行政監視、行政評価・行政苦情に関する調査(副大臣答弁)                            参議院行政監視委員会-1号 2008年02月13日

2009年7月28日 20:48

       行政監視、行政評価・行政苦情に関する調査(副大臣答弁)

       169--行政監視委員会-1 平成200213

 

 

 

○委員長(加藤修一君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。

 委員の異動について御報告いたします。

 昨日までに、川上義博君、牧山ひろえ君及びツルネンマルテイ君が委員を辞任され、その補欠として家西悟君、千葉景子君及び福山哲郎君が選任されました。

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○委員長(加藤修一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。

 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(加藤修一君) 御異議ないと認めます。

 それでは、理事に徳永久志君を指名いたします。

 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。

    ─────────────

 

○委員長(加藤修一君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。

 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(加藤修一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(加藤修一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官丸山剛司君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

○委員長(加藤修一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

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○委員長(加藤修一君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題とします。

 本日は、地球温暖化問題等に関する件について質疑を行うことといたします。

 質疑のある方は順次御発言願います。

 

○水戸将史君 民主党・新緑風会・国民新・日本の水戸将史でございます。

 時間が限られておりますので、一つ大きな項目だけを設定させていただいて、そして今の政府の見解を求めていきたいと思っております。

 御案内のとおり、地球温暖化の問題は緊急かつ急務の課題でございまして、今年からあのような気候変動枠組条約締約国会議、京都で開かれたいわゆるCOP3の、それにのっとった形で日本でも六%削減が一応これは大きな目標としてスタートするわけでございますけれども、現状におきましては、残念ながら、御案内のとおり、二〇〇五年度までには既にこの一九九〇年度比でもう七・八%のCO2を中心とした温室効果ガスの排出が増加しているということでございますので、単純に計算をすれば、今後五年間でこの七・八%プラス六%、いわゆる一三・八%の削減義務、目標が課せられてくるというわけでございます。

 そういう中で、安倍前総理も昨年の五月の段階で、サミットの段階におきましては、二〇五〇年までにこのCO2の排出を半減するんだということを声高らかに世界に日本の姿勢を示しました。

 そういうことで、いよいよこの七月には日本国主催の洞爺湖サミットが開催されるわけでありますので、そうしたいわゆる世界に先駆けてというか、そういう中において、日本の環境に対する姿勢というものが世界的な注目を浴びることはこれは言をまたないことでございますので、そういう視点から是非積極的な政府の御答弁、御見解をいただければと思っております。

 今日申し上げますのは、いわゆるバイオ燃料というものに関してお伺いしたいと思っております。

 このバイオ燃料、いわゆるその中でも特にバイオエタノールというものでございますけれども、これはもう既にこの第一約束期間、今年からスタートする五年間におきまして様々な削減の目標が掲示をされているわけでありますけれども、このバイオマス・ニッポン総合戦略というものを、もう既にこれは平成十四年の段階で閣議決定して以来、今年に至るまでいろんな取組は確かにされておりました。

 実際、このいわゆる二〇一二年に向けて、このバイオ燃料の活用を日本国内においてどの程度これから進めていくのか、その予定、計画があればこの場においてお答えいただきたいと思っております。

 

○委員長(加藤修一君) どなたにですか。

 

○水戸将史君 環境大臣。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) バイオ燃料につきましては、これはCO2削減目標量として約百三十万トンですね、原油換算で五十万キロリットルが京都議定書目標達成計画に位置付けられているわけであります。

 中環審、産構審の合同会合におきましても、京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告によりますと、運輸部門全体で二〇〇五年から千四百から千七百万トンの排出削減を行うと、こういうようなことになっておりまして、バイオ燃料の削減量百三十万トンというのは運輸部門全体の削減量から見ますと約一割を占めていると、こういうような状況でございます。

 

○水戸将史君 いただいた資料と若干答弁が違うんですけれども、私の手元の資料では、いわゆるこのバイオ燃料の活用促進に関しましては、西暦二〇一〇年度までに五十万キロリットル、バイオ燃料を日本国内で使っていこうじゃないかという形で、その中でも石油業界、石油連盟を中心とした傘下の業界団体に対しては三十六万キロリットル、これをバイオ燃料として国内で生産、販売、流通をして、そして普及促進に努めていこうというような資料がありますけれども、この事実関係はいかがですか。

 

○国務大臣(甘利明君) 先ほど環境大臣から答弁がありましたとおり、二〇一〇年度に原油換算でいうと五十万キロリットルの導入目標を掲げているわけであります。

 現時点でどうかということであれば、現時点ではこのバイオ燃料の導入についてまだ本格的な導入には至っていないということでありますが、経産省では導入目標の実現に向けて大規模な実証事業であるとかあるいは技術開発を進めております。

 加えて、このバイオ燃料を混合したガソリンの品質確保というのをしっかり図っていかないと、それぞれメーカーの旗を掲げるスタンドで責任を持って売れないということになりますので、いわゆる品確法、揮発油等の品質の確保等に関する法律、この改正を今国会に提出予定であります。

 来年度からは、このバイオ燃料を混合してガソリンを製造した場合に当該混合分に係る揮発油税等を免除する制度を創設するということにいたしておりまして、二〇一〇年度の目標達成に向けて政府挙げて取り組んでいくということでございます。

 

○水戸将史君 お聞きしていないことまで丁寧に答えていただいてありがとうございます。

 もちろん、換算の仕方が違えばその答えの答弁も違ってくるわけでありますけれども、先ほど言ったように、二〇一〇年までに五十万キロリットルを国内で普及していくんだという一つの計画があると、中期的な目標があるわけでありまして、五十万キロの中の三十六万キロは石油業界の協力を仰いでやっていこうということでございますが、残りの十四万キロについて、つまり石油業界に対してオーダーをする、お願いをしている部分以外の部分に関してはどういう形でこれから進めていく、具体的な計画があれば教えていただきたいと思いますが。

 

○委員長(加藤修一君) どなたに対する質問ですか。

 

○水戸将史君 経産大臣。

 

○国務大臣(甘利明君) 五十万のうち、当面石油業界が目標としておりますのは御報告のとおりでありますが、産構審、中環審でこの五十万キロを具体的にどうしていくかということを今詰めているさなかでございます。

 

○水戸将史君 委員の皆様にもこれ御認識していただきたいんですけれども、このバイオマス戦略は、これは経産省、環境省そして農水省がいわゆる三位一体となってやっているものでありますので、どこに聞けばいいかという話はいろいろと伴うわけでありまして、いろんな形でそれぞれの立場からお答えいただきたいと思っておりますけれども。

 いわゆる、先ほど言ったように五十万キロやるんだ、これから丸三年間掛けて五十万キロリットルをこれを普及促進していこう、その中の三十六万キロリットルは石油業界にお願いしていこうという方向性は、もう既にこれは平成十七年の段階で政府はそれを付けておりますが、しからば、もう既に全国で十か所程度のこのバイオエタノールの開発、試験研究等々を実証的に各省がそれぞれの立場からこれを行っているわけでありますけれども、そういう中において、このバイオ燃料というものは、御案内のとおりこれは二種類あるわけですね。E3というものと、いわゆるこれは直接ガソリンに混ぜることが可能と言われているE3というものと、もう一つはイソブチレンという化合物を加えて、そしてそれを添加剤としてガソリンに混ぜようと。

 いわゆるE3の場合はバイオエタノールというものを直接的にガソリンに混ぜるもの、もう一方のETBEというものは、これは今言ったようにバイオエタノールにイソブチレンというものを化合して、そしてこれを添加剤としてガソリンに混ぜるという、二つのいわゆるバイオエタノールの材料というんですか、燃料には二つの種類があることをここで御記憶にお留めいただきたいんですけれども、実際、このE3か若しくはETBEという二つのいわゆるバイオ燃料に関しましてそれぞれ今三つの省が挙げて実証実験やら様々な取組をし、ここにいわゆる国費も投入されているわけでありますけれども、このバイオエタノールの実証実験から製造、販売に至るまで、十九年度までのこの間、E3やETBEに関して何か所で試験を行って、そしてそれに投入された金額は一体どの程度なのか、それを代表してどなたかお答えいただきたいと思いますけれども。

 

○副大臣(岩永浩美君) 今委員から御指摘いただいた我が国におけるバイオ燃料の取組は、これまでに全国七か所で国際バイオエタノールによる小規模なE3の実証試験が行われています。また、海外から輸入した、先ほど御質問がありましたETBEを利用して、首都圏の五十か所のガソリンスタンドにおけるETBE混合ガソリンの供給実証を現在行っております。

 これらの実証試験に加えて、国際バイオ燃料の本格的な導入に向けて、農林水産省では今年から北海道に二地区及び新潟での大規模実証事業に着手したところであって、このため平成十九年度予算として六十一億円を施設整備費として措置したところです。

 

○水戸将史君 済みません、ちょっと、六十一億円は、これはE3に対して投下されたお金ですか、もう一度詳しくお答えください。

 

○副大臣(岩永浩美君) これは、E3とETBE合わせての金額です。

 

○水戸将史君 質問通告しておりますが、それぞれ合計はどの程度、E3とETBEに関しての、いわゆるそれに対して今まで投下されたお金は幾らでございますか。

 

○政府参考人(吉田岳志君) ちょっと詳細な数字になりますので、私の方から代わりまして説明させていただきます。

 十九年度の予算額でございますが、先ほどの六十一億円はこれは農林水産にかかわるものでございますけれども、政府全体でいきますと十九年度予算額百二十八億円となってございます。その中で、E3方式が六十五億四千万円、ETBE方式が六十二億三千万円となってございます。

 

○水戸将史君 今の百二十八億円は、E3、ETBEの二つの種類に対しての今までの累計額ですね。もう一度確認します。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 十九年度の予算額でございます。

 

○水戸将史君 私が質問しているのは、質問通告にも書いてあります。今までの平成十五年度ぐらいからやっているような、手元に資料ありますけれども、今までの累計額は幾らですか。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 申し訳ございませんが、累計額については今ちょっと持ち合わせておりませんので、また後ほど資料で提供したいと思います。

 

○水戸将史君 質問通告しているのにそれは残念でございますけれども、それじゃ、後ほど資料をいただくようなお取り計らいをお願いしたいと思いますけれども。

 

○委員長(加藤修一君) 後刻理事会で検討いたします。

 

○水戸将史君 それでは、来年度予算以降なんですが、これからこの二つの種類のE3若しくはETBEに関しての今後見込まれる予算額はどの程度ですか。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 今後の予算額見込みについてはちょっとお答え、定かなものも持っておりませんので、ちょっとお答えしかねます。

 

○水戸将史君 ちょっと不誠実なような気がするんですけれども、E3、ETBEのいわゆる二十年度予算もあるんだし、これから何年間かでいろんな実証実験をするという計画あるんですから、おおよその、きっかりした数字じゃなくても概算ぐらいはこれは出ると思うんで、今ないと言われればこれは仕方ないかもしれないけれども、もうちょっとこれ誠実に対応していただきたいと思いますが、後ほどそれも資料をいただきたいと思いますが。

 

○政府参考人(吉田岳志君) あらかじめE3方式、ETBE方式を決めて事業を必ずしも実施をするわけでもございませんので、その地域地域でその実態に合わせてE3方式、ETBE方式を選択してまいりますので、これから数年間にわたってE3方式に幾ら、ETBE方式に幾らといった計画は存在しないということでございます。

 

○水戸将史君 それはおかしいじゃないですか。先ほど七か所、E3をやっているという話があって、じゃこれE3の実証実験を、じゃETBEに転換することもあり得るという、そういうような御見解ですね。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 七か所のE3方式はこれまでにE3でやってきたという結果でございまして、今後そこをETBE方式に転換するとか、そういう計画は今のところございません。

 

○水戸将史君 答えになっていないんですね。結局、今までやってきたけれども、じゃ明日以降はどうなるか分からない。じゃ、平成二十年度の予算も既に付けているにもかかわらず、これに対して、今までE3の実証実験に対して何も検証しない、そして方向転換をすることは許されるんですかね。どうなんですか。

 今言ったように、E3という形で今まで実証実験やって、これを普及させるんだということでいろんなお金をつぎ込んだ。しかし、じゃ来年以降はそれがどうなるか分からないという、そういうような、ある意味むちゃくちゃな計画なんですか、このバイオエタノール計画というのは。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 私がお答えいたしましたのは、これまでE3方式でやってきたところがETBE方式に直ちに転換するという予定はないということを申し上げました。

 また、その前の答弁で、今後のE3方式、ETBE方式への予算額についての質問に対しての答えでございますけれども、今後新たに始めるところについて、E3方式、ETBE方式があらかじめ定まっているわけでもございませんので、その予算額は持ち合わせていないということを踏まえて答弁したものでございます。

 

○水戸将史君 ここで言っても押し問答になりますから話題を若干変えますが、一月二十二日の段階で、いわゆるバイオエタノール・アイランド構想、これは宮古島ですね、これで、もうこれはその当時の小泉内閣の肝いりで、あのときは当時恐らく二階さんが経産大臣だったと思いますけれども、その面々の肝いりでバイオ燃料を宮古島全体に普及をさせていこうという中で、E3方式を取ってこれを進めようという話で今までもそれなりのお金が投下されてきました。

 それは皆さんもよく御存じのとおりでありますが、この一月二十二日の段階でバイオ燃料島構想は頓挫、断念というような、そういう見出しで新聞にも掲載されていました。この事実関係について簡潔に御説明ください。経産大臣に。

 

○国務大臣(甘利明君) バイオエタノール・アイランド構想は、沖縄県の宮古島において、農水省、環境省と我が省と連携の下にE3ガソリンの製造から給油までの実証を行うものでありまして、本構想は先月、外部有識者による審査を経ましてNEDO、独法新エネルギー・産業技術総合開発機構でありますが、このNEDOが株式会社りゅうせきを実施主体として選定したところであります。島内四か所のスタンドにおいて実証事業に対して、石油業界がE3の原料となるガソリンを供給する形で協力する方向であるというふうに承知をいたしております。

 今後、地元関係者とも調整をしつつ、この構想をしっかりと推進をしていきたいと思っております。

 

○水戸将史君 私の質問に端的に答えていただきたいんですけれども、いわゆる頓挫と書いてあるんですね。この新聞が間違っているのかどうか分かりませんけれども、こういうような当初の計画が非常に狂ったというようなことで頓挫と書いてあるんですけれども、当初の計画と現状ではどう違っているんですか。

 

○国務大臣(甘利明君) 私の記憶ですと、箇所数がたしか十九か所、十九か所で行うのは、当面四か所でスタートをすると。これは、その四か所に向けては石油業界もちゃんと協力をしていきますと。

 何がネックになっているかというと、E3というのは途中混入でありますから、品質確保に対する法的整備がなされていないと自分の旗の下で売ることについて責任が持てないということなんだと思います。そこで、品確法を今国会に出しますから、そうしますと石油業界が自分の旗の下で売れるという法的整備が整うわけでありますから、その目標に向かって進むことができるというふうに理解しております。

 

○水戸将史君 この構想がスタートしてから、じゃ、来年度予算も含めてなんですが、このバイオエタノール・アイランド構想、いわゆる宮古島に対してどの程度のお金が投下されてきたのか、投下される予定なのか、総計分かりますか。

 

○委員長(加藤修一君) 速記止めてください。

   〔速記中止〕

 

○委員長(加藤修一君) 速記起こしてください。

 

○国務大臣(甘利明君) 各省ごとにしか把握できておりませんが、経産省分でいうと七億であります。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) こちらも、沖縄県宮古島市につきましては二十・八億円ということになっております。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 農水省は、宮古島につきましては原料提供に協力をするという形での参加でございまして、特段の予算を付けてはおりません。

 

○水戸将史君 三つの省のお答えいただきましたが、いわゆるトータルで二十七億そこそこというような形ですけれども、いわゆるここでちょっとおかしいのは、この二十七億もお金を投下したその後になって元売と対立をしてしまってこれは頓挫してしまうというのは、そもそもこの計画、構想のスタートの時点でのボタンの掛け違いがあったんじゃないですか、これ。どうでしょう。

 

○国務大臣(甘利明君) 元々石油業界は、かつての軽油のときでしたか、途中混入の事件がありましたけれども、それを懸念をして、そういう事件性のないETBE、つまり精製所でないと加工ができないということを彼らは主張してきたわけであります。

 政府の政策として両方推進していこうということになりまして進めているわけでありまして、それに関しては、途中混入で品質がきちんとしたものを消費者に供給することの担保をきちっと取っていく必要があるということで法律改正を今国会に提出をするわけであります。そういう法的基盤が整備をされますと、当然石油業界も更に積極的に協力をしてくれるということになると思います。

 

○水戸将史君 私、石油業界の関係者ともお話をしておりますが、元々石油業界は、いわゆる平成十八年一月の段階で石油業界としてはETBEの普及に努めると、E3はやるつもりはないということを明言して、そういう形で今までも順次様々な形で予算を、お金を投下してきました。

 そして、私がここで言いたいのは、いわゆる石油業界の姿勢を知りながらなぜこういう段階でE3、もちろんE3をやっちゃいけないという意味じゃありません、地域の中でこれを普及させていこうというその姿勢は分かるんですけれども、こういう中において、今この現時点においてこういう仲たがいというか、そういうような、いわゆる行政のある意味ちぐはぐな対応が非常に、それも二十数億円のお金が投下されているということに関しては非常に私はこれはある意味疑問を呈しながらも、この姿勢を問いただしていきたいと思っております。

 そもそもこのE3、ETBEの問題は、結局政府、今のE3というものに対しての認識が甘いということを石油業界も言っているわけですね。というのは、ただ単に先ほど言ったように直接混入をすれば、バイオエタノールとガソリンをただ単に混ぜればいいという話じゃなくて、混ぜるためには様々な技術的な改良、開発が必要なもんですから、そこの整備がされない限りE3の品質保証はできないと言っているわけでございまして、そういうことを含めてこれからの政府の対応としてどうしていくのかということが大きな課題となってくると思います。

 そして、しからば政府はE3に対して非常に特化してやっていくということと思いきや、実際のところは違いまして、いわゆるETBEに関しましても様々な働き掛けをしているんですね。片方でE3、もちろん片方でETBEをやっているわけですね。これは別に両建てでやって悪いわけじゃありませんけれども、じゃこのETBEに対して、先ほど言ったように、経産省はこのETBEの普及に対してどういうような働き掛けをしているのか、そしてどれだけのお金をここに投下しているのか、お答えいただきたいと思いますけれども。経産省。

 

