消防法及び消防組織法の一部改正法律案等(副大臣答弁)            参議院総務委員会-14号 2008年05月15日

2009年7月28日 21:16

 

       消防法及び消防組織法の一部改正法律案等(副大臣答弁)

           169--総務委員会-14 平成200515

 

 

○委員長(高嶋良充君) ただいまから総務委員会を開会いたします。

 委員の異動について御報告いたします。

 昨日までに、舟山康江君及び轟木利治君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君及び加賀谷健君が選任されました。

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○委員長(高嶋良充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官田口尚文君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(高嶋良充君) 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。

 質疑のある方は順次御発言願います。

 

○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会・国民新・日本の榛葉賀津也でございます。

 本日は、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、総務大臣並びに消防庁長官にお伺いをしたいと思っております。

 我が会派は基本的に本法案に賛成でございますので、その線で質問をさせていただきたいというふうに思いますが、今回の法律案では、緊急消防援助隊の機動力の強化等のために、都道府県知事が都道府県内において他県などから来た緊急消防援助隊の部隊移動を行うことを可能にし、また、そのための調整本部を設置することができるということが盛り込まれているわけでございますが、しかし、十三年前の阪神・淡路大震災、そして今年二月のイージス艦と清徳丸の衝突事故でも明らかなように、現場からの的確な情報が速やかに関係部署に上がってこなければこれは全く十分な対応ができないということでございまして、緊急消防援助隊が災害時に迅速に出動できるようにするには、消防庁内の体制、つまりは情報収集や監視体制が二十四時間しっかり取られていること、そして長官を始めとする幹部が緊急時に直ちに登庁できるような体制を整えていることが当然ながら必要であるわけでございますが、同時に、地方の都道府県においても二十四時間体制や知事を始めとする幹部が直ちに参集できる仕組みが不可欠であると思います。

 消防庁長官は今世田谷にお住まいということで、一部には若干緊急時に登庁するのに遠過ぎるのではないかという議論もあったわけですが、三十分くらいで御自宅から本庁には登庁できるということで問題ないというふうにおっしゃっているわけでございますが、深夜、そして首都圏で直下型の地震があった場合、これは道路は大変寸断される可能性もあるわけでございますから、問題があるという声もあるんですが、私は、どこに住んでいるかが問題というよりも、近くにあってもこれは対応できないこともあるわけでございますから、どのような場合であっても、若しくは長官が不在であっても有事に対応できるシステムをどうつくっていくか、どう構築していくかと、これが重要なんだろうと思っております。

 言うまでもなく、内閣においては、内閣法第九条に基づいて、総理大臣の臨時代理、一位が町村官房長官、そして二位が高村外務大臣、鳩山法務大臣、甘利経産省大臣、そして最後の五番が額賀財務大臣というふうに順位が決まっているわけでございますが、これ消防庁においては、この指示を出す順位、長官の代理はどなたになるんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの点につきましては、私がもしすぐに対応できないような状態になりましたときには消防庁次長が対応することになります。その次でありますと、部長、審議官、総務課長等の順番になっております。

 

○榛葉賀津也君 それらの方々は、緊急時すぐに登庁できるような体制になっているんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 私につきましては、先ほど委員からもお話ございましたように、都内に在住をしておりまして、常時、正直休日も余り遠方には出ないようにできるだけ心掛けておりますが、先ほどの次長以下は、これ個人のあれですのであれですが、大石次長も都内、山手線の内側の区に住んでおりますので、官邸に三十分以内で、走っても三十分ぐらいで行けるところに住んでおります。また、ほかの先ほど申しました幹部も、遠方に宿舎を持っている者はこの紀尾井町かいわいに宿舎を供与しておりまして、そちらに居住をしていただくと。もう当然、職員は様々な家庭の都合等ありますので、そういったことで遠方に幹部が出る場合には当然いざというときに備えて代わる者が必ず穴を埋められるように、そういったローテーションをきっちり、週末等は特に、実際地震等も週末に起きることが現実に何か多いところもございますので、その辺の体制がおろそかにならないように常に万全の配慮をしているところでございます。

 

○榛葉賀津也君 こういった、常に消防庁の幹部の皆さん、そして現場の皆さんは災害に備えていらっしゃる、すべての役所の皆さんが御尽力賜っていることは言うまでもないんですが、特に消防庁の皆さんにはこういった常に緊張状態で臨時の、緊急な有事に備えていらっしゃるということに心から敬意を表したいと思いますが、常に、いや深夜や休日であっても二名若しくは三人体制で宿直をずっと取っているということに対しても敬意を表したいと思うわけでございますが。

 これ本庁だけじゃなくて、各都道府県そして市町村の状況なんですけれども、消防庁の地方公共団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会が平成十九年度に出した報告書によると、今年の二月一日現在で守衛以外の職員も加わって二十四時間体制を取っている都道府県は四十団体、全体の八五%となっているんですが、緊急参集用待機宿舎が未整備で緊急参集職員の居住制限もない都道府県が何と昨年八月一日現在で三十団体、全体の六四%もありまして、また消防庁の調査によりますと、平成十八年十月一日現在で同様の体制を取っている政令市若しくは都道府県庁所在地はわずか十五団体、三〇%しかないということなんですね。

 この地方の有事に備えた体制、とりわけこの緊急消防援助隊の機動力が強化されるためにもこういった地方の整備や体制をきちっとする必要があると思うんですが、こういったものに対する財政措置はどのようになっているんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 地方公共団体におきます危機管理体制につきましては、ただいま御指摘ございましたように、私どももこれは非常に重大な関心を持っておりまして、十八年九月から地方団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会を開催しまして、その実態を把握しますとともに、どういう対応をしていくべきか検討いただきまして、本年二月にその報告を取りまとめていただいたところでございます。

 その中で、かなり詳細にわたりますが、主な点を申し上げますと、具体的に指摘を、提言いただいた点を申しますと、二十四時間即応体制、今お話ございましたその整備、それから職員の危機管理能力の向上、それから危機管理体制の点検、評価、見直し、こういったことをどうするか、それから危機管理の指針等の整備、こういったことについて具体的な提言をいただいて、三月に地方団体にこれを参考にしっかり取り組んでいただきたいということで情報提供したところでございます。

 私どもとしましては、各地方団体におきましてはそれぞれやっぱり地域の住民の安全、安心を守るためにお取り組みいただいていますが、これにつきましては財政措置ということでございますが、一般的にはこれは普遍的なもう行政でございますが、地域住民の安全を守るというのは地方団体のこれは一番基本的な任務でございますので、これはまさに普遍的な財政需要として普通交付税に必要な額が包括的に算入されているということでございます。各団体の判断で、その実情に応じて的確に対応していただきたいと考えております。

 

○榛葉賀津也君 次に、緊急消防援助隊の出動について、幾つか具体的な質問をさせていただきたいと思います。

 緊急消防援助隊の出動につきましては、消防庁長官が都道府県に要請するか指示するかは、その災害の規模によるということとなっておりまして、ところがこれ、要請か指示かによって財政措置が大分変わってくると。要請ですと特別交付税なんですが、指示ですと国庫負担金で賄われると。この財政措置の違いはどこから生じるんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 緊急消防援助隊の出動につきましては、ただいまお話ございますように、指示の場合と要請の場合がございますが、まず指示の場合でございますが、これ消防庁長官の指示によりまして出動いただくわけですが、これは大規模な災害あるいは特殊な災害の場合でございまして、テロ等があったような、化学テロ等があると、そういったようなケースでございますが、そういった場合に、国民の生命、財産保護のため国の責任において被災地外から応援に、援助に消防力を投入するということでございますので、しかも、この場合には、地方団体はその長官の指示に従わなければならないという法的な拘束力も有するものでございますので、この指示はですね、したがいまして、こういったケースにつきましては、必要になりました隊員の手当等の経費につきましては国が負担するという考えでございます。

 これに対しまして、求めに基づいて緊急消防援助隊が出る場合でございますが、これは地方公共団体からの要請等があった場合でございますが、これはまさに地方公共団体間の相互の応援等を円滑に進めるために調整的な役割を消防庁長官が担うという性格でございますので、指示とはおのずから性格が異なるわけでございます。したがいまして、この場合には相互応援という観点から、応援を受けた地方団体において経費を負担いただくと、こういった仕組みになっているところでございます。

 

○榛葉賀津也君 今まさに長官がおっしゃったように、消防組織法第四十四条の一では、災害発生市町村の属する都道府県の知事から要請があり、かつ、必要があると認めるときは、他の都道府県知事に対して、消防庁長官は必要な措置を要請することができるということなんですが、この必要があるないはだれがどのような基準で判断するんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) この必要性につきましては消防庁長官の判断ということになりますが、災害の被害の状況、それと当該被災地方団体における消防力等で人命の救助等を的確に行えるかどうか。

 まさに災害の規模あるいは被害の状況、これに応じまして、いずれにしましても、私ども、私の個人のといいますか、消防庁長官の立場で申し上げますと、やはり人命、国民の命を守るための出動でございますので、地方団体において当然要請がそういった場合には知事からあると思いますが、その二項にございますように、いとまがないような場合、地方団体も、要すれば知事自身も被災者になっているようなケースもこれ当然あるわけでございますので、そういった場合には、的確に被害状況等を捕捉しまして速やかに出動の求めをすると。場合によりましては、先ほど言いました第五項になりますが、四十四条五項の、極めて甚大な被害があるとか特殊な災害の場合には指示をするということで対応することにしているところでございます。

 

○榛葉賀津也君 知事からの要請があったにもかかわらず、長官が必要ないと判断するケースもあり得るんですか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 現実には、そういったケースは私はちょっと想定をされないというふうに思っております。

 

○榛葉賀津也君 消防庁が作成した今回の法律案の資料に、国民の安心、安全の確保は我が国経済社会の基盤であり、国家の基本的な責務であるというふうな文言がうたってあるわけでございますが、迅速な判断のために、緊急援助隊が出るということはやはり相当な災害ということが想定されますので、むしろ指示に一本化して、出動した緊急援助隊の経費についても国の責務できっちりと負担していくというような考えはないんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 地方公共団体の災害が、地方団体で災害が発生した場合にはこれまでも広域応援の仕組みがございまして、地方団体相互に協定等を結びまして応援をするというのは従来からございます。

 その上に、この阪神・淡路大震災を経験、その教訓を生かしまして現在の緊援隊の仕組みができまして、平成十六年からは法制化もされたわけでございますが、そういった経緯から今のような仕組みになっていると思いますが、立法論としまして今委員御指摘のような考え方を取るというのも一つあるかと思いますが、やはり災害の実態なり、それに対応する地方公共団体の応援の在り方、この辺全体をトータルで考えまして、国が果たすべき責任、あるいは地方団体が、先ほども申しましたように、地方団体の本来の責務としても住民の命を守るということは、救助等を行うということは当然あるわけでございますので、その辺の仕切り、役割分担をどうするか、それに応じて国がどこまで乗り出すか、乗り出すかという面では、その財政負担まで含めましてどこまでを分担してやるか、そこの議論だと思いますが、最後はやはり立法政策の問題になるんではないかと考えます。

 

○榛葉賀津也君 次に、危険物流出等の事故調査についてお伺いしたいと思いますが、これが本法律案の二点目のポイントでございますが、この点につきましては後ほど同僚の吉川議員が詳しく質問されますので、私からは数点触れたいと思います。

 今月二日、熊本県玉名郡の南関町のタケノコ缶詰工場で地下タンクの貯蔵所から重油五千リットル近くが河川に流出するという事故がございました。これは燃料会社が、五月一日から油代を値上がりすると言われて慌てて従来の一・五倍を月末の四月三十日に補給して漏れてしまったということなんですが、今回の事故では、消防法上の危険物であるA重油、詳しくは第四類第三石油類というんですが、この漏えい事故であるわけでございますが、火災になっていないために消防機関では消防法第七章の火災原因調査に基づく事故の原因の調査を行うことができなかったということなんですが、従来ですと、危険物施設、この場合は地下のタンク貯蔵所ですが、の基準適合状況などを確認する消防法第十六条の五の規定による資料提供などを通じまして事故の原因調査を行う努力をすることができるだけだったわけでございます。

 しかし、この法律が成立することによりまして、施行後は、改正案の第十六条の三の二に規定する、いわゆる製造所、貯蔵所又は取扱所において発生した危険物流出その他の事故、これは火災を除くんですが、であって火災が発生するおそれのあったものに該当するために、消防機関がこの法に基づいて事故の原因調査をすることができるようになると、こういう解釈でよろしいでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 委員御指摘のとおりでございます。

 

○榛葉賀津也君 この点は高く私は評価したいと思うんですが、ただ、改正後も、これ事故が起こって油が出ないと事故の原因調査ができない。事故の発生が調査の前提であって、事故が発生する蓋然性が極めて高い施設があらかじめ予防的な立入検査や調査はできないということだと思うんですが、果たしてそれでよいのかなと。

 むしろ、今回の様々な流出の、昨日の我が会派の部門会議でも、流出の理由の三割以上が何と劣化による漏れであるというようなことでありまして、昨今の経済的な事情から会社側もタンクの設備やチェックにコストが回らないというような現実もあるのかもしれませんが、むしろ、こういった老朽化が明らかであったり、事故の危険性の高い若しくは蓋然性の高いものには、これ消防庁が立入検査なり調査をできるような権限も与えていくべきではないかと思うんですが、長官はいかがお考えでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) まさに今委員が御指摘のような考えに基づきまして今回の法改正を行っているわけでございますが、私ども消防庁としましても、これまでも法に基づきます、そういった権限の行使によりますいろんな検査等行う以外、やはりこれは企業におきましても、自らが保有します危険物施設を安全に管理すると、保守をするということは企業の経済活動上もこれは大事なことでございますので、企業にも参画をいただきまして、私ども行政と一緒になりまして、安全をどう確保するか、いろんな取組をしてきております。

 具体的には、平成十五年から、危険物関係業界団体それから消防関係の行政機関等の参画もいただきまして、危険物等の事故防止対策情報連絡会というものを設けまして、これはまさに官民一体で事故防止を図ろうということで、具体の方策をこれは毎年度、その時々に、今はこういった辺りを特に重点的に、今お話ございましたいろんな事故が発生したりしますので、そういった状況等も見ながら、毎年度危険物事故の防止アクションプランというものをこの場でまとめまして、民間も一緒に入っておりますので、民間の方々も共通の認識を持っていただいて、行政と連携を取りながら一定の目標に向かって取り組んでいただくと、こういったこともやってきておるところでございます。また、大規模施設であります屋外タンクの貯蔵所の耐震性の強化、あるいは地下タンク、地下配管の定期点検の基準の見直しなどにつきましても、消防庁としましてもこれまで鋭意取り組んできているところでございます。

 いずれにしましても、今回の法改正を契機に、これら従来からの取組と相まって、危険物施設の事故防止対策、今回の法改正によりまして更にこの危険物施設についての安全を図るためのいろんな情報を広く集積することもできると思いますので、その辺の対策の強化を図っていきたいと考えております。

 

○榛葉賀津也君 危険物の貯蔵又は取扱いについては、一定数量未満は市町村の条例、そして一定量以上は消防法という管轄になっていますから、企業努力並びに法整備も必要なのかもしれませんが、地方自治体との連携もしっかりして、こういった事故が起こらないように未然の予防策が私は必要だろうと思います。この点については後ほど吉川委員が更に質問をさせていただくということになっております。

 次に、この機会をいただきまして、この法律とは直接は関係ないんですが、消防団の問題について若干質問をさせていただきたいと思っております。

 配付してある資料一にございますように、かつては二百万人以上いた消防団員が現在では九十万人を切るまでに減少してしまいました。同時に、消防団員の高齢化やサラリーマン化が進みまして、各地の消防団は大変厳しい状況にあるということなんですね。地域に根付いた消防団のこういった衰退現象というのは、地方自治体にとって地域防災を考える上でこれは大変重要な問題だと私は思っております。

 そこで、長官にお伺いします。

 消防団は一体何をする方々なんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防団は何をするのかという消防団の任務等についてのお尋ねかと思いますが、御案内のとおり、我が国の消防組織法では、消防の組織体制としましては、常備の消防職員によります常備の消防と非常勤によります消防団員の非常備消防というものがございまして、現在、大まかに申しますと、常備の消防職員は十五万七千人でございますが、それに対しまして消防団員は約九十万おります。

 消防団の方々は、まさに自分たちの地域を自分たちで守ろうと、郷土愛に根差すといいますか、お互いに助け合って地域の人々の安全、安心を守ろうということで取り組んでいただいているわけでございますが、やはり消防団の特徴は、一つは、そういったボランティア的な性格で地域の人々のために自ら進んで日ごろから訓練をして、いざというときに対応していただくということでございますが、やはりもう一つ大きな特徴は、非常に団員の数が、今申しましたように九十万人という数がございますので、これは更に私ども増やしたいと思っておりますが、いざ大きな災害が、地震等の災害がありましたときに、やっぱり地域の人々の安全を守る。特に避難誘導ですとか救助等の活動は、これは大勢の力がないとできませんので、そういったパワーですね、数によるそういった地域の防災力という面で非常に威力があると。

 それと、言うまでもございませんが、地域の方々が構成している団でございますから地域の実情をよく分かっておりますし、しかも、地域に住んでいる、あるいはそこで働いている方々ですからすぐに現場に駆け付けられるという、そういった非常に機動性もございますので、ともかく、我が国は自然災害の多い国でございますので、消防団は国民の命を地域において守る上で極めて重要な役割を果たしていると考えております。

 

