特定商取引に関する法律案(副大臣答弁)                       衆議院経済産業委員会-16号 2008年05月23日

2009年7月28日 21:23

            特定商取引に関する法律案(副大臣答弁)

            169--経済産業委員会-16 平成200523

 

 

○東委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社常務執行役伊東敏朗君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として、内閣官房消費者行政一元化準備室長松山健士君、内閣府大臣官房審議官竹林義久君、総務省大臣官房審議官津曲俊英君、総務省郵政行政局長橋口典央君、文部科学省高等教育局私学部長磯田文雄君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長中村吉夫君、経済産業省大臣官房商務流通審議官寺坂信昭君、経済産業省大臣官房審議官大塚洋一郎君、経済産業省大臣官房審議官橘高公久君、経済産業省製造産業局次長照井恵光君及び国土交通省大臣官房審議官小川陽一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 

○東委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。牧義夫君。

 

○牧委員 おはようございます。

 きょうは、本題に入る前に、若干別のことも聞かせていただきたいと思います。

 昨日、生物多様性基本法案が本会議で全会一致をもって可決をされたわけでございまして、私としても大変喜ばしいことだと思いますし、また、将来に向けて大いなる希望、期待を持つ者の一人でございます。

 時あたかも、今、第九回生物多様性条約締約国会議がドイツのボンで開催されておりまして、その中で、日本の企業九社を含む三十四社がビジネスと生物多様性イニシアチブに署名をするということも明らかになっております。まさに、国と地方公共団体、あるいは民間企業、団体等も含めての取り組みが今後いよいよ本格化することになろうと思います。また、私の地元でもございます名古屋においては、次回の第十回締約国会議を今誘致しているところでありますから、我が国としてもしっかりと取り組んでいただきたいという希望をまず申し述べさせていただいて、これは企業の取り組みも非常に重要でございますので、経産省としてのリーダーシップもぜひ発揮していただきたいと私は思います。

 まず、そこら辺のところの大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

 

○甘利国務大臣 御指摘のとおり、生物多様性は、食料、健康、それから文化、産業など人間の生活基盤にとって重要なものと認識をしておりまして、生物多様性の保全と持続可能な利用を図ることは人類の責務と考えております。したがいまして、産業活動に当たりましても、生物多様性に十分配慮することが必要だと考えております。

 経済産業省といたしましても、その重要性を踏まえた産業政策を実施するとともに、産業界に対しましても、産業活動に際して生物多様性に配慮することの重要性を周知するなど、関係省庁とともに生物多様性の保全と持続可能な利用に向けて取り組んでおります。

 発電所など、生物の多様性に影響を及ぼすと言われる事業の実施をする際には、動植物であるとか生態系への影響を踏まえた、いわゆる環境影響評価というものを実施しておりまして、事業の特性を踏まえつつ必要な措置を講ずるわけであります。

 産業界に対しましても、平成十四年度以降でありますが、毎年三回程度、計二十回でありますけれども、各地で生物多様性に関する説明会というものを実施いたしておりまして、こうした生物多様性の保全と持続可能な利用に関して、周知徹底を図るべく取り組んでいるところであります。

 

○牧委員 ぜひとも、しっかりと取り組んでいただきたいと重ねてお願いを申し上げたいと思うんです。

 私もちょっと気になることがございまして、これは直接固有名詞を挙げて例示することになってしまいますけれども、例えば私の地元の事務所の真ん前がついこの間まで広大な工場だったんです。固有名詞で言いますと住友電工という会社の工場だったんです。そこが工場を引き払って売却をして、今、土壌汚染対策等々規制が結構厳しいものですから、きれいに汚染は除去をしたところで、これからいよいよ再開発になるわけです。新たに建てるところがイオン、ジャスコの系列と、巨大なショッピングモールができて、そしてもう一方では、トヨタホームというトヨタの系列の不動産会社が高層のマンションを建築するということでございますけれども、今真っさらの状態になっております。

 工場があったときは、工場立地法に基づいてそれなりの緑地があったわけですけれども、今は、向こうまで全部見通せるような状況になっているわけです。イオンにしてもトヨタホームにしても、恐らくまたきちっとした環境づくりにも配慮されるとは思うんですけれども、とにかく前の状況における規制はもう何もなくなったわけです。そういう中で緑地が失われてしまったというのも、これは一方で事実なわけです。私は、やはり工場立地法における緑地面積が、国土の緑地を守るという意味で一定の役割を果たしてきたという事実も、これは否めないと思います。

 全体に占める緑地の面積と工場立地法における緑地の面積の比率の集計を役所でされているのかどうなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

 

○大塚政府参考人 お答えいたします。

 昭和四十八年に工場立地法が実質的に制定されたときの緑地面積が約六千八百ヘクタール、これは工場敷地面積全体の五・八%でございました。それが、平成十八年の緑地面積は約二万八千ヘクタールでございまして、工場敷地面積全体の一五・五%と、工場における緑地面積は着実に増加しております。

 以上です。

 

○牧委員 着実に増加しているということです。あえて、国土全体の中でどれぐらいの緑地かということは、計算が大変なのでお聞きをしませんけれども、着実に緑地の面積が広がっているということは理解できると思います。

 また、いろいろ漏れ伝わってくるところによると、審議会等で、これを緩和する方向にした方がいいんじゃないかというような産業界からの要請もあるやに聞いておりますけれども、今後どんな方向になっていくのか、見通しをお聞かせいただきたいと思います。

 

○山本(香)大臣政務官 工場立地法、今お話ありましたとおり、制定後三十年以上が経過をいたしまして、我が国の工場立地をめぐる環境というものが大きく変化をしてきているところでございます。そういったことから、平成十八年三月から、先ほどおっしゃっていただきましたとおり、産業構造審議会工場立地法検討小委員会というものを立ち上げまして、課題と今後のあり方につきまして議論を進めてまいりました。そして、ことしの一月にその報告書を取りまとめたところであります。

 そうした中で、工場立地法については、一定の役割を終えたという意見もある一方で、都市におけます緑のアメニティーという重要性もまだまだあることにかんがみれば、引き続き緑化規制が重要であるという意見もありまして、最終の報告書におきましては、この工場立地法の必要性につきまして、今後さらに議論を深めていくことが必要であるとされております。

 ただ一方で、その中で、現行法制度の枠内で速やかに見直すべき点として、三つ指摘されました。具体的には、工場敷地外に整備された緑地、環境施設の扱い、二点目が、立体的に見て緑の量が十分に確保されている工場の扱い、また三点目が、業種ごとの生産施設面積率区分の見直しでありますが、これらにつきましては、速やかに手当てを行ってまいりたいと思っております。

 今後とも、工場立地をめぐる社会的、経済的環境や他の環境規制体系の動向等を踏まえながら、また御指摘も踏まえて、小委員会報告書の提言に沿って、今後の工場立地法のあり方についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

 

○牧委員 つまりは、見た目の問題、緑が確保されているかどうかというようなお話ですとか、あるいは業種別、これは業によってどれだけばいじんが出るとかいろいろあろうかと思いますから、そういった観点からの見直しというふうに今お聞きしていて理解できるんですけれども、一方で、これは緑地がすべてではないんですけれども、やはり生物多様性の観点から緑地が果たしてきた役割というのは大きいと思います。そういった観点が今のお話には欠如していると私は思わざるを得ないので、きちっとそういうところも踏まえて、議論を今後進めていただけますようにお願いを申し上げたいと思います。

 国全体としての生物多様性を保全するための取り組みの中で、その中の一つに緑地の確保というのがきちっと位置づけられるべきだと私は思いますけれども、例えば国交省の施策として、緑地をどうやって保全するかということについての施策は、大ざっぱで、簡単で結構ですから、どんなものがあって、年間どれぐらい予算を使っているのか、簡単に教えてください。

 

○小川政府参考人 お答えいたします。

 都市においては、水や緑豊かな自然的環境を有する空間が生物の生息、生育のための貴重な空間となっており、生物多様性の保全に寄与しているというふうに認識をしております。これら自然的環境を創出、保全するため、自然環境に配慮した都市公園の整備、それから都市緑地法に基づきます特別緑地保全地区の指定による緑地の保全、さらには民有地の緑化などを推進してきたところでございます。

 今後は、より一層の自然的環境の適切な保全、再生、創出、管理を行っていくために、国土交通省といたしまして、市町村が策定いたします緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画、通称緑の基本計画というふうに呼んでございますが、これに基づく水と緑のネットワークの形成、さらには緑に関する普及啓発などを推進していく所存でございます。

 予算の方でございます。平成二十年度都市公園・緑地保全等事業予算額、事業費が二千百七十三億円、国費はそのうちの一千百一億円でございますが、その予算額の中で、生物多様性保全を初めとしました環境問題への対応について取り組んでまいりたいというふうに思っておるところであります。

 

○牧委員 つまりは、これは国の施策のすべてではないんでしょうけれども、およそ二千数百億を使って緑の保全を図っているという理解でいいと思うんですけれども、一方で、もし工場立地法の規制が緩和されて、緑地がどんどん失われていく、一方で国民の税金を使って緑地をつくっていくというのは、政府全体の政策からしたら整合性がとれない話だと私は思います。

 今、平成十七年現在ですか、工場の立地の中で約一五・五%という数字が出ておりましたけれども、先ほど私が申し上げたように、工場を閉鎖した後はもう分母に入らなくなるわけですから、一五・五%に伸びたから喜んでいる場合じゃなくて、工場を閉鎖した後に土壌汚染対策みたいに新たな規制をかけて緑地だけ残すなりなんなり、極端な話、そういうことをやってもいいぐらいの政策的な取り組みを期待したいと私は思います。

