テロ対策活動に対す補給支援活動特措法案(副大臣答弁)                          参議院外交防衛委員会-15号 2007年12月25日

2009年7月28日 20:45

       テロ対策活動に対す補給支援活動特措法案(副大臣答弁) 

     168-参-外交防衛委員会-15号 平成19年12月25日

 

 

○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を開会をいたします。

 委員の異動について御報告をいたします。

 昨日までに、松野信夫君及び喜納昌吉君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君及び米長晴信君が選任されました。

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○委員長(北澤俊美君) この際、御報告をいたします。

 外交、防衛等に関する調査のうち、防衛省問題に関する件について、委員を派遣し、前株式会社日本ミライズ代表取締役社長宮崎元伸君を証人として来る二十七日午後二時にその現在場所において証言を聴取することとしておりましたが、去る二十一日、東京地方裁判所において、同君の接見等禁止の一部解除を認めるのは相当でない旨の判断がありました。

 本日の理事会協議の結果、来る二十七日の出張尋問は取りやめることとし、新たな日時等については引き続き理事会で協議した上で決定することが合意されました。

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○委員長(北澤俊美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。

 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に社団法人日本経済団体連合会防衛生産委員会委員長代理・三菱重工業株式会社航空宇宙事業本部副事業本部長加藤千之君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。

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○委員長(北澤俊美君) テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。

 この際、加藤参考人に本委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。

 忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 議事の進め方について申し上げます。

 まず、加藤参考人から二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。

 また、参考人、質疑者とも発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、参考人から御意見をお述べいただきます。加藤参考人、どうぞ。

 

○参考人(加藤千之君) それでは、早速でございますが、加藤でございます。

 お手元に既に資料をお配りをしております。「防衛装備品調達について」というタイトルの資料でございます。これに従いまして私の方からまず御説明を差し上げます。

 まず、二ページ、下の段でございますが、二ページをごらんください。防衛関係費の推移を過去二十年にわたりましてグラフ化したものでございます。

 防衛関係費につきましては、この二十年間で、最初の段階ではだんだんに増えてきたものが、折れ線グラフの方で表示しておりますけれども、大体現状ではほぼ横ばいで推移をしているというふうに理解をしております。一方で、主要装備品等というふうに書いてございます棒グラフの方でございますが、平成二年にピークを迎えた後、徐々に下がってきております。棒グラフとしては下がってきておるというような状態でございます。二十年につきましては財務省原案の数字をここに表示しております。下の方に書いてございますとおり、平成二年度がピークでございますが、これに比べまして防衛関係費全体は約一五%増加をしておりますが、主要装備品等につきましては三五%減少をしておるというふうなことが見て取れるというふうに認識しております。

 それでは、一枚めくっていただきまして三ページでございます。防衛装備調達の契約形態ということでまとめたものでございます。上の方の一が契約方式ということで、出典は、防衛省中央調達の手引という冊子がございます、これから倣いました。

 契約方式は、大きく分けまして一般競争契約、指名競争契約、随意契約というふうに分かれていると思っております。右側に細かく定義が載っておりますが、ここは割愛をさしていただきますが、これらの契約方式がどういうふうにそれぞれ分かれておるかということを二の方の契約実績で取っております。これは、出典が装備施設本部の概況ということですが、これ十四年版と十九年版、五年間の比較をしております。

 実績としては、下の方に件数と金額がございますが、左側に平成十三年の実績、右側に平成十八年の実績ということで、五年間でどんなふうに変わっているかというのを見ていただけますが、区分けとしましては、一般競争入札というのと指名競争入札、随意契約というのをパーセントで表示いたしますと、件数ベースでは、一般競争入札が十三年の六一%から十八年、五年後には七七%に増えておるということが見て取れます。逆に、随意契約が三〇%から一八%に減っているということが見て取れます。金額も傾向的には似たようなことなんですが、金額ベースでいいますと、一般競争入札が八%から二七%に増加をしておりますというようなことが見て取れると思っております。

 それからその次、下の段の四ページでございますが、防衛省契約の特徴ということで、これも一番に主な契約の種類ということで、同じ中央調達の手引という冊子から抜いたものでございますが、契約の種類といたしましては確定契約とまず準確定契約というのがございます。確定契約には一般確定契約と超過利益返納条項付契約というのがございます。

 一方で、準確定契約というのには中途確定条項付契約というのがございます。ちょっと分かりにくいんですが、ここに、右側にありますように、契約の履行の中途までの実績に基づいて代金の金額を後日確定するということで、仕様が新しく、その内容が技術的に高度であるため契約時に金額を確定することが困難な場合に適用というふうに定義されています。

 この中途確定条項付契約の特徴と課題ということで二番に書いてありますが、実は、主要装備品の開発、それから量産初期段階ではこの中途確定条項付契約が採用されることが多いと認識しておりますので、この中途確定条項付契約の特徴と課題をここに、下の方にまとめております。

 図を見ていただきますと、左側の図、右側の図、構成は同じなんですが、契約のときに想定されるコストと、それからGCIPという点々の部分がございますが、GCIPというのは一般管理費とか利息とか利益というのを率で計算するんですが、想定されるコストにGCIPの率を掛けたものを契約値といたします。この契約値が契約金額の上限になります。

 それで、実績が出てきた段階で中途で確定するわけですが、このときに、この左側の図は想定していたコストよりも実績のコストが多くなるというケースなんですけれども、この場合には、この多くなったコストにGCIP率を掛けて計算した額が契約値を超えてしまいます。この契約値を超えてしまう分は、当然、契約値が上限になりますからカットされてしまうということでございます。

 一方で、実績コストが契約時の想定よりも低くなる、少なくなるということがございます。この場合には、この実績のコストにGCIP率を掛けたものが改めて中途確定する契約額になりますので、最初の、当初の契約時の契約額よりも契約額が減額をされるということになります。

 ということは、どういうことかといいますと、この二のところに書いてありますように、コストオーバーの場合は契約時の金額が上限となって利益が減ります。企業努力をしまして実績コストが下がりましたという場合は、売上げが減り、利益も絶対額としては減るというふうになるわけでございます。で、企業のコストダウン努力が報われるような契約方式が望ましいというのが私どもの見解でございます。

 それでは、一枚めくっていただきます。

 五ページの、上の段の方が五ページと表示してございますが、これは、特別割掛費というものがございます、これについての説明でございます。

 特別割掛費というのは、量産の初めの段階に必要となる費用で、これを各年度の量産製品に機数割りされまして、契約ごとに割り掛けられる費用のことを特別割掛費といいます。費目といたしましてはどんなものかというと、設備費、最初に量産をスタートするに必要な設備費、治工具費、設計費、試験費などでございます。ライセンス国産の場合のライセンスフィーもこれに含まれます。この特別割掛費というのは、量産の初度に必要となる費用を契約企業が一時的に資金負担しているという性格のものと理解しております。

 図でございますが、量産初度に必要となる費用があって、これを幾つかの機数、想定される機数で割りまして、年々の契約の製品費に、この特割と呼んでおりますが特別割掛費を載せて契約いただく。それで、何年間か想定される機数が終了するところで償却が終わるというふうなものでございます。

 次に、下の段、六ページでございますが、防衛装備品の調達形態を区分けをしたものでございます。

 大きく分けますと、この表にありますように、国産で造るもの、これは国内で独自開発をし生産をするという形態でございます。それからライセンス国産、これは外国からの技術導入によりまして日本国内で生産するもの。それから輸入ということでございます。海外メーカーからの購入、海外メーカーへの開発・生産委託というような形態のものでございます。

 それで、これがメリット、デメリット、いろいろ考えられると思いまして、右の方に整理をいたしました。

 国産をする、国産であろうとライセンス国産であろうと国産をするということになれば生産基盤の維持につながり、また、後方支援というふうな呼び方をしておりますが、部品供給、修理、あるいはこの防衛装備品の能力を向上する、改良するというようなことが、国内のメーカーの手でできますので、容易であろうということがメリットです。また、国内で独自に開発する国産の場合には、我が国固有の仕様要求が可能になりますし、技術基盤の強化にもつながります。一方、ライセンス国産の場合にも、我が国固有の要求の織り込みも部分的には可能になります。

 一方で、デメリットとしては、国産で独自に開発するという場合の開発リスクがあること、あるいは開発をして生産をしますので取得開始までに時間が掛かるというようなことがございます。ライセンス国産の場合には技術を外国から導入いたしますが、その場合に技術が開示される範囲に制限が加わる可能性があるということがデメリットかなというふうに思います。

 一方で、輸入でございますが、輸入は、海外で既に使われているものを輸入をするということであれば、既存品の場合でございますが、開発リスクがないとか早期に取得が可能になるというようなメリットがあります。

 一方で、デメリットとしては、重要技術が非開示になる、ブラックボックス化するというようなこと、それから運用、支援等で不具合が出る、つまり国内で改修が困難である、したがって何か問題が起こったときには海外にまた戻して、輸出をし輸入をまたし直すというようなことが必要になる等、あるいは部品入手に長期間が掛かるというようなことがデメリットかなと思います。

 下にまとめておりますが、国産装備品は、我が国の国土、国情を考慮した要求仕様に合致して、迅速な運用サポートや国内での能力向上、改良も容易であると。また、自衛隊の運用面からも即応性、高可動率の維持、部品供給の安定性など、国産にメリットがあるというふうに認識しております。

 なお、下にまとめておりますが、装備品の導入に当たりまして、要求への適合性に加えまして、当初の購入価格のみではなくて、ライフサイクルコストを考慮した選定が必要ではないかというふうに思います。

 では、次のページ、七ページ、八ページでございます。

 七ページの方は、装備品の国産化というタイトルを付けております。点線の四角で囲んでおりますのは、装備品の国内における基盤をどうするのかということについての昭和四十五年の長官決定、それから平成八年と平成十七年、防衛計画の大綱に盛り込まれた文言として書いておるものでございまして、いずれも国産化を通じた防衛生産・技術基盤が重要であるということの認識が書かれていると認識しております。

 で、この四角の下でございますが、装備品の国産化は我が国の基本方針であろうというふうにも認識しておりますし、防衛生産・技術基盤の維持、確立が装備品の調達、それから運用、改善のライフサイクル全般にわたって自衛隊の活動のベースになり、したがって防衛産業基盤の弱体化は我が国防衛力の弱体化に直結するのではないかという認識をしております。したがいまして、国策として防衛生産・技術基盤の強化が必要だというふうに思っております。

 下の方の八ページでございますが、主要装備品の国産・輸入区分、これは御参考までに現在使用されておられる航空機、艦船、車両、誘導機器等の主要装備品につきまして、国産で調達されたもの、輸入で調達されたものの区分を書いてございます。これは御参考まででございますので、また次のページに移ります。

 紙をめくっていただきますと、九ページ、十ページでございます。防衛技術と民生技術の相互連関についてということで、これは、出典は防衛産業・技術基盤の維持・育成に関する基本的方向ということで、防衛産業・技術基盤研究会というところが出されたものをそのまま活用しております。

 図は、政府が防衛装備品の調達をされる際に、防衛産業という部分と関連産業、一般的な産業でございますが、との関係で、スピンオフとかスピンオンとかという言い方をしております。文字としては、上の方に書いてありますように、防衛技術は民生技術との相互連関、スピンオフ、スピンオンによりまして、産業全般の技術水準向上に大きく寄与をしておると認識しております。技術立国たる我が国にとりまして、防衛生産・技術基盤の維持、育成というのは産業政策上も重要ではないかと思いますが、要するに防衛産業で扱う技術も、防衛技術とそれから民生技術、一般的な民生技術とが相まっております。防衛技術開発で培った技術が民生、一般的な産業に生かされる場合もあれば、民生技術の方が防衛技術に取り込まれて、更に防衛装備品の質を上げるというようなことも起こるということを表示しているものでございます。

 十ページ下の段でございますが、防衛装備品の価格について記しております。

 防衛装備品の価格は、下の方にまとめた各要素に大きく依存しておるというふうに認識をしております。これは、総生産数量と年間の生産量と生産の安定性、こういうのが大きな要素としてあるというふうに認識をしております。

 これは、総生産量が多くなれば一つ当たり、一個当たりのコストが下がるということはまあ大体御理解いただけるんだと思いますけれども、加工・組立費ということで考えますと、価格への影響としましては、総生産数量の増加で作業者の生産習熟が大きく進みます。したがって、習熟が進めば効率が上がる、より短い時間で物をつくることができるということでございます。したがって、コストが下がるという要素がございます。

 それから、材料、部品というのをメーカーが購入する場合には、生産数量が多いということがまとめ発注等によってコストを低減することが可能になる余地がございます。

 それから、先ほど御説明しました特別割掛費というのがございます。これは量産初度に必要となる費用の割掛数量でございます。したがって、総生産量、想定される総生産量が多くなれば、その割り算、分母の数が大きくなるということですから、割り算で一機当たりの負担額が減少するということで、一つ当たり、一機当たりのコストが下がるという面がございます。

 それから二つ目に、総生産量とまた別の要素として、年間の生産量というのがございます。これは、例えば百機造る、トータルは百機造るというのを、年間では十機造ると考えるか、年間では五機造ると考えるかによって、そもそも生産ラインの構築の仕方が違うというような要素があるということを言いたいということでございます。

 加工費・組立費では、適切な年間生産数量の設定によりまして効率的な生産ラインが構築できます。毎年一個だけ造るとなりますと、これは、設備を入れて機械を入れて、それでお金を掛けて効率を上げるということがなかなか難しくて、手仕事でやると。したがって、一個当たりのコストは上がる。しかし、これが毎年百個造るということになりますと、これはロボットでも入れて設備投資をしてラインを造る、効率的な生産ができるというようなことでございまして、年間の生産量をどれだけで想定するかということが大変重要な要素であると思っています。

 それから、治工具費というのがございます。これは生産設備のメンテナンスなどの費用でございまして、これも一機当たりの年間の生産量が多くなれば負担額が減るというような関係にあります。

 それから、生産の安定性というのがもう一つの要素でございます。

 加工・組立費でございますが、設定した生産ラインに適切な、最適な生産数量を毎年安定的に造っていくということになりますと、設備の有効活用、効率的な生産が可能になります。逆に生産が変動しますと、例えば一年間に十機造るつもりでラインを造りました、作業者も置きました、こういうことになると、これが、今年は十機じゃなくて半分にします、五機になりますといった途端に、作業者は五機、半年分しか仕事がない、残りの半年分は別の仕事をするということになりますと、どうしても、せっかく習熟したもので効率が上がってきたのが、いったん効率が落ちる、そうすると再教育等の費用が掛かるというようなことでコストが発生するというようなことでございまして、総生産数量が大きく、また年間生産量が最適なラインを組めるだけのものがあり、それが安定的に毎年生産できるというのが一番効率のいい、価格の下がる生産のやり方ではないかというふうに思います。

 最後のページでございますが、十一ページでございます。武器輸出三原則につきまして、これにつきまして一言申し上げます。

 武器輸出三原則と、それから武器輸出に関する政府統一見解というのが点線の四角で囲っておりますが、これはもう中身は読みませんけれども、こういうことがあり、政府統一見解としてはあらゆる地域への武器輸出を実質的に禁止されているというふうに認識をしております。

 私どもの立場といいますか認識では、国際共同開発に参加できない。要するに、国際共同開発に参加するというのは技術や部品の輸出が前提になります。そうすると、技術的な鎖国状態で、最先端の国際的な技術進歩に後れを取るんではないかという懸念があると思っております。防衛産業の技術基盤強化の観点から武器輸出三原則の見直しが必要ではないかというふうに認識しております。

 また、国際共同開発やライセンスプログラムで我が国が分担生産に加わることが可能となりますれば、数量増による価格低減で双方にメリットが出るんではないか。つまり、外国の技術導入をしてライセンス生産を国内でしているというような防衛装備品があるとします。これのある部分は海外で造る、ある部分は日本で造る、それを相互に活用するということになりますと、それぞれが得意な分野を造るということで効率を上げられる、総数も上がるということになりますれば、コストを低減するようなメリットが双方にとって出るんではないかという可能性があるんではないかということを考えております。

 私、説明は以上でございます。

 

○委員長(北澤俊美君) ありがとうございました。

 以上で参考人の意見陳述は終わりました。

 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言を願います。

 

○犬塚直史君 おはようございます。

 加藤参考人に伺います。加藤参考人は三菱重工の航空宇宙事業本部副事業本部長でもいらっしゃいます。今私の手元に三菱重工の二〇〇六年度の事業計画がございます。ここで収益構造の転換というページを今見ているんですけれども、利益率を見ますと、大体三%前後が多い。機械・鉄構、冷熱、船舶・海洋、航空・宇宙、良くても三%から五%の間ぐらい、どんなに良くても八%は行かないと。正にメーカーの方が物づくりの現場で頑張っている利益率というのがこのぐらいの感じかなというふうに思うわけですが、これに比べまして、いわゆる商社のマークアップ、今大変問題になっているわけですが、良心的でない商社が七〇〇%、八〇〇%というマークアップをしてきたということなんですけれども、まず商社のマークアップというのは大体どの程度とお考えでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 今の、済みません、マークアップというふうにおっしゃいますが、商社が防衛装備の契約にどういうふうにかかわってくるかということについてまず申し上げたいんですけれども、主に輸入品だと思いますけれども、海外のメーカーが商社を代理店として国内での販売、日本国内での販売活動について起用するということがあり、それを防衛省さんがお買いになる、あるいは私どものメーカーが買う場合もございますけれども、そういうことで商社が活用されるということでございますので、買う側が商社を起用するという構造ではないわけでございます。物を売る側が商社を起用して売るという構造でございますので、私ども、何といいますか、商社がその取引なり契約なりでどういうふうに位置付けられているかと、私どもはメーカーから買いたいというのにメーカーが商社を通して売るよと、こういうふうに言っているという構造でございますので、御質問の商社がどういうふうにそこで商売をされているかということについては、ちょっとコメントを差し控えたいといいますか、私も詳細はよく分からないという状態なんですけれども。

 

○犬塚直史君 今加藤参考人がおっしゃった商社は言わば売手側の商社のことをおっしゃっている。今山田洋行等が問題になっているのは、買手側の言わば防衛省の商社のことを我々は今おおむね、おおむねといいますか、問題にしておるというところなんですけれどもね。

 それでは伺いますが、売手側の商社として、例えば御社が部品を調達する場合、例えば同じ事業計画の中で、BMDの中核になりますPAC3のライセンス国産を二〇〇六年度中に始めるということがここに書いてあるんですけれども、当然のことながらすべてを造るわけではないと、部品のある部分については輸入をするということだと思うんですが、ここの部分のマークアップというのはどの程度適切だとお考えになっておられますか。

 

○参考人(加藤千之君) 済みません、ちょっと繰り返しになると思いますけれども、商社は売り側に付いておって、買い側には付いていないと私は認識しています。つまり、私どもも何か買物をするときに、商社を私どもの側で起用するということではなくて、あくまでも売手側に商社がいる。防衛省さんも多分、防衛省さんが何かを買うために商社を起用して買ってくるということではないと思っています。

 したがって、商社とその売手側のメーカーとの間でどういう契約をされているかということであろうという構造になっておると思いますが。

 

○犬塚直史君 今参考人おっしゃっているのは、買手側の商社と売手側の商社がいるんだよということをおっしゃっているんですか。どうですか。

 

○参考人(加藤千之君) 買手側の商社がいないということを申し上げています。

 売手側、例えばアメリカに会社があります、そこで物をつくっています、それを日本が輸入したいという場合に、その輸入のために買手側である日本側で商社を起用するんではなくて、まあアメリカの会社であればそうですね、それが日本国内で販売活動をしたり物の取扱いをしたりする、あるいは契約の事務をしたりするために代理店を日本の商社を起用するということがあるということでございます。

 

○犬塚直史君 よく分かりました。メーカーが代理店契約を結んで、その代理店が販売を行っていくというそういう構図ですね。

 その際に、今当委員会で調査中のことが一つありまして、昨年度の防衛省の中央調達、四百三十九契約ございます。これに関連している海外のメーカー数が二百三十九社あるんです。今おっしゃった海外のメーカーはそれぞれ代理店契約を結んで、その代理店が防衛省と契約を結んでいるという構図になっているわけですけれども、ここでいわゆるマークアップという、七〇〇%、八〇〇%、二倍、三倍はざらというような事例も散見されるわけでして、我が委員会として直接、今防衛省の手元にあるこの見積書、メーカーの見積書が本当のものかどうかということを、恥ずかしいんですがこの委員会から直接メーカーに今確認を行っている作業なんです。ようやく発送作業が終わりまして、近々すべての昨年度の中央調達の我々の手元にある見積書の真偽が徐々に明らかになっていくというふうに今考えておるところなんですね。その先、間接調達あるいは地方調達について入っていくということだと思うんですけれども。

 お伺いしたいのは、このようないわゆる、間にどうしても商社が入ることはあるでしょうから、その際の御社が持っている見積書の確認作業を御社として行うようなことはございますか。

 