○国務大臣(甘利明君) ETBE、E3全般についての御質問でありましたので、詳細な予算データは後ほど書面で提出をさせていただきます。

 ETBEの推進につきましては、石油業界は石油業界なりの考え方を持っておられるわけであります。一方で、地産地消という観点からE3は農水省も熱心に取り組んでおられるわけでありまして、そのどちらにも優れている点あるいは克服すべき点があろうかと思います。そこで、両方ともこれ実証実験の段階でありますから、最初から結論付けないで実証事業をしていこうということになったというふうに承知をいたしております。

 

○水戸将史君 結論付ける、最初から結論付けろとは言わないけれども、これに国民の税金が投下されていることは、ちゃんとこれは皆さんも重く受け止めてやっていただきたいなと思っているんですよ。

 ところが、E3の普及に対しては、もちろんこれは地産地消でやっていくというのはいいんだけれども、それは非常に言葉はきれいだけれども、例えばその品質保証の問題、それから、例えば東南アジアへ行けばいろんな、まあ東南アジアが悪いというわけじゃありませんけれども、例えばペットボトルにガソリンを売ったりとか、非常にいろんなところでそういうような、それまがいのものが売られているということのものがある。それに対して税金はどうなのかということ、それも捕捉されていない。ただ単に混ぜればいいという話になってくる。そういういろんなこれからの周辺整備も含めて、もしE3というものがこれを普及させていくならば、そういうことも含めて考えていく必要があるんですね。

 実際、このETBE、いわゆる石油業界がちゃんと一元管理等を基にして品質保証もやっていこうじゃないかという中において、これは今輸入しているわけですね。昨年に二回輸入しているわけでありますけれども、このETBEというものを、これから国内販売を、国内生産をしていこうという中において、実際これ農水省で、北海道でバイオエタノールを作っていますけれども、この農水省が作ったバイオエタノールは、これはETBEにするために生産しているというふうに伺っているんですけれども、この事実関係はいかがですか。

 

○副大臣(岩永浩美君) 今年から、農林水産省を介したバイオエタノールの大規模実証事業については、原料供給からバイオ燃料の製造、供給までの地域の関係者が一体となって組織を推進することとして準備を進めております。その中で、北海道二地区、十勝と苫小牧では、関係者で構成する地域協議会の計画によると、ETBE方式による販売を予定されています。

 

○水戸将史君 実際、石油業界は元売業界がこのETBEをもう既にヨーロッパ等々から輸入しているわけでありますけれども、この輸入価格がもちろんガソリンに比べて売れるのかという単価の比較になりますと、やはり安い単価の方に燃料としては使われるわけでありますんで、単価を下げなきゃいけないという話になってくるんですけれども、実際に今このETBEの単価に対して燃料補助もしていると伺っているわけでありますけど、この実績と事実関係はいかがですか。

 

○国務大臣(甘利明君) 詳細なデータに関して事前にお話をいただければ全部用意しておったんでありますが、政策全般に関する御質問でありましたので、細かな詳細なデータにつきましては後ほど書面で提出をさせていただきます。

 

○水戸将史君 細かなことよりも事実関係だけ、やっていればやっているというお答えでよろしいんですけれども、実際にいろいろとそちらからいただいた資料等々を含めて、いわゆるE3に関しては今石油業界の協力が得られずになかなか普及はできないであろうともう既に言われているわけでありますし、新聞ではもう断念という書かれ方をされております。

 その一方で、ETBEに関しては、石油業界が本腰を上げてやっていこうという中で、もう既に政府もこちらに関しては価格の補助も、さらに先ほど、北海道で作ったバイオエタノールを、これを石油業界に売って、そしてETBEを作ってもらおうというような働きかけも既にしているわけですね。

 ですから、私は決してこの二つを同時並行に進めちゃいけないということではないんですけれども、やはりちゃんと実りあるような方向性を皆さん方が踏まえながらやっていかないと、E3だけにこうやってお金がもう何十億も、はっきり言ってもう百億円近いお金が多分今まで投下されたでしょう。しかし、これに関しては、ふたを開けてみれば何も実らなかったということでは、これからの環境を唱える国としては非常にお粗末であると思っておりますので、そういうことを含めて、これからのバイオエタノール戦略をこれからますます進めていこうということであるならば、やはりE3、ETBEに関してちゃんとした足を地に付けた計画を作りながら実効性のあるような形で進めていただきたいということを強く要望して、私の質問を終わります。

 

○福山哲郎君 民主党・新緑風会・国民新・日本の福山哲郎でございます。

 本日は、長年環境問題、一生懸命やってこられました加藤委員長を始め理事の方々の御尽力で、この行政監視委員会、まさに地球温暖化問題に関する件ということで時宜を得たものだと思っておりまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。

 また、各大臣におかれましても、衆議院の予算委員会の最中にこちらにお出ましをいただきまして、連日お忙しい中御答弁にお越しをいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 今日は五十五分でございますので、ゆっくり大臣と議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 まずは、去年のバリのCOP13からバリ・ロードマップが合意をいたしまして一月のダボス会議と、まさに温暖化の問題は次の段階に入っているかなという感じがいたします。ダボス会議での福田総理の演説も、私ここに全文持っておりますが、二〇二〇年前後へのピークアウトや主要排出国全員が参加する仕組みづくり、また国別の総量目標等、これまでの日本の政府のコメントからは考えられないぐらい福田総理も踏み込んだ発言をダボスでしていただきまして、非常に私も心強い限りでございます。関係省庁も含めて、恐らく大変な力添えをいただいた結果だと思います。非常に私はいいことだと思っております。

 ただし、その中でですが、鴨下大臣もダボスお疲れさまでございました、行かれたというふうに承っておりますが、総理が、各国の国別総量削減目標を掲げ取り組むと、それから世界で二〇五〇年に半減しなければならないと。これは安倍前政権からの続きでございますが、国別の総量削減目標を掲げ取り組むというのは非常に踏み込まれました。

 しかしながら、いつもながらですが、我が国自身の総量削減目標に対する言及はやはりダボスでもありませんでした。実はバリでもありませんでした。このことについてなぜ言及がなかったのか。どうしましょう。官房長官からまずお伺いをさせていただければよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(町村信孝君) これから来年末に向けていろいろな会議が行われていく節目節目のものがあろうかと思います。昨年の十二月、バリというのは、そういう意味で大変重要な会議であったと思っておりますし、日本にとりましては一つの節目としてのサミットというものもあろうかと思います。

 来年末が一つの集約の時期なんだろうと思いますが、そういう中にあって、やっぱり一遍に何か結論を見出すということが容易ではないがゆえに何年も掛けて議論をしていくということになっているのは、委員御承知のとおりでございます。したがって私は、例えばバリで、やっぱりすべての主要排出国が何らかの形で参加をしていくんだというまず一つのボトムラインを確保した、そういう意味で意味があった。その上で、じゃ日本がどうするのか、世界はどうしたらいいのかというのを、やっぱりステップ・バイ・ステップで日本が考え方をはっきりさせていくということが私は日本外交のやり方として適切なんだろうと。

 総理もそういうお考えで今回、ダボス会議という今年言わば最初の大きな国際会議で、特にG8の議長国としての立場を踏まえながら日本としての今後の取り組む基本姿勢というものを表したものであると理解をしております。その辺を評価を福山委員にもしていただいたことを感謝をしているわけであります。

 この解決には、やはり今申し上げたすべての主要排出国が参加するというのが一つ重要なポイントだろうと思います。やっぱりアメリカやら、あるいは中国やらインドやら、もちろん先進国と発展途上国の違いはあるにしても、やはり一定の、やはりこの枠組みの中に参加をしてもらうということがなければ意味がないんだろうと思いますし、また目標設定にしても、やはりそこにみんながなるほどという納得なくして一つの数字をぽんと出して、さあこれでやろうと言っても、なぜそうなんですかというところについて理解がなければならない。

 そういう意味で、やはり公平な国際的に合意し得る目標設定、その目標、公平の基準は何なのかということもはっきりさせていく必要があるんだろうというふうに思っております。

 日本は、そういう中で、国別総量目標という言葉はバリでは使いませんでしたが、今回初めて日本も国別総量目標というものを掲げて取り組みますよという決意表明をしたわけでございます。

 そして、この国別総量目標の具体の数字は今後国内での作業というものを加速をしていかなければならないわけでありますが、その算出方法であるとか基準年次、例えばヨーロッパの幾つかの国々は一九九〇年というものを言わばアプリオリに置いているようでありますが、本当にそれが国際的に合理的なのか、公平なのか、それが意味あるものなのかという辺りも更に検証し議論をしていかなければならない、こう考えるわけでございまして、特にサミット議長国ということでありますから、いろんな国がいろんな意見を持っている、それをやっぱり取りまとめていく役割を日本も相当程度担っているんだということであろうかと思います。

 したがいまして、一遍に日本が数字をなぜ言わないのかと、こうおっしゃるけれども、一つはまだ作業中であるということもありますが、同時に、日本がこれこれという数字を出すことが果たして今言ったように、着実に来年の年末に向けて議論を積み上げていく際に、それは俗受けするかもしれませんが、そのことがかえって世界全体の議論、作業というものの阻害になってはならないわけでありまして、やっぱりいろんなまだ相当ばらつきがあるわけです。国によって相当まだまだばらつきがあるわけです。

 本当に最後まですべての国が参加できるかどうか、まだまだ確たる自信が持てる状況には遠いわけでございますから、だんだんだんだんだんだんこう、ちょっと表現はあれですが、投網を、何というか、絞ってくるような感じで、やっぱりすべての主要排出国がうまく参加できるような仕組みというものをつくっていくということに日本は特に意を用いてやっていかなければいけないんだろうと、こういうふうに考えているわけであります。

 

○福山哲郎君 大変御丁寧に御答弁いただいて、ありがとうございました。

 ただ、一つ、官房長官、申し訳ありません。私は、俗受けをするために削減目標を日本が掲げるべきだと申し上げている気は全くございません。現実に世界で異常気象が起こっていると。削減は世界総量としてやっていかなければいけないというのは、日本が去年のサミットで半減ということを提唱したと、その中で日本が個別の削減目標を提示するのはある意味必要だと思うと。

 ただ、官房長官の今の考え方は私は理解をしますが、申し訳ありませんが、俗受けをするために削減目標を掲げるとか掲げないという議論は少し私は言葉としては不穏当だと思いますので、そこだけは御訂正いただけませんか。

 

○国務大臣(町村信孝君) ごめんなさい。私は、福山さんが俗受けをねらってそういう主張をしていると言ったつもりはもとよりございません。

 ただ、やっぱり何となく、早々と数字を言うことが国際社会にアピールできていいんじゃないかみたいな、そういう論調というのが世の中結構あるものですから、やっぱりそれだけで物事を判断し、事を進めていってはいけないのではないかという思いを込めて申し上げたので、別に委員が俗受けをねらって云々と、もしそういうふうにお取りになったんだとすれば、それは大変私の言い方が不十分だったので、そこはきちんともう少し申し上げなきゃいけないと思います。

 

○福山哲郎君 いや、今の官房長官のお言葉で十分でございます。

 ただ、なぜ総量目標を設定しなければいけないのかという点でいえば、例えば国が総量目標を設定することによって実は政策的にいろんなプログラムが積み上がるわけです。更に言えば企業も、国が総量削減目標を掲げることによって、企業の将来設計、経営指針等についてCO2の排出というファクターが確実に入る形の中で実は総量削減目標が必要ではないかということを私は申し上げています。

 もちろん、異常気象を回避をするために基本的には二〇五〇年半減をしなければいけないんですが、もう少しミクロのレベルでも削減目標を設定をするということは、一般的に受けるとか、それで基本的な方向を指し示せばいいんじゃないかという抽象的な概念ではなくて、より具体的に政策のポリシーミックスができるという観点で私は申し上げていますので、そこは官房長官には御理解をいただきたいと思います。じゃ、御答弁いただきます。

 

○国務大臣(町村信孝君) さっき申し上げたように、私どもずっと日本の目標を言わないと言っているわけじゃございません。もとより、そういうことを今作業を関係者間でやっている最中でございまして、いずれ必要なタイミングにはきっちりと日本としてのそうした数字は申し上げる時期があると、またそうしなければいけないと思っております。

 

○福山哲郎君 私、官房長官とばかりやり合って、せっかく環境大臣も経産大臣もお越しいただいているんですけど、今官房長官が非常に踏み込んで、日本としてもきっちり出していくとおっしゃいました。

 洞爺湖サミットが、もう年限が切られています。今官房長官がおっしゃられた日本の国内の、国別の日本の削減目標は洞爺湖サミットの前に出されるおつもりなのか、それ以降なのか。そのことについては官房長官、どういうイメージで今答弁をされたのでしょうか。

 

○国務大臣(町村信孝君) 私は余り知識も経験もないものでございますから、今この時点でいつということをちょっと申し上げるだけの知見がございませんが、洞爺湖サミットにおいて日本がやはり議長国として必要なイニシアチブを示せるような、そういうことを念頭に置きながら作業を加速化させていきたいと思っております。

 

○福山哲郎君 では、環境大臣にお伺いします。

 環境大臣が去年の十月の十六日、予算委員会の答弁の中で、福田総理が国別削減目標を作ると初めて国会の場でおっしゃいました、その後、大臣も、年内にできれば作りたいと非常に踏み込んだ発言をいただきました。別に、今それができていないことを私は責める気は全くございません。しかしながら、ダボス会議で、バリで言えなかった、ダボス会議でやっぱり国としてのある程度の方向性は出されるのではないかと私は正直言って期待をしました。福田総理もこの問題については随分踏み込んでおられるし、私は熱心だというふうに思っております。

 そういう面で、ダボス会議で総理が国別の削減目標に言及をされなかったことに対して環境大臣はどのようなお気持ちなのか、また、なぜなのか。官房長官と同じだとおっしゃると思いますが、お答えをいただければと思います。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるとおり、官房長官とほとんど同じでございますけれども、先ほどお話ありましたように、バリでの日本の目標というのは、ある意味でツートラックアプローチができるように、そしてコペンハーゲンでゴールができるように、こういうような枠組みをつくるということに我々は至上命題を掲げてやってまいりました。ある意味でそれは成功したというふうに思います。

 加えて、そのときの議論の中で、これはG8の役割として、例えば途上国支援そして先進国としてのより深掘りをしていくと、こういうようなことについては、多分、あの中での雰囲気はそうだったんだろうと思います。ですから、そういう意味でいうと、このG8に向けてのダボス会議の中で総理が国別の総量目標を言及したということは、私は非常に意義があったというふうに思います。

 ただ、それに対してEUはまた違った思いがありますので、日本の総量目標とEUの間である種の摩擦が起こるということは、これは私は致し方がないというふうに思っていまして、最終的には、先ほど官房長官がおっしゃったように、このG8の洞爺湖でどこまでたどり着けるかというのは、これはアメリカの動向もあり、主要排出国である中国、インドの考えもあり、そしてEUが、日本が掲げる、例えば積み上げ型のある種のインベントリーの決め方、これについてどこまで歩み寄るかと、こういうようなこともあって、そういうようなことのトータルである程度整ってくれば、そのときが日本の数値目標を掲げるときだと、こういうふうに考えております。

 

○福山哲郎君 今の大臣の御発言は、洞爺湖サミットに向けてどういう形で削減目標を、それぞれの、EUにしてもアメリカにしても途上国にしても議論をしていくかという段階の中で、それぞれ削減目標を積み上げていく方式が、今アプローチが違うわけですね。そのアプローチをある程度すり合わせた上で、それぞれの国、それぞれの途上国も含めて提示をしていくのではないかというような方向だというふうに私は受け止めました。それはそれで私は結構だと思います。

 ただ、衆議院の予算委員会の議論の中で福田総理は、今年に入ってからなんですけど、二〇五〇年で半減でいいのかどうか、ほかの国が半減できないときには世界の全体の量は日本がその分頑張らなければいけないということもあるかもしれないし、他の国にそういうことを要請することもあるかもしれないと、そういう長期目標を掲げたということで、これから努力して合意を得ていくと答弁されました。

 これも実は随分踏み込まれて、日本は五〇%やるのは当然で、ほかの国ができないときには全体の量は日本がその分頑張らなければいけないとおっしゃったんです。

 これはなかなかの答弁でございまして、ということは二〇五〇年、日本の総量削減目標は五〇%が最低ラインだということを総理が自らある程度認められたということだというふうに思いますが、これは官房長官も環境大臣もお認めいただけるということでよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(町村信孝君) 総理の御発言をどう解釈をするのか、ちょっと私にも分からないところが率直に言ってありますが、心構えとして、積極的に日本はやっていくんだ、いくという姿勢を表したものかと思います。何しろ二〇五〇年ですからね、四十数年先のことでもありますけれども、いずれにしても日本としては諸外国に先駆けて一生懸命やっていくという趣旨のことをきっと言われたんではないだろうか。したがって、長期目標としてその最低ラインが半減であると、これが日本の提案であるということを何か国際的にコミットしたという性格ではないのではないか。

 いずれにしても、もしほかの国がなかなかうまくいかないという場合には、日本として可能な限り、仮に半減以上できるものならそれは大いにやっていこうという意欲の表れ、それが安倍前総理がクールアース50で言われた内容を確実にやっていこうということを提案国として意図を表したものだろうと思いますし、また二〇五〇年の話をすれば、それは相当革新的な技術開発をしなければいけないとか、幾つかのハードルといいましょうか、やらなければならないことが実際あるわけですね。今の技術だけでなかなか、五〇年半減というのは達成するのはほぼ不可能なんだろうと思います。

 そういう意味で、革新的な技術開発に一生懸命あとやっていくんですよ等々のことはダボスでも申し上げているとおりでありますし、日本も今環境エネルギー技術革新計画というのを取りまとめている最中でございますが、こういうことにも力を入れていくんですよ、そうしたことも含めて長期的な決意を表明したものと、このように私は受け止めております。

 

○福山哲郎君 年金の名寄せも公約だったのがいつの間にか姿勢を表した言葉に変わりましたし、今の官房長官も、最初の答弁に比べると今の答弁は急にトーンダウンされたと。

 環境大臣は多分違う思いだと私は思っておりますので、これは多分環境大臣はもう少しばしっとお答えをいただけると思いますが、この総理の答弁は、世界で半減はもちろん日本は提唱したと。総理が半減でいいのかどうかと、ほかの国が半減できなければ日本はその分もやると言ったことは、日本は二〇五〇年半減は最低ラインだという設定だと思っていいですね。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) ハイリゲンダムで安倍前総理がクールアース50を言いました。そのときに、二〇五〇年に世界でCO2排出量を半減しなければ様々な問題が起こってくると、こういうようなことの趣旨だというふうに理解をしています。そういう中で、クールアース50を提言した日本が、じゃ世界各国が半減をする中で半減をすることができないというようなことにはならないんだろうなというふうに思っております。