○榛葉賀津也君 ボランティアか公務員かといった立場ではなくて、具体的に消防署の消防士と消防団、実際の、では消火活動の場合はどのような違いがあるんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 先ほどの回答の中で一つ申し忘れましたが、ボランティアとは申しましたけれども、消防団員は地方公務員法上では特別職の非常勤の地方公務員でございまして、これは消防組織法上にもその身分、地位はきちんと書かれてございまして、実際に火災等があった場合でございますと、消防団員は、先ほど言いましたように、地域の方々、本来のお仕事を持っている方々でございますので、現場に近いということで、火災がありましたときに、常備の消防の消防署から駆け付けると同時、あるいは、場所によりましては、地方ですと消防団の方が先に消火活動に入るということはあると思いますが、日本の現在の現状を見ますと、やっぱり都市部におきましては常備の消防力も非常に整備されてきていますので、消防団の方々が火災現場に駆け付けるということは実際には、地方部ではありましても都会部では余りないと思いますが。

 では、現実には、先ほど言いましたように、消防団としましては、そういった大きな災害等がありまして、例えば阪神・淡路の大震災のときを考えていただければあれですが、ああいった各所でたくさんの火災が一斉に発生するというような場合には、常備の消防だけではなかなか対応できないようなケースございますので、この場合には、先ほどの緊援隊が駆け付けるのもありますが、やっぱり火災の消火というのは初期が大事ですので、そういった場合考えますと、やっぱり消防団も消防の能力を十分備えていただくことが大事ですし、先ほど言いました人命救助、瓦れきの下から人を救うとか、これはまさにもう消防団の方々に一番活躍いただける場ではないかと。

 こういった様々な面で消防団は今でも大事な役割を果たしていると考えております。

 

○榛葉賀津也君 多くの国民の中には消防団は消防署の活動を補完する補助的役割だと思っていらっしゃる方も多いんですが、今長官、やはり都道府県の総務部長さんを経験されていて現場よく御存じだなという感じがしたんですが、まさに消防団というのが非常に今大きな役割、まさに長官おっしゃったように、この消火活動一つ取っても、各地にある分団の詰所から、実は本署の消防署員よりも、消防士よりも先に火事現場に着くということはこれは間々あるわけでございますし、むしろ、消防士は火事が消えればもう撤収するわけでございますが、消防団は、もう火事の場合、木材も炭化していますから、いつまた火がもう一度出る、再火するか分からないということで、二十四時間体制でその火事現場に詰めたり様々な活動をしていまして、人命救助もそうですが、一年行事考えますと、その訓練含めて物すごい負担が大きいんですね。

 四月ごろからポンプ車操法や査閲の早朝訓練や週末訓練やったり、秋には市の防災訓練の補助をしたり、冬は徹夜で、いわゆる夜警といいまして、火災の一位の原因がこれ放火ですから、そういった意味でも啓蒙活動や監視をする、巡視をするという活動もやっておりますし、通常、町々にある消火栓や水利、これを点検したり、小学校や幼稚園での啓蒙活動や、これ町の花火大会なんかありますと、消防団員は花火の大会に見学することはできませんで、ずっと河川等で待機をしていなければならない。それで、消防団は水害時にはこれ水防団に早変わりいたしますから、大雨等の際にもこれ常に巡視をしたりという、大変このマンパワーに実は自治体が頼っていると。水難や山での遭難があった場合、これ全員出動して人命救助に当たるということなんですね。

 これ大変な負担なんですが、実は私も六年間、消防団員として最後はポンプ班長までやらせていただいて、大変勉強になりました。日の当たらないところで極めて重要な活動をしているのはこの消防団で、地域や地方自治体にとって消防団の再強化というのは大変望まれるところなんですね。

 我が民主党には松下政経塾から国会議員になった人がたくさんいるわけでございますが、松下政経塾も立派な組織でございますが、この消防団での活動というのは大変有用な人材教育の場でもありまして、誤解を恐れずに申し上げますが、お酒の飲み方から先輩とのお付き合いまで様々なものを勉強させていただくわけでございます。高校を卒業しますとそれぞれ違う道を歩んで、ふるさとから出ていく若者がまた大人になって帰ってきて、立場を超えてもう一度一緒にふるさとのために消防活動、地域のボランティアをするというのはこれ大変有用なことでございまして、私が政治家になる原点も、実はこの消防活動を通じて、先輩方、後輩と一緒に活動して、やはりこの地域ボランティアの重要性というものを学ばせていただきました。

 火事現場にも何回か行きまして、焼死体を発見することも間々ありましたし、へそくりがあったりして、消防士にはなかなか言えないんですが、榛葉さん、実はあそこのタンスの後ろにへそくり隠してあるんですと。灰になったお札も金融機関に持っていきますと、一定以上残っていますと取り替えてくれますから、そういった非常に感謝をされた記憶もありますし、火事はただ消せばいいと思っている方も多いんですが、実は半焼でももう家は使えません。その消火の仕方というのは実は非常に重要で、保険会社によって半焼で出る金額と全焼で出る金額が変わりますから。ですから、全焼にするわけではないですが、やはり細かい配慮が実は地域のボランティア活動だからこそ、(発言する者あり)私の町ではそういったことございませんが、あると。いや、これでも被害者にとったら切実な問題なんですね。財産と同時に思い出や写真類も全部消えるわけでございますから、大変この消防が重要なんですが。

 ところが、現場の消防団員には若干不満がございまして、それは消防団員の報酬や出動手当の問題なんです。実は、消防団員の報酬手当や出動手当に対しましては地方交付税措置がされているんですね。平の団の場合は団員報酬が今年は昨年より五百円アップをされまして、年間三万六千五百円もらえるんです。出動手当は一回当たり七千円となっているんですが、ところが実際は、この団員報酬は市町村の条例で定められているために、交付税額よりも多い場合は一万円以上少ない金額しか団員報酬が送られていないというケースがほとんどの都道府県であるわけでございますが、こういった問題は、資料二にその資料が載っているわけでございますが、長官、これはしっかりと、ある種、これは言葉は悪いですけれども、国が市町村に団員報酬払ったにもかかわらず、それよりもはるかに少ない金額を条例で現場の団員に渡しているということになると、言葉は悪いですが、ピンはねとはいきませんが、これは切実な問題だと思うんですが、こういった問題に対する指導や現実をどのように把握されているでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防団員の報酬につきましては、ただいま委員から御指摘ございましたように、市町村の実際の支給額が地方交付税で措置をしております額を下回っているというケースが多いということは私どもも承知しております。

 これは私ども、消防団の果たしている機能、その団員の果たしている役割等から見まして、やはり交付税で措置している額は最低限の額といいますか、これはあくまでも標準の交付税ですから、額でございますが、私ども消防行政を担う立場からは、是非この単価に即しまして引上げを図っていただくように機会あるごとに地方団体に対しましては要請をしているところでございます。

 

○榛葉賀津也君 これ年間三万六千五百円ですから、一日百円なんですよ。

 これ、消防団は、都合のいいときは消防団は、先ほど長官がおっしゃったように、ボランティアだから我慢してくれと、またあるときは消防団員は特別職の地方公務員だから言うことを聞きなさいと。これはますますやる気なくなる。決して我々は、そして現場の消防団員はお金のためにやっているわけではございません。しかし、せめてもの消防団員に対する敬意の表し方というのは、国が交付税措置で与えている三万六千五百円、きっちりと現場の消防団に手渡して感謝の意を表していく。消防団とはいえ、まさに命の危険をさらしてこれ防災活動をしているわけでございますから、これはきちっと指導をしていただきたいということを強くお願いをしたいというふうに思います。

 そして、消防団の強化策についてでございますが、増田総務大臣は以前岩手県知事の際に大変熱心に消防団に御理解をし、また御指導をいただいたんですが、現在消防庁では全国の消防団員を百万以上にしたいという目標を立てているというふうに聞いているんですが、百万人以上というのは平成元年以前の数字でございまして、つまりは二十年程度前の規模に戻すということなんですが、一体いつごろまでにこの目標を達成されるお考えでしょうか。

 

○国務大臣(増田寛也君) 今先生の方から消防団としての活動を大変実地に根差したお話を承ったわけですが、御案内のとおり、九十万をもう割るという大変深刻な事態になっておりますので、これをどのように増やしていくのか、後ほどまた御質問あるかもしれません、機能別団員の確保とかいろいろな手だてを講じていますが、いずれにしても、当面、ずっと右肩下がりで来ているものの傾向を変えたいということで、まず百万の大台に乗せようではないかと、これを目標として今私ども一生懸命取り組んでいるところでございます。

 いつごろまでかと言われますと、実はこれについて何年までにというところまで総務省あるいは消防庁として年数まで区切って明確な目標にしていない。この点についてはいろいろまたおしかりいただくかもしれませんが、百万というのはやはり一つの大きな節目の数でございますので、それに向けて、また何としてでもそこを目標にしてあらゆる施策を講じていきたいということで今考えているところでございます。

 長官の方にも常々言っているんですが、とにかく県それから市町村にも声掛けをして、我々も真剣に汗をかいて、そして現場の消防団員の方々の活動に報いることもしつつ、企業にも働きかけをして団員を確保していきたいということでございますが、御質問ということについてのお答えとしては、特に目標年限ということではなくて、大きな数値目標として今百万ということを掲げているところでございます。

 

○榛葉賀津也君 次に、消防団のサラリーマン化について若干触れたいんですが、今強化したいと、これから若干その具体的な点について御指摘をさせていただきたいんですが、まさに今、昭和四十年ごろは二割程度だった消防団員における被雇用者、サラリーマンの割合が現在では七割になっているんですね。その町に住んでいるんですが、勤務地が市外のためなかなか緊急招集のときに現地に来れないという状況になっているわけでございまして、これ消防車というのは最低四人集まらないと消防車を出せないものですから、最低四人はすぐ集まれるような状況になっていないと困るわけなんですが、サラリーマンが増えまして大変厳しいと。

 四人というのは、機関員といいましてポンプを操作する人、そして管槍員といいましてホースを持つ人、しかし、これ物すごい圧が掛かるものですから二人いないととてもホースを持っていられない、そして、火事場まで長い場合はホースを何本も連結するので、そのジョイントをチェックするいわゆるホース周りの人員が、これ四人いないと消防車出ないということなんですが、なかなか一つの分団で、サラリーマンばかりですぐ四人集まれないという状況で、消防団があってもなかなか有事に貢献できないパターンが多いわけでございますが、それをクリアする一つの対策として勤務地団員、いわゆるその町に住んでいないんだけれども、そこに働いている方々に消防団員になってもらおうという傾向があるんですが、これに対しての取組はどのようになっているんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいま委員からも御指摘ございましたように、現在の消防団員の約七割が被用者、サラリーマンでございまして、雇われている形でございます。

 したがいまして、こういった方々に消防団活動にまず参加していただき、あるいはいざあったときに活動していただくためには、事業主の方の消防団活動に対する理解がやっぱり不可欠でございますので、私どもとしましては消防団協力事業所表示制度というものを導入しまして、現在、これは昨年の一月からスタートしておりますが、これの普及を図っております。

 その中で、今お話ございました、消防団員はそこに居住している方あるいはそこに勤務している方もこれは団員になる資格は当然あるわけでございますので、いわゆる勤務地の、勤務地団員と言うとあれですが、いわゆる勤務地団員と言っておりますが、こういった方々も今の事業所の理解を得てこれから更に拡大していきたいと考えているところでございます。

 

○榛葉賀津也君 そこで、資料三を見ていただきたいんですが、ここで、人口では大きく違うにもかかわらず、岩手県と東京都では消防団員数が余り変わらない、つまりは都市での消防団員は極めて少ないと。例えば、岩手県では人口千人当たりに十七・〇三人消防団員がいるんですが、東京都はわずか一・九一人しかいないんですね。ここでもやっぱりサラリーマン勤務地団員を増やす必要があるなと思うわけでございますが、これ、消防団協力事業所表示制度などでインセンティブを与えているんですが、なかなか機能していないということなんです。

 そこで、先ほど加賀谷委員から御指導いただいたんですが、今朝のNHKニュースで、何と、長野県だと思うと加賀谷先生はおっしゃったんですが、そこの事業所が消防団員を出すことによってお一人当たり十万円の法人税を減額するというような措置をとられているというふうに聞いているんですが、消防法や建築基準法等で消火や防止のための規制というのは義務的に建物には課されているように、一定規模以上の事業所や防火対象物に一定割合の消防団員が常時いるというようなことを奨励して、都市部の火災や防災に対応していくと、既にある防火管理者制度や自衛消防組織制度等々を強化して、こういった法的な若しくは税面でのインセンティブを与えていくということも有用かと思うんですが、長官はどのようにお考えでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいま委員からもお話ございました長野県におきます法人、これは住民税だったと思いますが、の優遇措置、消防団員の一定数の、そういった消防団員を、雇用者の中に消防団員を持っている企業に対しましてそういったインセンティブを与えるということは極めて有効でありますし、私どももこういった制度が更に普及することを期待しているところでございます。

 いずれにしましても、先ほど申しました、私どもが進めております消防団の活動に理解をいただく事業所を拡大するためにどういうインセンティブを与えるのがいいか、これにつきましてもこれから幅広く、今の長野のケースも参考にしまして私どもも考えてまいりたいと考えております。

 

○榛葉賀津也君 公務員に対しての消防団員の入団についても若干質問したかったんですが、ちょっと時間がなくなったので私の方で指摘をしたいと思いますが、大臣が知事の際、岩手県で県の職員を消防団員に大変積極的に奨励して、大変パーセンテージも増やして、現在、岩手県では二万三千四百六十三人の消防団員のうち千四百六十七人、六・三%が消防団員になっているということで、同じ東京の三・五%に比べると大変高くなっているんですね。全国平均が七%ですから全国平均並みなんですが、こういった取組には敬意を表したいと思うんですが、ややもすると地方公務員に消防団員のしわ寄せが大分現実行っていまして、安易に公務員に頼り過ぎると、今度は公務員が有事の際に本来任務、役所の職員としての本来任務ができなくなりますので、このバランスも必要かと思うんですが、緊急的には公務員の消防団員化というのも、これ大変重要かなと思っているんです。

 そして、もう一点お伺いしたいんですが、外国人の消防団員の入団問題なんですが、長官、外国人は消防団に入団できるんですか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) それでは、私の方から外国人の消防団への入団につきましてお答えをさせていただきます。

 公権力の行使、あるいは公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには、日本の国籍を有することが必要であるという公務員に関する基本原則、いわゆる公務員に関する当然の法理と言われているものでございますが、これがございます。したがいまして、国家公務員のみならず地方公務員にもこれが適用あると従来から解されているところでございます。

 消防団員は、現行法令上、消防吏員と同様に一定の公権力の行使を行う権限を与えられておりますことから、日本国籍を持たない者を消防団員に任命するかどうかにつきましては、各市町村において、公務員に関する基本原則及び現行法令上消防団員に付与されている権限等を踏まえて適切に対処をしていただくことが必要であると考えております。

 

○榛葉賀津也君 端的にお伺いします。

 今、外国消防団員は全国に何人いらっしゃいますか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 私ども、外国人の団員数については把握をしてございません。

 

○榛葉賀津也君 この見解はずっと実は変わっていないんですね。先ほどおっしゃったように、消防団員は特別職の地方公務員と。で、公務員と国籍に関する明文規定はないんですが、一九五三年の内閣法制局見解や一九九六年の自治大臣談話で、消防団員は公権力の行使にかかわる公務員となるため国籍が必要という解釈なんですが、今おっしゃったように、地方の判断に任せていると。こういう問題を地方に言わば丸投げするべきではないと思うんです。きちっとこういった問題については消防庁並びに総務省の方で方針、指針を出すべきだと私は思っています。

 長野県の真田町には、オーストラリア国籍のトロイ・ビアードさんという青年が消防団としてボランティア活動していました。入団話が出た一九九六年、外国人でも消防団員になれるのかという幹部の声に自治省の返事は、良いとも悪いとも言えないが慎重に取り扱ってくれということだったそうであります。金沢市では、アメリカ国籍のリチャード・カーチスさんが九三年から二〇〇一年まで消防団に入団したんですが、市が国籍条項を適用して、団員ではなくて、消防協力者として火事現場にも行けなかった。訓練だけ、式典だけでということだったんですが。

 私は、こういった問題、地域総合防災力の充実方策に関する小委員会でもこの問題が取り扱われて、長官は、どのような勉強や研究がされているか、しっかりと勉強していきたいというふうにおっしゃっているんですが、いつまでも勉強しているだけでは駄目でございまして、とりわけ国際化がこれだけ進んで、静岡県浜松市は人口の三万人が外国人、私の町の人口の一〇%がブラジル人でございまして、こういった外国人を救ったり有事の際に避難させるためにも、私は、慎重に議論が必要かと思いますが、地域ボランティアではやっぱりある程度こういったものを認めていく必要があるのではないかと思います。

 確かに、公権力の行使にかかわる問題でございますから慎重に考える必要もあるかもしれませんが、是非、この問題は国際化の流れの中で、もう地域が国際化していますから、是非とも研究を進めていただきたいと思うわけでございますが、この点で、勤務地団員、それから外国籍の団員が実際います。今、います。こういった方々には団員報酬、出動手当、公務員災害補償、そして退職報償金、これは普通の団員と同様に支払われるということでよろしいですね。

 

○政府参考人(荒木慶司君) お答えの前に一点、先ほどの答弁の中で修正をお願いしたいと思いますが、私、長野県の税の優遇措置につきまして法人住民税と申しましたが、法人事業税の誤りでございましたので訂正させていただきます。