○参考人(加藤千之君) 今の御質問で御趣旨はよく分かりました。

 結局、商社が幾らぐらい代理店契約をして手数料を取るのがふさわしいかということで、私どもも実は輸入品について、元のメーカーからも直接見積りが取れる場合には取って、それに、実際に代理店である商社から買うときの値段がそんな不適切な値段になっていないかどうかというのは、チェックするということが可能であればするということにしております。

 それで、先ほど申し上げましたように、商社を起用するという意味は、海外のメーカーが日本に拠点をつくり、支社をつくり、人を置きというようなことよりも、商社を代理店に使った方がその方がコストが下がる、双方にとってメリットがあるということがそもそも商社が代理店をしている趣旨だと思いますから、それにふさわしいような手数料といいますか、そうであるべきだと思いますし、私の理解は、防衛省さんの契約でもそういうことについてある基準を設けてやっておられるんではないかなというふうに認識をしております。

 

○犬塚直史君 商社を間に入れるメリット、デメリットあると思います。

 そうした中で、いろいろ検討しなければならないんですが、例えば御社の場合、商社を入れる場合、入れない場合があると思うんですが、直接海外のメーカーから買うということはございますか。

 

○参考人(加藤千之君) 直接メーカーから買うということはございますが、商社を入れるかどうかは海外の売る側のメーカーが決めることでございまして、私どもが決めることではございません。

 

○犬塚直史君 ミサイル防衛に関しては、加藤参考人、御専門でいらっしゃると私は拝察いたしますが、日米平和・文化交流協会という団体が御存じのとおりございます。これは貴社の西岡会長も理事を務めておられる団体でありますけれども、この同じ理事の中に、例えばやっぱりミサイル防衛の専門家でありますウィリアム・シュナイダー理事などもおられると、そして常勤の理事であります秋山直紀さんはやはりミサイル防衛については知見を有しておられるというふうに聞いておるんですけれども、お伺いいたします。

 この日米平和・文化交流協会を通じて米国防関係者の紹介を受けたことはございますか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 本日ここに参りました趣旨は、防衛生産委員会の委員長会社の、委員長をしておりますということの代理で来ておるつもりでございまして、個々の会社なり協会との関係がどうなっているということについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 

○犬塚直史君 お伺いをした趣旨といいますのは、今大変な防衛調達に関する国民の血税の使い方が不透明だということで疑義を呼んでいるわけでありまして、参考人は経団連の防衛生産委員会の委員長代理でもいらっしゃいますので、やはりここは、一つの会社あるいは経団連という立場、その会社も業界を代表する大変な、何といいますか、リーディングカンパニーでありますので、そうしたお立場からこうした不透明であると取られていることについては積極的に是非御発言をいただいて、健全な防衛産業の発展に寄与していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 正に先生がおっしゃるとおりでございまして、そういう意味で今日もここに参ったつもりでございます。

 私、先ほど資料に基づきまして御説明した内容も、現在行われている防衛装備調達にかかわる制度的なもの、これに対して私どもはもうきちっとそれを守ってやっておるつもりでございますが、幾つかこういうふうに変えるとより良くなるんではないかということまで、そういうつもりで申し上げたつもりでございます。

 

○犬塚直史君 社団法人日米平和・文化交流協会については発言をお控えになったという理解でよろしいですか。

 

○参考人(加藤千之君) 個別のお話については差し控えさせていただきました。

 

○犬塚直史君 それでは、この協会に対してコンサルタント料を支払って、言わば商社の役割の一環というような立場としてこの社団法人を使われたことはありますか。

 

○参考人(加藤千之君) この協会が商社的に活用されているという例を私は知りません、全く。

 

○犬塚直史君 それでは、最後の質問をいたします。

 防衛省の方から、間に代理店を通して防衛調達をするようにというようなことを勧められたことはありますか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 そういう今御指摘のような例を私は全く知りません。

 

○犬塚直史君 終わります。

 

○佐藤昭郎君 加藤参考人、ありがとうございました。大変示唆に富む御説明でございました。

 お手元にいただきました資料に基づいて質問を進めさせていただきたいと思うんですけれども、これ防衛関係費の推移、三菱重工さんは国内トップで、中央調達で、私の資料ですと十八年度で二千七百七十六億調達されているということなんですけれども、重工自身としてはこれどうなんですか、この傾向というのは、二ページの表ですけれども。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 年々によって多少変化がございますけれども、主要装備品の契約額が漸減しておるという状態、年々によって少し違いますけれども、大体傾向的にはこんな同じように、私どもも防衛の総額、実質の総額というのはこういう傾向にあるというふうに認識しております。

 

○佐藤昭郎君 三ページ、四ページに防衛装備の、四、五も契約形態、特徴、説明していただきましたけれども、私も、いわゆる公共調達の中で防衛装備品というのは本当に特殊な世界だ、非常に難しい世界だという認識であります。

 それで、四ページに企業のコストダウン努力が報われるような契約方式が望ましいというふうにお書きいただいたんですけれども、どんな契約形態を望まれておられますか、企業としては。

 

○参考人(加藤千之君) 端的に申しますと、ここに書いてございます確定契約というのと中途確定とあるんですけれども、確定契約で最初にもう金額が決まりましたと、そうすれば、企業がコストダウンの努力をすれば、それが利益がその分増えるということになるということでは、一番端的にはそういう形だと思いますが。

 もう一つ、例えばこの右側の図で、コストが下がったというのがございますね、中途確定の場合でも。コストの実績が下がったら利益の絶対額が下がりますですね。これを、例えば国、防衛省さんと企業とでコストが下がって契約額が下がる部分を折半をするとか、そういう形になれば、それは企業もよりコストダウンに取り組む意欲が、インセンティブが働くなというふうに思っております。

 

○佐藤昭郎君 随契がほとんどだと、私はこれいいと思うんですよ、これ一般競争入札でどんどんやっていたんでは戦いに負けちゃいますからね。やはり特別な装備を契約していくわけです。その随契の中の契約は、今の確定契約、準確定契約、これはどういう割合で契約時のあれはなっておるんでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 実はここに、統計を三ページの方にも書いておるんですけれども、済みません、これ以上分解したちょっと公開されている資料がなかったものですから、今の御質問の随契の中ではどういうふうに分かれているかというのは私、実は認識しておりませんが、申し上げましたように、主要装備品につきましては、ここの下の方の中途確定条項付契約、少なくとも開発であるとか、あるいは量産も初期の段階のものはこの契約の形態をされているのが多いんではないかというふうに認識しております。

 

○佐藤昭郎君 この五ページには特別割掛費というのが出していただいたんですけれども、防衛装備品のいわゆる随契のときの原価計算の見積りですよね。そこら辺は非常に難しいと思うんですね。結局、開発費ずっと掛けてこられて、それをどのようにある意味では回収していくのか。それは延長線上には国内産業、民生への寄与というものがメリットとしてあるわけですよね。それが一つ。

 それと、やっぱり防衛省と共同でスペックそのほかも開発してくる。その関係で、これはある意味透明性の確保とも関係してくるんですけれども、随意契約の際の見積書を作成するときにどんなところにある意味企業として苦労されておられるのか、何か基準みたいなものがありますか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 今御指摘の透明性というのは大変重要だというふうに思っております。それで、ここに書きました先ほど申し上げました中途確定等の契約でございますが、要するに原価監査というのが、それがその契約の中で要求をされております。

 それで、私どもが防衛装備を製造する際、開発する際に、そういう掛かったコストを経理システム上きちっと計上し、把握できるシステムをきちっと取っておりますし、それが透明性の確保ということで、防衛省さんの方から監査を受ける、あるいは会計検査院の監査もあるんですけれども、そういう監査を受けるというシステムになっております。したがって、そういうものは、言ってみれば掛かる費用はすべてごらんに入れるということでございます。

 したがって、私どもは、掛かった費用が正しく計上されておるという経理システムをきちっとつくるというのがまず第一段階でございますね。それで、それがきちっと運用されておるということを毎年毎年それを監査をいただくということで透明性を確保しております。

 また、見積りを作る際には、そういうことの実績がずっともう過去積み重なっております。こういうふうな種類の図面をかくのであれば、これは過去の事例から見て、例えば飛行機なら飛行機のこの部分の設計図をかくとすれば、これは何枚ぐらい必要なんだと。そうすると、一枚かくのに大体何時間ぐらい掛かるんだ、何人掛かるんだというようなことは過去の実績がございますから、そういうものできちっとした根拠のある見積りをすると。それは、根拠のあるというのは、実績に基づいた根拠のあるものにするということを一番重視しているということでございます。

 

○佐藤昭郎君 スペック、兵器のスペックというと、やっぱり軍事機密が多分に含まれていますよね。私も九〇式戦車の仕様書というのを取り寄せてちょっと見たんですけれども、やっぱり肝心なところは、性能に関するところはマル秘扱いということなんですけれども、その機密とそれを受注される企業との間の情報の保全というのはどういうことで守られておられるんですか。

 

○参考人(加藤千之君) 防衛に関係する秘密につきましては区分きちっと指定をされておりまして、その区分に従って技術情報等の管理の仕方というのは決まっております。

 これも契約の段階でこういう管理をするということを契約の内容にいたしまして、一部の資料は、例えば金庫に入れて、こういうタイプの金庫に入れて、それでもうその出入りは全部記帳するとか、そういうことがすべて決まっております。したがって、それを厳密にやっております。

 また、これにつきましても、実はそういう保全がきちんと行われているかどうかというのは防衛省さんが定期的に監査をされるということで、私どもも、きちっとした台帳管理をしてそれを常に見られる、見ていただける状態にしているとか、そういうことで、機密の保持につきましては、これは一番、そういう意味では私どもの企業の信頼性ですね、防衛産業の信頼性にかかわることでございますので、重視していることでございます。

 

○佐藤昭郎君 イージス艦の情報が漏えいしましたけれども、少なくとも防衛省よりはしっかりした情報管理をしていると。まあ、お答えは......。

 

○参考人(加藤千之君) お答えしますか。

 私ども、防衛省さんの要求に従って秘密管理をしておりますので、そういう意味では同じレベルの管理、保全をちゃんとしているというふうに認識しております。

 

○佐藤昭郎君 装備の国産化、民生技術の相互関連という点でちょっと御質問したいんですけど、三菱重工さんとしてはどうなんですかね、防衛装備品の調達というときに、防衛産業の中核技術はやっぱり我が国の安全保障上からしたら持ってなきゃいけないという大きな一番の側面がある。もう一方では、軍事技術というのは最先端の技術ですから、これをやはり手掛けることによって民生面においてもいろんな面でメリットがあるということでありますが、そこら辺のバランスと、それから民生面でこれを適用された事例、一、二あれば教えていただきたい。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 私ども典型的な事例を申し上げますと、F2支援戦闘機というのは私ども製造しておりますが、これの主翼というのは複合材で造ります。複合材を実運用される、実際に運用される戦闘機で複合材の主翼を適用した例というのは初めてだと、世界で初めてだと思っております。

 それで、この技術が認められて、これが私ども今、ボーイング787という新しい航空機、ボーイングが開発中でございますが、これの主翼を私どもが任されました。それで、ボーイングが、主翼という非常に重要な部分でございますが、これを海外のメーカーに任せる、あるいは、要するに自分で造っていたんですけれども、これまでは主翼は、これを初めて海外のメーカーに任せるということになりました。これは、私どもが防衛装備の中のF2で主翼を、複合材の主翼をやったということが非常に価値を高め、信頼を高めたということで、こういう民生のものに生きたという典型的な事例だと思います。

 そういう意味で、防衛関係の装備では大変先進的な技術が適用されますので、それが私どもの企業なりの中でもあるいは産業の中でも、私どもの三菱重工だけということではなくて、各企業においてもそういうものが民生技術に大きく生きるということがあるんではないかというふうに思っております。

 

○佐藤昭郎君 武器輸出三原則の問題で、非常にこれは大事な問題でありますが、十六年に、BMDのときに十六年談話というのがあって、BMDに関しては特別な取扱いをするようになりました。

 そういうのを見まして、例の三木内閣の七六年というのは、あれでちょっとおかしくなっちゃったんですけど、ここを見直して本来の武器輸出原則に戻った場合、相当やはりある意味では防衛産業としてはメリットがあるというふうにお考えになりますか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 見直しというふうにここに書きましたのは、御指摘の一番最初の六七年ですか、その部分に戻るのはいかがかなということでございます。

 それで、産業としてこれがメリットがあるかどうかというところは、大変直接的にそのメリットどうだということは難しい問題だと思います。

 ここに書きましたように、どうもやっぱり防衛装備につきましては大変先端技術が集積される状況が続いておりますものですから、開発費も非常に多く掛かります。そういう意味で共同開発、多国間の共同開発ということが今後ますます増えていくんではないかと思います。そのときに声が掛からないということですね、これは今後世界の潮流の中から遅れてしまう可能性が出る。先端的なところでは何が目指されて技術開発が行われているのかというところに、声も掛からない、呼ばれないという状態になるのは、大変これは危険、危惧するべきところだということで、メリットがあるというよりも、そういう危機感があるということを申し上げたいと思います。

 

○佐藤昭郎君 終わりますが、大変明快、簡潔な御説明ありがとうございました。

 

○山口那津男君 公明党の山口那津男です。

 必ずしも専門家ではありませんので素人的な御質問になろうかと思いますが、お許しいただきたいと思います。

 まず、随意契約がかなりの件数を占め、また金額的には更に大きな割合を占めているわけですね。これが、この御説明の資料によりますと、五年間のうちにだんだん減ってきているという傾向はあるんですが、なお過半数が金額的に随契が占めているということであります。

 政府調達全般についてこの随意契約を見直そうという動きの中で、防衛装備品の調達についてもそれを改めていくということになろうかと思いますが、ただ一方で、その特殊性から見て競争性が乏しいものについて、果たして随意契約を減らして競争性を導入するようなことが現実的にどれだけ可能なのかどうかと、この点の御認識をまず伺いたいと思います。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 この五年間の推移の資料を出しましたのは、調達改革、取得改革というような名称、あるいは総合取得改革という名称で防衛省さんが取り組まれておりまして、私ども産業界としてもこれに協力をしているつもりでございます。その一環、一つがこれで結果として表れているなということでお出ししております。

 それで、今の競争性のない部分でというお話でございますが、現実的に確かに、一つはマーケットが比較的小さい、国内のマーケット小そうございます、防衛装備の。したがって、新規参入をするという動機付けがなかなか難しい面があるんだろうと思いますが、確かに競争入札を増やそうということにしたからといって、非常に活発に複数社が常に入札をするという状態に必ずしもなっていない面があるかと思います。

 もう一つ私ここで御指摘をしたいと思いますのは、防衛装備について安定的に調達をされるという視点も必要ではないかと思います。つまり、あるメーカーがある最初五年間造っておりました、それで競争入札にして、そこが負けて別のメーカーが造りますというときに、全く同じ、仕様書上では同じですけれども、全く同じものができるのだろうかということですね。全く同じものがもしできなければ、バージョンが多少違うというときに、実際の運用される方は、バージョンの違うものを、それを意識して運用に供されなきゃいけないというふうになりますと、これは多分運用というのは大変されにくくなるのではないかと。そういうことがどこまで、性能なりメンテナンスの仕方のところまで考えた上で、全く同一でいけるのかどうかという辺りを確認し、あるいは、やっぱりちょっと物が違うから、あるケースについては反応が違うかもしれぬなと心配しながらお使いになるかというようなことが部隊の迅速な運用という意味を阻害する面があるんではないかなということはちょっと懸念されると思います。

 

○山口那津男君 企業のコストダウン努力が報われるような契約方式が望ましいというのは、当然のことだろうと思います。しかしまた、この中途確定条項付契約を取り入れていこうとする場合に、当初から過大な見積りを設定する傾向になりはしないかと。これを防ぐためにどうやるか、また透明性を確保するかと、こういう課題もあろうかと思います。

 また、防衛省は先日の当委員会におきまして、今後コスト縮減努力を図る、先々一五%を目標にしてコスト縮減を図る、こういうことも答弁しているわけですね。これらとの関係で、企業側から見てこれが実現可能な目標なのかどうかと、この点もお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 一つ言われました、まず過大な見積りということでございますが、先ほども申し上げたと思いますけれども、私ども見積りをするに際しましては、新しいものであっても類似品で過去どういうふうなコストが掛かったかということをベースにして見積りをするということで透明性を確保するということを努力をしておりますし、そういうことが求められます。

 それから、コストにつきましては、これは監査付きの契約をしておるケースが主要装備品では多いと思いますけれども、それでコストの中身は監査をされている。それをベースにして、新しいものを調達されるときにも見積りというのはそれをベースにしておるということで、実際に過大な見積りをするという要素は主要装備品については我々はそんな余地はないんではないかなというふうに思いますのが一つです。

 それから、コストを縮減をしていくということについて、目標値についてはこれは大変な数字だなというのが実感でございますけれども、常に企業といたしましては同じものを繰り返し作るときにはコストを何とかして下げるということを努力をすべきであると思いますし、実は企業というのはこの防衛装備品の一つだけを造っているわけじゃなくて、民生品も造っておるというのが日本の企業大変でございましてね、製造現場の力を付けるためには、で、民生品で競争で勝つためには常によりコストダウンをするという努力をしていかないと負けてしまうんです。

 したがって、防衛装備品だからそこだけは手を抜くというのは、それは現場はそんなことでは付いてきません。現場では常に前の年よりもコストを下げる努力をしようということでやっております。したがって、そういうことの中で、産業界としても是非コスト縮減に協力したい、あるいは協力すべきだというふうに思います。

 ただ、数値的には大変過大な数字ではないかなと個人的には思いますけれども。

 

○山口那津男君 過大な見積りというのは基本的に発生しないようになっていると、それは実績やあるいは厳重な監査があるからだと、こういうお話でありました。

 そうあるべきでありますけれども、かつて工数の水増しによる過大請求という事案が多発したんですね。これは、それが果たして氷山の一角なのかどうかは分かりませんけれども、恐らくそれ以前もそういう実績の積み重ねとかあるいは監査の仕組みとかというのはあったんだろうと思うんですね。にもかかわらず、ああいうものが発生をした。そしてその後いろいろ改善の努力もなされている。

 そういう中で、近年の調達改革の中でこういった過大見積りは防止される仕組みは整ったというふうに考えるのか、それともかつて工数水増しが多数見られたのは現場が少し甘かったのか、この辺はどうごらんになっていらっしゃいますか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 コストの計上の仕組み、あるいはそれをどういうふうにチェックするかということについて、IT化が進展している中ではかなり進んでおるというふうに思っておりますが、これは常により透明性を確保するということで努力をしていかなければならない部分だと思いますし、多分企業によってもその進度が違うという、進み方が違うという面がございますと思いますので、これは防衛省さんの契約、例えば防衛省さんの契約でどこまで要求されるかということを早くスタンダードを作っていくということが重要ではないかなというふうに思いますが、片方で、企業によりまして、企業の経理のやり方そのものというのは各企業の中で任されている分がありますね。

 それが、防衛装備だけをやっている企業ってほとんどないわけです。それがほんの一部であり大半はほかの事業をやっているというときに、その企業としての経理のシステムをどう構築するかということがやっぱりそのそれぞれの事業の特性によって都合が違うと思いますので、そことこの透明性の確保をどうやっていくかということをどういうふうにマッチングさせるかということは、これは常によりいいものにしていくということでの大きな課題ではないかというふうに思いますが。

 

○山口那津男君 国産で防衛装備品を造り出すということは、技術基盤あるいは生産基盤を維持発展させるという意味で重要な政策であろうと思います。

 ただ一方で、にわかに調達できないものを輸入するということもありまして、輸入と国産の一覧表、区分の表も例示してあるわけですが、こうした中で、我が国の技術の現状からいって到底国産には到達できない、将来的にも輸入に頼らざるを得ないであろうと、そういう装備品や技術の分野というのがあるんでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 私が今承知しておるところで、この分野では到底到達できないと思っているところはございません。

 各得意分野がそれぞれの企業にございますけれども、得意分野がありますけれども、やはり防衛装備の第一線のもの、超一流のものを造りたいとそれぞれの分野で企業は努力をしていると思いますし、今や技術というのは組合せの時代になってきたと思いますものですから、一つの技術をただただ追求して、その分野ではもう世界で一番だから自分のところのものを買えよというふうに進める考え方と、それから、広くいろんな技術を集約することが我々の得意技であるぞということで、世界じゅうの技術のいいものを組み合わせて、だからこれが我々ができるんだというふうにやっていくのと、追求の仕方はいろいろ企業によって違うと思いますけれども、この分野はとてもかなわないからもう外国、海外に任せたというふうな分野というのが特別あるわけではないと思います。

 