 そして、これは、福田総理もこのところで五〇年に半減がするというようなことを前提に日本はどういう貢献をするかということでありますから、私はこれはすべての国が半減をある種約束をすると、こういう方向性を日本がリーダーシップを取っていくべきだと、こういうふうに理解をしています。

 

○福山哲郎君 私は、今の環境大臣の発言は、二〇五〇年はやはり日本としては半減、五〇%が最低の目標なんだろうと。それは設定しないと国際社会がある種許してもらえないんだろうというような環境大臣の意見の御答弁だったと思いますので、それで私はいいと思います。

 正直言って、先進国は五〇パーでは足りません。アメリカのリーバーマン・ウォーナー法案でも、二〇〇五年比でございますが、六三%削減の法律ができていますし、EUはもちろんそれ以上でございますし、大統領候補のクリントンさんは八〇%削減を言っておられますし、そこは、五〇%というのはほぼ最低ラインだと今環境大臣が設定をいただいたというふうに私は受け取らしていただきたいと思います。

 長期目標は長期目標でいいと。先ほど官房長官が言われましたように、二〇五〇年のことだから革新的な技術開発も要る、先のこともなかなか不透明だと。私もそのとおりだと思います。しかし、先ほど私が申し上げたように、なぜ目標が要るのかというと、それに合わせた社会システムをつくっていかなければいけないから目標値が要るんだと私は思っています。

 そうなると、二〇五〇年が余りにも遠い時期で不確実性が高いということになれば、やはり次の段階は中期目標が必要になるということになると思います。二〇二〇年ピークアウトをしなければいけないと福田総理はダボスでおっしゃいました。これも非常に踏み込んだ発言だと私は思っています。二〇二〇年ピークアウトのためにどういう中期目標を日本は設定するおつもりなのか、環境大臣、お答えをいただけますでしょうか。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) 十年から十五年でピークアウトを、まあ福田総理は十年から二十年というふうにお話しになりましたけれども、これはIPCCの第四次評価報告書の数字にのっとっているわけでありまして、それを準拠して考えると、おのずと日本の中期目標というのがどこぞ辺りにあるべきかというようなことは大体類推できるわけであります。

 今委員おっしゃったように、二〇五〇年に仮に日本が最大限努力して五〇%の削減が目標になれば、基準年、これはまた別の、いわゆるオールドAWGでの目標というのは、これは九〇年比でマイナス六%ですから、そうすると、それを連続の中でつないでいくと、まあ二〇二〇年ぐらいのところはどの辺りにあるかということが大体直線上に出てきます。それに加えて、総理が十年から二十年でピークアウトと、こういうようなことをおっしゃったというようなことを全部つなぎ合わせますと御想像が付くだろうというふうに思います。

 

○福山哲郎君 今の環境大臣の御答弁で、官房長官、ニュアンスとしてはそうだなという感じでよろしいでしょうか。

 

○国務大臣(町村信孝君) そうだなというのは、その中期目標を一定の幅のところで作ろうということですね。

 それはそうだなと私も思いますが、いずれにしても、これからまだまだ議論しなきゃならないこと、さっき幾つか申し上げました。例えば基準年一つ取っても、大分そこには意味が違います。また、ヨーロッパ、EUといっても、EUバブルという言葉があるように、先進国はほとんど何もしなくても、拡大されたEUというものの存在の結果、物すごく、本当に地球温暖化のガス、CO2等をあんまり努力しなくても簡単に実現できてしまう幾つかの国々があったりとか、本当の目的に照らして何がいいんだろうかと、何が必要なんだろうかということは、よほどよくそこを見極めないと数字の議論というものはなかなかしづらい、難しいところがあるんだろうと思います。

 だからそこは、みんなが納得できる公平な基準をどうやって作っていくのかと、そのところにこれから相当なエネルギーを傾注して国際的な合意をつくっていく。もちろんそこには、先進国と発展途上国の違い等々はもちろんあるんでしょうけれども、そういう性格のものとして今後中期的な目標というものを考えていかなければいけないんだろうと、かように私は受け止めております。

 

○福山哲郎君 官房長官のおっしゃるとおりだと思います。

 ただ、EUバブルの議論は、基準年のことは後でお伺いしますけれども、さはさりながら、その議論は、京都メカニズムの導入や吸収源の導入等も含めて、日本の主張は京都議定書の中では随分取り入れられたと私は思っています。

 なおかつでございますが、これはもう鴨下大臣とは環境委員会でやり取りしましたし、環境大臣は御理解をいただいておりますからあれなんですが、官房長官と経産大臣に確認をさしていただきたいのは、バリ・ロードマップで、先ほど環境大臣が言われたように二つのトラックが動き出しました。

 一つは、良かったなと私も思っていますが、先進国も途上国も含めたポスト京都議定書への一つのAWG、アドホック・ワーキング・グループというのが動き出した。これは今からスタートしますから、これから官房長官の言われたような仕組みや方法や効率性をどう導入していくかというような議論を詰めていけばいいと思います。これはオーケー。

 しかしながら、元々京都議定書の批准国の中の旧アドホック・ワーキング・グループの中では、二〇二〇年に二五から四〇%削減を認識しつつ取り組むという文言が入って、これも合意をしています。つまり、今温暖化の流れの中では、バリ・ロードマップという先進国も途上国も入った、アメリカも入ったこれからスタートするラインと、もう一つの日本が入っている批准国のラインがあって、この批准国のラインは確実に二五から四〇という文言がその合意の中に入っていると。なおかつ、それは将来的には収れんをしていくわけです、この二つのトラックは。

 そういう流れの中で、中期目標の設定というのは、先ほど環境大臣や官房長官が言われたように、二〇五〇年半減からバックキャスティングして後ろ向きにちゃんと、後ろ向きというか、そこから後ろ振り返ってやっていけば、自然と二〇二〇年どのぐらいの中期目標が要るのかというのは日本の削減目標として出てくると私は思っておりまして、それは早く作っていただいた方が早く準備ができて、早く実は企業も国も社会も対応できると思っておりまして、その中期目標の設定についても、先ほど言われた洞爺湖サミットの前後どちらか別ですが、長期目標とともに設定をしていただきたいとお願いをしたいんですが、これは環境大臣でも官房長官でもいいですが、じゃ、まず環境大臣、お願いします。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) もう先生とはかねてからこの問題は議論をさせていただいていて、おっしゃったように、いわゆる京都議定書における附属書Ⅰ国、その中では先ほどの数字、例えば二五%から四〇%の削減が、二〇二〇年には一九九〇年比でそのぐらいの削減が必要と、こういうようなことをIPCCが科学的な知見として提言していますから、それをこのいわゆるオールドAWGの国は認識をすると、こういうようなことをスタートにしているというようなことは、これは本来は非常に重い話だろうというふうに思います。

 これは京都議定書に、アメリカが離脱するときに、科学的でないということを一つの大きなよすがにしたわけですけれども、現実にはそれが非常に科学的だというようなことで、もうだれしも認めるというようなことをこのオールドAWGが認識をしたわけでありますから、是非これは政府一丸となってそういう方向でさせていただきたいというふうに思っています。

 

○福山哲郎君 いや、今政府が認識をしているということで、重たいという発言は本当に僕は重要な発言だと思っておりますので、これは官房長官も経産大臣もそれぞれ御認識をいただければ非常に有り難いというふうに思います。

 それで、どうぞ官房長官。

 

○国務大臣(町村信孝君) 今環境大臣おっしゃったことを若干補足的に私なりの理解で申し上げれば、私も一応この合意文書というか全体を見ましたけれども、やはり記述があることをレコグナイズ、認識するということは、これで各国が完全合意をしたということではないということも我々は認識しておかなければいけないんだろうと、こう思うわけであります。

 貴重な指摘であることも事実だし、それに留意するということの趣旨は合意したけれども、各国の間でこれが将来の目標として合意された文書になったんだということではないということはあえて申し添えておきたいと思います。

 

○福山哲郎君 いや、私もそこの文言は分かっているつもりです。しかしながら、各国がIPCCの二五から四〇に対して認識をして、これまで批准国として動いてきたものを動かす、これから先もそれに準じてというか、それを前提に動かしていくということを認識したということですから、これは非常に重たいものでありまして、もちろん合意をしたとは思いませんが、それに応じて各国の削減目標について議論を進めていくということだと私は思っていますので、そこはよろしくお願いしたいと思います。

 先ほどの、官房長官からもお話ありました、基準年も見直されるべきですと総理は演説の中で言われました。じゃ、日本は一体いつ基準年にすればいいという認識でいらっしゃるのか、お答えをいただけますか。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) これは、一九九〇年というようなことにおいては、京都議定書の中での様々な議論があったわけでありまして、EUはそこをスタートにしてこれから新しいバリ・ロードマップにおける新たな枠組みの中でもこれを基準にするべしと、こういうような話がありました。

 ただ、福田総理がダボスでの御発言の中には、これは基準年そのものも含めて新しい枠組みの中では議論をしましょうと、こういう提案をしたわけでありまして、それが私はある意味で適切な発言だったと思いますけれども、EUにとってみると余り面白くなかったと、こういうようなところがあると思います。

 ですから、そういう中で我が国にとって国益になり、なおかつ究極の目的である地球温暖化を防止すると、こういうような意味においてどこに基準年を置くべきか、あるいは基準年という概念をまた別の意味において考えるべきかと。こういうようなことについてはこれから、今、加速度的にですけれども、議論をしようと、こういうようなことになっているということだけ申し上げておきます。

 

○福山哲郎君 私は、別にEUにすべて従えと申し上げているわけではありません。しかしながら、九七年の京都議定書のときには実は九〇年の基準比の問題、そのときも議論がありました。先ほど官房長官が言われたEUバブルの問題もあったんですが、その分、吸収源や京メカというのを取り入れてスタートしました。現実に京都議定書の枠組みの中で九〇年以来ずっと議論をしてきたと。

 新たなポスト京都のときに基準年を見直せという発言は、実はこれ非常に重たい発言です。だって、今まで国際社会は九〇年度比でずっと議論を前提としてしてきたものに対して、日本の、特に洞爺湖で、温暖化が議題になると分かっている洞爺湖のサミットの直前に、議長国である日本の総理が基準年を見直すと言ったのは、これはルールを変えろと言っていることですから、これは単純な話では決してありません。

 つまり、それだけの覚悟があって基準年を見直せと言った限りは、日本は一体いつの基準年ならのめるのかと。これはやっぱり非常に重要な問題だと僕は思っているんですね。思い付きのように基準年を見直せみたいなことを言ったら、国際社会は今までの前提と違うことを日本の議長は言い出したと。これ、どれを前提に議論したらいいのかという話になるわけですから。それも、洞爺湖サミットの直前に一月のダボスで総理が言ったと。これはやっぱりそんな単純な話では僕はないと思っているんですね。

 いつなら日本としては基準年の話は、じゃコミットできるのかと。今の環境大臣の御答弁は、環境大臣のお立場では僕は理解はするつもりです。しかし、国際社会から見たら、おい、議長国がルールを変えろと言い出したぞというふうに見えるんじゃないですかと。それならそれなりの覚悟が要るんじゃないですかということを申し上げているんですが、環境大臣でも官房長官でもどちらでも結構です、お二人にお答えいただいても結構ですが、お答えいただけますか。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) おっしゃるとおりに、その基準年を変えるというようなことは、多分、まあマスコミ等では余り大きくは報道されませんでしたけれども、極めて重要な提案の一つだったろうというふうに思います。むしろ、国別総量目標というようなことを皆さん御評価いただきましたけれども、場合によると基準年の方が重い発言だったかも分かりません。

 それは、私は環境大臣ですから環境を一番優先するべきですけれども、そういう中でもやはり日本の立場あるいは日本のルール、こういうようなものも主張しつつ、なおかつ最終的に二〇五〇年には気候変動を止めるんだと、こういうようなことの目的のためにしっかりと日本がどういうふうな役割を演ずるかということなんだろうと思っていまして、必ずしも九〇年比でどのくらい削減していくということですべての国がコミットしてくれるかどうかというようなことについては、私も半信半疑です。

 例えばアメリカ、それから殊のほか重要なのは中国、インド、こういうような国が、果たしてそういうようなところで、本当にこの新たな枠組みの中でバリ・ロードマップがコペンハーゲンで出口を出られるかと、こういうようなことについては少し詳細に検討しなければいけないと、こういうような中での基準年も見直そうじゃないかと。

 まあ多分EUにとってみたら足下が崩れる話ですから、極めて重要な提言、提案だっただろうというふうに思いますけれども、そういう中でもう一度新たな枠組みをつくっていこうという野心的な提案だったというふうにも受け止めていただきたいというふうに思います。

 

○国務大臣(町村信孝君) 軽々にこの基準年のことをダボスで総理が言われたわけではございません。相当議論もし、考えてもみました。

 しかし、客観的に見ますと、一九九〇年、ちょうど冷戦構造が崩壊をした、あれは八九年ですか、ベルリンの壁が壊れたのは、九〇年ですか、それから拡大EUということでどんどんEUは拡大をしていった。そして、九〇年と比べて今の中国であるとかインドであるとか、ここまで急速に発展すると、九〇年のとき、また思いもしなかった国々が多分大部分であろうと。それだけ世界の経済構造も変わってきたときに、九〇年というのが未来永劫絶対的な水準というのも、やっぱり世の中の変化というものを余りにも表していないという見方もあろうと思います。

 他方、環境という観点からすると、いやいや、そうじゃないよと、もうそんなことを言うんだったらもっと前にさかのぼるかとか、いろんな議論があり得ると思います。

 したがって、先ほど申し上げましたように、すべての関係する主要な排出国が参加できるような基準年、そして、それはなるほどとみんなが思えるような基準年はいつなのかと。正直言ってまだ今、日本が何年がいいということを申し上げられる状況にはございませんけれども、だんだんこれも議論が深まる過程で日本としてもそこはいずれかの時点ではっきりとそれは言う必要があるんだろうと、こうは思っております。

 

○福山哲郎君 官房長官のおっしゃられたことは、一面、時代も変わる、社会システムも変わる、そのとおりだと思います。しかし、二酸化炭素の総量を削減しなければいけないという命題は変わらないわけです。そのときには、ある一定の年次で決めて、どこで削減していくかと決めない限りは、例えば経済が大きくなって二酸化炭素がどんどんどんどん排出しているときに、基準年をあるときずらした瞬間に全体の削減する量というのはその分だけ増えるわけですから、一体どれだけ減らすのかという議論がだんだんぼけてくるんですよ。

 このことは非常に重要なことで、私は、ルールを変えるというのは本当に大変勇気のある話でして、なおかつこれから議論をしていきましょうと。でも、官房長官、サミットまであと何か月なんですか。サミットのときに議長として日本は各国に対してこういう方向でいきましょうということを示す役割があるんです。

 ということは、今の話で総合すれば、基準年の問題も日本の国別削減目標の問題もある程度議長国として日本は洞爺湖サミットで提示をして、それに対してEUやほかの各国の反応を見ながらそこである程度状況をまとめていくための準備をしているということでいいわけですか。

 

○国務大臣(町村信孝君) さっきも申し上げましたように、サミットは一つの大きなモーメンタムを増すチャンスではあります。しかし、そこが唯一絶対のあれではありません。最終目標は来年の年末であります。それがまず第一点であります。

 それからもう一点は、確かに委員がおっしゃるように、どこかで基準年を設けなければ、あるいはいろんな意味で国々が発展をしていない九〇年というのがいいじゃないかという議論も、それはそれで一つの理屈だろうと思います。しかし、それが余りにも今の経済実態と懸け離れたところを基準に取るということが、どういうんでしょうか、そこからの削減量を考えるのか、あるいはもうちょっと新しい時点のものを決めて、そこから大きな削減、もしその間に、確かに増えているわけですから、そこから大きな削減量を決めてもいいわけですね。

 ある意味じゃ、その方が、それぞれの国の経済実態あるいはそれぞれの国の排出量のバランスというものを見て、どこを基準に取ったらば一番世界全体でそれを減らすことができるのかという建設的な議論にもつながってくるんだろうと思いますから、私は、九〇年が引き続き採択されるというか基準年になることも含めて、今こうでなければならないということを決め付けるのはいかにも時期尚早なのではないだろうかと。

 そこをまさに、みんなが納得できる公平な基準、公平な算出方法、公平な基準年はいつなんだろうかということをこれから来年の年末に向けて議論をしていこうということが今の日本の立っている現状ではないのかなと、こう思っているわけであります。

 

○福山哲郎君 今のお話は分からなくはないんですが、官房長官、別に言葉じりつかまえる気はありませんが、例えば基準年を変えて経済実態に合わせたと、それで二酸化炭素が増えたら、削減量をそのまま幅を上げればいいじゃないかとおっしゃいました。

 それだったら基準年同じでも一緒じゃないですか、九〇年でも。一緒じゃないですか。だって、世界全体で半減しなければいけないという総量は同じなんですよ。そうしたら、今官房長官が言われたみたいに、基準年を変えて排出量が増えて、それでまずいんだと、その分排出量の削減を大幅にすればいいじゃないかとおっしゃったら、結果は同じじゃないですか。これが一つです。

 二つ目は、何をおっしゃったかな、(発言する者あり)いや、来年の話の前にすごい重要なことをおっしゃったんですが、いいです、じゃ官房長官、まず答弁してください。

 

○国務大臣(町村信孝君) 国別にそれぞれの国が排出量を考えるときに、全く、まあ全くと言ってはいけませんよね、非常にまだ発展のペースがスローであった一九九〇年と、中国なりあるいはインドなりというのは今ここまで大きな国になってきておりますね。したがって、九〇年というものを基準にしてくださいよと言ったって、そんなこと言ったって、九〇年と今とこれだけ経済実態が異なっている。

 確かに、排出量は増えておりましょう。だからその分大きく減らすということはあるかもしれませんが、そこはやっぱり現実、今の姿というものを前提にしながら、どういう基準を設定したらば、それらの国々にもより大きな、そしてかつ到達可能な数字になるのかということが出てくるわけでありまして、例えば九〇年というより、多分中国にとっては低い、排出量の少ないところを基準にしてそこからまた減らすとか仮になれば、それはもうとても到達不可能だということになるじゃありませんか。だから、そんな非現実的なものには参加できないということになってしまっては元も子もないわけですね。