 これについては、もう時間も過ぎておりますのでこの辺にしておきたいんですけれども、ぜひその辺の取り組みを、単なる景観とかそういうことだけじゃなくて、やはりきちっと生物多様性、種の保存、そういうことを念頭に、ぜひとも経産省としても検討をしていただけますようにお願いを申し上げて、この件についてはこの辺にさせていただきたいと思います。

 さて、特商法、割賦販売法に話を移したいと思います。

 そもそも、特商法で扱われるというのは、何か世の中で後ろめたい商売をしているかのような印象を抱く方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう懸念があるということは、言っても差し支えないのかなと。善意の消費者の弱みにつけ込んで不当な利益を得ようとする者をきちっと規制しなければならない、そのための法律だというふうに私は理解をさせていただいております。

 その中で、特に経産省の行政としては、これは社会の変化とともに新手の商法が出現するわけですから、常にイタチごっこのようなことを繰り返さなければならないということも、これは一方で私もよく理解ができます。ただ、立法に当たっては、やはり現象面だけにとらわれずに、せっかくこういう審議の時間もございますから、その本質にきちっと迫ることも必要じゃないかなと私は思っております。

 いろいろな商売のやり方があると思いますけれども、例えば、私が高校時代に古文で習った今昔物語だとか宇治拾遺物語の説話の中にも、ちょっと出典ははっきり覚えていませんけれども、都で魚の行商をする人がいて、大変おいしい魚だといって評判で飛ぶようによく売れた、ところが後になったらそれが蛇の肉だったことがわかったというようなお話がどこかにあったような記憶が私あるんですけれども、まさにこれなんかは、食品偽装の話が当時からあったのかなと思うわけです。商売というのは、いろいろ新手の商売というけれども、人間の本質は変わらないわけで、いろいろなところにもそういったことは見出せるんじゃないかなと思っております。

 宇治拾遺の中にわらしべ長者の話がありますね。天のお告げで、とにかく最初につかんだものを持っていろと。転んで、わらしべをつかんだ。それを持って歩いていたら、そのわらにアブがとまって、それをそのまま持って歩いていたら、子供を連れたお母さんが来て、子供があれを欲しいというので、持っていたミカンと交換したんですね。今度、ミカンを持って歩いていたら、のどが渇いた人が来て、この私の布と交換してくださいと。その布を持って歩いていたら、今度馬と交換するのかな。最後、大きな屋敷を手に入れるわけです。

 これも、いろいろなことがそこから読み取れるわけで、天のお告げに素直に忠実に従った人間が最後は長者になったという単純な理解もあるでしょうし、もう一つ、私がこの話を見て思ったのは、そのときのニーズに合ったものであれば、仮に交換する価値がかなりアンバランスなものであっても、相手のニーズにマッチしたものであれば相当高く売れるという真実もこの話の中には隠されているんじゃないかなと。商売の極意というか、相手のニーズにマッチすれば必ず高く売れる、これが本質だと私は思います。

 認知症の人をだますとか、あるいは相手の不安をあおり立てる、これはある意味詐欺に通じる話かもしれませんけれども、ただ、極めて際どい話というか、ぎりぎりのところの話というのもあるんですね。

 それは、例えばの話、ちょっと私もいろいろ思い描いて列挙したんです。例えば、定年退職したばかりの人。私の父はもう既に他界しましたけれども、会社を定年になったその瞬間に、骨とう品屋さんやらいろいろな人が来て、退職金をもらったでしょう、記念にこの掛け軸はいかがですか、そういう人が来たのを覚えています。一、二点買ったと思います。そういうことにけちをつけるのも余りあれなので、黙って見ておりましたけれども。

 そういう人ですとか、例えばお金は持っているけれどもアカデミックなバックグラウンドがない人。こういう人は、何か学位が欲しいとか資格が取りたいとか、そういうニーズがある人もいっぱいいると思います。それから、結婚したいけれども異性と縁のない人とか、いろいろあると思うんですね。健康上の不安を抱えている人、あるいは既に健康を害している人。また、例えば自分の容姿にコンプレックスを持っている人ですとか、あとは老後の心配がある人。これは今、国民の大多数かもしれませんけれども。こういった、相手のニーズを考えて商売をすれば、かなりの確率でうまくいく。

 無理やり相手のニーズをつくり上げる場合もあろうかと思います。大臣、映画の「ペーパー・ムーン」という、昔あったのをごらんになっていないですか、なっていない。委員長、ごらんになりましたか、ごらんになっていないですか。

 ライアン・オニールとテータム・オニールの親子が出演して、聖書を売って歩くんですね。新聞の死亡広告を見て、そこの家を訪ねていくんです。聖書に金箔で名前まで入れて、そこの家に行くと奥さんが出てきて、これは御主人から注文の聖書ですと。そうしたら、主人は亡くなりましたと言うんですね。ああ、そうですか、では、多分亡くなる前に奥様にということで、こんな署名までありますよと。奥さんはもう感激して、それは買わせていただくと、高いお金で買うわけですよね。映画の中にそういう話があったわけです。

 それなんかは、まさにピンポイントで行くわけですね。本人がそれにいい思い出だけを持ったままでいれば、それは別に詐欺といってもそんなに悪質とは言えないと思うんですけれども、まさにピンポイントで相手を攻めることができればいろいろな商売が成り立つ。そういう一般論から、やはり名簿というのが非常に重要なキーワードになってくると思います。

 個人情報保護法の話にここでちょっと言及したいと思うんです。

 今回の消費者保護の観点というのは、そういったこととはまた別次元の話だと思います。事が起こってしまった後でどういう救済ができるかということにやや重きが置かれていると思うんですけれども、個人情報の保護という観点から消費者保護をどう考えるか、そういう視点から、ちょっと大臣の所見をお述べいただければと思います。

 

○甘利国務大臣 いろいろとおもしろい例えを興味深く拝聴させていただきました。最初につかんだわらが最後は家屋敷に変わるというわらしべ長者、今ならさしずめ、税務署が飛んできて、すぐ税金を払えと言うんだと思いますけれども。

 名簿ビジネスが映画にもなったということでありますが、私ども経済産業省が立入検査をやった案件でも、悪質業者の事務所に、高齢者でひとり暮らしの人のリストとか、あるいは過去にそういう被害に遭った、同業他社と契約をした者のリストなんというのが発見されることがあります。悪徳業者、悪質業者に言わせると、カモリストなんというふうに呼んでいるようであります。

 被害者になりやすい消費者のリストが悪質事業者の間で利用されているという状況については、個人情報保護法に抵触する場合もあると思います。もちろん、問題があるというふうに認識をいたしております。

 ただ一方で、顧客情報の収集、利用について単純に規制を強化するとなると、今度は、健全な事業者が健全な事業活動としてやっておる部分について一律に同列規制がかかる、健全な事業者の事業活動を制限するというおそれも一方である、副作用もあるということであります。

 事業者間における個人情報の活用というものをどういうふうに管理していくべきか、これはなかなか難しい問題であります。一方で、消費者の被害の防止のために個人情報の保護が必要だという観点とあるわけでありますが、この両方に対してどうあるべきかという点をしっかり考えながら、我が省だけの問題ではないんですけれども、少しく勉強をしているところであります。

 

○牧委員 確かに、大臣おっしゃるように、健全な業者の活動を阻害してはいけない、そういう観点ももちろん必要でしょうし、大いにそこは深く勉強していただければと思いますし、我々も検討していきたいと思っております。

 それに関連して、国民生活審議会の記事をちょっと読ませていただきました。これは今回、私も質問しようと思っていますけれども、企業のダイレクトメールに関してです。今回、ダイレクトメールの件は余り質問も出ておりませんでしたので、ちょっと各論に入って、そこら辺のところをお聞きしたいと思うんです。

 方向性として、個人情報の取得源や取得方法の明記ですとか、あるいは利用目的の明確化も求め、DMへのこれらの事項の明記がルール化される可能性があるという報道もありまして、私はその方向性は間違っていないと思うんですけれども、これは内閣府の方からお答えいただければいいんですかね、そういう方向性でよろしいんでしょうか。

 

○竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、国民生活審議会の個人情報保護部会で審議をしてきまして、個人情報保護法は平成十七年四月から施行されておりまして、三年を目途に見直しをするということで検討している中で、閣議決定で個人情報に関する基本方針の一部変更というのを先般行わせていただきました。

 その中におきまして、法律上の個人情報保護取扱事業者に係る義務プラス民間事業者におきまして先進的な取り組みということで、法律の義務規定以上のいろいろな取り組みをされている、そういうようないい例につきましては、今後も民間事業者の自主的な取り組みをやっていただく。

 そういうことで、この基本方針の中におきまして、いわゆるダイレクトメールなどの利用停止等につきましても、本人の求めがあったときに民間事業者が自主的にそういう差しとめをするとか、そういうことは非常にいいことだということで、そういう記事の中身を今回の閣議決定であります基本方針の一部変更の中に書き込ませていただきました。

 これに基づきまして、実際、各省庁それぞれガイドラインというものをつくることになっておりまして、そこの中で、個別の業種態様の中では、それに応じた形で適切な記述をすることによりまして、各民間事業者の取り扱いが有効にいくように努めていく、そういう形で閣議決定の変更をさせていただいたところでございます。

 