 ただいまの御質問でございますが、消防団の団員になるにつきましては先ほど申しました我が国の法制上の制約等がございますが、そういった状況の中で、地方団体の判断におきまして団員になるというケースがどういう場合にあるのかですが、私どもとしましては、若干、具体の権限行使のあれで公権力の行使と先ほど申しましたのでちょっと分かりにくいかもしれませんが、具体の例で申しますと、消防法の第二十九条という規定がございますが、この規定ですと、いわゆる消防活動中に破壊消防といいますか、火災を延焼を防ぐために破壊をするようなことが消防吏員、消防団員には権限として与えられていますが、まさにこれは公権力行使以外の何物でもないわけですが、こういったことも消防団員も法文上明確に権限が与えられていますので。

 先ほど来お話ございます機能別団員というものが、私ども、これを拡大したいと考えておりますが、例えば先ほどお話ありました浜松市の場合でありますと、そういった外国の住民の方が多いような地域でありましたら、災害があったときに、通訳とかそういう避難所での支援活動を行うようなそういった機能別団員というようなものがもし考えられるんでありますと、そういったところにそういった外国の方に携わっていただく、日本語も例えばブラジル語も堪能な方がおられればそういったようなことはあり得るかと思いますが。

 いずれにしましても、そういった方につきましては、先ほど来申しておりますように、団員になりましたら、今の仕組みによります様々なそういう手当とか、そういったものはまた各団体で適切に判断して対処いただければと考えております。

 

○榛葉賀津也君 すっきりしない答弁なんですが、地方自治体は困るんですね。勝手に、こういうときばっかり地方分権になってしまうんですけど、自分たちで判断しなさいと。ある程度やはり国として指針を出していく必要があると思います。

 国民保護に関して、消防団のかかわりについて質問したかったんですが、時間がないので、大変申し訳ありませんが割愛をさせていただきますが、一点だけ最後に指摘をさせていただきたいと思います。

 「なくてはならない国民保護」というパンフレットを総務省作りまして、「消防団・自主防災組織のみなさんへ」というパンフレットを作ってくださいました。感謝申し上げます。

 その中の見開き最初に「消防団員のみなさんへ」とありまして、「大規模なテロや武力攻撃が発生したとき、消防団のみなさんは、攻撃による危険がなく、安全が確保されたなかで、次のような活動を行います。」と書いてありますが、実際はこのような安全が確保されるという担保は私はないと思っています。消防団員も危険性がございます。そして、こういうものをはっきりと、消防団員も危険があるけれども、あるからこそ、上部団体や本省としっかりと連携を取って危険の回避に努めてくださいというようなことを書かないと、消防団はテロやこういった攻撃から全く安全なところで活動するんですよという誤解があるんですね。

 私、現実、イスラエルに三年間おりまして、連日、テロと遭遇しておりました。大体、爆発物が一回爆発して、消防士や警察が、やじ馬が集まったところに本格的な爆発がもう一回起こって死傷者を出すという、これテロの常套手段であります。

 そして、消防団員は火があれば真っ先に消しに駆け付けますから、ですから安全ですよということを言うよりも、事実として、危険もあります、しかし、だからこそ情報収集を的確にして適切な活動をしてくださいというようなことを言っていかないと、私は現場の消防団が誤解をし、また被害に遭うおそれがあると考えておりますので、是非また御指導いただきたいと思います。

 この点を指摘して、私の質問を終わります。

 

○吉川沙織君 民主党・新緑風会・国民新・日本の吉川沙織です。

 今日は、大きく二つの側面からお伺いをしたいと思っております。一つは今回の消防法及び消防組織法の改正に関する個別具体的な内容、二つは防災・救急無線に関する問題点並びに各種課題について、消防庁並びに総務大臣の見解をお伺いしたいと思います。

 まず初めに、危険物事故の防止対策についてお伺いいたします。

 昨年発生した新潟県中越沖地震でもそうでしたが、これまで地震の発生が少なかった地域においても地震が発生をし、日本全国であらゆる大規模地震が発生する可能性があるということが指摘をされています。大規模地震の発生により危険物施設が損傷し危険物が流出することになれば、環境汚染を引き起こすだけではなく、場合によっては大規模災害を引き起こし、社会的に甚大な被害を及ぼすことになります。

 さて、今回の法改正により流出事故について立入調査が可能となっておりますが、危険物施設における火災・流出事故件数は平成六年から右肩上がりに増加している状況です。その中で、流出事故における腐食等による事故のうち六割を占める地下タンク、地下配管の事故は特に早急な対応が求められます。調査は十分に行う必要ありますけれども、調査の先にある具体策が何より重要であり、実行することに意味があると考えております。何年以内にどのような具体策を講じていくのか、消防庁長官の見解をお伺いいたします。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防庁といたしましては、危険物施設の腐食による流出事故の防止対策としまして、まずは流出事故の約六割を占めております地下タンク、地下配管の流出事故防止対策につきまして、タンク等の種類、設置環境等、設置後経過年を勘案しました流出危険性についての評価手法を関係業界とも協力しまして一年以内に開発して、評価に応じた腐食等劣化対策を推進していきたいと考えております。

 さらに、今回創設いたします事故調査制度を活用しまして、関係業界とも協力して、適切な技術基準の見直し、点検技術の向上を図ってまいる所存でございます。

 

○吉川沙織君 今御答弁の中で、流出危険性についての評価手法を一年以内に開発するとのお話でしたが、評価に応じた対策とは何か、御説明いただければと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) これから開発します地下タンク、地下配管の流出危険性の評価手法は、危険物の流出するおそれの極めて低いものから流出の危険性が高いものまで数段階のレベルに評価することを検討しているところでございます。その評価レベルの中で危険物の流出するおそれが高いと評価される地下タンク、地下配管につきましては、詳細な点検調査をした上で、補修工事や取替えなどの措置について検討してまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 是非早く取組を進めていただきたいと思います。

 また、危険物施設の耐震化も、先ほど榛葉委員の方からお話ありましたけれども、大変重要であると考えておりますので推進をしていただきたいと思っております。

 屋外タンク貯蔵所についてはタンクの容量に応じて耐震化に向けた取組が行われておりますが、貯蔵所のうち最も数が多い地下タンクでは取組が不明確であると思います。先ほどの答弁の中でも定期点検の基準見直しというところには言及をされておりましたけれども、耐震化というところには言及されておりませんでしたので、屋外タンク同様、改修期限を定めて耐震化の取組を促す必要があると考えておりますので、是非取組を進めていただければと思います。

 次に、都道府県の即応体制等の強化についてお伺いいたします。

 今回の消防組織法改正案では、部隊配備、部隊移動に対する指示など、都道府県や知事に対する権限が重くなっています。機動力の強化を図ることを目的として都道府県知事の役割が高くなっておりますが、これに伴い、非常時の連絡体制や緊急参集の体制確立が求められることになると考えております。消防庁として都道府県や知事に対し具体的にどのような対応を行っていくおつもりなのか、見解をお伺いいたします。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 都道府県の即応体制等の強化につきましては、今後、法改正の際の通知におきまして、都道府県における総合的な危機管理体制の整備についてという平成二十年三月二十八日付けの消防庁国民保護・防災部長通知等に載っておりまして、一つ目には、都道府県総合防災訓練及び緊急消防援助隊ブロック合同訓練等におきまして、知事を本部長とする消防応援活動調整本部の運営訓練を行うなど、連携調整に図る訓練を積極的に実施すること。

 二つ目に、知事及び危機管理担当幹部等に常時連絡可能な体制を確保するとともに、知事が不在時の職務の代理者を事前指定するなど、状況に応じた判断、決定を適切にできる体制を確保すること。

 三つ目に、消防応援活動調整本部の運営に当たる責任者等については、庁舎近傍に居住する等により緊急参集できる体制を整備すること、これらにつきまして都道府県に要請する予定でございます。

 

○吉川沙織君 次に、消防本部体制の充実についてお伺いしたいと思います。

 総務省主導で行われております市町村合併により、平成十一年三月三十一日で三千二百三十二市町村であったものが今年の十一月一日には千七百八十四市町村となる見込みで、市町村数は激減しています。合併のピークは過ぎたものの、駆け込みで合併を行った自治体も見受けられ、そのような合併自治体では地域防災計画に関する議論が十分になされておらず、指揮命令系統の整備など消防防災体制が不十分であるおそれが存在します。また、何より地方自治体における厳しい財政状況により、これまでの消防本部体制を何とか維持していくことで成り立たせているというような現状もあります。

 消防本部に対する予算を付けづらい現状にある中、今回、法改正をするのであれば、予算、要員等の支援も同時に行わなければ現場対応と整合性が取れなくなると考えますが、消防庁の対応をお伺いいたします。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防庁といたしましては、消防力の整備指針を策定いたしますとともに、消防の広域化の推進により現場要員の増強を図るなど、予防要員を含め必要な消防職員の確保に努めているところでございます。今後とも、所要の地方財政措置の確保に努めますとともに、各市町村において消防体制の充実強化の必要性を認識しまして、地域の実情に即して必要な消防職員の配置が図られますよう適切な助言や支援を行ってまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 今、長官の御答弁の中で、消防の広域化の推進というお話ありましたけれども、消防の広域化の推進につきましては、平成十八年六月の消防組織法改正を受け、平成十八年七月に消防庁が市町村の消防の広域化に関する基本方針をお示しになっています。これによると、平成十九年度中に県は市町村消防の広域化に係る推進計画を定めることとなっておりますが、すべての都道府県でこの計画策定は完了しているのでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 平成二十年五月一日現在、三十一都道府県でただいまお話ございました広域化推進計画が作成されたところでございます。

 その他の府県におきましても、現在、広域化の組合せ等につきまして関係市町村と調整を行うなど、計画の作成に向けまして鋭意お取り組みをいただいているところでございます。

 消防庁としましては、引き続き推進計画の作成と計画に基づきます消防の広域化の実現に向けて必要な助言、支援等を行ってまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 私、てっきりこれ、四十七都道府県すべてで完了しておりますという御答弁がいただけるものと思っておりましたので、今三十一というお答えでしたから、ちょっとびっくりしております。

 平成十九年度の消防広域化支援対策というものが消防庁から出されておりますけれども、これに、都道府県の財政支援措置の中に消防広域化推進計画の策定経費という財政措置が講じられております。それにもかかわらず三十一都道府県でしかできていないということは、どういうことなんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの御指摘でございますが、私どもとしましても、この推進計画につきましては十九年度中の策定を期待しておったところでございますが、実際、四十七都道府県、鋭意お取組はもう十九年度からしていただいておりますが、そのうち三十一都道府県は市町村等との調整が付きまして計画の形でまとまったわけでございますが、他の団体も決して手をこまねいているわけでありませんで、大変御苦労をいただいて、今鋭意まとめるべく御努力をいただいているところでございますので、是非御理解いただきたいと思います。

 

○吉川沙織君 今の御答弁の中で鋭意という言葉が何回も出てきましたので、鋭意策定に取り組んでいただきますようお願いいたします。

 消防の広域化に関しては、広域化の期限自体を平成二十四年度までと定め、広域再編の目標規模の管轄人口をおおむね三十万人とされています。また、これに期待されるメリットとして、住民サービスの向上、人員配備の効率化と充実、消防体制の基盤強化を挙げておられますが、それまでは広域化の目安を人口十万人としていたことから、効率化を進めたいという側面があるのではないかと疑念を抱かざるを得ません。

 広域化によって住民サービスが現状より低下しないこと、不必要な広域化は進めるべきではないと考えます。そして、現場第一線で働く消防職員の皆様のことを十分配慮した広域化とするべきですが、何か御見解があればお聞かせください。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの吉川委員の御指摘はいずれもごもっともでございまして、私どもこの広域化は、やはり地域の住民の方々のためにこれはやるわけでございますので、消防力のパワーをアップしまして、広域化を図ることによりまして、いざ大きな事故、火災ですね、あるいは自然災害等があったときに地域住民を的確に守るために、やはり広域化ができるところはできるだけ規模を大きくしていただくことが大事でございますし、さらに、救急搬送等も消防で行っておりますが、こういった仕事につきましても広域化が図られることによって更に効率が上がりまして、地域住民のサービスの向上につながると、このように考えております。

 

○吉川沙織君 平成十八年の四月十一日、参議院総務委員会で、消防組織法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中でも、現場の消防職員に広域化の計画の策定に当たっては情報を開示し、意見の反映が図られるよう指導すること。あと、今回、広域化に伴ってもしかしたら統廃合ということにもなるかもしれませんが、現場第一線で働いておられる皆様に配慮をして安易な削減ということには至らないよう、お願いしたいと思っております。

 消防の広域化と併せて、消防救急無線の広域化、共同化の課題もありますが、消防救急無線は平成二十八年五月末日までにデジタル化されることとなっています。ここからは、救急無線も含めて防災無線整備の在り方について見解を伺っていきたいと思います。

 消防救急無線のデジタル化についてはいろんな問題が言われています。もちろんメリットもあるんですけれども、デメリット、費用が掛かるとかいろんなことがあります。具体的に言えば、一つ目、アナログと比べて到達距離が短いことによる基地局の増設問題、二つ目、デジタル無線は直進性には優れているが、山やビルなどの障害物を越えて電波が到達するのが困難であること、三つ目、完全デジタル化がすべての消防関係のところで完了するまで現行のアナログと併用して持っていなければならないという各種課題が山積しています。何より自治体財政に与える影響は大きなものですが、これに対する御見解をお伺いいたします。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防救急無線のデジタル化につきましては、御指摘のとおり、かなりの経費の負担がございますので、私ども、交付税措置の付きました地方債によります財源措置等を行いまして、地方団体が円滑に対応できるようにしてまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 財政措置を講じていただくことはもうもちろん言うまでもなくですが、先月、消防救急無線のデジタル化、周波数の変更に関して周波数割当て計画の一部を変更する告示案に対してパブリックコメントを平成二十年二月四日から三月五日にかけて総務省消防庁として取られていますが、これを拝見いたしましたところ、若干いろんな矛盾が存在するのではないかという感想を抱きました。

 パブリックコメントの期間が短くて余り知られていないことですから件数自体は少なかったんですが、いろんな意見がありました。総務省は、自治体にすごい負担があるから反対するという意見に対して、総務省の考え方として、消防救急無線のデジタル化に関する費用については、既存設備の更新のために必要な費用であり、全く新たに発生するものではないという見解をお示しになっています。

 ただ、先ほども申し上げましたとおり、全国の消防機関においてデジタル化が完了するまではアナログと併用しなければならないこと、そしてアナログとデジタルでは相互に互換性がないため無線機器の全面更新に多大な費用を要することなどいろんな問題があって、この新たに発生するものではないということについては矛盾があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防救急無線につきましては、現在、アナログのものが使われているわけでございますが、これにつきましては、国全体の仕組みとしまして平成二十八年までにデジタル方式に移行するということでございますので、当然、本来の更新の時期より早めてという団体もあるかと思いますが、いずれにしましても、そういった状況の中で新しいシステムに移行していただくということにつきまして、私ども各団体、実際の消防行政に支障が出ないように、地域住民の方々に的確な情報提供等ができるように、これに合わせて間に合うように整備をいただきたいと。先ほども申しましたが、そのための地方財政支援措置も講じてお願いしているところでございます。

 

○吉川沙織君 是非しっかりやっていただきたいんですが、これデジタル化するに当たって消防救急無線の機器の仕様を決めていかなければなりません。とある県の広域推進計画を見ておりますと、消防庁からまだ詳細な仕様が提示されていないから検討ができないというようなことも書いてありました。この仕様についてはもう決定されているんでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 機器の仕様につきましては、平成十九年度に消防庁におきまして、全国消防長会、消防本部、メーカー等の関係の方々の御協力を得ながら、共通仕様書の検討会を開催しまして共通の仕様書をまとめたところでございます。現在この詳細の確認を行っておりまして、今月中には都道府県消防本部等へ情報提供をさせていただきたいと考えているところでございます。今月中には行いたいと思っております。

 

○吉川沙織君 是非、周知徹底と、それからやはり財政負担が大きくなることは言うまでもない事実ですので、国の責任でやるべきところはしっかり財政措置を講じていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。

 次に、今までは消防救急無線でしたけれども、これから都道府県防災行政無線のデジタル化についてお伺いを一点させていただきます。

 今まで話題としていた消防救急無線は平成二十八年五月末日までに完全デジタル化、そして地上放送に関しては平成二十三年七月二十四日までに完全デジタル化と明確に期限が決められております。都道府県防災行政無線に関しては、一般的に余りなじみのないものですが、昨年十一月三十日がアナログの使用期限でした。昨日、電波法改正の本会議質問で、都道府県防災行政無線の完全デジタル化がすべての都道府県において完了したのか否かを総務大臣にお伺いしたところ、ほぼ完了という表現でかわされてしまいましたが、具体的な移行状況を改めてお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(増田寛也君) 昨日も申し上げたこととの関連で申し上げますと、昨年の十一月三十日までに期限が来ているというのは周波数帯では六十メガヘルツですね、六十メガヘルツ帯のアナログ方式を採用している防災行政無線があるわけでございますが、これ六十メガヘルツ帯は、今後、市町村で地域住民にいろいろ避難等を呼びかける防災行政無線があるわけですが、こちらの方に使うことにしておりますので、十一月三十日という期限を設けて、そこの周波数帯を空けていただこうということで期限を区切っております。

 これにつきましては、まだ、昨日申し上げましたとおりほぼということで、残っているところがあるんですが、これは三道県ございまして、一つは北海道、それからもう一つは福島県、それからもう一つは静岡県と、この三道県が残っているところでございます。