 だから、そこは現実というものを見据えながら、何が一番最終ゴールに向かって到達するのに合理的であり、かつ論理的であるのかということをこれからまさに議論しましょうと言っているのであって、私は別に、それならば例えば新しい年を基準にして、そして大きく切るなら前と同じじゃないかと。そこは違います。国々によって排出量が相当変わってきて、経済構造が変わってきたという現実をやっぱり私ども踏まえて、現実的な、かつ効果的な方法というものを考えましょうと言っているだけであります。

 

○福山哲郎君 いや、そのとおりなんですよ。それぞれの各国一律に削減目標が決まるわけじゃないじゃないですか、バリ・ロードマップでも。それぞれの国の事情に応じて決まるに決まっているじゃないですか。

 ただ、そのときに基準年がなければどういう議論になるんですかという話をしているのと、中国は、嫌でも、官房長官にここで代弁していただかなくても、国際社会の場で中国は嫌ほど自分たちの主張をします。それで途上国をどう入れていくか、参加をさせていくかというのが課題なわけです。別に、日本がわざわざ中国のことを心配して基準年のこと言う必要は、僕は逆に言うと、ないと思っております。逆に言うと、さっきの話、国別の削減目標もいつか分からない、あいまい。基準年は見直せと言っているけど、一体いつを基準年にしたらいいのかも日本ははっきりしない。これどうやって議長をやるというのか、私は実はちょっと不安になっています。

 更に申し上げれば、もうこれ別の話題になりますが、もう何回も私この場で言っていますアメリカのリーバーマン・ウォーナー法案、私、このぐらい分厚い中身、翻訳も含めて見ました。本当に詳細なことがきっちり詰まって議論できています。二〇五〇年までに六三%の削減という状況になっていて、排出権取引市場の仕組みも相当精緻にでき上がっています。罰則規定からオークションの仕組みから、何%オークションをして、そのお金を何に使うかまで決まっています。

 EUの排出権取引市場も、もうできて三年になりました。いろんな批判はありますが、今第二フェーズ、第三フェーズに入って動き出そうとしています。この間、私はイギリスの排出権取引の担当官と懇談をしましたら、その方は今からオーストラリアに行ってオーストラリアと協議をしてくる、その後アメリカに行ってアメリカの州政府と協議をしてくるとおっしゃっていました。これ間違いなく動き出しています。

 排出権取引市場について今どういう評価をされているのか、環境大臣と経産大臣、短めにお答えいただけますか。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) この三月に新たな京都議定書の目標達成計画が閣議決定されます。それが産業界含めて、自主行動計画あるいは業務それから民生部分についてもより深掘りをして協力をいただくと、こういうようなことになっているわけでありますが、私は必ずしもそれだけでは十分ではないというふうに思っておりまして、加えて、新たなる行政手法、こういうようなものを、特に規制的な手法を何らかの形で入れていかなければいけないと、こういうふうに考えておりまして、その選択肢の一つの重要な方法だというふうに考えています。

 

○国務大臣(甘利明君) キャップ・アンド・トレードも一つの手法だとは思いますが、それには前提がありまして、公平なキャップをどうかぶせるかということ、それから空白地帯をつくらないで、まあつくると無キャップ地域に産業が流出するという危険性がありますから、全体にどう網を網羅するかと、それが公平なキャップであるかという点が前提だと思います。

 

○福山哲郎君 実は、公平なキャップという点でいうと、日本はやっぱりよくできているんです。

 日本は省エネルギー法で、各企業がどの程度省エネについて努力をしてきたか、全部経産省が資料を持っていただいているんです。つまり、経産省がそれだけの資料を持っている、情報を持っているということは、実は公平性、頑張って省エネ技術をやって工場の省エネ、二酸化炭素を減らしてきたところは、頑張ってきたからそこのところにはそんなに厳しいキャップを掛けないでいいじゃないか、今まで努力を怠ってきたところにはキャップを掛けるべきじゃないか、じゃないと不公平じゃないかと。逆に言うと、日本ほど公平性を担保できる、もうインフラが整っている国はないと私は思っています。

 逆にEUのEUETSが失敗した例というのは、そのデータがあいまいだったからだと私は思っていまして、先ほど経産大臣が言われた無キャップのところに流出をするというリスクも、実はコストとの兼ね合いです。その技術に、工場なり事業所なりに効率的にする、二酸化炭素を削減をするための技術を投資をして、それが回収できれば外へ出ていかなくてもいいわけで、それは制度設計のやり方次第だというふうに思っておりまして、環境大臣が今排出権取引市場も非常に重要な方策の一つだと思うという答弁をいただいたことというのは、私は大変心強く思っておりますし、一番気になるのは今日の日経新聞です。EUが温暖化対策に対してしっかり取組をしていないところの国の輸入に対して、ある意味での関税を掛けるというような話がありました。

 実はこれ、EUが出てくる前にどこに書いてあったかというと、先ほど申し上げましたアメリカのリーバーマン・ウォーナー法案に実はこの国境政策のことが出ています。つまり、二酸化炭素削減に対するきっちりとした対応を取っていないところについては輸入障壁が掛かると。我々は輸出産業を中心に頑張っているわけですから、そこは非常にリスクになる。

 更に言えば、先ほどから申し上げていますように、EUやアメリカでルール化されたときに、我が国のアメリカに出ている工場や我々のEUに出ている工場や事業所が、我が国のですよ、そこが実は制約が掛かる可能性が出てくる。さらには、輸出品に対しての制約が掛かる可能性が出てくる。それなら我々もちゃんと市場整備をして、国際ルールの共有化みたいなものにコミットするべきではないかと。

 私は、決して産業活動や経済活動をブレーキを掛けるために排出権取引市場を創設するべきだと申し上げているわけではありません。逆に言うと、省エネ、効率化、二酸化炭素低炭素企業をつくっていくためのインセンティブにするために私はこの制度が重要だというふうに思っています。

 御案内のように、一九七八年に日本は九割の排出ガス規制をやりました。これは経産省と環境省さんの御英断でやって、当時の自動車業界は悲鳴を上げたにもかかわらず、日本の企業はやり切って、それが日本の自動車産業の世界でのシェアをどれほど広げることに貢献をしたか。

 そういう観点で考えたときに、日本の技術力、日本の省エネ技術からいって、こういったものに対して、先ほど大臣、官房長官言われていますが、あいまいな形ではなくて、いち早く日本の意思決定をして、そして準備を始めた方がいいのではないかなというのが私の長年の主張でございます。現実問題として、今世界が動き出しています。そのことも含めて、是非お力添えをいただければ有り難いなというふうに思います。

 もうだんだん時間がなくなって、予定していた質問ほとんどできていないんですが、目達計画なんですけど、これ実際に目達計画の最終報告で自主行動計画、千九百万トンの削減量の増加を見込んでいます、新たに上乗せとして。でも、実際これ二〇〇六年度の排出の実績と比べたらどのぐらい削減されることになるのか、経産省、お答えいただけますか。

 

○国務大臣(甘利明君) その千九百万トンのCO2というのは、これは追加削減を要請をして達成をしてもらうという見通しが立ったということであります。それ以前の目達計画では、二千六百だったかな、二千六百だな、四千、当初の目達計画を構成する自主行動計画では、たしか四千二百でしたか、つまり産業界は当初の予定をクリアしてもらいました。

 ただ、よそがクリアできない分もっと頑張ってくれないかということで追加を乗せたわけでありまして、彼らが自主行動計画、つまり政府の目達計画の相当部分を構成する自主行動計画をクリアできないわけじゃなくて、クリアした上で、よそがまだ未達成の部分余計にやってくださいという分があの千九百万トンでありまして、これの削減見通しが立ったということであります。

 

○福山哲郎君 済みません、全然お答えをいただいてないんですが、時間がなくなったのは私の質問の仕方が悪いので謝りますが、是非、経産省さんと委員長、お願いがあります。

 私、質問項目全部お渡ししていますので、その御答弁、予定答弁を後でお教えいただければ有り難いと思いますので、是非、どういう答弁をされるおつもりだったのか、後で御提示をいただければ非常にうれしく思います。

 最後に、外務省来られていますか。

 高村外務大臣が排出権取引市場について非常に積極的な発言をされました。その真意についてお答えいただけますでしょうか。

 

○大臣政務官(小池正勝君) 御答弁申し上げます。

 高村大臣の御答弁でございますが、これは、待ったなしの状況にございます地球温暖化問題の解決に向けて、我が国といたしましても具体的な独自提案を準備しなければならないという御認識をお持ちでございまして、そういう御認識の下に中期目標の必要性や排出量取引について言及したものでございます。

 我が国は、国連における交渉の進展を実現するために、サミット議長国として国際的な議論を主導していきたいと考えております。このような観点から、福田総理はダボス会議に出席されてクールアース推進構想を表明されました。その中で、IPCCが地球全体の温室効果ガスの次の十年から二十年の間にピークアウトして、二〇五〇年には少なくとも半減しなければならないと警告していることに言及した上で、主要排出国とともに国別総量目標を掲げて温室効果ガスの排出削減に取り組む決意を総理が表明されたわけであります。この構想を受けまして、我が国自身の中期の総量目標策定に必要な作業を今現在、政府内で鋭意進めているところでございます。

 また、排出量取引についても、国際的な趨勢を見極めつつ、我が国の状況も勘案した上で、総合的な観点から検討を進めてまいりたいというふうに考えておる、そういう趣旨でございます。

 

○福山哲郎君 全く役人答弁で、高村大臣の発言の趣旨とは大分違うトーンでお答えいただいたので残念な思いをしております。

 時間がなくなりました。ありがとうございました。

 

○中川雅治君 二〇五〇年に温室効果ガスを半減すると、そのためには革新的あるいは革命的な技術開発が必要であるというふうに思います。これが前提になって、いろいろな枠組みも考えられることだというふうに思います。その革新的な技術開発の有力な候補が、先ほどからお話が出ておりますが、バイオエタノールの開発普及だというように思います。

 しかし一方で、このバイオエタノールにつきましては、食料や飼料との競合ですね、食料問題を引き起こすとか、あるいは森林を破壊してそこにバイオエタノールの原料になる生産物を作っていこうということになると、環境破壊を起こしているというような意見がこれはもうかなり広く出ているわけであります。

 それに対しましては、セルロース系の活用をする、あるいは休耕地を活用すればそういった問題は解決できるという意見もあるわけですが、それに対してまた、セルロース由来のバイオエタノールというのは、これは技術的にもまだ十分ではないし、あるいは非常に価格も高く付く、現実的なのかという問題もございますし、それから休耕地、これは全世界で見るとそんなにあるわけではないんですね。休耕地の活用だけでこういったバイオエタノールが十分に供給できるのかと、こういう意見も出されるというようなことで、自民党の中で議論をしていましても必ずそういう意見が出てきて、このバイオエタノールの問題につきまして常にそういった意見に推進しようとする立場が水を掛けられるといいますか、そういう局面というのはしばしばあるわけであります。

 やはり私は、二〇五〇年半減と、こういう目標を考えれば、もう当然バイオエタノールというものは推進していかなければならないと思うわけですが、そこのところをしっかりと政府のスタンスとしてはっきり国民の皆さんに分かっていただくように明言をしていただかないと、いろんなところでふらふらして、何か政府のやろうとしていることが良くないことなんだというふうに取られるようなことがあっては非常にこれはまずいというふうに思います。

 ですから、ここでそのバイオエタノールの開発普及についての根本論ですね、基本的な考え方というものを伺いたいというふうに思います。農水省、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(吉田岳志君) バイオ燃料の生産振興につきましては、地球温暖化の防止、地域の活性化などにつながりますとともに、従来の食料などの生産の枠を超えまして、農林水産業の新たな領域を開拓するものであるというふうに我々は認識をしておるところでございます。しかし、今委員御指摘のように、バイオ燃料につきましては、食料や飼料との競合、森林伐採によって耕作地をつくることによって環境悪化をさせるなどの懸念も指摘をされておるところでございます。

 このような指摘も踏まえまして、昨年二月に国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図るための、その実現に向けた工程表を取りまとめたところでございますが、その工程表では、当面は規格外農産物などの安価な原料を用いまして、平成二十三年度に単年度で五万キロリットルの生産を目指しまして、中長期的には、食料供給と競合しない稲わらなどのセルロース系原料あるいは資源作物というものを新たに開発をいたしまして、それを活用して国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図っていきたいというふうにしてございます。

 農林水産省では、この平成二十年度予算におきまして、この食料供給と競合しない稲わらですとか間伐材などの未利用バイオマスを有効に活用した日本型バイオ燃料生産拡大対策、これを重点的に実施することとしておりまして、この中で、先ほど御指摘ありました研究開発等もしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、森林伐採による新たな耕地の開墾ですとか、エタノール製造時に過剰の化石燃料を使用することがないように、原料生産ですとかあるいは燃料製造工程におきましてCO2排出を抑制する手法の導入を検討するなどいたしまして、環境保全と調和する形で国産バイオ燃料の生産拡大を図ってまいりたいと、このように考えております。

 

○中川雅治君 先ほどETBEの方式とそれから直接混合方式、E3の方式についての議論がなされておりましたが、世界の情勢を見ますと、既にブラジルでは一〇〇%の自動車が走っているわけであります。それから、燃料部門におけるバイオ燃料の重要性、これはもう世界で趨勢としてはどんどん高まっていくわけでありますので、このE3ということではなしにE10、E25と、こういった高濃度な自動車燃料を早期に普及をさせていくということも私は必要だというふうに思っているわけであります。

 こういったE10とかE25というそこまでの高濃度なバイオ燃料、これはもう既に外国で導入済みでありますけれども、一方でこのエタノールの混合率を上げますと燃料品質の確保に問題が出てくる、あるいはその自動車側の技術的な対応が必要になってくるというようなことも言われております。

 日本はそのE3という段階で、まだ実証事業というようなことで、これが一般的になるまでにはまだ時間が掛かるということでございますけれども、世界の趨勢からいうともうE10あるいはE25と、こういう方向になってくると思うんですね。ブラジルのように一〇〇%と、こういう国もあるということを考えますと、日本としてはやはりもう少し長期に見て、どういうスケジュールでどういう問題を克服してこういった対応をしていくのかということを、やはり今の段階で示していく必要があるというふうに私は思うんでございますけれども、経済産業大臣のお考え方をお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) バイオ由来燃料を運送用燃料にするということについては、関係省を挙げて今取り組んでいるところであります。

 ただ、実証実験の中でETBEがいいか、E3がいいか、とにかく両方とも実証実験をしていきましょうという段階に今あるわけであります。E3ではなくてE10とかE25、あるいはブラジルのようにすべてを一〇〇%バイオエタノールで走っている車もあるというお話でありました。

 バイオ由来燃料を導入していく際に幾つか留意しなければならない点というのは、一つは供給の安定性、それから経済性の問題があります。それから、もちろん食料との競合の問題、御指摘のとおりですが。

 もう一つは技術的な課題というのがありまして、アルコール濃度、つまりE3がE10になりE25になるというのはアルコール濃度が上がっていくわけでありますが、そのアルコール濃度が高くなりますとNOxが出ます。それから、エンジンの、何というんですか、ゴム部分ですかね、これが溶解される等々の技術的な問題がありまして、恐らくブラジルはそういう環境基準が日本ほどきつくないわけでありますが、日本はNOx規制がありますから、このNOx規制にもろに引っかかってしまうということがありますし、エンジンの構造に与える影響をどう技術的に解決するかということがこの混入度合いを高めていくとあるわけであります。

 そうした課題を一つ一つ解決をしながら導入をしていくロードマップを描いていく必要があろうかと思っております。

 

○中川雅治君 ありがとうございます。

 そういったスケジュールにつきましても、順次お示しをいただければというふうに思っているわけであります。

 沖縄の宮古島のE3の事業についての御質問先ほどございましたが、あした自民党で小泉元総理を団長としまして、私、自民党の環境部会長でございますけれども、私と川口順子環境調査会長、それから沖縄の島尻安伊子先生、西銘恒三郎先生で、それから山本公一先生という、環境部会の再生エネルギーの小委員長をされておられる先生であした視察団を、宮古島に行きましてしっかりと見てまいりたいと思います。応援をさせていただくと、こういう趣旨で現地をつぶさに見てきたいというふうに思っているところであります。

 先ほど、E3の事業について石油会社が協力しないという点についての御質問があって、甘利大臣から、品質の確保、ここのところができればE3でも協力していくと。ですから、品確法の改正等の課題があるというお話がございました。

 やはり世界の流れを見て、要するにE10の時代、さらにE25、一〇〇%と、こういう世界の流れを見れば、この宮古島の事業に対しましても石油会社の協力というものは不可欠でありますし、石油会社もやはりバイオエネルギー産業を取り込んで総合エネルギー産業として大きく飛躍していくと、二〇五〇年に向けてやはり脱皮するといいますか、そういうそのビジョンを持たなければならないと思うわけであります。

 その点について甘利大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 御指摘のように、この石油を始めとする資源を担当している会社も、この世の中の趨勢というものをしっかりとらえて企業としての将来展望を描いていかなければならないと思います。エネルギー安全保障の問題、石油が非常に供給がタイトになって価格が上がってきている、この安全保障の問題あるいは地球温暖化に対してどうそのエネルギーを担当する会社はあるべきかと、将来を見通してその自社のあるべき将来像というのを描いて戦略を打っていかなければならないというふうに思っております。

 石油に代わるエネルギー、運輸エネルギーがどういう方向にあるかと。そういう点では、バイオ燃料であるとか、あるいは電気自動車とかあるいは水素・燃料電池自動車等々、様々な可能性が追求されているところでありまして、こうした状況の変化の中で、石油業界を始めとするエネルギー業界も、バイオ燃料の導入はもちろんのことでありますが、水素の供給に対してどう対応していくか等々、将来の総合エネルギー産業への脱皮というのを図っていかなければならないというふうに思っております。

 

○中川雅治君 全く私も大臣と同じ考えでございます。

 次に、技術開発が必要である、大事であるということにつきまして、福田総理がダボス会議におきまして、二〇五〇年、温室効果ガス半減のためには革新的な技術開発の開発によるブレークスルーが必要だと訴え、石炭火力発電所からのCO2排出をゼロにする技術などの開発を加速すると表明されたわけであります。こういう技術開発というのは、もちろん各国で競争していくと、こういうものもあると思いますが、逆に各国で協力をして開発していく、そういうものも必要ではないかというふうに思うわけであります。