○牧委員 つまり、審議会の報道については、そこからはややトーンダウンしているわけですね、閣議決定については。私は、あえてトーンダウンと言わせていただきます。これは皆さんがきちっと自主的にそういうことに対応してくれれば、ここでこんな議論をする必要もないんでしょうけれども、やはり悪質な業者がいるからこそ私どももこういう質問をさせていただいているわけですし、そこら辺のところをこの際しっかり考えていかなきゃいけないなというふうに私は思っております。

 基本的な質問をぽんぽんとしますので、簡単に答えていただきたいんです。

 まず、通販を目的とした印刷媒体についてですけれども、これが一方的に送りつけられるということ自体は、そもそも違法なのか違法じゃないのか、いかがでしょうか。

 

○新藤副大臣 今回の特商法におきましては、意に反する取引に引き込まれやすい、そういう意味において、広告メールはオプトイン規制をかけるということで禁止をしたわけでございます。一方で、お尋ねの通信販売関係の情報誌、こういったものは一方的に郵送することを禁止するという規定は設けられておりません。ですから、違反にはなっていないわけです。

 それで、今お話もありましたが、商品の販売条件だとかサービスの提供条件、要するに金額、支払い条件、支払い方法、そういったものを、広告する場合に表示しなさいという規制はありまして、その違反事業者に対しては行政処分等をしているということもございます。

 今のところ、違反ではない、こういうことでございます。

 

○牧委員 それでは、もう一つ聞きます。

 新聞や雑誌の広告の内容が一般的な広告と通販の場合とあると思うんです。この場合、例えば広告の内容が通販だった場合でも、別にこれは新聞の広告だということで通販紙というような言い方はしないと思うんですけれども、例えば記事と広告のスペースの割合で何らかのカテゴリー化がされているのかされていないのかということをちょっとお聞かせください。

 

○橘高政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の特定商取引法におきましては、今お示しのような、例えば新聞等の紙面におきまして通信販売などの広告部分がありました場合に、その広告の大小、スペースの量にかかわりませず、それらの商品の販売条件とかあるいはそこで広告されているサービスの提供条件などについて、あくまでもすべからく特定商取引法の表示規制がかかっております。

 ただ、端的に、お尋ねでございましたスペースの比率によって何か取り扱いが変わったりしているかという意味におきましては、特段の基準は特定商取引法上はございません。

 

○牧委員 わかりました。特商法としてはそういうことですね。

 スペースが問題になってくるのはむしろ、これを第三種郵便で郵送するときの第三種がとれるかとれないか、その要件にかかわってくる話だと思いますけれども、第三種郵便における広告と記事の比率というのはありますね、広告は五〇%以下という。

 広告の中で、一般的な広告とあるいは通販との区別というのが第三種郵便の要件の中にあるかないか、教えてください。

 

○伊東参考人 お答えいたします。

 先生御指摘の第三種郵便物に関しましては幾つかの条件があるわけですけれども、広告につきまして五〇%以下であるというのが一つの条件になっております。その場合の、広告の内容に触れるような形での条件は、私どもつけておりません。したがいまして、一般的な広告か通販に係る広告かによる区別はしておりません。

 以上でございます。

 

○牧委員 内容については一切関知しないというお話です。

 委員の皆様のお手元にも料金表みたいなものをお配り申し上げておりますけれども、第三種の郵便料金、とりわけ障害者団体等が発行するものについては極めて低料になっております。その料金体系については資料をごらんのとおりでございます。

 この低料の要件、障害者団体が発行するものということなんでしょうけれども、この郵便物についてはどういうふうにチェックをされているんですか。

 

○伊東参考人 お答え申し上げます。

 第三種郵便物、先ほど申し上げましたような広告とかさまざまな条件があるわけですけれども、それの検査のために、第三種郵便物の承認をいたしました定期刊行物は、発行の都度、二部提出をしていただくことにしております。したがいまして、それを見まして、定期刊行物への記載事項、題号とか発行年月日とか、何年何月何日第三種郵便の承認の文字がちゃんとあるとかないとか、そういう形式的な要件はその都度チェックすると同時に、毎年一回定期調査を行いまして、承認条件のうち、これは発行部数などもあるわけですし、また有料発売部数の割合もございます、そういったものにつきまして、条件を満たしているかどうかの確認を行っているところでございます。

 

○牧委員 私は、これからお話ししますけれども、本当にきちっと確認をしているのかどうなのか、特に、普通の第三種もそうですけれども、障害者団体等の一部八円なんというただみたいな値段で送っているものについて、本当にその団体がきちっとした活動の一環として機関紙なり広報なりするための新聞媒体なのかどうなのか、そこら辺もきちっと調べてもらいたいと思うんですね。

 調べていないということをあえて例示させていただきたいと思うんですけれども、きょう理事会で、これを全体に回すのは差し控えてくれというお話でございましたので、まず大臣にちょっとごらんいただいて。

 これは三通サンプルがございます。皆様にはこの席からごらんいただくしかないんですけれども、一番外側が、これは封筒です、封筒を切ったものですね。中をあけると、差出人は、三つともそれぞれ違うんですけれども、社会福祉支援団体となっております。あくまでも建前は、障害者の皆さんを支援する、そのための機関紙を郵送するという建前になっております。

 これが本紙ですね。これと全く同じ大きさのものが中に入っておりますから、同じ大きさでともに見開き四ページなので、これで広告のスペースが五〇%以下ということです。こっちが本紙で、こっちが広告です。この広告の中身は、私もちょっと恥ずかしくて申し上げにくいような中身になっております。いわゆるアダルトグッズというんですかね、余り議事録には残したくないんですけれども、こういったものが入っている。男性向けのものと女性向けのものが入っている。

 さらに、封筒そのものは規制外なので、封筒の中にも、封筒を切ってあけると、中にもこのような広告が入っているわけですね。これはすべて通信販売の広告です。中には、水晶玉みたいなのもあって、どこかに入っていました、この水晶玉を家に置いておくと間違いなく一億円から三億円たまるということが書いてございます。

 社会福祉の名をかりてこういう商売も横行しているのかなと思うんですけれども、厚労省はこの実態について御存じですか。

 

○中村政府参考人 お答えいたします。

 低料第三種郵便の適用を受けるに当たりましては、心身障害者団体であることなどの証明が必要となりますが、この証明につきまして、全国的組織団体につきましては厚生労働省におきまして、その他の団体につきましてはその団体の主たる事務所が所在する都道府県等において行っているところでございます。

 直近の厚生労働省が行った証明の状況を見てみますと、平成十八年度、十九年度、それぞれ二件ずつとなっております。

 御質問のありました障害者の団体が行っている御指摘のありましたような実態につきましては、厚生労働省としては把握しておりません。

 

○牧委員 把握していないということでありますけれども、一方では、結局、こういった印刷媒体に、うちの名前を使えば安く送れるよということで社会福祉団体が名義貸しをして、それに乗っかって業者がこういったダイレクトメールを発送するというのが実態であります。中には、その団体がきちっとその活動を維持するための資金も必要ですから、印刷物を出せば印刷代もかかるし郵送代もかかるから、一定の広告を紙面に入れるというのは私はあっても当然だと思いますけれども、これは完全に本末転倒ですね。

 しかも、手紙が私のところにも来ております。こういったものが全く身に覚えがないのに届いた、日本郵政株式会社にどういうことですかと質問状を送ったけれども、それに対して何の回答もないという手紙も私は持っております。時間の都合できょうは割愛をしますけれども、つまりは、障害者団体にかかわりを持っていない、全く関係ない人のところにこういうものが届いているという実態がございます。

 日本の郵便の採算ラインが、一通幾らで出せば採算ラインなのかはきょうは聞きませんけれども、いずれにしても、一通八円で送ったらこれは赤字に決まっていますよね、こんなことばかりやって。

 大体、低料のものというのは、年間どれぐらい配達量があるんですか。

 

○伊東参考人 お答えいたします。

 三種そのものの全体につきましては、平成十八年度で五億九千万通ございます。先生御指摘の、そのうちの低料三種、心身障害者用の団体がお出しになるものにつきましては、平成十八年度で一億二千八百九十万通ほどでございます。

 

○牧委員 一億二千万通、これは低料で出ているんですよ。きちっとしたものの内訳はわかりませんけれども、これはちゃんと調査してくださいよ。郵政が民営化されて、一体何をやっているんだという話ですよ。株主は形式的には財務大臣かもしれないけれども、国民が株主みたいなものでしょう。

 今の話で、では、逸失利益はどれだけあるんだと株主総会で言われたら、何と答えるんですか。本題とは話がそれましたけれども、そこら辺のところは、結局、悪徳商法の温床になっているということを、時間がないのでこれ以上言いませんけれども、きょうは指摘をさせていただいて、それは総務省も含めてきちっと検討してください。厚労省にも責任はあると私は思います。そこら辺のところをきちっとやってください。

 時間が過ぎてしまったので、きょうは文科省からも私学部長においでいただいて、一問だけ聞く予定でしたけれども、申しわけないが、また次の機会にさせていただきたいと思います。

 きょうの質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

○東委員長 これにて牧義夫君の質疑は終わりました。

 次に、三谷光男君。

 

○三谷委員 民主党の三谷光男です。

 きょうは、特定商取引法並びに割賦販売法の改正について質問をさせていただきます。

 法案について質問をする前に、また重ねてでありますけれども、福田総理が大変その創設に向けて強い意欲を示されている消費者庁についてお尋ねをいたします。

 一昨日、消費者庁の創設について、そのあり方を検討している消費者行政推進会議から、取りまとめに向けてと題する素案が出されました。私は、先般の代表質問の際にも、消費者行政を一元的に推進する強い権限を持った新組織の創設は、真に消費者のためになる行政機関であれば大いに賛成だということを申し上げました。一方で、見ばえのいい権限だけを切り取って強い権限を持つ組織をつくったというのであれば、それは、消費者の安全や利益に資することにならないとも申し上げました。

