第166号 平成21年の年頭に当たり ~みんなでがんばる年に~



今年も毎週日曜日、午後 3 時すぎから川口駅東口デッキ上にての
国政報告を続けています。ご都合がよろしければ是非お出かけ下さい。


 皆様にはお健やかに新春をお迎えのことと存じます。本年もよろしくお願い申し上げます。


◆ まだ夕暮れ時?

 今、私たちの社会には言い様のない不安が渦巻いております。昨年 9
月からの景気の悪化はかつて無いスピードで企業を直撃しました。中小企業の経営不安は増大し、政府は経営支援のための公的融資枠を大幅に拡充しました。ト
ヨタやシャープ、ソニーといった大企業も収益を激減させ、大幅な人員整理を発表するなかで、職を失った派遣社員の方達がくらしや住まいの確保が出来なくな
るなどの事態が起こり、失業対策が急がれております。
 しかも、この経済の悪化は一日の中でいうとまだ夕暮れ時であり、これから夜は本格化し、深夜に到るもっと深い不景気の闇が訪れるともいわれております。
しかし朝の来ない夜は無く、冬を過ごせば春が参ります。いかにして日本という国に早く朝を迎えられるようにするか、また、夜が明けた時に正しい道を歩いて
いられるか、その羅針盤となるのが国の政治であり、本年は私たち政治に携わるもの真の力量が問われる年になります。



◆ ピンチはチャンス!

 過去、世界は数度の大規模な経済不況を経験してきました。80年前の世界恐慌をきっかけとして、自動車の本格的な生産販売が始まりました。繊維機械の
メーカーだった豊田自動織機はこの頃に自動車部を設置し、現在のトヨタ自動車へと大発展しております。
 石油ショック後の消費不況の時には、新しいライフスタイルの提案としてソニーのウォークマンが発売され、日本はおろか世界中に市場を伸ばしました。
 不況の中でものが売れなくなり、既製の製品やサービスの市場が崩れた時に、新しい技術や製品が生まれてきた歴史を想い起こしましょう。
 現在、世界各国は不況からの脱出を競い合っておりますが、それが早ければ早いほど、その国は他国への経済支援を通じて世界規模で自国経済を新たに拡大出
来るチャンスが巡ってくる、と私は考えています。
 そして日本は、世界最高水準を誇る技術力と人材、中小企業のネットワークなど我が国独特の強みを活かし、目標に向かって行動することができれば、我々が
成功する可能性は極めて大きいと私は信じております。ピンチをチャンスに換えられるかどうか、今ががんばり時ではないでしょうか。



◆ 日本の挑戦

 世紀に一度の経済危機の今だからこそ、政府は将来の成長のための大規模な投資を集中的・戦略的に行うことが重要です。環境、高齢化対策、安全の確保な
ど、新たな需要や市場の具体的なイメージを国民の皆さんにわかりやすく提示する必要があります。併せて、経済の成長や産業の競争力を強化するための技術開
発や新しい制度や必要な設備に予算を重点配分すべきです。
 例えば、環境に優しいハイブリッドカーや電気自動車を購入する方への自動車重量税や取得税が免除される税制改正法案や、太陽光発電パネルの設置につい
て、新築住宅には所得税・住民税の住宅ローン控除の割り増しが、また既存住宅へは補助金制度も提案されています。
 家の新築は工務店はもとより建材
・家具・家電・生活用品など経済波及効果が大きく、そこに環境に優しい新技術の普及を図ることで新産業の育成にもつながります。
 車一台には 2
万点以上の部品が使われており、プリウスの電気モーターの一部は川口の中小企業が製造しています。太陽光パネルも同様です。これらの製品の売り上げが伸び
ることは、部品を製造する中小企業への発注が増えることになり、新製品の市場拡大が結果として地域経済の回復に大きくつながっていくことがご理解いただけ
ると思います。
 新技術は環境分野の他にも、高齢者や足の弱い方の歩行を補助するロボットや、掃除・洗濯・アイロンかけなどを行ってくれる生活支援ロボット、ガン治療の
ための革新的医薬品の開発、骨や臓器、血管を再生できるips細胞の研究など、医療や介護分野での新たな産業開発が猛スピードで行われているのです。



◆ みんなでがんばる年に

 ご紹介した取り組みは将来の夢物語ではなく、実用化に向け本気で開発が進められています。国は支援のために、今国会に提出した補正予算案や21年度の本
予算案の随所に研究開発の費用を織り込んであります。最大の景気対策はこれらの予算や制度を最大限のスピードで成立させることです。しかし報道の関心は極
めて残念なことに、解散はいつなのか、自民党が割れるのか、民主党はどうやって自民党を追いつめるのか、などというような政局がらみのことばかりで、世の
関心もそちらに引きずられているような気がしてなりません。今は、国が一つになってがんばれば、もの凄いチャンスをつかめる時です。なのに国政が権力闘争
に明け暮れている限り、日本の成功はあり得るわけがありません。
 私は、まずは自民党の中から動きを起こそうと考え、「力強く日本を再生する会」を仲間と共に設立いたしました。99人が参加し、実効性のある政策提言を
行うと共に、何より皆が結束して国を動かすこと、を目的としています。
 解散総選挙が行われる本年は、政治も経済もさらに厳しさを増すことになります。しかし私は、難局にあたり決してくじけず、あきらめず、ものごとに真正面
から取り組み、みんなでがんばる年にする、と決心しております。皆様もこの運動に是非ともご賛同いただきますようお願い申し上げます。

自転車での市内遊説も続けています
新 藤 義 孝