第170号 小泉元総理との懇談の夜 ~自民党刷新!日本の再生のために~



南麻布のおそば屋さんにて。小泉元総理を囲んで、
楽しいながらもとても有意義な懇談会がありました。


 衆議院議員の任期は 9 月10日までであり、いよいよ残り半年となりました。解散総選挙をめぐるマスコミを巻き込んだ一連の政局騒ぎがますます加熱しております。
 また、民主党の小沢党首の公設第一秘書が逮捕されたことは政治の信頼を大きく損なうことになり、公共工事をめぐるゼネコンと政治家、などという昔のしが
らみ政治がまだ残っていたのかと、私は本当に悔しく思っています。与野党の区別なく徹底的な捜査によるこの問題の全容解明を求めてまいります。


◆ 政治の機能不全

 このような政治情勢の中で、100年に一度といわれる経済危機の真っ只中にありながら、わが国の政治は機能不全に陥っています。与野党の駆け引きの激化により政策の決定や実行のスピードが極端に落ちてしまい、期待された効果が上がらない恐れがあります。
 日本より規模も内容も深刻で、まさに未曾有の不況にあえぐ米国ですが、1 月20日に就任したオバマ大統領が提出した「 2
年間で約73兆円の景気対策」は、1ヶ月経たずして成立しました。米国議会の野党である共和党の下院議員は全員反対票を投じましたが、日本の野党のように
審議引き延ばしや議事妨害などを行いませんでした。
 そして街中の一般市民がTVのインタビューに答えて「この国難に耐えてみんなでがんばろう!アメリカは負けない!」などとコメントしているのを見せられると、うらやましいやら悔しいやら、何で日本はこうならないのか、と自らの不明を恥じるばかりです。



◆ オバマ大統領の景気対策

 その内容は日本の約 3
倍規模となる低所得者層への給付金と所得税減税、大規模な公共事業の実施、さらにグリーン・ニューディールと呼ばれる電気自動車の開発普及や太陽エネル
ギー利用など環境技術分野への大型投資というように、すでにわが日本が発表しているものとほとんど変わらないものなのです。
 しかし、75兆円となる日本の景気対策を麻生総理が発表したのは昨年11月30日です。第二次補正予算関連法が成立したのは
3 月 4 日、実に 3 ヶ月以上を要しています。



◆ 日本政治の停滞原因は

 この日本政治の停滞の原因は、衆参のねじれ現象や政局優先主義の蔓延だけではありません。
 少子高齢化と人口減少社会の到来、世界規模の金融システムの崩壊による経済戦略の見直し、社会保障の充実とその財源確保、テロや貧困との戦いという新し
い国際安全保障環境への対応など、日本は国家の運営形態を根本から組み替えなければいけない必要に迫られています。
 日本という国がどう変わるのか?そのために何をしなければならないか?この国の将来の姿を明確に示し、国民が希望と期待をもって取り組んでいける国づくりのシナリオを、日本国民が共有できないことに問題があります。
 何より政治がその答えを出さなければなりません。



◆ 小泉元総理との会話

 今月はじめ、都内のおそば屋さんで10人ほどの集まりがありました。呼びかけ人は元国土庁長官の伊藤公介代議士です。深谷隆司元通産相や塩崎恭久元官房長官のほか、平沢勝栄・下村博文といった私の同期当選組から
1 期生まで多彩なメンバーが集まりました。メインゲストは小泉純一郎元内閣総理大臣です。
 伊藤代議士の、「今晩声かけした人はこの国の改革を進めていく気持ちのある人で、私の好きな人を選びました。小泉元総理が議員を辞める前にどうしてもご馳走しておきたかった。」などという挨拶で始まり、2
時間半ほどの和やかな懇談会が行われました。小泉元総理はいつものようにいろいろな話をしてくれました。
●郵政民営化については、
・民営化の後退は絶対に納得できない。郵便局は郵政公社時代の 4 年半に212局減ったが、民営化後の 1 年半でトータルで一局減っただけ。 ( 4 局増えて 5 局減った)
・郵政公社時代の国庫納付金は、年平均約2400億円だったが、民営化後の日本郵政グループでは、年換算で約8100億円の納税となる。
・簡保の宿はなぜ役所がやるのか。
・自分が総理時代に分からなかった関連会社への天下りも、219社へ2000人の郵政官僚が天下っていることが民営化によって明らかになった。
●議員を本当に辞めるのか、
・本当に辞める。辞めた後は「環境保護と経済発展の両立」、「食の安全」、この 2 つのテーマを中心にシンクタンク等で活動する。
●今後について聞かれ、
・3月以降は政局に一切絡まない。選挙を戦う人達で考えてほしい。
・頼まれれば選挙の応援には行く。 というような話をしてくれました。



◆ 「そばの会」の結成

●私達からは、
・あなたが辞めるのは惜しいが仕方が無い。しかし、小泉内閣後の国政の混乱はまことに嘆かわしい。今最も重要なことは、これからの日本をどうするのか、世界を生き抜く国家戦略を打ち立てることだ。
・この会ではそうした国家ビジョンを検討していくが、「あなたにはそばにいてくれるだけでいい」から付き合ってくれないか?という話になり、それはフラン
ク永井の歌じゃなかったか、と元総理が言うので、私がそば屋だからこれでいいんです、と答え一同大爆笑の内に会の名称と設立が決まったのです。



◆ 自民党の刷新運動を!

 そして元総理との懇談のなかで、これまでも自民党は何度も困難があった。そういう時は有志議員により党の刷新運動が起こり危機を乗り越えてきたものだ。
倒閣や反閣でもなく、自民党を立て直すためにがんばろうじゃないか、という話になり、一同納得して今後の活動方針が決まりました。
 現下の混沌とした政治情勢を打開するために、私もいろいろな活動を開始しています。今後も折に触れて、自民党や国会内で起きていることを皆様にお伝えしてまいります。

新 藤 義 孝