 これにつきましては、実はそこからいろいろと総務省の方で移行の予定時期をお聞きをしているところでございまして、これは財政状況等も関係があるわけでございますが、今、北海道からは平成二十三年の十一月末、これが一番遅い期限でございます。それから、次に福島県からは平成二十三年三月末、それから静岡県は平成二十二年十一月末までにはここの周波数の移行を完了させると、こういうお話を伺っております。

 私どもではできるだけ早く移行していただきたいということを言っているわけですが、先ほど先生の方からも少し御関連で話がありました、ちょうど更新時期が、この機器の更新時期がこの時期だということがあって、いろいろ御苦心いただいて前倒しをしていただいているというふうには聞いておりますが、それとの関係でこの時期まで今のものを使わせていただきたいと、こういうことのようでございます。

 また、今後、いろいろ三道県ともお話合いをよくさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。

 

○吉川沙織君 平成十九年十一月末日が期限でしたので、やっぱり二十二年、二十三年というのは若干ちょっと遅いのかなという気がします。

 また、懸念といたしまして、都道府県防災行政無線、十九年十一月末でも、結局、最終的に完了するのは二十三年という御答弁を大臣からいただきましたけれども、ほかにも期限を決めているデジタル化というのは、先ほど申し上げましたとおり、地デジ、消防救急無線に関しても期限が決められています。更新の時期がちょっとずれるからということでこれが完了しないということになれば、何のために期限を区切っているのか分からなくなってしまう可能性もありますので、大臣の責任でしっかりやっていただきたいと思っております。

 次に、市町村防災行政無線の整備状況とデジタル化についてお伺いしたいと思います。

 市町村の防災行政無線は、市町村庁舎等から住民に対しスピーカー等で緊急情報等を迅速かつ確実に伝達することができるものであり、住民の皆様の命を守る有効な手段の一つです。しかしながら、市町村防災行政無線の整備状況は、現在約七五・二%にとどまっている状況です。様々なシステムを整備しても、地域住民に届かなければ意味がありません。また、残る二五%の整備について、消防庁としてどのような方針で取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいま御指摘の同報系の市町村防災行政無線につきましては、お話にございましたように、現在の整備率、十九年三月末でございますが、七五・二%でございます。これもまだ七五%の水準でございますが、着実に整備率は向上してきているところでございます。

 私どもとしましては、この整備率を更に向上させますために、財政措置としまして、地方債が充当できます防災基盤整備事業の対象としまして、財政面でも優遇措置を講ずるようにしているところでございます。

 いずれにしましても、地域の住民の方々の安全を守るために極めて有効な施設でございますので、この同報系の無線の整備につきましてはこれからも一層の整備促進に努めてまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 着実に進展をしているという御答弁でしたけれども、それでもまだ二五%の市町村で同報系の防災無線、緊急情報があったり災害情報があったりして、それが流れてこないという状況にあります。今まで都道府県と消防救急無線のお話してまいりましたけれども、市町村防災行政無線に関しては期限が定められておりませんが、できるだけ早期にデジタル化することとされております。

 これ、どの程度の期間でデジタル化を行っていくと見込んでおられるんでしょうか、また、アナログですら未整備の地域が二五%あることと併せてお伺いしたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの同報系の無線の整備につきましては、特に年次的な計画は設けておりませんが、現在、地方団体も財政状況大変厳しい中に各団体は置かれているわけでございますが、やはり住民の方々の命を守るために必要な無線でございますので、私ども、先ほど申しました財政措置等を活用しまして、できるだけ早く取り組んでいただくように、まあ期限を設けてということになかなかなじみにくい面もございますので、地方団体においてできるだけ優先的にお取り組みいただくようにお願いしてまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 ちょっと質問のさせていただき方が悪かったのかもしれませんが、市町村防災行政無線、同報系でもまだ二五%整備をされていないところがあります。一方で、市町村の防災行政無線に関してもデジタル化をしていく方向が国の方針で打ち出されています。

 ですから、アナログも、デジタルももちろん、未整備のところに関しては、取りあえず今現行でほとんどのところで使われているアナログの同報系の無線を整備をするのか、それとも直接もういきなりデジタルのものをゼロから一として入れていくのか、その方向性についてお伺いしたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの点につきましては、いずれにしましても、平成二十八年にデジタル化に移行ということになりますので、これから新たに取り組むということでありましたら、経費的な面で多少の負担が大きくなるかも分かりませんが、アナログではなくデジタルの方でやっていただくことが望ましいというふうに思っております。

 

○吉川沙織君 デジタルのメリットを考えればもちろん促進はしていただきたいんですけれども、先月、富山県のとある町で、工事費二億四千六百七十五万円を掛けてデジタル防災無線を導入したという報道もございます。自治体財政の厳しい折、国として、さっき答弁の中にもありましたけれども、ちゃんと財政措置、デジタルはデジタルのメリットがある、情報は住民の方に伝えなければならない、そういう観点も含めて、消防庁長官として決意を伺いたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 様々な観点からいろんな御意見、御指摘いただきましたが、いずれにしましても、災害への対応、地域住民の命を守る上でこの防災のための無線、消防防災無線ですね、極めて重要でございますので、私ども、地方団体の御意向をよく伺いながら、必要な財政措置等を的確に講じてまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 是非取組をしっかり進めていただきたいと思っております。

 ちなみに、昨年二月からは全国瞬時警報システム、Jアラートが運用されており、同様に、昨年の十月一日からは緊急地震速報が一般運用を開始されています。この緊急地震速報をJアラートで市町村防災行政無線から流すと発表されております。しかしながら、Jアラートも受信環境を整備しなければならないという問題があり、五月一日現在で、いただいたデータによると、全国中で五十九市区町村でしか受信ができなという状況もあります。

 国民保護法に想定された緊急事態が発生してJアラートによって警報を流したとしても、受けられる環境がなければ意味を成さないということもありますので、このJアラートについて、これは通告しておりませんので感想だけで結構なんですが、このJアラート、今後の取組、消防庁長官として御見解があれば、お伺いしたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートでございますが、これにつきましては、まさに現在整備が進みつつあるところでございまして、ただいまお話ございましたように、まだ多くの団体で整備がされている状況ではございませんが、今年度中には約四百の地方団体で整備がされるという予定になっておりますので、私ども、この四百団体を二十一年度以降更にできるだけ早く増えていくように努力してまいりたいと考えております。

 

○吉川沙織君 このJアラートに関しては取組が早く進んでいるようですので、本当にうれしく思いました。いつ何があるか分からない災害、いつどのような事態が発生するか分からないいろんな国際の状況もありますので、是非一層の取組を進めていただければと思っております。

 今日は、消防法及び消防組織法の改正に関する具体的な内容、それから消防救急、それから地方防災無線についての観点からお伺いをさせていただきましたが、いつ何があるか分からない日本、全国のこういう状況がございますので、消防庁長官、そして総務大臣がリーダーシップを発揮して、国民の皆様の安全が保障されるような取組、政治をやっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

 

○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔でございます。

 総務委員会の正常化につきましては、高嶋委員長ほか理事の皆さん、早速御尽力賜りまして、また与野党の委員とも非常に総務委員の皆さんは寛大な人が多いので、大変うれしく思っております。今日は、そういうことで、政策論に集中して質問をさせていただきたいと思います。

 まず、ミャンマーのサイクロン被害、そして四川大地震の問題、私は本当に被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 その中で、特に四川の大地震はちょっと想像を絶するような被害の規模に今まだなりつつあるような状況でございます。これは他人事でもないわけでございまして、地震国の日本、またいつ大地震が来るか分からないわけでございますが、このまだ詳しい状況は分からないと思いますけれども、やはり日本の震災対策、しっかりとやっていかなければならないと思います。その点について、最初に総務大臣の御決意を伺いたいと思います。

 

○国務大臣(増田寛也君) 先日の四川大地震でございますけれども、大変多くの方が犠牲になられたということを伺っているところでございまして、私からも心からお悔やみと、そしてまた被災に遭われた皆様方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 そして、翻って我が国を考えますと、東海地震、それから東南海・南海地震、首都直下地震を始めとして地震大災害の危険性ということが言われているわけでございまして、こうしたものについて地震防災対策特別措置法で今基本的には国としての対策、それから各自治体の対策、あるいは各企業、そして住民の皆さん方の心構えといったようなことで、いろいろ対策を講じてきているところでございますが、今回の中国のこの大震災、まだ全貌がもちろん分からないわけでございますけれども、そこから新たに酌み取れる教訓というものも今後出てくるのではないかと、こういうふうにも思います。

 いつ何どきこうしたものが起こるか分からないわけでございますが、一方で、常日ごろからの備えというのが大変大事でございますし、そのために、政府が九月一日に、そして各地方団体も地域住民の皆さん方の御協力をいただきながら、それぞれの県、市町村で防災関係の避難訓練等を逐次重ねてきて備えているわけでございますが、こうした近隣の諸国で起きております災害をかんがみるに、一層気を引き締めて、そして何よりも地域の皆さん方、住民の皆さん方に的確な周知啓発、そして御協力をいただいて、いざというときの備えをしていくということが大事でございますので、また、今回のことを新たに目の当たりにいたしまして、一層そうしたことに緊張感を持って、そしてしっかりとした対応をしていきたいと。新たに今回のことを契機にというものもあれで、常日ごろからの心構えが大事でございますが、しかし、また一層気を引き締めて今後に備えていきたいと、このように思っているところでございます。

 

○礒崎陽輔君 とにかく震災対策、我が国は非常に重要でございますので、是非御尽力を賜りますようによろしくお願い申し上げます。

 法案の質問をしたいと思いますけれども、危険物施設における事故が、先ほど御指摘にあったけれども、平成六年が一番少なかったわけでございますけれども、それから比べると火災で二倍、流出事故で二・二倍、平成十八年度にはなっておるわけでありますけれども、こんなに増加した原因はどういうふうに分析なさっていますでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 近年の事故件数の増加の理由でございますが、高度経済成長期に建造されました危険物施設の老朽化に伴うもの、あるいは、長引いた不景気や国際競争の激化などによりまして企業における保安部門への投資が削減されていること、こういったことが考えられるのではないかと思っております。

 

○礒崎陽輔君 今回の消防法の改正で危険物流出事故について、原因調査のため市町村長等に対しまして質問権であるとか資料の提出命令権、立入検査権等を与えるということとなっておるわけで、これは大変いいことだと思いますし、大賛成であるわけでありますが、じゃその調査した結果をどう扱うかということもまた大事だと思うんですが、もし調査をした結果いろんな問題が見付かったときにはどういうような後手続でそれを是正していくことになっているんでしょうか。少し具体的に教えていただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 今回の消防法の改正によりまして事故の正確な調査が行われることになりますので、危険物の流出等の事故の発生原因やその対策についての情報をこれからは十分に蓄積することが可能となるというふうに思っております。集積しました情報につきましては、危険物事故データベースに登録をいたしまして、これを公開しまして全国的に共有すると。また、それによりまして消防機関の日常の活動の上で御活用いただけるということになります。また、国として危険物施設の技術基準や検査あるいは点検方法の見直し、こういった際にもこれが有効に活用できるんではないかと考えております。

 いずれにしましても、このように調査結果を今後適切に活用することによりまして、類似の事故の再発防止に努めてまいりたいと考えております。

 

○礒崎陽輔君 今の言ったことで是正措置が講じられるということでございますけれども、調査によりますと、大型の屋外タンクの八割は昭和五十二年以前に設置されたものでありまして、また地下タンク貯蔵所は、過半は設置後もう既に三十年以上経過しているということが既に分かっているわけですね。それでまた、先ほどの流出事故の原因も老朽化が多いという既に御指摘をいただいておるわけであります。

 そういうことを考えますと、先ほど榛葉委員の方からもお話がありましたけれども、原因調査ももちろん大事なんでありますけれども、やはりタンクそのものが危ないわけですから、もうタンクの改修をさせる、それはやっぱり抜本的に対策を講じていくということもきちんと打ち出さなきゃならぬのじゃないかと私は思っております。

 先ほどの答弁では、アクションプランというようなものも作るというお話もありました。いろんなことが必要でありますけれども、もうちょっと、やはりタンク火災というのは非常に被害も大きいものと考えられますから、もっと積極的にタンクの改修ということを具体的な日程に上げていく必要があるんではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 昭和五十二年以前に設置されました容量が一千キロリットル以上の屋外タンクにつきましては、耐震性の向上等を目的としまして平成六年に技術基準を強化いたしまして、期限を定めて改修を促進しているところであります。また、容量が五百キロ以上一千キロ未満の屋外タンクにつきましては、同じく耐震性の向上等を目的として平成十一年に技術基準を強化しまして、期限を定めて改修を促進しているところでございます。

 若干具体に申しますと、容量一万キロリットル以上のタンクの改修期限につきましては平成二十一年十二月末となっておりまして、平成十九年三月末現在で、新基準適合が必要なタンクが一千七百七十九基ありますけれども、そのうち八六%に当たります一千五百三十三基が改修済みとなっております。

 次に、容量が一千キロリットル以上一万キロリットル未満のタンクの改修期限は平成二十五年十二月末となっておりまして、同じく平成十九年三月末現在で見ますと、新基準適合が必要なタンクが全体で四千四百五十二ありますが、そのうち五七%に当たります二千五百三十七基が改修済みとなっております。

 また、五百キロ以上一千キロリットル未満のタンクの改修期限は平成二十九年三月末でございますが、こちらにつきましては十九年三月末現在で、新基準に適合が必要なタンクが三千六百三十三ありますうち、こちらにつきましてはまだ二〇%でございますが、二〇%の七百三十四基が改修済みということでございます。

 消防庁では、平成十六年に改修期限を二、三年繰り上げるように政令を改正したところでございまして、改修促進に努めているところであります。引き続き、消防機関への助言等によりまして屋外貯蔵タンクの改修促進に努めてまいりたいと考えております。

 また、地下タンクにつきましては、タンクの種類あるいは設置からの経過年数、設置環境等、これらを勘案しまして、流出危険性についての評価手法を関係業界とも協力いたしましてこの法改正を受けまして一年以内に開発しまして、評価に応じた腐食等劣化対策を推進してまいりたいと考えております。

 

○礒崎陽輔君 是非タンクの改修も進めていただきたいと思います。

 万が一の事故が起きた場合の対応なんですけれども、数年前に苫小牧でタンク火災がありました。これは幸運なことに人災はなかったと記憶しておるんですけれども、数日間消えなかったわけですね。あのときも消えなかったものですから、泡消火剤というんでしょうか、もう消火剤が途中でなくなるという危険性が生じたわけでありまして、もう日本国内探しても余りないと。どこかにないかというので、米軍が持っておるんじゃないかという話になりまして、外務省に頼んだけれども外務省は全然動かないものですから、たしか消防庁の防災課長が直接米軍まで電話して、使ったかどうかはちょっと聞いていないですけれども、そういうこともあったんですけれども。

 やはり、そういうタンク火災があると通常の消火剤じゃ足らなくなる、そんな事態もあるわけですけれども、そういうことはもちろん消防庁御承知だと思うんですけれども、その後、消火剤の備蓄とか緊急時の供給の仕方、これどういうような対策を講じられたのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防庁におきましては、平成十五年の十勝沖地震によります浮き屋根式タンクの全面火災を受けまして、石油コンビナート等災害防止法の一部を改正したところでございます。これによりまして、大規模な浮き屋根式タンクを所有する特定事業者は、平成二十年十一月末までに大容量放射による消火システムの配備が義務付けられたところでございます。この十一月までに配備をしなければならないということになっております。

 この大容量泡放射システムでございますが、これは従来の防災資機材と比べますと三倍ないし十倍の泡を放射しまして高い消火性能を有するものでありますことから、迅速な消火が期待できるところであります。また、消火用の薬剤量も百二十分継続して放射が可能な量の備蓄を義務付けているところでございます。さらに、今年度、近隣ブロックが保有します消火薬剤を含めた大容量泡放射システムの相互活用につきましても検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

○礒崎陽輔君 ありがとうございます。

 じゃ次に、緊急消防援助隊の方の質問をしたいと思います。

 本当に緊急消防援助隊はもう目覚ましい活躍をやっていて本当に感謝をいたしております。特に中越地震のときの男の子の救出、いろんな被害がありましたけれども、その中でも本当にあのシーンは我々もまぶたに焼き付いておりまして、本当に緊急消防援助隊の活動というのはすばらしいなと私も思っているところではあります。

 ところで、緊急消防援助隊は、もう被災地に行ったらそこの市町村長の指揮下で活動をするということになっているわけであります。そのとき思ったんですけれども、現場では内閣府の指揮所ができていまして内閣府の人もいろいろ働いていたんですけれども、私の知っているところでは、内閣府の防災は各省庁間の調整をする、中央省庁の調整をするのが内閣府であると。消防庁は何をするかというと、都道府県、市町村の調整をするのが消防庁であると、そういう役割分担が決まっていると思うんですけれども、どうも現場まで内閣府が、それは行かないわけにいかないとは思うんですけれども、どうも内閣府の防災の役割と消防庁の役割よく分からないなといろんな人から御質問いただくんですけれども、ああいうところでの役割分担というのは一体どのようになっておって、またどのように調整をしておるんでしょうか。