○山口那津男君 武器輸出三原則が仮にないとした場合に、この装備品の国際共同開発あるいは生産というものを考えていくことは合理性があると思っております。

 その場合に、一定の地域とか国とかにこれを輸出、輸入するということには大きな懸念があるわけでありますが、しかし、開発や管理の主体、これ自体が特定の国に属さない、国際管理の下にあるというような方向性をたどった場合には、ある意味でこの武器輸出三原則で懸念していたものを排除できるといいますか、乗り越えることができる、こういう余地があるのかないのか、この辺によっても、本来持つ国際共同開発の合理性と武器輸出三原則で達成しようとした政策目的、この調和点というのがあり得るのかどうか、この点についてどうお考えでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 武器輸出三原則の問題を考えるときに、今御指摘の問題というのは、私は国の政策の問題だというふうに思います。

 つまり、ある国に防衛装備を、日本で開発した防衛装備をある国に売りますというのは、その国と政府間でまず合意があるということが前提になると思っています。日本に米国の、例えば米国で開発されたものをライセンスで入れますというときも、これ政府間でまず合意があって、それから企業間の合意があるという構造になっていると思います。

 したがって、具体的に武器輸出三原則が何らかの形で見直されました、それじゃ日本の開発品も例えば米国には売りましょうという、あるいはイギリスに売りましょうということになっても、それは政府間でまず判断があって、このものを輸出をして、この国に輸出をすることを政府間で合意するかというのがまず判断されるということだと思いますので、そういう判断の中で、今御指摘のような懸念はない状態で合意ができるということが前提。それでようやく企業間では、じゃ、どういう形でどこまでの技術を開示していくのかというようなことが決まっていくというふうに思っております。

 

○山口那津男君 最後になりますが、FMS契約、この点を技術的な面から縮減していく、一般輸入に切り替えていく、あるいは国産、ライセンス生産に替えていくと、こういうことはもっと可能性があるとお思いでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 FMSで調達されておられるものは、FMSで調達するということを何らかの形で判断をされて、それがメリットがある、それがいいということがある、あるいはそういうことでないと調達ができないということと二つあると思います。政府間の何らかの合意でこのものはFMSでしか調達ができないものというのは、それはまあ致し方がないわけです、それは先の国の意思であり事情でございますから。だけど、どちらが効率がいいのか、あるいは日本国内で造るということを考え得るとすれば、それはこれを拡大する余地というのは当然あると思います。あくまでも、国と国とのまず合意が前提になると思います。

 

○山口那津男君 終わります。

 

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。今日はありがとうございます。

 一九九八年の調達実施本部背任事件の後に、防衛調達の制度調査検討会というのが九回にわたって行われております。当時の議事概要を見ておりますと、第五回の検討会のときに防衛産業四団体からの意見の聞き取りというのが行われております。

 当時の西岡防衛生産委員会の総合部会長が出席をされて意見を述べられているんですが、こう言われています。今回の事案は大変憂慮している、あくまでも今回は特例な事例と認識しているが、制度改革に官側とともに取り組むこととしたい、なお、施策の決定に当たっては、防衛産業界の意見を取り入れる体制にしてもらいたいと、こういう趣旨の発言をされております。

 特異な事例という認識ですが、その後もいわゆる水増し事案というのは続いておりますし、今回の山田洋行の事案で防衛調達の在り方について厳しい国民の批判があるわけですが、今なおこういうことが起きているということについて経済団体としてはどういう受け止めをされているんでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 申し上げます。

 九八年、年度は正確にあれですけれども、たしか九八年以降だと思いますけれども、取得改革あるいは調達改革という呼び名で、あるいは総合取得改革という呼び名で防衛省さんの方でいろいろ改革の活動がされまして、それに対して、私どもの団体も含めまして、いろいろ時々に御提言を申し上げたり、あるいは施策が打ち出されたものに対して、具体的に企業として契約上それを生かすべく取り組むというような活動をしてきたつもりでございます。

 そういう意味では、そういう官民相まって取り組むという状態はその後の施策に生かされてきているというふうに思っておりますが、それ以上、個々の、水増し事案が続いておるぞとかいう個々の事案のお話については意見を差し控えたいと思います。

 

○井上哲士君 当時のその四団体の意見を見ますと、例えば航空宇宙工業会、改革施策が企業側のコスト増、業務量の増大につながるようなことは極力避けてほしい。それから、日本防衛装備工業会、防衛調達の公正性、透明性に力点が置かれ過ぎていることから、防衛上の観点と両立させて検討を進めていくべきであると、このような意見も述べられておりまして、こういうやっぱり企業側のいろんな要請が改革、大本にメスが入らないままになっているんじゃないかと、こういう意見もあるわけですけれども、どうお考えでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 済みません、九八年当時のその記録を私具体的には承知していないので、文言についてはよく分かりませんけれども、先ほどから御説明をしておりますとおり、防衛省との契約に当たっては、従来からコストの監査であるとかそういうものが付いておりまして、実際にはその監査の対応をするために経理システムを特別にそこでアレンジをするとかいうことをして対応するというようなこともございますし、それだけの資料を作って御説明をするということもございますので、実務的に対応するのは大変なんです。そういうことはあると思いますね。

 それで、多分そこで、今の御意見の中に、そういう意味での事務量なりコスト増は避けたいというのは、透明性を確保するのに、手作業でみんな資料ばっかり作るということはこれは避けたいなということですね。それで、できるだけIT技術を使いながら、システム的にきちっと公正性が確保されるようなシステムをちゃんと組む、そういうことでそのシステムの監査をするというようなことにする方が、ずっとお互いの負担も増えないで、透明性も確保できるというようなことが重要ではないかなというような趣旨が一つあると思いますね。

 それから、先ほど、企業の努力が、コストダウン努力が報われるような契約方式と申し上げましたときに、具体的な事例として申し上げた、コストが下がったら、コストが下がった分を、もう非常に単純に考えれば折半したら一番分かりやすいですよねというようなことを申し上げたと思うんですよね。そういうことなんですね。それを、ある条件を使って、コストダウンはどんな要素がコストダウンに効いたのか、それは、コストが下がったという事実は間違いないけれども、コストが下がったという要素をまた分解をして、こういうことがあったからコストが下がったのであり、これは企業の努力であるぞと。あるいは、それはこういう要素があったからコストが下がったんだ、それは必ずしも企業の努力というよりも何か偶然じゃないのかというようなこと。そういうものをまた子細に細かく細かく資料を作って、それで、じゃ、この部分は企業のメリットにもいただきましょう、この部分はというふうに考えるかどうか。

 そうすると、事務量がお互い、官民両側に事務量が増えます。だけど、結果的にコストが下がったら、そこでセーブできたお金はもうこういうふうにぽんと分けましょうやというふうにだけ決めておけば、非常に事務量が増えないでできますよね。例えば、私その子細な文言そのものを知りませんけれども、コスト増なり事務量の増加を伴わないようにというふうに言っているのは、そういうふうな分かりやすいやり方で決めたら事務量も増えないし、結果的にはコストダウンの意欲がわくというようなことにされた方がいいんじゃないですかというような趣旨で言っているんじゃないかなという気がするんですね。

 だから、それは、何か今の御質問のように、こういう企業団体、産業団体なりの意見は、そういう何か後ろ向きのことではなくて、より前向きに、しかしみんながやりやすいようにやろうじゃないかと。前向きに取り組むんだけれども、前向きに取り組みやすいようにしようじゃないかということが契機でそういうことの意見が出ているんじゃないかなというふうに私は推測いたします。

 

○井上哲士君 この調本事件のときは、水増しが明らかになって、その過払い分の手加減を条件にして天下りを受け入れろという背任行為だったわけですね。今日もこの受注と天下りを通じた防衛省と企業の癒着構造があるんではないかという国民のまなざしがあるわけですが、御社も含めてこの委員会に加盟する企業はほとんど天下りを受け入れていらっしゃると思うんですが、そのねらい、目的というのは一体どういうことなんでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 防衛省、防衛装備品といいますか、防衛省さんとの関係に限定して申し上げますと、防衛省さんの退職された方を企業で、まあいろいろな形があると思いますけれども、顧問なりで来ていただくということが、私どもの企業も含めて、そういうことがあります。

 じゃ、それはどういうことがその中にあるのかといえば、こういうことだと思います。防衛装備品を製造しているメーカー、供給しているメーカーの立場で申し上げますと、この防衛装備品の運用に当たっている方というのは、これは要するに防衛省さんの人しかいないんです、日本の国に。この装備品を実際に運用に供した人という、そういう経験、知見をお持ちの方というのはそこにしか給源がないんです。私どもは、それを使った経験がある人の知見を得て、更にその装備品をより良いものにする。次の世代のものを開発するに当たって、部隊の運用上はこういうことが問題なんだ、だからこういう視点を入れるべきだというようなことを、開発の途上で、こういうふうに計画しているんだがどうだろうかということで意見をいただく、そういうことは大変重要なことだというふうに思いますし、そういうことで、私の知る範囲ではそういう経験を、知見を生かしたいがために、退任、退職された方を企業にお迎えをするということが行われているのではないかと認識しております。

 

○井上哲士君 実際は、顧問とかというところに就いて、余り会社に出勤することもなく、むしろ現役との顔つなぎであるとか情報収集とか、言わば営業というんでしょうか、そういう仕事に就く場合が多いという批判があるんですが、この点、実態はいかがでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 防衛省のOBの方を企業に迎えて、その後例えばどういう役職で活用しておられるかという個々の事例については私も承知をしておらないものですから、今の御質問になかなかお答えしにくいんですが、私どもの企業の例でいえば、顧問というような形で来ていただいておりますが、いわゆる営業活動にはもう全く従事していただいていないものですから、むしろ、先ほど申し上げたような技術開発であるとか運用の支援のやり方であるとか、そういうことで知見、アドバイスをいただいているというのが現状でございます。

 

○井上哲士君 先ほども話題になりました日米平和・文化交流協会についてお聞きをします。

 御社も含めて、防衛生産委員会に所属をする企業の多くがこの交流協会に参加もしておりますし、それから、安全保障戦略会議を見ておりますと、今年もそうですし、〇三年当時でいいますと経団連の防衛生産委員長の西岡氏が講演をしたりされている深いかかわりがあると思うんですね。

 そこで、なぜこういう交流協会というものがつくられ、多くのこういう防衛産業が理事として参加をしているのか、何のためにこういうものをつくられているのか、いかがでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 先ほども何か御質問がありましたけれども、文化平和交流協会ですかね、それについての個別の御質問にはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、日米安全保障戦略会議とか安全保障フォーラムとかそういう名称のものが実際に行われていまして、そこで、何といいますか、先生方も含め各界の防衛産業等に、何というか、知見のある方々がそういう場で出てこられてディスカッションをしたり、パネルディスカッションをしたりされておる、あるいは意見交流をしている、そういう実態があると思いますし、それは、例えば日米の安全保障を考える上では意義があるからこそ参加をされているということではないかと思います。

 

○井上哲士君 ただ、軍需企業、防衛企業が相当の会費や寄附金を払って運営をされ、その下で日米の防衛関係の政治家が議論をするという在り方がやはり政治と企業との癒着構造というような批判があるわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

 

○参考人(加藤千之君) 今御指摘の戦略会議であるとか安全保障フォーラムであるとかというのは大変、何といいますか、オープンな形で行われておると思いますし、その中で意義のあるディスカッションが行われているというふうに理解をしております。

 

○井上哲士君 時間ですので、終わります。

 

○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。私は、基本的な問題、二、三点お伺いしたいと思います。

 加藤参考人は、日本の安全保障は防衛産業の基盤が強化されていけばおのずからそれは保障されていくと、こういう見解に立っていらっしゃるのでしょうか。それをお伺いしたいと思います。

 

○参考人(加藤千之君) 今御質問は少し、何というか、筋が逆かなと思うんですけれども。

 日本の今の防衛装備は、防衛産業の企業が防衛装備を供給をし、その運用あるいは改良もその企業が行うという意味で、防衛産業の基盤が日本の国防の一翼を担っておるというふうに認識をしておりますし、私どもを含めた防衛産業、企業はそういうことに、国の防衛の一翼を担っておるんだということに大変、何というか、誇りと意義を見いだしているという部分がございます。

 一方で、その基盤が強化さえすれば国防力がそれで上がるかというふうに今御質問でございましたけれども、それがそういうふうに言えるかどうか。国防の一翼を担っておるというふうに認識しておりますから、この基盤が弱くなれば国防力が落ちるのではないかということを懸念しておりますけれども、上がれば上がるかということを御質問されると、ちょっとお答えしづらいところなのですが。

 

○山内徳信君 やはり、太平洋戦争、そして、戦前の財閥と言われたそういう大手の企業が戦後解体をされていったわけです。そして、日本の戦後の政治家たちはあるいは政府は、やはりそういう悲惨な戦争体験もありましたから、そこに新しい憲法ができ、そして、経済を中心とした国家経営をしてこられたわけです。そういう意味で、他の国々とは違う歩みを戦後続けてきたと思っております。

 したがいまして、一九六七年の佐藤総理の武器輸出三原則の国会答弁、それからほぼ十年後の一九七六年の三木総理の統一方針が出ます。それは、こういう政治家の方々には今の憲法の枠をやはり守りたいと、そういうふうな思いがあったんだろうと思います。したがいまして、日本の普通の国民は、今の平和憲法の下で、軍事国家にどんどん進んでいくんじゃなくして、やはり経済あるいは福祉、医療等々を中心としたそういう国家をつくってほしいというのが願いだろうと思います。

 今日、加藤さんの最後の説明を見まして私は衝撃を受けたわけであります。それは、防衛産業の技術基盤強化の観点から武器輸出三原則の見直しが必要であると。見直しをしていったら、やはりこれ歯止めも何も利かぬだろうと思いますね。

 そして、日本よりもやはりその面でも進んだ国があるわけです。戦後、日本が技術的に生きてきた、国際的に高く評価されるのは防衛産業じゃなくして、やはりその他の自動車産業を中心としたそういう面で世界の評価を受けてきておるわけであります。そういう意味で最初の質問を申し上げたわけであります。防衛産業基盤が強化されれば日本の安全保障はきちっと保障されていくというお考えですかとお尋ねしたのは、そういう意味であります。

 私は、産業界も含めて、やはりこの武器輸出三原則の原則はきちっと守って、そしてそれ以外の、今経済界が一生懸命努力している分野があります。そういう面に力を尽くしていくことによって更に世界から評価される経済立国あるいは技術立国というふうになっていくんだろうと思います。私はそう思っていますが、どうぞ加藤さんの御意見ありましたら。

 

○参考人(加藤千之君) 済みません、繰り返しになると思いますけれども、私が先ほど御説明した趣旨は、防衛産業界が国防の一翼を担っておるという認識がございますので、これが弱体化すると国防が弱くなるんではないかというふうに申し上げたということを申し上げただけでございます。

 それで、技術立国というふうに言っておられますが、私が所属している企業も含めて防衛産業に集う企業の大半は、防衛装備の供給だけをしているわけじゃなくて、実はそれはその個々の企業の中での事業の規模からすればそんなに大きな部分を占めません。むしろ、ほかの大きな部分を占める事業を持っております。それは御指摘のような民生事業でございますね。

 したがって、民生事業においても当然のことながら技術革新に努める、それで、世界のマーケットの中で地位を占めるという努力を不断に行っております。そういう意味で、そういう努力をすべきではないかという御趣旨については私どももそれに賛成、私も賛成ですし、そういう努力はしていると自負しております。

 したがって、私どもの企業のいろんな努力で世界じゅうにより良いものを供給できている、日本の産業は、というふうに誇りを持っておりますし、そういうことが評価されているということについてはもうおっしゃるとおりだと思います。

 

○山内徳信君 私は、今回、前防衛事務次官守屋さんの件を思うにつけ、防衛関係の入札が大半随意契約で行われております。この随意契約を減らしていくあるいは一般競争入札に移していく、そのことについて、加藤さんの立場から提案だとかこういう方法があるとかいうふうな御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。

 

○参考人(加藤千之君) 現実にそこで、先ほどグラフでお示しもしておりますけれども、私どもも、随意契約の率が下がり競争契約の率が上がっておるという推移があって、それは調達改革、取得改革が防衛省さんの指導で産業界も協力しながら行われた結果が出ているというふうに思います。そういうことでございますので、そういう経緯がきちっと行われているということは、そこでお示ししたとおりでございます。

 一方で、随意契約を、単に随意契約をとにかく減らすべき、なくすべきだと、こういうことであるかということにつきましては、先ほども若干申し上げたと思いますけれども、非常に高度な技術集約的なものが幾つも多いわけです。それを供給できる、現実的に供給できるという企業がそれほどたくさんあるわけではないというのも現実でございますね。

 したがって、競争入札で、実際に競争入札の実が取れるような幾つもの企業が新規参入してきて競争状態が活発化するというような性格のものと、競争入札にしても競争で入札してくる人が本当に増えていくということではなくて、もう限られた企業しか現実に能力的に応札ができないというようなものと、やっぱり物によっておのずからありますので、競争入札化を進めるということでも、その率がこの五年間で変わってきたようなものが今後ともどんどん進むということがあるかどうかについては、私もちょっとそれを進める名案というのが今のところございません。

 

○山内徳信君 今の加藤さんのお話のような話は、随分防衛省も同じことを言っているんです。しかし、私が考えるのに、やはり随契であっても、今回起こったような水増しの問題あるいは見積額の問題を、きちっとそれを踏まえて随契という行為が防衛省内においてやはりできるんだろうと私は思うんですよ。

 そういう意味で、加藤さんの方に何かいい知恵があればお伺いしておきたいと思って質問をしたところです。

 

○参考人(加藤千之君) 契約をする場合に、水増しであるとかそういうことが、私の経験ではそんなことはできないんですよ。

 要するに、だれも中身を知らないようなものを最初に見積もるときにですら、やっぱり過去に同種のものがあるんではないか、参考になるものがあるんではないか、そういう実績をベースにして考えるべきであるということで、私自身が実務的にも長年そういうことの中でやってきているものですから。

 しかも、一発物で契約するというよりは繰り返し契約をしていく、随契の場合はですね。じゃ、まあ例えば飛行機を買いましょうというときには、それは十年間ぐらいにわたって何機ずつか買うと。そうすると、おのずから過去の事例がありそこからベースができる。しかも、実際の上がったコストというのは実際に監査をされている、その現場でですね。そういうことで繰り返していきますものですから、それが急に何か増えたりしたら、それはもう立ち所に分かるわけですよ。

 だから、名案というよりも、そういう今既に行われている監査等のシステムをきちっと回すということを地道にやっていくというのがいいんではないかなというふうに思います。

 

○山内徳信君 終わります。ありがとうございました。

 

○委員長(北澤俊美君) 参考人に対する質疑はこの程度にとどめます。

 加藤参考人には、長時間にわたり大変有意義な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。委員会を代表して心から感謝を申し上げる次第であります。(拍手)

 午後一時に再開することとし、休憩いたします。

   午前十一時四十分休憩

     ─────・─────

   午後一時開会

 

○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。

 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官福島克臣君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

    ─────────────

 

○委員長(北澤俊美君) テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言を願います。

 

○白眞勲君 民主党・新緑風会・日本の白眞勲でございます。

 韓国は、さきの大統領選挙によりまして李明博氏が次期大統領となることになりましたけれども、まずこの件につきまして外務大臣にお聞きしたいと思います。

 李明博氏は就任早々の記者会見で、北朝鮮に対する姿勢、特に人権問題について必要な指摘はしていくと、こう述べられまして、今までの政権よりも積極的に人権問題を要求していく姿勢をアピールしたわけなんですけれども、当然、拉致問題というのはテロであり、またその問題を人権問題と位置付けている日本としましては、このような韓国の変化、大きな変化ですよね、この大きな変化に関して極めて関心を持たざるを得ないと思うんですけれども、それに関する外務大臣としての御認識はいかがでしょうか。

 

○国務大臣(高村正彦君) 二十一日、福田総理は李明博韓国次期大統領と電話会談を行ったわけでありますが、その際、次期大統領に対して当選に改めて祝意を表しました。李明博政権の政策は来年二月二十五日の大統領就任に向けて今後具体的に明らかにされると、こう思いますが、福田総理との電話会談の中では、李明博次期大統領は日韓関係を一層発展させるために努力したい、福田総理とも頻繁にお会いし新しい未来をつくっていきたいと、こう述べられて、日本との関係を重視する姿勢を示しているわけであります。

 我が国としても、自由と民主主義、基本的人権等の基本的価値を有する重要な隣国である韓国との関係を重視しておりまして、李明博次期大統領とともに日韓の友好協力関係を一層発展させるとともに、北朝鮮問題を始めとする共通の課題に関し連携して取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。

 拉致問題について直接李明博氏がどう考えているかということはまだ必ずしも定かでないわけでありますが、その点につきましても、日本政府とすればこれから日本政府の立場をよくよく説明して理解と協力を求めていきたいと、こういうふうに思っております。

 

○白眞勲君 李明博氏は北朝鮮の所得引上げみたいなことも公約として掲げてきたわけなんですけれども、一説によりますと、その財源というのは日本の支援金を見込んでいるんではないかというふうにも言われているわけでして、ただ、今の日本のスタンスというのは、経済制裁をしているという状況の中では、とてもではないけど支援金なんかとんでもないという状況だというのだと思いますけれども。

