそういった発言を撤回して、その点についてもしっかりと謝罪をすべきじゃないかというふうに思ったので、やはり事務次官御本人にこの場に来ていただきたかったなということは重ねて申し上げたいと思います。

 委員長、済みません、ぜひともその点は、こんなことまで上司である大臣に弁明をしていただくのは私も本当に忍びないと思っておりまして、ぜひとも事務次官御本人に来ていただきたかったという希望を重ねて申し上げて、今後も引き続き協議をしていただきたい、前向きに御検討いただきたいと御要望を申し上げます。

 

○東委員長 一応、結論の出たことではございますが、引き続き意見交換をしたいと思います。

 

○田村(謙)委員 よろしくお願いいたします。

 さて、次官の発言でもう一つだけ。

 これはちょっと前の発言、今までの発言ではなくて、もっと前の発言であります。

 二〇〇七年の七月の発言でありますけれども、例のスティール・パートナーズがブルドックソースにTOBを仕掛けた件について、当時の話でありますが、ブルドックソースの買収防衛策が訴訟になったということがございました。その点に関して、東京高裁がスティール・パートナーズを濫用的買収者と認定して、その直後の北畑次官の記者会見で、大変画期的な判決だというふうに絶賛をなさった。ある意味、勝利宣言のような雰囲気でというのは新聞に書いてあったところでありますけれども、とうとうとスティール・パートナーズを罵倒するとともに、十分間その判決を持ち上げたということが新聞にも取り上げられておりました。

 過去の話でありますけれども、これはまだ当時は係争中だったわけですね。最高裁で結論が出ましたけれども、その前の段階の事務次官の記者会見で、ある意味、経産省の事務次官が一方の当事者に肩入れをした、応援演説のようなことを公的な記者会見で行った。やはり事務次官の影響というのは大変大きいというのは私も決して否定する人間ではありませんので、そのこと自体は、タイミング的にも極めて不適切だったんじゃないかなというふうに私は思っているんですが、その点についてはいかがでございましょう。

 

○甘利国務大臣 ここに、当時、これは会議後の記者会見で記者からの質問に答えている形での議事録があるんですが、御指摘の話は平成十九年六月十四日に行われたものでありまして、議事録によりますと、次官は、ブルドックソースの応援演説をする趣旨の発言ではなくて、スティール側の記者会見内容について、記者から事実関係を問われたことに関して回答したものであります。

 具体的には、記者からは、事前警告型の買収防衛策というのは、世界で最悪であって、外国では違法であるとのスティール・パートナーズの代表の指摘についてどう思うかと問われたものであります。事実関係は、スティール・パートナーズが間違った認識を持っておりまして、この事前警告型の買収防衛策というのは、アメリカでもたくさんの例がある、国際スタンダードに沿ったものであるということを説明したものであります。

 それからもう一点、記者からの質問は、スティール・パートナーズ側は、我々はグリーンメーラーではないと言っている、これについてどうなのかと見解を問われたわけですね。そこで、次官は、これまでに手がけた案件で企業価値向上につながった部分があるかといったら、事実関係の検証だけ行えば、そこの部分はないんではないかと思うと答えたわけでありまして、その際に、記者に対して、これは法廷闘争になっているので、個別の案件について今どうこう言うのは適切ではないので差し控えたいです、一般論として、過去の事実関係で述べたものですというふうに次官は言っているわけであります。

 もちろん、聞かれても何も答えないというのが一番いいのかもしれませんけれども、記者側から具体的案件を挙げて問われたので、答えが許される範囲で回答したということだというふうに思っております。

 

○田村(謙)委員 やはり、今取り上げました事務次官の御発言にしても、先ほどの発言もそうですけれども、日本のそういう経済産業省の事務次官が、ある意味排外的な発言をする。結局、日本の株式市場というのは開放されてきているようでまだまだ閉鎖的だ、場合によっては政府が介入してくるといったような印象を持たれてしまっている。それが日本の株式市場の大きな信用低下につながっているというふうに私は考えておりますし、そういった評価も実際にあります。

 そういった中で、最初に申し上げたように、経産省に本当に立派な方がたくさんいらっしゃるわけですけれども、経産省に入って、これから頑張っていくぞというふうに思っていた若手がかなりやめているという話も聞いております。それは、私がいた財務省でもそうなんですけれども、例えばことし、ですからまだ三カ月、平成十年以降ですから三十代前半よりも下の、本当に若手のキャリアというのが既に七名やめていらっしゃるという話も聞いております。

 やはりそこは、先ほどから申し上げているように、経産省の事務次官発言に象徴されるような、極めて内向きなそういった姿勢にもうやりがいを感じなくなった、そういう若手が多いんじゃないかな、その気持ちは私も大変よくわかるところであります。

 あくまで、そういった状況もあるんだということは付加的に申し上げて、もう一つ、時間も限られてまいりましたけれどもお伺いをしたいのが、いわゆるTCIによるJパワー株の取得問題についても少しだけお伺いをしたいと思います。

 イギリスの民間投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・マスター・ファンドという大手のファンド、それがJパワーの株式を現在九・九%持っていて、それを二〇%まで買い増しをしたいということを一月の十五日に申請した。そして、通常ですと審査は三十日以内であるわけですけれども、その審査が三カ月延長するという発表がなされたということであります。

 これもやはり、先ほどから取り上げているような発言をなさるような北畑次官が事務方トップをやっていらっしゃる経産省だと、外資系には余り来てほしくないというようにとらえられなくもないんじゃないかな、実際そういう評価もございます。

 今回、三カ月延長になった、その事情について御説明をください。

 

○甘利国務大臣 経済産業省は、外資の対内投資を進めている役所でありますし、先般も、アブダビのムバダラ開発という一種のソブリン・ウエルス・ファンドが日本でワークショップを開くという段取りもとったわけでありますから、決して外資に対してこれを排除しているわけではありません。

 それで、TCIによるJパワーの買収の件ですけれども、Jパワーというのは、OECDの資本移動自由化コードの対象として議論される公的インフラでありますし、しかも、これから大間で原子力を進めていくわけであります。でありますから、それは当然に、外為法に基づいて、国の安全や公の秩序等の観点から対象として論ずるということは、先進国ですべて認められていることであります。

 アメリカでいいますと、エクソン・フロリオというのは、先生は私より御存じだと思いますが、もっと広範囲に何でも網をかぶせる。あの外資を受け入れていることに対して世界の範と言われるような国ですら、日本よりも広範囲に何でもできる、しかも遡及してできるという、我々から見れば、かなりむちゃくちゃじゃないのかと思うことすらまかり通っているわけであります。