 出された素案の内容は、まさにその危惧する見ばえのいい権限だけを切り取って強い権限を持つ組織をつくろうとすることがうかがえる内容になっている。本当に残念なことだというふうに思っています。

 内閣官房消費者行政一元化準備室から来ていただいています。この素案の中の、「個別作用法の移管(一部移管を含む)等」として、具体的な法律の移管についてはここでは記述を避けておられますけれども、消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管、これは総理の基本方針そのものであります。続いて、「食品表示、消費者信用、事故情報の報告・公表等の分野をはじめ、横断的な体系化(一般法の立案)に取り組む。」というふうにあります。

 この消費者に身近な問題を取り扱う法律は移管というのは、今も申し上げたとおり、総理が示した基本方針そのものでありますけれども、これは、この議論の中で、具体的に何なんでしょうか、どういう話が示されたんでしょうか。

 あるいは、この会議の議論の中で、以下、後ろに出てくる、食品表示あるいは消費者信用、事故情報の報告、公表など、横断的な体系化に取り組むとありますけれども、これらの法律が移管に係っているようにも読めるんですね。また、どのような理由によって、これらの分野が選ばれたといいますか切り取られてここに載せられたのか、どういう議論が出て、どういう話になってこういうことになったのか、説明をしていただきたい。

 

○松山政府参考人 三谷委員の御質問にお答え申し上げます。

 御指摘いただきましたとおり、一昨日開催されました第七回消費者行政推進会議におきまして、佐々木座長から御提示をいただきました取りまとめ素案、この中で、個別作用法の移管につきましては、消費者に身近な問題を取り扱う法律は各府省庁から消費者庁に移管するとともに、食品表示、消費者信用、事故情報の報告、公表等の分野を初め、横断的な体系化に取り組むとの記述がございます。

 こういう素案を座長が提出された背景でございますけれども、まず、消費者に身近な問題を取り扱う法律を移管するということに関しましては、これは消費者行政推進会議、それまで六回開催された中でたくさんの委員から、いろいろな表現はございましたけれども、例えば消費者被害の非常に深刻な分野でありますとか、それから消費者の権利の維持増進にとって基本的な法律でありますとか、いろいろな議論がございました。そうした議論を踏まえ、四月二十三日の消費者行政推進会議におきまして、総理が消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管すると表明をされまして、それを座長が受けて提示されたもの、そのように考えております。

 それから、横断的な体系化としまして、三つの分野が例示的に示されております。食品表示、消費者信用、事故情報の報告、公表、これにつきましても、それまでの消費者行政推進会議におけます議論の中で、何人かの委員の方から御発言、それからペーパーで提案をされた方もおられます。そうしたそれまでの議論をいわば集約する形で座長が整理をされた、そのように考えております。

 

○三谷委員 消費者に身近な問題を取り扱う法律は移管とは具体的に何かと聞いたわけでありますけれども、そのお話はありませんでした。結構です。

 そもそも、福田総理が示された六つの基本方針の一つ、まさにこの内容がそうでありますけれども、消費者に身近な問題を取り扱う法律という表現は、方針そのものが一言で言えば不可解と言わざるを得ません。実際の消費者行政の内容がどういうものなのか、いかに広範なものであるか、あるいはいかに多様なものであるか、本当に理解をされた上で、身近な問題を取り扱う法律を移管するんだということを基本方針にしたとは思えないんですね。

 大変申しわけないけれども、消費者問題、あるいはそれに係る行政で、あるいは法律で、消費者に身近なものでないような法律が、あるいは行政が、問題がありますでしょうか。食品安全あるいは薬事、建築基準法、金融商品取引もあります。消費生活用製品、悪質商法、これは議題になっていますけれども、貸金業法も含めて、数え上げれば切りがないんです。そして、みんな身近な問題ですよ、全部。消費者問題そのものが身近な問題なんです。

 それぞれ、法執行も含めて取り扱うために、議論の中で報じられていることもあります。消費生活委員のお一人が、消費生活用製品は高度な専門性が必要だからとおっしゃっておられる委員もおられます。そのとおりです。あるいは、今も議題になっておる特定商取引法、大変大きな法律です。大変複雑な法律でもあります。科学的なこととかが絡むものじゃなくても、高度な専門性が必要なんです。どこかだけ切り取って移管をする、法執行ごと移管をする、法律ごと移管をするというのはおかしいと思うんですね。では、全部ひっくるめるのかというと、今度はとんでもない巨大官庁ができるわけです。

 一方で、これもまた福田総理が言われている守るべき三原則の中で二つ目、消費者庁の創設は、決して行政組織の肥大化を招くものであってはならないという原則も一方で打ち立てられています。こっちの方が正しい話だというふうに思います。

 あるいは、これも申し添えます。新組織の創設を通じた対応の方向として出されているものがございます。簡単にまとめられていますけれども、消費者に身近な問題を取り扱う法律の移管、共管以外は結構なことだと思うんです。

 一元的な窓口の設置であるとか、あるいは情報の一元化、大事なことだと思います。新法の立案、すき間事案への対応、大事なことですね。強力な総合調整権限、勧告権の付与。移管の話以外は大変結構なことだし、きっとそれは、消費者問題あるいは消費者行政を円滑に進めていくために資するものになると思うんです。だけれども、この移管の話というのはおかしいと言わざるを得ません。

 そして、大臣にお聞きをする前にもう一つ言わなければなりません。本当に情けないのは、このように、きょう私がこの問題を取り上げています、この特商法法案審議でも。私は、一般質疑のときにも一度大臣にお聞きをいたしました。ほかの委員の方々も取り上げられている。一部の法だけ切り取ってその移管はおかしいんじゃないか、こういう話をいたしますと、それは消費者の抵抗勢力だというような議論があります。

 私は、きのうの朝日新聞の野田聖子自民党消費者問題調査会会長のインタビュー記事を読みまして驚きました。「「族議員」も抵抗勢力になりかねません。」あおる新聞も新聞社だというふうに思いますけれども、読みましょう。「消費者への取り組みに自民党は鈍感だった。このまま省庁と共に抵抗勢力になるか、消費者を選ぶか、考えてほしい。郵政民営化の議論のように、抵抗が大きいほど話題になり、内閣の支持率アップにもつながる。抵抗するなら、どんどんすればいい」、こういうインタビュー内容を掲載されています。「抵抗大きいほど話題に」と見出しにもなっています。

 本当にあきれてしまいます。問題を全く履き違えているというふうに思うんです。消費者の安全あるいは利益に資する、消費者行政が消費者の立場に立って円滑に行われることに資する消費者庁をつくるということよりも、郵政民営化小泉劇場のように、劇場をつくって内閣支持率のアップにつなげよう、そっちの話の方が優先にも聞こえますよ。

 前に、この調査会の最終取りまとめ案を出されたときも大臣に聞きました。そのときにも申し上げた。こういう人たちの意見を取り入れて新たに消費者庁をつくろうということであるとするならば、随分ゆがんだものになるというふうに思います。せっかく消費者行政に資する、先ほども申し上げたように、移管の話以外は、あるいはその移管の話にもどういう理屈があるのか、それがない。以外の話は大変いいことをしている。創設には私も賛成でありますけれども、いい官庁をつくろうとするときに間違った方向に進もうということであるならば、私は、関係する閣僚が、甘利大臣だけではないと思います、まともな方向に修正しなければいけないというふうに考えます。

 経済産業大臣に改めてお聞きをいたします。

 消費者庁創設に係る素案が、取りまとめ案が出ました。それを受けて、また、今のお話、私が申し上げたことを受けとめられて、経済産業大臣としてどのように思われるか、考えられるか、この消費者庁の創設について改めて聞かせてください。お願いします。

 

○甘利国務大臣 国民の安全、安心を確保するということについて反対する人はいないわけでありまして、これについては内閣全体の重要な政策課題だということを私自身も認識いたしております。

 五月二十一日に消費者行政推進会議において取りまとめに向けた議論がなされたわけでありますが、引き続き、最終的な取りまとめに向けて真摯な議論が続けられることを期待するわけであります。

 経済産業省といたしまして、産業政策と消費者保護というのを密接に連携させる、そういうことで、事業者と消費者が対立する存在であるということではなくて、よりよいものにしていくための好循環というものを生み出し、その実効性を上げることができる、そう信じて取り組んできたわけであります。

 情報を一元化する。この一元化というのは、ここでしか受け付けませんということではなくて、どこでも受け付けるけれどもそれがちゃんと全部に集まってくる、それから、一元化と同時に関係者に共有をされるということであります。そして、そういう事故情報、あるいはそういう危惧が極めて高いものについて強力な改善指導が行われる。その際には、担当する原課との連携というのは極めて大事になるわけであります。そうしたことが、要は行革の精神にのっとって、最小のコストで最大の効果を上げるということをしなければならない。

 私自身は、組織論から入っていくよりも機能論から入った方がいいといつも思うのであります。組織を、まずどっちをどう移すか、何かというのは結果論であって、どういう点が現在の消費者行政に関してはまだ不備があるかとか、所掌範囲のわからないところへ落ちたぽてんヒットをどうするかとか、あるいは情報が一部にだけあって関係するところが共有できていないとか、そういう点がよく指摘されていた。

 だから、私も、前の担当大臣の高市大臣に、PIO―NETの情報の端末を関係するところに全部つなげていけ、情報を一元化し、なおかつ共有するということが大事だということを再三申し上げて、それは実現したわけであります。