 ここで官房長官にお聞きしたいと思うんですけれども、テロの一つである拉致問題の解決が前提に立った上での北朝鮮支援ということであるわけですから、そのような観点からすると、一刻も早く拉致を解決させるために韓国との連携、今も外務大臣がそういうふうにおっしゃっていますので、それを一層深めることが重要だと思いますけれど、当然、そんな観点からしますと、なるべく早い時期、例えば二月の二十五日の就任式に総理が訪韓してその辺についても話していくということも必要だと思うんですけれども、官房長官としての御認識はどうなっているか、あるいは予定はどうなっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

 

○国務大臣(町村信孝君) 二月二十五日月曜日が就任式の予定ということでございますが、もちろんまだこの時点で決定をしていることは何もございません。二〇〇三年のときは小泉総理が出席をされましたが、その前、金大中大統領、あるいはその前の金泳三大統領、それぞれ就任式には基本的に外国からのお客さんを招かないという形で就任式が行われました。したがって、今度どういう形で行われるかまだ分からないわけでありまして、したがって、現時点で出席するしない、総理がですね、ちょっとそこはまだ何とも決めかねております。

 いずれにしても、電話会談はもう行われたわけでありますから、今後様々な機会に大統領と首相の個人的ないい関係を含めてしっかりとした意思疎通ができるように努めていきたいと思っております。

 

○白眞勲君 そうしますと、例えば、韓国側から総理に対して正式に来てくださいという御招待状等がありました場合には、出席というふうな方向で考えているということでよろしゅうございますか。

 

○国務大臣(町村信孝君) 基本的には国会のお許しがないと海外にはなかなか行けないものですから、国会次第かなという気もいたしております。

 

○白眞勲君 韓国というのは非常に近いところでして、特に総理でしたら飛行機で、自分が乗りたい、時間帯に飛行機に乗れるわけですから、総理専用機ですか首相専用機に乗れば二時間ぐらいで行きますので、本当にそんな面ではあっという間に行けるわけですから是非とも行っていただきたいなというふうに思うんですけれども、もう一度官房長官としての御見解をお願いしたいと思います。

 

○国務大臣(町村信孝君) お招きがあれば前向きに考えることになるだろうと思いますが、その折には、是非国会の方の対応もよろしくお願いを申し上げます。

 

○白眞勲君 その前に、総理はあさってから訪中されるということですけれども、例の報道発表文の食い違いというのはどういうふうにするおつもりなのかなというふうに思っているんですが、せっかく行くんだったら、総理がもう自ら直してくれと言ったらどうかなとも思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。官房長官、お願いします。

 

○国務大臣(町村信孝君) 本件については、外務省の方から在外公館を通じ、あるいは日本にある中国大使館を通じて訂正を求めているところでございます。せっかく日中ハイレベル経済対話、成功裏に開催をされたわけですから、その後の発表の仕方で何だか妙な不協和音が出るというのは誠にもったいない話かなと、こう思うんであります。ただ、このことがこれからの日中関係の進展あるいは総理の訪中を妨げるというようなことがあってはならないんだろうと、こう思って、しかるべき外交ルートを通じてしっかりと対応していっていると、こう私は聞いております。

 

○白眞勲君 今官房長官からもお話があったように、せっかく成功裏にそういうふうにやっていたにもかかわらずもったいないような状況になっている、これこそ本当にもったいないというふうに思うわけでして、今しかるべき対応という話が出ましたけれども、例えば日本側のホームページに中国語できちんと日本側の発表文を載せるということも検討しているということもちょっと耳にしたことがあるんですけれども、その辺について外務省としてはどういうふうにお考えでしょうか。外務大臣、お答えください。

 

○国務大臣(高村正彦君) 中国側が自発的に発表してくれれば一番いいと考えて申入れを行っているところでございますが、まだそういう方向が出ておりませんので、今委員が言ったようなことも含めていろいろ考えているところでございます。

 

○白眞勲君 私は、ここで申し上げたいのは、別に中国を批判しているということではなくて、食い違いがあるならばきちんとすり合わせして解決すべきであると、それでお互いの食い違いを乗り越えて合意したことを国民に知らせて記録に残しておくということが真の友好であり、また後の世代の指導者たちへの引継ぎになるのではないかなというふうに思うわけです。

 ですから、ここでお聞きしますけれども、福田総理が中国、そして韓国に行かれるかどうか分かりませんが、行く予定としても、拉致問題について中国と韓国のそれぞれの指導者に対して、今停滞ちょっとしている拉致問題を解決するためには、その日中韓の連携を深めていく絶好のチャンスであるというふうに思っておるんですけれども、官房長官としては今のタイミングをいかがお考えでしょうか。

 

○国務大臣(町村信孝君) 日中首脳レベルでどういうことが話されるか、私もまだ詳しくは聞いておりませんが、当然東アジアの情勢、重要なプレーヤーである日本と中国、そして韓国、北朝鮮のことをお話しになるんであろうなと、こう思います。そして、当然その中では朝鮮半島の非核化の問題も話されるでありましょうし、そうなれば当然この拉致問題ということについて総理がお触れになるのではないかと、こう思っているところでございます。

 

○白眞勲君 そうしますと、やはりこれが今、日中韓の連携の一番の重要なチャンスであると、拉致問題解決への、そういうふうな御認識でよろしゅうございますでしょうか。官房長官、お答えください。

 

○国務大臣(町村信孝君) ちょうど韓国の大統領も替わるということで、新大統領がどういう北の政策を取るのか、変わってくるのか変わらないのか、そうしたことについてまだ必ずしも定かではないところもございますが、基本的には、例えば日米韓のチームプレーというものも多分従前よりは少し良くなるんじゃないのかなと、そんなことも思ったりいたしますが、日中韓も大変重要な参加国としてこの拉致という大変国際的な難しい犯罪問題を解決するためにチームプレーで当たっていくということは大変大切なことだと、私どももそう考えております。

 

○白眞勲君 続きまして、護衛艦「しらね」の火災の件についてお聞きしたいと思います。

 十二月十四日にこの火災発生したわけですけれども、人的被害については四名の方が負傷されたとのことですが、ともかく生命に別状なかったということは不幸中の幸いだったかとも思いますが、ところで、この艦は第一護衛艦隊群の旗艦であり、要するに首都圏防衛の海上自衛隊の中枢の、それもまたその火事が何かCIC、この戦闘情報センターというのは正に中枢の部分であるということを考えると極めて大きな事案、重大な事案であるというふうに思うんですが、この件に関しては、防衛大臣、原因と対策というものは今現在どういうふうになっているんでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 

○国務大臣(石破茂君) 事実については委員がおっしゃったとおりでございます。

 原因は、現時点においてまだ特定ができておりません。現在調査中でございます。CICは火の気がないところでございますので、なぜあそこから火が出たか、そしてこれから先の対策として、なぜ八時間消えなかったかということについてはきちんと把握をし、対策を打つことが必要だと思っております。

 前も答弁したかもしれませんが、相当に古い船でございます。古い船でございますので、消火設備等々最新のものを備えておりません。ただ、護衛隊群旗艦を務めている船でございますので、その機能が失われたままということであってはなかなか具合が良くないと思っております。今の時点で断定的なことを申し上げることはできませんが、護衛隊群全体の機能が損なわれないように配慮をしていかねばなりませんし、戦闘艦、戦船でございますので、火が出て八時間消えないなぞということは、これはなぜなのだということも含めてよく把握をし、対策を打たねばならぬと思っております。私自身、この事案は相当に重大なものだと深刻に受け止めております。

 

○白眞勲君 正に、今防衛大臣おっしゃいましたように、非常に重大であり、深刻であると。まして、これが八時間も消えなかったと。それも、海で戦闘行動中とか何かだったら別ですけど、停泊中で、場合によっては外から消防車も来てくれる、そういう中で八時間も燃え続けていたということで非常に重要だと思うんですが、それ以上に重要なのは、一体、今おっしゃったように火の気のないところに煙が立ったということですし、それはどういうことなんだろうかというと、これもしかして放火という可能性というのはどうなんでしょうか。その辺はどういうふうにお考えでしょうか。

 

○国務大臣(石破茂君) この点について、今憶測も踏まえて物事は申し上げるべきではないと思っております。いろんな可能性というものはもちろん排除されませんし、それは一つ一つ消していくというやり方もあるのだと思います。なぜCICで火が出たかということは、委員おっしゃるように、そういうことも全く否定されるわけではございません。しかしながら、ほかにもいろんな原因が考えられるところでございまして、この時点で委員の御質問にお答えをすることは私として適当ではないことをお許しいただきたいと存じます。

 

○白眞勲君 「しらね」と同型艦もあるわけですし、そういった観点からすると早い原因究明というのは必要だというふうに思うんですけれども、そういう中で、今の御答弁ですと、放火の可能性も否定はできないということでよろしゅうございますね。

 

○国務大臣(石破茂君) あらゆる可能性というもの、つまりこれだと断定をしておるわけではございません。現在、いろんな角度から調査をいたしておるところでございます。お答えは先ほどのとおり繰り返すことでお許しをいただきたいと存じます。

 

○白眞勲君 続きまして、インド洋での補給活動における燃料調達の件につきまして、皆様のお手元にもお配りしました資料で、ちょっとまず三ページ目から行きたいと思いますので、三ページ目をごらんいただきたいと思います。

 これは先日防衛省からお持ちいただいた資料なわけですけれども、この資料というのは、先日防衛大臣が、この次の次の次と次の次ですね、のところに艦船用燃料の価格比較とか諸経費が高くなる理由の資料をいただいた後に、追加の資料で私がこの三ページ目のテロ特活動用と米軍調達の艦船用燃料の価格比較についてということでいただいた資料ですが、これ見ますと、軽油価格は米軍調達に比べてテロ特活動、日本がやっている方が若干高めですが、これ調達量の違いが余りにも大きいからある程度はしようがないなというのはあるんですけれども、それにしても、諸経費が、これ見ますと、日本の方は一万六千九百円であり、キロリッター当たり、米軍調達は千三百円だと。これ一三〇〇%、十三倍ですよね。

 余りにも高過ぎないかなということだと思うんですけれども、当然、防衛大臣もこの件についてはバージ料も含まれているんだよということを前々からおっしゃっているわけですが、バージ料がこの四ページ目、五ページ目の資料ですと七割ということになると、この諸経費一万六千九百円の中の七割がバージ料だったら、残りの諸経費は五千七十円で三割、つまり一万六千九百円の三割が五千七十円ですから、それにしたってアメリカの米軍調達の千三百円に比べても約五倍の開きがあるということですが、この件についてどうなんでしょうか、ちょっと余りにも開きませんか。

 

○大臣政務官(秋元司君) お答えさせていただきます。

 今委員御指摘のこの米軍調達における調達時の単価、諸経費千三百円でありますけれども、この防衛省から出させていただいた資料、単純に見ますと、テロ特活動用の一万六千九百円、そして米軍調達が千三百円と、これはすごく開いているように見えるわけでありますが、これ正しい実は表示になっておりませんで、この千三百円そのものというのは実のところ、これも委員が今回資料として提示されている②の諸経費が高くなる理由というこの表を見ていただきますと非常に分かりやすいのでありますが、実のところ、米軍のいわゆる諸経費というのは、この製油所から一時保管タンクに移動するところの部分の諸経費を指しているのか、若しくはこの軍事海上輸送司令部が契約したタンカーから各中東地区の米軍の燃料タンクに行くところで出している諸経費なのか、実は全く分からないんですというのが実情でありまして。

 じゃ、なぜこの千三百円なんという数字を今回改めて書かせていただいたのかといいますと、実はアメリカ軍がオープンにしている資料の中に、契約時と調達したときの差額、〇・四ドルですかね、ずれがあるんです。元々アメリカが油を調達しようと思って契約した金額、これはオープンになっています。そして、実際契約した当初の数が〇・〇四ドルずれが、下がったということで、役所としてはこの諸経費だという算定の中でこの千三百円という数字を明記させていただきましたけれども、実際、比較ということからしますと全然直接は比較にならなくて、どちらかというと、これはその他というところに本当は欄を作って千三百円という金額を書いた方が私は適切じゃないかという思いがしておりますので、実はこのペーパーそのもので直接の比較ということには実はならないということだけ今御答弁させていただきたいと思います。

 

○白眞勲君 ちょっと大変恐縮です、非常にそれ失礼な話だなと思います。これ防衛省から出してきた資料でございます。

 それで、テロ特活動用の米軍調達の艦船用、タイトル、価格比較についてといって、この諸経費の部分が一〇〇%と、千三百円だというんですけど、今の話ですと、さっぱりその千三百円もよく分かりませんということになったら、これ議論がこの先進めなくなるんですよね。これちょっとおかしいんじゃないんですか。

 ですから、そういう、これ、私が作った資料じゃないんですよ、これ。防衛省さんから持ってきた資料が、こういういい加減な資料を持ってこられると、これ議論の、国会という場で議論ができないじゃないですか。

 

○政府参考人(小川秀樹君) 恐縮でございます。多少、資料の事実関係について補足して御説明をさせていただきたいと思います。

 お出しした、先生の方の上から三枚目の表でございますけれども、ちょっとミスリードでございますのは、一万六千九百円と千三百円並んでおりまして、右の欄に油槽船、タンク借料等と書いてございますのは左側のテロ特活動の内容を御説明しております。

 で、千三百円の方でございますけれども、今政務官から御答弁したとおりでございますけれども、外交ルートで米側から情報を得まして、調達価格が一・七〇ドル、これでいいますと約このレートで五万三千六百円でございますけれども、一方、業者との契約価格が一・六六ドル、五万二千三百円でございますけれども、その差額が円に換算しますと千三百円ということで、この千三百円の内容は若干はっきりいたしませんけれども、まあ諸経費ということでございますけれども。

 一方、この図表の中の、先生お出しの下から二枚目にございますもので、軍事海上輸送司令部が燃料とは別途に契約しておるというところは、別の契約でございますので、千三百円には入っておりません。したがって、手続的な、まあ金額からいいましても手続的な経費というふうに理解しておるところでございます。

 

○白眞勲君 今、先ほど政務官から、これ比較じゃないんです、単純な比較じゃないんですということを言ったことに対する説明としては全然なってないじゃないですか。これは正しいのか正しくないのか、この文章が。これをまず聞きたいんですよ。ちょっともう一回お答えください、これ正しいのか正しくないのか、それをお答えください。

 

○政府参考人(小川秀樹君) よろしいでしょうか。

 

○委員長(北澤俊美君) 小川防衛参事官。

 

○政府参考人(小川秀樹君) これは比較ということでは正しいわけですけれども、諸経費で並べております数字は我が方で取れる限りの数字ということでございますので、千三百円の部分に、あと、この図表でいいますと軍事海上輸送司令部、そういったところで掛かるものは燃料契約に米軍の場合入っておりませんので、ちょっと別契約ということで比較ができないということでこういう表になっておるわけでございます。

 

○白眞勲君 今そこの部分は別契約というのは政務官もおっしゃっているんですよ。

 問題は、この部分の千三百円というのが諸経費かどうかが分からないということを政務官がおっしゃったんですよ。で、これは比較じゃございませんというふうに今おっしゃったことに対して、ということは一体何ですかということ、これは国会にこういうものを出すというのはおかしいじゃないですかということを私は申し上げているんですよ。

 

○政府参考人(小川秀樹君) これ、千三百円は燃料価格で本体価格との差額でございますので、諸経費ということでよろしいかと思います。ただ、諸経費の詳しい内容までは分からないということを申し上げているんで、ただ、我が方との比較でいえば、我が方で諸経費に入っておりますバージ代等の艦船輸送料は別契約で米軍は取っておると、そういうことでございます。

 

○委員長(北澤俊美君) 速記を止めて。

   〔速記中止〕

 

○委員長(北澤俊美君) 速記を起こしてください。

 

○大臣政務官(秋元司君) 改めてお答えをさせていただきます。

 先ほど私が説明させていただいた中で、ひょっとしたら表現が不適切なところがあったかもしれませんから改めて言い直させていただきますと、お問い合わせの米軍調達諸経費という項目の中の千三百円につきましては、あくまで米軍分につきましては詳細は不明でありますけれども、しかし全体の中の諸経費ということに関すれば、その一部であるという言い方が適切であろうかと思います。

 ただ、この表示されているテロ特活動におけるいわゆる日本側の一万六千九百円と千三百円という直接の比較には該当はしないという表現になりまして、全体の中の諸経費の中の一部は入っているという言い方が正しい説明の方法であると思います。

 

○白眞勲君 ですから、私が聞いているのは、この一万六千九百円の中の油槽船代のバージ料は除いた感じの三割で、あと残りの三割が五千円ですよねと。でも五千円でも高過ぎませんかということを、そもそもの質問はそこなんですよ。ところが、そこに対して今政務官は、いや、これ単純な比較じゃないから話しようがないんだというふうに言われちゃうと、私はこれ以上ここで議論が進めなくなりますよね、この部分については、ということなんです。それについてのお答えをしていただきたいということなんですよ。

 

○政府参考人(小川秀樹君) テロ特の我が国の諸経費でございますけれども、御提出して、先生の方が二枚、下から二枚目と三枚目でお出しいただいているもので、諸経費一・七万円となっておりまして、二枚目の紙にバージ代が約七割というふうになっております。残りでございますけれども、我が方が補給する、積出しをする港でのタンク借料が残りの三割のうちの二割程度でございます。それ以外に検査料等がございまして、約一割でございます。

 米軍の方は、いずれにせよ、この図表で、下から二枚目の図表で申し上げますと、この海上輸送司令部が製油所から渡された油をタンカーで中東各地の米軍の燃料タンクへ運ぶわけでございますけれども、燃料タンクに収めて、我が方でいうタンク借り上げ料とかバージ代は、言わば対比的に申し上げますと、米軍の燃料タンクに入れて、米軍の燃料タンクないし燃料タンクに入れてから積み出す部分の経費を申しておりまして、ここの部分はやはり我が方ではちょっと把握できてないところでございます。

 

○白眞勲君 ですから、これは単純な比較じゃないということを一生懸命説明されているのは分かるんですけど、だったら同じ場所に同じようにこういう形でやってほしくないんですよ。ということなんです、私が申し上げているのは。

 この件についてはもう一回またやりたいなと思うんで、また、ちょっとこれ年越しちゃうんですけれども、残念ですけど、やりたいなと思っておりますけれども。

 今日は副大臣、経済産業省副大臣もいらっしゃっているんで、ちょっとその辺の、先にその話をしたいと思いますが。

 武器輸出三原則につきまして副大臣にお聞きします。

 先日、また本日の午前中も、この当委員会でこの武器輸出三原則についての議論があったんですね。ここで、私も今の政府と同じ考え方、つまり武器輸出三原則は堅持しなければならないと考えています。ですから、今仮に防衛予算が減って、それに伴う国内産業の需要が、それの、防衛関係の需要が落ち込んだからといって、三原則を緩和しろとか、あるいは戦車を輸出できるようにしようという議論は私は結び付かないと考えておりますし、また技術の向上のために原則を緩和しろというのも、私はこれはちょっとちぐはぐな議論じゃないかなと私個人は思っているわけでございます。その前提に立って議論を進めたいんですけれども。

 先日、石破防衛大臣が飛行艇について言及されました。その折、かつての答弁を引用しつつ、救難艇については武器とは言わないというような判断もかつてはあったやに記憶していると答弁されました。私もその昭和五十年の国会の議事録をちょっと読み返してみたんですけれども、確かにUS1という飛行艇について議論をしているわけでして、それは武器ではないので輸出できるという判断を当時の政府、通産大臣がしているように見受けられました。

 そうすると、現在、その能力を発展させたUS2の場合というのはどうなのかなと、武器とならないのかどうか。それについて、武器とはならないという理解でよろしいんでしょうか、お答え願いたいと思います。

 

○副大臣(新藤義孝君) 武器輸出三原則における武器というのは、これは外為法の規制されるもののうち、海外で他国の軍隊が使用されるもの、直接戦闘の用に供されるものをいうということでございます。既に昭和五十年の時点で、US1についても武器ではないと、こういう見解が示されたのは先生御指摘のとおりでございます。

 今回のこのUS1を改良したUS2につきましても、これは実際には、具体的に武器輸出の話が出て、どういうスペックでどういうものを売るかという具体的なものがなければ判断できませんが、現状におけるUS2においては、過去の国会答弁から照らしてもこれは武器とは考えていないということではないかと、このように思っております。

 

○白眞勲君 石破大臣は以前、私の質問の中で、海外との取引という中でのオフセット取引には武器輸出三原則をどうするのかという部分があるというふうに述べられたと思うんですけれども。

 とすると、この飛行艇、今は武器ではないと一応ある程度前提条件とすると、これ私もちょっと調べてみたんです。二十秒の水上滑走をするだけで消防ヘリコプター二十一機分の水を十五トン搭載してまくことが可能だということが書いてあったので、これ、森林火災に有用なこの飛行艇US2を利用すればオフセット取引も可能ではないかなというふうにも言えるんでしょうか。この辺について石破大臣の御見解をお願いしたいと思います。