 まだうまくいってはいないようですけれども、ITERのように各国が分担金を出して共同で研究をしていこうと、こういう試みもあるわけでございまして、二〇五〇年、CO2半減に向けての革命的な技術開発というものはやはり国際社会が共同してやっていくべきものもあるんではないかというふうに思います。日本がその面でリーダーシップを取っていろいろなそういったプロジェクトを進めていくべきだというふうに考えるわけですが、岸田大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(岸田文雄君) 二〇五〇年に温室効果ガス半減を目指すためには、我が国の持つ世界最高水準の省エネ技術あるいは新エネ技術、こういったものを更に高度化し、多くの国々に移転していくこと、大変重要だと認識しておりますし、また、中長期的には、福田総理も表明されたように、温室効果ガスの排出、究極的にはゼロにするような革新的な技術革新、こうしたブレークスルーへ向けて努力をしなければいけない、このように考えております。

 こうした環境に向けた技術革新を戦略的に進めるということで、この一月三十日ですが、総合科学技術会議におきまして、総理からの指示もありまして、環境エネルギー技術革新計画という計画を策定することとしたところですが、その中にあって技術の国際展開及び国際貢献策というのが一つの大きな柱になっております。

 そして、その中で、御指摘のように、世界各国が共同歩調を取りながら連携していくという考え方、そして成果を共有する仕組みをつくるということ、大変重要な考え方だと思っております。今年六月十五日には、沖縄におきまして、私が議長をさせていただきまして、初めての今度G8科学技術大臣会合というのを予定しております。こうした国際的な枠組みの中でも、こうした技術開発の国際的な連携、しっかりと確認するような議論を進めていかなければいけない、このように考えております。

 

○中川雅治君 ありがとうございます。

 総理は、ダボス会議における演説において、更に環境・エネルギー分野で今後五年間で二百五十億ドル以上の資金を投入すると表明されたわけでございます。しかし、これはよく聞いてみますと、既存の予算を延長線で伸ばしていくと二百五十億ドルぐらいになるんだという話も伺いました。

 例えは良くないのかもしれませんが、道路関係予算は十年で五十九兆円の予算がつぎ込まれるということでありますと、やはりこれに比較しても、政府の最重要課題の一つであります温暖化対策に対する技術開発予算というものは、何か少ないような気がするわけであります。

 日本が二〇五〇年半減のリーダーシップを取っていくということであれば、やはり日本がまず国内でも率先して環境関係の科学技術予算というものを大幅に増やす。もちろん、これは国民の負担につながる話であります。そこは、国民もそういうことをきちっと理解しなければならない。全世界もそういう技術開発に負担をする。つまり、主として先進国の国民の負担ということになると思いますけれども、やはりこの地球を守るには、科学技術の発達によって破壊された地球を科学技術によって守らなきゃいけないわけなんで、そこはやはり日本も当然国民が負担をしなきゃいけませんし、世界の先進国みんなが負担をして科学技術をしっかりと開発して、そして最終的に地球を守っていくと、こういう決意を集約していかなきゃいけないというふうに思います。

 そのために、まず日本国の中での環境関係の、特に環境関係の科学技術予算というものを大幅に拡大、増やしていくということが必要じゃないかと思いますが、岸田大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(岸田文雄君) 福田総理、ダボス会議におきまして、環境エネルギー分野の研究開発を重視しまして今後五年間で三百億ドル程度の資金を投入するということを表明されました。平成二十年度の地球温暖化対策に資する環境エネルギー分野の研究開発投資、これ総額、トータルしますと、おおよそ六千百億円と見込まれております。これドル換算しますと年間約五十七億ドルに相当するわけですが、五倍して、なおかつもう少し努力をしないと三百億ドルには届かないなという数字かなと思っております。

 是非、大変財政厳しい中ではありますが、委員御指摘のような科学技術の重要性、環境エネルギー分野における研究開発の重要性をかんがみますときに、是非、予算におきましてもしっかりとしたバックアップに努めなければいけない、このように考えております。

 そして、先ほど御紹介いたしました環境エネルギー技術革新計画、これを是非早急に策定しまして、この計画に基づきまして予算の確保そして技術開発の推進、しっかりと努めていきたい、このように考えております。

 

○中川雅治君 岸田大臣のリーダーシップを期待いたしまして、私の質問は終わりにしたいと思います。

 

○森まさこ君 自由民主党・無所属の会の森まさこでございます。

 本日、せっかく岸田大臣がいらっしゃいますので、今般、国民の不安が非常に極みに達しております中国製ギョーザの問題について、一言お伺いをいたしたいと思います。

 私の地元である福島県喜多方市において、中国製ギョーザから高濃度のジクロルボスが検出をされまして、私も早速、先週土曜日に現地の方を視察してまいりました。喜多方市の販売店では事件発覚後、いち早く販売及び仕入れをストップいたしましたので、メタミドホスが出た十月の製品自体が入っておりませんでしたから、水際での被害の防止が成功した例だというふうに考えます。

 政府におかれましても、今回の中国製ギョーザ問題及び消費者行政の一元化に向けて内閣官房に消費者行政推進会議を設置し、昨日、第一回会合が開催されたと聞いております。福田内閣総理大臣自身が一時間余りにわたって御出席なされ、熱心にメモを取られたというふうに聞き及んでおります。

 この問題における総理のリーダーシップには大いに期待をしているところでございますし、初代消費者行政推進担当大臣に就任なされました岸田文雄大臣におかれましては、非常に御重責、御苦労さまではございますが、自民党時代から消費者問題に具体的に取り組まれてこられました岸田先生の御経験から最適任というふうに考え、消費者団体からも期待がされているところでございますので、この際、この中国ギョーザ問題に対する取組の御姿勢それから御決意と、消費者問題一般、消費者行政の一元化に向けて、行政の肥大化になるのではないかというような批判もありますが、私としては、中国製ギョーザ問題に見るような様々な問題を解決して行政のスピードアップ、スリム化につながるものと思っておりますので、それに向けた大臣のお考えをお聞かせ願います。

 

○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の中国製冷凍加工食品の薬物中毒事案についてですが、この事案につきまして、厚生労働省、国としてこの事案を把握した一月三十日から後、政府におきましては、この関係閣僚会議あるいは局長級の連絡会議、こうした会議を通じまして関係省庁しっかりと連携しながら一丸となって対応を続けているところであります。

 まず、被害の拡大防止に全力を注がなければいけない、そして原因究明に努めなければいけないということで対策をスタートしたわけですが、併せて再発防止という点につきましても具体化を進めているところであります。

 そして、再発防止におきましては、こうした今回の事案を振り返りまして、様々な反省を踏まえまして、まずは情報の集約化、一元化ということについてどのような課題を乗り越えなければいけないのか、あるいはこうした緊急事態における危機管理体制として再発防止の面から何をしなければいけないのか、さらにはこうした輸入食品の検閲あるいは食品管理という点において再発防止、何をしなければいけないのか、こうした三つの大きな柱を中心に具体策を今つくりつつあるところであります。

 そして、こうした今回の事案にまずはしっかりと具体的に対応するのと併せて、この消費者行政全体の在り方についても議論を進めなければいけないということで、御指摘の消費者行政推進会議という総理が主宰されます会議が設けられることになりました。

 この消費者行政につきましては、総理が就任時点から、やはり日本の行政の在り方、従来ややもしますと生産者の視点に基づいて組織や法律が作られてきたところですが、やはりここへ来て、消費者、生活者の視点で行政をしっかり見直していかなければいけないということ、総理は、就任当時から福田総理は訴えておられたわけでありますが、やはり消費者、生活者の視点から行政を見直すという際には、やはり国民、消費者から見て分かりやすい行政というのが大変重要な点だというふうに思っています。そして、分かりやすい行政ということを考えますときに、消費者行政の一元化というものが大変重要になってくるというふうに考えております。

 一元化の議論、これ今、従来も様々な関係者の皆様方に御議論いただいてきたわけですが、官邸におきましても、こうした新しい会議がスタートしました。是非しっかりとした御議論をいただき、我々もしっかりとした結論を出していかなければいけないというふうに思っております。

 この新しい組織をつくる、強い権限を持った新しい組織をつくるんだと総理は表明されておられますが、こうした強い権限、そして新しい組織のありよう、そして国民から見た分かりやすい行政の組織あるいは情報の取扱い、こんな点を中心にしっかりとした議論をいただき結論を出していきたい、このように考えております。

 

○森まさこ君 ありがとうございました。

 消費者問題につきましては、これ以外にも企業の不祥事等が次々と明らかになっておりますが、これはまたその企業の不祥事、昔からあったものが公益通報者保護法の成立等によって表に出てきている時期だと思われます。岸田大臣が、自民党消費者問題プロジェクトチームの座長として前々から公益通報者保護法制度、それ以外の消費者契約法や消費者基本法の成立に御尽力なされてきたその御経験を生かして、是非とも今の力強い御決意の下、消費者の目線に立った一元化が実現されることを期待しております。

 本日は、お忙しい中ありがとうございました。大臣におかれましては、どうぞ御退席なさってくださって結構でございます。

 さて、総理が消費者問題と並んで関心の深い環境問題の方の質問に入らせていただきます。

 今年は環境問題を重要な議題とする洞爺湖サミットが開催される年でございますが、地球温暖化の影響は気候変動や異常気象、そして私たちの暮らしに欠かせない食生活にも大きな影響を与えています。

 そこで、農林水産業について、地球温暖化が及ぼす影響とその対策について、農林水産省の方に御質問をしたいと思います。

 二月八日に出されたばかりの産構審と中環審の合同会合の最終報告書によりますと、我が国が京都議定書で目標に掲げた二〇一〇年までの六%削減の達成については一・七から二・八%の不足が見込まれると、目標達成に向けた具体的な取組について更なる森林吸収源対策などが必要であると、森林の整備については百二十万ヘクタールの追加的な整備が必要であると報告書にありますが、この点についての農林水産省の方の具体的な取組の内容をお聞かせ願えますか。

 

○政府参考人(井出道雄君) ただいまお尋ねの件でございますが、京都議定書におきます温室効果ガスの削減目標六%のうち、その三・八%相当、一千三百万炭素トンを森林吸収により確保する必要がございます。このために、従来、毎年三十五万ヘクタールの間伐を実施してきておりますが、さらに追加的に毎年二十万ヘクタールの間伐をする、合計五十五万ヘクタールの間伐を毎年やっていくことが必要でございます。このため、農林水産省では平成十九年度から六年間、この五十五万ヘクタールの間伐を実施して三百三十万ヘクタールの間伐をやっていくということになっております。

 二十年度につきましては、十九年度の補正予算で二百四十億円が確保されまして、二十年度の当初予算におきます三百六億円の予算と合わせまして総額五百四十六億円をこの間伐整備に投入をするということになっております。このことによりまして、平成二十年度においては二十一万ヘクタールの追加の整備ができるということでございます。

 併せまして、これは国だけの予算を確保しましても、地方公共団体の負担部分がございますので、今般、今国会に法案を提出いたしたところでございますが、地方公共団体の負担の軽減や平準化を図るために、この追加的な間伐を実施する場合には地方の負担部分について地方債の対象とするなどの内容とする法案も提出しているところでございます。

 これらも併せまして、国の予算を確保し、地方の負担を軽減しながら今後とも森林吸収目標の達成に向けて全力を上げてまいる所存でございます。

 

○森まさこ君 ありがとうございます。

 私の地元である福島県は全国で三番目の広さを持っておりまして、その七〇%を森林が占めております。福島県の森林面積の広さは我が国の二酸化炭素吸収に広く貢献していると自負をしておりますが、森林の保全整備にはどうしても時間と人手が掛かります。

 私のおじも福島県の林業組合で、最初は炭焼きから始まって、森林の保全に生涯を尽くしてまいったものでございますが、今、予算が手当てされたというお話は聞いたんですけれども、今、森林の業界は多くは担い手不足に陥っております。間伐や下刈りなどの森林の手入れが思ったように進まないという実態がございます。政府の方では、森林の持つ公益機能を重視して、このような取組について具体的にどのように担い手対策を行っていかれるおつもりなのか、お聞かせ願えますか。

 

○政府参考人(井出道雄君) 間伐等を実施していただくのは、実際には森林組合等のその林業事業体でございます。このため、この森林組合の事業の拡充でありますとか森林組合の作業班に所属する人たちを緑の雇用対策等によって確保するとか、そういうことで人を確保しつつ、あるいは森林組合の事業の合理化、コストダウンを図ることによりまして、この一・六倍に増やさなければならない間伐が円滑に実施されるようにということで努力をいたしているところでございます。

 

○森まさこ君 いずれにしても、このような担い手対策をしていただければ地域の雇用対策にもなりますので、今後ますます推進されますようにお願いを申し上げます。

 さて、地球温暖化の影響は我が国の農林水産業に深刻な影響を及ぼしていることが報告をされております。福島県を例に挙げますと、畑作、果樹、花卉、畜産などにおいても地球温暖化が原因と考えられる現象が報告をされています。

 例えば、畑作では生育期間のずれや高温による土壌病害の発生増加、養蚕では高温による害虫の発生、果樹では降水量の季節的変化の増大による衰弱や落葉、そして着色不良、福島県が全国有数の生産量を誇る桃にも影響が及んでいます。また、畜産では乳牛の乳量、乳質、繁殖率の低下も報告をされておりまして、農業を基幹産業とする福島県その他の地方にとって将来に不安を残す事例が報告されているのですが、この点につきまして政府はどのような取組をしていかれるのか、御説明をお願いいたします。

 

○政府参考人(竹谷廣之君) お答え申し上げます。

 今先生から御指摘ございましたように、地球温暖化の影響と思われます農作物の高温障害等の影響というものが非常に各地で指摘されているところでございます。これにつきまして農林水産省といたしまして昨年全国調査を取りまとめたわけでございますが、今先生からも御指摘いただきましたようにいろいろな作物、まず水稲につきましては、米の粒が白く濁ります白未熟粒でありますとかあるいは胴割れ米といったものが関東以西で発生しておりますし、またカメムシ類の発生も指摘されているところでございます。また、果樹関係につきましても非常に多くの影響が出ておりまして、病害虫の発生またその発生期間が長引いているという問題、それから着色不良の問題等を生じております。畜産環境でも生育不良の問題等の指摘をいただいている、報告を受けているところでございます。

 こうした中で、今後、将来予測どういったものになっていくのかというのは一つの論点かと思います。

 これに関しましては、研究機関におきまして、現在のIPCCの第三次報告書をベースに二〇六〇年の、予測いたしまして、大体全国平均で三度ぐらい気温が上がるという前提の下に予測を立てているわけでございますが、そういった中で、例えば水稲を取ってみますと、現在の理想的な条件下での収量が、北海道は一割程度増えるという予想があるわけですけれども、逆にそれ以外の地域におきましては収量の低下が起こるのではないかというふうに懸念されるわけでございます。

 また、果樹関係につきましても、やはり気温の変化に応じまして産地が北に上がっていくといったリンゴや温州ミカンの問題等も指摘されておりまして、現在の産地というものにおいて気候的に不利な条件になっていくということがございます。

 林業・水産関係でも、ブナ林の減少の問題でありますとか、あるいはサンゴの影響を受けるといったような問題なども予測されているところでございます。

 こうした問題に対応するために個々に品種改良に取り組んでいくということ、あるいは栽培方法につきまして高温期を避けるような、例えば水稲でいいますと田植の時期をずらして高温期を避けるような取組をしていくというようなこと、あるいは果樹につきましても着色不良を生じないような技術的な取組をしていくというようなことなどによりましてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。

 

○森まさこ君 ありがとうございます。

 米の未成熟や果樹の高温被害などは農業を基幹産業とする地方出身の国会議員として非常に胸の痛い思いをしておりますが、収量の変化や栽培適地の移動は食料自給率三九%の我が国において深刻な問題だと認識をしております。

 国民の安全、安心な食料を確保することは政府の使命であり、その意味では現在進めておられる、今御説明があった様々な地球温暖化適応策には大きな期待を寄せております。品種改良や田植の時期をずらす、それからそれ以外様々な技術的な開発をなさるということですけれども、気掛かりなことは、地球温暖化適応策の推進に伴うコストが生産者あるいは消費者の負担増に直結するのではないかということです。

 地球温暖化適応策の調査研究や技術開発あるいは適応策実施に伴うコストなど、どの程度のコストが想定されるのか、またコスト増加の緩和する方向はあるのか、現状と今後の見込みを伺います。

 

○政府参考人(吉田岳志君) 地球温暖化適応策の推進に伴うコスト増加についてのお尋ねでございます。

 農林水産分野の地球温暖化適応策につきましては、現在発生しております農作物の被害状況などを踏まえまして、昨年六月に品目別地球温暖化適応策レポートというものを取りまとめました。これに基づきまして、当面の地球温暖化適応策の生産現場への普及そして指導を行っておるところでございます。また、暑さに強い品種ですとか、気象被害に対応した栽培管理技術の開発なども併せて推進をしております。

 お尋ねのコストの問題でございますが、地球温暖化適応策については、そのコストの増加につながるという懸念も確かにございますが、例えば、先ほど答弁にありましたように、植付け時期を変更する、あるいは品種を交代するなど、コストの増加を伴わない技術もございます。

 そういったことから、適応策の推進に当たりましては、生産現場のニーズを踏まえまして、有効性、効率性の向上などと併せましてこのコスト増加を極力抑えるという点に十分配慮をして取り組んでまいりたいと、このように考えております。

 

○森まさこ君 技術開発には長い時間とコストが掛かるものと承知をしておりますが、それらすべてが生産者の負担にならないように様々な手当てを講ずるように是非お願いをいたします。

 さて、地球温暖化防止策の中の報告書の中に地産地消の推進という項目がございます。これまで地産地消といいますと、地域経済の振興や食品の安全、安心の側面から取り上げられることが多かったように思います。冒頭で取り上げました中国製ギョーザ問題をきっかけに国内産の食品に対する信頼がますます高まっていると思いますが、地産地消の推進が輸送によるCO2排出の削減という面で地球温暖化防止にも大きく貢献するというふうに考えますが、これについて政府の方ではどのように推進をしていくおつもりでしょうか。

 

○政府参考人(内藤邦男君) 地産地消でございますけれども、委員御指摘のように、これは顔が見え、話ができるという関係の下で消費者に地域の農産物を購入していただく機会を与えると、そういったことばかりでなくて、これを通じまして高齢者や小規模農家の所得機会を創出するということで、御指摘のような地域農業、地域経済あるいは食育というものにつながるばかりでなく、農産物の輸送距離を縮めまして輸送に伴う燃料の消費抑制にも寄与するものでございます。