 私は、現場のことを分かっているのはやはり消防の方だと思うものですから、余り、消防は遠慮しておるんではないかという気もいたしますので御質問するわけでございますけれども、ちょっとお考えなり御説明をいただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいま委員御指摘のとおり、大規模災害時におきましては、緊急消防援助隊を始め警察や自衛隊、医療機関など被災地で災害対応に当たる様々な機関同士の相互の連携が非常に重要になると考えております。このため、今回の消防組織法の改正におきましては、消防応援活動調整本部を設置しまして、他機関との連絡を円滑に行いまして相互の活動調整を図るということにしているところでございます。

 また、内閣府と消防庁との役割分担でございますが、内閣府は各省庁間の総合調整の役割を担っております。一方、消防庁は国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡調整の役割を担っているところでございます。

 大規模災害が発生しました際には、被災地と政府の災害対策本部の連絡調整及び被災地における機動的かつ迅速な災害応急対策推進体制の確立のために現地の対策本部が置かれることになるわけでありますが、その場合にはそのメンバーに消防庁も入るということでございます。したがいまして、そこは有機的に、消防庁も決して遠慮せずにそちらにも入って、あと、地方と国との連絡あるいは地方団体間の調整、こういったことも併せてやるということでございます。

 また、政府の総合図上訓練等に際しましても、政府の災害対策本部と現地の災対本部の連携について訓練を実施するなど、できるだけそういったことが円滑に調整ができるように取り組んでいるところでございます。

 

○礒崎陽輔君 今回の改正の中で、被災市町村が二以上に及ぶときは都道府県知事が緊急消防援助隊の活動に関し総合調整をできるということにする、これはもちろん大賛成であるわけでありますけれども、どうもやっぱり消防というのはいつまでも市町村消防という殻からなかなか抜けれない。私は、前も質問いたしましたけれども、少しやはり都道府県消防という方向へ向かってもっともっと積極的に動くべきではないかと思うわけであります。

 平時の話はまた場所を変えて御質問をさせていただきたいと思いますけれど、こういう災害時、特に大災害時も市町村長の下で緊急消防援助隊が活動するということでいいのかどうか、私はやや疑問があります。

 ただ、原則はそれでもいいと思うんですけれども、ただ、ここはせっかく今回いい調整をする、法令改正をするわけですね、二以上に及ぶときは都道府県知事に総合調整権が及ぶ、これはいい改正だと思うんです。ただ、今回の法案を見てみますと、その総合調整できるのは、ただA市町村におる緊急消防援助隊がB市町村へ行けというだけではなくて、もっといろいろその活動内容についても調整できると、必ずしも移動だけの話じゃなくてもっと広範な総合調整権が実際与えられておるわけなんです。

 そうであれば、一つの市町村の災害であっても、ほかの県から緊急消防援助隊を呼んでくるというのは、それは多分大災害だと思うんですね。それは一とか二とか言わなくて、そういう大災害のときにはやはり都道府県知事がもっと消防についても前面に出るようにしたらどうかと私は思うわけなんです。

 今回は二以上というふうなことで、まだ市町村の指揮権に対してこれは御遠慮なさっておるのかどうか分からないんですけれど、やっぱり大災害のときは都道府県でもいいんじゃないかと。今回は二以上ということでありますけど、仮に一の市町村であっても、こういう大災害のときは他県から緊急消防援助隊を呼ばなきゃならないようなときには総合調整権を都道府県知事に与える、そういう改正を検討してもよかったんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 今回の法改正では、被災市町村が二以上に及びます場合に、この場合には都道府県知事の指示によります緊急消防援助隊の部隊移動の必要が生じますことから、特に消防応援活動調整本部を設置しまして、都道府県知事の総合調整が円滑に行われるような体制を整えることとしたところでございます。

 今お話ございますように、被災が一の市町村の場合には他の市町村への部隊移動の必要がないということもございまして、この本部を設置することとはしておりませんが、そういった場合におきましても、都道府県知事が被災市町村に対しまして防災上必要な調整を適宜行うということはできるわけでございますので、そういった形で消防応援を円滑に行っていただきますよう、県としても適切に御対応いただきたいと考えております。

 

○礒崎陽輔君 御趣旨は分かりましたけど、先ほど言いましたように、我々総務委員会は地方分権をやっておるところでありますから地方分権は徹底せにゃいけませんけれども、事災害に関してはやはり少し、市町村に対する都道府県、都道府県に対する国、こういったものは、しっかりとやはり上位機関がもっと責任を持つ体制を私は取るべきだと思いますので、また次の機会に御検討をいただきたいと思います。

 少し、先ほどから出ている国民保護についてお伺いをいたしたいと思います。

 たしか市町村の国民保護計画の作成の、期限というのはあったのかどうか知りませんけれども、ぼちぼちそういう段階ではないかと思うんですけれど、多くの市町村で既に市町村国民保護計画が作られておると思います。それに当たって、県を通じて消防庁にもいろいろ御質問が来ていると思うんですが、どういう御質問が来ていて、市町村が国民保護計画を作るに当たってどんなところに苦労しているのかというようなお話をちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 市町村国民保護計画につきましては、消防庁として平成十八年一月にモデル計画を提示しまして、市町村向けの説明会に職員を派遣するなどいたしまして、その作成を支援してきたところでございます。また、各都道府県におきましても、説明会を開いたり、あるいは個別に市町村を訪問するなどしていただきまして、この計画の策定に積極的な支援をいただいてきたところでございます。

 市町村国民保護計画の作成に際しましては、原則として都道府県において助言等が行われておりますので、市町村から問い合わせは基本的には都道府県にございますので、私ども都道府県の方に今の御質問の点、確認、聞いてみましたところ、どんな問い合わせが多いかというまず点でございますが、具体的な事案に応じた警報伝達や避難住民の誘導等の在り方、この辺をどう扱うか、それから、警察、自衛隊、医療機関、電気通信事業者等多くの関係機関との実効性のある連携をどう図るか、それから高齢者や障害者等に対する配慮をどう講じるか、どう配慮していくか、さらには大都市や山間部等の地域特性に留意した対応方策をどうするか、こういった点についての問い合わせが多くあったというふうに伺っております。

 また、計画策定に当たって苦心されている点としましては、住民に対して国民保護の必要性や具体的な事案等を理解してもらうことがなかなか困難であること、あるいは武力攻撃事態等に対して被害想定や具体な警報や通報の在り方について専門的な知見が必要であるということ、あるいは市町村は政令市から小さな町村まで規模も様々でございますのでその体制の整備をどう図ればよいか、特にこれは規模の小さい町村からの御意見かと思いますが、こういったことについて苦心があるというふうに伺っております。

 

○礒崎陽輔君 それで、今の市町村国民保護計画の作成、大体のところでは完了しておると思うんですけれども、まだちょっと未着手のところもあるというようなことも聞いておりますが、現在の市町村国民保護計画の作成状況はどうなっていますでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 平成二十年四月一日現在、全市町村、これは特別区を含みますが、千八百十一団体のうち千七百八十七団体におきまして国民保護計画が策定されております。作成率は九八・七%でございます。

 未作成の市町村が二十四団体ございますが、二十四団体のうち計画内容の検討に着手されていない、未着手の団体が七市村ございまして、具体的に申し上げますと、東京都の国立市、千葉県の長生村、新潟県の加茂市、沖縄県宜野湾市、石垣市、沖縄市、読谷村の七市村でございます。

 未着手の団体につきまして、その理由を伺いますと、国立市におきましては、災害対策基本法に基づく地域防災計画の策定を優先しているというためでございます。また、それ以外の団体におかれましては、首長さんやあるいは議会において慎重な姿勢を示しているというふうに県を通じて伺っているところでございます。

 

○礒崎陽輔君 未着手で、まだのところは二十四団体あるけれども、全く着手していないところが七市村あるということなんですね。

 国民保護法は、言うまでもなく、これはもう与野党ほとんどのところ、衆議院で九六%の賛成、参議院で九三%の賛成、全会一致に近い賛成を得てできた法律でございますし、これはもちろん有事あるいは大規模テロに備える法律でありますから、これができていないというのは大変私は困ったことだと思うんですね。いろいろ理由はあるんですけど、やはりどうも首長さんの姿勢とか思想的な背景からやっていないというところも見られるわけであります。

 ただ、それじゃ困るんだと思うんですね、法律で決まって、各市町村は国民保護計画を作らなければならないというようなことになっているわけですから。それで、万が一の有事に備える法律であります。有事といっても、これは戦争だけではなくて大規模テロもこの法律はもう入ったわけですから、それに備えるための計画ができていないなんかいうことは、これはもってのほかだと思うわけであります。そこは、そういう市町村では、市町村長さんの、市町村長を選んだのがそこの住民だといえばそうなのかもしれませんけれども、ただ、その市町村長さんの考え方、一人ですべての住民の保護に問題が生ずる、そんなことがあっては絶対に私はいけないと考えます。

 これは、総務大臣として、これはきちんとやはりそういう市町村に対して指導していただかないといかぬと思うんですが、どのような、大臣、お考えをお持ちでしょうか。

 

○国務大臣(増田寛也君) この問題は、確かに、先生お話がございましたとおり、市町村が国民保護の措置を講ずるために必要な不可欠な計画でございますので、是非作成をしていただきたい、御理解いただかなければならないものだと私は思っております。

 そこで、こうしたものについて、これは都道府県、市町村、よく協議して作るということになっておりますが、都道府県に対してそうした計画作成未着手のところに、例の協議会の速やかな設置を促すなど的確な助言を行うように要請をしてきてまいりました。そうしたことでいろいろ働きかけをしてきていただいたわけでございますが、今七つばかりがまだ御理解いただけていないということでございますので、今後、是非お作りいただきたいということで、都道府県と密接に連携をしながら働きかけをしていきたいと、総務省として必要な情報提供、助言を行って、そして是非御理解いただくように今後も努めていきたいというふうに考えております。

 

○礒崎陽輔君 先ほども言いましたように、やはり法律で決まっておることが守られないというのはこれは大変なことでありまして、当然それはやってもらわなければならないわけであります。国民の保護というのは、すべての国民の生命、身体、財産を守るために全国的に策定してもらう計画でありますから、これはもう総務省、消防庁等それぞれしっかりとこれは指導してもらわなければならぬと思います。

 これは今答弁を求めるとあれですけれど、最終的には、これは地方自治法上の法定受託事務ですので、地方自治法上の措置もとれないことはないと思います。まだ今が期限ぐらいですから、今すぐそこまでやらなければならないということは私も今日のところは申し上げませんし、質問もいたしませんけど、これは最終的には法定受託事務としてきちんと地方自治法上の大臣なり都道府県知事の措置がとれるような法制になっておるわけですから、その辺の仕掛けをどういうふうに考えるかということは、是非消防庁としても御研究はしていただきたいと思います。これは、とにかく国民の生命、身体、財産を守るための大事な法律ですから、是非実質的なところで生かされるよう御尽力を賜りたいと思います。

 また、先ほど最初に申し上げました特に震災対策、非常に重要でございます。今回の四川大地震、今からいろんな情報が入ってくると思いますので、情報をしっかり集めていただいて、今後の我が国の震災対策、しっかりと強化していただきたい、そのようにお願いをいたしておきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 

○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。

 私も、先ごろのミャンマーのサイクロン被害、そしてまた中国四川省の地震、もう立て続けに大災害が起こったわけでございまして、甚大な被害が発生しているということで、本当に、お亡くなりになられた方々に対しましては心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、行方不明の方もたくさんまだいらっしゃるということで、早期の救出、そしてまた負傷された皆様、また不便な生活を強いられている皆様には心からお見舞いを申し上げる次第でございます。

 それで、日本におきましてもいつこうした大災害起こるか分からないということで、今回の法改正は発生の切迫性が指摘されています大規模地震への事前対応の一環として行われるものと理解しておりまして、大規模地震が発生して多くの命が失われてから対処するというのでは遅いと。その意味では、今回の法改正というのは前向きに評価したいというふうに思うわけでございます。

 昨日、中央防災会議専門調査会で発表されたんですけれども、近畿直下型が起きた場合は、死者四万二千人、経済被害は七十四兆。中部の場合は一万一千人、三十三兆。首都直下が一万一千人で百十二兆云々、東海とか東南海出ておりますけれども、大変な被害が予想されるわけでございますけれども、先ほど大臣の決意もございましたが、災害や事故などの事案が発生する前に対処するという姿勢というのは非常に大事だと。

 消防庁としまして、法改正が行われた後も法律の運用が万全であるか常にフォローアップしていく必要があると考えますけれども、消防庁長官の御見解を伺いたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 国民の安心、安全の確保は我が国の経済社会の基盤であります。これを守ることは国家の基本的な責務であると考えております。

 東海地震や首都直下地震等の切迫する大地震対策として今回の法案を提出させていただいているところでございます。

 今回の改正でございますが、消防防災体制の充実強化策として都道府県知事や市町村長の権限を拡充するものでありまして、制度の施行後におきましては、都道府県の防災訓練や消防機関による日常の予防・警防活動などを通じまして、また新たな課題も出てくるのではないかと考えているところでございます。

 消防庁としましては、今後、これらを、新たに出てくる課題を真摯に受け止めまして、しっかりとフォローアップをしまして、消防防災体制の更なる充実につなげていきたいと考えておるところでございます。

 

○弘友和夫君 それで、今回の改正案は、漏えい事故が起きて火災に至らなかった場合も事故原因の調査をすることができるというようなことで、先ほども危険物等事故防止対策情報連絡会を消防庁で開催しているとか、アクションプランを取りまとめているとか、官民一体でやっているということですけれども、危険物の流出事故というのは十年間で、先ほどもございましたけれども、約二倍になっていると。そういう原因というのはどういうふうに考えられているのか。

 また、危険物事故のデータベースを構築しているというお話がございましたけれども、このデータベースは半年ごとに入力されているわけですね。また、アクセスは、都道府県又は消防機関しかアクセスできないと。これではいろんな研究機関とか事業者等はアクセス、直接参照することができないということが指摘されているわけですけれども、そういうことで、最新の情報を即座に知ることができるようにすることが必要じゃないか。また、産学官が一体となって活用できる仕組みを構築することが必要なわけで、そういうアクセスも、全部というわけにはいかないかもしれませんけれども、必要な機関等もアクセスできるようにすべきじゃないかと考えますけれども、いかがですか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) まず、一点目の近年の事故件数の増加の要因でございますが、高度経済成長期に建造されました危険物施設の老朽化に伴うものがまず一つあると思います。また、もう一点は、長引いた不景気や国際競争の激化などによりまして企業における保安部門への投資が削減されていると、こういった状況に起因するものもあると考えているところでございます。

 次に、危険物の事故のデータベースでございますが、これにつきましては、入力の頻度は現在半年ごとということになっておりますが、入力を実施する都道府県及び消防機関と今後よく相談もしまして、可能な範囲でその期間を短縮できるように検討してまいりたいと考えているところでございます。

 また、危険物の事故データベースの公開方法や他機関のデータベースとの情報共有等につきまして、行政情報の公開の趣旨を踏まえながら、このデータベースが事故防止対策の一助となるように検討してまいりたいと考えております。

 

○弘友和夫君 それで、先ほどから危険物危険物という言葉が出ておりますけれども、消防法における危険物に気体が含まれていないということなんですね、プロパンガスだとか水素ガスだとか。これは私ども、いろいろ事故も起こっていますよ、起こっているけれども危険物じゃないと、消防法で定義している危険物じゃないと。何で消防法ではそういう水素ガスだとかいろんな気体は危険物じゃないとしているのかという、どういう理由なのかというのをお尋ねしたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの御質問でございますが、消防法上の危険物は火災の危険性の高い液体及び固体となっておりまして、発火性や引火性等によりましてこれを更に分類し、その製造、貯蔵及び取扱いについての規制をしているところでございます。

 一方、常温常圧において気体であります高圧ガスにつきましては、これは消防法の制定以前からその特性に着目した保安確保のための措置が適切になされてきた経緯がありまして、現在のこういった法体系になっているものと承知をしております。

 消防庁では、消防法で危険物の形態、性質、特性等に応じまして規制、予防措置を行ってきているところでありますが、プロパンガスや水素ガスなども火災等の災害発生時には甚大な被害を及ぼす危険性を有しておりますので、引き続き関係省庁と緊密に連携を取りまして適切な取扱いによる国民の安心、安全の確保に努めてまいりたいと考えております。

 

○弘友和夫君 いや、だからそこが分からないということを聞いているんですね。水素ガスだとかプロパンは、じゃ、危険じゃないんですかということを聞いているわけですよ。消防法以前に、要するに法律が経産省の法律であってみたり、いろいろ分かれていると、所管が。所管が分かれているから消防が口出しができませんよというのが現実じゃないですか。危険じゃないというのじゃないでしょう、危険なんですよ。今から水素だって、水素社会になっていくわけですから。だけど、その気体は危険物じゃありませんと、こんなばかな話はないんじゃないですか。

 私はこれ見て、今回の法の改正にしても、今まで、屋外タンク等からの危険物流出等の事故が起こっても、その原因について質問したり資料提出を求めたりする権限がないため事故原因の分析に必要な情報収集が困難であったと。で、これを見直すと。流出事故が起こっても、今までですよ、この法案改正するまで質問したり資料提出を求めることもできないと。何で権限がなかったのか。それは、さっき言ったそういう、例えば気体には一切危険物じゃないと、指定もしていませんとか、こういうものは、タンクは経産省ですよとか、そういうことがたくさんあって今までできなかったんじゃないんですか。これ見てびっくりしましたよ、そんな権限もなかったのか。