 

○国務大臣(石破茂君) これがどうなのかということについては、今、新藤副大臣からお答えがあったとおりでございます。これが出せるか出せないかというお話とオフセットでいくかいかないかというのは、これは議論として分けて考えるべきなんだろうねというふうに私は思っております。

 このPS1あるいはUS1、発展型のUS2、これがそういうような、今、白委員御指摘のような大変高度な能力は持っておりまして、実際にこれを売ってくれない、という話もあったやに私は聞いております。ですから、これが武器に当たらないとするならば、本当に森林火災の早期の対応、有効な対応のためにいいとすれば、これは出してもいいじゃないかという議論は、それはもちろん国会の御議論も踏まえて行政として判断をすべきことと考えております。

 他方、さて、これをじゃオフセットでどうなんだと言われたときに、それは、この飛行艇を出すがためにオフセットというのは論理的には少しそごが、私の不勉強かもしれませんが、あるだろうと。

 委員がかねてから唱えておられるオフセット契約、仮に相殺契約というふうに訳したといたしますと、確かにイギリスですとかトルコですとかイタリアですとか、いろんな例がありますが、じゃ、日本でこういうようなオフセットをやったらどうだろうかと。オフセットをするかしないかは政府対政府で決めるのですが、じゃ、物何にするのと。リンゴですかい、ナシですかい、カキですかい、大根ですかいと、まあ何でもいいんですが、どういう形なんですかねと。その場合にどうやって透明性を確保するんですかねと。

 大体、オフセットというのは、アメリカとの比較でいえば、どっちが貿易黒で赤か。つまり、我が方がアメリカに対して物すごく赤で、これ以上赤なんかとてもじゃないがやっていられないと、よって、これを買ってくれとか、そういう議論になると思っておりまして、日米の場合にはそれがひっくり返っておりますので、そのことが政府対政府で本当に可能なのかしらねという気も私はしないではない。

 ですから、議員に私、前も個人的にお願いしたことがあるんですが、これを更に議論を進めていくためには、政府対政府でどのようなことが可能なのか、そのときの仕組みというのはどういうものなのかということについて、委員のお考えを更に進めて、私ども勉強させていただくために、こういうことでどうだというアイデアをむしろお示しいただければ、私ども大変勉強になるところでございます。

 

○白眞勲君 石破大臣の前向きな一生懸命の御答弁に感謝をしたいなというふうに思うんですけれども。

 そこで、ちょっと申し上げたいのは、十二月四日の当外交防衛委員会で総理入りの質疑の際、町村官房長官がオフセット取引について、防衛装備品を半値で買って、残りの半分を日本のリンゴや米を日本政府が買い取るというお話をされたので、ちょっとこれ誤解でして、買うのは向こうのメーカーが条件として買うということで、日本政府が買うわけではないということを御理解いただきたいということを付け加えさせていただきます。

 それで、その辺はまた今後の議論ということでやりたいと思うんですが、最後に一つ、目安箱についてちょっと聞きたいなと思っているんです。

 石破大臣は、昨今、防衛省のいろいろな事案について、先日の御答弁でこう言っているんです。一体この価格が高いのは何なんだということについてきちんと言えるような体制でなければならないし、上司が不当な命令をした場合にはきちんとただす義務があると述べられている。また、こうもおっしゃっているんですね。その者が不利益な取扱いを受けないようにということも当然仕組みとしてはあるとお話しされておりまして、いろいろなチェック体制、そこで目安箱というものに対して言及されたわけです。

 そういうものも含めてやらざるを得ないということをおっしゃったわけなんですけれども、この前までたしか石破防衛大臣、GPSの話をされていまして、いや、これは最先端の話をされているなということを思っていたら、今度はぎゅっと逆に歴史がさかのぼりまして、今度は江戸時代の目安箱ということになったわけでして、そうすると下手人はだれだみたいな、そういうことですけれども、また、これまたびっくりということですが、今回はこの目安箱の方は実現させる、GPSはやめたけどということでよろしいんでしょうか。

 

○国務大臣(石破茂君) いろんな時代のお話をして恐縮であります。

 GPSも別にやめたというわけではございません。いろんな御指摘があることもよく存じております。そういうことをするとかえってテロリストに対してどこにいるか分からせることになるんじゃないかという御指摘があることは、もう議論をした当時から百も万も承知のことでございます。

 私が申し上げたかったのは、土曜、日曜に居場所が分からないというようなことで何が防衛省だということであって、そこがきちんと把握ができればそれでよいということを申し上げておるわけで、GPSも決して全然やめたというものではございません。

 で、今度は目安箱と、江戸時代かというお話でございますが、まあ電子目安箱みたいなもので、私どものホームページの上に過大請求等の不正行為に関する情報提供の専用ページを作っておるわけでございます。

 ただ、これ私も抜かっておったんですが、じゃどうしたらアクセスできるんだというふうに聞きましたらば、防衛省と引いたらすぐ出てくるわけではない、そこから別のセクションに行かなければここのページにたどり着かないということなので、これはどうもいかぬだろうと。この間、牧山委員からもその御指摘、ホームページについていただきましたが、やはり防衛省というところに引いた、そこにアクセスしたときにすぐこの電子目安箱というのにリンクできるようにしなければ意味がないということであります。

 今までこれに、目安箱に何か入れてくださった人はありませんもので、これではもう何の意味もないだろうと。防衛省と引いたときにすぐこの目安箱というところへアクセスできるようにこのホームページの仕組みを改めるよう、本日付けで指示を出したところでございます。

 どれほど来るか分かりませんが、やっぱりこういう制度があるよと言っても相当努力しないとそこのページにたどり着けないのは、私は余りいいことだと思っておりません。

 

○白眞勲君 電子メールで目安箱というと、相手が分かっちゃったりする場合もあるわけですが、その辺は大丈夫なんでしょうか。それだけ最後に聞きたいと思います。

 

○国務大臣(石破茂君) もちろん、その辺りはきちんと秘匿は確保したいと思っております。こういうのはもう匿名が多いわけで、そうするともう、何というんでしょう、いろんなものが山ほど来ます。あるいは陥れてやろうみたいな話も来るだろうと思います。

 向こうの権利をきちんと保全すると同時に、私どもの方も、事務は非常に膨大になりますが、しかしその中においてきちんと相手方の利益が守られるように考えていかねばならないというふうに思っております。

 

○白眞勲君 ありがとうございました。

 

○委員長(北澤俊美君) この際、防衛大臣に一言申し上げますが、先ほどの資料の件でありますけれども、詳細は不明であるが全体の一部は入っているとか、政務官の説明と参事官の説明が誠に分かりにくい。二十万ガロンと八十万ガロンに始まって、国会というものに資料を提出する緊張感が余りにも欠けておる。

 私は、国会と防衛省の間の渡り廊下は文民統制ですよ。この緊張した渡り廊下を通っていただかぬと本当の意味での文民統制はできないというふうに思います。

 それぞれは一生懸命やっているのかもしれませんけれども、よろしく監督をお願いをいたしたいというふうに思います。

 

○国務大臣(石破茂君) 御指摘ごもっともでございます。

 私ども、資料を提出いたしますときに、かりそめにも委員長から御指摘いただいたようなそういうことがないように、今後よく心してまいりたいと存じます。

 大変失礼いたしました。

 

○米長晴信君 民主党・新緑風会・日本の米長晴信です。

 本日は、貴重な質問の時間を与えていただきまして、感謝しております。

 テロ特措法の問題を通じて今正に日本の外交防衛に関する考え方が根本的に問われていますけれども、改めて国民の皆さんに分かりやすい議論、説明責任を問う形で、この給油を再開することが本当に国益にかなった国際貢献なのかどうかということを改めて問わせていただきたいと思っております。

 そこで、まず初めに、この法案の目的には、国際的なテロリズムの防止、我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保とありますけれども、我が国として、現在、アフガニスタン国内でテロリストについて具体的にどのような情報を、例えば、その数、人数あるいは組織、そのようなものをどのように把握しておられるか、答弁をいただきたいと思います。

 

○政府参考人(木寺昌人君) お答え申し上げます。

 二〇〇一年十月からの米国等の攻撃によりまして壊滅的打撃を受けたタリバンは、現在もアフガニスタン南部を中心に反政府活動に従事していると承知しております。

 その現状につきまして、本年九月付けでございますが、国連事務総長報告が出まして、その概要を以下のとおり述べております。自爆攻撃への傾斜を深め、テロリスト的な手法を増やしつつあるタリバン主導の反乱事案等は、政府や国際援助機関によるアクセスをより多くの地域において拒んでいると。勢力を拡大した国際治安支援部隊及び能力が向上しているアフガニスタン国軍は複数回にわたり軍事的成功をもたらしたが、タリバン及びそれに関連する反乱グループは幾つかの地域で完全な治安確立を拒み続けていると。

 また、アフガニスタンに活動の拠点を構えてきましたアルカイダも、九・一一同時多発テロ以降、国際社会によるテロとの戦いにより大きな打撃を受けていると見られますが、依然としてアルカイダの活動は続いており、その影響を受けたと見られる地元のテロ組織も活動するなど、テロとの戦いは継続している状況でございます。

 なお、アルカイダは米国による攻撃によってアフガニスタンとパキスタンの間の国境近辺等に逃れたとされておりますが、現在に至るまでタリバンとの協力関係を有していると言われております。

 アルカイダの指導者であるウサマ・ビンラーディンは、日本を名指しした声明も数回発出しております。アルカイダやアルカイダの影響を受けた各地のテロ組織が、我が国や我が国国民など、我が国の権益をテロの標的にするという可能性も排除されておりません。

 以上でございます。

 

○米長晴信君 つまり、何も分かっていないということだと思うんですけれども、私が聞いているのは、おおよその実数ですとか、大体何十人単位なのか何百人単位なのか何千人単位なのか、そのうち、仮にそこで養成されたとして、そこから国外に出て日本に来得るような、そんな本格的な国際テロリストになり得る人間が何人いるのかという質問でございますけれども、その点についてもう一度お伺いいたします。

 

○政府参考人(木寺昌人君) お答え申し上げます。

 米長先生御指摘のような確度を持った情報というのは、なかなか難しゅうございます。

 

○米長晴信君 じゃ、改めて大臣にお伺いしますけれども、テロリストはいるんですか。日本に来得るようなテロリストというのは実際にアフガンにいるのかということですね。そこまで分かっていないとおっしゃるなら、本当にいるのかどうかということをどう認識されておられるのかということですけれども。

 

○国務大臣(高村正彦君) テロリスト、テロというのは、いつどこでどういう方法でだれがやるか分からない、そういう性質を持っているということを常に防衛大臣が述べておられると、こう思いますが、正にいる可能性はあると、正にいる可能性があると、それは世界どこへでも行くテロリストがいる可能性があるというふうに考えております。

 

○米長晴信君 今の御答弁ですと、逆にいない可能性もあると。

 そんな細かいことはいいとしても、例えばイスラエルにおいては、それなりにイスラエルの政府としてパレスチナのテロ組織というのは大体の概要を何となく掌握して、それを追っ掛けているという活動をしていると思うんですけれども、アメリカもここ六年にわたって掃討作戦という形でテロリストを追い掛けているというところでは、余りにも、いるかどうか分からない、いや、可能性は排除できないという程度の情報では、やはり国際協力をして日本もそれに人もお金も拠出してやっている活動にしては、その御認識ではちょっと余りに根拠があいまい過ぎるのではないかというふうに私は個人的に思うんですけど。

 

○国務大臣(高村正彦君) 今委員がおっしゃった最初の前提が、そこから日本に来るような人がいるかと、こういうお尋ねだったから、それは日本に来る可能性がその中にあるかどうかということになるとそれはちょっと分かりませんよということを申し上げたわけでありまして、それは、オサマ・ビンラーディン自身がまだ捕まっていないわけでありますし、オサマ・ビンラーディンがアフガニスタンあるいはパキスタン、その国境辺りに多分いるだろうと。そして、それは決して一人でいるわけではないと。そして、それを取り囲むタリバンの中枢といいますかタリバンの強硬派、そういう人たちがいると。

 そして、タリバンというのは相当大きく国民の中に広がっていて、タリバンといってもピンからキリまであるので、どこで切るかによってその人数も変わってくるだろうと、こういうふうに思いますが、そういう中で正にアルカイダの残党は間違いなくいる。そして、それをアルカイダの残党と一緒になって、残党といいますか、アルカイダは間違いなくいると、そして一緒になって戦っているタリバンの中枢の人たちもいると。それは間違いないところで、必ずしもそこを、どこで切るかによってその人数がどのくらいだとか、これは正規の軍隊だったら何人いると、そういうことを言えますけれども、そういうことは非常に難しいと、こういうことでございます。

 

○米長晴信君 いろいろ細かいことを申し上げましたけれども、個人的には、テロとの戦いをやる上での国益というのをいろいろこれまでの答弁で伺いましたけれども、やはり直接的な国益というのは、そこからテロリストが抜け出して日本に来ないということが一つの、それを抑止するというのは大きな国益だと思いましたので、改めてその可能性、あるいはその情報をどれだけ持っておられるのかと。

 情報を直接は持っておられない、推測の部分が多いということですけれども、例えばそれは、アメリカを中心とする国内で活動しておられる人たちの情報を完全に共有しておられるのか、あるいはそこまで、アメリカは恐らくもっと具体的な情報を把握しておられるのか、その辺はいかがでしょうか。

 

○政府参考人(奥田紀宏君) 恐らくアメリカが軍事作戦をするにおいてそういう情報があるということはそのとおりだと思いますけれども、そういったものについて我々はそれを教えてもらっているということはございません。

 

○米長晴信君 はい、分かりました。

 じゃ、この関連の質問はこれぐらいにしますけれども、これまでに、十一月一日、活動を中止されてから同様の質問が出たと思うんですけれども、中止した影響はどうなんだということで、中止した直後の答弁におきましては各国の対日姿勢に影響を及ぼすおそれがあるというような御答弁でしたけれども、その後日数がたちまして、二か月弱たちましたけれども、その後国際的に非難声明みたいなのはどこかの国から出ていますでしょうか。

 

○委員長(北澤俊美君) 答弁者はだれに。

 

○米長晴信君 外務大臣にお願いします。

 

○国務大臣(高村正彦君) 非難声明みたいなのを出さないと信用が低下していると言えないというお考えをもし委員がお持ちだとすると、それはちょっと違うんじゃないかと。別に撤退して、それはよくないと、テロとの戦いから撤退しているのではないかと思ったからといって非難声明を出すというようなことは国際的には余りないことだと、余りないことだと。だけど、そういうことが撤退した影響がないということとは全く違うことだと思っております。

 

○米長晴信君 単に勉強不足で、そういうのがあったかどうかということを単純に問いたいと。つまり、日に日に日本の活動がなくなったことがやっぱり国際世論としてマイナスの方向に膨らんでいるのか、あるいは、どちらかというと忘れ去られていっているのかというようなことを何となく尺度で伺いたかっただけなんですけれども。

 

○国務大臣(高村正彦君) 旧テロ対策特措法の下での海自による補給支援を最も多く受けていたパキスタン及びフランス政府に確認したところでございますけれども、海上自衛隊の補給支援活動の中断により、いろいろな影響が出ているわけであります。

 例えばパキスタン艦船は、可能な場合には通常の任務海域から移動して他国の補給艦から代替的な補給を得ることもありますけれども、基本的にはパキスタン国内の港に寄港して燃料補給を行うことにより引き続き活動を継続していると、こういうふうに承知しております。また、パキスタン政府は、そのような状況にあって約四〇%の活動効率低下が生じていると、こういうふうに言っているわけであります。

 また、フランス艦船は、可能な場合には本来OEF―MIOとは別の任務を有するフランス・インド洋艦隊所属の補給・指揮艦から特別に洋上補給を受けることもありますけれども、基本的には沿岸の港湾に寄港して給油を行っており、その往復に掛かる時間は、艦艇の位置により異なるけれども、平均して三十六時間から四十八時間を要するということであります。

 さらに、アフガニスタン本土において尊い犠牲を出しながら四十か国以上が忍耐強く努力している中で、我が国はもはやテロとの戦いについて消極的姿勢に転じたと国際社会に受け止められてしまっているおそれもあると、こういうふうに思っております。各国、国連から補給活動再開に対する強い期待が示される中で、活動が再開できなければ国際社会における我が国の地位や発言力に影響を与えないでは済まないと、こういうふうに考えているところでございます。

 

○米長晴信君 ありがとうございます。

 高村大臣の一連の同様の御答弁の中で、過去の委員会の中で、常任理事国入りしたいのならやることをやれと言われかねないというような表現もございましたけれども、逆にこの給油活動を再開した場合には常任理事国入りが例えば担保されているとか、あるいは非難されかねないなんというのと逆にどういった具体的な国益に結び付く効果があるのかというのをちょっとお伺いしたいんですけれども。

 

○国務大臣(高村正彦君) 常任理事国に入るか入らないかというのは、それは広く総合的な判断の下で各国が支持するか支持しないか決まるわけで、これやったから入れるとか、そういう一つのこのシングルイシューで右か左か決まるものではないとお分かりの上で聞いているんだろうと思いますけれども、そういうことはないわけであります。

 国際社会からいろいろコメントが出ておりますが、アフガニスタンや海上阻止活動の参加国であるパキスタン、米国、英国等のほか、シンガポールやインドといったアジア諸国やアラブ首長国連邦などのイスラム諸国等、各国政府からも日本の貢献を高く評価していた、活動の中断を残念に思う、日本が早期に活動を再開することを希望するといった言葉が寄せられていることは事実であります。また、先日訪日したNATO事務総長も、日本のインド洋におけるNATO諸国への補給支援は極めて重要なものとして高く評価をしておられました。さらに、海上阻止活動に参加する多国籍軍の司令部は、日本による補給活動が中断し、代替の補給艦を確保していくことも難しく、有志連合内で各種調整に苦慮していると述べているわけであります。

 何度も述べておりますが、補給支援活動を続けてほしいという声は国際社会の至る所からたくさん聞くわけでありますが、やめてもよいという声を聞いたことはありませんでした。ありませんでしたというのは、やっとちょっと聞こえてきたのは、十二月十八日付けの北朝鮮労働新聞が初めてそういうことを言っております。国会、参議院で主導権を握っている野党の頑強な反対によってテロ対策特別措置法は効力を失った、日本反動らは、反動というのは我々らしいんですが、それでもあきらめ切れず、新たなテロ対策特別措置法を持ち出したとして、補給支援の再開に反対する旨論評しているわけでありますが、私は、残念ながら今まで国際社会の声として少なくとも私が聞いたのはこれしか聞いてないわけであります。

 

○米長晴信君 テロ抑止の活動で、政府としては車の両輪ということでこの海上阻止活動の給油活動ともう一つはアフガン国内での人道支援ということを行っているということですけれども、この国内での人道支援というのはテロ防止あるいは抑制に効果があるとお考えでしょうか。

 

○国務大臣(高村正彦君) それなりに効果があると思います。私、前から申し上げているんですが、テロ対策というのは、やはり病気で言えば対症療法みたいなものとそれから体質を改善するようなものがあって、テロの温床になることを防ぐためにはもちろん民生支援というものが必要だと、大いにそれも効果があると考えております。

 

○米長晴信君 仮にこの給油の活動自体が中止になったとして、それ以上に、あるいはそれに取って代わる形で人道支援の方にウエートを置いて、それがテロの抑止に効果があるということであれば、国際的な世論はそれでも非難に進むのか、あるいはそれでよしとされるのかというのをちょっと御所見をお伺いしたいんですけれども。

 

○国務大臣(高村正彦君) これも何度もお答えしているわけでありますが、我が国は車の両輪としてその体質改善みたいなこととそれから対症療法的なこと両方を進めていくということで、その対症療法的なことの中の一つとして海上阻止活動があって、それに対する補給支援を行うと同時に、今まで千四百億円もつぎ込んで、そしていろいろ知恵も出していろいろな国際的にも評価される活動もしてきたと、してきましたが、そういう活動によってやはり海上自衛隊の部隊を送ってテロの阻止活動に直接参加するということに代替できるものではないと、そういうふうに考えているということも前から何度も言っているところでございます。

 

○米長晴信君 では、アフガニスタンの問題を、あるいはアフガニスタンの民生支援を考える意味で、振り返って、イラクのサマワでの復興支援についてちょっと振り返っておきたいと思うんですけれども、この復興支援について端的にどのような政府としては評価をされておられますでしょうか。これは防衛大臣。

 

○国務大臣(石破茂君) 一発の銃弾を撃つこともなく、一人も傷付けることなく、一人も傷付くことなく、補給であり、あるいは浄水であり給水であり、多くのことを成し遂げたというのは本当に大変な、偉業と言うと、おまえ、自分で自分のことを褒めるのかと言われるかもしれませんが、だっただろうと思います。その辺、佐藤議員からまた御意見を聞いていただければ有り難いのですが。