 このような観点から、農林水産省といたしましては、地産地消の取組にとって必要となります農産物の直売所あるいは加工施設の整備に対する支援、あるいは地産地消の活動に関する人材育成、それから表彰を通じた促進、優良事例の情報提供、あるいはその取組を地域全体に広げていくということが重要でございますので、農業ばかりでなくて学校給食、観光あるいは商工といった関係者が一丸となって取り組む地産地消モデルタウン、こういった取組に対する支援を行っているところでございます。

 また、今後、高齢・小規模農家の力を生かしまして、地域の中でできるだけ少量多品目の生産体制をつくっていただくということに対する支援も行うこととしております。

 こうした取組を通じまして、地球温暖化の防止にも役立つ地産地消の推進に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

○森まさこ君 今お話のあった直売所の支援ということで、私も先般、日本で一番売れているという和歌山県の直売所、めっけもん市場ですか、月に二億円の売上げがあるということでございますが、視察をしてまいりましたが、インターネットによる宣伝が効果があるという、そういった成功例も是非全国に紹介をしていただいて、直売所の支援に努めていただきたいと思います。

 学校給食の話題が今出ましたけれども、中国ギョーザの件で冷凍食品を給食で使っているというのを聞いて、私も幼い二人の子供の母親でございますので、ぞっといたしました。給食の食品の安全性についても、地産地消という面からしっかりと取り組んでいただきますように、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、最後に二酸化炭素の排出権取引に関連して質問をいたしたいと思います。

 国同士で行われております二酸化炭素の排出量の交換を国内で行うというようなお考えはあるのでしょうか。福島県のような地方は、子供を育て、人材を都会へ供給しております。さらに、農作物、水、空気、エネルギーも供給をしています。地方の貢献度を正当に評価し、地域間の格差を解消するという観点でも、地域間での排出量の交換というものが役立つと思いますが、いかがお考えになりますでしょうか。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の国内の、例えば県とか市町村とか、そういった主体同士でのある意味での排出権の取引ということだと思います。実際に今、様々な行事を行う、あるいはイベント等を行う場合に、ある自治体がどれだけ例えばCO2を出しておるかということを把握をいたしまして、それについて、とても自分の地域ではその分だけのCO2の削減はできないといった場合に、福島なら福島のある町と提携して、その町で植林事業を展開するとか、何らかのCO2が減るような、そういった事業を展開していただくと。それによって、地域は違うけれども、東京のある町の事業で出たCO2が国内で吸収されると、そういったことが幾つかございます。

 私どもとしては、是非その地域間で、日本全体でCO2の排出が減るようにその地域間で協力をしていただいて、自分のところではすぐ減らせないけれども間接的な協力によって別の地域で減らすと、そういった運動を是非広めていきたいと、そんなふうに考えております。

 

○森まさこ君 このような議論が産構審などの政府の会議で話題になったことはあるんでしょうか。

 

○政府参考人(南川秀樹君) これにつきましては、環境省におきまして、カーボン・オフセットということでCO2の排出などを相殺するというシステムを全国的に展開していこうという中で議論はしております。

 ただ、よく話題に出ます排出権取引というものは企業間同士のキャップの中での不足分をどう補うかという議論でございまして、これとは違うというものでございますので、いわゆる中環審、産構審で議論してきた案件ではございません。

 ただ、カーボン・オフセットということで、自らが残したそのカーボンの足跡をいかに消すかということの中の一つの方策だと考えておりまして、是非私どもとしても大きく取り上げていきたいと考えております。

 

○森まさこ君 是非この議論は環境省さんが先頭に立って今後進めていただきたいと思います。

 政府、各省庁におかれましては、未来の子供たちのために、従来の発想にとらわれることなく一つ一つの施策を評価、検証しながら、今後も地球温暖化防止に取り組まれることをお願いをいたします。

 質問を終わらせていただきます。

 

○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。

 本日は、この二月八日に取りまとめがされました京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告を、この報告書を中心に質問をさせていただきたいと思います。

 今年の一月にこの京都議定書の第一約束期間がスタートをいたしました。同議定書において、我が国は排出量を一九九〇年比で六%削減するという義務を負っておりますが、この削減目標をいかに達成していくかが大きな課題となっております。昨年の八月に同審議会が取りまとめた中間報告によりますと、現行の対策のままでは目標達成はとても困難とされ、追加対策の必要性が指摘をされたところでございます。

 これを受けて、本年二月の八日に取りまとめがされましたこの最終報告では目標達成に必要な追加対策が盛り込まれて、それに対してこの六%の削減目標は達成し得るというふうな報告になっておりますけれども、しかし、これらの追加対策については、専門家から、根拠の乏しいつじつま合わせだとする批判も多くあるのが現実でございます。

 まずお伺いさせていただきたいのは、この報告書に基づく目標達成計画の閣議決定に向けた作業の進捗状況と、また、本件はパブリックコメントに付され、一月の二十五日に意見募集が締め切られたところでございます。その意見募集の意見を紹介していただければと思います。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘の産構審・中環審合同会合の報告につきましては二月八日に取りまとめられました。

 これにつきましては既に昨年議論を行っておりましたが、その推計の計算、モデル等の計算に時間が掛かるということで二月八日に発表になったものでございます。私ども、現在この最終報告を受けまして、年度内に京都議定書達成計画の改定というものを閣議決定すべく、現在鋭意作業中でございます。

 それから、途中一か月間でございますが、パブリックコメントを行いました。様々な意見が出ております。特に追加対策の効果を厳しく見るべきだ、そして重複分を排除した計算結果をきちんと示せと、また、例えば二十四時間のコンビニ営業のような深夜化するライフスタイル、ビジネススタイルを見直すべきだと、また国内排出量について導入すべきだ、あるいは慎重にやるべきだ、また環境税の問題、そういった様々なことについてパブリックコメントの意見がございました。こういった意見を踏まえまして最終報告が取りまとめられたところでございます。

 

○浮島とも子君 次に、環境省と経産省、両方にお伺いをさせていただきたいんですけれども、一九九七年に我が国が議長国として京都議定書を取りまとめてから約十年が過ぎましたけれども、この間、我が国においては様々な対策が講じられてまいりましたけれども、温室効果ガスは削減されるどころか、二〇〇六年の速報値によれば、京都議定書の規定による基準の年、先ほど来からございました原則一九九〇年の総排出量と比べると、総排出量としては六・四%上回っています。

 我が国が京都議定書を取りまとめた議長国としてはもちろんのこと、ポスト京都の枠組みづくりなど世界の気候変動対策をリードしていくためにも、我が国に課されたこの六%の削減目標というのは確実に達成していかなければならないものと考えております。

 環境省そして経産省におかれては、今回の最終報告をどのように受け止めて、そして今後この六%削減に向けてどのような連携を行っていく方針か、お伺いをさせていただきたいと思います。

 

○副大臣(桜井郁三君) 中環審・産構審議会合同会合の最終報告において、国、地方公共団体を始めとした各主体が、今般取りまとめられた追加的な対策のみならず、現行の目標達成計画の既存対策やこれを補佐する諸施策に全力で取り組むことにより六%削減目標を達成し得るとしております。

 この審議会の結果を踏まえ、政府としては今年度中に目標達成計画を改定する予定であります。さらに、目標達成計画を閣議決定した後も、計画の推進、管理を厳格に行い、必要に応じて対策を追加し、目標達成を確実なものにしていきたいと思っております。

 また、目標達成計画の推進に当たっては、経済産業省を始め関係各省庁と連携を密にして着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 

○副大臣(新藤義孝君) 私どもといたしましては、とにかくこれ国際公約でございます。そして、京都議定書の六%目標の確実な達成、これを図るために、ただいま環境省からも副大臣がお話ございましたように、産業構造審議会それから中央環境審議会、この合同会合を何度も設けまして、追加対策の検討を行ってきたわけでございます。

 それで、今マイナス六%を達成しなきゃいけないんですが、現況でプラス六・四ですから、マイナス一二・四%必要だということですね。それで、それを京都メカニズムやそれから森林による抑制効果を除きますと、それに加えて二千二百万トンから三千六百万トンのCO2を削減しなければいけないと、こういうものに対しまして追加対策で三千七百万トンのCO2削減を見込もうと、こういう計画を立てたわけでございまして、これによって六%を達成させると、こういう方針を示したわけでございます。

 私どもといたしましては、この着実な実行、そのためにはやはり各自治体やそれに企業に求めております自主行動計画、こういったものをしっかりと実行できるように、また省エネ・新エネ対策、これを推進してまいりたいと思っております。

 また、まさに環境省と私どもは合同でやっておるわけでございまして、審議会も合同ということでございます。また、総理を中心にして地球温暖化対策推進本部、こういったものも設けておりまして、その中でこの京都議定書の目標達成計画、この厳格な進捗管理、それから必要な対策の追加対策、こういったものをしっかりと行ってまいりたいと、このように思っております。

 

○浮島とも子君 まず両省の連携をしっかりとお願いしたいと申し上げさせていただきたいとともに、今もお話にございましたけれども、この最終報告書に示された対策を計画どおりに実現させるということは相当な困難が予想されております。また、先ほど来からございましたけれども、重複分があることや個々の対策を更に具体化して削減量を精査する必要があるとも指摘されておりますけれども、実効性にはとても疑問の声が多くあるのも事実でございます。幾つかの対策が計画どおりにいかない場合を想定して、更に一層の追加策を講じて削減量を上積みする必要があるのではないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、マイナス六%達成するのは大変難しい道でございます。今経産省の副大臣ございましたように、森林対策で三・八%、政府の京都メカニズム活用で一・六%をカバーしましても〇・六%までを下げる必要があるということでございます。

 そういたしますと、今般、審議会におきまして議論するベースとして、議論のベースとして様々な算定をいたしました、予測をいたしましたが、幅のある予測の中で最も厳しい予測をいたしますと、それはマイナス〇・六%にわずか百数十万トンしか余裕がないということで、かつかつの達成の見込みということでございます。

 そういったことから、私どもこれに基づいて計画を作ればそれでやれるんだということで安心するということは全くございません。今回のそのまとめられました追加的な対策だけでなくて、現行の計画にございます既存対策、これもしっかりやっていく必要がございます。また、こういった対策ができるような補強策も講じてまいりたいと思っております。

 このため、環境省といたしましては、地球温暖化対策推進法の改正も含めて対応していきたいと考えているところでございます。それから、年度内に計画を作って終わりじゃございません。毎年この計画を作りました後も進捗管理を行いまして、必要に応じ対策を追加していくということを考えておるところでございます。

 

○浮島とも子君 是非ともしっかりとした進捗の管理をお願いするとともに、また必要に応じてしっかりとした対策を講じていくようにお願いをさせていただきたいと思います。

 また、最終報告に盛り込まれました追加対策の大きな柱でもあります国民運動については、一人一日一キロCO2削減キャンペーンという推進などによりまして、六百七十八万から一千五十万トンが見込まれております。具体的には室内の温度調節やクールビズなどが挙げられておりますけれども、一人一人の行動を予測するという作業はとても困難であったと思われますが、この削減見込みの算定方法をお伺いさせていただきたいと思います。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 私ども、これにつきましては幾つかの範疇に分けております。例えば、クールビズ、ウオームビズのように事務所の温度管理といったことにつきましては、その企業の調査をいたしまして、具体的に何%の企業がこれに参加し実際に温度を変えておるかといったことを調べております。徐々に参加する企業が増えておりますので、そういった趨勢を見て計算をしておるところでございます。

 また、それ以外の例えば省エネ製品への買換え促進等につきましては経産省等と一緒に運動をしております。これも重要な要素でございますが、こういったことにつきましても、実際のその買換えの動向、世論調査等も行いましてその効果を把握をしているところでございます。

 ただ、そういったことから、私どもとしては全体として六百七十八万から一千五十万ということではじいておりますけれども、ほかにも当然ながら、省エネ製品に買換えも含めて、幾つかその対策の項目ございます。したがいまして、そういったものとの重複があることはこういった運動の宿命でございますので、そういった他の方策で説明できる部分についてはそれを今回あえて削りまして、純粋に国民運動だけで算定した場合には百万トンと、そういった数字を出したところでございます。ただ、運動自身は頑張ってやります。そして、大きな成果を上げていきたいと考えております。

 

○浮島とも子君 今御答弁にもございましたように、アンケート等々いろいろ取っていただいていると思うんですけれども、この国民運動というのは、先ほども述べさせていただいたように冷暖房を調節するとか、あるいは水を節約する、あるいは自動車運転中のアイドリングストップなど、本当に一人一人の行動に左右されて、実際の削減効果というのが把握がとても難しいと思います。

 この目標達成が難しいと分かった場合に一層の追加策というのが必要になると思われますけれども、この削減効果の点検というのはどの機関が行うのでしょうか。それともまた、今その機関がないということで、そのための機関を設置するということはあるのでしょうか、お伺いをさせていただきたいと思います。

 

○政府参考人(南川秀樹君) これにつきましては、私どもデータを取りまとめまして、毎年、総理大臣を本部長とします地球温暖化対策推進本部にその資料を出したいと考えております。また、その把握方法についても国民の方に明らかにしてまいります。

 それから、こういった国民運動でございますけれども、単に旗を振っているだけではございませんで、例えばアイドリングでございますと、一部の地域でございますが、例えば夜、トラックの運転手、バスの運転手がアイドリングをして冷暖房を入れて寝るということがございます。そういったことが少しでも防げるように若干の経済的な支援をしまして、大きな駐車場に電気が引けるような形にして純粋に冷暖房だけがそのトラックの運転手さん、バスの運転手さんが寝るパーツに入ると、そういった支援も行っております。

 そういった意味で、単に気持ちだけではなくて、少しは背中を押せると、押すという方法も含めてやっていきたいと思っております。

 

○浮島とも子君 国民運動は本当に大切なものだと思いますので、しっかりと今おっしゃったように背中を押してサポートをしていただきたいと思います。それとともに、点検もしっかりしていただきたいと思います。

 また、国民運動をしていく上にも最も重要なことは、今もおっしゃったように、旗を振るだけではなくて国民の意識をどう喚起していくかということだと思います。二〇〇五年の温室効果ガスの排出量は家庭部門が基準年度比で三六・四%増であったとされております。国民一人一人が覚悟を持って取り組まなければこの最終報告には実効性を確保できないと思われますけれども、今後どのように国民の意識を喚起していくのか、その具体策をお伺いさせていただきたいと思います。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、この運動につきましては、関心を高めるだけではなくて共感を得るということが必要だと思っております。

 私ども、これまではチーム・マイナス六%というニックネームで国民運動を展開しておりまして、クールビズ、ウオームビズ、そういったことを行っております。また、役所的な対応だけでは多くの方の理解を得られませんので、音楽界あるいはスポーツ界、そういった方の協力も得た啓発運動をこれからも広くやっていきたいと考えているところでございます。

 それから、多くの方にある種の便益を味わっていただくためにも具体的なメリットをもたらしたいと思っております。一人一日一キログラムのキャンペーンの中では多くの企業の協賛をいただきました。ハンバーガーが、その一日一キロのカードに参加している証明書を持っていけば百円安く食えるとか、そういった一例でございますけれども、あるいはまた、白熱灯が一割安く買える、白熱灯から蛍光ランプに替える際に一割安く買えるとか、そういった個々具体的な企業の協賛も得て進めております。

 こういったことで、大いに旗を振る、また、ある程度はそれが具体的な生活にも返ってくると、そういったことで楽しみながら協力いただける、そういった雰囲気も是非つくっていきたいと考えているところでございます。

 

○浮島とも子君 最近はテレビ等などで国民の皆様の意識、関心も相当高くなってきているとは思いますけれども、実際自分が生活している中で生活となかなか密着していないというか、直接結び付かないということも多いと思いますので、どうか一人一人の関心を高めるために全力で取り組んでいただきたいと思います。

 また、今回の最終報告書では、国内排出量取引や環境税など五つの重点検討項目については、今後速やかに検討すべき課題とするにとどめておりまして、結論は出さないまま先送りにされております。

 今後の見通しをお伺いさせていただきたいと思います。

 

○副大臣(桜井郁三君) 国内排出量取引制度や環境税など五つの重点検討項目については、いずれも温暖化対策上重要な課題であると認識しております。これらの課題については、審議会においても特に活発な議論が行われたところであります。それぞれの課題は、最終報告でも取りまとめられているとおり、産業や国民経済に与える影響、諸外国の取組など、幅広い論点を踏まえ、総合的かつ速やかに検討すべき課題であると考えております。

 

○浮島とも子君 この国内排出量取引制度というのは、企業ごとにCO2排出量の上限を定めるということから確実に削減に結び付いていくとも思われますし、言われておりますけれども、導入が見送られた経緯をお伺いさせていただきたいと思います。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 私ども、まずこの国内排出量取引でございますけれども、大変有力な温室効果ガスの削減の手段だというふうに認識をしております。実際にヨーロッパが既に二〇〇五年から排出量取引に入っております。これは、二〇〇七年まではある意味で現状追認ということで、実際に企業が出しているものを増やさなきゃいいという程度の排出量のキャップでございましたが、これが二〇〇八年からはより厳しいというキャップをはめまして、そしてそれを、削減ができないところはできるところから買っていただくと。それによって、お金を掛けて減らすのか、あるいはお金を掛けて減らさなければお金を掛けて買ってくるかということで、その削減を確実に図っていくということでございます。

 そういったことで、例えば温室効果ガスの排出量の半分をカバーして、それを何%減らそうと決めれば比較的確実に達成ができると、そういう意味で非常に優れた制度だというふうに感じておるところでございます。

 また、アメリカにおきましても、今の現ブッシュ政権はこういったことほとんど関心ございませんけれども、議会におきましては十本を超えるキャップ・アンド・トレード、排出量取引についての法案が出されておるところでございます。民主党、共和党、両方の議員が連名でこの案件を進めておりまして、例えば共和党で今有力でございますマケイン議員もその一人としてこのキャップ・アンド・トレードの法案を提出をしておるということでございます。

 ただ、アメリカ自身は、まだ委員会が通った段階でございまして、今後大統領選等のこともございます。いつ法案が成立するかについてはよく分からないということでございます。こういった状況でございますし、また、EUとアメリカの二十を超える州が連合いたしまして、世界的なこの排出量取引の在り方についての協力体制というものをつくりつつあると、そういった状況はございます。