 消防は、私も家で、昔は二階が住まいで下が、一階は剣道場だったんですけれども、入口が二つあって、もう何かあったときは、火災があったらその両方から出るしかないんだけれども、消防が来まして、この入口に何かランプを付けなさいと。で、一年に一回は一日掛けて研修だれか出しなさいと、これだけ細かいことを指導しているわけですよ。それがこれだけ大きなタンクだとか水素ガスとかプロパンだとか、そういうものに権限がなかったこと自体おかしいと思われませんか。何で、それは省庁のこの考え方で、国民のための、国民の災害の、そういうものには全然焦点が合ってないというふうに思いますけれども、いかがですか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいまの点でございますが、いわゆる消防法におきます危険物につきましては、これまでも消防法の第十六条の五の規定がございますが、これは一つの例でございますが、危険物の貯蔵あるいは取扱いに伴う火災の防止のため必要があると認めるときには、これは市町村長等が、危険物施設の許認可権者であります市町村長等が行えることになっておりますが、例えば貯蔵所等への立入りをして検査を行う、あるいは関係者への質問をするとか、報告を求める、資料提出を求める、こういった形で事前に危険物の取扱いによる事故等を防止するための措置が講ぜられるようになっておりまして、それと適合、基準に適合していない場合等につきましては措置命令等も行えるような、そういった規定はございます。

 ただし、委員が今御指摘ございますように、この消防法の危険物の対象は液体及び固体でありますので、ガスにつきましてはまた所管、規制する法令が別でございますので、担当省庁も別でございます。

 しかしながら、先ほど申しましたように、そういった日常的な安全の確保につきましてはそれぞれでやっておりますけれども、先ほども申しましたように、実際にこれによります災害等が、火災等が発生しました場合には消火活動等に当たりますのは消防でございますので、私どもは常に関係省庁とも緊密に連携を取りまして、そういった事前の予防措置等についても、保守なりにつきましても、十分な体制が図られるようによく連携を取って取り組んでいるところでございます。

 

○弘友和夫君 だから、火災が起こったり災害が起こった場合は消防が行くわけでしょう。だけれども、それはガスは所管外ですよと、消防法上に言う液体なり固体でガスは違いますよと。じゃ、経産省が行くんですか、その火災が起こったときに。こんな縦割りというか、おかしいと。

 大臣、ちょっと通告しておりませんけど、どう思われますか、これ。

 

○国務大臣(増田寛也君) いろいろ経緯があってこういう法体系ができているということだろうと思います。

 私、地域で自治体の首長の立場でこうした防災対策ですね、大変重要な課題でございますので、お預かりをしていた立場から見まして、やっぱり現場に、今まさに先生おっしゃったように、だれが行って、だれがどういう活動をするのかと、そしてだれが第一義的に地域の住民の皆さん方をお守りしていくのかと、あるいはどういう責任を果たしていくかという観点から考えていかないと、こうしたことを現場で活動するときに大変苦労すると、そしてそのことがまた次の危険につながっていってしまうという思いが実はございました。

 今こういう大臣の立場でここについて明確になかなか言えないもどかしさも一方ではあるんですけれども、やっぱりそういうことをきちんと受け止めて考えていかなければならないと思いますので、消防庁長官が今言っておりましたけれども、やはりそこを乗り越えて、こうした危険がまさに危機管理の体制が問われていることであろうと思いますので、そうした法体系も含め、国としてどういうふうにこれをやっていくのか、省庁ということを超えてどういうふうにやっていくのか、そのことを重く心に受け止めておきたいというふうに思っております。

 

○弘友和夫君 今大臣のお答えありましたけれども、本当に今現実に大地震も起ころうとしていると、もう想定されているわけですよ。これだけの被害を想定されている。そういう中で、これは消防庁です、これは経産省です、これはどこですとか、そんなの言っている場合じゃないんですよ。だから、じゃガスが爆発したとき経産省何かそういう消火器とかなんとかを持っているのかという、そんなことはないと思うんですね。もう是非、これは一体となってやる、今までのいきさつはどうあれ、やっていただきたい、現場が一番大事ですからというふうに思います。

 それからもう一つは、活断層なんですけれども、日本には二千か所、約あると。アメリカで七一年、ロサンゼルスの近くでサンフェルナンド地震というときに、カリフォルニア州では活断層法というのを制定している。活断層の両側五十フィート以内では原則として人間が居住する建物の新築を禁止したとか、そういう法律を作っているわけです。

 日本においては、この間、美浜の原子力発電所も何か活断層の上というか近くというかで建設されていたという。だから、日本は活断層もう二千もあるという、じゃそれをどう考えて、活断層、じゃ日本で一切建てたらいけませんよとか、そういうことができるのかどうかとかいうのも含めて、少なくとも原発だとか何かそういう、病院だとか危険物施設なんかは建てられないというふうにしなければいけぬのではないかなと思うんですけれども、これも縦割りなんですね。

 じゃ、活断層を調査しているというからどういう、実態を知っているのは文科省だと。文科省が何でやるのかと思ったら、地震防災対策特別措置法というのに基づいて文科省は活断層をやっていると。じゃ、そこに建物を建てるとか云々というのは国交省になるでしょう、建築基準法だと。じゃ活断層があるんだと、それを考えてそこに対してはどうするんだということを考える役所があるのかどうかですね。

 内閣府が防災担当ですから、内閣府、それをトータル的にどう考えているか、お答えいただきたい。

 

○政府参考人(田口尚文君) お尋ねのカリフォルニア州の活断層法につきましては、ただいま議員から御指摘ございましたとおり、活断層に関します情報提供と活断層を含みます一定地域内での建物建設の規制といったものが主な内容であると承知をいたしておりまして、我が国におきましても参考とすべき点があるものと考えております。

 一方で、同じく議員から御指摘ございましたとおり、我が国は活断層の数が極めて膨大でございまして、すべての位置を把握することは極めて困難でございます。さらに、狭い国土の中で稠密な土地利用が行われているという実態がございまして、我が国におきまして学校、病院等の数多くの公共的施設のすべてにつきまして、その立地について確実に活断層を避けるというのは現実面ではなかなか困難な面があろうと思っております。

 ただ、いずれにいたしましても、政府といたしましては、そういった学校、病院等の公共的な施設の安全性の確保ということが重要であることは間違いございません。そういった観点から、引き続き公共的な施設の耐震化につきまして努力をいたしますとともに、活断層に関する調査研究や情報提供の充実に努めてまいりたいと考えております。

 

○弘友和夫君 そういう御答弁だと思ったんですけれども、じゃ、活断層自体がよく分かっていないというね、だから、アメリカで五十フィート以内に建てちゃいけませんよということは、そういうことが分かるということじゃないですか。科学的に証明ができるという、それがないとそういう法律作ったって何もならないわけだから。

 じゃ、この日本みたいな地震大国で、文科省は呼んでいませんけれども、そんなこと分かりませんよというんでは済まないんですよ。分からないからどこ建てても、これは、いっぱいあるからしようがないという。まずそこをどうするんだというのを考えるところから始めないと、いっぱいあってしようがない、もうそんな病院だの、だから原発も建つわけですよ。そんなことはおかしいなというふうに思いますので、だから、まずどうするんだというところから是非、まとめるところは内閣府しかないというからですよ。是非やっていただきたいというふうに思います。

 それともう一つは、これもいろいろな組織があるなというふうに思ったんですけれども、今回、これも内閣府で川崎に基幹的広域防災拠点、直下型としてできましたよね、一千何百億か掛けて立派なやつを。消防庁は、これは各都道府県がやっているわけですけれども、広域防災拠点というのをやっている、県に数か所、何か所か、広域防災拠点。内閣府は基幹的広域防災拠点と。規模が違うと言われるかもしれぬけれども、そこら辺の立て分けと、じゃこれ、基幹的広域防災拠点、川崎だけじゃなくてもっといろいろ、南海、東南海、いろいろあるわけですから、どうそういうのを考えてやるのかとか、広域防災拠点との関連性だとかいうのはどう考えられていますか。

 

○政府参考人(田口尚文君) 議員御指摘ございました東扇島地区の防災拠点は、平成十三年六月の都市再生プロジェクトの第一次決定を受けまして、首都直下地震におけます物流のコントロールセンターとして基幹的な広域防災拠点として整備がされたものでございます。

 それと各県の防災拠点の関係でございますが、まずこの東扇島の基幹的な防災拠点でございますが、いわゆる近くに港湾を持っておりまして、岸壁を持っておりまして、そこに物流が集まってくる、それを被災地域内の広域的な拠点に持っていく、そしてさらにそれをまた各避難所に持っていくという形になってまいります。そういったことになりますが、具体的には、そういった内容につきましては大規模地震に関します応急活動要領と、さらにはその要領に基づきました具体の物資の集配とか部隊の派遣を定めました具体計画といったものを策定して、それにのっとって実際の物資の搬送や救急救助活動を行うというような形で進めていくこととなっております。

 

○弘友和夫君 だから、消防庁が進めている広域防災拠点との関連とか、自分の予算を出して造ったところは分かるけれどもほかは分かりませんと、連携が、だからいろいろお話を聞いていてもないわけですよ。基幹的防災機関だって消防庁が入って使ってくるわけでしょう、今後も。各都道府県にある広域防災拠点だって消防だけじゃなくていろいろなものが使ってくる場合があるわけですよ。だから、そういう連携というのが、本来ならどこかがそういう大きなやつも造り、都道府県にも造るというふうになっていった方がいいんだと思うんですけれども、そこら辺の連携もないという。

 もう一個、国交省に来ていただいていますので、いろいろもう同じ組織があり、国交省で緊急災害対策派遣隊というのを二千人規模でつくられたと。消防は緊急消防援助隊だとか、いろいろありますよね。これはどういう組織ですか、連携はまたどういうふうにしていくんですか。

 

○政府参考人(田中裕司君) 緊急災害対策派遣隊についてのお尋ねでございますけれども、これは、近年の地球温暖化などによります災害リスクの増大を踏まえまして、大規模な自然災害の発生により被災しました地方公共団体などに対して、被災した公共施設の被災状況の把握、復旧等の災害応急対策に関する技術的な支援を円滑かつ迅速に行うために今年度に発足をしたものでございます。

 この隊の業務でございますが、災害発生直後から被災地に入りまして、河川、道路、港湾、空港、住宅などの被災状況をいち早く把握をし、各分野の専門家として二次災害防止や被災地支援に不可欠なインフラの早期復旧のための技術指導や緊急輸送のための調整などに当たることとしてございます。

 これまでもこのような行動は、中越地震や能登半島地震などの大災害時に同様の支援を実施をしてきておりますが、今回、災害の都度、態勢を取ってきたという従来のやり方を改めましてこれを正式に制度化して、平時からも訓練、研修などを行いまして技術力の向上を図り、国土交通省として危機管理対応の充実強化を図りたいということでございます。

 全体の連絡調整につきましては、一般的には、現地に災害対策本部等が設置をされますので、その活動の中を通じて各関係機関と十分に連携を取ってまいりたいというふうに考えております。

 

○弘友和夫君 じゃ、今回の中国の地震でも、がけ崩れが起こって道路がふさがって救援に行けないという映像が出ていましたね。そういうときはこの緊急災害対策派遣隊という、国交省の、これが出ていくわけですか。

 

○政府参考人(田中裕司君) 海外の場合は想定をしておりませんけれども、同じように国内で生じた場合には、災害対策用ヘリコプターでそういった被害状況を把握したり、あるいは現地を踏査をいたしまして、インフラの応急復旧方法でありますとか復旧方針を指導するといったことを行いまして、早期の復旧ができるように支援等をしてまいりたいというふうに考えております。

 

○弘友和夫君 起きたときに救出だとか駆け付けるとかということじゃなくて、後々の、何というか、復旧工事が重点というふうに考えているということですかね。──まあいいです、いいです。

 時間がありませんので、最後に、いろいろやりたかったんですけれども、ヘリコプターですね、消防ヘリコプター。これは今、消防機関が二十八機、道府県保有が四十二機、合計七十機というふうになって、大分整備はされてきたんですけれども、これ、私、消防ヘリコプターの使い方、阪神・淡路のときに、起こってすぐ、私、衆議院の予算委員会で質問したことがあるんですけれども、映像を見ていましたら、直後に火の気が上がっているのは二、三か所だったんですよ、全体を映した中で。だから、そんなに広がるなんて思いもしなかった。そうしたら、どんどんどんどんあれだけの災害になったわけですよ。ほかのテレビなんかでは、もう消防ヘリコプターのいろいろ、だあっとこうやっている映像がどんどん映っている。実際、質問しましたけど、一切消火には使われてないというわけ、消火には、消防ヘリコプター。山林は使うことがあるかもしれぬが、しかし、都市については消火にはヘリコプターを使っていないと言う。それは何でかといったら、人が生きているかもしれないし、水が掛かったらいかぬとか、何かそんなことだったと思うんですけど。

 これは何で使わないのかという、最後に、もう時間が来ましたので、お聞きして終わりたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) ただいま御指摘ございましたように、阪神・淡路大震災の際には消防防災ヘリコプターの活動は空中消火には従事をいたしておりません。主に負傷者の救急搬送や食品等の物資搬送を行ったというふうに承知をしております。

 現在、消防庁では消防防災ヘリコプターによります空中消火につきまして様々検討をしております。ヘリコプター本体、火災の際にはかなり上昇気流等もありますので、そういったヘリコプター本体の安全、それと地上側の、今お話ございましたように、地上側の安全ですね、双方の安全を十分に確保した上で、双方の連携を取りながらどういった形で効果的に使えるか。実は、昨年の秋から、消防防災ヘリコプターの効果的な活用に関する検討会を設けまして、専門の方々にもお入りいただきまして現在検討しております。この検討結果を受けまして今年度末までに報告書をまとめていただきまして、それを受けて消防庁としての対応、これは特にヘリコプターを保有しております消防機関等ともよく相談しまして、今後の活用について検討してまいりたいと思っております。

 

○委員長(高嶋良充君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。

   午後零時二十三分休憩

     ─────・─────

   午後二時開会

 

○委員長(高嶋良充君) ただいまから総務委員会を再開いたします。

 休憩前に引き続き、消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。

 この際、消防庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 午後の質疑に先立ちまして発言をさせていただきます。

 午前中の吉川議員の御質問に対する私の答弁の中で、市町村防災行政無線、同報系のアナログ方式からデジタル方式への移行期限につきまして、消防救急無線のデジタル化と混同いたしまして平成二十八年までという発言をいたしましたが、実際には同報系のデジタル化につきましては移行期限はありませんので、訂正をさせていただきます。申し訳ございませんでした。

 

○委員長(高嶋良充君) 質疑のある方は順次御発言願います。

 

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。

 初めに、消防庁に伺います。

 今年二月十五日に出された消防審議会の大規模地震に備えた当面の消防防災対策のあり方に関する答申では、危険物事故の動向それから発生原因、どう述べているでしょうか。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 危険物施設における事故の動向につきましては、危険物の流出事故は平成六年までは減少傾向を示していたものの、この年を境に増加傾向に転じ、平成十八年中に発生した火災・流出事故件数は、平成六年と比べると火災が約二倍、流出事故が約二・二倍となっており、特に危険物が大量流出する可能性がある五百キロリットル以上の大型屋外タンク貯蔵所に限定すると、その流出事故は六倍となっていると述べているところであります。

 また、事故の原因については、事故が発生する原因は、腐食等劣化によるものが流出事故全体の三割強を占めており、近年の増加傾向は施設の老朽化の進展に大きく関係しているものと考えられる。特に、流出事故が著しく増加している五百キロリットル以上の屋外タンク貯蔵所の約八割は昭和五十二年以前に設置されたものであり、また給油取扱所の地下貯蔵タンクについては、その多くが設置後三十年以上経過している実態にあると述べているところであります。

 

○山下芳生君 危険物施設の事故は増加傾向にあり、その発生原因として施設の老朽化の進展が考えられるということであります。

 そこで、五百キロリットル以上の大型屋外タンクを始め、危険物施設が集中している石油コンビナートの保安規制について聞きたいと思います。

 経済産業省、石油コンビナートにかかわる保安四法、すなわち消防法、高圧ガス保安法、労働安全衛生法、石油コンビナート等災害防止法のうち、高圧ガス保安法の規制緩和がいつ、どんな内容で行われたのか、簡潔に説明していただけますか。

 

○政府参考人(稲垣嘉彦君) お答えいたします。

 高圧ガス保安法に係る自主検査の導入に関する規制緩和につきましては、昭和六十二年一月の通達制定により認定事業者の自主検査制度が導入され、平成九年四月の高圧ガス保安法の施行により法律上の位置付けがなされました。同法に係る開放検査周期の延長については、平成十一年九月の通達改正により、貯槽についてそれまで一律三年であったものが使用材料に応じた延長がなされました。この際、併せて認定保安検査実施者については独自に開放検査周期を定めることができることとされました。

 

○山下芳生君 一九九六年の高圧ガス保安法の改正で、通産大臣が認定した事業所には自主検査と、それから検査周期の延長、これは運転を止めずに連続運転できるということが容認されたということであります。

 当時、私は参議院の商工委員会で質問に立って、保安規制の緩和で事故が増加する危険性を指摘して反対しましたけれども、その後事故はどうなったのか、経済産業省、高圧ガス災害事故の推移について九七年から二〇〇七年の数字を述べていただけますか。

 

○政府参考人(稲垣嘉彦君) お答えします。

 一九九七年から二〇〇七年における盗難、喪失を除く高圧ガス事故の件数は次のとおりでございます。一九九七年、八十九件。九八年、九十件。九九年、七十九件。二〇〇〇年、九十九件。二〇〇一年、百二十二件。二年、百三十八件。三年、百四十六件。四年、百五十七件。五年、百六十五件。六年、百九十三件。二〇〇七年は二百八十三件でございます。なお、人身被害を伴う災害の発生につきましては、おおむね横ばいの毎年約五十件となっております。