 私は本当に、長官在任中にサマワに出しました。あのときにデモが来た。何のデモだって聞いたらば、帰らないでくれというデモが来たという話でした。やっぱり私は、自衛隊がやったこと、それはきちんと現地の方が評価をしてくださったんだと思っています。現地の方がおっしゃったことは、ティモールに自衛隊を出しました。そのときも大統領から全く同じこと、写したように同じことを言われたんですね。つまり、本当に現地の人を見下さず、ともに笑い、ともに泣き、ともに汗する、こんな規律正しい組織が本当にあるとは知らなかったということでした。私は、サマワで自衛隊がやりましたことはきちんと評価をされ、それは後世も不滅のものだと信じております。

 

○米長晴信君 幾つか人道支援で活躍されて成果も残されたと思うんですけれども、例えば水について、給水活動について基本的なことをお伺いしますけれども、現地の水の状況というのは派遣前はどんな状況だったか。現地での水。

 

○国務大臣(石破茂君) これ、数値で申し上げることは極めて難しいと思っております。もちろん、現地の水の状況がどうであるのかということは把握をしてまいりました。それは、そういう水を飲み、そういう水で炊事をし、そういう水で身を洗いということですから、衛生状態という点で非常に我が国とは乖離がある。ですから、病気の発症率も非常に高い。そういうような水準であったということは事前に承知をいたしておったと記憶いたしております。

 

○米長晴信君 この辺、現地行っておられた佐藤委員が直接お答えになりたいかと思うんですけれども、まあ仕組みとして政府の方に聞いておりますけれども。

 実は、私も記者としてずっとサマワに詰めていまして、むしろ先遣隊が入られる前にサマワに行ってその到着を待っていたという、現地に先に入ったんですけれども、決して給水活動が成果なかったとかそういうことを申し上げているんではないんですけれども、実は私が事前に行って取材の活動の拠点にした一軒家なんですけれども、一軒家借りていたんですけれども、そこは水道出ました。トイレも流れました。飲料水を確保するのに町に出たら、マーケットにペットボトルの水、売っているんですよ。だから、サマワ自体は、まあ家によっても違うんですけれども、必ずしも劣悪な環境とは言えないし、現地の人は、生活の知恵といいますか、真水を飲んでいるようなことはなかったと思うんですけれども、煮沸をしてそれをお茶にして飲料として確保していたというような生活で、決して、必ずしもサマワ自体があらゆる場所が劣悪な環境ではなかったと。むしろ、佐藤委員が隊長としていろんな周辺の村に御用聞きに行ってという、その都市部からちょっと離れたところでは確かにそういう環境もあって、そういうところに恵みの水として行ったと思うんですけれども。

 この前資料をいただきまして、その総量が五万三千五百リットルでしたっけ、の水がその活動中に、キロリットルか、役に立ったと、あるいは活動として支給されたということなんですけれども、その水はどこに行ったのかと。具体的にどこの地区にどう供給されたのかというのは情報としてはありますでしょうか。

 

○国務大臣(石破茂君) 細かくはまた事務方からお答えをいたさせますが、これもとにかく来た人、来た人、何でも上げますという話でも何でもなくて、一体これはどこに必要なのか、そしてどうやって本当に困窮している人に行き渡るのか、そこまできちんと精査をしてやったというふうに私は承知をいたしております。

 ですから、どこのだれさんのところへどれだけ行きましたというような記録があるかどうか、私、今ちょっと知識がございませんが、相当に、今委員がおっしゃったように、サマワの町中ではなくて周辺部の、外縁部の本当に困っている人たちに行き渡るようにということで、それは事前によく調整をしたものだと承知をいたしております。

 

○米長晴信君 その後どのようにそれを具体的に調整されたか分からないんですけれども、私が取材していたときは、基本的には浄水した水を現地の給水タンクに積んで、そこから先の行き先というのは、恐らく自衛隊の方は全部はくっ付いて行ってないと思いますので、はっきりどこにどれだけ行ったかという情報は、あるのなら後で教えていただければと思うんですけれども、まあない可能性もあると、すべてはないと思うんですけれども。

 私が言いたいのは、つまり、せっかくサマワに自衛隊の方が行っておられて、取材当時は私は記者としてその活動を取材せよという任務の下に行って、個人的には、頑張ってイラクまで来ている自衛隊の皆さんの活動している状況、活躍している状況を日本の皆様にお伝えしようという純粋な気持ちで取材をしておりました。それはそれ。自衛隊の方も任務に基づいて一生懸命やっておられた。それはそれ。ただ、その成果については適正に評価するために、その給水活動というのが一つの成果を上げたというんなら、やっぱりどこまでどう成果を上げたというのはもうちょっと、この特定の村で本当に出生率がどうなったのかとか、ここの具体的なこの村にこんな形でというのがないと、適正には評価はできないんじゃないか。

 それは今の給油の活動にもつながってくるわけで、やっぱり給油した後どうなっているか分からないというようなところをほうっておいては、今後新たな形の支援をする、あるいは今の支援を継続するというようなときに、その適正な評価がないと、国民の支持も、せっかくの立派な活動であるだけに、その評価をするための材料をいただきたいということでこの一連の質問させていただいているんだと思うんですけれども。

 さて、イラク支援というのは、国益としてはどのような国益をもたらしたかというのは、その辺は。

 

○委員長(北澤俊美君) 答弁者は。

 

○米長晴信君 答弁者は官房長官ですか、国益ですから。急に振って済みません。

 

○国務大臣(町村信孝君) ちょっと突然のお尋ねでございますから、余り頭がまとまっておりません。

 やはりこれも国連という一つのフレームワークの中で、あの場合は多国籍軍という形になっておりますから、それが日本としても可能な限りの役割を果たしていこうということ。やっぱりイラクという大変影響力のある国、しかも石油資源が非常に埋蔵量の多い国。元々あの地域の大国の一つでございます。そういう国が政治的、経済的に社会的に安定をするということは大変大切なことだろうと、こう思っているわけでございます。

 そういう意味で、サマーワという場所を非戦闘地域として決めて、そこで様々な活動をやった。やはり日本も国際社会の一員としてともに汗をかいているんだなということを国際社会の皆さん方に示すことができたという意味で、私は大変意味のあったこと。それで、引き続き今、航空自衛隊の輸送活動をやっているわけでございます。

 それはただ単にアメリカの心証を良くするなどという小さな話ではなくて、やはり私は、もちろんヨーロッパの国々がみんな参加しているわけではないにしても、それでもやっぱりヨーロッパの国々も、イギリスを始め、日本もともに仲間として頑張っているんだなという印象を強く与えることができたというのは大変大きいと思っております。

 そして、さらにもうちょっと広げて見たときに、やっぱり中東和平ということを考えたときに、やっぱりイラクあるいはイランとの関係、それとPLOとの関係、イスラエルとの関係、ここが安定してこないと、国境を接しているだけに、大変私は、中東和平のプロセスがなかなか進まないわけでありますが、これを成功させるためにもやっぱりイラクという国の安定というのが私は非常に重要なんだろうと、こう思っております。

 そういう意味で、サマーワに行ったからどれだけ安定したんだという御批判はあろうかと思いますが、しかし、やっぱり何もしない日本ではなくて、やっぱり積極的にそこにかかわりを持った日本の意味というのは大きかったんだろうと、こう思っております。

 

○米長晴信君 ありがとうございました。

 では、アフガンについて話題を戻そうと思うんですけれども、私、実はタリバン政権崩壊後、崩壊直後のカブールにも入って取材をしておりました。サマワもへき地でありますし、カブールも、アフガンの首都でありますけれども、両方を取材あるいはそこで生活した経験則上、アフガンの方がはるかに劣悪な環境であることは間違いないと。アフガンに行ったのは六年前、イラクに行ったのは五年前でございますけれども、少なくとも、イラクにおいてはどちらかというとへき地のサマワとアフガンの首都カブールと、その二つを比較してみてもカブールはかなり劣悪な環境と。カブール以外の小さな更にへき地にも行きましたけれども、ほとんど文明がないような、それちょっと、済みません、語弊があるかもしれないんですけれども、電気もない、水道もない、川ですべての生活しているというような村で一週間ぐらい滞在したこともございました。

 どういうことが言いたいかと申しますと、イラクのサマワで人道援助で自衛隊の皆さん派遣されて帰ってこられて、それを政府としては物すごい評価をされている、成功に終わったという評価をされておるわけですけれども、仮に、場所は別として、全く同じ活動をアフガン国内でやった場合は、恐らく、元々の環境がイラクのサマワよりも首都カブールですら劣悪なわけですから、アフガンのどこに行っても、仮に全く同じ活動をしたとしても、人道援助的な活動、それは効果はより大きいと、一般論として大きいというふうに考えられるんですけれども、これについては、まあ今のは私の私見ですけれども、これは外務大臣、どのように思われますでしょうか。つまり、入っての人道援助について、民生活動について。

 

○国務大臣(高村正彦君) アフガニスタンで民生支援をするということは、それができれば大変いいことでありますし、我が国は先ほどもちょっと申し上げたようにいろいろやってきているわけであります。ただ、現実の問題に、サマワと同じような形で日本の自衛隊ができるところがあるかどうかというのは、そこは探すのがかなり大変だと私は思います。今委員が、はるかにアフガニスタンの方が劣悪だからそこで同じ活動をすればより効果が大きいと、こうおっしゃったのは、それは一つの考え方、見方でよく分かるんですが、逆に言うと、アフガニスタンの方が全体的に日本政府が言うところの非戦闘地域を見いだすのがかなり大変だなと。不可能だとは言いませんが、よく探してみなきゃ本当に不可能かどうかは分かりませんけれども、かなり大変だなと、そういう感じがいたします。

 日本政府とすれば、今、人道支援はJICA等一部日本人も行ってやっておりますけれども、NPO等にはできるだけ国外に出ていただいて遠隔操作でやってもらうというふうにしておりますが、もし委員が言っておられる人道支援というのがサマワと同じように自衛隊を派遣してやるということであれば、なかなか同じような、サマワと同じような働きができる場所をまず見付けるのもそれほど簡単ではないと、そういう感じを持っております。

 

○米長晴信君 その難しいという根拠は場所が難しいという一点ですね。つまり、もし適切な環境と場所が確保できればそこで活動するのは効果的だということは言えるわけですかね。

 

○国務大臣(高村正彦君) そういう場所が見付かるかどうかということは、もう本質的に大切な必須の条件なんですよね。少なくとも、日本国政府が考えているところの憲法解釈で言うと、非戦闘地域というところを見付け出さなければいけないと。

 それから、非戦闘地域ということを、憲法との関係で非戦闘地域かどうかということから離れても、危険か危険でないかという話があります。

 我々はよく自衛隊を、なぜ自衛隊を送るのだと、こう聞かれたときに言っていたのは、民間人を送れるほど安全ではないけれども自衛隊が送れないほど危険でもないところ、そういうところが正に自衛隊を送れる。そして、憲法上の解釈で非戦闘地域という一つの、直接危険、危険でないということとちょっと離れた観念でありますが、非戦闘地域と、こういうところ。そういうことを、イラクでもサマワということを、場所を特定するのにはかなりの、外務省総掛かりで、そして亡くなった奥大使や井ノ上さんが必死に探して、そしてあの場所を見付けたと。そういう、ここでやろうということを特定したというようなこともありますんで、今アフガニスタンで我が自衛隊が行って、ここなら憲法上も大丈夫だよと、そして憲法の制約に従って十分な活動ができるよと、要員の安全も確保できるよと、そういう場所があるかどうかというのはそう簡単ではない話だと。これは石破大臣に補足していただければもっと明快に分かると思いますが、そう思っています。

 

○米長晴信君 では、時間が過ぎましたので、本当はもっと御議論したいんですけれども、とにかく他国から非難されるいかんというよりも、やはり国益に基づいて議論を進めていっていただきたいと、このように最後お願いを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

 

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。

 この間、防衛装備品の受注をめぐって国民の税金が食い物にされている実態が明らかになる中で、それを生み出す構造的な問題について様々お聞きをしてまいりました。

 今日はその点について更にお聞きしたいと思いますが、まず、試作品の試験などCXの開発に伴う試験というのは一体どこがやっているんでしょうか。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) 今先生御指摘のCXの開発に関しましては、防衛省に納入された試作品の試験につきまして、現在、主に地上試験をやっているところでございますが、この地上における強度試験は防衛省技術研究本部、いわゆる私ども技本と呼んでおりますが、こちらが実施しております。

 なお、試験の実施に当たりましては、限られた技術研究本部の人員だけでできる体制とはなっていないために、高度な専門知識あるいは特殊な技術を有する人材を雇用している企業等と技術支援契約を結び、当該契約企業の技術者によるデータの計測、解析などの支援を得て試験を実施しているところでございます。

 

○井上哲士君 今技術支援制度というのがあったわけですが、このCXの開発に伴う試験の場合は、川崎重工が受注をしているかと思うんですが、この間、延べ何人がそれに参加をしているでしょうか。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) 実績として......

 

○委員長(北澤俊美君) 佐々木技術監。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) 恐縮でございます。

 お答え申し上げます。

 実績としまして、平成十七年度及び平成十八年度の合計で延べ四千二百六十二人日、詳しく申し上げますと、十七年度一千三百七十人日、十八年度二千八百九十二人日でございます。

 

○井上哲士君 メーカーが自分たちの造った試作品、それを国が試験をする際に製造したメーカーの側が参加をするというのはなかなか理解のしにくい話なわけですね。

 先ほど少しお話があったわけですけれども、なぜこういうような制度が取られているのか、お願いします。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) 技術研究本部の限られた人員だけで不定期に実施いたします試作品の技術試験等を実施できる体制とはなっておりません。そのようなわけで、従前より試験を実施する際、その都度、高度な専門知識あるいは特殊な技術を有する人材を雇用している企業等と技術支援契約を結びまして、当該契約企業の技術者によるデータの計測あるいは解析などの支援を得て試験を実施してきているということでございまして、すなわち、常時から支援に十分な人員を雇用しておくわけにいかないという関係にございます。

 

○井上哲士君 従来は労務借り上げ制度というふうにずっと呼ばれてきた制度だと思うんですね。防衛省から企業への天下りとかいろいろあるわけですが、この場合は労務借り上げという形で、民間の受注している主に企業側から試験の場に技術者を借り上げるというやり方がずっと行われてきた。

 私は、これはなかなかやはり企業と防衛省側の癒着というものを生み出していくんではないかという思いを持っておるんですが、二〇〇〇年以降、このいわゆる労務借り上げ制度を受注をした上位二十社、その中には公益法人である防衛技術協会もあるわけですが、その二十社の労務借り上げの延べ人日と受注金額の合計は幾らになっているでしょうか。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) 御質問の技術支援契約に関しまして、財団法人の防衛技術協会を除きますと、労務借り上げ、当時労務借り上げと称しておりましたが、労務借り上げ上位で十九社の契約金額の総額、これは約三百二億円、延べ人数の総計は約二十八万一千人日になります。

 以上でございます。

 

○井上哲士君 二〇〇〇年以降でいいますと、二十八万人の方が労務借り上げという形になってきているということなんですね。

 技術開発本部で開発をされたプロジェクトというのは、通常、量産段階に移行しますときにはこの研究開発を担当した企業が選ばれるということになるわけで、試作品の試験にまでこれに参加をしていくというのは一体どうなんだろうかと。

 しかも、その単価が一体どうなっているのか調べてみました。

 お手元に配付をしているのを見ていただきたいんですが、契約金額を延べ人日、一日一人が何日分かという延べ人日で割ってみますと、二〇〇六年度のいわゆる日当の最高は日本電気で十三万九千五百五円、日本油脂が十三万七千九十八円、石川島播磨工業が十二万七千八百七十四円となっております。二〇〇五年度でいいますと、島津製作所が十六万六千二百十一円、日本油脂が十五万三百十二円、日本電気が十三万六千七百六十九円、非常な高額になっているわけですね。

 一体なぜこういうような高額になるんでしょうか。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) こういった企業の支援をお願いする場合に当たりまして、一つは、その企業のその部門の前年度までの実績の提出を企業から受けまして、その上でこれらを精査、確認の上、当該企業の契約において共通的に適用する技術者一時間当たりの単価を算出いたします。それに労働していただきます、実際支援していただきます時間を掛け合わせ、その上に交通費あるいは宿泊費あるいは必要な経費、利益などを足して一日当たりの支払額を決めているわけでございます。

 したがいまして、この金額の中には、日当と書いておりますが、宿泊費あるいは交通費も入っていることを御理解いただきたいと思います。

 

○井上哲士君 宿泊費といいましても、スイートルームに泊まるわけじゃありませんから、そんな大きな金額に私ならないと思うんですが。

 技術者一人当たりの平均的なものと言われました。しかし、例えば〇六年の最高でいいますと一日十四万ということでありますから、例えば二百日の労働といたしましても三千万近いという金額になるわけで、これが技術者一人当たりの費用に宿泊費を加えてもこんな金額に私はどうもなるはずがないと思うんですけれども、昨年三月に質問を、これは我が党の緒方委員がしました。それを受けまして、四月の二十七日にこの見直しというものが出されております。

 防衛施設庁の入札談合等の再発防止に係る抜本的対策の中で、この労務借り上げの予定価格の算定方法についても高いとの批判を踏まえて見直しをすると、こういうふうになっているわけでありますが、一体どういう見直しがされたんでしょうか。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) 今先生御指摘がございましたように、国会におけます御議論も踏まえまして、十八年四月より防衛施設庁入札談合等再発防止に係る抜本的対策に関する検討会議において本件を取り上げまして、種々の観点から見直しを行い、その見直しの内容につきましては、有識者で構成されております防衛調達審議会に報告して御審議いただいてきたところでございます。

 見直しに当たりましては、主にこの四点にまとめられております。

 まずは一点目としまして、労務借り上げ契約において競争性のない随意契約でこれまで行ってきたところを、これを見直しまして、平成十九年度からはすべて一般競争入札等による競争性のある契約方式に移行したということでございます。

 それから二番目に、労務借り上げ契約を適用する試験の内容を分析しまして、官が実施すべき試験かを見直した結果、従来、官が実施してきました試験のうち、装備品システム全体の総合的な評価を行う試験、リスクの大きい試験、秘匿性の高い試験などを除き、民に任せるもの、試作契約の中に任せようというふうな形でやってまいりました。

 それから三点目でございます。労務借り上げ契約は、企業等が実施する作業内容、期限等を仕様書で定めて、契約企業が自己の技術者を指揮命令して作業に従事させるものでありまして、労働者派遣法上の請負に当たるものでありますが、労働者派遣との誤解を受けるおそれがないよう、契約条項についても内容の明確化を図ったところでございます。

 また四番目には、労務借り上げ契約は、場所、期限、作業内容を指定して契約相手方の技術者から支援を受け、その役務に対して企業等に代金を払う契約でありますから、労務借り上げ契約という呼称が単なる労働力の提供を受けるという印象を与えることもありまして、第三者が抱く誤ったイメージを払拭するために、本年十月より技術支援契約という名称に変更さしていただいたところでございます。

 

○井上哲士君 この十月から名前は変わったということでありますが、先ほど言いましたように、一番高いのでいいますと十三万九千五百円という、非常に国民には理解できないような高額になっているわけですね。そして、技術者の平均ということを言われましたけれども、それを言っても私は納得できる金額だとは思えないんですが、企業にすれば、試験に参加をして技術力を付けながら、確実にもうけが入って、そして量産段階に移行したときにはこれは受注ができる、大変有利な形になっていると思いますし、それが非常に、算定基準言われましたけれども、高いことになっている。

 これは大臣にお聞きをするんですが、私、この間、様々な受注というものが企業側の言い値になっているんじゃないかということを申し上げてまいりましたが、この労務借り上げ、技術支援についても結局企業側の言い値ということになっているんではないかと、これはメスを入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(石破茂君) 今政府委員の方からるるお答えをいたしましたように、そういうような御指摘、以前御党からいただいております。そういうことがないように、公正性、透明性、そういうものを高めるべく今まで尽力をしてまいったところでございます。したがいまして、委員のような御指摘は当たらないというふうに考えておりますが、今後とも、今申し上げましたことを確保するために可能な努力は全力でしてまいりたいと思っております。

 

○井上哲士君 見直しをされたと言いましたけれども、じゃ、今年度の契約分についてはその単価というものが圧縮されるということになっているんでしょうか。

 

○政府参考人(佐々木達郎君) ただいま年度が終わっておりませんので、その段階で全体としての結果が出るものと思いますので、いましばらくお待ちいただければと思います。

 

○井上哲士君 是非今日の質問に間に合うように調べてくださいということを先週から申し上げておったんですけれども、出てこないということでありまして、果たして本当に改善がされているのかということを私は大変疑問に思っておりますし、単にこれは高いだけではない、やっぱりこういう仕組み自身がいかがなものなのかということを思うんですね。

 調本事件の当時にこの問題を初めて我が党は追及いたしました。当時の大臣からは真剣に検討するという答弁がありました。しかし、その後も改善をされていないということで昨年度も質問があったわけですね。