 そういう、今果たし得ないあるいは弱い機能を強化する。その際には、屋上屋を重ねたり大官庁を新たにつくったりというようなことが、御指摘のとおりそういう危惧がないように国民負担をできるだけ少なくして効果を上げるためにどうしたらいいかということから出発して、それをなし得るためにどういう行政組織の変更が必要なのかということに議論を展開していくべきだと思っておりますし、そういうふうな方向でなされることを期待しております。

 

○三谷委員 大臣、今、組織論よりも機能論だとオブラートに包んでうまく表現をされました。ただ、これはじっくり注視をしなければいけないですし、先ほど申し上げたことは非常に大事なことだというふうに思っていますので、まさに機能論となるように、つまり何が必要なことなのか、ちゃんと横ぐしが刺さって、大臣の野球の例えでいえばぽてんヒットのようなことが起こらないような、そういうものであるならばいいけれども、ともすれば、一言で言えば見ばえのする強い組織をつくったつくったというようなことで、何でその権限を移管するんだということがまさに機能としてわからないようなことであるならば、これは何度でも申し立てなければならない話だというふうに思っています。

 論を進めます。

 もう一つ。きょうは総務省にも来ていただいています。

 福田総理が示された消費者庁の創設に向けて、今も話をしました六つの基本方針の中で地方の消費者行政の強化が強調されています。「地方の消費者行政の強化に向けて、地方の窓口の一元化、関連行政機関の情報の集約などを進めるために、法的な措置を含めて抜本的な対策を講ずることとする。」

 それは、具体的には、各都道府県の消費者行政担当職員、随分なでこぼこがありますし、不足をしています。その拡充でありますとか、あるいは相談窓口となります消費生活センターの拡充、機能強化などでありましょうが、この話は大変大事な話だというふうに思っています。そしてまた、こちらの話は好ましい話だと思っています。

 総務省にお伺いします。この方針を受けて、素案の中では財政的な支援も考えるというようなことも盛り込まれました。今後どのように取り組んでいくお考えなのか、聞かせてください。

 

○津曲政府参考人 地方における消費者行政は、近年、予算額、担当職員の数ともに大幅に減少する一方で、相談件数が大幅に増加し、相談内容も複雑化、多様化するとともに、問題も広域化するなど、非常に難しい状況にあると認識しております。

 消費者行政の強化のためには、地域の現場で国民に一番近いところで直接消費者の方々への対応をする地方公共団体の体制の強化が不可欠だと考えております。先般、福田総理から示されました消費者庁の創設に関する指示の中では、地方分権を基本としつつ、地方の消費者行政の立て直し、強化のために、当面、国が講ずべき支援策のあり方について検討するよう求められております。

 消費者問題に迅速かつ的確に対応するためには、地方への権限移譲や地方公共団体の体制強化に対する国としての支援策などが不可欠と考えておりまして、内閣官房とも協力の上、そのやり方について検討を進めてまいりたいと考えております。

 

○三谷委員 今おっしゃられたように、素案の中にも盛り込まれた国の支援策というのは大事でありましょう。例えば人員の配置、拡充が非常に難しい話だということもわかった上で聞いておるんです。これは、こうやって特商法が強化、改正をされて、地方のことも、移譲されていますのでかかわってきます、言えないということがございます。だから、早急にどうしたらいいのかというその対策を立てていただきたい。このことは非常に好ましい方向性でありますので、早急に実のある話になるように対策を立てていただきたい。要望をさせていただきます。

 改正案審議に移ります。

 まず最初に、今回の特定商取引法並びに割賦販売法の改正は、全体としては画期的と評価してもいい改正内容だというふうに思います。参考人質疑が先般行われましたけれども、その際も参考人の方々から早く通してほしいと言われておられたとおり、それくらい評価されているのでありましょう。また、関係してこられた方々、毎たび傍聴にも来られておりますけれども、あるいは関心を持って見守られてきた方々も一様に早く通してくれ、こういう攻勢をされておられます。私たちも評価をしています。

 もちろん、課題は幾つかの点で残されています。残された課題というのは、そのほとんどが、今回の場合は健全な商取引を守ることとのせめぎ合いの中で、ぎりぎりの改正をした結果残された課題だというふうに理解をしています。

 だけれども、一点だけ釈然としない部分があるのです。それは勧誘を受ける意思の確認についてです。

 産業構造審議会特定商取引小委員会の最終報告では、訪問販売規制に勧誘を受ける意思の確認義務が明記されていました。改正原案三条の二の一項におきましても、勧誘を受ける意思があることを確認することをしないで勧誘してはならないとされていましたが、本改正案では、「勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならない。」に変更をされました。つまり、義務から努力義務規定にとどまりました。なぜ変更されたのでしょうか。経済産業大臣、御説明をお願いいたします。

 

○甘利国務大臣 御指摘のとおり、特定商取引法の改正に関して御審議をいただいた産構審の特定商取引小委員会が昨年十二月に取りまとめた報告書には、再勧誘の禁止措置に加えて、勧誘を受ける意思の確認義務を導入することが提言されております。そして、最終的に法案では、これは努力義務規定であると。

 その経緯でありますけれども、法案提出に向けたいろいろな検討を具体的に行ってきたわけであります。指定制の見直しに伴って規制対象が拡大する中で二点、まず第一点が、既に規定されている氏名や勧誘をする目的である旨の明示義務、これは既にあるわけでありますけれども、これに加えて、契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する当該契約の再勧誘を禁止するということとしたわけであります。

 従来の規定に加えて、意思を表示した者には再勧誘を禁止するという規定で押さえてありますので、勧誘を受ける意思の確認というものを、この二つがあるので、義務とまでせずとも努力義務として規定するということでいいのではないか、それが適当ではないかという判断に至ったというところでございます。

 

○三谷委員 甘利大臣らしからぬ大変苦しい理屈、御答弁だったように思います。そう言わざるを得ない。国会提出直前に、自民党の経済産業部会でこの点が変更の上で了承をされました。これはあえて申し上げません。本当に残念なことだということを申し添えます。せっかくいい改正をここまでやりながら、最後に一点、みそをつけちゃったなということは思います。本当に残念だというふうに思います。

 続いて、これも大変大事なことでありますけれども、特定商取引法及び割賦販売法の法執行体制についてお尋ねをいたします。

 まず、経済産業省そして各経済産業局、それぞれどのような人員体制か、これを説明していただきたい。

 あわせて、特定商取引法の法執行の権限は都道府県に移譲をされています。法執行における経済産業省と各都道府県との連携は行われているようです。どのように行われているのか。あるいは、各都道府県の間でも、例えば関東のように、連携が行われているというふうにも聞いています。どのような連携か、これもあわせて、具体的な事例も挙げて御説明をお願いします。

 

○橘高政府参考人 幾つか御質問がございましたので、順次現状を御説明申し上げます。

 最初に、体制でございますが、特定商取引法及び割賦販売法の執行に係る体制につきましては、経済産業本省で、今年度当初は、平成二十年四月一日の時点で、本省分五十名でございます。また、地方経済産業局は、全体合わせまして百二十七名となってございます。なお、これらの体制につきましては、もろもろの他の業務もございますものですから、それらとあわせてやりくりをしながら懸命に取り組んでいるという状況でございます。

 それから二つ目の、私ども経済産業省と自治体との関係、特に都道府県との連携、協調、支援の現状でございます。

 制度上は、それぞれみずからの判断で法執行することができるわけでございますが、やはりその円滑な連携が大事であるという観点から、特定商取引法の執行を中心にいたしまして、都道府県の関係職員に対する研修を開催いたしております。また、立入検査というものは相当な経験とかノウハウが必要でございます。都道府県がまだまだふなれな部分がございますので、立入検査を行う際には、私どもの本省あるいは局の職員がこれに同行して参加をするというような対応もとってございます。

 また、情報の共有という観点からは、本年の三月からでございますが、経済産業本省、地方経済産業局と都道府県の法執行当局との間でリアルタイムで情報が共有できますようにネットワークシステムをつくったところでございます。これによりまして、迅速な情報収集あるいは効果的な法執行の強化を図っております。

 それから最後、三点目で、都道府県の間の連携でございます。

 これも、案件によりましては、お示しのように幾つかの県にまたがって、それぞれの県が問題意識を同時に持っているというようなケースがございます。そのようなケースにつきましては、できるだけ連携をとりながら、タイミングも合わせながら進めていくことが効率的であると考えております。

 例えば、具体的な例で申しますと、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、それに静岡県という関東の関係する県が共同で処分を行ったというようなケースもございますし、また、中部地区のケースでございますが、岐阜県、愛知県、三重県が連携しながら共同で処分を行ったというようなケースもございます。

 

○三谷委員 今のお話を伺っておりましても、この特定商取引法、割賦販売法も含めてでありますけれども、経済産業省は、その法執行するところ、本当によくやられていると思うんです。地方ももちろんでこぼこがあります。東京都とかもよくやられている、あるいはできることは、なかなか人員とかふやせる話ではないのでしょう、だけれども可能なことはかなり考えられ得ることをやっておられるというふうに受けとめました。

 そして、こうやって特定商取引法改正が行われて、重ねてかかわりの深い割賦販売法も大変画期的な改正が行われて、現状でも、実際に悪質商法そのものは非常にさまざま起きている、また巧妙化もしています。

 一昨日も、東京都が七社、これは、記事ではえづけ商法になっておりました、SF商法、催眠商法と言われております七社に業務停止命令処分を下した。東京都だけで二月、三月も立て続けに処分が下されている。あるいは、二月ということでは、経産省本省においても連鎖販売業者のニューウエイズジャパンの業務停止処分をする、こういうこともございました。