 

○山下芳生君 資料にグラフを示しておりますけれども、保安規制の緩和後、事故が増加しているわけであります。経済産業省、その要因は何でしょうか。

 

○政府参考人(稲垣嘉彦君) お答えします。

 高圧ガス事故の原因には、一、設備の設計・構造不良、二、設備の維持・管理不良、三、管理・操作基準の不備、四、運転・工事に係るミスなどがありますが、そのうち劣化、腐食等といった設備の維持・管理不良と、認知確認ミスといった運転・工事に係るミスが原因の多くを占めております。

 なお、近年これら劣化、腐食等に伴う漏えい件数が増えており、現在その原因について分析をしているところですが、最近の社会的な安全意識の高まり等を背景に、従来は報告されていなかった軽微な事故が報告されるようになってきたことも一因と考えているところであります。

 

○山下芳生君 劣化や腐食等による災害が増加しているということでありまして、これも資料にその分布を示してありますが、要するに設備の経年劣化が事故の増加の背景にあるようであります。ただ、私は、設備が老朽化する、イコール劣化、腐食が増える、イコール事故が増大すると安易に認識していいのか、よく考える必要があると思っております。

 厚生労働省、平成十九年三月のボイラー等の自主検査制度の導入の可否に関する検討会報告書では、石油精製業設備で平成十四年から十八年に発生した爆発・火災事故のうち、設備の腐食、摩耗、亀裂等によって発生した事故は防ぐことができたか否か、どう分析しているでしょうか。

 

○政府参考人(鶴田憲一君) お答えします。

 御指摘の報告書は、平成十九年三月に取りまとめられたものでありまして、先ほど御指摘がありましたように、その十二の事例の原因というものを見てみますと、工学的に未知の現象であった又は予測不能であったと考えられるものが二、三例にとどまっておりまして、大部分は過去の経験、知見の集積により経年裂傷の防止及び管理を適切に行えば防ぐことができたと考えられるというふうに指摘されております。

 

○山下芳生君 大部分は防ぐことができた事故だったということであります。これは逆に言いますと、過去の知見を集めて、それから管理を適切に行えば、たとえ設備の老朽化が進んだとしても事故を未然に防ぐことはできるということだと思います。

 非常に大事な指摘だと思いますが、経済産業副大臣、重く受け止めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○副大臣(新藤義孝君) 御指摘の厚労省の報告書につきましては、私どもとしても承知をしております。経年劣化や保安管理上の問題があるということでございます。

 そして、経産省といたしましては、この高圧ガスの利用に伴う災害の防止、これをより確実にするためには、こうした報告書に御指摘いただきました点も含めまして、さらには近年の事故についての実態の把握、それから要因の分析、さらには総合資源エネルギー調査会高圧ガス部会、私どもの中にもそういうものがございますから、こういった専門家の御意見もいただきながら、随時、技術基準ですとかそれから検査方法、こういったものをきちんと既成制度への反映に図ってまいりたいと、このように思っております。

 今後とも、このコンビナート設備の保安規制を担う関係省庁とも十分に連絡取りながら取り組んでまいりたいと、このように思っております。

 

○山下芳生君 先ほどの厚生労働省の報告書では、こうした事故は高圧ガス保安法の適用を受ける設備には発生しているが、労働安全衛生法の適用を受けるボイラー等では発生していないとあります。これも非常に重要な指摘だと読みました。

 両者のどこが違うのかといいますと、高圧ガス保安法は事業者による自主検査を容認しましたけれども、労働安全衛生法は第三者機関による公的検査が現在も維持されております。自主検査と公的検査の違いが大きいと思うんですね。

 厚生労働省、この報告書では、石油精製業界の社内検査の公正性、独立性の確保についてどのような状況が見られると分析しているか、具体例も含めて紹介していただけますか。

 

○政府参考人(鶴田憲一君) 報告書におきましては、自主検査制度を導入するには、社内検査において、定められた検査手順・方法が遵守され、判断基準がゆがめられないこと、検査の公平性、独立性が担保される必要があるとされております。

 また、報告書におきましては、石油精製業で問題がある等の理由で事業場認定の取消処分が行われている例が挙げられております。それにおきましては、ボイラー等の連続運転の認定事業場では、一つは虚偽報告を行ったことによるもの、二つ目は、認定の変更の手続に違反があったもの等があります。また、高圧ガス保安法の特定施設に係る認定保安検査実施者に対する不正による取消処分も行われております。

 このうち、一企業で起こった不正事案の経緯を見ますと、経営に危機感を持った外資系トップが急激な補修コストの削減を企図する中、二製油所において、コスト削減と検査を含む業務の効率化が優先され、法令遵守が軽視されるようになり、平成十四年までの数年間、高圧ガス保安法の保安検査の検査項目の省略及び虚偽報告を行うことに至ったと、そういう状況が見られるというふうに報告されております。

 

○山下芳生君 以上のようなことを踏まえて、報告書は最後に、「石油精製業界において、経営や競争が激しいときであっても、社内検査の検査手順・方法が確実に遵守され、また社内の検査部門が会社の経営から独立して公正な判断が行われるようにするための仕組みが構築され、かつ、それを維持し続けるだけの体制があるとは言い難いと言える。」というふうに記述をされております。

 これが実態だと思うんですが、経済産業副大臣、災害防止のために保安規制の緩和をやってきた下でこういうことが起こっている。私は、今、緩和から規制の強化への転換、少なくとも石油コンビナートのような危険物が集中する大規模施設では、自主検査に任せるのではなくて公的検査を復活強化することが求められていると思いますが、いかがでしょうか。

 

○副大臣(新藤義孝君) まず、規制緩和というのは検査の方法についての緩和がなされたということでございまして、規制の基準が緩和されたものではないというふうに私は理解をしております。そして、まず、その意味におきまして、高圧ガスを設置する事業者というのは、その保安の確保と災害の防止を徹底して行うというまず責務があります、業者としての。それに対して、こういう事業者にその責務を全うさせるべく我々行政が厳格に規制を執行していく、このことが重要だと思っておるわけでございます。

 そして、高圧ガス保安法というのは、こうした考え方の下で、まず高圧ガスの処理量が多い事業者につきましては、都道府県知事が設備の検査を行うとするとともに、保安管理能力が高いと認められる事業者につきましては自らが設備の検査を行うことができると、こういう認定制度にしているわけでございます。これは、認定を受けた事業者が自らの設備の状況に応じて独自に徹底した検査そして保安管理を行うことにより安全性を一層向上させるものだと、こういう趣旨から行っているものでございます。一方で、認定事業者におきましても、法令に照らして保安管理体制に問題があることが明らかになった場合には、認定の取消し等、厳正に対処してきているつもりでございます。

 今後とも、立入検査等を通じチェックをしっかりと行い、また問題があれば厳正に対処してまいりたいと、このように思っております。

 

○山下芳生君 これは非常に認識が甘いなと率直に思いますね。

 二〇〇四年に四十六社、八十事業所が認定をされておりました。それがいろいろな検査不適正、それから事故もありまして、六社、十一事業所の認定は取り消されているわけですね。物すごい比率ですよ、これは。一般の事業所の事故率よりもはるかに高い事故や不正が認定事業所で起こっている。

 その下で、去年の十二月も三菱化学鹿島事業所で下請の四人の労働者が火災事故で亡くなるという大きな事故まで起こっちゃった。これも認定事業所でしたよ、取り消されましたけれども。こういうことが次々起こっているわけですね。そして、結果として去年の厚生労働省の報告書では、これは自主検査と言っているけれども、公正性、独立性がちゃんと担保できていないという認定がされているんです。

 一方で、大規模災害がこれから起こる、国民や住民に大きな被害が及ばないとも限らない下で今こういう事態を放置していいのかということですが、私は、企業任せでは老朽化がやっぱり進む下で事故を防ぐことはできないと思います。産業界全体として設備の定期修理に掛かる費用や人員も減らされているということがあるわけですから。

 ここは是非総務大臣に認識を伺いたいと思いますが、消防の調査権限、体制を強化することはもちろん大事だと思います。同時に、危険物施設の老朽化が進む下で保安規制の緩和をこれ以上放置することは、私は国民の安全に責任を持つ姿勢とは言えないと思います。事業者の自主検査ではなくて、公的検査の拡大強化など行政の役割を高めることが必要だと思いますが、防災、それから住民の安全の一翼を担う総務大臣として、心に留め置くではなくて、関係大臣、各省庁とも率直に協議をして真剣に検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(増田寛也君) 今、経産省の副大臣の方から御答弁ありましたとおり、当然このことについて、基準が緩和されたりと、そういったことではいけないわけで、そこのところはきちんと法律を執行して、そういったことが起こらないように今しているわけですが、いずれにしても、関係省庁間で横に緊密に連携を取ってこの災害危険ということに対処していかなければならないということがございまして、それぞれの立場でそれぞれの役割をきちんと果たすということが私は大事だと。

 それからもう一つは、こうしたやはり国民生活の安全性を守るという観点から、今回の我々の消防法の改正というのも、これも一つの我々の役割を果たさなければいけないということからの提案であるわけですが、この公的検査の充実をやはり図っていかなければならないと。この点については、危険物施設の安全確保ということに向けて、こうした公的検査の充実を図るなどしてこの安全が確保されるように努めていきたいと、このように考えております。

 

○山下芳生君 先ほどの質疑でもありましたけれども、幾ら消防庁が一生懸命やっても、経済産業省の分野で規制が緩和されて事故がどんどん増える。しかし、起こった事故の後始末、火災消しに行くのは消防庁やという、そういう大事な役割を私は総務大臣が果たさなければならない。

 だから、消防法の中で公的検査を強めるのは当然ですけれども、それ以外の分野でも防災という点から必要な手だてを取るように、私は、心にとどめ置くというだけではなくて、関係省庁に提起していただく責任が大臣にはあると思いますけれども、いかがですか。

 

○国務大臣(増田寛也君) 先ほど来その点については御指摘をいただいているところでございますので、きちんと受け止めて対応していきたいというふうに思います。

 

○山下芳生君 次に、産科の救急医療について質問をいたします。

 一昨年、昨年と妊産婦の搬送先が見付からずに死亡、死産するという悲しい出来事が続いた奈良県では、総合周産期母子医療センターが未整備でした。総合周産期母子医療センターの開設に当たって、医師の確保、看護師の確保も含めて、県任せにしないで国が責任を持つと、昨年の十月、当委員会で西川厚生労働副大臣は私に答弁をしていただいたわけですが、現状どうなっているでしょうか。

 

○副大臣(西川京子君) 本当に、昨年、妊婦さんが亡くなるという不幸な事件がありましたが、それが一つの象徴的ではありますが、この救急医療、周産期、そして小児科の医師の不足というもの、大変ここ一年ほど大きく社会問題化しております。緊急に厚生労働省としても対応しなければいけない。

 長期的にはやはり医学部の定員の増とか女性医師の働く環境の整備とかいろいろな政策があるわけですけれども、短期的にこの五月に緊急医師確保対策、あるいは看護師の研修センターへの補助とか、そういう施策を行いまして緊急の確保に努めております。

 そして、今月の二十六日に奈良県の奈良県立医科大学附属病院の産科病棟を改修いたしまして総合周産期母子医療センターが開設することになりまして、それを指定することとしております。

 

○山下芳生君 二度の悲しい出来事の痛苦の教訓の上に開設の運びとなったことについて、関係者の努力に敬意を表したいと思います。これが安心して赤ちゃんを産める社会にという願いにこたえる第一歩になるように期待したいと思いますが、ただ、手放しで喜べない面があるんですね。

 当初の計画よりも医師、看護師の確保が不十分に終わりまして、NICU、新生児集中治療管理室の稼働を、当初計画二十一床だったんですが、約半分の十二床でスタートせざるを得なくなりました。国として、原因をどう分析し、今後にどう教訓を生かすのか、また、奈良での医師、看護師の確保をどう支援するのか、お聞かせください。

 

○副大臣(西川京子君) 確かに当初の御計画では、新生児の集中治療管理室が、NICUと言いますけど、これが二十一床、そして母子、母体と胎児集中治療管理室、MFICUと言いますが、これが六床という計画でございましたが、やはり看護師がちょっと確保できないということでございまして、医師の方は予定どおりでございましたけど、十二床と六床ということで事業を行うことになりましたが、実は厚生労働省の方で総合周産期母子医療センターとしての指定基準というのは、NICUが九床、そしてMFICUは六床以上が整備されているのを総合周産期母子医療センターという指定基準をしておりますので、基準は十分に満たしているわけでございます。

 ただ、奈良県といたしましても、更に看護師確保に、来年の春には達成したいということで御努力をするようでございますから、厚生労働省としてもしっかりと連絡を取り合ってサポートしていきたいと思っております。

 

○山下芳生君 看護師さん、たくさん養成されているんですよ、県内で。なかなか県内に残ってくれないといういろいろ苦労もあるようです。やっぱり、県任せにしていたのではなかなか思うように運ばないということなんで、是非国が責任を持って引き続き、奈良だけではありません、全国の医師、看護師の抜本的な増員と緊急の確保、全力を尽くしていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。

 

○又市征治君 今回の改正案は、大規模な地震その他の災害に対処するために、石油タンクの調査の充実であるとか、また緊急援助隊の機動的な活用ということでございますので、これはもう冒頭、賛成だということを申し上げておきたいと思います。

 ただ、これらを推進をするに当たっても、また一般の消火活動や査察においても、基礎になるのはどうしてもこれは人員の問題でございまして、今日はその点をただしたいと思います。

 その前に、車両や施設の整備率を若干お聞きをいたしますが、この中で比較的遅れているのがはしご車と消防水利ですね、それぞれ何%になったか、二〇〇〇年と二〇〇六年の数字を比較して述べていただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) はしご自動車につきましては、二〇〇五年六月に消防力の整備指針の見直しが行われておりまして、同一の基準による比較とはならないところでございますが、その充足率は、二〇〇〇年におきましては八一・八%、二〇〇六年では八八・〇%となっております。また、消防水利の充足率は、二〇〇〇年におきましては七八・六%、二〇〇六年では八〇・六%となっておりまして、二ポイント上昇しているところであります。

 

○又市征治君 今あった二点は、車両関係の他の項目に比べて比較的低かった数値ですが、答弁のように若干改善をしてきていると。

 ただ、もう一つ気になっているのは、私、化学消防車が八七・九%というのは、八・五ポイントもマイナスになっているというのはちょっと気になるので、この点は今日特に質問しませんが、是非これは向上を図っていかないと、今日かけておる法案の中身でもあるわけですね、これ。是非その点はしっかり取り組んでいただくことにお願いしておきたいと思う。

 ところで、いわゆるミニマムの法則というのがありまして、個別にいろんな高い数値、指標があっても、総合力が一番低いところに規制をされる、こういう意味だと思うんです。その一番低いのが実は消防職員の充足率ですね。大体、私は消防職員を整備率なんて言葉を使っておること自体が間違いだと思う。職員に整備率なんてどこにありますか。機械なら整備率というのは分かりますよ。職員を整備率なんていう言葉で使うこと自体が、元々充足をしていかないかぬということを言っているのに、整備率ということにして目標にしてしまっている。これはおかしな話なんですが。

 さてそこで、この充足率、二〇〇〇年、二〇〇三年、二〇〇五年の率を紹介してください。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 消防職員の充足率でございますが、二〇〇六年は七六・五%、二〇〇三年は七五・五%、二〇〇六年におきましては七六%となっておりまして、おおむね七六%前後で推移しているところでございます。

 

○又市征治君 説明のとおり、職員の充足率はこの六年間全然向上していない。七六%という充足率は、先ほどの車両や消防水利の八割台と比べても最も低い数値なわけですね。これでは、ぴかぴかの車両はそろっても、運転や機械操作、消火活動をする職員が足りないので、現場での迅速な消火作業に支障が出たり、あるいは防災査察が十分にできないということになるんじゃないんですか。この点、まず第一点。

 それから二つ目に、私は二年前の消防組織法でもこの件を質問したんですが、このときのデータは二〇〇三年のもので、職員数は今話があった七五・五%でした。前回のやり取り、少し読み上げてみます。七五・五%の充足率で、四人いるべきところを三人しかいない、特に、管轄人口五万人未満の地域では六三・六%、五万人以上十万人未満の地域でも余り変わらず六六・四%、つまり、三人必要だけれども二人しかいません、こういう勘定になる、十万人以上二十万人未満でも六九・六%、大変不足している現状ですねと、こう私が指摘したのに対して、当時の板倉消防庁長官は、消防の職員数がこの整備指針にかなり及ばない水準になっているということは私どもも十分認識しておりまして、何とかこれを少しでも高めていきたいというのが長年の行政の目標にもなっております、こんなふうに答弁しているんですね。また、長官は続けて、管轄人口の少ない消防本部が充足率が全国平均を下回っており、管轄人口の多い大規模な消防本部ほど充足率が高くなっているという傾向もございますとも述べているわけですが、これが二年前の四月です。

 そこで、お聞きしますが、この人口規模による格差は二〇〇三年のデータでしたけれども、さて、現在はこの規模別のやつはどうなったんですか、お答えいただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) まず一点目の点でございますが、各市町村におきましては、現在、大変厳しい財政状況の中で大幅な消防職員の増加が極めて難しい状況にあると認識をいたしております。しかしながら、限られた人的資源を有効に活用しまして増大する消防需要に的確に対応していくためには、各消防本部におきまして、消防職員一人一人の職務能力を高め、勤務体制の面でも効率性を高めるという努力をされているというふうに承知しております。