 私は、調本の事件のときの防衛庁の装備局長が雑誌の中で発言されているのを読んだんですけれども、こう言われているんです。要するに、防衛省と企業というのは、元々一緒に知恵を出し合って開発し量産をお願いし、かつ、運用段階では維持修理を担当していただいているわけですから、これは単なる発注者、受注者という関係以上の密接不可分な関係だと、こういうふうに言われるんですね。

 私は、こういう言い方の中で、結局、発注者、受注者ということ、国民の税金でやっているということの緊張感を欠くようなやっぱり癒着の体質というのが生まれてきているのではないかということを思いますし、その下でこの間の様々な事件が起きていると思うんです。

 大臣、もう一回お聞きしますけれども、やはりこういう制度については抜本的に国民の目線からメスを入れるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(石破茂君) そのように担当の者が雑誌に寄稿したとすれば、それは感じとしてはそうなんだと思いますね。非常に高い技術を目指していかねばならない、そして、技術者同士、心通じ合うものがあり、使命感を共有しということがあるんだろうと思います。

 ただ、それが癒着、なあなあ、いい加減、そういうことにならないようなチェックのシステムというのをきちんと働かせていかなければいけないというふうには私も思っておるところでございます。

 開発そのものが自己目的になってはいかぬのでありまして、これはライフサイクルコストの見直し全体に関連する議論でございますが、こういうものがなぜ要るのか、そのために最も適正な価格は何なのかということまでもう一度さかのぼって、きちんとライフサイクルコスト全体の中で見直していくことが必要なのだというふうに私は思っております。

 装備品の開発は、繰り返して申し上げますが、それ自体が自己目的なのではございません。何のために国民の税金を使ってそういうものを開発をするか、そしてそれが不要なものであるとするならば途中でやめるというような、そういう気持ちも持たねばならない、私はそのように思います。

 

○井上哲士君 時間ですので終わりますが、やはり国民の目線であらゆる分野について抜本的にメスを入れるべきだと申し上げまして、質問を終わります。

 

○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。私は、最初に日米安全保障戦略会議についてお伺いしたいと思います。

 今年の四月二十七日から五月六日にかけて、安全保障議員協議会の皆さん七名、防衛産業関係者二十名が訪米され、五月一日、第九回日米安全保障戦略会議が開かれております。その件についてお伺いいたします。

 その戦略会議の概要の報告が防衛大臣の手元に届いておるでしょうか、お伺いします。

 

○国務大臣(石破茂君) 防衛省として後援をして、後援というのは後ろの方で応援するの後援ですが、後援をいたしておりますので、当然その報告というものは手元に届いておると存じます。

 

○山内徳信君 分かりました。

 報告書が届いておるということでございますから、それを外交防衛委員会に提出をお願いしたいと思っております。よろしゅうございますか。

 

○国務大臣(石破茂君) 私自身、恐縮です、その報告書というものの現物を見て内容を精査したわけではございません。ただ、後援しておるという性質上、当然報告書は届いているものと承知をしているというふうに答弁を申し上げました。

 その存否も含めまして確たることが申し上げられないのですが、もし理事会でお取り計らいということに仮になりとせば、私どもとして、そこの御指示に従って検討してまいりたいと存じます。

 

○山内徳信君 四月二十八日土曜日は終日フォートグリーリー基地視察、五月五日金曜日は午前中エドワード空軍基地の視察をされております。

 どういう特徴のある基地でありますか、お伺いします。

 

○国務大臣(石破茂君) 恐縮です、合衆国の基地でございますので、子細に私その内容を存じ上げておるわけではございません。後ほどきちんと調べまして御報告をいたします。

 

○山内徳信君 その日程を見ていきますと、夕食会がアメリカ側主催で三回開かれております。四月三十日月曜日の夕食会はロッキード・マーチン社、五月一日の夕食会はボーイング社、五月四日金曜日の夕食会はノースロップ社となっております。この三社はアメリカの航空関係の会社だと思います。

 それで、こういうアメリカの大手企業の接待を受けるという印象を少なくとも国民には与える、与えておると思いますが、大臣はどのようにお考えでございますか。

 

○国務大臣(石破茂君) これは防衛省も公務として職員は随行いたしております。ただ、今の委員お尋ねの内容に防衛大臣としてお答えをすることは必ずしも適切ではないのかもしれません。

 ただ、私もそういう団の一員としてかつて訪米をしたことはございます。そこで夕食は確かに出ました。出ましたが、私の感じでは本当にワーキングディナーというのはこういうことを言うのかということであって、本当にその夕食の間じゅう甲論乙駁、このような装備は本当に何のために必要なのか、この値段は適正であるのか、ほかに代わるものはないのかというようなことで、本当に、何というのでしょうか、時間が二時間とかそういう時間でございましたが、接待という雰囲気は私は全く感じたことはございません。

 せっかく合衆国に行き、委員御指摘のようなロッキードでありノースロップ・グラマンであり、あるいはレイセオンであり、そういうようなトップの人たちとそういう話ができる機会というものも当時はそうあったわけではございませんので、私自身そこに参加した印象は、接待とは誠に対極なものにあったと記憶をいたしております。

 

○山内徳信君 五月一日の昼食会の中に、防衛省のコウジ・ウエダという横文字の名前がございます。防衛省の職員というふうに書かれておりますが、このウエダコウジさんは出張申請による研修会への参加なんでしょうか。

 

○政府参考人(中江公人君) 上田幸司は経理装備局技術計画官付という役職でございまして、公務として出張をいたしております。

 

○山内徳信君 分かりました。

 次に進めてまいります。

 次は、山田洋行から毒ガス弾処理事業への企業を通しての一億円献金が、十一月三十日の新聞報道がございました。それによりますと、山田洋行が旧陸軍の毒ガス弾処理事業の下請受注などに絡んで、社団法人日米平和・文化交流協会常勤理事の秋山直紀氏が関係する米国の団体に対し、関係会社を通じて業務協力費として約一億を支出したと報じられております。

 この件についてお伺いするわけでございますが、第一期、第二期合わせて山田洋行の売上げは約十八億円、粗利が約五億六千万円、安全保障研究所への対価、USダラー百万ドルと記載されております。山田洋行は安全保障研究所一億円のこの金の動きが判明しておりますが、防衛大臣としてこの実態はどのように掌握していらっしゃいますでしょうか、お伺いいたします。

 

○国務大臣(石破茂君) 委員が御指摘なのは、十二月十八日の毎日新聞の夕刊の記事であろうというふうに承知をいたしております。私もこの報道は存じておりますが、このことの事実関係につきましては、私ども知る立場にございません。当省所管の団体でもございません。そのような報道はございますが、それと関連してどのように思うかということにつきましてのお答えは、そういうようなことでできないものでございます。

 なお、御指摘になりました調査等委託報告につきまして、これをどのようにして行い、最終的に一般競争入札になったかということにつきましての経緯は従来からお答えをしているとおりでございます。

 

○山内徳信君 歴代の防衛大臣が理事を務めている団体です。こういう不明瞭な金の動きがあってよいはずはありません。この一億円の金は山田洋行が受注のお礼として払ったものと言われております。大臣の現在のこの問題に対する、防衛大臣としてやはり指導、助言だとか、問題があればそれは指摘する必要があると思います。そういう意味で質問をしております。お答えください。

 

○国務大臣(石破茂君) この社団法人日米平和・文化交流協会は外務省所管の団体であるというふうに承知をいたしております。別に答弁逃げるわけではございませんが、当該所管官庁であられます外務省から適切な指導がなされておるというふうに私は理解をいたしております。

 なお、私も報道は見ましたが、秋山氏側に一億円と、こう書いてあり、受注に便宜期待というふうになっておるわけでございますが、それが一体どういうものであるのか、あるいは会計処理上どのようなことになっておるのかということにつきまして、私、現在のところ承知をいたしておりません。仮にここに書かれておりますような、あるいはそこから憶測がなされますような、そういう謝礼としてこのような金が行き、それが不透明な処理がなされ、それによってこの苅田港の問題について不適切な取り合いがあったということであれば、それは極めて問題でありますが、現時点で私、そのような認識を持つだけのものを持ち合わせておりません。

 

○山内徳信君 環境問題についてお尋ねいたします。

 普天間飛行場代替施設建設とされる辺野古沿岸域への米軍基地建設に対する環境影響評価方法書に対する知事の意見が十二月二十一日午後、那覇防衛局へ提出されましたが、大臣は全文をお読みになりましたでしょうか。

 お答えは最後にお願いいたします、時間がありませんから。

 辺野古の海上基地建設計画はSACO合意から始まった事業でありました。当時の首相は、橋本首相、小渕首相、森首相、小泉首相、安倍首相、そして現在の福田総理と続いております。その間、防衛長官は十三名に及びます。二回経験された方に、久間さん、額賀さん、現防衛大臣の三名がおられます。歳月は十年以上たっておりますが、なぜこれがこのように政府と沖縄側との間にこういう対立が続いておるのかという本質をまだ政府は見抜いていないような気がいたします。私はこの場で、今回の環境アセスはアセスの名に値しないという厳しい指摘を再三申し上げてまいりました。知事の意見書は事実上の書き直し要求にも等しいと、こういうふうに地元では言われておるわけであります。

 二十一世紀は環境の世紀です。来年は北海道では洞爺湖サミットで自然環境を守ろうと、そういう国際会議が開催されます。一方、南の沖縄の辺野古海域では、陸域、海域の大自然を日本政府が米軍に提供する基地を造るということで破壊されていくわけであります。こういうふうにして南と北において、一方では守ろうと、一方では破壊という、こういうふうな相矛盾した動きがあるわけであります。

 私は、政治家も行政官僚も、人間としての知性や理性に裏打ちされた目で、あの一帯の大自然としての海域、大自然としてのやんばるの森、そこに生きている生態系と人間は共生共存をしているのであります。沖縄本島の人間が生きていくためには北部の大自然は命の源であります。そういう源でありますから、多くの県民がそこに新たな基地をこれから造るということについては反対だという気持ちがあるわけであります。

 安全保障の大前提は、国民、県民の生活の平安を守ってやることです。恐怖を与えることではありません。そういう意味におきまして、今回沖縄県知事のこの意見書も大変厳しいのがあります。改めてこの知事の意見書を時間を掛けて、防衛大臣、是非目を通していただきたいと思います。

 そして、私は今日も訴えるわけでございますが、新たな自然破壊をして、県民の気持ちを二つに分断をして基地を造るということはもう撤回をしてください。お願いをいたします。

 時間でありますから、これで終わります。

 

○国務大臣(石破茂君) 知事の御意見、これは私、拝読をいたしました。三十六項目二百三十三件、もう一度読み直せということでございますので、年末年始の時間を利用してもう一度読み直してみたいと思っております。

 私、関係当局にも指示をいたしておりますのは、個々の指摘全部についてきちんとお答えをするということはなかなか難しいかもしれない。しかし、形式要件を整えているんだから、これで何の文句があるんだというようなことは行政として極めて不親切なことである。したがって、この意見の中で、指摘をされておることの中でお答えできるものはすぐお答えしなさいということで、年内にもお答えできるだけのものをお答えしたいというふうに指示を出しておるところでございます。今後ともこの意見を踏まえて、誠意を持って対応をしていきたい。

 委員が御指摘のように、環境破壊のこの施設の建設をやめろという御指摘でございますが、これは私ども普天間の危険性を一日も早く除去をしなければならぬということがまず共通認識としてあって、それではほかにどこか場所があるのであろうかということで、大変苦渋の決断、あるいはいろんな御議論の末に今の計画を基本合意をいただいておるわけでございます。これを進める上において、少なくとも国は、意見の対立はあるにしても、そごはあるにしても、とにかく沖縄が言っておられることに対して誠心誠意答えているねというような、そういう印象を持っていただかない限り、これは決して前に進まないと、私はそのように考えております。

 

○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。

 本日でこのテロ対策補給新法も審議が七日目になってまいりまして、幾つかの論点が浮かび上がっているわけでございます。本日は、その中でも武器使用基準、まあ武器使用権限ともいいますが、これについて少し質問させていただきたいと思っております。

   〔委員長退席、理事浅尾慶一郎君着席〕

 幸いにして、この旧テロ特措法においては武器使用という機会はなかったかもしれません。また、イラクにおいても陸上自衛隊の部隊は一発も発射をせずに帰ってまいりました。しかし、ほかの法律でございますが、PKO法二十四条、周辺事態法十一条、自衛隊法九十四条の五、これ在外邦人の輸送等の権限でございますが、また船舶検査法六条等々にも武器使用基準、権限が記載されております。

 まず防衛省にお聞きしますが、これらの武器使用基準によって武器が使用された実績についてお聞きしたいと思います。

 

○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。

 今先生御指摘の活動のうち、船舶検査活動法の六条の関係と周辺事態安全確保法の十一条の関係は、これまで実績が、派遣されたこと自体がございませんので、当然武器使用実績はございません。PKO法あるいは在外邦人等の輸送の関係につきましては実績があるわけでございますけれども、この活動におきましてこれまで自衛官が武器を使用した例はございません。

 

○浜田昌良君 今御答弁ございましたように、幸いにして自衛隊が海外で武器使用をしているという実態はないわけでございますけれども、今回の新法も含めまして、旧法、イラク特措法、PKO法等々の今挙げました法律の武器使用基準を貫く考え方、これについて防衛大臣の方からお考えをお述べいただきたいと思います。

 

○国務大臣(石破茂君) 抑制的にということであり、基本的には自己保存ということを概念の中核といたしております。

 

○浜田昌良君 ありがとうございました。

 抑制的に、自己保存ということでございますが、あるいは言葉を言い換えれば自然権的権利といいますか、まあ自己又は自分が管理をしている他者に対しての生命、身体に危害が及ぼされようとするときにのみ認めると、こういう考えでよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(石破茂君) そういう御理解で結構でございます。

 

○浜田昌良君 ありがとうございました。

 それでは、一方、この武器使用につきましては、今言いました自然権的権利を超えて、いわゆる職務達成のための武器使用を認めてはどうかという意見もあるのも事実なんです。福田総理が官房長官時代に明石当時の国連事務次長、元次長をヘッドとした懇談会でもそういう議論がございました。

 それで、関連でお聞きしますけれども、今言ったPKO法を始め自衛隊法等々の法律において、職務遂行のための武器使用が認められなかったがゆえに職務が遂行できなかったと、こういう例はあったでしょうか。

 

○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。

 国際平和協力法に基づきこれまでに自衛隊が参加した活動は幾つかございます。それから、イラクにおいて実施した在外邦人等の輸送におきましても武器を携行したケースがございますけれども、任務遂行のための武器使用が認められていなかったために現場で任務を遂行できないような事態に至ったということはございません。

 

○浜田昌良君 ありがとうございました。

 今までの御答弁のように、このテロ対策補給新法に書いてある武器使用基準で今までも対応してきましたし、それを超えるものが必要であったという事態はなかったということでございます。

 今度は、国内の法律との比較ではなくて、海外との比較でございますけれども、まず外務省にお聞きしたいと思います。ISAFの武器使用基準はどうなっているでしょうか。

 

○国務大臣(高村正彦君) ISAFの武器使用基準については、我が国はISAFに参加していないことから、その内容について知り得る立場にはないわけであります。一般的にも、武器使用基準はISAF参加国以外には開示されていないものと承知をしております。

 

○浜田昌良君 厳密に言うとそういうことでしょうが。

 それでは、少し聞き方を変えまして、ISAFには参加しておりません。それでは、イラクについては日本は参加をしたわけでございます。イラクにおいて全体の、多国籍軍の武器使用基準はどうだったでしょうか。

 

○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。

 イラクのいろんな多国籍軍の関係、あるいはそこで活動している現地の各軍が具体的にどのような武器使用基準に従ってやっているかということについては、詳細については承知しておりませんけれども、それぞれの活動の態様なりそれぞれの国の考え方ということに従ってそれぞれ活動をしている。それで、全体の活動としては、それぞれの司令部の中で調整をしながらやっているというふうに承知をしているところでございます。

 

○浜田昌良君 委員部のまとめた資料によりますと、ISAFにおける武器使用基準がいろいろ波紋を呼んでといいますか、議論を呼んでいると。つまり、現状で使っている基準が緩くて、もう少し強いものが使わないと守れないというような議論も書かれておりますが、そういう話を外務省の方でお聞きになったことはあるでしょうか。

 

○政府参考人(奥田紀宏君) ISAFの中でいわゆる武器の使用基準についていろいろな議論があるというふうには承知しております。一般に、ISAF全体として共通の武器使用基準というものがあるようではございますけれども、これは、NATOの国がそれぞれの各国として作戦に参加をするときには、それぞれが、各国が独自の条件を付けるということも行われているようでありまして、その一環として武器使用基準についても、各国からいろいろな武器使用基準があって、それがそれぞれ異なっているということが起こっているようでございまして、それも含めて議論が行われているというふうに承知しております。

 

○浜田昌良君 幾つか議論があるようでございまして、NATOは二〇〇五年十二月に、ISAFが戦闘任務にも対応できるような武器使用基準、ROEを改定したが、いわゆる不朽の自由作戦を戦う米軍等のROEとの隔たりがまだあるということでまだ議論はしているようでございます。

 一方、こういう日本に比べればより自由度の高い武器使用基準でありますが、そういうISAFであっても、多くの死者が出ているのは事実でございます。

 OEFとの合計でございますが、既にこの十一月二十八日までの六年間で七百三十八名という死者が出ております。これは、OEFの各国派遣軍四万三千人、現状でございますが、それと比べても一・七%という非常に高い水準でございます。一方、これと比べるためにイラクの方も調べてみましたが、この場合は、約十八万人の部隊が派遣されておりまして、それに対して既に十二月二十一日までの四年半で四千二百四名ですから、まあ二・三%、単純に比べられませんけれども、しかしオーダーとしてはかなりの死者を出していると、ISAFも出しているという現状でございます。

 こういう、よりISAFのように陸上部隊の方に行った場合において武器使用基準はどうあるべきか、武器使用とその危害、危険度の高いというものとの関係はどうあるべきかと、こういうことについて外務大臣にお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(高村正彦君) 現下の極めて厳しいアフガニスタンの治安状況の中で、ISAFはやむを得ず危険な事態に対応せざるを得ず、多数の犠牲者が出ることも少なくないと、こういうふうに聞いております。

 このようにISAF参加国の要員に多数の死者が出ている理由としてはアフガニスタンの治安情勢の悪化が考えられますが、その原因に関しては、例えば本年九月付け国連事務総長報告は、タリバン及び関連の反乱グループが完全な治安の確立を阻み続けていること、自爆攻撃、待ち伏せ攻撃及び直接攻撃の大胆さ及び頻度が増していること等を指摘しております。

 こういう多数の犠牲者が出ているという中において、もし自衛隊なりあるいはどこかの軍隊なりがそこで活動するとすれば、そういう状況に対応した武器使用基準を定めることが必要になってくるということは当然なんだろうと、こういうふうに思います。

 

○浜田昌良君 当然、その状況に合った武器使用と、そういう基準、権限を決めるのが当然なんですが、ただ武器使用権限を変えれば、じゃ、その安全度がそんなに急激に増すかというのは、私はそうではないと思っております。この数字を見ても、既に多分、NATOなりISAFの武器使用基準、ROEは相当日本よりは前面に出たような基準であるにしても、これだけの既に七百三十八名の死者を出している。よって、日本が何らかの形で陸上部隊で行くとしても、そこは単なる武器使用基準を少し上げれば安全度が増すんだと、そういう物の発想では全くないと私は考えておりますが、これは通告しておりませんけれども、防衛大臣にもし御所感がございましたらお願いします。

 

○国務大臣(石破茂君) それはまさしく委員御賢察というか御指摘のとおりであって、確かに武器使用基準を緩和をすれば抑止力は増すということは一般的には言えるのです。ただ、相手がそれ以上のものを使ってくれば抑止力が増したことが余り意味を持たないということも起こり得ることでございますし、なおかつ、私どもの自衛隊はそういう変更した武器使用基準、つまり自己保存の自然権的なものしか今まで使ってこなかったわけですね。そうすると、それが使える、それが更に広げて使えるようになるとすれば、一体何を持っていくのか、そしてどのような訓練を積むのかということを相当に詳細にやりませんとこれは大変なことが惹起されると思っております。

 私どもは、何も面白おかしくて非戦闘地域という概念を設定をし、そしてまた安全確保義務というのを例えばイラク特措法で設定をし、そして安全ということに配意をいたしておるわけではございません。そこは、使用基準を上げればそれで事足れりというような簡単なものだとは私は思いません。

 

○浜田昌良君 ありがとうございました。

 我々も、海上だけじゃなくて陸上の協力もという話もありますが、今防衛大臣が御答弁ありました、危険と武器使用基準はそんなに単純ではないということをしっかり頭に入れて議論する必要があると考えております。

 次に、条文に即しまして少し質問さしていただきます。新法においては第八条で武器の使用という条項があるわけでございますが、幾つか武器使用に際して条件が付いております。この条件が現場においてどういうような使われ方をするのか。多分、現場においてはとっさの判断でそれを使うか使わないかを決定する必要があるという意味で、現場に即した解釈の仕方をお聞きしたいと思いますが。