 日本におきましても、そういったことを踏まえまして様々な検討をしております。中央環境審議会と産業構造審議会の議論でも、実はこの問題をどう扱うかということが一番多くの時間を取りました。また、八日に発表されました最終報告におきましても、二ページにわたって、この問題について賛否両論について議論が出されたということが詳しく書かれております。今回の最終報告の中で一番詳しいのが、実はその達成方法ではなくて、この排出権取引についての様々な意見の紹介ということになっておるところでございます。

 率直に申しますと、非常に合理的であるという賛成論、また、それ自身が、非常にキャップの設定がなかなか公平に行えない、企業間の競争にゆがみを引き起こすんじゃないか、また特に国内産業の立地に悪影響があるじゃないかと、そういった議論と両方ぶつかりました。そういった中で、これについては結局、引き続き国際的な動向を見ながら、具体的な評価、導入の妥当性も含めて総合的に検討していく課題だというふうに整理がなされたところでございます。

 なお、当然ながら環境省といたしましては、単に議論をしているというだけではございませんで、実際二〇〇五年からはこういった問題に関心を持っております企業を募りまして、自主的な排出量取引の試験をやってみようと、実験をやってみようということで進めておるところでございます。年々多くの企業が参加をいただいて、この排出量削減そしてその取引ということで参加をいただいておりまして、私ども、是非こういった輪を広げて日本に適したこの制度の在り方というものをよく模索をしていきたい、検討を加速していきたいと考えているところでございます。

 

○浮島とも子君 経産省にお伺いをさせていただきたいんですけれども、環境と経済という両立は大きな課題であると思いますが、この国内排出量取引制度の導入が我が国経済に与える影響を一般論でお伺いをさせていただきたいと思います。

 

○副大臣(新藤義孝君) もう先生よく御存じだと思いますが、国内排出量の取引制度が成立するということは、国内の個々の企業に対してまず排出枠を割り当てるということになるわけです。そして、そのメリットは、自分のこの国の排出量を直接的に規制できると、それから市場が十分成熟したものであればその取引を通じて全体の排出削減コストを最小化できると、こういうメリットがあると我々は理解しております。

 一方で、この制度はそれぞれの排出主体に排出枠を割り当てるという強度の規制的な措置が伴いますので、したがって、じゃ公平な割当てというのは、各企業における公平な割当てはだれが判断するのかと、ここが非常に難しいというデメリットがございます。また、何よりもこの京都議定書は参加国がまだ三割しかないと、世界の七割が排出国の中で参加していないと。こういう中で、我々の国内の割当て水準を厳しくした場合には逆に我が国企業の国際的な流出を招くと、こういうような危惧も一部ではございます。

 ですから、いずれにいたしましても、こういう国内排出量取引制度というのはこれ一つでは解決できないんだと。まさに、このような規制的な手法とそれから経済的手法、いろんな省エネや税制の支援措置だとかそういったもの、それから自主的取組、こういう規制と経済的な支援とそれと自主的取組と、こういうものを組み合わせてベストミックスのやり方を考えなきゃいけないだろうと。

 したがって、この取引については今既に環境省からお話ありましたが、EUも試行的な段階です、アメリカでは上院で審議中ということでございまして、我が国においてもこれはしっかりと議論していかなければいけないと、このように思っております。

 

○浮島とも子君 今もお話にございましたけれども、今後の検討課題というのは様々いろいろな立場があり調整が難しいとは思いますけれども、両省でしっかりと連携を密にして、速やかに結論が出せるようにお願いをしたいと思います。

 また、今回のこの最終報告書では、全体排出量の四割弱を占める産業部門が自主行動計画の目標を引き上げたということで、千八百万トンの削減量の上積みが可能とされました。今後、産業部門に対してどのように運動を喚起していくのか、経産省の御見解を伺いたいと思います。

 

○副大臣(新藤義孝君) この産業部門の排出量は我が国CO2の約四割を占めていて、部門としては最大でございます。その中で、二〇〇六年度の数字でございますが、一九九〇年比五・六%マイナスということでかなりの努力をしているわけですね。しかし、これに更に一層の排出削減を進めるために、我が省といたしましても各業界の自主行動計画の推進強化、こういったものをお願いをしているわけでございます。

 そして、今般、審議会におけるフォローアップを通しまして、現時点で目標を達成していない業種についてはその確実な達成をお願いしますと。それから、既に目標を達成している業種については目標の引上げを促進をしております。そして、産業部門では昨年度以降で、化学ですとか製紙等の十五の所管業種が目標を引き上げました。また、他省庁の所管業種と合わせまして合計で千九百万トンのCO2削減、それは目標六%の削減のうちの一・五%に相当する追加的な削減効果を見込まれているわけでございます。そしてさらに、高性能の工業炉ですとかボイラー、高効率の省エネ機器の普及、こういったものを更に追求してまいりまして、より一層の削減努力に努めてまいりたいと、このように思っております。

 

○浮島とも子君 様々な取組がなされていると思いますけれども、英国やドイツ、フランスなど、各国が目標達成をほぼ確実にする一方で、我が国はこの六%削減が本当に危ぶまれている状況は否めません。引き続きこの六%削減というために政府が一丸となって取り組んでいただけることを強くお願いをさせていただきたいと思います。

 また、私は先日、我が党で環境部会と文部科学部会で合同会議で、ドイツの環境教育と学校ビオトープというのを学びました。これは、子供たちが五感を使って自然体験をさせる、子供たちに自然体験をさせるということでしたけれども、子供たちが小さいときから、教科書だけで環境問題を学ぶのではなくて、自ら直接体験をして学んでいくという直接体験のすばらしさを改めて実感したところでございます。また、ドイツでは、環境大臣がこのビオトープをすべての学校で設置するようにというお手紙も出されたようであります。

 また、先日ですけれども、我が国でも先日の日曜日、全国学校ビオトープ・コンクール二〇〇七という発表会が行われたところでございます。これは二年に一度というふうに伺っておりますけれども、私はこの活動は大変すばらしい活動だと思いました。

 このような取組を、環境省を先頭にこれからも各省庁としっかり連携を取って進めていっていただきたいと強く要望するとともに、このビオトープについて御見解をお伺いしたいと思います。

 

○副大臣(桜井郁三君) 子供たちが自然に触れて、あるいは、今の東京を中心とする都市においてなかなか自然と子供がうまく触れ合わない、特に小さいときに自然と触れ合うというのは大変重要なことではないだろうかと思うわけであります。五感で自然を感じる原体験、あるいは感性を育てるとともに環境保全を担う人づくりの極めて重要なものであると考えておるわけであります。昨年十一月に閣議決定した第三次生物多様性国家戦略においてもこうした考え方を述べておるわけであります。

 御指摘の学校におけるビオトープづくりは、子供たちが日常的に自然と触れ合う場をつくり出すものであるため、環境教育、学習の推進の観点から大変効果的な取組と考えております。これまで全国学校ビオトープ・コンクールの後援や環境大臣表彰を行ってきております。また、ビオトープを活用した環境教育のための教材の作成や学校関係者への配付などを行ってきております。さらに、子供たちが国立公園等で自然環境保全活動を体験する子どもパークレンジャー事業などを関係省庁と連携して実施してきました。

 今後とも、身近な自然から原生的な自然まで、触れ合い活動を通じて、五感で感じる自然体験活動を関係省庁と連携し積極的に推進してまいりたいと思います。

 

○浮島とも子君 この地球温暖化は、本当に国民の皆様一人一人が理解をして、そして実行していかなければならない重要な問題でございます。子供のときから本当に、教科書だけではなくて、そういう自然体験の中でいろんなことを実際に直接学んでいくということは非常に大切なことだと思いますので、是非とも全力で支援をしていただきたいと思います。

 これで終わります。ありがとうございました。

 

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。

   〔委員長退席、理事岸信夫君着席〕

 温暖化の影響は、海面の上昇、熱波の多発、干ばつと豪雨、多くの生物種の絶滅の危険など、既に世界各地で深刻な形で現れつつあると思います。IPCC第四次評価報告書では、温暖化が突然、回復不可能な気候変動と悪影響をもたらす可能性があると警告し、今後の二十年ないし三十年の削減努力と投資がかぎだと述べております。非常に重要な内容で、とりわけ政策決定者である政治家が真剣に受け止めなければならないと思っております。

 そこで、昨年十二月バリで行われたCOP13の採択文書にはこのIPCC報告の内容がどのように盛り込まれたのか、報告願えますか。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 二つの文章に引用されております。

 まず、バリ・アクションプランそのものでございます。これでございますが、気候システムが温暖化していることは疑う余地がなく、排出削減が遅延することは温室効果ガスが低い濃度で安定する機会を逃し、著しい気候変動リスクの危険性を増大させることを示したIPCC四次報告書の内容を踏まえる、条約の究極目的の達成のためには、全世界で大規模な排出削減が必要となることを認識し、IPCC第四次報告書の述べるとおり緊急に気候変動に取り組む必要性を強調する。

 もう一つが、いわゆる先進国の更なる約束についてのワーキンググループの結論の中でございます。これは長いので、関係部分だけ読みます。

 IPCC四次報告書が、地球の温室効果ガスは今後十年から十五年で頭打ちになって、その後非常に低い水準に抑制される必要があり、IPCCがこれまでに示したシナリオの中で最も低い水準で大気中の濃度を安定するためには、二十一世紀半ばに二〇〇〇年比で半減以上とする必要があることに留意した。それから、もう一か所でございますが、潜在的損失を限定するためには、附属書Ⅰ国、これは先進国でございますが、附属書Ⅰ国が、全体として排出量を可能な手段で二〇二〇年までに二五から四〇%という幅で一九九〇年比削減することが必要であることを認識した。

 以上でございます。

 

○山下芳生君 先進国が果たさなければならない責任が明記されたということだと思います。

 そこで、日本政府は二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を半減させる立場を明らかにしておりますけれども、そうした長期目標を実効あるものとするためにも、二〇二〇年までの中期削減目標を明らかにし、先進国を始めとする国際社会の積極的な合意を図るために力を尽くすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

○副大臣(桜井郁三君) 気候変動問題の解決には、すべての主要排出国が参加する世界全体としての排出削減を実現する枠組みを構築することが重要であると考えております。

 今後、長期にわたり世界が一致協力して排出削減に向けた取組を推進、継続していくためには各国間の削減負担の公平感が極めて重要な要素であります。公平感を確保する観点から、我が国としては、積み上げ型で国別総量目標を検討することが有効であると考えております。このような方法により国別総量目標の合理的、客観的な相場観を形成することができると考え、ダボス会議で福田総理がクールアース推進構想を提案したところであります。

 今後、我が国としては、クールアース推進構想についての各国の理解を得ながら議論をリードしていきたいと考えております。

 

○山下芳生君 ダボスにも触れられましたので次の質問は割愛したいと思いますが、私は、ダボスの総理の特別演説は、これからの新しい枠組みの目標設定について、セクター別のアプローチによる積み上げ方式によって総量目標を決める、さらにまた基準年の見直しにも言及されております。

 これでは削減する総量がどういう事態になるのか、どういう量になるのかあいまいでありますし、これはサミットに向けてリーダーシップを発揮するどころか諸外国から新たな不信感を招くものにもなりかねないというふうに思っておりますが、国際的にこうした、はっきりした態度が取れない背景に私は国内対策の遅れがあるのではないかと思っております。

 二〇〇六年度の速報値では、我が国の総排出量は基準年に比べて六・四%増加しております。残念ながら、目標達成が危ぶまれる事態にあるわけです。最大の問題は、産業界の温室効果ガス削減を日本経団連の自主行動計画に任せ、削減を義務付ける取組を怠ってきたことにあると私は思っております。

 EU諸国は、企業と政府との協定や排出総量規制などによって大幅削減に踏み出しております。イギリスでは京都議定書の目標値八%減に対して一四・八%の減、ドイツでは目標値八%減に対して一八・四%減を既に達成するなどして、軒並み目標を達成し、更に大幅削減に踏み出そうとしております。

 我が国も、産業界と政府との間で総排出量の削減協定を結んで目標達成の責任を公的なものとする対策に踏み出すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

○副大臣(桜井郁三君) 自主的行動計画については、審議会の場においてフォローアップを行っており、今年度は目標の引上げを始めとする自主行動計画の拡大、深掘りを進めているところであります。この結果、産業・エネルギー転換部門の二十業種が目標の引上げを行ったほか、業務部門を中心にこれまで自主行動計画を策定していなかった業種が新たに策定するなどの成果を上げているところであります。

   〔理事岸信夫君退席、委員長着席〕

 目標引上げの業種は、日本化学工業協会だとか電機電子四団体、そして新規に策定したところが、全国産業廃棄物連合会、日本新聞協会、大手家電流通懇談会などであります。

 一方で、現状のままでは目標達成は容易ではない業種もあり、まずは政府による厳格なフォローアップを通じて、今後の対策が十分に行われるよう、必要でありますので、これらを考えておるわけであります。

 

○山下芳生君 私は、それで目標達成が本当にできるのかと思っております。

 環境省が発表した二〇〇六年の温室効果ガス排出量の内訳、排出形態別それから管理主体別の内訳を述べてください。

 

○政府参考人(南川秀樹君) まず、排出形態別に申し上げます。

 全体としましての排出量は十二億七千五百万トンでございます。パーセントで申し上げますと、産業部門は三六%、業務部門が、これビル関係でございますが一八%、家庭部門が一三%、運輸部門が二〇%。それから、発電所内などの、あるいは送電ロスなどのエネルギー転換部門が六%。また、それ以外に非エネルギー起源のもの、これはゴミ焼却等様々なものがございますが、これが七%ということでございます。

 次に、管理主体別でございますが、大きく分けまして、企業あるいは公共部門関連で八〇%、家計関係が二〇%となっております。

 

○山下芳生君 当然ですけれども、排出量の大部分は企業活動によるものであります。また、企業、公共部門が八〇%。家庭やマイカーなどの家計関連は二〇%。したがって、大幅な排出削減を達成していくためには、企業活動に伴うCO2の排出削減が決定的なかぎを握ると思います。

 もう一つ紹介したいのは、環境NGO、気候ネットワークの調査によりますと、日本のCO2総排出量の五一%を八十二の発電所、十七の製鉄所、二十七のセメント工場、二十六の製油所など百八十の事業所が排出しているという衝撃的な事実が明らかとなりました。わずか二百足らずの事業所が国内の排出量の半分を占めている、この事態をどう認識されますでしょうか。

 

○副大臣(桜井郁三君) 御指摘の気候ネットワークのデータの詳細は承知しておりません。

 日本経団連の自主行動計画に参加する企業からのCO2排出量で見れば、産業界の排出量は我が国の総排出量の約四〇%と大きな役割を占めております。こうしたことから、産業界による積極的な取組が必要であると考えているところであります。

 

○山下芳生君 経産省もそういう試算はしていないというふうに聞いておりますけれども、一つの調査の結果として、二百足らずの事業所が半分以上出しているという数値も出ているわけですね。副大臣おっしゃったように、したがって産業界の削減における役割は大きいということになろうかと思います。

 そこで、少し具体的に見てみたいんですが、一九九〇年以降、石炭火力発電所の建設、稼働が増え続けております。発電所の設備容量で約二千三百万キロワット増えました。

 九〇年と二〇〇五年の発電種別の二酸化炭素排出量を報告していただけますか。

 

○政府参考人(南川秀樹君) 石炭火力発電所から排出された二酸化炭素でございますが、一九九〇年度が約六千万トン、これが二〇〇五年度には二億五百万トンということで、三倍を超える増加になっておるところでございます。

 

○山下芳生君 石油やLNG、天然ガスと比べても石炭火力の排出量の増え方が突出しております。資料に石炭火力発電所の二酸化炭素排出量の推移をグラフ化しておりますけれども、御存じのように石炭火力は石油火力に比べてCO2の排出量は一・八倍にもなります。その石炭火力による発電をどんどん増やしてきましたので、CO2の排出量が増えるのは当たり前であります。我が国のCO2全排出量に占める石炭火力の排出量は、九〇年四・八%から二〇〇五年一五・一%と急増をしております。

 経済産業省に伺いますけれども、なぜこんなに石炭火力発電が増えたんでしょうか。

 

○副大臣(新藤義孝君) この石炭火力発電につきましては、やっぱり石油ショック、このことを語らないわけにはいかないというふうに思います。

 それで、石油ショックのとき、一九七三年のときに発電量ベースで石油による発電が七一%あったと、そしてそこの石油が止まってしまったことで我が国はパニックに陥ったと。そのときに石炭は国内炭のみで四・六%だったんですね。ですから、石炭だけではなくてエネルギーの安定供給を確保しなくてはならないと。これは国是になって、そしてその中で石油代替エネルギーの導入、原子力ですとかLNG火力とともに石炭というものが発電をされてきたということでございます。

 それで、これ原子力発電所の場合は、計画してから着工して運転が開始するまでに大体三十年から四十年のサイクルがあると言われております。石炭の火力発電所の建設につきましてはおおむね十年程度の期間を要すると言われておりまして、石油ショック以降に計画されていたものが九〇年代以降に順次立ち上がってきて、そしてそれによって近年、石炭火力発電が増加してきたんではないかというふうに思っております。

 本年度では、石炭の火力、電源構成において石炭が二四・五%、原子力が三〇%、そしてLNGが二五・九%、そして石油はかつて七〇%を占めておりましたが、今は七・八%まで下げてきていると、こういう状況があるわけです。

 そして、御指摘のようにこの石炭火力発電のCO2の削減、これは大きな課題だと思っております。ですから、それにはやはり老朽石炭火力の天然ガスへの燃料転換、こういったものも今、国として補助金制度をつくって促しておりますし、また高効率な石炭火力発電の導入ですとか、それから一番新しいものでは石炭火力発電所から出たCO2を地中に埋め込むと、こういうような革新的な技術も今研究しようと始めているところでございまして、この技術開発をしっかりとやって、そしてその中でエネルギーのベストミックスというものも我々は追求していきたいと、このように思っております。

 

○山下芳生君 今いろいろ御答弁あったんですけれども、石炭から天然ガスへの転換については確かに政策はあるんですけど、ほとんどこれは進んでおりません。それから、石炭から、火力から出たCO2を貯留する技術、これはまだ実験中でございまして、一万トン規模の実験、次にようやく十万トン規模、しかも安定性やコストの問題もありますから、これいつ実用できるか分かりません。

 私は、これだけ石炭火力発電が増えたのは、いろんなエネルギー事情はもちろんおありでしょうけど、これも一つの要因ではありますけれども、もう一つ大きな要因としては、やはりCO2の排出総量を減らすという目標を電力業界がずっと持ってこなかったということは極めて大きいと思います。