 マルチもあれば、展示会商法もあれば、かたりもあれば、霊感商法、次々販売、組み合わせも含めると、本当に切りがないぐらいございます。

 経産省も、あるいは地方自治体も、大変よくやっているんだろうというふうに思います。こうやってすき間を埋める改正ができて、今までだったら捕まえられない、取り締まれないものがより取り締まれるようになって、現状でも、これは経産省の方々とお話をいろいろしてみると、人員が足りないとは言えないのでしょうが、だけれども、全く追っつかないのだということがよくわかります。

 そこで、なかなか難しい話だとは思いますが、こうやって強化をされた両法の改正でありますけれども、法執行が非常に大事な話だと思うんです。法執行の機能強化あるいは体制の充実、拡充について、経済産業大臣、どういうふうにお取り組みになられるか、考えを聞かせてください。

 

○甘利国務大臣 まず、今回の法改正の一番大事な点は、個別適用であったものを原則適用する。つまり、モグラたたきみたいに次から次に出てくる、そのたびに法改正をして対処してきたのは、もうイタチごっこになってしまう。それで、原則適用してそういう逃れ方に対して道をふさいだということであります。

 大事な点は、委員御指摘のとおり、ならばその法をきちっと執行して実を上げていくという体制をどうとっていくかということであります。現状でも、例えば、十九年度の処分件数でいえば、経済産業省、都道府県ともに過去最高、四十件、百四十件というふうになっているわけであります。これは、より厳正に法を執行していくということで実を上げているというふうに思っております。

 先ほども説明をさせていただきましたように、国と都道府県との連携を強化する、迅速な情報収集と効果的な法執行の強化ということを図っているところであります。人員にもちろん制約はありますけれども、都道府県との連携、それに加えて関係各省庁との連携を図るということで、効率的に機能強化、執行体制の充実に努めてまいりたいと考えております。

 

○三谷委員 随分質問時間が押してまいりました。いろいろ通告をさせていただいているんですが、少し間をはしょらせていただきまして、先ほども申し上げましたように、この両法の改正で、特に、取り締まりの方でいえば、特定商取引法の改正、非常に画期的な改正だというふうに思っています。この改正で、すき間となってきたこと、あるいは抜け道となってきたことも確かに随分埋まったのだろうというふうに思います。

 ちょっと一つ例を挙げさせていただいて、逆に、説明をしていただきたいというふうに思います。

 先般、五月の十八日付で報道をされました証券投資会社グリーンキャピタル、これは深谷市に本社のある会社でありますけれども、分類とすれば利殖商法。上場間近だとして未公開株を売っていく。値上がりは間違いないんだ、これは成長株だ、あるいは上場する創業期の店頭公開前の優良企業株だという、ほとんど不実の告知に近い、あるいはそうであることを言って販売をする方法であります。

 同社は証券業の登録業者ではない、それで未公開株を販売していた。顧客百五十人に未公開株を一億六千万円販売していた。同社社長は、相対取引だと主張をしている。そして、扱う未公開株は、創業期、成長期で店頭公開前の優良企業株を提供しているんだというふうに主張をしている。

 これは改正特定商取引法のすき間を埋めることをあらわすのにいい例だというふうに思って取り上げたんですけれども、金融庁に聞きますと、実際の話は、これは紛れもなく、登録をしなければいけない、証取法違反だということでありましたが、ここは証取法違反ではないことを想定して、改正特定商取引法だとして、このケース、証券取引法違反でない場合であっても改正特定商取引法の違反対象になりますよね。これを説明していただきたい。

 あわせて、法執行を所管する官庁のことも含めて説明をお願いします。

 

○橘高政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御自身のお話にもございましたように、いわゆる金融商品取引法にかかわる解釈等につきましては金融庁等によるということでございますけれども、私ども、特定商取引法の観点から、お示しの例を一般的な例として解説させていただきます。

 例えば、何らかの事業者が、特定商取引法で定めておりますような訪問販売の形式でございますとか、通信販売の手法でございますとか、あるいは電話勧誘の手法でございますとか、こういうような方法で未公開株等の、金融商品でございますので、こういうものを扱っている場合に、これは、特定商取引法の今回の改正によりまして、規制対象となります。

 あくまで、特定商取引法が直接にかかわらないものは、法の中に列挙したもの、あるいは、今後政令で一定の要件に該当するとして除外したものだけでございますので、お示しのようなケースは、一般的に、特定商取引法の観点からきちんと見ていくことになると考えられます。

 担当についてのお尋ねでございます。

 特定商取引法は、主務大臣制ということで、いわゆる商一般という観点からの経済産業大臣の観点と、それから、金融商品も含めます商品の流通を所掌しているそれぞれの担当大臣との連携協力によって処分を行っていくという体系でございます。

 したがいまして、今お示しの例が金融商品であるという前提で申し上げますと、経済産業大臣はもとよりでございますが、金融庁をつかさどっておられます、ここの場合は最終的には内閣総理大臣でございますが、協力して行政処分に当たっていくというような形になろうかと存じます。

 

○三谷委員 本当に画期的な改正だと思うんです。明らかに今までだったら取り締まれなかった、これも一番大きな改正部分である、特定の法律に規定されていないもの以外には全部網がかかるわけですから、つまり今のようなお答えになるんだと思います。

 そして、意外と知られていないことですけれども、ここが逆に意外と画期的だと私は思うんですけれども、所管官庁が取り締まれるということが条文にも書かれているんです。これは本当に大変いいことだというふうに思います。今までだったらなかったことでありました。大いに評価をしています。

 最後に、これは経済産業大臣にお伺いをいたします。

 一番最初の消費者庁のお話の中にも出ました。あるいは出しました。悪質商法に限らず、消費者問題あるいは被害の相談窓口、消費者庁が、まだ中身は全部明確ではありませんけれども、窓口の一元化ということも言ってつくられようとしていることはあります。

 これは私の個人的な考えでありますけれども、やはり消費生活センター、あるいは、先ほど大臣御答弁の中で、別に一つじゃなくてもいいよと。私もそのように思います。だけれども、基本的な広報、広く知らしめる、相談はここにしなさいよという窓口は、それぞれ縦割りでやるんじゃなくて、消費生活センターあるいは国民生活センターに一元化されることが望ましいんじゃないか、いいんじゃないかというふうに思うんです。

 特商法のお話になるとこれはいたし方がないんですけれども、各経産局で可能な限りのことをやって知らしめる。このように改正されましたよ、被害があったらここに、経産局に相談窓口をつくっていますよと言わざるを得ない、だけれども、消費者問題全体のことを考えれば今申し上げたことが一番いいのじゃないかというふうに思いますが、大臣のお考えを最後に聞かせてください。

 

○甘利国務大臣 消費者が生活していく際の商品、サービスに関して問題があると思ったときにすぐ連絡ができる、駆け込み寺的に消費者のイメージの中に浮かんでくるのはやはり消費生活センターであり、国民生活センターだと思います。とりあえずどんな苦情でもそこに持ち込んでいけば所管にちゃんと連絡が行くという認識で恐らく駆け込まれるんだと思いますし、それをきちんと踏まえて関係機関が消費生活センター、国民生活センターと一緒に、連携をとり、一体となって取り組むということは極めて大事なことだと思います。御指摘のとおりであります。

 私ども、先ほど申し上げましたけれども、ITを使って、関係するところが情報を共有できるようにPIO―NET端末を経済産業省にもという要請をして、昨年の十二月から情報の共有化ができているわけであります。今後とも、消費者行政の一層の推進を図るために、相談窓口の充実強化とともに関係機関との連携をしっかりと図っていくという所存でございます。

 

○三谷委員 ありがとうございました。質問を終わります。

 

○東委員長 これにて三谷光男君の質疑は終わりました。

 次に、吉井英勝君。

 

○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 もう随分議論が深められておりますから、最初に、私は基本的なことについて確認をしておきたいと思います。

 この法律は、消費者保護、被害救済と被害拡大の防止、そこに、それを実現するものというところに大事な立法趣旨があるということと、消費者に安心、安全、そして信頼されることで業界にもメリットがあるという考え方に立っている。もう一つは、現行法上の規定や判例等を含めて現に到達したもの、水準があるわけですね。それを後退させるようなものではないということ、この点を最初に確認しておきたいと思います。

 

○寺坂政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律改正、私ども幾つか、先進的といいますか、規定を設けた、御提案申し上げているところでございますけれども、これは、今までの法体系の中で必ずしも十分な対応が図れない、図りにくいといったようなものについて、例えば過量販売契約でございましたらその契約解除の根拠規定を設けるとか、そういうふうに、追加と申しましょうか、効果を高めるべく手当てをしたものでございますので、ただいま委員の御指摘のように、何か規定を設けたことによってかえって逆に消費者保護が後退するとかそういったことにはならない、そのような考え方のもとに提案をしているところでございます。

 

○吉井委員 通達で既に示してきたことの法律化の部分と、そこはもとよりなんですけれども、法文化されていないものでも、従来の通達が政令とかガイドラインの形などで生かされていくということになっていきますね。これも確認しておきます。

 

○寺坂政府参考人 そのように考えてございます。

 

○吉井委員 なぜこういうことを聞くかといいますと、業者の方は、規制の法律はないとか、それから通達など法的根拠はないなどということを言って、それで悪徳商法を進めてきたことが被害拡大につながっていますから、そこで被害者の方また消費生活相談員の方とか弁護団の方などが随分頑張ってこられて判例での前進がありましたし、そういう声から通達も生まれてきました。