 まず、使える場合として、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度とあるんですが、この合理的に必要とされる限度というのはどういう限度なのかというのと、もう一つは、生命、身体の防護のためにやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合というこの相当の理由、それぞれ合理的、相当という言葉があるんですが、文章上は分かるんですけれども、いわゆる現場において、自衛官においてはどういう対応を指示されているかについてお聞きしたいと思います。

 

○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。

 最初に、事態に応じ合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができるという規定があるわけでございますけれども、これは、職務に従事する者の生命又は身体に危険がある状況におきまして、当該危険の内容、程度に応じてその者の生命又は身体を防護するために必要最小限度の方法、種類であるというふうに社会通念上認められる限度においてのみ武器の使用が認められるという趣旨でございます。

 それから、相当の理由ということでございますけれども、これも先ほど申し上げましたような、社会通念上、他に手段がなく、武器を使用せざるを得ないという客観的状況がある場合に限り武器の使用が認められるということでございます。

 ただ、これでもなかなか部隊、隊員に対しては非常に分かりにくいということでございますので、私どもとしては、こうした規定の内容、趣旨を隊員に対して具体例を挙げるなりして徹底して分かりやすい形で理解を求めるということにしております。

 したがいまして、仮に今度の八条で新法の武器使用規定が上がりました場合に、従来のテロ対策特措法ですとかいろんなこれまでの法律と同じような武器使用規定になってございますので、改めてその内部規程をきちっと整備をする、通達の中で具体例も含めてできるだけ分かりやすい基準を設ける、その上で徹底した訓練をする、そのことによりまして隊員の判断に係る負担を軽減させていく、実際の部隊行動に当たっては上官の命令も得ながらきちっとやっていくと、そういう考え方で対処してまいりたいと考えております。

 

○浜田昌良君 御説明で、社会通念上という、これが分かりやすそうで分かりにくいんですね。

 それで、ただいま防衛省から御説明ございました通達というもので、既にこのテロ特措旧法において幾つか通達が出されていたでしょうから、その例を引いて、どういう場合であれば武器を使っていいかと、その例を御紹介いただければと思います。

 

○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。

 今申し上げました通達の基準につきましては、これはあらかじめ明らかにするということによりましてかえって部隊行動が困難になるというようなこともございますし、また、攻撃する側から見ますと、それ以上は何もやってこないのかというようなことが明らかになるというようなことでございますので、その通達自体につきましては対応をここで事細かに申し上げるということはできないかと思いますけれども、一つは正に生命又は身体に対する侵害あるいは危難が切迫しているというような状況でございますので、一つの例といたしましては、明らかに相手側の方からこちらに対する攻撃というようなものが予測されて、それに対応しない限りはなかなか対応ができない、しかもほかの手段がないというような場合であれば武器の使用というものが認められるケースには十分当たり得るというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、いろんなケースを想定いたしましてやっておるということでございます。

 

○浜田昌良君 今、例が説明されたようでありますが、余り具体的ではなかったような気がいたします。

 これから法律が施行される中で、例えば、今までは幸いにして海上自衛隊はそういう事態に遭わなかったと、しかし何らかの形でそういう事態が生じ得ることを想定して、もう少し具体的に実践的に準備をいただきたいと思っております。

 もう時間も限られておりますので、最後に防衛大臣にお聞きしたいんですが、この八条の武器使用については、シビリアンコントロールの観点から、上官の命令を含め、法定された条件の下で厳格に運用されなければならないと思いますけれども、この法定された条件どおり行われなかった場合、罰則自体はこの条文に、法律にはないんですが、どのように扱われるのか、自衛隊の中でですね、お聞きしたいと思います。

 

○国務大臣(石破茂君) そういうことはおよそ想定されないということを今までも申し上げてまいりました。ただ、じゃ想定外のことが起こったらどうするんだという委員の御指摘は誠にそのとおりでございます。

 そうなりますと、隊員がこの法案の規定に反して武器を使用し、その結果相手を死傷させた場合の法的な責任をあえて一般論として申し上げれば、刑法百九十九条殺人罪、二百三条殺人未遂、二百四条傷害罪、あるいは二百五条傷害致死罪に当たるとすれば、我が国の法令が、刑法が適用されることに相なります。ただし、これが業務上過失致死など、二百十一条でございますが、これには国外犯規定がございませんので、それが我が国の船舶又は航空機の中において行われたものでない限り我が国の刑法の適用はないということが法律上は申し上げられることでございます。この隊員の行為が職務上の義務に違反し又は職務を怠ったというふうに認められる場合には、これとはまた別に自衛隊法四十六条の規定に基づき懲戒処分を行うということがございます。

 事実とすればそういうことに相なるのでございますが、本当にこのような考え方でベストなものなのかどうなのかについてはかねてから議論があるところでございます。したがいまして、私、今あくまで一般論というふうに申し上げましたが、現行でお答えできるのはこの範囲でございます。

 

○浜田昌良君 ありがとうございました。

 幸いにして、日本の自衛隊は海外で武器使用の今実態、今まで経験がそれほどはないので済んでいるかもしれませんが、場合によっては、もう一歩、陸上の協力等々を議論していく場合においては幾つかの想定を必要だと思っておりますので、そこは慎重に御議論いただきたいということをお願いしまして、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

 

○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。

 まず最初に、いわゆる国際協力活動の一般法についてお伺いいたします。

 インド洋からの海上自衛隊の撤収は、国内事情によって国際社会との共同活動から離脱せざるを得ないという特別措置法の限界が露呈されたと私は思っています。我が国が主体的にかつ継続的に国際社会の安定と繁栄に寄与するためにそういう国際協力活動を行うためには、一般法というものの真剣かつ慎重な議論、制定が必要と私は思います。

 この委員会でも一部議論がありました。また、衆議院の委員会の方でも、一般法にかかわる議論あるいは制定の必要性も野党の方からも指摘がございました。また、今般、民主党の方から参議院の方に提出いただきましたアフガニスタンのいわゆる復興支援新法という中にも、原理原則というものを定めるべきだという文言がございます。一つのメリットとしましては、国際協力活動に関します日本の政府の基本的な考え方というのが明らかになるという部分があるかと思います。

 国際協力活動に従事する人間というものは、文民であれ自衛隊員であれ、直接的な国益のためあるいは相手国先の国民を支援することが結果的には日本国の国益につながるという思いで汗を流していると私は思います。

 今回のインド洋の場合であれば、行くときは国益のために行ってこいと、ところが、帰ってくるときは参議院の第一党の方からはやっていることは憲法違反であるということを言われてしまうと、やっぱり派遣された文民あるいは隊員というものは複雑な気持ちになると思います。やっぱり文民統制と、統制する側の我々が政治の基本的な考え方というものを示す必要があるかと思います。

   〔理事浅尾慶一郎君退席、委員長着席〕

 また、ほかのメリット、いろいろありますけれども、その一つとして、特措法に比較すると、比較的迅速な派遣というものが可能になると思います。派遣が遅くなることによって、国益上あるいは派遣部隊の能力上、日本が望む地域ではないところあるいは十分な活動ができないという場所での活動ということも余儀なくされる場合もあるかと思います。

 イラクでの人道復興支援を行う際に、サマワを選定する際にもいろいろありました。既に多くの地域に多国籍軍がもう展開しており、CPAや多国籍軍とのいろんな調整の中で、北部がいいのか中部がいいのか南部がいいのかと、あるいは復興支援のニーズはどうなんだと、それは多国籍軍に対する支援なのかあるいはイラク国民に対する支援なのか、あるいは治安情勢はどうなんだ、あるいは日本からの兵たんの流れ、後方支援の可能性はどうなんだ、いろんな議論の末にサマワというものが決定されたというふうに私は思っています。

 やはり、こういうスピードという部分についても国際貢献を命ずるあるいは行うという観点からは大事な視点ではないかなと。また、人道復興支援を受ける側の立場からいっても早く支援は来てもらった方がいいわけで、助かる命も助からないということもあるかと思います。そういう面で現地の方々のニーズに速やかにこたえて、日本の国益にそして能力に合った地域を主体的に選んで継続的に活動するという観点からすると一般法の制定は必要だと私は思いますし、決定の遅れによって派遣される文民の方や隊員の方に負担を掛けるというものもいかがかというふうに思います。

 今まで一般法の基本的な考え方あるいは派遣のスピードという二点について私の所見の一端を述べさせてもらいましたが、政府のこの二点に対する認識あるいは所見をお伺いしたいと思います。官房長官、防衛大臣の順番でお願いいたします。

 

○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおり、今まではイラクだ、あるいはテロ対策、アフガンだということで特別措置法という形でやってきました。法案そのものはかなり比較的スムーズに迅速に実際は作っていただいたなと、こう思っておりますが、しかし、やはり委員御指摘のように、時間が掛かることもある。したがって、常にメニューとか要件とか手続とか、こういうものを定めておいて、そうした現地からのニーズに、あるいは国際社会からのニーズに迅速に適応できるという体制をつくっておくということは大変意義があることだと、こう思っております。

 また、日本の基本的な姿勢というものを海外に示すという御指摘もありました。その点も私も同感でございます。そういう意味で、政府としても、かねてよりいろんな勉強をやってまいりました。平成十四年には国際平和協力懇談会、あるいは平成十六年には安全保障と防衛力に関する懇談会、こうした御提言をいただいており、政府の中で今検討を行っております。また、自民党では、これはお隣にいらっしゃる石破現防衛大臣が国防部会の防衛政策検討小委員長として、一般法の国際平和協力法という形で既に第一条、第二条、第三条という条文という形にまでして準備をし、御議論をいただいているということでございます。

 したがって、私は、是非まず与党の皆さん、公明党の皆さんとも合意を得、さらには民主党、野党の皆さんとも御議論をしていきたいんですが、まずその前にこの目下御議論をいただいている補給支援特措法を成立をさせていただき、その後に是非一般法の御議論を深めていただきたいと心から期待をしているものでございます。

 

○佐藤正久君 ありがとうございます。

 

○国務大臣(石破茂君) 官房長官が答弁なさったとおりですが、特措法になると、例えば今回もずっと十月、十一月、十二月、この年末まで御議論をいただいておるわけですね。前の九・一一の後を受けたテロ特というのはあのときの情勢もありまして相当に短期間でできましたが、その後のイラク特措法というのはかなり時間が掛かりました。

 やはり、委員御指摘のように、現地にニーズがあるわけですから、ニーズを把握をしてそれに自衛隊が求められるとすれば、それは早きゃ早い方がいいに決まっているんです、こんなものは。日本の国際的なプレゼンスもありましょう。本当に困った人を助けるということもありましょう。いろんなことに迅速にこたえるためには、そのたびにそのたびに特措法を作っていて本当に国益がかなうか、現地の人々のニーズにこたえるかといえば、私はそうは思っておりません。早さというものがまず第一だと思います。

 もう一つは、やはり我が国の原理原則は何なのだと。PKO法があって、イラク特があって、テロ特があって、順番はひっくり返っていますが、一体我が国の理念て何なのだろうということがやはり示されるのが恒久法、一般法なのだというふうに私は思います。

 その上で、様々な我が国の在り方、つまり国連決議がなければ絶対に出ないのか、これは文民統制との関係で国連決議があるなしと、国会の決議、国会の承認のハードル、それは数もありましょうし期間もございましょうし、そこは、文民統制の在り方とは何なのだ、国際社会の在り方とは何なのだということをやはり明確に示すということも一般法の仕事なのだろうと思います。

 かてて加えて申し上げれば、先ほども浜田委員からも御指摘をいただきましたが、武器使用の在り方であるとか、あるいは邦人が拉致、誘拐されて日本は何もしないのですかということについてどう考えるか、そういうことについてもやはりきちんとした原理原則を打ち立てなければ、私はその場の自衛官が、あるいは司令官がいろんな過度の負担を負うことはまずいと思っているんです。どうやって政治がきちんと責任を負えるような体制をつくるかということを法律上きちんとしなければ、それは実は文民統制の名に値をしないのではないか、そういう議論が一般法でなされることを、私は官房長官同様、心から期待をしているものでございます。

 

○佐藤正久君 明快な答弁、ありがとうございます。

 今、石破大臣にありましたように、一般法を議論していく際には国連決議をどういうふうに認識するんだと、あるいは武器の使用というのも大きな要因だと思います。

 よって、国連決議について若干質問をさせていただきたいと思います。

 国連決議のとらえ方というのはいろんな意見があります。国連決議がなければ国際協力活動に参加すべきではないという意見から、あるいは、いやいやいや、周辺事態というものが起きたときに、その周辺で何か起きたときに本当に中国あるいはロシアの協力が得られるのかという点では、言わば国連決議絶対主義というのは日本の安全保障にとってはいかがなものかという意見までいろいろあります。

 私は、国連決議というのは十分尊重すべきでしょうけれども、それがすべてではないという考えを持っています。最終的には我々は日本政府の判断に従って国際協力活動をどうするかというのが大事だと思います。よく石破大臣が言われるように、UNはユナイテッドネーションズであってインターナショナルガバメントではないと。最終的にはやっぱり日本政府というものが主体的に判断するということが大事ではないかなと私は思います。

 国連決議に関する一般法におけるとらえ方について、官房長官の御所見をお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(町村信孝君) 今日の国際社会は非常にいろいろな形の紛争がございます。大規模なもの、小規模なもの、民族対立、宗教対立、あるいはテロ、大量破壊兵器の拡散等々でございます。したがって、いろいろな形の対応が今あるのは委員御指摘のとおりでございます。

 確かに、国連が統括するPKOというものもございます。また、安保理決議に基づく多国籍軍、これで武力行使を容認するケースもございます。また、ISAFのように安保理決議によって設立され、領域国の同意、アフガニスタンの同意に基づいて治安維持を行うようなケースもあります。また、安保理決議による呼び掛けという国連の意思を反映をした不朽の自由作戦、そうした中での海上阻止活動というものも私は広い意味の安保理決議というものをバックグラウンドにして成り立っている活動だと思います。

 ただ、こうした国連決議なしに行われているいろいろな活動というのも随分たくさんあるんですね。今、手元の資料を見ておりますと、シナイ半島駐留多国籍軍監視団を始め、スリランカ監視ミッション、ソロモン地域支援ミッション、アフリカ連合スーダン・ミッション、パプアニューギニア協力強化プログラム、ミンダナオ国際監視団、アチェ、これはインドネシアでございますが、監視ミッション等々、地域の国際機関が、あるいはそのグループが集まってこうした活動をやろうと。その際に、日本としても、例えばミンダナオの国際監視団に参加をしたりしておりますが、非常に少のうございます。こういういろいろな形の紛争があり、国連が絡む場合、絡まない場合、いろんな形がありますから、やっぱり最終的には、やはり国民的な議論、国会での議論を踏まえて、日本国として主体的に、正に委員御指摘のあったように、主体的に我が国がこれをやろうということを決定をしていくことが大切なんだろうと、こう思っております。

 ただ、最近の様子でちょっと心配なのは、日本はどちらかというと今ちょっと引きぎみなんですね、正に今このアフガンもそうですけれども。東チモールで今警察の方々が活動しておられる、わずか二名でありますが。これもほぼ目的を完了したということで、来年の二月ごろにはもう撤退をするかと。その後どうするのかということが実はなかなか今決まらない状態ですが、私は是非何らかの形で引き続き東チモールの市民生活の向上とか安定のために一定の役割を果たすべきだと思っておりますが、何となくそういう場面から日本が、だんだんプレゼンスが小さくなっている。

 一々例に出していいかどうか分かりませんが、もう中国などは、別途のきっと思惑といいましょうか期待もあってでしょうか、例えばアフリカには物すごい勢いでPKOを派遣をしております。我が国も、これは私のちょっと私見でありますが、スーダンにやはりもう少し積極的な関与をすべきではないだろうかと、こう思っているわけでございますが。

 そういう意味で、ちょっと話は、済みません、少しオーバーな話になってまいりましたけれども、いずれにしても、我が国の国益、また国民の理解というものを踏まえて主体的に決定をすべきものであろうと、そういうふうに思っております。

 

○佐藤正久君 ありがとうございます。

 続いて、担当省庁の件について御質問をさせていただきます。

 現在の国際協力活動を見ていますと、PKO協力法というのは内閣官房ではなく内閣府が担当しており、特措法になると内閣官房が、国際緊急援助隊になりますと外務省が所管をされている。また、自衛隊にかかわる実運用は防衛省、あるいはいろんな海外青年協力隊、NGOあるいは対外交渉等の折衝は外務省の方が所管されておられるという観点で、一般法を議論するときにもやっぱり主管省庁はどうするのかという議論も併せて私はすべきだと思います。

 望ましいのは一本化なんでしょうけれども、そこまでできるのかどうか分かりませんが、やはり一般論からいって、担当省庁が多くにまたがればまたがるほど時間が掛かったりあるいは責任の所在が不明確になったり、連携ミスとかあるいは誤解が生じるという部分もあるかなと思いますし、また、大事なノウハウとかいろんな教訓事項というものもある程度の計画性を持って体系的に積み上げていくことも、省庁がばらばらだとできないという部分もあるのかなと思います。

 今回のテロ特措法の広報という分野につきましても、今、手元に防衛省と外務省の広報資料あるんですけれども、防衛省は防衛省の活動の内容だけ、外務省は外務省の活動の内容だけ、イラク特措法とテロ特措法の違いもここには書いていません。当然書かないでしょう。また、インド洋が平和の海になることが日本の国益にとっても非常に有効だという部分も書いていません。また、内閣官房の方が何か広報資料を出しているかというと、私の承知している限りまだ出ていないような感じがします。そういうふうに、やはり多くの省庁にまたがると、一本化してこうだという部分がなかなかできにくいような感じがします。

 今回、一般法を議論するときにも、できるだけどこかの省庁に担当、まとめるという議論も必要かと思いますが、これについての官房長官の御所見をお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(町村信孝君) 大変大切なポイントを御指摘をいただいたなと思います。

 確かに、いろんな省庁にまたがります。しかし、さりとてJICAと自衛隊を一つの組織で担当できるかというと、それはなかなか難しい点があるんだろうなと、こう思っておりまして、したがって、多省庁にまたがる場合にはどうしても内閣府あるいは内閣官房という形になってくるわけでございます。内閣の方には平和協力本部というのもございまして、そこでやっているわけであります。

 ただ、委員御指摘のように、ばらばらに活動をやっているじゃないかというような御指摘は率直に私も受け止めなければいけないと、こう思っております。ノウハウの蓄積など非常に重要でありまして、例えば陸上自衛隊、これは正に先生一番お詳しいところでございますが、今年の三月に中央即応集団というものが中心になって海外における活動についての研究が実施され、組織としてのノウハウの蓄積をしっかりやろうと、それはまた各省にも共有できるものにしておこうというようなこともやっておりますし、国際緊急援助隊を派遣しても、帰国後報告書を作って、それは皆さん、関係省庁集まってみんなでその検討をやるなどなどやっているわけであります。

 広報の予算ももちろん各省庁それぞれありますが、今のお話のようにある面しか表現をしていないというのは確かに問題だなと私も思います。内閣広報予算を各省にお渡しして、それで各省の広報を充実してもらうというような形も現実にはありますものですから、内閣がまるで各省の広報に無関心であるとかタッチしていないということではございませんが、やっぱり全体としてきちんとした日本の主張を国民の方々にも、また海外の皆さんにも理解してもらうためにも、今御指摘のあったような点は十分踏まえながら、全体として、日本政府全体としてきちんとした姿で臨んでいけるようにしなければいけないと思っております。

 今後ともいろいろ御指摘をいただきたいと思います。

 

○佐藤正久君 ありがとうございます。

 やはり一般法の議論をするときにはいろんな多分論点があるかと思います。先ほど官房長官言われましたように、まずはこの新しい新法を何とか成立をしていただいて、年明けの通常国会の方で一般法の議論というのができれば、非常に私もある意味もう個人的にも有り難いなと思いますし、そうすべきだというふうに一議会人としても思います。

 最後に、この二十一日に民主党の方よりアフガニスタン復興支援にかかわる特措法が提出されました。これは官房長官が何度も何度もお願いしていたその願いが通じたのかもしれませんが、この時期の法案の提出ということについての官房長官の所見をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。

 

○国務大臣(町村信孝君) 私のお願いをもし聞き届けていただいたというのであれば、それはもう大変有り難い。まあ、別にそういうことではなくて、民主党は民主党としてずっと議論を重ねられ、今回提出をされたと。そろそろこれ、この法案審議も終盤に差し掛かっているという状況の中ですから、もうちょっと早く出していただいたらまた違ういろんな議論もできたのかなと思ったりもいたしますが、いずれにしても、前向きにこうした法案を提出されるということについては私どもは大変前向きな評価をすべきものであろうと、こう考えております。

 法案の内容は、まだ提出者から御説明も聞いておりませんから、内容についてのコメントは差し控えさせていただきます。

 

○佐藤正久君 どうもありがとうございました。終わります。

 

○委員長(北澤俊美君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

   午後三時三十三分散会