 電事連の自主行動計画には原単位目標しかありませんで、排出量目標はありません。だから、平気で石炭火力を増やすことになるわけですね。先ほどの数字やグラフでも分かるように、石炭火力だけで一九九〇年から二〇〇五年までに一億四千五百万トン、CO2の排出量を増やしております。もし、石炭火力分を除いたとすれば、日本全体の排出量は九〇年から四千六百万トン減っていたということになるわけでして、日本全体の排出増の主因、主な原因は石炭火力と言えると思います。ここを切り替えなければ、私は京都議定書の削減目標の達成さえ困難になるのではないかと思うわけであります。

 そこで、経産省に伺いますが、電事連は今回の見直しでこの総量目標をちゃんと持つということにしたんでしょうか。

 

○副大臣(新藤義孝君) これは産業部門における自主行動計画の内訳をお尋ねになられているんだと、このように思いますが、しっかりとこの厳格なフォローアップをしていきたいと、このように思っているわけです。

 そして、その中で、全体でいいますとこのCO2の削減の引上げが二十一業種にわたって行われました。それから、しっかりと削減させるための検討を産業構造審議会・中央環境審議会合同会合のこの最終報告を何度も行いまして、その中で産業部門の自主行動計画によってこのCO2を削減しなければいけない、そのうちの六割から九割の追加削減効果を見込んでいると、こういうことがあるわけです。

 そして、御指摘のこの総量規制につきましては、確かにこの総量で規制しているところと、それから原単位の抑制をしようというところがあるわけです。これは、原単位の場合は、要するに生産量の製造当たりの排出量を抑えるわけですから、まあ省エネにはなりますが、しかし生産量が増えれば排出量が増えてしまうと、こういう問題が出てきます。一方で、総量規制につきましては、これは生産量にかかわらず絶対量を下げることができるわけです。しかし、この将来の生産量の見通しがはっきりと見えない中で全体を抑制してしまうことは、これは経済活動の抑制にもつながる側面もあるわけでございまして、これは非常に苦しいところだと思いますね。

 ですから、今後は、私はこういうものを、結局、今おっしゃったように六%の達成も非常に難しいです。でも、私たちは六%ではなくて二〇五〇年までに全体の五〇%の削減をしなきゃいけないと。しかも、それは今のようなやり方では絶対に、その六%は達成できても将来の目標達成は非常に厳しいと。これはもうみんなが分かっていることですから、やはりここを今まで日本が積み重ねてきた技術によって、しかもそれを革新的な技術を開発することによって我々は達成させなければいけないし、世界のリーダーになるべきだと私たちは思っておるんです。

 そういうもののための今年度から予算も多額の予算をつぎ込んで研究開発しようと思っておるわけでございますから、総量抑制と、そういった原単位による削減と、これはうまく絡み合わせていかなければならないんじゃないかなと、このように思っております。

 

○山下芳生君 産構審、中環審の二〇〇七年度自主行動計画フォローアップ、去年の年末に出ておりますけれども、そこでは電事連、電力業界の指針目標に排出量の目標はやっぱりないんですね。増やし頭が排出量目標を設定してないんです。それどころか、経産省の資料では、これから新たに運転開始する石炭火力発電所が茨城、京都、広島、長崎、神奈川、福島、島根と全国七か所もあります。ますますCO2が増えることになると。私はそんなことを許していいのか、いいはずないと思うんですね。

 経団連の自主行動計画に任せる従来のやり方を改めて、産業界と政府の間で総排出量の削減協定を結んで実効ある政策にすべきだということを再度申し上げて、質問を終わります。

 

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。

 京都議定書の第一約束期間が始まりました。先日、最終報告追加対策が発表されましたけれども、これを見ても、この達成は本当にできるんだろうか大変心配になりますし、仮にこれが達成できたとしても、多くは京都メカニズムあるいは排出権クレジットを利用した数字合わせになるんではないかと、そういうふうに私は思っております。つまり、国内で具体的に削減をすると、そういう方策は弱くて、その道筋が見えないということなんだろうというふうに思っております。

 まさに排出権クレジット頼みなわけでございますが、最初に、この排出権クレジットに大きくもし依存をするということであれば、これは京都議定書のクレジットというのは補完的であるべきだという精神にもとるんではないかというふうに思っておりますが、排出権クレジットに依存をする、あるいはかなりの割合で依存をするということについて、環境省としてはどういうふうな基本的な考え方を持っておられるのかということをお聞きしたいということと、もう一つは経産省の方に、政府は経団連加盟企業が現在排出権クレジットをどの程度購入をしているのか、そういうデータを持っておられるのかどうかお聞かせをいただきたい、知っていたらお聞かせをいただきたいと、こういうふうに思います。

 

○副大臣(桜井郁三君) 自主的行動計画については審議会の場においてフォローアップを行っており、目標の引上げを始めとする自主行動計画の拡大、深掘りを進めてきたところでございます。この結果、今年度、産業・エネルギー転換部門の二十業種、目的の引上げを行ったほか、業務部門を中心にこれまで自主行動計画を策定していなかった業種が新たに策定するなどの成果を上げているところでございます。

 自主行動計画の実施に当たっては、国内における排出削減努力を基本とすべきでありますが、目標達成が困難となった場合には、補足的に京都メカニズムを活用することも含め、一層の努力により目標を確実に達成することが必要であると思います。環境省としては、自主行動計画の目標を確実に達成されるよう厳格にフォローアップを行ってまいりたいと思います。

 

○国務大臣(甘利明君) 経済界の自主行動計画というのは、政府の閣議決定をしました目標達成計画の中の相当部分を担当しているわけであります。その自主行動計画を自前で達成すると、それができなければまさに自前で排出権を買ってくるわけでありますし、それは買った時点で政府に無償で移管をされるわけでありますから、その時点で政府としてどれくらいの量であったかということは把握できるはずであります。

 

○近藤正道君 そうすると、経産省としては、現時点で各企業がどの程度排出権クレジットを保有しているのか、購入をしているのか、こういうデータは全く持っておられないんでしょうか。経産省にお尋ねします。

 

○委員長(加藤修一君) ちょっと速記止めて。

   〔速記中止〕

 

○委員長(加藤修一君) 速記起こして。

 

○国務大臣(甘利明君) 現在、政府が把握しておりますのは電力で一・二億トン、鉄鋼で四千四百万トンです。

 

○近藤正道君 クレジット補完の原則からいきますと、やっぱりこういう情報はしっかりと把握しておく必要があるんだろうと。私、事前に聞いたら、全く把握していないと、こういうお話でありましたので、そのことを今確認しようと思って質問をしたわけでございます。

 今日、資料を配付させていただきましたけれども、今ほども議論がありましたけれども、間接排出ではなくて部門別の排出量、直接排出で見ますと、産業部門、エネルギー転換部門、これは発電所でありますが、これが日本のCO2排出量の約六割を占めているというふうに私ども見ております。

 この大口部門がまさにポイントでありまして、この分野の削減がなかなか進まない、あるいは削減レベルがそもそも低い、未達が多い、これが問題なわけでございまして、そういう認識をやっぱりしっかり持つ、あるいはそういう啓発をきちっと国民にしないままに、確かに伸びが最近著しい領域でありますけれども、家庭部門の対応を強化すると。

 それはそれで必要なことはよく分かるんですが、その一番大事なところをきちっとやっぱり知らせないで、家庭部門が問題なんだというふうな言い方は本筋を見誤ることになるんではないかというふうに思っておりますが、この点について環境大臣の所見をお尋ねしたいというふうに思っています。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) 今、この三月に新たな目達計画を閣議決定させていただくわけでありますが、その中でも、自主行動計画をきちんと積み上げて、最終的にこの第一約束期間のマイナス六%を実現していくと、こういうようなことでありまして、我々としては、その進捗をしっかりと厳格に管理をして、そして、もしその状況にやや危惧があるようでしたら、次なる様々な行政的手法あるいは規制的手法、こういうようなものをプラスアルファしていくと、こういうようなことでありますけど、まずは今実際に積み上がった新たな目達計画を見守っていくと、こういうような段階でございます。

 

○近藤正道君 今年に入りまして、再生紙の問題をきっかけに環境の分野でも偽装の問題が相次いで発覚をいたしました。偽装を行っていた、常態化していた多くの企業が日本経団連に加盟をしている企業でございました。業界内部でのフォローアップを信頼できる状況にはないんではないか、こういうふうに思っています。日本経団連に厳しくやっぱり削減を求めるためにも、自主行動計画に任せるんではなくて、今ほど来議論がありました法的拘束力のある政府との削減協定に改めるべきだと、こういうふうに強く思います。

 どうしてもこの協定が駄目だということであるならば、せめて大口の排出源、例えば電力あるいは鉄鋼について審議会を設置して、これに政府が関与をする、そしてその排出量の数値設定の妥当性、合理性そして透明性をしっかりと担保すべきではないかと。今の自主行動計画をすべて業界に任せる、こういうやり方ではなくて、審議会でやっぱりきちっと議論をしてその数値をお願いをすると、こういう形は取れないんでしょうか、大臣にお尋ねします。

 

○国務大臣(甘利明君) 産業界が自発的にやる努力が全然なされていないならいろんな評価もあろうと思います。産業界は自発的に自主行動計画を作って、それを達成しているんですね。政府の方は、達成したその上に、ほかがまだ未達だから、ほかの部門もあなたのところで引き受けてくれということで更に上乗せ要求をして、上乗せもやろうということになっているわけなんです。

 こんなことが自主的にできるというのは、日本の産業界しかないと言われているんです。アメリカもEUも、産業界に自発的にやってくれと言ったら、とてもそこまでできませんと。日本の産業界だから、志を持ってみんなで与えられた目標を達成しようと。それに達成できたところは更に上乗せをやってくれといって、千九百万トンも上乗せ、四千二百四十万トンの上にですね。四千二百四十万トンで達成が完了なんです。その上に千九百万トン、ほかが達成できそうもない部分まで引き受けてくれといって更に上乗せをやって、それもやりますということをやっているわけなんですね。

 つまり、サボっているところに対してけしからぬと言うのは分かりますけれども、ちゃんとクリアして、更にその上の目標も引き受けますというところに対して、これは非常にうまくいっているということの評価をした方がいいんじゃないかというふうに思います。

 それから、すべては電力に起因しているから、その元で全部クリーンエネルギーにしろという御主張だと思いますけれども、電力会社というのは供給を要求されたら供給しなきゃならない義務を持っているんです。これ以上たくさんつくるとCO2たくさん出ることになるから、供給しませんと言えないんです。要求されるままにどんどん出さなきゃいけない。だから、原発が止まったときには、しゃにむに石油火力を、退役した石油火力を稼働させて、それで供給をしなきゃならないという義務を負っているわけなんです。

 だからこそ、量を制限することができる、つまりユーザーの省エネ努力というのが大事になってくるわけですから、断熱性の高い建物に住むとか、あるいは家電を買い替えるときには省エネ性能の高いものにするとか、あるいは、給湯器をヒートポンプにすれば、原子力の電気とヒートポンプでいえばゼロ・ゼロですから、こっちがCO2ゼロ、ヒートポンプもCO2ゼロですから、家庭の冷暖房、給湯がCO2ゼロでできるわけなんですね。

 そういうユーザー側もやっぱり協力するという姿勢がないと、電力を送る側は供給義務を課せられているわけですから、送らないというわけにはいかないんですね。だから、量についての制約が自分じゃできないと。だから、質を改善していって、石炭もコンバインドサイクルのようなもの、効率のいいものに入れ替えていくと。あるいは、安全性を大前提として原子力を推進をしていくと。原発二基をあの従来型の火力と置き換えると、二基だけでCO2一%減るわけでありますから、強力なツールになるわけですから、そういう送る方と受け手の方のコラボレーションが極めて大事になってくると思います。

 どこか一つにしわ寄せをするんじゃなくて、お互いが協力して、努力を積み重ねていって全体の削減量を確保するという姿勢は大事だと思います。

 

○近藤正道君 産業界、経団連の自主行動計画の削減数値そのものが社会では厳しく批判をされている。そういう現実を踏まえて、私は、法的拘束力のある協定、あるいは、せめてそこに行かないんなら審議会方式というものを導入したらいいんではないかと、こういうふうに今申し上げているわけでございます。

 次の質問でありますが、福田総理、本会議で、日本の温暖化対策の進捗状況は先進国中最下位との世界銀行の指摘に対して、過去十年間のCO2の増減の傾向を評価したもので、絶対量評価ではないと、こういうふうに反論をされました。

 しかし、世界銀行の調査は、GDPや人口の伸びから予想される以上に日本のCO2排出量が増大していること、多くの国が石炭よりCO2排出の量の少ない天然ガスや石油への転換を進める中、日本は逆に石炭の需要が増えた。今ほど議論がありましたけれども、その結果、四千二百万トンものCO2排出量が増えたことを示しております。今後十年間でも石炭火力発電所についてアセス済みの六基以上の建設が予定されているわけでありまして、先進国で石炭火力発電を増やしているのは日本だけなんです。

 石炭利用を抜本的に見直すべきだ、抑制すべきだというふうに思っておりますし、石炭火力発電所を減らしてエネルギー効率の良い既存のLNG発電所を活用すべきだ、環境省としては、この時期、石炭火力発電所というのはもう許さないと、こういうメッセージを強力に出すべきだというふうに思いますが、環境大臣、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) 私がお答えする領域を多少超えている部分もございますけれども、先生おっしゃるように石炭火力だけに頼るというようなことは、これは、我々究極の目標は地球温暖化を防止するということでありますから、低炭素社会に移行していく上ではこれから技術革新を進めていかなければいけません。

 ただ、今、足下のことで申し上げますと、例えば高効率化の石炭火力にも頼らざるを得ない部分もあるわけでありますから、できるだけそれを技術革新していく、あるいは、先ほど甘利大臣もお話をされましたけれども、安全を確保した上で原子力と、こういうようなことも選択肢に入れながら、あらゆる方途を探って最終的に温暖化を防ぐと、こういうようなことなんだろうというふうに思っておりますけれども、その中では、やはり経済と環境の両立ということの中で、難しい選択の中で、現在のところではできるだけ効率化した石炭火力というのも一つの考え方にならざるを得ないというふうに今考えております。

 

○近藤正道君 原発の話が出ましたんで申し上げたいと思いますが、平成二十年度の京都議定書目達計画関係予算、この資料をいただきました。これを見ますと、関係予算のうち原発とか高速増殖炉などで合計千六百二十一億円、全体の一三%を原子力関連で占めていると。つまり、原発でその目達計画のかなりの部分を達成しようと、こういう位置付けがされているわけであります。

 しかし、原発は廃棄物あるいは事故のリスクが避けられない、こういう問題がありますし、現に気候変動枠組条約上の排出枠の算定に当たっては、CO2の排出削減対策として原発を利用できないことになっているんではないでしょうか。

 原発推進に千六百二十一億円を使うということであるならば、もっと自然エネルギーの振興等に予算が使えないんだろうか、こういうふうに思いますし、しかも、これ申し上げたいのは、先日の目達計画の最終報告、これを見ますと、原発の稼働率を約八四%ともくろんでおります。ついこの間までは八八%、そういう前提で計画を立てているんです。しかし、原発の稼働率は過去五年見ましても六八・八%、十年間で見ますと七五%。どうして一〇ポイントも高い稼働率を想定するんだろうか。ついこの間はもっと高かったわけですよ。

 せめて、こういう非現実的な稼働率見積りはやっぱりやめるべきだと。余りにも過大な見積り。そして、これが結局、後でみんな多分クレジットの方で帳じりを合わせるんだろうというふうに思いますが、やっぱりもっと現実的な数値を前提に目達計画を立てるべきではないかと、こういうふうに思います。

 これは両大臣にお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(甘利明君) 原発の稼働率は他の先進国を見ますとかなり高いわけであります。それに近づいていけるように、各種安全面をしっかり担保しながら取り組んでいこうということであります。

 それから、石炭、先ほど来話題に随分出ています。コンバインドサイクルにすればLNGにかなり効率は近づくと思いますし、さらに、今研究していますのはトリプルコンバインドサイクル、燃料電池と組み合わせるということで更に効率を上げると。出てきたものを、CO2を地中閉じ込めということと併せてゼロエミッションを考えています。

 なぜ石炭を考えるかというと、途上国に石炭火力をやめろと言うことは多分できないと思うんです、安価で豊富な賦存量ですから。彼らはこれを使いたいと必ず言うはずです。だとしたら、クリーンに使わせる技術を日本から提供できるように準備しておかなければならないというふうに思っております。

 ですから、化石燃料のクリーン使用、それから自然エネルギー、それから原子力、そういう何本か立てで取り組んでいくべきだというふうに思っております。

 

○近藤正道君 稼働率。

 

○国務大臣(甘利明君) ですから、稼働率は冒頭申し上げましたが、日本の稼働率を先進国の稼働率並みに引き上げていくと。それは安全を大前提として何をやるべきかということをしっかりと検証していきたいというふうに思っています。

 

○近藤正道君 最後でありますが、現実の稼働率の一〇ポイントあるいは一五ポイントも上回るような過大見積りはやっぱりやめるべきだと強く申し上げておきたいというふうに思っています。

 いずれにいたしましても、今の状況では京都議定書の達成はおろか、やっぱり中長期の削減目標についてもですね、バリで約束したこれだってやっぱりなかなか難しいんではないかというふうに思っています。

 ですから、一日も早く排出量取引あるいは炭素税、環境税、こういうものをやっぱり確立をする、そういう議論に入っていかなきゃならぬと思いますが、相変わらず検討、検討、先送り、一体いつまでこういう検討を続けるんだろうか。世界の大勢はまさにもう既に完全に稼働、実施の方向で動いているわけでありますが、せめて実施の時期の大まかなめどぐらいは大臣、環境大臣、示すことはできないんでしょうか。

 

○委員長(加藤修一君) 鴨下環境大臣、手短にお願いします。

 

○国務大臣(鴨下一郎君) 炭素に価格を付けるというようなことについては、私は極めて有力な手法だというふうに思っております。

 ただ、先般来いろいろと議論がありますように、これ経済と環境の調和というような、こういうようなこともございますので、今の目達計画をしっかりと見守り、なおかつ厳格に進捗管理をやった上で達成ができないというような状況が出てくれば更なる強力な行政ツールを使っていくと、こういうようなことなんだろうというふうに思っております。

 

○近藤正道君 終わります。

 

○委員長(加藤修一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

   午後四時三十六分散会