 一例を見ておきますと、例えばアイディックの事件訴訟で、アイディックというので、信販会社の提出書面の中では、個品割賦購入あっせんにおいて信販会社が加盟店を管理し監督する義務を定めた法律上の規定は存在せず、管理義務を負う法的根拠は存在しないなどということを当時彼らは言っておったわけです。それから、原告は加盟店管理責任の根拠として経済産業省の通達を挙げているが、これら通達は行政指導にすぎず、これにより直ちに私法上の法的義務が生じるわけではないなどと言って責任逃れを図るし、被害の拡大をやっている、こういう問題がありました。

 そういう点では、もっと早く割賦販売法に条文として位置づけておけば被害の拡大を防げたと思うんですが、今回の改正はそういう点では一歩前進だというふうに思うわけです。

 そこで、政令、通達、ガイドラインで被害防止の取り組みを強めるとともに、やはり法施行後生まれてくる被害の実態を見て法律改正なども適宜考えていく、そのことによって実効性を高めていくということが大事ではないかと思うんですが、これについても伺っておきます。

    〔委員長退席、谷本委員長代理着席〕

 

○寺坂政府参考人 委員御指摘のとおり、関係の細則、政省令あるいは通達、そういったものによりまして、解釈のすき間と申しましょうか、そういったこと、悪質な事業者にみずからに都合のよい解釈をさせないように適切な法解釈を明らかにしていくということが、私ども、行政、法律を執行する上においても大切な役割だと認識してございます。

 

○吉井委員 実際に法を施行して進めていく中で、悪い連中はまたすき間を見てきますから、いろいろな対応というものが必要となるわけです。

 アイディックの場合などの例を考えてみても、通達にまだクレームをつけて妙なことを言ってきたりとか、なかなか言うことを聞かないために被害拡大とか、こういう問題が、法施行後も生まれてくる被害の実態に合わせて必要なときには適宜法の改正も図る、こういうことで臨む、もちろん全部法律を変えればいいというものじゃありませんから、これは政令とかそれからガイドラインに事例をきちっと載せることで規制するということが大事だと思うんですが、法改正を含めて、やはり適宜、迅速に対応するということが非常に大事じゃないかと思うんですが、もう一度この点を伺っておきます。

 

○寺坂政府参考人 通達の改正あるいはガイドラインの整備、追加など、そういったことによりまして法解釈の明確化を行って、悪質事業者に都合のよい解釈の余地がなくなるように努めていくということは、御指摘のとおりでございます。

 私ども、これまでもそのような対応をできるだけ図ってきたところでございます。

 例えば、事業者向けの取引であれば特定商取引法の適用除外となるといったようなことを悪用した事業者で、よく言われます電話機リースの問題がございます。そういったものは、個人事業主との契約の形になっているんですけれども、主として、これはやはり個人用途で、そういう電話機リース、しかも悪質な訪問販売、そういったものが流行したケースがございます。そういった場合は、法解釈の明確化ということで、これは個人用途の契約なんだから特商法の対象になるということをいたしました。

 また、今回原則適用方式にしましたからその問題は解決されたと思いますけれども、例えば、家の雪おろしをするということが家の修繕と申しましょうかそういったものに当たるのかどうかというようなことについて、悪用する例が出てきた場合には、これは当然その対象になるというような、そういう通達、解釈を示すことによって対応を図ってきた、そういうことでございます。

 今後ともしっかりと対応してまいりたいと思います。

 

○吉井委員 ここで大臣にも伺っておきたいんです。

 国民センターが二〇〇二年に経済産業省に、個品割賦購入あっせん契約におけるクレジット会社の加盟店管理の適正化についてという要望を出しておりました、二〇〇二年なんですね。加盟店管理を十分行うことを義務づけるなどの規定を割賦販売法に設ける等、実効性ある方策を検討してもらいたいということだったんですが、しかし、その後、通達だけだったんですね。

 しかし、その間にも被害拡大が進んでいますから、やはり被害拡大の防止、すき間のない救済を実現するという点では、私は今後、実際に一歩前進なんですけれども、せっかく法律をつくっても、悪いやつはまたおるわけですから、いろいろな事例が出てきますね。

 ですから、その被害の実態に合わせて、法改正、政令など、これは大臣としても迅速に対応していくという、この点のお考えを聞いておきたいと思います。

    〔谷本委員長代理退席、委員長着席〕

 

○甘利国務大臣 今回の法改正で、原則適用、抜け道を探して新たな悪質商法が出るという道を法律としてはふさぎました。政省令や通達というのは、法律に全部書き切れませんから、具体的なことについては政省令に書く。あるいは、先ほど来、勝手な解釈をするといけないので、法解釈は具体的にこうですということをわかるようにいろいろする、そのための通達もあります。

 法が意図していることをきちんと関係者に知らしめるために、政省令、通達をうまく使い分けながら、きちんとしていきたいと思いますし、そういうことでカバーできない部分、根本にかかわる部分が仮に出た場合には、当然、迅速に法改正にも取り組んでまいります。

 

○吉井委員 次に、九条の二の二項で、前項の規定による権利は、売買契約、役務提供契約の締結のときから一年以内に行使しなければならないという、この間、参考人質疑のときにも取り上げた、お聞きした問題なんですが、五年前から次々販売の被害を受けた人が救済されるのは直近の一年間だけで、その前の四年間というのは残念ながら救済されないということになろうかと思うんですが、これを伺っておきます。

 

○寺坂政府参考人 法律上の規定といたしましては、ただいま委員御指摘のとおり、一年以内に権利行使というふうにしてございますので、一年以内の契約のものが解除の対象になり得るということと考えてございます。

 

○吉井委員 この規定を単純に反対解釈すると、契約から既に一年以上経過してしまっている契約については過量販売という理由で解除はできないということになり、あたかも有効な契約であるかのようにお墨つきを与えるような印象を受けるわけですね。だから、悪徳業者側からすると、契約から一年以上経過しているから有効だ、もはや解除、取り消しはできないと主張する可能性があるわけです。

 そこで、この規定というのは、締結時から一年を超えている契約については、過量販売を理由として契約の効力を争う余地を一切封じるという趣旨ではない、むしろすき間になるところは訴訟で救済の道を開けるようにするという考え方だというふうに考えていいのか、伺います。

 

○寺坂政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたように、現行諸規定によりまして対応が可能なものが、新たな消費者保護のための規定を設けることで結果的に後退してしまうというようなことになってはよろしくないというふうに考えて、作業をしてまいってきてございます。

 今の事例の関係で申し上げますと、例えば、一年を超えるケースでございましても、民法に規定されます取り消し規定に関する過去の判例から推測いたしますと、過量販売が行われました事例につきまして、新たな規定、過量販売解除の規定が及ばない期間の契約でありましても、民法上の救済が可能なケースもあり得ると考えてございます。

 もちろん、これは最終的には個別の事案ごとに司法判断にゆだねられるものでございますので、そういう要素がございますけれども、判例の動向については注視をしてまいりたいというふうに考えてございます。

 

○吉井委員 現行法でも、契約締結時から一年を経過してしまっている契約について、公序良俗違反で無効とされているケースがあるわけですね。

 例えば、鹿児島御出身の方が東京で家族で暮らしていらっしゃって、三年ぶりとか五年ぶりとかに鹿児島へ帰ってみたら、遠いですから、なかなかふだん忙しくて帰れなかったんだけれども、帰ってみたら、非常に人のいい両親が悪徳業者の過量販売を受けてクレジット支払いに困っている、それが三年ぶりにわかったとか五年ぶりにわかったという場合。

 そうすると、最近の一年分はこの法改正で戻ってくるわけですね。しかし、初めの一年から二年分なりあるいは一年から四年分なり、これは戻らないということになりますから、この点では、法改正で、最初の一年から二年なり一年から四年なりの分は、判例では公序良俗に反するということで、この判例が生かされるならば、その後の一年分は今度の法律でということで、この規定を設けることで、契約から一年を経過している契約であっても、これは、過量販売についての公序良俗違反を含めて契約の無効を主張することができなくなることはない。逆に、公序良俗違反で、判決を得ることにより、五年前からの次々販売、過量販売の被害分は、既払い分は返還させるということができる、その道はあるんだということを確認しておきたいと思います。

 

○寺坂政府参考人 お答え申し上げます。

 過量販売解除の規定の行使が可能な期間、先ほど来御指摘ございますように、一年以内ということで設けているわけでございますけれども、これは、消費者保護の観点から十分な期間を設定すべきであるという考え方と、それから、事業者が契約を解除されるリスクを持ち続けることになるといったこと等の関連で期間を御提案しているわけでございます。

 先ほど委員が御指摘になりましたように、一年ということは、例えば、消費者自身が気づく場合のほかに、判断能力が少し衰えた方の独居世帯、そういった場合には、まさに、親戚の方が訪れてこれは何だろうというふうな存在に気づく場合が多いというふうに考えられますことから、盆とか正月とかいった一年におけます節目に親戚が帰省される、そういったような要素も踏まえまして、可能な期間を一年間というふうに提案しているところでございます。

 したがって、これは先ほど来申し上げましたとおりでございまして、それを超えるものにつきましては、民法の一般的な規定、これまでの裁判の判例、そういったもので対象となることはあり得ると考えてございますので、そういった動向についてはしっかり注視をしてまいりたいと考えてございます。

 