 また、市町村消防の広域化によりまして、管理部門や指令業務の要員を集約しまして、警防や予防などの現場要員の増強につなげていくことも有効な手段であると考えておりまして、私どもその推進に努めているところでございます。

 次に、二点目の二〇〇六年におきます人口規模別での充足率の状況でございますが、管轄人口五万人未満の消防本部におきましては六四・四%、五万人以上十万人未満の消防本部では六八・三%、十万人以上二十万人未満の消防本部では七一・一%となっているところでございます。

 

○又市征治君 実は今の答弁の数値、初めは規模別に集計されていなかったようですけれども、おかしいじゃないかということで御指摘申し上げて、昨夜というか今朝方まで再集計をしていただいたようでありますが、担当の職員の方には大変御苦労さまと申し上げたいと思います。

 しかし、前回答弁であれだけ小規模な団体ほど充足率が低いと分析したんですから、これは〇六年の調査でも当然最初から小規模団体に注目をして調べるべきだったと思いますよね。

 さて、この小規模な消防本部においては三年前より一%ないし二%ずつ充足率はアップしたという今お答えです。ただ、この数値は、この期間に大合併があり、また法改正による消防の広域化もあったわけですから、実人員が増えたのか、それとも統計後、組替えによって見かけ上増えたのか分かりませんね、これ。一番小規模の五万人未満の消防本部は、依然として六四・四%ということですから、三人いるべきところ二人にも足りない。全国平均でも一進一退で、今なお全国平均で七六%、つまり四人のところを三人しか充足されていない。二〇〇六年から六年間は足踏み状態だ。

 二〇〇三年のとき、前長官は私に、広域化を図ることによりまして少なくとも充足率は高まっていく、何とかそういう充足率が低いところが底上げが図られるように努めてまいりたいと答弁をされているわけですよ、これ。実態はほとんど目立った前進がない。それを今、現長官がそんなさっきの、地方自治体が財政難でございましてと、冗談じゃありませんよ、これ。二年前のときだって、広域化によって、しかしそれは職員をきっちり増やしてまいりますと、大臣答弁じゃないですか、これは。それを今更、充足はされていないから、そういう言い訳をされたんじゃこれは困る。こんなばかな話で、長年の行政の課題でありますと、こうまで言い切ったのが、どんどん後退しているんじゃありませんか。ここのところについてもう一度見解をしっかり答えてください。

 

○政府参考人(荒木慶司君) 二〇〇三年から二〇〇六年の三年間に消防本部の数でございますが、八百九十四から八百十一に減少しておりまして、御指摘の消防職員の充足率の変化の要因につきましては、先ほど申しましたように、一%から二%程度の増加、まあわずかでありますが、増加という状況になっておるわけでございまして、この辺りも一つの要因ということは言えるかと思いますが、現段階で、私どもとしましても、その要因を必ずしも明確にこういうことということで分析し切れていない状況でございます。

 いずれにしましても、二〇〇三年と同様、管轄人口が少ない消防本部ほどその充足率が低いという状況は変わってございません。一般論としまして、消防本部の規模が大きいほど火災等への対応力が高くなるわけでございますので、引き続き広域化の推進を図りまして消防力の強化、更には充足率の向上につなげてまいりたいと考えているところでございます。

 

○又市征治君 やっぱり長年の行政の懸案事項だったと、こう言っているんですから、しっかり取り組んでいただきたい。これは一番最後にも、また大臣にもこの点は決意のほどを伺いたいと思いますけれども。

 次に、広域化の結果、人員配置がどうなったか、現場中心主義に改善されたのか、若干この点については御説明をいただきたいと思います。

 

○政府参考人(荒木慶司君) これまでに広域化を実現した事例としまして、長野県の松本広域消防局の例でございますが、三つの消防本部を統合しましたことによって十四名の本部要員が効率化されまして、これを活用したドクターカーの導入によりまして救急業務の充実強化が図られたと伺っております。また、佐賀県の佐賀広域消防局におきましても、四つの消防本部の統合によりまして、職員数全体は増員することはなかったわけでありますが、配置人員二十名の分署を新たに設置するということで、消防ポンプ自動車と救急自動車がそちらの新しい分署に配置されたと伺っております。

 消防庁としましては、これらの実例から広域化のメリットということがはっきりうかがえますので、本部要員の効率化による現場要員の増強、これのためにも広域化を進めてまいりたいと考えております。

 

○又市征治君 今の説明では配置換えの数字だけで、必ずしも実際の現場の出動が早くなったとか、あるいは現場に投入された職員数が増えた証明ではないので、広域化が本当に住民のためになったかどうか必ずしも分からないわけでありますけれども、やはり広域化の有無とはかかわりなく、せめて車両並みに整備基準の八割、九割になるように、職員数の充足を着実に継続的に図っていかなきゃ、いざというときの災害に対処できないと思うんですね。

 そこで、大臣、先ほどからお聞きいただいているとおりでありまして、小規模のところは三人いるべきところが二人なんですよ。それも充足していない。全体として四人いるべきところを三人しか充足されていない。つまり、全体としては今、消防職員、全国で十五万人余りだと思います。つまりは五万人足りない、こういう状況で、これは一方における行革とは別だとこれまで総務大臣は答えてこられたんですね。

 そういうことを含めて、ここのところを、これはちょっと少し前の話になりますけれども、昔、新宿のビル火災問題を二〇〇一年にやりました。あのときだって、ずっと人員が足りなくて査察ができませんでしたというような総括になっているわけですよ。そして、ああいう大事故が起きて四十四名も亡くなったんですね。あのとき反省をしてすぐに、当時、雇用状態が悪かったから、私もあの問題、随分追及しました。その当時、結局は臨時雇用といいますか、そういう格好で二千人、一年間に査察問題などで増やしたんですね。そういう意味では、総務大臣、消防庁長官、当時頑張って、二年間にわたって二千名ずつ増やして、そういう努力もしました。だけど、また元に戻ってしまっている、こういう問題があるわけです。

 大臣、ここのところの人員の問題についても、これ、しっかり取り組んでいく決意をはっきりしてくださいよ。

 

○国務大臣(増田寛也君) いろいろ各自治体で行革等の取組が行われているんですが、しかし、こういった消防職員というのは最後の安全の支えになっておりますから、やはりこういった人たちの数もきちんと確保しなければいけないんではないか。データを見ましたんですけれども、二〇〇二年から二〇〇七年の間、市町村職員の数が七・一%減少しているんですが、消防職員については同じ期間に一・九%増加と、こういうことであるんですが、しかしそれほど多くない数ですね、全体として見ればですね。

 ですから、私は、やはりこうした消防職員について、都市規模別でのデータも昨晩まで掛かってやっと分析をするといったようなことでありましたので、やはりデータをよくきちっと収集する、そしてその原因を分析をする、そして必要な数はきちんと確保するということでなければいけないんではないかと、こういうふうに思うところでありまして、現場にずっとおりました感覚からもこの点は大変大事だと思っておりますから、こうした消防団も含め消防職員の確保ということについて私もきちんと対応していきたいと、こういう思いでおります。

 

○又市征治君 是非しっかりとお願いをしたいと思います。

 そこで、この消防職員の充足を考える場合でも、私はやっぱり一面で欠かせないのが消防職員の団結権の問題だと思うんですね。だから、逆にこんな五万人も足りない、こういう状況になっているんだと思うんです。ILOが一九七三年以来ずっと、今年も日本の消防職員の団結権付与について勧告しているにもかかわらず、政府は一向に改善に踏み出さない。現場の、つまり各消防本部における消防職員委員会の審議状況についても資料をもらいましたけれども、解決した課題は四割にとどまっています。あいまいな労使一体型の懇談では改善は進むわけはない。まして、そこで消防庁ににらまれたらどうしようもないからと意見も言わない、こういう状況がある。こうした実情も、きちんと団結権を認めて、交渉のテーブルを設けることを促している、私はこんなふうに思います。

 年間一千三百九十六名の死傷者を出して、文字どおり命懸けで火災や事故の救助、救援に当たっている職員に対して、自らの命を守って、使用者にやはり自分たちの処遇改善を求めている、装備の充実を求めている、職員を充実してくれと求めている、こんなことは当たり前のことだろうと思うんですね。命令で動く組織だから駄目だなんという日本の政府の時代錯誤の理屈というのは、もうとっくの昔にILOが条約九条違反だと指摘しているわけですよ。非現業公務員の今基本権問題が長引いている、こういう問題もありますけれども、消防職員の部分だけでも、総務大臣として早急にILO勧告に沿って解決に向けて努力をすべきじゃないか、こう思うんですが、大臣の見解をお伺いをします。

 

○国務大臣(増田寛也君) この消防職員については、政府全体の中の議論では必ず警察と同様な形で議論をされてきたということがありまして、今先生からお話がございましたとおり、基本問題の調査会の中でも取り上げられて議論されてきたようでありますが、結局、その報告書では両論併記のような形で終わっていると。やはり、この問題、大きな政府の中での公務員の基本権の問題になるのでどうしても議論が大きくなるんですけれども。

 したがいまして、先生の方からいろいろおしかりいただくかもしれませんけれども、先般、私も消防職員委員会の制度の関係でその場にも出させていただきました。いろいろと関係の皆さん方と議論をさせていただいたところでありますし、知事時代はずっといつも受難、消防職員の慰霊祭等欠かさず出て、現場の苦労も私も十分知っている。そして、こういったことの重要性は十分理解をしているものではございますが、先般、ちょうど岡部自治労委員長とのこの問題についてのいろいろやり取りも、私、直接やらせていただきましたけれども、今ある消防職員委員会制度をきちんと運営をして、そして定着をしていくということが、政府としての今公的な見解になっていますので、それはきちんとやらせていただきたいと思いますし、それからこの団結権については、非常に大きな政府の中での議論ということでございますので、今後、こうした問題についての検討がどのように進められていくのか、十分に見ていきたいと。

 いずれにしても、消防職員の、先ほど先生からお話がございました、量もきちんと確保しなくちゃいけないと思います。量というと大変失礼ですが、数ですね、数もきちんと確保せにゃいかぬと思いますし、待遇をきちんとしないと、それは応募してくる人たちもいないわけでありますので、この点については、総務大臣としてできる限りの対応はさせていただきたいと、このように考えております。

 

○又市征治君 ほかの質問もまだ用意していたんですが、時間が間もなく来ますから。

 私は最後に総務大臣に、これは御承知だろうと思うんですが、昨年の十一月二十七日付けで国際公務員労連の書記長から、最高責任者から総理あてに手紙が来ているわけですね。つまり、この国際公務員労連は昨年の大会で、この国際公務員労連というのは世界で百五十四か国、約二千万人の人々を組織している労働組合ですけれども、昨年の大会でこの日本の消防問題も大きな問題になった。そのことを踏まえて手紙を出されているわけですが、大会では、これまで十年にわたって、ストレスの多い労働条件のために、ある消防本部内で、これ日本のことを言っているんですよ、本部内で働く二百三十六名のうち七名が自殺した件に対して大きな関心を持って留意しました。労働組合が存在していたら、恐らくそのような状況は回避できたであろうし、労働者は自らの状況について上司に発言することができたであろうというのが大会の見解です。したがって、私は貴政府に対して、ILO八十七号条約に従って消防士及び救命救急士に団結権を直ちに与えるために必要な対策を講じるよう強く要望いたします。

 前段飛ばしましたけれども、こういう国際的にも恥なんですよ。本当に権利小国というか、こういう格好になっている。こんな手紙まで大会で確認されて送られてきておって、それでいまだにまだ警察と一緒だなんという、この時代錯誤も甚だしい。そういう意味では、これ一歩も二歩も前進させなきゃ。

 これは、その点は是非とも、大臣さっき御見解ございましたから、前向きに御努力いただくことを心から要請を申し上げて、今日の質問を終わりたいと思います。

 

○委員長(高嶋良充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。

 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。

 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

 

○委員長(高嶋良充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

 この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。

 

○那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

 案文を朗読いたします。

    消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。

 一、大規模地震に伴う危険物施設の事故により甚大な被害の発生が予測されることにかんがみ、危険物施設の耐震化を促進し、安全対策を一層強化すること。

   また、危険物施設については、老朽化等に伴う腐食等劣化が流出事故の大きな要因となっていることから、その種類や設置環境等に応じた腐食防止・抑制対策を推進し、事故防止に努めること。

 二、危険物施設における危険物の流出等の事故原因の調査については、効果的・効率的な調査を確実に実施することができるよう、事故原因調査マニュアルを整備するとともに、必要な消防職員を確保し、調査能力や技術の向上を図ること。また、調査結果については、技術基準等への速やかな反映を図るとともに、関係機関における情報共有体制を構築し、実効性のある事故防止策を講じること。

 三、緊急消防援助隊については、活動規模の増大や大規模地震発生への懸念にかんがみ、登録部隊の計画的な増強及び施設・設備等の充実強化を推進するとともに、消防応援活動調整本部の運営や関係機関との連携など実践的な訓練を行い、指揮・連携能力の向上に一層努めること。

 四、災害発生時に広範な被害状況を迅速に把握するため、消防防災ヘリコプターによる災害映像伝送システムについては、中継車や可搬型受信装置の普及を含め全国的な映像受信範囲の拡大を図るとともに、通信衛星へ直接伝送する技術について検討を重ねること。

   また、防災行政無線については、早急に整備率の向上を図るとともに、デジタル化に向けて適切な財政支援を措置すること。

 五、災害対応力を強化するため、初動及び応急対応の防災拠点となる病院、学校、公民館等の公共施設について、早期に耐震化を完了すること。また、消防団の地域防災に果たす重要性にかんがみ、常備消防との連携体制を強化するとともに、団員の確保及び装備等の充実を行い、その活性化を図ること。

   右決議する。

 以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

 

○委員長(高嶋良充君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。

 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

 

○委員長(高嶋良充君) 全会一致と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

 ただいまの決議に対し、増田総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。増田総務大臣。

 

○国務大臣(増田寛也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

 

○委員長(高嶋良充君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

    ─────────────

 

○委員長(高嶋良充君) 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 政府から趣旨説明を聴取いたします。増田総務大臣。

 

○国務大臣(増田寛也君) 電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 我が国のあらゆる社会経済活動の基盤として電波利用の拡大が進む中、有限かつ希少な電波の有効利用の重要性はますます高まっております。そこで、電波の有効利用を促進する観点から、電波利用料についてその使途の範囲及び料額を見直すとともに、柔軟な電波利用の実現のために無線局の運用の特例を追加する等の必要があります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、電波利用料の使途として、電波のより能率的な利用に資する技術を用いた無線設備の技術基準を定めるために行う国際機関等との連絡調整の事務を例示として追加するとともに、携帯電話や地上デジタル放送などの無線通信を利用できない地域において必要最小の空中線電力によるその利用を可能とするために行われる設備の整備のための補助金の交付対象の拡大等を行うこととしております。

 第二に、免許人等が電波利用料として国に納めなければならない金額の改定を行うこととしております。

 第三に、国等について、電波利用料の徴収に関する規定を適用することとするとともに、特定の無線局の免許人等については、その規定を適用除外とし、又は納めなければならない電波利用料の金額を減額することとしております。

 第四に、電波利用料を納付しようとする者は、一定の要件を満たす者として総務大臣が指定する者に納付を委託することができるようにする納付委託制度を整備することとしております。

 第五に、携帯電話の超小型基地局等の無線局について、一定の要件の下で、免許人以外の者に当該無線局の簡易な操作による運用を行わせることができるようにする制度を整備することとしております。

 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、電波利用料の使途の範囲の見直しに関する改正規定は公布の日から、電波利用料の納付委託制度の整備に関する改正規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとしております。

 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において修正が行われております。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

 

○委員長(高嶋良充君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員石田真敏君から説明を聴取いたします。石田真敏君。

 

○衆議院議員(石田真敏君) 電波法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 その内容は、第一に、電波監理審議会の諮問に関する事項であります。

 現行法では、電波監理審議会への諮問は、総務大臣が免許等を「しようとするとき」と規定されており、総務省が策定した案を電波監理審議会に諮問しております。

 本修正案は、免許等の手続の透明性を高めるため、総務大臣は、案の策定前においても電波監理審議会に諮問することができるようにするものであります。

 第二に、電波利用料の使途に関する事項であります。

 現行法では、電波利用料の使途につきましては、その他事務として、法律に明示されていない事務も実施されており、また、研究開発事務につきましては、広く「電波のより能率的な利用に資する技術」に関する研究開発を対象としております。

 本修正案は、電波利用料の使途をすべて法律に明記し、その対象を明確にするとともに、研究開発事務の対象を、周波数を効率的に利用する技術等に関する研究開発であって技術基準の策定に向けて実施されるものに限定するものであります。

 また、本修正案では、電波に関するリテラシーの重要性にかんがみ、新たに、電波利用料の使途として、電波に関するリテラシーの向上のための活動に対する必要な援助を追加するとともに、情報公開に資するため、研究開発の成果その他の電波利用料の使途として実施される事務の実施状況に関する資料の公表に関する規定を設けることといたしております。

 第三に、電波利用料に関する検討規定の追加に関する事項であります。

 本修正案では、政府は、少なくとも三年ごとに、電波利用料の徴収等の規定の施行状況について電波利用料の適正性の確保の観点から検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする旨規定することといたしております。

 以上が本法律案の衆議院における修正部分の趣旨及び内容でございます。

 何とぞ、御審議の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。

 

○委員長(高嶋良充君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終了いたしました。

 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

   午後二時五十六分散会