○吉井委員 かなり過疎化してきますと、親戚じゅうが、大体みんな人がいいですから、なかなか悪徳業者を見抜くことができなくて被害を受けるということがあります。

 ですから、そういう点では、やはり過量販売などの被害の現実から出発して、実態から出発して、いずれにしても、被害の防止と被害者救済がこの法の目的だと思いますから、そういう点では、法施行後に出てくるさまざまな実態に合わせて、くどいようですが、消費者被害の拡大防止、救済のための措置を充実させていく。

 その中には、期間を一年からさらに延ばすという方向での見直しということも考えられるわけですし、それから、一工夫して、政令で規制することとか、ガイドライン、あるいはその中の事例集によって規制効果を生み出していく。要は、そういう広く被害者を救済するという立場で臨んでいくということが大事だと思うんですが、重ねて伺っておきます。

 

○寺坂政府参考人 特商法の規定の趣旨と民法の規定あるいは裁判所の判断、重ねて申し上げているとおりでございまして、今後の被害実態あるいは判例、そういったものを十分注視してまいりたいと考えてございます。

 

○吉井委員 次に、過量の判断基準についても伺っておきたいと思うんです。

 通常必要とされる分量を著しく超えるということですが、日常生活において必要とされるものとは何かとか、要するに、一つは対象物ですね、それから過量の回数、あるいは期間、一年間の間だけのことなのか、三年ないし五年ぐらいの間に次々販売で全く要らないものを過量販売を受けたという、この期間をどうするのかとか、分量の面でどう見るかとか。

 これは、政令とか、ガイドラインの場合には事例なども丁寧に示して、判断基準が明らかになっていく必要があると思うんですが、確認をしておきます。

 

○寺坂政府参考人 お答え申し上げます。

 法令上、日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買云々ということでございます。

 これは、まさに著しく超えるということでございますので、少し買い過ぎたとか、そういったこととはまた別でございまして、普通に考えますと、明らかにそういったことはあり得ないといったような量のものを意味しているというふうに考えてございます。

 ただ、ガイドラインでそのあたりについての考え方をまとめていく、あるいはその解釈を示すということは大事なことかと考えてございますけれども、一方で、今度はまたすれすれの議論というのがあるというその副作用の点もあるわけでございます。そういうことでございますし、商品とかあるいは家族構成等々、個別の案件によって違いが出てくる、そういった要素もございます。

 そういったことでございますので、今後、実態を踏まえながら、いろいろな方の御意見を伺うということはあるかと思いますけれども、個別の事例の判断につきましては、これはやはり個々の事例に即して、場合によっては司法の方の判断を仰ぐとか、そういったケースが出てくるものというふうに考えてございます。

 

○吉井委員 次に、店舗販売について伺いたいと思います。

 訪問販売で規制されるものだけじゃなくて、店舗販売の場合でも過剰与信を規制することで既払い金の返還に道をつけることができるんじゃないか、また、それが大事じゃないかと思うんです。

 信販会社と契約している正常な加盟店の店舗販売は、通常何の問題もないんですよ。悪徳業者が店舗販売したときにクレジット規制の中で店舗取引が対象から落とされていると、今度はそこへ目をつけて悪徳業者がやってくるというのが通例ですが、信販会社の過失責任を問うて今度は行政処分までは行くわけですね、店舗の場合、被害者救済ということには行かないわけですね。

 現実の事例を見た場合、呉服の展示会商法だったら、これは規制してやっていけるわけですね。一つ確認しておきます。

 

○橘高政府参考人 呉服につきましてお尋ねでございますけれども、いわゆる訪問販売形式で行った場合につきましては、もちろん特定商取引法上の対象でございます。他方で、店舗につきましては......(吉井委員「いや、展示会商法」と呼ぶ)失礼いたしました。

 展示会商法につきましては、現在も特定商取引法上、一定の範囲で対象となってございます。これにつきましては、これまでは、実態にかんがみまして、比較的短い、一両日、二、三日で場所を動かすというようなものにつきましてきちんと規制の対象としていくということで運用しておるところでございます。

 

○吉井委員 大阪で起きた事例ですが、十階建てビル丸ごと、株式会社愛染蔵という、年じゅうビルでやっている店舗がありますが、ここでクレジットつきの呉服の次々販売。愛染蔵被害者が、訴訟の方の受任者だけで約百三十人。損害額は非常に莫大なものですが、負債総額百四十八億円。倒産の形をとって経営者は逃げてしまっている。事実上の逃亡ですね。

 こういうふうに、愛染蔵のように立派なビルで商売をやっていた、これは店舗販売に入るのか入らないのか、どういうことになりますか。

 

○橘高政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的に申し上げれば、今お示しのようなケースは、典型的には、固定的なきちんとした店舗の構えをとって恒常的にやっております以上は、これは私どもの特定商取引法の本来想定しているものではないという扱いになろうかと存じます。

 

○吉井委員 現実には、クレジットがついているからということで次々と買わされるわけですね。過量販売も行える。店舗なんだけれども、現実には被害が出ている。ですから、やはりそのことに着目した取り組みというのが大事だと思うんです。

 信販会社は、早い段階で愛染蔵の次々販売の事実を知って、加盟店に対して調査し、事実確認後は与信を拒否すれば被害は拡大しないわけですね。被害の事実を知りながら、あるいは被害の事実を知ろうとしないで、信販契約数の増加という、企業の業績上昇だけを考えていた信販会社の責任というのは非常に重いと思うんです。

 今抜けていますけれども店舗を加えても、正常な事業を行っている企業は少しも困らないんですよ、もともと。店舗を加えることで、この愛染蔵被害者の拡大などは防げると思うんですね。

 違法契約分の既払い分の返還をするとなると、信販会社の側にも、加盟店の中で過量販売などをやる者にクレジットを使わせたら自分が損する、だからそういう業者を早い時期にやめさせていく、摘発していくというインセンティブが働くというふうに思うんですが、この点についてのお考えを伺っておきます。

 

○橘高政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、特商法、割販法の法改正を検討いたします背景には、今お示しのような事情も含めまして、特に個品クレジットの世界におきまして相当高額なクレジットが使われている。ただ、いわゆる過量販売等に連動いたします取り消しなどにつきましては、この個品の訪問販売というところが非常に苦情が多いというところに着目いたしまして、そういう扱いにしている。

 同時に、店舗につきまして、それでは、今お示しのように、いろいろ大きな問題がまれにあった場合に、全く割賦販売の世界でこれを放置しておくのかということにつきましては、私どもそういうことが適当だとは考えておりません。

 したがいまして、今回の個別クレジットに関します一連の規制の見直しに当たりまして、一つは、登録制を導入し、そもそも入り口の段階できちんとした業者であることを求め、そしてこれを継続的にチェックしていくという形での個別クレジット業者の規律の強化、それから、店舗販売も含めまして消費者からの苦情があった場合に、これを適切に処理するように義務づけるという規定も設けているところでございます。これらによりまして、お示しのような、店舗販売の中でやはり放置できないようなものにつきましては、これらの規定を適正に活用することによりまして対応することが可能だと考えてございます。

 また、店舗販売も含めまして、個別クレジット業者に対しましては、いわゆる過剰与信の防止義務というものも今回導入をいたしております。

 したがいまして、お客様、消費者という視点に立ちまして、個々の消費者の信用力あるいは返済能力を全体として見ることによりまして、それが特定商取引法類型に限らず店舗販売の場合であっても、個別クレジット業者は全体としてきちんと見ていかなければならないという形での規律も導入したところでございます。

 これらの措置を適切に活用することによって、店舗販売についても、本当に問題のあるものについてはしかるべく対応していきたいと考えてございます。

 

○吉井委員 届け出をさせて、行政処分ということでとりあえずやっていくというのはわかるんですが、クレームの出た加盟店には直ちに調査に入るということ、それから、銀行などがリスクをとって貸し付けるために審査をやるように、やはり信販会社が過剰与信かどうかの審査をきちんとやる、これは当然のことだと思うんです。

 この二つのことを怠っている場合、店舗販売であっても過量販売による被害が生じたときには、個人だけじゃなくて多数の人に被害がさらに拡大したときには、信販会社に既払い金を返還させることで、信販会社に社会的責任の自覚と加盟店調査や与信審査の強化を図るインセンティブを与えることになると思うんです。それはまた、まともな信販会社と、サラ金、やみ金系の業者の信販分野への参入障壁になりますから、これは信販業界にとっても大きなメリットになると思うんです。

 大臣、最後に、そのことについて、やはりそうしたことを今後検討していくことが大事じゃないかと思うんですが、これを大臣に伺って、時間が参りましたので終わりにしたいと思います。

 

○甘利国務大臣 御指摘の過剰与信防止義務や消費者トラブルがあった場合に適切な対処を行うということの義務については、消費者保護を目的とした措置でありますけれども、これらは、個別クレジット業者の業務の運営に関する規定でありますことから、これらの規則に違反した場合に、直ちに民事責任が発生するものではないわけであります。

 裁判におきましては、不法行為責任を判断するに当たりまして、消費者保護を目的とした行政規制について、違反の程度を勘案して民事責任を認めた裁判例があると承知をいたしております。

 不法行為による損害賠償請求などの民事責任が認められるか否かについては、個別事案ごとに司法が判断するものと考えております。

 いずれにいたしましても、先ほど来答弁させていただいていますとおり、登録制を設け、そして過剰与信を行わない義務を個別クレジット会社が負うわけであります。こうした法の取り扱いを通じて、今までのような被害を未然に防止できるというふうに考えておりますし、引き続き、業界の指導はきちっと行っていきたいと思っております。

 

○吉井委員 終わります。

 

○東委員長 これにて吉井英勝君の質疑は終わりました。

 次回は、来る二十八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十六分散会